「自分は他人より優秀だ」という平均以上意識からの脱却が内定獲得への第一歩

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最終更新日:2023年10月30日

「自分は他人より優秀だ」という平均以上意識からの脱却が内定獲得への第一歩

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元号を跨いだ大型GWも終わり、いよいよ20卒の選考活動も後半戦に差し掛かってきました。

既に志望度の高い企業から内定を得るなど順調に駒を進めている方もいれば、企業からなかなか良い評価を得られず苦戦しているという方もいるかと思います。

ところで、そんな20卒の方も含め、本記事をご覧の皆さんへ質問です。

あなたの就活力は5段階評価で何点ですか?

今回のテーマは、就職活動における自己評価。

果たしてそれは高くあるべきなのか、低くあるべきなのか。

新元号を機に自己を振り返る意味で今一度この論点について考察していきしょう。

尚、本記事は就職活動真っ只中の20卒だけでなく、これから就職活動を始める21卒以降の方にもためになる内容になっているため、是非多くの方に一読していただければと思っています。

【本記事のアウトライン】
・自己評価の高低と就職活動結果の関係
・「平均以上意識」はなぜ生まれるか
・ダニング・クルーガー効果と自己評価
・他社の内定先を正直に公表すべきか
・最後に:自己評価で自身の可能性を狭めるのはもったいない

本選考とインターンの締め切り情報

前提として:以前もこのような記事で自己評価を取り上げました

unistyleでは以前にも「就職活動と自己評価」をテーマに以下のような記事を公開しています。

詳細についてはリンクより元記事を一読していただければと思いますが、要約すると「就職活動においては自己評価は高めぐらいが良い結果をもたらすことが多い」という内容が書かれています。

一方、自己評価が現実のそれとあまりにかけ離れているのは当然それまた問題であり、結局はバランスが大事だということも指摘しました。

unistyleが調査した結果は、自己評価の平均は "3.59"

冒頭の問いかけについて、unistyleが以前アンケートを取った「unistyle就職活動意識調査結果概要」における結果は "3.591" でした。

単純に考えて、1~5の5段階評価の乱数的な期待値は3.000ですから、結果としてはやや高めの値と言えるかもしれません。

とは言え、
・サンプリングサイズの問題(50万人規模と言われる就活生全体の中の n=1002)
・母集団の性質の問題1(unistyle登録者における高学歴層の割合の高さ)
・母集団の性質の問題2(16卒は8月内定のため2~3月でも現在よりは選考が進んでいない)
等々、
統計的な正確性を語るには問題があるため、あくまで参考程度にはなります。

「平均以下」と回答する人は5割も存在するのか?

さて、この結果について皆さんに考えて欲しいのは、「自分は平均より下の就活生だ」と自己評価している人がどれだけいるのかということです。

もちろん就職活動における自己評価という全く定量的でない指標が標準正規分布を取るわけではありませんが、少なくとも「平均より下」と思っている人は5割に満たない可能性は高いでしょう。

実際、これを今読んでいるユーザーの皆さんも、トップ層とは思っていなくとも、「少なくとも平均よりは上かな」ぐらいの自己評価である人は多いのではないでしょうか。

確かに、「就活初心者に読んで欲しい!志望企業内定のための12ステップ」に書かれているような、就職活動において基本となる行動をクリア出来ている就活生は案外少ないものです。unistyleの記事のような典型的な公開情報でも、他の就活生に差をつけることは十分可能です。

(余談ですが、この時期の3年/M1生向けによくみかける「応募者限定で○○リストをプレゼント!」といったような就活イベントも、情報自体で差をつけようと考える就活生の心理を少なからず利用したものだと推測しています)

また、以下の記事にもあるように、大学全入時代とも言われる昨今では早慶以上の学歴の希少価値というのは学生の肌感よりはそれほど高くはなく、自分の置かれた立ち位置よりも何となく上の自己評価をしてしまうケースはそれなりにあると思っています。

もちろんこの記事が執筆された頃と比較すると、有名私立(特に早稲田)は入学者数を絞って偏差値をキープしている傾向にあるため、多少は高学歴ブランドの希少性は戻っているのかもしれませんが。

就職活動は毎年50万人程度の学生が参加すると言われていますが、早慶+旧帝大で4万人の学生がおり、就職マーケットの8%が早慶旧帝大の学生で占められています。多くの慶應の学生は自分たちは上位1%〜2%の人間だと言う意識が強いのではないでしょうか。

参考:慶應生でも上場企業に入社できるのは半分もいないという事実

「平均以上意識」はなぜ生まれるのか

では、就活生はなぜ自分たちのことを実際の能力以上、もしくは「とりあえず平均よりは上」と評価するケースが発生するのでしょうか。

もちろん要因は人それぞれですが、ここでは考えられるものを3つ紹介します。

平均以上意識の要因1:自己評価とは自由な評価

説明するまでもありませんが、自己評価とは自分で好き勝手に内容を設定できる評価です。

極論、クラスの全員に嫌われていても、「私はクラスの人気者だ」と自己評価してしまえばそれまでであり、上にも下にも現実のそれとは大きく乖離する可能性を含むものになります。

基本的に、 "評価" というものは良い方が好ましく感じるはずです。

他者評価は自分の努力次第で変えられるところもある一方どうにもならない側面も大きいため、せめて自己評価ぐらいは高めに、悪く言えば自分を正当化して精神衛生上良くしようという考えが生じうると言えるでしょう。

自分にとって不都合な評価には目を瞑り、心の安定を保つという意味では、いわゆる正常性バイアスに近いものが要因1にはあるのかもしれません。

平均以上意識の要因2:大学生活における、「選べるコミュニティー」

高校までと比較すると、大学生活においては自分で自由に過ごし方を決定できる割合が高まっていきます。

どの授業を履修するか・どのサークルに所属するか・どのぐらいアルバイトのシフトに入るか...。はたまた授業に行かない・サークルに入らないといった選択肢すら(自己責任ですが)許されるのが大学生活です。

就職活動においても、大学受験と比較すれば受けることが出来る企業の選択肢は格段に多いでしょう。

しかし、実際に就職することが出来るのは内定を獲得出来た企業の中から1社です。内定を取らなければ就職することは出来ません。

自分で選んだサークルを中心としたコミュニティーは基本的に居心地の良いもので、自分の好きなこと・得意なことに対し損得関係なしに向き合うことが出来るものです。仮に自分が劣等感や居心地の悪さを感じるような環境なのであれば辞めればいい話であり、自分にとって優位な環境を取捨選択出来る点が大学生活の特徴の一つでしょう。

