アマゾンとメルカリ、経団連に加盟。就活生にはどのような影響がある?

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最終更新日:2018年12月21日

アマゾンとメルカリ、経団連に加盟。就活生にはどのような影響がある?

アマゾンジャパンやメルカリなど、今後の第四次産業を牽引する企業が経団連に加盟したのが話題になりました。

 ”就活ルールの廃止”などで話題になっている経団連。本稿では、今回のIT企業やベンチャー企業の加盟は、就活生にどのような影響を与えるかを解説していこうと思います。

20年卒の就活生の就活には、大きな変化はありませんが、日本経済を根幹から支える経団連について理解しておいて損はありません。

また、21年卒の就活生から現行の”就活ルールの廃止”により、「21年卒以降の就活生が、これからの就職活動を見据えて今やるべきことは何か」について解説していきますので、ご覧ください。

経団連とは?

そもそも、経団連(日本経済団体連合会)とは何なのでしょうか。

就活生としては、「選考開始時期などの就活ルールを決めている団体」というイメージがあると思います。

間違ってはいませんが、実はそれだけではなく日本経済を根幹から支えているといっても過言ではないくらい、日本経済に大きな影響力を持っています。

まずは、経団連のHP「経団連について」を参考に見てみましょう。

経団連は、日本の代表的な企業1,376社、製造業やサービス業等の主要な業種別全国団体109団体、地方別経済団体47団体などから構成されています(いずれも2018年5月31日現在)。

その使命は、総合経済団体として、企業と企業を支える個人や地域の活力を引き出し、日本経済の自律的な発展と国民生活の向上に寄与することにあります。

このために、経済界が直面する内外の広範な重要課題について、経済界の意見を取りまとめ、着実かつ迅速な実現を働きかけています。同時に、政治、行政、労働組合、市民を含む幅広い関係者との対話を進めています。

さらに、会員企業に対し「企業行動憲章」の遵守を働きかけ、企業への信頼の確立に努めるとともに、各国の政府・経済団体ならびに国際機関との対話を通じて、国際的な問題の解決と諸外国との経済関係の緊密化を図っています。

引用:経団連HP

つまり、経団連とは、政府とは異なる経済界からのアプローチで、日本経済の発展のために、活動している団体です。時には、政府や行政などに働きかけ、必要があれば新制度の提案なども行います。

日立製作所や三井物産など、日本を代表する企業や団体が軒並み所属しており、日本社会に与える影響も絶大です。

直近の経団連は、人口減少・少子高齢化に伴い、IoTやAI、ロボットなどの革新技術を最大限活用して人々の暮らしや社会全体を最適化した未来社会、Society 5.0の実現を目指しています。

詳しくは後述しますが、今回話題になったメルカリとアマゾンジャパンの経団連加入も、この取り組みに関係があります。

なぜ世の中で話題になっているのか?

さて、なぜメルカリとアマゾンジャパンの加入は世間を賑わせているのでしょうか。

結論から先に述べると、長い歴史を持つ経団連を構成していたのは、自動車や鉄鋼など高度経済成長を支えたいわゆる「重厚長大産業」などの製造業の大手が中心でしたが、最近になり新興企業も加盟し始めているためです。

米グーグル、米アップルの日本法人は加盟済みのため、今回のアマゾンジャパンの加盟により、巨大IT企業「GAFA」のうち米フェイスブックを除く三企業は加盟したことになります。

これまでの毛色とは全く異なるIT企業の相次ぐ加盟の発表に世の中の人たちは驚いているというわけです。それこそ、メルカリは設立が2013年ということもあり、いわゆる設立年数が浅いベンチャー企業なので尚更です。

加入の背景としては、産業構造の変化により、製造業の存在感が低下し、一方でIT企業やサービス業が台頭していることが影響しています。

経団連としては、今回の事例のように、今後もIT企業やベンチャー企業の加盟を増やし、AI(人工知能)技術やIoTなどを活用し、経済発展や社会課題の解決を促すSociety 5.0の実現を目指していることがわかります。

就活生に与える影響は?

