東京海上日動火災保険のインターン面接は最高の自己分析ツール

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最終更新日:2024年04月22日

東京海上日動火災保険のインターン面接は最高の自己分析ツール

16卒就活生です。

今回は夏インターンついての記事です。

外資系の企業を筆頭に通過難易度の高い企業がひしめいていますが、今回はその中から筆者が実際に体験して、落選はしたものの、その後のインターン面接や本選考で良い結果を出す糧となり、ぜひみなさんに自己分析ツールの一つとして強くオススメしたい東京海上日動火災保険のインターン面接に関して書かせてもらいます。

本選考とインターンの締め切り情報

東京海上日動火災保険のインターン実施時期

夏、冬、春と3回チャンスがあります。

ただ例年の傾向でいうと、夏と冬のインターンは5日間、春のインターンは2日間となっていますので、ぜひ夏からチャレンジして欲しいと考えています。

東京海上日動火災保険のインターン選考フロー

(1)書類選考

まずはエントリーシートです。学生時代の取り組みに関して200字程度で簡単に訊かれます。結論ファーストで読み手が最後まで目を通すような書き方をしましょう。

(2)1次面接

研修会館にて簡単な説明会とグループワークが行われます。しかしこのグループワークに関しては社員はほとんど見ていない為、ほぼ選考には関係ないと考えて良いでしょう。

グループワーク後は別室にてグループ面接に移ります。非常にフランクな雰囲気で行われますが、面接を初めて受ける学生が多いので学生側は非常に緊張しています。仏像のような学生もいます。

こちらのコラムで紹介されているようなミステリアス就活生もいるので注意してください。

グループ面接は6人〜8人で五十音順に1人5分という時間を与えられて一人ずつ進みます。

ここで訊かれるのは「学生時代頑張ったことに関して」です。ここではコミュニケーションがしっかりとれているか、質問に対して適切かつ簡潔に答えられているかが選考の基準です。

なるべく面接官に多くの質問をしてもらうことが通過の鍵です。通過者には後日、最終面接の案内が届きます。

(3)最終面接

こちらについては次の項目で詳しくお伝えします。

東京海上日動火災保険の最終面接で問われること

学生一人に対して面接官一人か二人で行われます。時間は30分程度です。

この面接は特徴的で、就活生がどのような人生を送ってきたかを訊かれ、それに対していかに自分を分析できているかを問うものです。ちなみに志望動機と金融に関する知識は一切問われません。

以下質問例です。

質問例

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最後に

筆者は冬のインターン面接で落ちましたが、そこでの教訓を糧にその後の他社のインターン選考および本選考で面接官が何を求めているのかがわかり、自己分析にも活かすことができました。