そんな居心地の良い環境にどっぷりと浸かり何となくちやほやされていた大学生が、いざ職に就くための活動(≒内定を獲得するための活動)、言ってしまえば内定という限られた椅子を奪い合う競争である就職活動になると全く優位性を確保できず苦戦を強いられるという話はしばしば耳にします。

自分が優位になりやすい環境で評価されるのは当たり前の話であり、そういった環境を選択できる自由があるからこそ、井の中の蛙状態で「平均以上意識」が生じてしまうというのが2つ目の要因になります。

平均以上意識の要因3:自分が主人公の世界は自分にしか見えない

「人生は自分が主人公の物語」だという言葉がありますが、「自分視点」という意味ではこの言葉はまあ合っているかなという気がします。普段自分が関わっている他人にも、それぞれ自分視点の人生が存在しています。

普段はあまり意識することはないでしょうが、主人公である自分はある種特別な存在であり、どれだけ多く他人と関わったところで自分視点から完全に脱却することは出来ません。
(「相手の立場に立つ」というマジックワードが究極的には不可能なのはこれに起因しています)

そんな中で、一件興味深いツイートを発見しました。

Twitter・Instagramを始めとしたSNS上で時おり見られる「マジこのメンツ濃いわ~」に準ずる文言。

このツイートの「ばあちゃん」の言う通り、「濃いメンツ」というのはあくまで「自分(という人間が主人公)にとって特別な存在」に見えるだけの話であり、たいていの場合関係のない第三者から見れば全く濃く感じないものでしょう。

それだけ特別な存在である唯一無二の「自分」について、他者から見た視点とは異なる分高めの自己評価を設定してしまいやすいのは自然なことなのかもしれません。

自己評価と関わりが深い、"ダニング・クルーガー効果"

上記では就活生の間で平均以上意識が生じやすい理由について指摘しましたが、自己評価の議論と関連してしばしば登場する用語が、ダニング・クルーガー効果になります。

ダニング・クルーガー効果とは、能力が低い人に限って自分を過大評価してしまう認知バイアスの一種を指します。

高齢者事故とダニング・クルーガー効果

池袋で起きた高齢者運転事故により最近再び議論を巻き起こしている、高齢者の運転免許返納問題。こちらはダニング・クルーガー効果を説明する際にしばしば取り上げられる事例になります。

先ほど要因1で正常性バイアスについて触れましたが、「自分の運転に自信があるか」という問いかけについて、損保ジャパン日本興亜の調査では65歳を境にYesと回答する割合が高まってくるというデータがあります。

しかし、実際には事故率は高齢になれば高まる傾向にあり、その自信は結果に伴っていないのが現実と言えるでしょう。

ダニング・クルーガー効果が生じる理由

こういったダニング・クルーガーが生まれる理由はいくつも指摘されていますが、中でも大きいのは「能力が低い人は自分の能力が低いということに気づく能力すらそもそもない」という点があると思っています。

unistyleでも「就活生は自分を完璧な人材と見せつける必要はない」という話は何度もしていますが、そもそも欠点が全くない完璧な人間など存在しません。

自身の価値を高めるためには、
・改善点に気づくこと
・それに向けた行動をすること

が必要です。能力が高い人はこの改善点の発見→行動→成長のサイクルを円滑に回すことができ、低い人はこのどこかでつまづいていると考えられます。

就活生がダニング・クルーガー効果から脱却するためには

・居心地の良い環境で井の中の蛙状態
・能力が低い人は改善点の発見に至らない

ここまでの上記のような内容に、思わず自分のことかと身構えた方もいるかもしれません。

では、就活生が現実とかけ離れた平均以上意識から脱却するためにはどうすればいいのか。

unistyleとしては、とにかく選考を受けること・行動量を増やすことに限るという考え方をとっています。

この手の議論には「自分を客観視せよ」というアドバイスが散見されていますが、客観視=自分以外の視点から捉えること=それ自体が自己評価からの脱却であるため、これでは答えになっていません。大切なのは、客観視するためには具体的に何をすればいいかを提示することです。

就活生にとって最も重要な他者からの評価とは、ズバリ企業からの評価・人事からの評価です。内定獲得力が定量化・可視化が困難なものである以上、実際に企業の選考を受けることで企業から評価を集めないことには就職活動における正しい評価を感じることは難しいと言えます。

これは自分と関わりのある周囲から評価を集める方法である他己分析よりも、内定獲得の観点で見ればよっぽど有効です。

一番わかりやすい他者評価は他社評価。すなわち「内定」である

就活生の能力を定量化・可視化出来ないというのは、企業側の立場からしてみても同じことです。それをより確からしくするために、面接を始めとした選考フローが存在しています。

その際、人事が拠り所とするのは、他社の内定をどれだけ取っているかということです。自社以外の有名企業から内定を得ているということはそれだけ評価されているという意味になり、就活生の能力への期待値は高まりやすいでしょう。

詳細については以下の記事で指摘しています。

モテスパイラル現象とは、「イケメンや金持ちより、単に他の女にモテている男がモテる」という現象のことだそうです。

参考:藤沢数希氏の恋愛工学を就職活動に応用してみる:『ぼくは愛を証明しようと思う。』の書評  

「他社からの内定」というのは、一企業からすればある種客観的な評価の一つです。

この性質を利用して、私の知るとある学生は、「P&Gのインターン選考で非常に高く評価されました」という話をしていたようです。

この学生、実際はインターン選考落ちで特に評価されたという自覚も無いようですが、「評価された」という肌感覚を利用して明らかな嘘をつかずとも自身の就活市場価値の高さを伝えたという話でした。

これについてはインターンの内容等掘り下げられた際苦しいリスクも含んでおり、頭ごなしに推奨できるものではありません。

一方、既に内定があることを企業に伝えるか悩む就活生というのも時おり見かけますが、基本的に内定先をわざわざ隠す必要はないと思っています。

その多くは「既に内定があるなら自社は辞退されるのでは」と思われることを気にしているようですが、それでもわざわざ時間を割いてその会社を受験しているのは正に志望度の表れであり、自身の軸に沿ってその時受験している企業の志望度の優位性を伝えれば問題ないでしょう。