経団連は就活にどのような影響力を持っているのでしょうか。

テクノロジーの活用や、先進的な働き方を取り入れている企業の加盟は、行政への働きかけや経団連としての新たな取り組みなどに直接的な影響を及ぼすとは思いますが、就活生に大きな影響を及ぼすことはないと思います。

しかし、間違いなく言えることとしては、日本の就活は大きな転換期を迎えているということです。中でも直近のメイントピックは、今年9月頭にニュースとなった、 "就活ルール" と呼ばれる採用スケジュールの廃止でしょう。

"就活ルール"とは、企業によって採用の時期が異なると学生の本分である”学業”が疎かになる恐れがあるため、企業に広報・選考活動の時期的制限を設けたものです。

採用選考活動開始時期

学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため、採用選考活動については、以下で示す開始時期より早期に行うことは厳に慎む。

広報活動 : 卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
選考活動 : 卒業・修了年度の6月1日以降

なお、活動にあたっては、学生の事情に配慮して行うように努める。

引用:一般社団法人 日本経済団体連合会 採用選考に関する指針

とりあえず、21年卒の就活生から現行の「採用選考に関する指針」は廃止されることになったため、現在就活中の20卒の就活生の皆さんには直接関係することではないので、さほど気にする必要はなさそうです。

現時点では、現状維持の方針のようですが、21年卒以降の就活生には何かしらの影響があるかもしれません。就活ルールの廃止により、どのような変化があるのでしょうか?

"就活ルール廃止" のメリット・デメリット

unistyleでは、"就活ルール廃止"による学生への影響について以下のように考察しています。それぞれのメリット・デメリットの詳細については、「【緊急掲載】経団連、就活ルール廃止を検討|学生への影響は?」をお読みください。

▶メリット
【1】チャンスの増加
【2】海外留学をする学生への門戸の拡大
【3】キャリアについて考察する機会が増える


▶デメリット
【1】就活の超早期化
【2】学業への影響
【3】情報の氾濫


参考:【緊急掲載】経団連、就活ルール廃止を検討|学生への影響は?

上記の記事で述べている通り、就活ルールの廃止は、学生の捉え方次第でメリットにもデメリットにもなり得ます。

これからの "就職活動の形"

改めて、"就活ルール"の廃止がもたらす変化を、就活スケジュール関するものに絞って挙げると、大きく以下の3つにまとめられます。こちらに関しても「就活ルールの廃止|これからの就活。(1・2年生、21卒以降の学生がやるべきこと)」で述べていますので、詳しくは記事をお読みください。

【1】通年採用の一般化
【2】就活の長期化
【3】就活の超早期化


引用:就活ルールの廃止|これからの就活。(1・2年生、21卒以降の学生がやるべきこと)

"就活ルールの廃止" により、企業はいつでも採用をすることができるようになるため、大学1・2年生の時点から内定を出す企業も増えます。

そのため、21年卒以降の就活は、早期化・長期化が予測され、「自分が志望している企業にエントリーしようと思ったら、既に内定を出し切っていてエントリーすら出来なかった。」という可能性も将来的には考えられます。

そのような事態を回避するために、入念に就活の準備をする必要が今後は出てくるでしょう。

21年卒以降の就活生が今からすべきこと

最後に、上述した "就活ルールの廃止に伴う就職活動の変化" を見据えて、21年卒はどのような行動を取れば良いのか解説します。

詳細は、「就活ルールの廃止|これからの就活。(1・2年生、21卒以降の学生がやるべきこと)」に記載しておりますが、下記を参考にしてみてください。

【1】自分と向き合う時間を増やそう
【2】多くの学生・社会人との接点を作ろう
【3】就職活動に正解を求めるのはやめよう


引用:就活ルールの廃止|これからの就活。(1・2年生、21卒以降の学生がやるべきこと)

上記のポイントで共通する点としては、とりあえず行動を起こすことです。

”就活ルールの廃止”の捉え方は、学生にとってプラスにもマイナスにもなり得ます。

”就活ルールの廃止”は、”自発的な行動が求められるようになる”ことの裏返しでもあります。

今までは就活ルールがあったからこそ、周りの就活生と足並みを揃えて自己分析や企業研究などの就活をすることができました。しかし、ルールがなくなったことにより、「行動する人」と「行動しない人」の格差はより大きくなることが想定されます。