インターン自体も参加すると本選考での1次面接が免除されたり、人事に顔を覚えられたりと良いことづくめなので、就活生にはオススメのインターンです。

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業方針と今後の取組み、サービスに関する記者発表会を開催参考:学生にとって志望動機を考える意義とは→上記で述べたようなOB訪問も志望動機を考えるプロセスも、自分のやりたいことを見つけていくために重要な行為です。参考記事では、志望動機を企業が問う意図や考えていく意義についてまとめていますので、入社後やりたいことに従事するためにも目を通してみることをおすすめします。より詳細な「NTTコムウェアの企業研究」に関しては、こちらをご覧ください。NTTファシリティーズ:事業理解が重要な何でも屋訪問人数:1名恐らく主要8社の中でも事業内容が理解しにくい企業であろうNTTファシリティーズ。NTTグループにおける主要産業である通信サービスの実現のためには、電力と建築が不可欠になっています。それを支えるのがNTTファシリティーズであり、エネルギー×建築という点からグループに貢献している企業となっています。新卒11年目の男性社員に話を聞いてみました。キャリア新卒でNTTファシリティーズに入社。大学では建築系を専攻しており、研究内容が活かせる企業を中心に就職活動を進めていた。複数の部署異動を経て現在は設備マネジメントに関する仕事に取り組んでいる。この方は当初大学で学んだ建築分野の知識から、ディベロッパーと建築会社を中心に見ていたということでしたが、もっと広く企業を見るべきだったと述べていました。ひとくちに不動産業界といっても、以下の記事にあるようにそこには数多くのプレーヤーが関わっており、就職活動においてもっと早くからそれに気づくべきであったとのことでした。「うちはまさにそれを表したような企業だね。よく学生から事業内容について聞かれるけど、うちのやっていることは一言では表わすことはできない。電力会社・エネルギー会社・建築会社...、どれを取っても正しいと言えると思う。だからこそ、『絶対にこの仕事をやりたい』ではなく、色々見た結果うちを選んでくれた方がいいと思うよ。」という言葉が印象的でした。通信は「人と人をつなぐ」といったように興味が沸きそうな事業と言えるでしょうが、設備設計など裏方となる事業があって始めてそのビジネスが実現するのであり、その存在を認識したうえで企業を見ていくことが大切なのだと実感することができました。より詳細な「NTTファシリティーズの企業研究」に関しては、こちらをご覧ください。NTTファイナンス:主要8社ではないながらも近年グループでの存在感を増す最後に主要8社からは外れますがNTTファイナンスについて取り上げたいと思います。もともとはグループ内のリースビジネスを担う企業として誕生した同社ですが、ビリングサービスの開始以降、近年グループ内での役割が大きくなっている企業となっています。このことはNTTファイナンスの社員だけでなく、グループ他社の方の多くも同社の役割の拡大について言及されていました。例えばNTTドコモの携帯電話を使っていれば、料金明細の送付元がドコモではなくNTTファイナンスとなっていることに気づいたという方もいるのではないでしょうか。訪問人数:4名入社X年目(非公表)の男性社員に話を聞いてみました。キャリア新卒ではNTTコムウェアに入社、同社ではNTT東日本を顧客として営業担当として案件に携わっており、保守運用フェーズに異動したのちNTTファイナンスに出向。現在ではビリング事業部でグループの決済を一括化する事業に携わる。この方には事前にNTTコムウェアとNTTファイナンス両方のお話を伺うことを了承されてから対面しました。SIerから金融という分野が異なる企業への出向について何か障壁は無かったかについて尋ねたところ、真っ先に「ない」という回答が帰ってきました。その理由として「1.金融とITは今や切っても切り離せない関係にあること」「2.グループ内の異動のためそこまで移ったという感覚がないこと」の2点を挙げられていました。前者については、銀行のATMやクレジットカードの決済システム等はまさに金融の分野にITが携わっている例であり、IT企業で学んだスキルを活かせることは容易に想像できるでしょう。個人的には後者の理由の方が印象的でした。この方曰く、グループへの貢献の仕方が変わっただけであり、他へ移ったとしても自分がNTTグループの一員であることには変わりなく、逆に違った角度からNTTに携わることができて働くうえでもプラスになったとのことでした。私は出向についてなんとなくでマイナスイメージに考えていたため、それを見直すうえでもこの方のお話は大変参考になりました。より詳細な「NTTファイナンスの企業研究」に関しては、こちらをご覧ください。