【ケース】日本のフットサル人口を求めよ
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最終更新日:2023年10月24日
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外資系コンサルティング会社の面接においては、自己紹介の後に自分に関連することでフェルミ推定を出すことが頻繁にあります。私の場合はフットサルをしていましたので、フットサルの競技人口を求めて下さいという設問にも何度か出くわしたことがあります。皆さんも是非、自分の関わる身の回りのフェルミ推定は面接前にしてから臨んで欲しいと思います。
1.前提条件の確認とアプローチ方法の選定
【前提条件】
ここでは一年間に一度でもフットサルをプレーした人をフットサル人口としてカウントします。
【アプローチ方法の選択】
人口ベースから需要を計算するという需要ベースではなく、日本全国に何カ所フットサルコートがあるのか、何人程度が年間プレーしているのかという供給ベースでフェルミ推定を行いたいと思います。フットサルをプレーするためにはフットサルコートという特殊な環境が必要になるため、供給側から推定した方が、より精緻な推定ができると考えたためです。
2.実際の計算
フットサル人口=①フットサル場の数×②コート数×③回転数×④稼働率×⑤1回当たりの参加者数×⑥日数÷⑦一人当たりの参加回数
を求めることで、フットサル人口を求めることができそうです。
それではそれぞれのパラメーターについて推定していきましょう。
①フットサル場の数
まずフットサル場の数については、札幌、仙台、東京、横浜、静岡、名古屋、大阪、広島、福岡の主要9都市にフットサル場が20個、その他の府県にはそれぞれ10個あると仮定すると、180個+380個=560個と推定できます。
②コート数
次にコートの数ですが、私が行ったことのあるフットサル場の多くが3面ありましたので、コート数は3と仮定します。
③回転数
次に回転数を求めたいと思います。フットサル場の営業時間は大体朝9〜夜23時の14時間で、予約は2時間一単位で行うことが多いので、一日で7回転とします。
④稼働率
稼働率については、平日は朝から夕方まで空いている一方で、土日はほぼ満員で予約を取るのが難しいぐらいのため、下記の通り仮定します。
平日:9時〜17時:20% 17時〜23時:60%
土日:9時〜23時90%
上記から稼働率の平均を求めると、
{(8時間×20%+6時間×60%)×5日間+14時間×90%×2日間}÷(14時間×7日間)=約52%
計算簡略化のために50%として計算することとします。
※今回は稼働率の平均を算出して計算していますが、稼働率の違うそれぞれの日にちごとに参加者数を算出しても構わないでしょう。
⑤1回当たりの参加者数
一回当たりの参加者数は、最低でも1チーム5名の10名以上が参加する必要があるので、控えも考えて15名と仮定します。
⑥日数
ほぼ年中無休で空いているコートが多いので、350日と仮定します。
⑦一人当たりの参加回数
私自身は月に8回、年間100回ほどフットサル場に行きますが、かなり多い方だと思います。多くの人は一年間に2〜3回しか参加しないと思われますので、競技志向の多い人も含めて考えて、年間6回ほどと仮定します。
以上より、560場所×2面×7回転×50%×15人×350日÷6回/人=343万人と計算できます。
3.検証
レジャー白書2011によると、一年間に一度でもフットサルをしたことがあるひとは370万人となり、近年急激に増えているとのことです。フェルミ推定の値にかなり近いと言えますが、来年には更に増えるとなると、そもそものフットサル場の数が需要に合わせて増える可能性があります。直近の成長率から今後、どのパラメーターが大きく動くかを考えることも、ビジネス脳を鍛える上では有効です。是非意識してみて下さい。
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