「将来どんな仕事をしたいのだろう?」
「世の中にはどんな企業があるのだろう?」
「自分にはどんな仕事が向いているのだろう?」

全ては足を運び、知ることから始まります。

就職活動には絶対的な正解はなく、人によって考え方はそれぞれです。

自分なりの正解を見つけるために、「戦略的自己分析のやり方|内定に近づく効果的な自己分析の方法」を参考に、上記の3つのポイントを意識しながら、大学生活を送ってみましょう。

最後に

本記事では、経団連が就活生に与える影響を踏まえて、未来の就職活動を見据えた1・2年生が何をすべきなのかについて考察をおこないました。

ぜひ、本記事を参考にして頂ければ幸いです。

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伝説の商社マン 伊藤忠商事岡藤社長の学生時代に見る『商人魂』の原点 伝説の商社マン 伊藤忠商事岡藤社長の学生時代に見る『商人魂』の原点 16卒外資系メーカー内定者です。unistyleの就職活動意識調査で第3位に輝いた伊藤忠商事。就活生にとって不動の大人気「商社業界」を牽引する1社といえます。そんな同社へ1974年に新卒で入社し、現在は代表取締役社長まで上り詰めたのが、今回ご紹介する岡藤正広氏です。彼は伊藤忠商事において「残業を8時で強制終了させ、朝7時からの出勤を社員に促す仕事の効率革命」を起こしたことで話題となっています。また岡藤氏は社長就任前から伊藤忠商事で数々の功績を残していますが、こうした功績の原点となった彼の「商人魂」は、実は学生時代のアルバイトにも発揮されていました。本コラムでは、そんな岡藤社長の学生時代のアルバイトについてご紹介していきたいと思います。コラムをお読みの学生のみなさんにとっても、彼のアルバイト経歴から学べる点が多くあるかもしれません。岡藤社長の伊藤忠商事での功績岡藤社長のアルバイトについて触れる前に、彼が伊藤忠商事でどのような功績を築いてきた人物であるのかを簡単にご紹介しておきたいと思います。(1)高級ブランド「アルマーニ」の販売権獲得かつてイタリアの高級ブランドであるアルマーニが日本に進出してきた際、商社やデパートがその販売権を巡って熾烈な争奪戦を起こしました。その際、伊藤忠商事を販売権獲得に導いたのが岡藤社長だったのです。このアルマーニのときの勝因もやはり現場主義でした。出向で経団連に来ていたイタリア人の父親が、現地でコンサルタントをしていることを知って親しくなり、その人を通じて、アルマーニの重要人物に日本進出にあたって何を重視するかを聞いてもらった。するとイタリアは税金が高いので節税に関心が高く、日本の税法を詳しく知りたいということだった。ライバル社は、取扱高や出店の立地といったことに関心が高いはずという一般的な考えにとらわれ、そうした点を中心に提案したんでしょう。ところが私は現地のコンサルタントの情報から節税を中心としたプロポーザルを行い、契約を結ぶことができた。顧客が何を欲しているのか、自分であれやこれや類推するのではなく、現場から情報収集することで答えが出てきます。出典:カリスマが激怒!「アルマーニ争奪戦」秘話-伊藤忠商事社長(2)「ブランドビジネス」の立ち上げ岡藤社長が営業時代最初に担当したのは繊維業界でした。当時の繊維業界では問屋やテーラー(仕立て屋)に対する商社の立場はかなり不利なもので、主導権を握れないために利益の薄い商売にも甘んじなければなりませんでした。岡藤社長は営業2年目にして繊維業界に「ブランドビジネス」を持ち込むことによって、そのような商社の立場を一気に向上させたのでした。主導権を握るための秘策が「ブランドビジネス」だった。ブランドビジネスとは取り扱う商品に無形資産である「商標」を付けて、販売する行為である。優れたブランドと認識されればされるほど、商品に付加価値がつき、より高い価格での販売が可能になる。岡藤が持ち込んだブランドビジネスで、伊藤忠の立場は激変。伊藤忠でしか取り扱えない商品を問屋が仕入れることで、問屋はテーラーに対して強気の商売が展開できるようになった。さらに伊藤忠は問屋に対しても主導権を握ることができた。岡藤が営業に移った2年目のことだった。