グループ他社の企業の社員へOB訪問する意義ここまでは、NTTグループの各企業へOB訪問したその内容について触れていきましたが、ではそもそもグループ内の他社にOB訪問をする意義とはどこにあるのでしょうか?例えば通信キャリア業界を志望しNTTドコモの選考を受けるのであれば、KDDIやソフトバンクの企業研究をするために、同業他社へOB訪問をするということはあるでしょう。しかし、例えば自分は金融志望だからNTTグループではNTTファイナンスしか受けないという姿勢はもったいない行為であり、一見興味がない場合でもグループ他社の社員にOB訪問してみることは有効であると考えています。実際に、NTTグループ内の他者にOB訪問するメリット(理由)としては、以下の4点が挙げられます。次のOBへ繋がりやすく効率性が高いグループ内での同業比較ができる志望動機に深みが出る(個企業をグループ全体の一員として捉えられる)自分が何を求めているのかわかる(グループの共通項が理解できる)理由1:次のOBへ繋がりやすく効率性が高いOB訪問をするうえで「そもそもどうOBを探すのか」という段階を障壁に感じてしまっているという方もいるのではないでしょうか。確かに1人目については徹底解説!OB訪問のやり方・流れ・メリットに掲載されているような方法も参考に探していく必要があるでしょうが、同じ企業に複数名OB訪問する場合は前の社員に次の社員を紹介してもらう形で繋げることができます。グループ企業であれば仕事上で関わる機会が多いため、これと近い形でOBの連鎖を作りやすいと言えるでしょう。また、先述の社員のように出向されている場合は複数のグループ企業の話を同時に聞くことができるというメリットがあります(もちろん以前の所属企業について尋ねることに失礼がないか確認することが前提ですが)。これは、例えばNTTドコモの社員からソフトバンクの社員の紹介をいただくといった同業で繋がりを作ろことよりも実現可能性が高く、OBを「見つける」という無駄な時間を削減できることから効率性が高い選択であるとまとめることができます。理由2:グループ内での同業比較ができるグループ内の企業では似たような事業を行っていることが多く、両者へOB訪問することは「なぜその企業でなければダメなのか」に説得力を持たせるうえで有効的であると言えます。NTTグループでは今回挙げたようにNTTデータとNTTコムウェアが同じSIer企業として存在していますが、例えば他にもMUFGグループで考えると三菱UFJリースと三菱オートリースなどが同業他社として挙げられるでしょう。グループと関係ない企業での同業比較でも同じように、ビジネスモデルが類似した企業での差別化にOB訪問はかなり有効な手段であると考えます。単なる世間の人気度から優劣として判断するのではなく、実際に働く社員の声を聞いてから判断することは自身のキャリアを考えるうえで大切であると言えます。参考:「同業の中でもなぜうちの会社か?」という質問に驚くほど簡単に答える三つのアプローチ→OB訪問で出会った人を理由に同業他社比較をすることは志望動機作成の上でも非常に有効です。参考記事では、実際の内定者の回答例を用いながら同業他社比較の方法について紹介していますので参考にしてみてください。理由3:志望動機に深みが出る(個企業をグループ全体の一員として捉えられる)個人的にはこれが一番重要ではないのかと考えています。グループ企業では採用活動の場においても、人事が「グループの強み」を前面に打ち出すことが多い印象があります。<みずほ>は社会的使命を果たすため、銀行・信託・証券、アセットマネジメント会社、シンクタンクなどのあらゆるグループの機能が一体となって総力を発揮し、お客さまのあらゆるニーズに最大限応えていくOneMIZUHO戦略を推進。さらに”お客さま第一”を徹底し、「総合金融コンサルティンググループ」へと進化するため、顧客セグメント別カンパニー制を導入し、最高の金融サービスを迅速に提供できる体制へと進化している。参考:みずほフィナンシャルグループ新卒採用情報サイト上記はみずほフィナンシャルグループの新卒採用サイトの冒頭文ですが、金融という商材においてグループの連携を活かしてお客のニーズに応えた柔軟な対応ができることを強みとして示しているようです。一般に、会社をグループ化するメリットには、拡大に伴うリスク回避・経営スピードの向上など複数ありますが、各事業の強みを活かした幅広い提案ができることは一つの魅力でしょう。特にグループに同業他社がある場合は業績を取り合っているのではと考えてしまうこともあるかもしれませんが、NTTファイナンスの社員が述べていたように、社員の多くは自分がグループ内の一員であることを自覚し、自分や自分の所属する企業がグループ全体に対してどのように貢献しているのかを念頭に置いているケースは多いと考えられます。グループ内の複数の企業にOB訪問することは、各企業のグループでの位置づけや役割を理解することに繋がり、広い視野で見た深みのある志望動機を構築することができるのではないでしょうか。