新卒でなれる20代で最も年収が高い職種の一つである「データサイエンティスト」って知っていますか?

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最終更新日:2023年10月26日

新卒でなれる20代で最も年収が高い職種の一つである「データサイエンティスト」って知っていますか?

自己分析

パーソルキャリアの転職サービス「doda」のデータに基づく「平均年収ランキング2018」によると、データサイエンティストの2018年の20代の平均年収が404万円という発表がありました。20代の職種別でみるとかなりの最高水準の年収になっています。

まだまだ希少価値が高い職種のため、企業によっては年収1,000万~1,200万円を提示するケースもあります。

実際に就活生が思い浮かべる代表的な職種といえば、「営業・マーケティング・エンジニア」などが中心であり、逆にデータサイエンティストという仕事はあまり聞いたことがないと思います。

また、データサイエンティストの理解を深めようと思うとかなり奥が深くなり、専門用語も多く難しく感じてしまう方も多いことでしょう。

そこで本記事を通じ、「データサイエンティストを詳しくは知らない就活生」が興味を持つきっかけになっていただければと思います。

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データサイエンティストとは?

結論から述べると、データサイエンティストとはその名の通り、データをサイエンス(科学)する仕事です。

どういうことなのか。まず、データサイエンティストの前に、ビッグデータについて解説します。就活生の皆さんもビッグデータという言葉自体はよく耳にしていると思います。

IT用語辞典では、ビッグデータについて下記のような説明がなされています。

ビッグデータとは、従来のデータベース管理システムなどでは記録や保管、解析が難しいような巨大なデータ群。明確な定義があるわけではなく、企業向け情報システムメーカーのマーケティング用語として多用されている。

引用:IT用語辞典

つまり、「様々な形をした、様々な性格を持った、様々な種類のデータのこと」を指します。

データは分析・解析されてこそ企業としての価値があります。そこで、データサイエンティストの出番です。

さまざまな意思決定の局面において、データにもとづいて合理的な判断を行えるように意思決定者をサポートをすることにより、企業の事業成長に貢献するのが仕事となります。

例えば、企業が新規事業開発や商品を企画するためには、顧客(消費者)が何を欲しているかを知る必要があります。

データサイエンティストが扱うビッグデータは、実際の顧客(消費者)の行動に即したデータのため、これを分析することで現状分析をすることができ、その分析を生かして、本当に顧客(消費者)が求める事業や商品を開発することができます。

このように、テクノロジーの進歩により、他社との競争に勝つために、企業にとってデータは大きな価値となっています。

アメリカのビジネス雑誌『ハーバード・ビジネス・レビュー』(Harvard Business Review)では、データサイエンティストを「21世紀で最もセクシーな職業」と紹介するくらい、今最も注目されている職種のうちのひとつになっています。

なぜ、データサイエンティストの年収は高いのか?

上述しているように、ビッグデータの価値が増している中、企業内でデータを分析・活用する動きは活発です。その中でデータ活用に携わるデータサイエンティストの需要は高まっています。

日本のデータサイエンティストはアメリカよりも大幅に不足しています。アメリカでデータ分析スキルが見込める学生が年間2万人以上卒業するのに対し、日本では約4,000人とされています。

そしてアメリカの調査会社ガートナーによると、日本では将来的に25万人ものデータサイエンティストが不足すると言われているのです。

その結果として、データサイエンティストの市場価値が高まっています。

どんな人が向いているのか? 

データサイエンティストに興味が出てきましたか?興味を持ったとしたら、次に気になるのが、果たして自分に適性はあるのかどうかですよね。

東京大学卒業後、データサイエンティストとして様々なビジネスデータ分析に携わっている「手を動かしながら学ぶ ビジネスに活かすデータマイニング」の著者でもある尾崎隆氏は、データサイエンティストに求められる素質についてブログで下記のように述べています。