出典:ブランドビジネスで業界3位へ牽引伊藤忠商事「岡藤正広」社長伝説【1】(3)伊藤忠商事を「御三家から2強の一角に」岡藤社長の就任後より伊藤忠商事は三菱商事、三井物産に続く業界3番手を担ってきました。しかし、「岡藤経営」によって伸び続ける業績は、伊藤忠を2強の一角まで押し上げようとしています。参考:日本経済新聞「伊藤忠の岡藤社長『御三家から2強の一角に』」岡藤社長の学生時代のアルバイト(家庭教師+自販機ビジネス)実は岡藤社長は高校3年生の時に父を亡くしており、東大時代の学費や生活費はすべて自分自身でまかなっていたそうです。そんな彼の生活を支える収入源だったのが、アルバイトや彼自身の起こした事業でした。(1)家庭教師のアルバイト岡藤社長は夏休みごとに大阪の実家に帰省し、家庭教師のアルバイトに精を出していたようです。複数の生徒を毎日効率よく回り、稼いだお金を学費と生活費に充てていました。夏休みには、大阪の実家に帰省する前、新聞に2行広告を出しました。家庭教師先の募集です。どんな人がどういう先生を求めているか考え抜いて、たった2行に凝縮しました。夏休みの1か月だけなら奮発すると読んで、「夏季特訓。当方東大生。」関西には、東大生を一目見たいという人もいるかと思って書いたら、実家には電話がじゃんじゃんかかってきた。生徒は全部で10人くらい。1人あたり週に2、3回です。同じ地域の生徒をまとめて回れるように時間割を組んで、全員に勉強を教えました。思い返すと、効率よく生徒の家を回る要領は、商社に入社して貨物船のスケジュールを考えることとそっくりですわ。出典:伝説の商社マン岡藤正広伊藤忠商事社長(1)(2)自動販売機ビジネス岡藤社長は家庭教師のアルバイトに加え、「都内の女子大学内に自動販売機を設置し中身の入れ替えなども行う事業」を自ら起こしていました。サークルで知り合った女子大生から、「寮で夜になって飲みものを買おうとしても、お店が遠い。外出も怖い。」という話を聞きました。寮生は同じように不満を持っていたらしいんです。コンビニエンスストアもない時代です。そこで目を付けたのが自動販売機。学生やったけど、飲料メーカーとかけあって、女子大の寮に置いてもらったんです。売れた分の何%かもらいました。販売機を置く権利を押さえただけで、チャリンチャリンとお金が入ってくる。出典:伝説の商社マン岡藤正広伊藤忠商事社長(1)最後にいかがでしたでしょうか。岡藤社長の商才はまさに学生時代から芽を出していたようですね。彼の行動はすべて「どうすればもっと効率がよくなるのか、便利になるのか」が考え抜かれたものだと感じます。こうした心掛けは、アルバイトや仕事をする上で誰もが持っているべきことなのではないでしょうか。また、岡藤社長は「家庭教師の業務を通じて商社でのスケジュール管理に似た仕事を経験できた」とも語っていることから、アルバイトは将来の仕事に対する志望動機につながる学びを得られる良いきっかけにもなるかもしれません。岡藤社長の経歴に学び、得るものの多い充実した学生生活を送りたいものですね。新聞の訪問販売アルバイトについて述べた伊藤忠商事内定者の回答【自己PR(最大の困難)】最大の困難は、大学2年時に新聞訪問営業地区トップの契約件数26件の更新に挑戦した事だ。組織での取り組みを多く経験した一方、1人で全てを完結させる経験の不足を感じ、取り組んだ。当初1日80件回るが、契約は1,2件しか取れず、また、顧客に怒鳴られる事もあった。しかし、営業に独自の工夫がないことから、「自分」を通して契約してもらうための工夫を取り入れ始めた。新たな試みが裏目に出て失敗することもあったが、自分が消費者として新聞訪問営業に接した経験から、新たな工夫を取り入れた。挨拶の言葉を変える・世帯別に訪問時間を変える・日用品の種類を増やす。これら三つの工夫の結果、契約数が上がり、最終的に17件とトップには及ばなかったが、地区トップクラスの成績を収めることができた。一軒一軒が挑戦の場になる中、失敗した理由を考える(損切りとか)一方、失敗を過度に恐れないようになり、「失敗に敏感かつ鈍感」な姿勢を身につけられた。伊藤忠商事内定者のES一問一答回答1.あなたの一番の挑戦は何ですか。(20文字以内)ブレイクダンスの全国大会を目指した事2.あなたの一番の失敗は何ですか。(20文字以内)好きな異性になかなか告白できなかった事3.