以下のみずほ証券のESのように「グループ企業であること」を同業比較の理由付けとして挙げる場合でも、グループで「その企業しか知らない」という状況よりも、「他の企業の社員にもOB訪問した結果御社を志望している」と述べる方が格段に説得力が高まると言えるでしょう。また、各企業をフラットに比較することができるため、変に媚びを売ることなく企業選びの軸に基づいた評価される志望動機を述べることにも繋がります。この点からも、「興味がないからグループではこの企業しか見ない」という姿勢はやや危険なものであると考えることができます。私は人や企業を支えることによって社会を豊かにできるような仕事をしたいと思っております。そこで私は証券業務を通じてお客様の資産運用の提案・営業をし、お客様の人生に関わり喜びを分かち合えるような仕事がしたいと思いました。貴社は「OneMIZUHO」のスローガンを掲げていらっしゃる銀行・証券・信託が一体となったグループの総合証券会社でいらっしゃいます。私はそのグループ間の連携を活かし、他の証券会社にはできない多方面からの提案でお客様の期待・ニーズを越えるサービスの提供をしたいと思いました。そのため貴社を志望させていただきました。参考:エントリーシート(総合職)参考:媚を売るのは辞めよう!「御社じゃなくてもいいんです」というのが最高の志望動機→上記のようなOB訪問などで企業比較を行えていない学生は第一志望企業に媚を売ったような志望動機を作成しがちな傾向があります。しかし、この志望動機はほとんど評価されません。参考記事では、評価されない志望動機例や、「ウチが第一志望?」と聞かれた際の答え方などをまとめています。理由4:自分が何を求めているのかわかる(グループの共通項が理解できる)こちらはNTTグループの場合でやや個人的な感想に近いものになってしまいますが、グループ内での複数のOB訪問は、「自分が企業に何を求めているか」を考えるきっかけになるのではないかと考えています。もちろんこれはグループ内でなくてもOB訪問の企業数を重ねることで得られていくものではありますが、グループ企業ではある程度共通した社風や理念を持っているケースが多く、それを自分がどう解釈するかは考えるべきことであると言えます。例えば、世間の多くでは「NTTはホワイトだ」という認識が広まっていますが、一口に「ホワイト」といっても(ある程度世間的な共通認識があるにせよ)その定義は個人によって異なり、グループ内でも「ホワイトさ」が異なっていると私は感じました。複数のグループ企業を比較していく中で、自分の考える「ホワイト企業」とは何か、企業から「与えられる」もの以外の内容も含めて明確化していくことに繋がりました。ちなみに三菱と名のつく企業へ数多くのOB訪問を重ねた友人は「組織の三菱」という言葉について、「組織」という言葉の考え方が各企業の社員ごとに大きく異なり、それを比較することで自分なりの定義が浮かび上がってきたと述べていました。すなわち、企業選びの軸に沿って業界や企業を絞っていくだけでなく、逆に複数の企業を見ることが自分の企業選びの見直すきっかけとなると言えるのではないでしょうか。このことは、先述した志望動機の構築にも役立てることができると言えるでしょう。最後に今や世間では業界本やネット上の掲示板などで就職活動に関する情報がありふれていますが、そんな時代だからこそOB訪問を通してリアルな声を集めていくことが他の就活生との差別化に繋がるのではないかと考えています。今回はNTTグループについて扱いましたが、他のグループ企業でも今回の考え方は応用が利くものであると思っています。興味がないのであれば、実際に社員に話を聞いてから選考への参加を取り下げればいいのであり、何も行動せずに切り捨ててしまうのは良い判断とは言えないでしょう。この件も含め、本記事がグループ企業志望の方を始め一人でも多くの就活生の参考となれば幸いです。最後に、"NTTグループに関するunistyleの記事・NTTグループ各社の企業研究ページ"を掲載しておきますので、こちらも併せてご覧ください。NTTグループの関連記事各社の企業研究ページNTT東日本の企業研究ページはこちらNTTデータの企業研究ページはこちらNTTコミュニケーションズの企業研究ページはこちらNTTドコモの企業研究ページはこちらNTTコムウェアの企業研究ページはこちらNTT西日本の企業研究ページはこちらNTT都市開発の企業研究ページはこちらNTTファシリティーズの企業研究ページはこちら 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日系大企業かベンチャーかは内定してから考えよう 日系大企業かベンチャーかは内定してから考えよう 就職活動を始めると日系大企業かベンチャーかというのはよく話題にあがります。