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事業投資に興味がある就活生が押さえるべき総合商社と投資銀行の違い

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掲載開始日:2016年01月06日
最終更新日:2016年12月09日
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「事業投資」、企業を買収し、企業の経営を向上させることで収益をあげるもので、総合商社志望者であればトレードから事業投資に事業転換といった話を聞いたことがあるかもしれません。また投資銀行志望者も、この事業投資や経営の根幹部分に関わることができそうだとして志望している人が多いように感じます。

しかしながら、各企業がどのように事業投資に関わっているのかちゃんと理解している就活生は少ないかもしれません。今回は各企業がどのように事業投資に関わっているのか、事業主体ごとに説明したいと思います。

投資銀行(IB部門)

投資銀行という名前から、就活を始めたばかりの人は、企業を買収して企業経営をしているイメージを持っているかもしれませんが、実態としては異なります。ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなどの外資系金融機関の投資銀行部門(IB部門)の仕事は、総合商社やメーカーなどが企業買収を行う際に、買収候補先の提案から買収する際に必要な金額の算出、買収に必要な資金の調達方法など、買収に関わるアドバイスを行うことです。

例えば、2011年に飲料メーカーのキリンがブラジルのビール・清涼飲料メーカーを買収した際のアドバイザーはシティグループ証券でした。

参考:キリンがブラジル飲料会社を1988億円で買収、成長市場取り込みへ

こういったビジネスモデルの中で、収益の柱となるのが、アドバイスの成功報酬部分で、取引金額の数%といった形で収益を受け取ります。5億円以下の部分は5%、5億円〜10億円なら3%、10億円以上なら1%といったテーブル制で成功報酬が組まれているケースが多いです。上記のキリンの買収は1988億円なので、その1%とすると20億円もの収益を1つの買収で稼ぎ出すことになります。成功報酬以外にも着手金や契約期間中に毎月支払われるリテイナーフィーなどがあります。詳しく興味がある人は下記の用語集などでM&Aに関する用語を見てみてください。

M&A用語集(M&Aディール)

 

総合商社

さてそれでは総合商社の事業投資は投資銀行における事業投資とはどのように違うでしょうか。投資銀行の事業投資への関わり方は買収に関わるアドバイスがメインでした。一方で総合商社の事業投資は買収だけでなく、買収後の企業経営から、もし提携がうまくいかなかった場合は企業の売却や精算まで、企業買収のはじめから終わりまでに関わります。

例えば、三井物産は近年、医療事業に注力していますが、SMSと合同でイギリスの医療情報会社を300億円で2015年に買収しています。今後、三井物産は自社の社員を出向させたり、その他自らが持つネットワークを提供することでこの企業を支援し、企業価値を高めていくものと考えられます。

参考:SMSと三井物産、英医療情報会社を買収 300億円で

商社においては買収先の企業の経営をよりよくするために、時には自社の社員を買収先の企業の社長にするなど、ネットワークだけでなく人的支援も惜しまず行っています。例えば、ケンタッキーフライドチキンは三菱商事グループですが、2015年現在の社長は三菱商事の出身者であったり、ファミリーマートも年々、伊藤忠商事出身者が社長となっています。

このようなビジネスモデルの中で、収益の柱となるのは、買収した企業の取込利益です。取込利益は会計上の概念ですが、簡単に言えば20%以上取得している企業をグループ会社として、出資比率の分だけその企業の利益を取り込むというものです。例えば伊藤忠のファミリーマートに対する出資比率は約30%ですが、ファミリーマートが100の利益を出したら伊藤忠商事は30だけ利益として認識するというものです。

そのため買収先の企業業績が好転するだけ、利益が増えるために総合商社は人・情報を惜しみなく買収先に投じることで業績を向上させようとします。もちろん取込利益以外にも、配当や株式売却の際のキャピタルゲイン(損にもなりうるが)があったり、そもそも買収した企業に対して卸を行うことでトレードの口銭を稼ぐこともできます。


ベンチャーキャピタル・PEファンド

次にベンチャーキャピタルの事業投資も見ていきましょう。これらの企業は総合商社と同様に自らのお金で企業の株式を買い、買収後は主に買収先の企業に対してアドバイスを提供することで企業価値の向上を図ります。

例えば、日本のベンチャーキャピタルの最大手ジャフコは、2015年に上場したGunosyに対して資金提供を行い、上場した際に買収した株式を売却して利益を得ています。

参考:ニュースアプリ「Gunosy」が12億円を調達--KDDIやジャフコから

ベンチャーキャピタルの事業投資は、資金の出し手である投資家に対して決められた期日内にリターンを提供しなくてはいけないため、数十年単位で買収を成功させる総合商社とは異なり、短期的に成果を上げる必要があります。またベンチャーキャピタルにおいては基本的には資金提供の部分に重きが置かれており、総合商社のように人を送り込んだり、調達部分まで深く入り込むことはしません。基本的には資金を提供した企業に対して、進捗の確認をしたり、アドバイスを行うことがメインとなっています。

収益は、投資した金額よりも高く売却することによって得られるキャピタルゲインになります。IPOで上場するだけでなく、次のラウンドの資金調達の際に別のベンチャーキャピタルに売却するなどといった手法がありますが、基本的には買収した株式の売買による収益のみとなります。


事業会社

最後についでではないですが、リクルートやメーカーなどの事業買収についてもみていきましょう。リクルートやメーカーも近年盛んに海外・国内の企業を買収しています。リクルートやメーカーなどの事業買収は商社と同様に、その企業の価値を向上させることで取込利益を増やすことにあると考えられます。特に近年日本経済の成長率が落ちていく中で、キリンがブラジルの飲料メーカーを買収するなど海外の収益を取り込むために海外企業の同業種を買収する例が多く見受けられます。

例えばリクルートは米国の求人サイトindeedを買収しています。

収益は商社と同様に、買収先企業の取込利益に加えて、配当による収益や売却した際のキャピタルゲインゲインが主な収益となります。商社とは異なり、トレードの口銭はないケースが多いでしょう。

総合商社はトレードから事業投資へと舵を切り替えて事業投資にかなり積極的ですが、リクルートやメーカーなどの事業会社においてはそこまで注目される案件ではなく総合商社ほどに買収先の企業に対して手厚く人や情報を提供して企業価値を向上させる取り組みをしているとは耳にしません。これはおそらく総合商社がトレードの収益ではもはや儲からなくなり、事業投資に注力せざるを得ないのに対して、日本の成長率が落ちているとはいえ、本業での儲けがあるために事業投資はあくまで成長を補完するものであるという位置づけの違いによるものと思われます。


最後に

ここまで各プレーヤーにおいて事業投資というものにどのように関わっているのか説明してきました。多くの就活生が何となく事業投資ってかっこよさそうだけど詳しく中身はわからないという状態だと思いますので参考にしていただければと思います。それぞれの関わり方の違いを意識しながら、志望動機を考えるとより深みのある志望動機になると思います。このように業界研究は一つの業界について深掘りするよりも、一つの観点から様々な業界を比較した方がその違いに目がいき、どちらの業界が面白そうか考えやすくなります。unistyleではunistyle業界研究にて、企業選びの軸ごとにどんな業界が当てはまるのか、それぞれの違いはどこかについて書いているのでぜひ参考にしてください。

unistyle業界研究

photo by C.C. Chapman

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