自分の好きな点は何ですか。(20文字以内)常に前向きで困難も含めて何でも楽しめる点4.自分の嫌いな点は何ですか。(20文字以内)強い批判に対して怯んでしまう事がある点5.あなたのこだわりを教えて下さい。(20文字以内)言葉だけでなく、常に自ら率先して行動する6.あなたの誰にも負けないものを教えて下さい。(20文字以内)常に自分が果たすべき役割を強く意識する事7.やりがいを感じるときはどのような時ですか。(30文字以内)貴方がいて良かった、と言われたり、人に必要とされたと感じる時8.日頃継続して行っている習慣を教えて下さい。(20文字以内)やるべき事、やりたい事を紙に書き出す9.あなたの人生の目標を教えて下さい。(30文字以内)事業創出を通じて世界の多くの人から必要とされる存在になる事10.ストレスを感じるときはどのような時ですか。(30文字以内)自らの不甲斐ない行動によって周りからの信頼を失ってしまう時11.あなたがリーダーになるために必要なものは何ですか。(20文字以内)目指すビジョンを示し、率先して行動する事12.あなたは周囲から何と言われることが多いですか。(30文字以内)誰とでも仲が良く、穏やかで話しやすい、常に向上心を持っている13.商社を志望する理由を教えて下さい。(50文字以内)自らのアイデアや行動を武器に、ニーズを探し、率先して大きな事業を創り出していける点に魅力を感じたため14.伊藤忠商事を志望する理由を教えて下さい。(50文字以内)他社が認める程の意思決定の早さや、若手に任せる風土に魅力を感じ、貴重な経験を多く積めると考えたため【総合商社業界・伊藤忠商事の関連記事】 68,383 views
ドラフト1位を蹴って三井不動産に就職した慶應卒志村氏に学ぶ「好きを仕事にする」or「仕事を好きになるか」 ドラフト1位を蹴って三井不動産に就職した慶應卒志村氏に学ぶ「好きを仕事にする」or「仕事を好きになるか」 体育会の17卒です。「好きを仕事にする」というのは最近よく言われていることのように感じますが、好きを仕事にするという意味で、日本の最高峰であるプロ野球で、過去にその選択が可能だったにも拘らず敢えて選ばなかった人物がいます。彼にこの究極の選択を決断させた要因はなんだったのでしょうか。私自身の話をすると、入部当初は自分がプロ・五輪選手になってやるという意気込みで三年近く、学生生活の9割を懸けて競技に取り組んで参りましたが、自分と世界との間に存在する壁はあまりに高いことを思い知らされ、今は現実的な将来を考えています。しかし、もし私にプロでやれるだけの実力があればどうでしょうか。率直な想いとしては、プロの道に進みたいです。なぜなら、頂点に手が届く環境が目の前に現れたのにチャレンジせずにはいられないからです。それに、仲間と肉体的にも精神的にも厳しい鍛錬を積み、ライバルに勝利した際の圧倒的な喜びは、スポーツを通じて以外では絶対に味わうことはできません。私だったら挑戦と挫折の先にある、何にも代え難い栄光を掴む機会があるのに、それを手放したくはないです。とはいえ、好きを仕事にするのは、就職という人生の転換期において考えるべき、非常に難しい問題です。慶應大卒、幻のドラフト一位投手今回は80年代後半の慶應大のエース左腕、志村亮投手に関する記事を書かせていただきたいと思います。志村投手は大学時代に六大学野球のスター選手として、5試合連続完封・53イニング連続無失点など数々の記録を打ち立て、プロ9球団からの誘いを受けてドラフト一位は確実であるとの下馬評でした。しかし、蓋を開けてみると野球部すら存在しない三井不動産への就職を決め、プロの勝負の世界とは別れを告げました。参考:志村亮wikipedia志村氏は、「プロ野球は実力を試したいとかいう気持ちだけで入れる世界ではない。段々と現実が見えてきた」、「野球だけじゃないこともやりたい」と語り、グローブに完全燃焼という4文字を刻んで引退を決めたというのは有名な話です。参考:【フレーフレーヨシノブ】桐蔭学園慶大OB・志村亮さん、高1からセンス感じた「立ち姿」(スポーツ報知)野球ファンは残念に思っていたかもしれませんが、現在志村氏は三井不動産でロジスティクス事業に携わり、野球への未練は一切ないそうです。