それぞれのメリット、デメリットについてはだいぶ議論されてきたように思います。日系大企業を中心に受けるか、ベンチャー企業を中心に受けるか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。一方で日系大企業もベンチャー企業も両方内定してから選んだ方がよいという話はあまりされないように感じるので、今回は両方内定してから生き方を選ぶ利点について説明したいと思います。選考時期が大きく異なる日系大企業とベンチャー企業日系大企業の選考時期とベンチャー企業の選考時期は大きくずれており、ある程度早めに就職活動を始めていれば併願するのはそこまで難しくありません。経団連に所属している日系大企業であれば、就職活動解禁日以後に始まると考えて問題ありません。一方でベンチャー企業は早い企業は夏のインターンシップで選抜を行い、夏のインターンシップ終了後に内定を出すケースや、通年採用で採用期間中には都度、面接を行い、優秀な人材であれば随時内定を出します。内定出すことをウリに夏のインターンシップに学生を集めるベンチャー企業も多くあります。時期がずれているため、夏から余裕を持って就職活動を始めれば両方の選考を受けることは難しくないでしょう。「第一志望だ」と言わなくても内定は出るそうはいっても、とにかく様々な企業を受けることを勧めると、「業界研究が大変になるから受ける業界を絞りたい」という学生が多くいますが、業界研究はそこまで必要ないケースが少なくありません。多くの学生は、「説明会に参加する→業界研究をして志望度を高める→面接では志望度の高さを伝える」というフローが重要だと考えているようですが、自己PRや学生時代の経験から優秀そうであること、企業選びの軸やキャリアの考え方を聞いて自社とマッチしていると感じれば、業界知識がなくても内定を出すケースは少なくありません。特にベンチャー企業であれば自社に対する理解は選考を通して深めてもらえればよいと考えている会社も多く、そうした企業では選考過程に説明会や職場見学、社員紹介など自社の理解を深める選考内容になっています。またベンチャー企業の採用担当は、日系大企業に行きたい学生の気持ちも理解しており、「第一志望だ」と言わずとも内定を出すことも少なくありません。優秀な学生に対して内定を出しながら自社の魅力を伝えて囲い込む戦略で採用活動をしている会社も多いのが実態です。第一志望ではなくても下記の2つのコラムの通り、企業選びの軸やキャリアを選ぶ上で重要視していることを話した上で、正直に迷っていることを伝えれば十分でしょう。参考:無理矢理でも「第一志望です」と答えなければいけないのか参考:志望度低め・業界研究していない企業の面接の受け方内定先の満足度を徐々に切り上げる戦略内定先の満足度を徐々に切り上げてキャリアを考えようとして就職活動を勧める人気企業の内定者は少なくありません。下記のコラムの通り、ベンチャー企業の選考は面接の練習と割り切った上である程度満足のいく内定先をもらい、一社内定をもらったらそこよりも行きたいと思える企業を受けていくと、面接慣れもできるし、複数の内定先から選択することを続けることで自分が仕事に何を求めているのかリアルに考えることができます。参考:悩む暇があったら内定を取れ!広告代理店内定者が語る就職活動の極意その1三菱商事に内定するような学生でも面接慣れするまではかなり落ちる過去の多くの学生を見ていても、非常に優秀で三菱商事に内定するような学生でも面接に慣れるまでは思わぬ企業で落とされることがあります。面接を多くこなすうちに、自分のどんな話に相手は興味を持ってくれるのか、面接での話の間の取り方はどうすればいいのかといったことが体感的に理解できます。スペックも高く優秀だけど、受ける企業が少なく面接慣れしないままに第一志望業界を受けてしまったために落ちてしまう学生が例年多く存在します。前述の通り、早い段階から面接に慣れてさらに内定をもらっておくことでそうした事態を未然に防ぐことができます。内定がないと媚をうる面接になりがち残念ながらそもそも内定がない段階で、日系大企業かベンチャーかと選り好みをしても選べる立場ではありません。理想論的には就職活動は学生と企業のマッチングであり、どちらも選ぶ立場だと言えますが、現実的には人気企業であればあるほど多くの学生が受けてくるわけで、実際には学生は選ばれる立場に過ぎません。特に内定がない段階で第一志望の企業の面接を受けるとどうしても、「選ばれたい」という気持ちが前面に出てしまい、企業に媚を売ってしまい結果として評価されないということが往々にして起こります。参考:媚を売るのは辞めよう!「御社じゃなくてもいいんです」というのが最高の志望動機媚を売らず、自然体で面接を受けるためにも、「この会社なら入ってもいいかも」と思える企業の内定を持った上で選ぶ立場として面接を受けることをオススメします。