また、軸から多少外れていてもその心情の変化の理由を伝える、もしくは「志望度は高くありませんでしたがまずは自身の実力を確かめるために受験しました」ぐらいでも大きな問題はないと思っています。

「内定が無いのなら自社に入れてあげよう」という考えに至るほど人事は甘くなく、内定先の企業によるでしょうが、内定ブランドのメリットと比較した内定先公開のデメリットは基本的に小さいものではないでしょうか。

最後に:驕ることなく、地に足のついた自己評価を

この時期は一番就活が順調に進んでいる人とそうでない人の差がつく頃でもあり、周囲と比較してあれこれ悩んでいる就活生も少なからずいると思っています。そういった就活生を見ていると、やはりまずは内定を獲得することが悩み解消の第一歩なのだと改めて感じています。

とは言え、1社内定を取ったからといって驕り高ぶって周囲にマウントを取り出すのもそれまた違う話であり、結局大切なのはバランスなのだと、一見真逆のことを述べているように見える「【就職活動を左右する自己評価】自己評価の高さは内定先に影響するのか?」と結論自体は大きくは変わりありません。

いずれにせよ、自己評価という自分で好き勝手に設定できるもので自身の可能性を狭めてしまうのは大変勿体ない話です。

是非自分の中で「正しい」自己評価を見つけたうえで、残りの就職活動に励んでいってください。

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合説で東京ビッグサイト/幕張メッセに行くなら前日にとりあえず読んどけ。|合説に費やす1日をよりよい日とするために。 合説で東京ビッグサイト/幕張メッセに行くなら前日にとりあえず読んどけ。|合説に費やす1日をよりよい日とするために。 年が明けると盛んになるのが合同説明会。リクナビ、マイナビといった大手就職媒体を中心に各社積極的に開催をはじめます。その中でも、一度は足を運ぶことであろう場所が、東京ビッグサイトだと思います。アーティストのライブなどで赴いたことのある方はご存知だと思いますが、東京ビッグサイトは比較的馴染みの薄い僻地に位置しているため、合説参加と往復の時間を勘案すると、丸一日費やすことになりがちです。そこで今回は、「1日かけて合説に参加するなら、効果・効率の最大化を目指して欲しい」ということで、東京ビッグサイトにいくなら○○にも足を運んでほしい、という特集を組んでみました。アクセス東京ビッグサイトそもそも東京ビッグサイトはどこにあるのかを簡単に説明しつつ、推奨アクセス方法について記載します。公式サイトによる推奨アクセスはこちらを参照ください。最寄り駅はりんかい線「国際展示場」ゆりかもめ「国際展示場正門」の2つがありますが、新宿駅から片道30分、東京から片道20分程度のところにありますので、23区以外から参加される方は1時間以上程度の余裕を持っておくと良いでしょう。幕張メッセそもそも幕張メッセはどこにあるのかを簡単に説明しつつ、推奨アクセス方法について記載します。公式サイトによる推奨アクセスはこちらを参照ください。最寄り駅の海浜幕張は東京から30分以上かかるやや遠い場所にあり、京葉線の朝の混雑が予測されるためいつもより余裕を持った時間設定がおすすめです。2019年版|東京ビッグサイト/幕張メッセで行われる就職イベントまとめ東京ビッグサイト/幕張メッセは会場が大きいため、リクナビ・マイナビを筆頭にイベントが開催されます。2019年上期に行われる就活イベントは以下になります。マイナビリクナビ個人的な所感として、リクナビ・マイナビそれぞれのイベント運営形式は両社そこまで違いはないと思っていますが、参加企業は少々異なるため、事前に目星をつけておくとよいでしょう。一部イベントにおいては既に出展企業も明らかになっているようです。近郊オススメスポットあまり訪れる機会がないからこそ現地調査を行うこともほぼないと思いますので、unistyle編集部にて近隣オススメスポットをまとめました。東京ビッグサイト【1】少し休憩するならここ。場内のカフェは混雑が予測される。東京ビッグサイトは埋立地に位置しており、会場より南側は企業や工場などが並び基本的に飲食施設はないと考えてよいでしょう。また、東京ビッグサイト場内にもタリーズコーヒーやスターバックスコーヒーなどのお手頃なカフェは存在しますが、席の取り合いが熾烈であることは言うまでもなく、人のいないところで1時間程度休憩するにはおすすめしません。そのため、東京ビッグサイトから国際展示所に至るまでのルート上の有明パークビルや有明フロンティアビルに集中する以下のような飲食施設を利用することを推奨します。※価格については食べログでの情報を元に記載したものであり、直接店舗へ確認したものではないため、もし万が一記載内容と相違がある場合も考えられます。予めご容赦ください。カフェ・ベローチェ有明店東京ビッグサイトから出てすぐのところにあるコーヒーチェーン店です。席数は150席を誇り、この周辺界隈のカフェの中では最大の広さとなっています。190円からブレンドコーヒーを楽しめ、サンドイッチやホットドックなどの軽食もあるため、一休みするには最適の環境と言えるでしょう。マクドナルド有明パークビル店東京ビッグサイトから徒歩1分、席数も100席で価格帯も就活生にお手頃で、休憩はおすすめできる場所と言えます。特に電源の付いている席が多くあるため、PCやスマホの充電をする際には是非利用すると良いでしょう。セントラルカフェテラス東京ビッグサイトから徒歩3分、有明セントラルタワー2階にある完全セルフサービスの社食のような雰囲気のカフェテリアです。300席という非常に広い店内ながら、訪れる人はそこまで多くなく、静かに休憩できる穴場スポットと言えるでしょう。メニューが充実したランチが激安で楽しめるためぜひ一度足を運んでみると良いでしょう。【2】場内のコンビニは超混雑。事前に買うならここがお勧め。東京ビックサイト場内にも2店舗コンビニがありますが、土日などのイベントピーク期間の朝、昼時などはかなりの混雑が予測されます。また、混雑のみならずおにぎりやサンドイッチなどの軽食が売り切れてしまっているパターンも考えられるでしょう。理想は最寄りのコンビニで軽食を調達しておくことですが、東京ビックサイト近辺には最寄り駅から会場までのルート上に非常に多くのコンビニが集中しているため、それらを利用して現地購入を検討してみても良いでしょう。以下推奨店舗です。国際展示場正門で下車する方ミニストップWANZA有明店東京ビッグサイトに最も近いゆりかもめ国際展示場正門から最も近いコンビニです。とはいえ、駅の目の前にあるというわけではなく、東京ファッションタウンの2階にあるため徒歩3分ほど距離があります。