社会人になってからも営業では「六大学野球のスター志村」という肩書きを利用することなく、営業でも自分の出身校を自分からは明かさずに道を切り開いてきたそうです。自分のスポーツ経験で培った人間力を社会で活かすという選択は、自分の全く関わったことのない世界に素人として入るという意味ではプロの世界よりも難しいかもしれません。参考:【人物列伝】潔く野球から退いた男志村亮氏|Jukushin.com卒業25周年記念事業趣意はこちら(PDF)-130三田会ただ一方で、京大卒のロッテ田中投手のように、総合商社の内定を断りプロの道を選択する人物も存在します。田中投手もプロか社会人かという葛藤があったのだと思います。実際に、プロ野球選手になれるのは大卒のタイミングしかなく、社会人として仕事を始めるタイミングは日常に溢れているという考え方もできます。一生に一度訪れるか訪れないかの大チャンスと思えば、自分に賭けてみたくなるかもしれません。体育会に学生生活を懸けてきた身としてプロを目指す選手にとっては就職することで、自分の全てを懸けたスポーツを手放し、新たな土俵から再スタートを切ることが逆に勇気のいる決断なのかもしれません。とはいえ、自分が逆にいざその立場になると、「自分が極めた道以外で何かを極めたい、興味がずっと続くのか」「もっと広い世界をみたい」「プロとして仕事がなくなった後に何が残るのか」という考えが頭をよぎり、プロへの決断に待ったをかけるかもしれません。スポーツのプロとはいえ、一つの狭い世界の中であると考えればそれまでです。好きを仕事にするのは、就職という人生の転換期において考えるべき、非常に難しい問題です。仕事を好きになるという考え方好きを仕事にするという考えだけでなく、仕事を好きになるという考え方もあることを体育会のOBの方から伺ったことがあります。実際にお会いした先輩の多くは、体育会の時と同じかそれ以上に仕事に楽しく取り組んでいる人も多く、「仕事を好きになる」というのもよい選択であるように思います。その意味では、どんな仕事なら好きになれるか、どういう環境なら自分もやっていけるかを自分の今までの経験から考えるのが就職活動なのかもしれません。自己分析を行い、自分を知る必要があるとよく言われるのは、自己アピールと同時に自分の適性を見極める作業であるのは言わずもがなです。私ももう一度自己分析をし直して、自分が一体どのような仕事であれば好きになれるのか考えてみようと思います。最後にプロのスポーツ選手をはじめとして、好きを仕事にするという事は実際には難しく、就活をする際にも、仕事を好きになるならば自分にとってはどのような仕事がいいのかを考える事も大切かもしれません。現在、私も就職活動の一環で、引退と共に競技に区切りをつけて社会人として大企業の第一線で仕事をなさる部活の先輩方のお話を聞きにOB訪問しています。先輩方は皆、「仕事を好きになった」方々ですが、自分が部活動を含めた学生生活で培った人間力を活かしてご活躍されており、「大学の部活が今の仕事に変わっただけ」と仰っていました。志村氏も野球に対する愛情や関心をそのまま失わずに、部活動時代に傾けた情熱を仕事に向けているのかもしれません。 51,350 views
上場企業本部長が語る、エリートの中で唯一英語もできない牛丼屋のアルバイトを採用した理由 上場企業本部長が語る、エリートの中で唯一英語もできない牛丼屋のアルバイトを採用した理由 こんにちは、16卒の慶應生です。先日、ゼミのOBの方で日系重電メーカーで営業本部長として活躍され、新卒採用の面接にも携わっている方にお話を聞く機会がありました。その方は文系のエースを採用する面接官で、人事と社員二人、学生一人の面接を行い、20名を約半分にして最終面接まで上げているそうです。日本を代表する企業ということもあって、その20名は全員が早慶以上、TOEICスコアは平均880点、トリリンガルや留学生も3割程度いたみたいです。ただ、その中でも、某大学のTOEIC660点、学生時代頑張ったことは牛丼屋のアルバイト、という学生を上に通したことが自分でも印象に残っている、という話をして頂いたため、本日はそのことについて書きたいと思います。本記事のアウトライン・採りたい学生とは?・絶対にする質問「いつも何してるの?」