●データドリブンなメンタリティ
「データに基づいて何かを解き明かし、意思決定する」ということに重きを置くというメンタリティ

●データ分析を支える学術・技術への学習意欲
努力を厭わず積極的に学び取りたいという学習意欲の持ち主であること

●旺盛かつ根源的な知的好奇心
データ分析の仕事は時代に追い付き続けられるようにいつでも新しい学術や技術を学び続けるため

詳細はこちらから:データサイエンティストや機械学習エンジニアに求められる「素質」とは何か

 いかがでしょうか?もし、上記に当てはまる方は、データサイエンティストという職種を視野に入れて就活をしてもいいかもしれません。

データサイエンティストを目指すなら

企業の中でデータサイエンティストが職種として確立している企業に入社するのが一番良い方法だと思います。会社としてデータサイエンティストの職種が確立されていますから、スキルを学びながら経験を積んでいけます。

例えば、リクルートホールディングスは実際に19年度入社を対象に、「データ解析コース」として、職種別採用を実施していました。初年度から年収例が427万円となっており、優秀なデータサイエンティスト候補の採用に注力しているのがわかります。

参考までに募集要項を確認してみましょう。

【応募必須条件】(スキル・経験・志向など)
・数理統計学/解析/機械学習/自然言語処理/人工知能/画像解析など分析・解析手法に関する知識を有する方
・Python、R、MATLAB、SAS、SPSSなどの統計解析言語やプログラミングの利用経験を有する方
・上記などの専門知識や技術を活かして問題解決をしたいと考えている方

【望ましい条件】
・プログラミングまたは分析ツールを用いて、データ加工を行うスキル
・構造化されたデータ(フラットファイル、RDB等)に関する理解

引用:リクルート2019年新卒採用サイト

あくまでもリクルートの応募条件のため、その他の企業に当てはまらない可能性がありますが、興味を持った方は今から勉強するのもありだと思います。

職種別採用で注意すべきこと

新卒からデータサイエンティストを目指す場合、入社する企業は精査する必要があります。 今年、「今データサイエンティストを目指してる人の7割が5年後に年収350万にしかなれない」という記事が話題になりました。

内容としては、データサイエンティストを採用したくてもできていない企業がこぞって、「データサイエンティスト募集!未経験応募可!」という求人を募集し、データサイエンティストの卵を採用するのですが、「育成するための土台が整っていない」「そもそものデータを集積できていない」という劣悪な状態のため、「こんなはずではなかった・・」と嘆く人が今後増える可能性があることを示唆しています。

その結果として、一部の特別なスキルや実績のある人材だけが高待遇になり、キャリア選択をミスしてしまった人材の年収は上がらずといった、二極化になることが想定されます。

そのため、就活生の皆さんも盲目的にならずに見極める必要があります。

ポイントとしては、「その企業で既に組織としてデータサイエンティストの仕事が確立されているのか」や「OB訪問で働いている中の人に実態を聞いて見る」が有効な手段となります。

最後に

いかがだったでしょうか?データサイエンティストに興味を持ちましたか?