それ故に、他のコンビニよりも利用率は低く、時間さえ余裕があればストレスなく買い物ができるでしょう。国際展示場で下車する方ローソン国際展示場駅前店ファミリーマート有明フロンティア店ローソンは国際展示場の駅舎に隣接しており、ファミリーマートは会場までのルート上の最もアクセスしやすい場所にあります。両店舗ともアクセスの良さから一定の混雑は予測されますが、2店舗による分散効果は見込めるため、多少の混雑度合いよりも近場であることを重要視する方にはおすすめできるでしょう。【3】就活中でもインスタ映えを意識する方へ。このような大規模就活イベントは往々にして埋立地で行われ、周辺に海が広がるため、就活中でもインスタグラマーの魂を忘れない方にとってはインスタグラマーアンテナが反応するかもしれません。正直これといったスポットはないのですが最も海を感じやすいスポットは水の広場公園だと思います。水の広場公園周辺お台場のビル群、観覧車などが見えるなど景色のいい穴場スポットのようです。合同説明会後、黄昏時や夜の帳が下りていく様子を楽しんで見てください。ただし、カップルは多いのでご了承ください。幕張メッセ【1】少し休憩するならここ。場内のカフェは少し高くて人が多い。幕張メッセ場内にも2店舗カフェがありますが、その値段は若干高く混雑も予測されるため、休憩するなら会場外にある以下のカフェをおすすめします。※価格については食べログでの情報を元に記載したものであり、直接店舗へ確認したものではないため、もし万が一記載内容と相違がある場合も考えられます。予めご容赦ください。カフェクロワッサンWBG店幕張メッセ近くのワールドビジネスガーデン1Fにあるカフェです。コーヒーが270円から、クロワッサンが160円から楽しめ、就活生にもお手頃な価格設定と言えます。口コミでもゆったりとした雰囲気という声が多く、一時的な休憩には最適であると言えるでしょう。スターバックス・コーヒー幕張WBG店カフェクロワッサンと同じフロアにあるおなじみコーヒーチェーン店です。幕張メッセからも近く、かつWi-Fiが使えるためインターネットを使う際にはおすすめできると思います。サンマルクカフェプレナ幕張店コーヒー以外にもパフェやベーカリーなど幅広く軽食を楽しめるサンマルクカフェ。幕張メッセから徒歩10分と若干遠いですが、その分混雑度合いは低いと考えられます。席数も79あるので、1時間程度静かにゆっくりしたい方にはおすすめです。【2】場内のコンビニは超混雑。事前に買うならここがお勧め。幕張メッセ場内は、国際展示場1〜8と9〜11で会場が離れており、その両方にデイリーヤマザキがありますが、やはり場内のコンビニの混雑は避けられないでしょう。会場外にも何店舗かコンビニが存在しますが、駅から会場までの通り道ですので多少の混雑はやむを得ないと思います。混雑のない店舗でストレスなく買い物したいなら以下の店舗をおすすめします。セブン‐イレブン千葉海浜幕張駅前店ファミリーマート幕張アミューズモール店海浜幕張から幕張メッセに向かうには南口から駅を出る必要がありますが、上記2店は北口徒歩1分のところにあるため、会場に向かう就活生の集中を防ぐことが出来るでしょう。かつ2店舗の距離が近いため混雑度合いが低いことが予想できます。【3】就活中でもインスタ映えを意識する方へ。実は幕張周辺はホテルニューオータニ幕張や日本庭園見浜園などフォトジェニックなスポットが多い街です。しかし、それも利用料金がかかり就活中のリクルートスーツで映えさせるにはどれももったいないくらいですので、別の機会を狙うことをおすすめします。そのようななか、幕張海浜公園に隣接している人工の砂浜、幕張の浜は料金がかからないためおすすめです。合同説明会後、夕方の空が非常に綺麗なそうですのでぜひ見に行ってみてください。幕張の浜大切なことなのでもう一度いいますが、カップルは多いのでご了承ください。帰り道の混雑に巻き込まれないために素直に行きと同じルートで帰るのがおすすめいっせいに多くの方が帰宅することから、周辺の駅は非常に混雑することが予測できます。ただ、東京ビッグサイトはゆりかもめやりんかい線など2路線3駅が最寄りとしてあるため、多少の分散効果により混雑を避けることは出来るでしょう。また、幕張メッセですが、隣駅までが徒歩で40分以上かかるため、素直に海浜幕張駅を利用したり、幕張本郷行のバスを利用することをおすすめします。オススメ退場時間はイベント終了後。混雑のピークは終了2時間前あたり。合同説明会の帰宅の混雑のピークはイベント終了の大体2時間前と言われています。その理由として、開場の11時頃に会場入りし、3〜4時間ほどの滞在で帰宅するパターンが多いからです。筆者自身も就職活動時に言った合説で最後まで残る人はあまり多くなく終了2時間前くらいに途中帰宅する人が意外と多かった所感があります。今回のイベントでは、15〜16時頃が帰宅のピークと予測されるためそのピークを避けるためにも17時以降の帰宅をおすすめします。おまけ:合説参加効率を高めるためにunistyleには他にも合同説明会に関する記事を掲載しています。合同説明会そのものをより有意義なものとしたい方は是非ご一読ください。参考:さいごに都内や近郊に在住の方なら一度は訪れるであろう東京ビッグサイトと幕張メッセ。合説そのものを有意義なものとするためにも、往復時間の効率化、混雑の回避、周辺スポットの把握をしておくことをオススメします。戦略的に合説を活用するための一助となれば幸いです。 15,255 views
【ケース】地方私立大学の生き残り戦略を立案せよ【アクセンチュア過去問】 【ケース】地方私立大学の生き残り戦略を立案せよ【アクセンチュア過去問】 外資コンサル業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】外資コンサルの仕組み・大手企業ランキング・選考対策まで一挙大公開!2.【業界研究|コンサルティング】コンサルティングとは?から選考対策までを徹底解説3.【業界研究】外資コンサル大手企業一覧まとめ4.【業界研究】外資コンサルの年収ランキングを大公開!今回は過去アクセンチュアのグループディスカッションにて出題されたケース問題について説明したいと思います。今回はフェルミ推定ではなく、地方私立大学の生き残り戦略という戦略立案のケースになりますので、様々なアプローチが考えられます。今回の説明ではなるべく多くの可能性を網羅した上で、地方私立大学の生き残り戦略について説明したいと思います。1.前提条件の確認とアプローチ方法の選定【前提条件】地方私立大学の役員として、大学側の立場から改革案を立案するものとし、現行法の変更などは行わないものとします。