就活解禁から1ヶ月間就職活動をして、今後何をすべきか悩んでいる就職活動生が今すべきこと

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最終更新日:2023年10月31日

就活解禁から1ヶ月間就職活動をして、今後何をすべきか悩んでいる就職活動生が今すべきこと

就職活動が3月解禁になり1ヶ月経ちましたが、皆さんこの一ヶ月をどのように過ごしたでしょうか。

この段階になって就活生の皆さんと話をしていると、「説明会には参加したものの、今後何をすべきか見えてこない」、「就職活動が解禁とは言っても選考があるわけでもなく漠然と就活しているだけな気がする」など今何をすべきか見えていない人が多いような印象を受けます。

そこで今回はそのような迷っている就活生の方がいま何をすべきか一緒に考えたいと思います。

一番すべきことは少しでも興味のある企業に内定をもらうこと

今、何をすべきか悩んでいる学生の多くが情報収集で悩んでいるように感じます。もっといい情報がないのか、もっと知るべき情報があるのではないかと疑心暗鬼になってしまっているように思います。ある程度の情報収集をした学生が今すべきことは、少しでも興味のある企業に内定をもらうよう行動することです。

例年、多くの学生が「面接慣れ」の重要性を語っています。三菱商事などの超人気企業に内定する人でも、最初の頃の面接は落ちまくってどうしたものかと気分がふさぎ込む経験をしていると言います。

面接という特殊な状況に限らず、多くの学生はこれまでに自分とある程度近い大人以外の人と会話をした経験が圧倒的に不足しています。そのため言葉づかいや会話のテンポなど、自分が伝えるべきことを伝える以前の問題でうまくいかないケースが多いです。

OB訪問の際に、「社風はどうですか?」とか呑気な質問をするだけの会話なら社会人と話すことができても、社会人や面接官から少しでも質問されるとリズムが狂って言いたいことを満足に言えないという経験をしている先輩はかなり多いのです。

本選考とインターンの締め切り情報

内定を取ることで得られるメリットとしては、面接慣れするだけでなく、第一志望業界とどのように働き方が違うのか、どういった業務の違いがあるのか深く考えるきっかけになるということもあげられます。

例えば総合商社が第一志望の中で、コンサルティング業界を受けると、一つの事業にずっと配属されプレーヤーとして働く総合商社と様々な案件に1年程度の中期間で関わるサポーターとして働くコンサルティング業界の違いについて考える機会が得られるでしょう。このような機会を通して自分はどういった働き方が向いているのか考えるというのは自分一人で悶々と考えるだけでは得ずらいものでしょう。

また内定を得た場合に、最低限この会社に就職すればいいという心理的な保証も自然体で面接に行くにはプラスに働くと言えます。どうしても後がない状況で最終面接に臨むと、必死になってしまい、どうしても入れてほしいと企業や面接官に媚びるような受け答えや雰囲気を醸し出してしまい、それを察知した面接官が快く思わないということもよくあります。

第一志望群から第二志望群ぐらいの会社に内定をもらうことは精神衛生上もプラスに働くことが多いのかなと思います。

志望動機が書けないからエントリーできないという人へ

「どんどん企業を受ければいいじゃん」というアドバイスをすると多くの学生が、「企業研究が追いつかないです」という回答をしがちです。多くの就活生が企業に評価されるためには、「知識」が必要で、業界・企業研究が不十分だと絶対に受からないと考えています。

そのため志望している企業のことは何でも調べようとOB訪問だけではなく、企業に関する本であったりを読みあさり、年収や最近の事業内容、同業他社との違いまでやたらと詳しい人になろうとしてしまう人が毎年出てしまいます。

しかし、こういった人が必ず受かるかというとそうでもなく、就活マニアとして調べた時間が徒労に終わってしまうということは少なくありません。

受験勉強とは違い、何でも「知識」として詰め込んだ人が評価されるわけではなく、面接においては「こいつ、うちの会社で活躍しそう」というある種の直感に近いもので評価しています。そのため、企業や業界に対する「知識」よりもうちの会社で活躍してくれるかもという「期待感」を過去の実績や話し方から伝えられるかどうかが重要になります。