データサイエンティストといっても決して仕事内容をひと括りにすることはできません。もし本記事をきっかけに、少しでも興味を持った方は、ぜひ色々調べてみてください。

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、志望企業からの内定を獲得することは"スタート地点"に過ぎません。人生の大部分を占めると言われている「仕事」をより充実したものにするため、就活生の段階から働き方・キャリアを考えておいてみるのも良いと思います。【関連記事】最後に意外と多くの就活生が今回紹介した記事の内容を意識せず、なんとなくの就職活動をしているものと思います。また、記事を読んだ上で実際に行動するのはおそらく1〜2割程度の人だけだとも思っています。多くの就活生が中々動けないからこそ、記事を読んで実践するだけで大きく差をつけられるはずです。今後も皆さんにとって有益なコンテンツを追加していきますので、適宜チェックしてみてください。 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Googleも採用するOKR?|就職活動における目標設定と進捗管理 Googleも採用するOKR?|就職活動における目標設定と進捗管理 夏のインターンシップに参加したのも束の間、秋季インターンシップの募集も始まり、一息つく間もない現状に辟易している方も多いのではないでしょうか。一方で、夏のインターンシップを通して、自分の行きたい企業・業界がより明確になってきていることかと思われます。その反面、「目標は定まってきたけど、具体的にはどのように行動に落とし込めばいいか分からない」・「自分の目標までの立ち位置が漠然としている」など現状と目標とのギャップに悩んでいる方も多いかと思われます。本記事では、GoogleやFacebookでも導入されている目標管理ツールである”OKR”を就職活動にどのように応用していくのか、その考察を深めていきます。秋以降の就職活動における目標設定と進捗管理のヒントにしていただけたらと思います。【本記事の構成】▶OKRとは?これまではKPI、これからはOKR▶︎企業に属すると必ず待ち受ける”目標管理”▶︎就活にOKRを設定するとどうなる?▶︎目標設定と進捗管理は、仕事でも就活でも大切さは変わらないOKRとは?これまではKPI、これからはOKR本稿でのキーワードになる”OKR”とは、企業の目標設定・進捗管理方法の一つです。PDCAやKPIなどは一度は聞いたことがあるかと思われます。OKRは冒頭でも申したとおり、GoogleやFacebook、国内ではメルカリなどがフレームワークとして導入し、昨今話題を呼んでいます。ObjectiveandKeyResult(目標と主な成果)OKRとは「ObjectiveandKeyResult(目標と主な成果)」の略で、チームや個人の目標を明確化するためのメソッドです。組織が掲げる理念、事業目標に基づき、Object(目標)を定め、達成するための条件をKeyResult(主な成果)に入れます。参考:グーグル、メルカリ…イケてる企業が続々採用する「OKR」の威力企業の事業目標に合わせたObjectiveを設定し、目標を設定するための小さなゴール(客観的に測定可能なもの)をKeyResultsとして設定します。中には感じた人も多いかと思われますが、OKRは巷でもよく聞く目標設定・管理方法のひとつではないでしょうか。最も達成したい大きなゴールを決め、ゴールに至るまでの道筋を細分化していく手法は、企業はおろか、学生でも実行している人がいるでしょう。例えば大学受験で言うと、「○○月までにはセンター試験の対策を終わらせ、○○までには二次試験の勉強を始める」といったゴールからの逆算を行なってきたことでしょう。学生が知らず知らずのうちにOKRを使用している一方で、多くの企業はKPIと呼ばれる手法を利用しています。KPIとOKRの違いKPI(KeyPerfomanceIndicator:重要業績評価指標)は多くの企業で目標設定と進捗管理に使われています。一般にOKRはボトムアップ型・KPIはトップダウン型の目標設定・進捗管理ツールとして認識されており、KPIではなく、OKRを導入する最大のメリットは生産性の向上にあると言われています。この点を踏まえ、両者の違いを分野ごとに整理したのが以下の表になります。参考:BizHintチーム組織開発OKRまず特筆すべき点は、目標達成率です。