大学の規模は1学年300人程度、ブランド力は低く、偏差値も低い地方にあるA大学を想定しています。「生き残る」とは長期的に収益を挙げ続けるものとします。こういった戦略立案を行うケース問題においてはどのような立場から考えるか、どのような状況に置かれているのかある程度、前提を固めておかないと戦略立案のベースがぶれることになります。例えば、「立場」で考えると、文部科学省の役人として、地方の生き残り戦略を考えるのと、大学の役員として戦略を考えるのではまったく別物になります。【アプローチ方法】まずは大学のビジネスモデル、ターゲット、現状など「戦略」を立案する上で重要な現状分析を行いたいと思います。その現状から地方私立大学が抱える課題を特定し、打ち手の立案を行いたいと思います。2.現状分析◆ビジネスモデルの確認前提条件で「生き残る」とは長期的に収益を挙げ続けると定義しましたが、大学のビジネスとはどのように成り立っているのかから考えましょう。大学の売上は主に、①授業料+②入学金+③受験料+④その他収入で成り立っていると考えられます。地方私立大学の場合は、おおよそ①授業料:100万円②入学金:30万円③受験料:3万円となっております。受験料で授業料と同じ程度の収益をあげるとなると、定員の33倍超の受験者を確保せねばならず、現実的な施策とは言えません。ここは正攻法に入学者を増やし、長期的に定員以上の学生を確保し、授業料で成り立つ大学を目指すべきだと言えます。◆ターゲットの確認ビジネスモデルの確認を行ったところで、大学ビジネスのターゲットについて考えます。大学のメインターゲットである大学入学を目指す高校生も含めて大学ビジネスのターゲットは以下の4つが考えられます。①大学進学を目指す学生:メインとなるターゲット②留学生:海外から日本の大学進学を目指す学生も一定数いるはず③社会人:MBAや法科大学院だけでなく、社会人入学の制度を整えている大学も多い④シニア:定年退職後のシニア層が入学するというニュースもあり、通信制などの大学制度もあり②〜④の層については、まだまだ需要の掘り起こしの余地がありそうな分野ではあるものの、ノウハウも少なく、マーケットとしても①に比べるとどうしても小さくなりがちなため、まずは①のメインとなるターゲットのアプローチ方法を考えた上で、②〜④の可能性について検討することします。◆ターゲットの競合次はメインターゲットとなる高校生の大学進学における競合について考えたいと思います。そもそも日本の大学進学率は50%程度であり、残りの50%は専門学校へ進学するか、高校を卒業して就職します。大学進学:専門学校進学:就職のそれぞれの割合は、50%:25%:25%程度であると考えられます。多くの学生が進学先や就職先を選ぶ基準としているのは、「学費などの機会費用の損失と将来得られる利益」を天秤にかけて、4年分の学費と時間を払ってでも進学する方が利益になると考えれば大学に進学し、一方で進学したとしても就職に有利になる大学に進学できないと判断した場合は、専門的な知識の習得のために専門学校に進学したり、高校卒業時点で就職するという選択をするものと考えられます。不況期に突入し、今後も日本経済が明るく兆しが見えない中では、子供のためのモラトリアムとして大学生勝つを遅らせる余裕がどんどんなくなることが予想され、この傾向は年をおうごとに強くなることが考えられます。現在の地方私立大学は、ブランド力も低く、進学後の就職実績も低く、さらに地方にあるということから学生が中々集まらずに経営が苦しいというのが現状です。逆に考えれば、就職に有利になる教育内容、大学制度を整えることができれば、従来はターゲットではなかった専門学校や就職する層に対してもアプローチが可能になります。この層に対して施策を考えることも重要になります。◆ターゲットはなぜ大学に進学するのか次に、大学進学を考える学生がなぜ大学に進学するのか、その目的を明らかにした後に、大学間の競争について考えたいと思います。受験生の大学進学の目的は、①大学教育、学歴を得ることによるよりよい雇用機会の獲得(医学部、薬学部など卒業することで資格がもらえる大学も含めて考えます)、②将来研究者になるための研究機会の獲得、③将来を考えるためのモラトリアム・社会勉強の三つがメインとして考えられます。中でも②はほとんどの場合が理系であり、元々研究者を目指す学生はかなり少数であること、また③のモラトリアム・社会勉強としての進学は社会情勢も考えると今後どんどん減少していくことが考えられます。よって、①のよりよい雇用機会の獲得に集中して、顧客のニーズを満たすことが、大学進学を考えていない層も含めてアプローチする上で非常に重要なことになると考えられます。◆大学間競争どの大学に進学するかの要因は様々なものが考えられますが、メインとなるのは、①学費(国立・公立or私立)、②立地(地元or都市or地方)、③偏差値(高or低)の三つが考えられます。それぞれの大学がどのようなニーズを満たしているかを表にまとめてみたのが下記の表になります。各大学の特徴より、黄色く色づけした大学がメインの競合になると考えられます。上記の通り、メインの競合以上に、「よりよい雇用機会を提供し」、「かつ入学しやすい制度を整備」することで、大学間競争に勝てるものと考えられます。3.課題の特定最も大きな課題は、メインターゲットの「より良い雇用機会を得たい」というニーズを満たす教育を提供できていないことにあると考えられます。もしこのニーズを満たす大学教育及び制度を整えることができれば、従来は専門学校や就職を選択していた層に対してもアプローチをすることが可能になります。またニーズを満たした上で、受験・入学がしやすい制度を整えることも重要になるでしょう。地方という土地柄、全国何処でも受験できる制度や入学金・受験料、学費の減額は考慮すべき事項だと考えられます。4.打ち手の立案◆就職実績を上げる3で述べた課題を解決する上では、「就職実績を上げる」ということが考えられます。就職実績を上げるための施策も、①キャリア支援と②学生の質を高める教育の提供の二つが考えられます。①のキャリア支援では、キャリアセンターなどの充実以外にも、地元企業とのコネクションを作り、寄付口座の開講やインターンシップの充実、企業説明会の誘致などが考えられます。②の学生の質を高める教育という点では、語学やプログラミングなどビジネスで必要となる知識を提供するなどが考えられます。◆受験・入学しやすい制度の整備次に地方にあるということも考え、メインとなるターゲットが受験しやすい環境を整えることは重要になります。