複数内定をもらった上で主体的に選ぶことでリアルに将来を考えられる内定をもらわないうちから、この業界がいいとかあの業界がいいと考えても本当に働くことができるわけではなく憧れの域を出ないことが少なくありません。複数内定をもらった上で悩みながらどちらにするのか、特に大企業とベンチャーのようにキャリアの振り幅の大きい選択をすることで、リアルに自分が仕事に何を求めているのか、どういったキャリアを歩みたいのか考えることができます。総合商社やメガバンクなどの日系大企業の内定をもらいながらも、練習で受けていたベンチャー企業の魅力に押されて、ベンチャーに進路をとった学生も少なくありません。もちろん両方の内定をもらって悩んだ末に総合商社やメガバンクを選んだ学生もいます。重要なことは正反対の選択肢について真剣に悩むことで、自分が仕事に本当に求めていることは何か考えることです。だからこそある程度満足のできる就職先、特に正反対の選択肢になりうるベンチャーと大企業の両方の内定をもらった上で判断してほしいと思います。最後に日系大企業かベンチャーか、就職活動生の間でも議論になることは多いでしょう。議論して両方のメリット・デメリットに対する理解を深めるのはよいかとだと思いますが、それ以上に実際に選考を受けてどちらの企業からも内定をもらい、実体験として理解を深めた方がよいと思います。受ける前から必要以上に日系大企業だからこうだとか、ベンチャー企業はこうと決め付けすぎずに受けながら理解を深めるぐらいの余裕を持って就職活動をしてもらえればと思います。 20,149 views
【映画業界大手3社比較】東宝・東映・松竹の違いを解説-仕事内容や強み、年収、社風など- 【映画業界大手3社比較】東宝・東映・松竹の違いを解説-仕事内容や強み、年収、社風など- 本記事では映画業界の中でも「東宝」「東映」「松竹」の3社について比較し、各社の事業内容や強みの違い、売上高や平均年収ランキングなどを解説します。本記事の構成映画業界の現状・今後の動向​​​​​​東宝・東映・松竹の売上高・事業内容・強み比較∟東宝・東映・松竹の売上高比較∟東宝の事業内容・強み∟東映の事業内容・強み∟松竹の事業内容・強み東宝・東映・松竹の社風比較∟東宝の社風∟東映の社風∟松竹の社風東宝・東映・松竹の年収・平均年齢・勤続年数・採用人数ランキング最後に映画業界の現状・今後の動向「東宝」「東映」「松竹」の違いを比較する前に、まず映画業界全体の動向や現状について解説します。映画業界の現状ここでは映画業界の現状について解説します。映画業界はコロナウイルスの影響を大きく受けた業界の1つといえるでしょう。実際に日本映画製作者連盟によると映画業界の入場者数、興行収入は以下のようになっております。■入場者数■興行収入【参照】日本映画製作者連盟『過去データ一覧』上記からわかる通り、コロナウイルスの影響を受けた2020年は観客動員数、興行収入ともに大きく減少していますが、2021年には数値が多少増加しており回復の傾向が見られます。時短営業の解除や、多くの映画館で座席の感覚を開けずに全席販売を再開しているため今後も映画業界の業績は回復していくと考えられるのではないでしょうか。映画業界の今後の動向次に映画業界の今後の動向について解説します。コロナウイルスの影響を大きく受けた映画業界ですが、今後は「映像や演劇の高品質化を行うことで競争力を高める」と考えられるのではないでしょうか。映画業界では既にコロナウイルスの影響による規制を緩和し全席販売などを再開しています。しかしコロナ禍におけるライフスタイルの変化によって配信サービスなどを利用した映像の家庭内視聴が普及し、従来の方法だけでは興行収入の増加は難しいと考えられます。そのため今後は映画業界各社で家庭内視聴との差別化や映像コンテンツの高品質化を図るべく「映像や演劇事業の改革」が活発になるのではないでしょうか。実際に東宝、東映、松竹の3社は以下の施策を行っています。東宝の施策●高集客立地へのシネコンの出店●轟音シアター、IMAXなどの導入による家庭内視聴との差別化東映の施策●「バーチャルプロダクション撮影」導入のために国内の映画配給会社初のLEDスタジオを設立●デジタルヒューマン技術によるショートムービー公開など映像コンテンツの高品質化松竹の施策●MRヘッドセットを装着し歌舞伎を鑑賞するコンテンツの開発上記からも今後の映画業界は表現や演出の幅を広げるなどすることで映像、演劇の高品質化を行っていくと考えられるのではないでしょうか。【参照】東宝『経営戦略』東映『第2四半期決算説明資料』松竹『舞台演劇の拡張体験!!MRヘッドセットを装着し歌舞伎を鑑賞するコンテンツの開発』東宝の企業研究ページ(選考通過者ES・本選考レポート・選考対策記事)はこちら東映の企業研究ページ(選考通過者ES・本選考レポート・選考対策記事)はこちら松竹の企業研究ページ(選考通過者ES・本選考レポート・選考対策記事)はこちらなお、映画業界から内定を獲得したいという就活生には就職エージェントneoの利用もオススメです。