多くの目標設定が達成できたか否かという二軸で考えることが殆どであり、”どれだけ達成したか”という尺度で達成率を測ることはあまりないようにも感じられます。OKRの場合、目標設定(Objective)の段階で”簡単には達成できないもの”を目標の指標とし、目標に対してどれだけのアプローチをすることができたのかが重視されます。続いて目標の使用単位と共有範囲にフォーカスします。KPIが1年毎の目標設定になることがほとんどであることに比べて、OKRの場合は3〜4ヶ月という比較的短いスパンでの活動になります。変化の激しい経済動向を考慮すると、1年でも市場は大きく変化する可能性があるため、短いスパンでの目標設定はより柔軟な対応を可能にすることができると考えられます。また、目標を共有する範囲もOKRのほうが広く設定されており、どの社員が何をやっているかがわかるようになっています。これは、誰が何をやっているか分かるようにすることで、部署ごとの透明性を高めると同時に、「あいつ何もやってないじゃん」のような負の雰囲気の抑制にも繋がります。そして、OKRとKPIが使用される目的は両社の間で根本的に異なっております。KPIの目標設定・達成度が業績評価の指標になっている一方で、OKRは生産性の向上にフォーカスしています。KPIが導入されている企業で目標を達成出来なかった場合、マイナスの評価をつけられることは想像に難くありません。その反面、OKRにおいては、課題に対して”どのようにアプローチをしたのか”・”どのように考えたのか”その取組の指標として使用されるだけなので、社員はより高い目標を設定し意欲的に取り組む(=生産性の向上)ことが可能となります。これらの点を踏まえると、トップダウン型のKPIよりもボトムアップ型のOKRを重視することにも頷けるかと思います。企業に属すると必ず待ち受ける”目標管理”約2ヶ月に渡る長い大学の夏休み(春休み)を特に目標もなくダラダラと過ごしてしまった経験は誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。一方で、長期休暇の目標を立てたはいいが計画倒れになってしまったり、目標が変わったことで途中までしか達成できなかったということもあるでしょう。つまり、目標設定と進捗管理が重要となります。目標・進捗管理がない企業はない大学生が目標を立てるか否かも高い自由度のもとで個人に委任されている反面、企業では必ず「目標」と「進捗管理」が設定されています。インターンシップに参加した学生は既に経験したことかと思われますが、企業に属する社員のほとんど全員が、「今何をしていて今後何をする予定なのか」について話をしてくれたことかと思います(もちろん社外秘の場合もありましたが)。少人数で働く企業でも、大人数が働く大手企業であっても皆何かしらの目標を達成するために働いていると考えてもおおよそ間違いではないでしょう。例えば、ある自動車会社を例にしてみると、簡易的には下図のようなものが想像できます。国内シェア2位である自動車会社A目標:2018年度の国内シェア1位獲得課題:若者の自動車離れ行動:若者向けの安いが性能の高い自動車を生産する上記は考えられる一例です。もちろん”国内シェア1位”は全社的な目標であり、それぞれの部署では全社目標を更に細分化した目標設定が行われているでしょう。繰り返しになりますが、社員はそれぞれが属する目標を達成するために働くこととなります。アルバイトでは目標設定は絶対ではない同じ”働く”という行為であっても、アルバイトでは目標設定と進捗管理が要求されることは滅多にないかと思われます。もちろん企業理念やアルバイトに求めるものを面接や研修で教えてもらうことはあるかと思います。一方で、自分の属する店舗の売上増加のために本気で考えて働いている人は少数ではないでしょうか。考えると言っても、何万円稼ぐにはこれだけシフトに入らなければならないといった程度の事ではないでしょうか。就活にOKRを設定するとどうなる?先程、知らず知らずの内にOKRを利用している人が多いとしましたが、反対に正しいOKRを使用している割合は非常に低いように感じられます。就職活動で重要になってくる”目標設定と進捗管理”、正しい目標設定を行わないことで後々後悔をしないようにしましょう。正しいOKRとは?では、正しいOKRとはどのようなものでしょうか。就職活動に当てはめながら考察していきます。【間違ったOKR】▶目標(O):第一志望から内定を貰う▶現状:金融業界に行きたいけど、他の業界も見て見たい▶︎施策①(KR):OB訪問を行う▶︎施策②(KR):インターンに応募する▶︎施策③(KR):金融以外も調べてみるいかがでしょうか。