・就活生と社会人、意識の違い・現場の目線、人事の目線・多角的に自身を表現する採りたい学生とは?「こいつなら自分自身の元で働かせて育てたい。」その方が面接で見ていることはこういう学生であるかどうかということだそうです。そのための要素として、素直か、ガッツがあるか、言ったことをしっかりと自分で考えながらやれるか、仕事をやめないかの4点を上げていました。実際に新卒2年目の社員で「思っていた仕事と違った、俺がやりたいことはここではできない」と言ってつい最近やめたことがあるそうです。能力が高いことは間違い無いけれども、若い頃は下積みなのだからな…と思ったとのことです。特に重電系メーカーの製品は文系だと勉強することが多く、若手の下積み時代に言われたことをしっかりとやる、という姿勢ができていない社員が増えてきていると嘆いていました。絶対にする質問「いつも何してるの?」「例えば国際交流のイベントって期間が決まってるわけでしょ?多分準備もやって3ヶ月〜半年くらいな気がするんだけど、その他のいつもの時間って何してたの?」こういった質問をその方は必ず投げかけていたそうです。この質問を投げかけると多くの学生は、「他大学との交流だとか…」とお茶を濁したような回答をしていたようです。そうなると、「こいつは、普段はあんまなんも考えずに生活してきたのかな?」だとか、「就活のために用意してきたエピソードなのかな?」という風な印象を持ってしまうようです。就活生と社会人、意識の違い「実際大学生って基本的な生活は授業出てサークルやってバイトして飲み会して…って感じでしょ?それだったらその生活の中でその人がどんなこと考えて、どんな風に他の人と関わってるかを聞きたいんだよね。」ここまで来た学生が能力が高いことは間違いない。つまり、イベントがあってそれを何が必要で、と実行できる力があることはわかっている、だからこそそういうイベントが無い時こそ、その人がどんなことを考えてどんな人間関係を築いて、どんな問題意識を持っているか、ある意味本来のその人自身が出てくるということです。実際体育会系の学生が就職活動で強いと言われてるのは、下積みの1年生の時から、最高学年の4年生まで、どんな状況立場でも日々勝利のために試行錯誤して、自身の役割を認識し泥臭く頑張ってきている、それが特に仕事を始めたばかりの新入社員には必要なマインドだからだよ、とおっしゃっていました。現場の目線・人事の目線「牛丼チェーン店の子は、与えられたことをしっかりやりながらも、どうやったらもっといい店になるだろうかというようなことを考えていた。普段の生活、例えばゼミの話とかを聞いていてもそれが伝わってきたよ。少し抜けてる部分はあるけど、こいつなら俺が面倒みてやるから通してあげようよ、って言ったんだよね。」これが、所謂ハイスペックと言われるような学生たちがひしめく中で、先に題名でも述べた通り、英語も全くできない、吉野家のアルバイトのアピールをしてきた学生を通した理由です。参考:ただし、人事の方とは最後までもめたともおっしゃっていました。二人の意見が一致して間違いなく通そう、となった学生は20人中2人、それ以外の学生は誰を通すかで意見が割れ、吉野家の学生についても人事は△を出していたとのことです。どうやら現場と人事が見ている視点は異なっているようで、現場の人は「こいつが自分の部下なら面倒を見たい」と思う学生を、人事は「将来的に経営層として能力を発揮できるのか」という学生を評価しているようです。多角的に自身を表現する上記はあくまでも一例です。ただ特に最終面接近くにになると、その人が一貫した価値観を持っているか、ということが問われていることは私自身も感じます。今まで受けた面接でも、「君の強みとそれを生かしたエピソード何個か教えてもらえるかな?」であるとか、「さっき君ってこういう風な人間ですって言ってたけど、それって今話してたエピソードと矛盾してない?どういうこと??」というように、一貫した人物像をよく問われます。単発のイベントだけでなく、普段の日々の行動を振り返りながら一貫した自分自身を様々な角度から表現することが大切なように思います。【参考】 55,513 views

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