特に、メインの競合となるであろう地元の私立大学、地元以外の地方の私立大学、都市部の私立大学から、学生を獲得する上では上記の「就職実績」というニーズを満たすものと同時に、受験・入学のしやすさという制度を整えることが重要になります。入試制度を4Pで分析すると、下記のように考えられます。①Product:教育内容=上記の通り、「ビジネスに役立つ知識の提供」をメインとする②Price:学費、受験料、入学金についてはトータルで増加するのであれば減額を考えてもよい③Promotion:多くの学生に認知してもらうためにも大規模なマーケティングキャンペーンが実施できるとよい④Place:センター利用入試など、全国各地で受験できる仕組みは必須といえる◆打ち手の確定「日本発のビジネス専門学部」を開設し、就職実績の高い地方私立大学としてのブランドを確立します。優秀な学生を集めるためにも、初期はプレスリリースを中心としたマーケティングを実施し、尚かつ受験しやすいように受験料、学費、入学金をできるだけ安くし、学生を集めます。教育内容としても、一年間の留学経験、プログラミング言語の必修化など、今後のビジネス社会において役に立つ知識を詰め込む教育に特化した学部として知名度を高める戦略を取ります。5.検証実際に特色ある地方大学として近年注目を集めているのが、秋田国際教養大学です。秋田国際教養大学では、一年間の留学が必須であり、授業も英語で行われるなど、国際化の流れを意識した教育プログラムとなっています。また過去には金沢工業大学がキャリア教育が充実している大学第一位として取り上げられ、就職の強い大学としてブランドを築きつつあります。一方で、最近でも取り上げられたように、地方私立大学が留学生をやたらと入学させて、不法就労の温床となってしまっているのではという指摘があります。地方大学としては入学してもらえれば、入学金も学費ももらえるため、実際に大学に来なくても問題がないと考えてしまい、留学生としても日本の大学から入学許可が出ればvisaも取得できるため、日本に居住しやすくなります。双方の思惑が一致した結果、大学生のほとんどが海外からの留学生で、その留学生もサテライトで授業をするなど、実際に登校している実態がないような大学も多数生まれてきてしまっています。また法科大学院については学生の質が問題視されています。入学水準に満たないような学生を入学させることで学費を稼いでいるのではないかという疑念がもたれています。いくつかの法科大学院においては合格者が極端に少なく、法科大学院としての体裁が保てていないのが現状のようです。少子高齢化、人口減少社会を迎えた日本が今後も発展し続けることができるかどうかの一つの鍵に、「教育」は間違いなく関わってきます。東京大学が秋入学を本格的に検討を始めるなど、今回考えた地方私立大学だけでなく、全ての大学において大学教育を見直す時期に来ています。是非皆さんも自分自身の問題として考えてみて下さい。【ケース問題を解く上で必読の3冊】東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート――「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!過去問で鍛える地頭力外資系コンサルの面接試験問題【余裕があったら読んでおきたい+2冊】戦略コンサルティング・ファームの面接試験―難関突破のための傾向と対策ビル・ゲイツの面接試験―富士山をどう動かしますか?photobyKārlisDambrāns外資コンサル業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】外資コンサルの仕組み・大手企業ランキング・選考対策まで一挙大公開!2.【業界研究|コンサルティング】コンサルティングとは?から選考対策までを徹底解説3.【業界研究】外資コンサル大手企業一覧まとめ4.【業界研究】外資コンサルの年収ランキングを大公開! 44,644 views
就活生が話しがちな志望動機「グローバルに働きたい」の3つの分類 就活生が話しがちな志望動機「グローバルに働きたい」の3つの分類 自分自身の海外生活経験や留学経験などから「グローバルに働きたい」という企業選びの軸を持つ学生は少なくありません。一方で、「グローバルに働く」ということについて、しっかりと定義まで考えている学生は少なく、何となくグローバルという言葉はかっこいいぐらいに使っているのではないかと思うことも多くあります。今回は実際の企業の仕事内容から、「グローバルな働き方」の3つの分類についてご紹介します。働き方その1:駐在がメインのグローバルな働き方総合商社は特に海外駐在が多いのですが、その他金融機関やメーカーにおいても海外駐在員としてグローバルに働くというのはイメージしやすいかもしれません。数年単位で、現地に駐在し、親会社の現地法人で働くというのが一般的なケースです。非常にグローバルな印象を受けますが、総合商社の人に話を聞くと、現地法人で経理の仕事などやっていると結局、日本人同士で仕事をすることが多く、働いている場所はグローバルだけど実際の働き方は果たして本当の意味でグローバルなんだろうかと思っている人もいるようです。また駐在の場合はどの国・地域に駐在するかで大きくライフスタイルが変わります。ロンドン・ニューヨークの英語圏大都市での駐在ならいいけど、ブラジルの奥地で投資先のメーカー工場に駐在するケースや、アフリカでシラミが大量に出るベッドで暮らさざるを得ない場所に駐在するケースなども存在します。総合商社であれば赴任する地域は配属によって選べない部分もあるので、運命に身を任さざるを得ないことも少なくないでしょう。働き方その2:頻繁な海外出張によるグローバルな働き方拠点は日本に置きながらも頻繁に海外出張を行ったり、時には数週間滞在して取引先と交渉を行うという出張をベースにした働き方もグローバルな働き方の一つです。総合商社や海外から資材を調達しているメーカー、販売先が海外のメーカーである素材メーカーなどはこういった頻繁な海外出張によるグローバルな働き方をしているように思います。あくまで拠点が日本であるため、生活基盤は安定させながらグローバルに各国の人々と関わることのできる働き方で、赴任先により生活スタイルが大きく変わる「駐在」よりはリスクが少ない働き方と言えます。一方で部署によっては、取引先が韓国だけだから、中国だけだからと一つの国に頻繁に出張するというスタイルもありえます。その場合は「世界を股にかけて」というイメージとは少し遠くなるかもしれません。働き方その3:チームメンバーが多国籍なグローバルな働き方最後に外資系企業に多い働き方の一つで、チームメンバーが多国籍であるという働き方があります。