大方このようなフレームで進めている人が多いかと思われます。第一志望を金融業界に設定しながらも、他の業界も見て見たい。そのためにOB訪問を行い、実際にインターンにも参加しようと試みています。では、このOKRのどのような点が間違っているのでしょうか。①定量化をしていない→例えばOB訪問を行うにしても、具体的にはいつまでに何件行う予定なのか、どの業界に何件行く予定なのかなど具体的な数値目標を入れなければなりません。同様に、「インターンに参加する」・「金融業界以外も調べてみる」もより具体的な目標に落とし込む必要があります。気をつけなければならないのは、数値を設定する際は簡単には達成できない数値を設定しなければならない点です。また、定量化するもう一つのメリットとしては、進捗管理が簡単に行うことができる点です。当たり前ですが、目標は設定するだけでなく、達成することが重要になるので、進捗管理は大きな指標になります。②目標達成期間(O)が長すぎる→OKRを設定する上で目標達成までの期間は重要です。上記の例の場合、”第一志望をもらう”までの期間は(企業によっても異なりますが)大凡半年後くらいでしょう。OKRの場合、目標設定は柔軟性を持たせるためにも3〜4ヶ月周期で行います。以上を踏まえてもう一度OKRを設定します。【正しいOKR】▶︎最終目標(O):志望する企業に入社する▶︎目標(O):12月までに志望する業界を決定する▶︎現状:金融業界に行きたいけど、他の業界も見て見たい▶︎施策①(KR):月に最低3回OB訪問を行い知見を広げる(金融は最低2社行く)▶︎施策②(KR):12月までに金融は最低3社、その他は2社ほどインターンに参加する▶︎施策③(KR):Unistyleの記事を2日に1回は読んで、業界研究を行ういかがでしょうか。より定量的な目標設定を行うことで、するべき行動がより明確になったように思われます。大切なのことは、100%達成することではなく、目標に対して60〜70%程でいいのでどれだけ最終目標にアプローチすることができたのかになります。目標設定と進捗管理は、仕事でも就活でも大切さは変わらない仕事がデキる人は目標設定・進捗管理が上手いみなさんにとっての仕事ができる社会人の定義はどのようなものでしょうか。「コミュニケーションを取るのが上手な人」や「人を巻き込む力が強い人」など多々あるでしょう。しかし一度考えていただきたいのが、仕事を行う前には必ず共通して目標設定を行なっているという点です。コミュニケーションを取るのも人を巻き込んで仕事をするのも決まった目標を達成するための手段に過ぎないという点です。目標設定が不安定だとその後にどのような良い取り組みをしたとしても納得のいく結果を得ることは難しいでしょう。この点を踏まえると、”仕事ができる=目標設定・進捗管理が上手い”と考えることもできなくはないでしょうか。最後にいかがでしたでしょうか。OKRを用いた正しい目標設定と進捗管理の方法を掴むことができたことかと思われます。GoogleやFacebookなどの俗に言うイケてる企業で利用されている反面、多くの学生もOKRを知らず知らずのうちに使用していたことでしょう。正しい目標設定と進捗管理をすることで就活に対する漠然とした不安もなくなることかと思います。就活における目標設定に関する記事も併せてご確認ください。参考:就職活動における目標設定のススメ|社会人で後悔しないための考え方:達成計画の概要 8,407 views
【OB訪問の極意】総合商社の社員100人にOB訪問し、内定を獲得したMARCH生が伝授 【OB訪問の極意】総合商社の社員100人にOB訪問し、内定を獲得したMARCH生が伝授 こんにちは。17卒MARCHレベルの学生です。来春から伊藤忠商事で働きます。就職活動では専ら総合商社業界を目指し、総合商社から4社内定を頂くことができました。就職人気ランキングでも常に上位を独占し、総合商社業界を目指す学生は多いと思います。そこで、今回は私が総合商社から内定を頂くことができた秘訣、「OBOG訪問」について記事を書きます。なお、私は三菱商事にも内定しながら伊藤忠商事で働く決断をしましたが、その理由についてはこちらのコラムをお読みください。参考:三菱商事を蹴って伊藤忠商事にいく理由本記事のコンテンツ・私の就活・なぜ総合商社ではOBOG訪問が大切なのか・OBOG訪問を100名重ねるためには・より高く評価してもらうために・最後に私の就活幼少期を海外で長く過ごし、将来は「世界を舞台に日本人として活躍する男になる」という夢を持ちました。