全然業界研究をしていなくても下記のような志望動機が書けて話せれば十分、内定レベルに評価されるでしょう。

【不動産ディベロッパーが第一志望でWebサービスを運営するベンチャーを受ける場合】

チームで形のあるものを生み出す仕事がしたいと考え、就職する上でそういった仕事が出来ればと考えています。高校までずっと陸上という個人競技を続けてきたことから、大学ではチームで何かを生み出す活動に関わりたいと考え、フリーペーパーサークルを自ら立ち上げて発行部数1万部を目指して取り組んできました。Webサービスを提供する会社であれば、エンジニアやデザイナーの方などと協力してサービスをチームで生み出すことが出来ると考えて志望しています。一方でまだまだ就職活動が始まったばかりであまりWebサービスの業界について詳しくないというのも正直なところです。Webサービス業界以外にも、「チームで形のあるもの」ということで不動産ディベロッパーやメーカーなど幅広く就職活動では見ています。よろしくお願いします。

これは結構正直な志望動機だと言えます。自分の経験からどんなことに興味があるのか伝えて、Webサービスとの関連をうまく繋げて話すことが出来ています。「Webサービス業界にあまり詳しくない」と予防線を張ることでどんなWebサービスが好きかなど突っ込んだ質問に対してもうまくかわすことが出来そうです。

こんな感じで志望動機を話しても学生時代の経験や自分自身のことについてしっかりと話すことが出来れば案外評価されるものだというのを多くの就活生は知らずに、「完璧な志望動機」を追い求めてエントリーできないという事態に陥っているように思います。

企業理念に共感したとか新規サービスに非常に詳しいなど「知識」で勝負しようとする学生よりも、上記のように自分の素直な考えを言葉にできる正直な学生が評価されるケースが多いと思われます。

どんな志望動機を話せばどんな業界にエントリーできるのか具体例を下記のエントリーで詳しく具体例とともに解説しています。特別な経験がなくて志望動機が書けないと悩む人でも簡単に書けるようなテンプレートになっているのでぜひ使ってみてください。

もちろん最終面接に近くなると、絶対に入社してもらいたいと考える企業側が志望度の高さを聞くために、志望動機に関する様々な質問をすることがあるので、上記のようなざっくりとした志望動機で内定できるかは企業にもよるとは思います。ですが多くの会社では「自分の会社が第一志望の就活生しか取らない」わけではなく、他社・他業界が第一志望でも優秀な就活生であれば入社してほしいと考えています。

そのことを理解した上で上記のようにうまく志望動機を自分の経験と結びつけて話すことが出来れば、第一志望であることをゴリゴリと伝えようとしなくても評価されると思われます。下記のエントリーでは第一志望と伝えずとも評価された具体例について書いていますので参考にしてください。

なお、どのような企業選びの軸が各業界に当てはまるのかについての考え方は下記の記事で詳しく紹介しています。各企業選びの軸ごとに当てはまる業界のいいところと悪いところについて詳しく書いていますので参考にしてみてください。

最後に

プログラミング界の有名な言葉で、「Shut the fuck up and write some code(グダグダ言っていないでコードを書けよ、ハゲ)」という言葉がありますが、就職活動やビジネスにおいても当てはまるのかなと考えています。

プログラミングにおいても、就職活動やはたまたビジネスにおいても、受験勉強などのようにきっちりとした正解がないため、あーだこーだと悩んで結局行動しないまま、戦略だけは一丁前に考えるということをしてしまいがちです。ですが、自分の目的や物事を前に進めるために大事なことはまずは一歩踏み出して行動に移すことであると思います。

就職活動においても最終的に「納得したキャリアの選択をする」ということにおいては、内定をもらい就職先の選択肢を増やすというのは悪いものではないと思います。

「自分が心からやりたい仕事、行きたい会社に内定をもらわなければ意味がない」、「内定のために就活をするのか」といった非難がありそうですが、皆が第一志望の会社に入れるわけでもなければ、内定がなければ就職するという選択肢そのものが得られません。