日系企業の多くは日本人とだけ働くことが多く、日本語で仕事をすることが多いのですが、チームメンバーが多国籍の場合は共通言語として英語を使うことが多くなります。この多国籍なチームで働くというのをイメージして総合商社に入社したけど意外と日本人だけで日本語で仕事している時間も多いと感じる人は少なくありません。一方で、チームメンバーが多国籍な企業の場合は英語でしか仕事をしないということもあり、選考の段階から高い英語力を求めることも少なくありません。例えば、世界的なタバコメーカーのフィリップモリスジャパンの選考は全て英語で行われます。参考:フィリップモリスジャパンの採用直結インターン「INKOMPASS」を徹底解説また元マッキンゼーの採用担当である伊賀泰代氏はその著書「採用基準」において、英語力が重要な採用基準の一つであると話をしています。採用基準もちろんP&Gのように入社時にはそこまで英語力は問わないものの、グローバルなチームで働くメンバーとしてふさわしいように、内定後からみっちりと英語のトレーニングがある企業もあります。このあたりは企業説明会などで質問しながら自分が受ける企業が採用時点から英語力を求めるのか、入社後に伸びればいいのか、聞いてみるのが良いかもしれません。最後に「グローバルに働きたい」といっても、駐在なのか、出張なのか、チームが多国籍なのかで3つに分けることができ、更に先進国なのか途上国なのかなどどこで働きたいのかという地域で区切ることで、その働き方は様々だということがわかります。「グローバルに働きたい」というのが就職活動生の間でマジックワードになっているからこそ、自分なりに定義して、その定義がどのように志望している企業に当てはまるのか理路整然と話すことができると評価されるでしょう。photobyLukePrice 36,546 views
10年間で海外売上高比率を54%まで高めた電通のM&A戦略 10年間で海外売上高比率を54%まで高めた電通のM&A戦略 2015年度12月期の電通グループの売上総利益は約7,619億円、海外売上総利益は4,140億円の54.3%と国内事業の売上高よりも大きくなっています。2006年度は海外事業の売上総利益は10%にも満たなかった中で、10年間で国内事業を抜くほどの規模にまで成長させています。この成長を牽引したのが、積極的なクロスボーダーM&Aです。今回は海外売上高比率を半分以上までに高めた電通のM&Aの歴史について見ていきます。参考:電通と博報堂とADKの事業・社風・選考比較【unistyle業界研究】海外展開戦略を打ち出した2008年3月期の経営計画電通は2007年度に発表した「今後の経営方針について」において、明確に海外展開する方針を発表しています。この年の海外事業の売上合計が全体に占める9.5%に過ぎないのですが、ここから2015年度には半分以上までに海外売上高比率が高まります。参考:電通2007年度今後の経営方針について一方で日本テレビはこの時期はまだ海外進出を明確にはしてはおらず、国内の体制強化がメインの経営課題であると認識していることが伺えます。参考:日本テレビ2007-2009年中期経営計画日本テレビもその後、国内市場の縮小という現実に目を向け、2012年には海外ビジネス推進室を設置し、海外での事業収入増加を明確に目指すことを決定していますが、2015年度の決算においてはまだ海外事業収入は全体の0.6%に過ぎません。参考:日本テレビの決算内容に見るテレビ局の海外戦略今後、積極的なM&Aや海外事業展開をすることで電通のように売上高の半分以上を占めるようになるかが注目されます。電通のクロスボーダーM&Aの主要案件前述の通り、電通は海外企業を買収することで海外売上高を高めてきました。ここでは、電通のニュースリリースより、海外M&A案件をご紹介したいと思います。かなり多くなってしまいますが参考にしてください。2007年10月:電通ホールディングスUSAによる米国アティック社及び英国アティック社の買収について2008年11月:電通ホールディングスUSAによるマックギャリー・ボウエン社(米国)の買収について2010年1月:中国最大の販促ネットワークを持つ「サントレンドグループ」と資本・業務提携に関する基本合意書を締結2010年1月:InnovationInteractive社(米国)の買収について2011年1月:インドにおける合弁主要3社の100%子会社化について2011年2月:米国ファーストボーン・マルチメディア社の買収について2011年6月:英国独立系デジタル・マーケティング・エージェンシー「ステーキ・グループ社」の買収について2012年1月:米国独立系広告代理店「MLロジャース社」の買収について2012年1月:ブラジルの独立系デジタルエージェンシー「ラブ社」の買収について2012年6月:カナダの広告会社「ボス社」買収と電通カナダとの統合について2012年8月:インドのクリエーティブ・エージェンシー「タプルート社」の株式51%取得で合意2013年1月:電通、米国の独立系PR会社「ミッチェル・コミュニケーション・グループ」を買収2013年3月:英国イージス社の買収完了と電通グループの新しい事業統括体制について2013年4月:イージス・メディアが中国のデジタルメディア・エージェンシー「北京創世奇迹广告」の株式100%取得で合意2013年4月:タイのブランド・コンサルティング会社「ブランドスケープ社」を買収2013年5月:カナダのデジタルエージェンシー「エヌ・ヴィ・アイ社」を買収2013年5月:ベルギーのブランドプロモーション会社「ニューワールド社」を買収2013年5月:ルーマニアのデジタルエージェンシー「キネクト社」を買収2013年5月:オランダのソーシャルメディア・エージェンシー「ソーシャル・エンバシー社」を買収2013年5月:インドの「ウェブチャットニー・スタジオ社」の株式80%取得で合意2013年7月:イタリアのデジタル・エージェンシー「シンプル・エージェンシー社」の株式70%を取得2013年9月:スペインの広告代理店「ワイメディア社」の株式51%とデジタルエージェンシー「ウインク社」の株式31.8%を同時に取得2013年9月:中国のデジタル・クリエーティブ・エージェンシー「トリオ社」を100%買収2013年10月:ロシアのデジタル・エージェンシー「トラフィック社」を100%買収予定2014年1月:オーストラリアの広告会社グループ「オッドフェローズ・ホールディングス」の株式51%を取得2014年1月:ポーランドのソーシャルメディア・エージェンシー「ソーシャライザー社」の株式100%を取得予定2014