学生時代はこの夢に挑戦し続け、様々な団体の立ち上げ、リーダーとして運営するような経験を重ねました。その関わりの中で、「プレイヤーとしてビジネスを作りたい」という想いから商社業界を目指しました。就活中は7大商社で100名程度のOBOG訪問を重ね、各商社がどのような社風なのか、どんな社員の方々が働いているのか、具体的にイメージすることができました。なぜ総合商社ではOBOG訪問が大切なのか色んな業界がある中、総合商社のOBOG訪問は選考に直結する点から非常に重要だと言われています。その理由について、3点に分けて言及したいと思います。1.OBOG訪問が選考に直結する3月以降の商社のOB訪問の食費は社員も含め会社が支給するため、各回のOB訪問は毎回露骨に評価されます。例えば、ある商社だとA+、A-、A、BCDEと評価され、面接の際にその評価シートは面接官の前にずらっと並ぶそうです。OBOG訪問で高い評価を得ると本番の面接で特別ルートに入ります。ある商社では6月1日に最終面接、他の商社でも2次面接スタートだったりします。他にも、選考直前懇親会などに優先的に呼ばれました。2.業界研究に役立つ商社の仕事は、人気が高い反面、どんな仕事なのかイメージがつきにくい代表的な業界の1つです。「右から左にモノを流す」、「世界のビジネスを日本に持ってくる」、「ビジネスをつなぐ」など、抽象的に理解している就活生は多くいると思います。ただのミーハー就活生と差別化する意味でも、現場の社員さんと1対1で話すOBOG訪問の機会は重要だと思います。3.ランチが無料で食べれるこれはおまけですが、学生にとって昼食の費用が浮くことは、とても重要ではないでしょうか。プロフェッショナルな社会人の方と美味しいランチが食べられ、食費が浮く意味でも損はないと思います。OBOG訪問を100名重ねるためには私はMARCHの学生ゆえに、大学の先輩で商社で働いている方は、早慶と比べると相対的に少なく、そのツテを探すのはとても困難です。下記にいかに私が100名もOBOG訪問ができたのか、3点に分けて言及します。1.キャリアセンターの名簿これが王道。しかし、就活が解禁する3月にメールを送ると、他の学生も同じように送るので、社会人の方から連絡がこないかもしれません。2.自分からコネを作りにいく私は基本的に、この方法で100名の方にアプローチすることができました。例えば、会社の座談会が終わってから、社員の方に声をかけて、名刺をもらう、などいくらでも方法はあると思います。他にも、友達のお父さんが商社マンなら、友達にお願いすることもできると思います。自分自身から行動力を示すことによって、社員さんの方にもその姿勢を評価してもらえますし、まさに自分次第です。3.芋づる方式自分から一人の社員さんにアプローチしてOBOG訪問することができたら、あとは「他の社員さんを紹介して頂けないでしょうか」と頼むことによって、繋げることです。より社員訪問の中で自分自身を売り込み、その姿勢や熱意が評価されれば、社員さんの方から「他の人も紹介したい」と言ってくれます。ここも自分次第で「どれだけ繋げることができるのか」がかかってきます。より高く評価してもらうために私がOBOG訪問で意識していた基本的なことは、以下の3点です。1.レスポンスOBGO訪問では、レスポンスの速さが非常に重要です。メールのやり取りはできれば10分以内レベルでのやり取りをすると好印象です。商社マンのメールの優先順位で最も低いのはぶっちゃけ学生からのOB訪問の依頼なのです。そこを汲み取って、冷静かつ誠実な対応をするこが大切です。OBOG訪問のお礼のメールは、事前に準備して、聞いたことの感想を入れて、社員さんと別れた10分以内にお礼のメールを入れることを意識していました。テンプレートで送ったような印象をつけないために、誠意を込めて感想も記入して、すぐに送信していました。2.事前のリマインドと質問リストOB訪問のアポを取れたあとの、レベルの高い対応を紹介します。私は前日にOBOG訪問のリマインドのメールを送っていました。また、OBOG訪問の1週間前くらいに事前に聞きたい質問リスト等を送ると、意欲の高い優秀な学生に映り、実際にお会いしてからも「レベルの高い学生」と評価して頂くことが多かったです。3.受け身な質問ばかりしないことOBOG訪問では、積極的に自分自身の意見を相手に伝え、議論を重ねていました。