もちろん進学や海外留学、資格試験など就職以外の選択肢もあるので幅広い選択肢に目を向かわせてほしいと思いますが、内定をもらって就職できる状況でそれを断ることで、選択肢を自ら捨てたという気持ちが次へのエネルギーになるように思います。

上記に書いた通り、内定するために必要なのは知識ではなく、自分なりのキャリアの考え方です。それも移り変わるものだと思いますので、面接という場を通してアウトプットして様々な角度から質問されることでより深みが増すと思います。

なかなか一歩が踏み出せないと感じている人は、「Shut the fuck up and write some code(グダグダ言っていないでコードを書けよ、ハゲ)」という言葉を思い出して、まずは内定前の面接を受けることが出来るようにエントリーシートを積極的に書いて出して欲しいと思います。

ちなみに既にある程度満足できる会社に内定している人はこの限りではなく、内定をもらっている会社以上に行きたい会社とはどういう会社か、今自分が考えている働き方とは違った考え方を持っている人はいるかなど、さらに視野を広げて考えてみるともっといいのかなと思います。

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出世の観点から見る、高学歴の学生がメガバンクに入行する意義 出世の観点から見る、高学歴の学生がメガバンクに入行する意義 こんにちは、16卒のメガバンク内定者です。入社まであと少しとなる中で、働くことに対する不安を払拭したいという意味合いからも、就職活動を終えてから多くのメガバンクに勤務するOBに出会ってきました。今回の記事では、その中で見えてきた、メガバンクにおける出世と学歴に関する関連性について書いていきたいと思います。メガバンクにおける学歴の意味合いについては、以下の記事でも考察されているので参考にしてください。参考:「学歴がモノを言う!?メガバンク内定者が不透明な選考活動を切る」初回からエリート支店に配属される高学歴の学生筆者がOB訪問した方の中に、山手線・中央線沿線の支店で勤務する方が何人かおりました。「初回配属からが勝負?メガバンクの「内定後」の実態」では、「メガバンクに就職した場合、初回配属が地方なら出世コース」という噂が言及されていますが、当初は筆者もこれを信じていました。しかし、OB訪問した先輩に言わせてみれば「本当に出世コースに乗るやつは未来永劫首都圏もしくは海外転勤でキャリアを終える」とのこと。つまり、「本当に人事部から出世を期待されている人材は、最初から東京23区の主要地区へ配属される場合が多いのではないか」とのことでした。働く前から目の前の学生が活躍するかというのは憶測の枠を飛び越えるわけがありませんし、憶測を少しでも確かにする判断材料が就職活動時にアピールした「部活での実績」や「学歴・成績・言語能力」というスペック重視になるはずです。これまでの学生の経歴が素晴らしいものであればあるほど、その学生はエリート支店に配属される可能性が高くなると言えます。参照:「初回配属からが勝負?メガバンクの「内定後」の実態」早慶上智以上の学歴で構成される某支店「初回からエリート支店に配属される高学歴の学生」に関連して、そのような配属を行った先には、支店における社員の学歴はどのようなものになるのでしょうか。エリート支店は早慶上智以上の学歴を持つ社員で構成されるとのことでした。上記の筆者がインタビューしたOBが勤務する支店においては、総合職でMARCH以下の学歴を持つ社員は現在いないとのことです(ちなみにその支店は社員数80人ほどと中規模の支店です)。以前に学歴MARCHの総合職の男性が1人いらっしゃったようですが、その方は大学時代に駅伝部で重要ポストに就き、全国駅伝大会での走行経験があるという輝かしいキャリアを持ち合わせていたようです。官庁に出向し、着実にキャリアを形成していく東大OBさて極めつけは、日本の最高学府である東大を卒業したメガバンク社員はどのようなキャリアを歩むかについて述べます。「メガバンクは滑り止め!?慶應生による慶應生の就職活動の実態」に書かれている内容から考えると、「せっかく東大出たのにメガバンク入社かよ」と考える学生も少なくないのではないでしょうか。では、自ら志望してメガバンクに入社した東大卒OBはどうなるのか。3名の東大卒OBにお会いして話を聞きましたが、キャリアの変遷は以下のようになります。