年2月:中国のソーシャル・クリエーティブ・エージェンシー「ベラウォム社」の株式100%取得で合意2014年2月:ドイツのデジタルマーケティング・エージェンシー「エクスプリード社」の株式100%取得2014年3月:フランスのモバイルエージェンシー「レ・モビリザーズ社」の株式100%取得で合意2014年5月:ブラジルの独立系最大規模の総合広告会社「NBS」の株式70%取得で合意2014年5月:カザフスタンの広告会社グループ「フィフティー・フォー・メディア社」の株式51%を取得で合意2014年5月:米国の総合マーケティング会社「MKTG社」の買収手続き開始の合意について2014年7月:インド最大のOOH専門の広告会社「マイルストーン社」の株式51%取得で合意2014年8月:南アフリカの広告会社「クリムゾン・ルーム社」の株式60%取得で合意2014年9月:米国の総合デジタルエージェンシー「コバリオ社」のエージェンシー部門買収で合意2014年11月:英国のモバイル・エージェンシー「フェッチ社」の株式80%取得で合意2014年12月:英国のソーシャルメディア・マネジメント・エージェンシー「テンペロ社」の株式100%取得で合意2014年12月:ブラジルのOOH専門の広告会社「OOHプラス社」の株式100%取得で合意2014年12月:米国のデジタル・マーケティング・エージェンシー「ロケット・インタラクティブ社」の株式100%取得で合意2014年12月:カナダのデジタルエージェンシー「スポーク社」の株式100%取得で合意2015年1月:インドの総合デジタルエージェンシー「WATコンサルト社」の株式100%取得で合意2015年2月:オーストラリアのクリエーティブ・エージェンシー「BWM社」の株式51%取得で合意2015年2月:オーストラリアのデジタル・クリエーティブ・エージェンシー「ソープ社」の株式51%取得で合意2015年3月:ベトナムの総合デジタルエージェンシー「エメラルド社」の株式40%取得で合意2015年3月:ギリシャのデジタルエージェンシー「マインドワークス社」の株式80%取得で合意2015年4月:ニューロサイエンス領域に強みを持つ米国のマーケットリサーチ会社「フォーブス・コンサルティング社」の株式100%取得で合意2015年4月:イスラエルのデジタルエージェンシー「アバガダ・インターネット社」の株式100%取得で合意2015年5月:米国のスポーツエージェンシー「アスリーツ・ファースト社」の持分33.3%取得で合意2015年5月:英国のコンテンツマーケティング会社「ジョン・ブラウン・メディア社」の株式85%取得で合意2015年6月:ポーランド「マーケティング・ウィザーズ社」の株式100%取得で合意2015年6月:タイのデジタルエージェンシー「フレックスメディア社」の株式51%取得で合意2015年6月:英国のEコマース専門エージェンシー「eコメラ社」の株式100%取得で合意2015年7月:シンガポールのクリエーティブエージェンシー「マンガム・ギャクシオーラ社」の株式20%を取得注目すべきは2013年に英国イージス社を買収したことです。これはM&Aの金額も4000億円と巨大で、更に本買収完了後に電通の海外M&Aは加速していきます。それまでは年間数件のM&Aだったものが、イージス社買収後には年間10件以上コンスタントに買収を行っています。それほど大きな意味を持つ買収だったことが伺えます。イージス買収後の、電通の海外事業売上高比率は下記のように推移しています。単位:百万円2013年度2014年度2015年度成長率売上高594,072676,925761,996128.27%内、国内売上高(311,416)(333,995)(348,252)111.83%内、海外売上高(282,857)(343,232)(414,066)146.39%海外売上高比率47.61%50.70%54.34%※電通IR資料より、unistyleが独自に作成海外売上高比率が2015年度には54%に達し、全体の売上高の成長も海外事業が牽引していることが見て取れます。ここまで見ると電通はM&A戦略により、見事グローバル企業の仲間入りをしていると言うことができそうです。積極的なM&Aに対する懸念の声一方で電通の積極的なクロスボーダーM&Aに懸念の声を上げる人もいます。日本企業に関わる国際間取引に詳しい弁護士のスティーブン氏は下記の記事にて電通のM&Aに対して3つの疑問を呈しています。①日本企業と海外企業が合併しただけでは、海外の競合と対等に戦えない②日本企業の海外企業に対する経営力の低さ、シナジーが疑わしい③買収金額が高すぎる参考:電通の英国企業買収に3つの疑問:日本企業の海外M&Aの陥穽海外企業を買収して利益を取り込むだけでは、確かに多額の借金をしてまで買収した意味はないといえます。総合商社においても海外企業を買収したものの、シナジー効果が薄いために苦しむという例は少なくありません。中国のCITICグループに多額の投資を行った伊藤忠商事も今後、シナジー効果創出を求められることになるでしょう。参考:伊藤忠、まだ見えぬ「相乗効果」CITICとの協業急ぐまた売上高は海外事業が牽引しているものの、営業利益率は低く、国内事業の営業利益の方が大きい構図となっています。これは海外展開を積極的に進めているNTTデータも同じ構図に陥っており、海外事業の営業利益率の低さは今後改善する必要があるでしょう。単位:百万円売上営業利益営業利益率売上高761,996160,43821.05%内、国内売上高(348,252)(90,403)25.96%内、海外売上高(414,066)(70,156)16.94%参考:野村総研・NTTデータの比較に見るSIer業界、利益率の野村総研・グローバル案件のNTTデータ【unistyle業界分析】最後にテレビ局に比べると早い段階で海外事業展開を打ち出した広告代理店の電通は既に売上規模で見るとグローバル化を果たしているといえます。一方で2013年に4000億円で買収したイージス社とのシナジー効果を生み出すのは今後の課題であり、総合商社のように海外M&Aをうまく用いて成長することができるかについては、まだまだ注視が必要といえます。ここまで電通の海外展開について見てきましたが、このようにドメスティックな日本企業も大きく変わろうとしているのが2016年現在といえます。ぜひこういった業界や企業の背景も少し考えた上で、志望する業界について考えてもらえればと思います。photobyKevinDooley 21,395 views

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