OBOG訪問は基本的に、ランチの60分間。私は、最初の15分から20分くらいは下記のことを聞いていました。・携わっている事業について・商社業界で働く理由・業界研究の中での問題意識の質問残りの30分くらいは、自分自身の経験をもとに、夢を語り合っていました。何故商社を目指しているのか、どんな事業やビジネスを作りたいのか、業界研究からの問題意識を互いに議論したりしていました。例をあげると下記のような議論をしていました。・商社の事業投資の今後について。商社の事業投資は他部門やトレーディングでのシナジーを生むために、一般的に投資資産の長期保有します。その一方、PrivateEquityFundなどの投資ファンドは短期的なキャピタルゲインが目的な点、商社の投資とは大きく異なります。最近では、資源価格が下落している中で、採算の取れない商社の案件が出てきている中、今後の商社の事業投資はどうあるべきなのか。・総合商社は社会貢献と利益創出の両立が可能なのか。総合商社の理念に「人の生活を豊かにする」という言葉があります。実際に途上国でビジネスをして、雇用を創出し、外貨を獲得させる側面もある一方、現地のビジネスを搾取し、現地の雇用を奪っている側面も可能性としてあると思います。総合商社にはどのような責任があると思うのか。最後に私はこのOBOG訪問を通して、人間的にも大きく成長することができたと思います。社会人とのコミュニケーション、ロジカルシンキング、思いつきを行動に起こすこと、目標に向かってコツコツ地道に努力すること。色んな方々にOBOG訪問でお世話になったからこそ、身についたもの、経験できたこと、乗り越えたこと、結果を出せたと思います。ただ、受け身で色んな方々のお世話を得ることは当然できません。「コネ」は自分から作りにいくものだと私は考えています。自分から主体的に「足を動かす」ことによって、色んな方々からお世話になることができるのです。自分自身の本気度を見せれば、相手も本気になってくれるし、全力で応援してくれます。そのためには自ら汗を流し、足を動かし、行動を起こしてください。就職活動は楽しんだもん勝ちです。 68,247 views
【出版社への就職】良い点と選考対策 【出版社への就職】良い点と選考対策 こんにちは、16卒の大手出版社内定者です。僕はいわゆる「意識が低い」学生で、大学も1年留年しています。別に留学や起業、就活に打ち込んでいたからではなく、ただ授業が面倒で行かなかっただけです。unistyleを見ている皆さんの中にこのような人もいなければ、出版業界を志望している人も少ないかもしれません。ただ、僕は就活を通じて出版社は結構魅力的だと感じました。そこで、(1)出版社の良い所、(2)出版社を受ける際のポイントを紹介できればと思います。本記事のコンテンツ・出版社の良い所・出版社を受ける際のポイント・最後に出版社の良い所(1)「面白い」の基準が違う出版社の最大の魅力はこれです。おそらく「面白い仕事がしたい」「面白い人と会いたい」と考えて、テレビ局や広告代理店などを受ける人は多いと思います。それだけじゃ落ちるから理論武装しますが、原点はこんなもんでしょう。ですが、ちょっと待ってください。あなたの考える「面白い」って何ですか?これはあくまで僕の個人的な感想ですが、テレビ局や広告代理店の考える「面白い」人と、出版社の考える「面白い」人は違います。ざっくり表すと前者は「楽しげな人」「愉快な人」を欲しがりますが、後者は「独特な思想・価値観の人」を欲しがります。テレビ局や広告代理店に「アナーキスト」は求められていません。「楽しそうな・明るい」人は必要ですが、「毒のある」人は不要なんですね。その点で言えば出版社は、物事を斜に構えてみる癖のある人や、既存の枠組みで上手く立ち回ることにストレスを感じる人でも受け入れてくれる土壌があります。なぜなら、そうした人材の多様性が自分たちの強みであると理解しているからです。テレビ番組や広告プロモーションの「面白さ」と週刊誌や書籍の「面白さ」の質が違うことは、皆さん直感的に理解できると思います。もし、テレビ局や広告代理店の人と話をして「なんか違うな…」「ぶっちゃけあんま面白くねーな」と感じたら、出版社を受けてみてください。あなたの期待に応えられるとは限りませんが、懐が深い人は多いと思います。(2)「就活生っぽさ」が不要例えば会社にもよりますが、面接は基本的に私服でOKです。僕は7,8社面接を受けましたが、最終面接以外は全て私服で行きました。私服指定の場合もありますし、そうでない時も(周りから浮くのが嫌でなければ)私服でも全く問題ありません。