東大卒OB①:中京地域の主幹支店→東京の主幹支店東大卒OB②:東京の主幹支店→ニューヨーク支店東大卒OB③:東京の主幹支店→人事部→某官庁出向花形中の花形とも思われるキャリアを若手のうちから歩むことができることがわかります。参照:「メガバンクは滑り止め!?慶應生による慶應生の就職活動の実態」学歴が高くても仕事ができない社員は、いつ見放されるのかこの記事をここまで読み進めてきた方の中には、「高学歴で最初は下駄を履かせてもらっても、ずっと有利に立ち回れるわけではない」と考える方もいるでしょう。実際にそうであると考えられますが、問題は「高学歴の社員がいつどのような形で見放されるのか」ということです。既に某メガバンクを退職した、人事部で長く勤務された方のお話では、「入社後10年ほど(体感としては部署・支店異動を三度ほど)でもあまり見込みがない社員には、メンツを潰さないように役職を与えた上で地方に配属することもあった」とのことでした。これは裏を返せばGMARCHクラスの学歴を持つ社員の方でも、10年を目処に高学歴の社員に対して逆転のチャンスが与えられると言い換えられます。高学歴の社員は、どこまで上りつめることができるのかでは、入社後継続的に良い評価が下された場合は順当に出世していくわけですが、問題はどこまで出世できるのかということです。例として、メガバンク3行の直近三代頭取の学歴を見てみましょう。三菱東京UFJ銀行永易克典氏(東京大学法学部卒)→平野信行氏(京都大学法学部卒)→小山田隆氏(東京大学経済学部卒)三井住友銀行西川善文氏(大阪大学法学部)→奥正之氏(京都大学経済学部)→国部毅氏(東京大学経済学部)みずほ銀行齋藤宏氏(東京大学経済学部)→佐藤康博氏(東京大学経済学部)→林信秀氏(東京大学経済学部)東大・京大卒の就活生にとっては希望を持つことができ、早慶の学生にとっては自らの限界を悟ってしまう頭取の学歴の系譜となっております。では最終学歴が早慶以下の社員は頭取になれないのかということは誰にもわかりませんが、筆者の聞く話では出世を期待された某メガバンク勤務のGMARCHの社員は、自身の学歴を塗り替えるべく現在某有名大学院入学のための勉強を始めたようです。頭取にこだわらず、取締役・執行役の学歴という観点で見れば、最終学歴が早慶という方も見受けられます。出世コースに乗り続けた先に待つ闇出世することが全てでないと考える人もいれば、何が何でも出世してやると意気込む人もいるでしょう。留意すべきは、出世した先・出世コースから外れた先に何が待っているのかということです。出世コースから外れた先というのは、ドラマ半沢直樹を見て印象が強い出向によって、40代・50代で銀行の融資先に赴くというケースが想定されます。出向に関する考え方については、「初回配属からが勝負?メガバンクの「内定後」の実態」の「いつ何時も配属された先での評価が次の配属先を決める」の章や「半沢直樹で誤解して欲しくない!「出向」の現実と総合商社における出向の具体例」を参考にしていただけたらと思います。一方で、出世した先はどうかというと、一例として銀行員の花形出世コースとして人事部配属というキャリアがあります。定年まで銀行で働き続けられる理想的なキャリアとされますが、そこでの仕事内容は「同期に出向を命じる」ということが一つとしてあります。上記の既に退職した人事部勤務経験の方は、これが一番辛かったとのことでした。自分が出世の階段を上りつめるにつれて、ふと振り返ってみると他の同期を蹴り落としてきたからこそ今の自分があることを実感させられるとのことでした。参照:「初回配属からが勝負?メガバンクの「内定後」の実態」参照:「半沢直樹で誤解して欲しくない!「出向」の現実と総合商社における出向の具体例」最後に:メガバンク入行を目指す就活生へメガバンクにおける出世と学歴の関係について述べて参りました。高学歴の学生にとっては学歴によって下駄を履かせてもらえるという側面があるものの、同時に高学歴というプレッシャーと常に闘っていく必要があります。競争社会という意味合いが強い金融業界で働く意味をしっかり考えて頂き、読者の方が納得のいく就職活動を送って頂ければ幸いです。photobyMartinThomas 107,402 views

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