また、学歴も見られませんし、「OB訪問は何人したか」という不毛な質問も、少なくとも僕はされませんでした。(OB訪問自体はとても良いことですけどね。)ただし逆に言えば、あなたの能力と適性はフルに見られます。「今までこういうことをやりました!(ドヤ)」は不要です。「あなたが何に対してどう感じる人間なのか」をしっかりとアピールしましょう。問われているのはあなたの感性と思考プロセスです。その点、ひねくれた人間にはとてもやりやすい就活でしょう。(3)待遇が良いこれは大手に限りますが、出版社は社員数が少ない分、給料はとても良いです。もちろん激務という話はよく聞きますが(特に雑誌編集)、それはどの業界も同じです(笑)調べてもあまり出てきませんが、大手出版社の平均年収はテレビ局よりやや少ないか、大手新聞社と同じくらいでしょう。福利厚生は大企業と比べて貧弱ですが、基本給が高い+(一部は)残業が多いので問題ありません。確かに今後はメディア環境の変化に伴い収益構造が崩れ、給与体系も変わることが予想されます。しかし少なくとも約10年、つまり私たちの世代が一人前の社会人になるまでは大丈夫だと思いますよ。(これに関しては自己判断でお願いします。)また、取材で色々な人に出会えたり、様々な経験を通じて自分の知性や教養が磨かれたりすることも魅力の一つです。出版社を受ける際のポイント(1)ESと筆記試験は「前提条件」出版社の最大の特徴は「膨大な量のES」と「独特な筆記試験」です。ですが正直、ここで躓くようなら「適性がない」と諦めてください。長い文章を構成できることや幅広い問題に関心を持つことは、出版社に入るための前提条件です。ここでは能力ではなく「向き不向き」という適正が問われています。極端な話、準備などせずにできる人もいますからね。対策をするなら(1)『朝日キーワード』『一般教養の天才』などを読む、(2)日頃から硬軟問わずニュースをチェックする、(3)論文でも個人のブログでも何でも良いので、ものを書く数をこなす・・・といった当たり前のことをやるのがオススメです。まあこの辺りはググれば出てきます。そんなに力まないで大丈夫ですし、もしこの過程を嫌だと感じるなら受けない方が身のためです。参考:→筆記試験対策におすすめの書籍の紹介がされています。(2)話の「わかりやすさ」が重要「話のわかりやすさ」が重要である点は、コンテンツ業界全般に共通しています。モノではなく人が主体の仕事ですから、短時間で相手の心を動かすスキルは必須です。しゃべり上手である必要はないですが、何をどう話すかはちゃんと準備しましょう。ただし、「志望動機」や「やりたいこと」といった質問は最初だけで、後はフリートークのようになる場合も多いです。そのため「すべらない話」風のエピソードトークを用意しておくと良いでしょう。筆記試験の作文で「予定稿」を変形して挿入するのと同じ要領ですね。また当然、ただ面白い話をするのではなく、その中にあなたの能力や性格が表されている必要があります。(3)話の「幅広さ」も重要一方で、「話の幅広さ」も重要です。例えば日刊ゲンダイのスローガン「エロからテロまで」に象徴されるように、出版業界は扱うテーマが多岐に渡ります。もちろん面接ではあなたの志望するジャンルをメインに質問されますが、全く違うテーマの話を振られることもあります。入社後の配属先が異なることもあり得るので、「そもそも出版人の適性があるか」を見られているのでしょう。そのため、あなたの興味や知識の幅広さを伝えることは大事です。アイドルでもラーメンでも数学でも、何の話でも構いません。あなたがある事象に対して何を考えどう感じているかを堂々としゃべりましょう。(そもそも知的好奇心の幅広さを持たない人には、あまり向いていない業界ですね。)最後になんとなく「面白いことを仕事にしたいなー」と思っている方や知的好奇心の広い方は、ぜひ出版社を受けてみてください。商社やメーカー、テレビ局などもそれぞれ魅力的ですが、出版社もなかなか悪くないですよ。何に「面白さ」を見出すのかだけは、真剣に考えてみてください。あと最後に。やっぱり「笑顔でハキハキ」が大事なのはどこでも一緒です!まあ、就活以前に人としての好感度の問題ですからね。では皆さん頑張ってください!出版社も面白いなと思っていただけた方は、是非下記の記事も併せてご参考ください。参考: 55,857 views

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