エージェントを利用することでアドバイザーから、選考通過のためのノウハウや他に受けるべき企業など客観的にアドバイスがもらえます。少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。東宝・東映・松竹の売上高・事業内容・強み比較上記では映画業界全体の現状や今後の動向について解説しました。ここからは映画業界の中でも東宝、東映、松竹の3社を多方面から比較していきます。まずは各社の売上高、事業内容、強みを比較します。東宝・東映・松竹の売上高比較初めに各社の売上高を比較します。各社の売上高の推移は以下のようになっています。東宝東映松竹上記を見ると、3社ともにコロナウイルスの影響を受け2021年は売上高が大きく減少し、2022年には多少回復しています。決算期ごとの売上高を比較してみると、東宝は3社の中で最も売上高が高くなっており、東映と比較しても2倍近くの売上高となっているのが分かります。東宝は今後「アニメ事業」を第4の柱として注力する方針を発表しており、売上高の更なる向上を図っています。東映や松竹を含めた各社の事業内容についても以下で紹介するため参考にしてみてください。【参照】東宝『有価証券報告書』東映『有価証券報告書』松竹『有価証券報告書』東宝の事業内容・強みここからは映画業界各社の事業内容や強みについて解説します。まずは東宝の事業内容・強みです。上記でも述べましたが、東宝は東映、松竹と比較すると最も売上高が高く国内トップシェアを誇ります。1932年の創業以来「大衆本位」「お客様本位」を理念として掲げ、現在は「映画」「アニメ」「演劇」「不動産」の4つの事業を柱としています。「ゴジラ」や「モンスター・ハンター」などの作品で海外と共同制作を行っている点は特徴的といえるでしょう。また今後は2032年の創立100周年に向け「映画キャラクターなどの新たなコンテンツ企画」「人材育成」「映画事業とアニメ事業の両輪展開」を掲げ、更なる成長を目指しています。「アニメ事業」に関しては第4の柱とする方針を発表しており、既に公開している人気アニメの映画に加え今後も人気がある漫画のアニメ化権の獲得に注力するとしています。【参照】東宝『経営戦略』東宝の企業研究(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから東映の事業内容・強み東映は1951年に東横映画、太泉映画を吸収合併し設立されました。「全世界で人々に愛されるエンタテインメントの創造発信」を企業理念に掲げ、「総合コンテンツ企業」として14の事業領域から多角的なビジネスを展開しています。映画やテレビドラマに加えてキャラクターショーなどのイベントも開催しており、イベントやプロモーションの開催実績は業界トップのシェアとなっています。さらに学校教育や交通安全など教育映画と呼ばれる作品の制作も手掛け、こちらも業界トップシェアとなっている点は強みと言えるでしょう。また事業が多い分、東宝、松竹と比較すると安定して収益を得られるのではないでしょうか。実際に東映の2021年度のセグメント別売上高は以下のようになっています。映像関連事業、興行関連事業が売上のほとんどを占めてはいますが、「催事関連事業」「観光不動産事業」「建築内装事業」の3つでもいくらか収益を得ており、また3事業の売上高は近いものとなっています。一方で東宝、松竹は映像関連事業、演劇関連事業、不動産事業の3つが主な収益源となっており、映像関連事業、不動産事業が売上のほとんどを占めています。コロナウイルス流行により映像事業が打撃を受け3社の売上高が減少した際に、最も下げ幅が小さかったのが東映であることからも事業数の多さは強みと言えるのではないでしょうか。【参照】東映『数字で見る東映』東映『有価証券報告書』東映の企業研究(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから松竹の事業内容・強み松竹は1895年に大谷竹次郎が京都の新京極阪井座の仕打(興行主)となり、1902年に松竹(まつたけ)合資会社として設立されました。「日本文化の伝統を継承、発展させ、世界文化に貢献する」「時代のニーズをとらえ、あらゆる世代に豊かで多様なコンテンツをお届けする」をミッションに掲げ、映像事業、演劇事業、不動産事業を軸に事業展開しています。映画業界のみならず、民間企業全体でも唯一「歌舞伎」を手掛けている企業になります。歌舞伎の企画・制作から興行に至るまで一貫して携わり、さらに歌舞伎座、新橋演舞場、大阪松竹座、京都南座の4つの劇場運営も行っている点は強みと言えるでしょう。2021年度の売上高の構成は映像事業が約56%、歌舞伎が含まれる演劇事業売上高のは約22%を占めています。コロナウイルスの影響を受けた2020年度と2021年度の売上高を比較すると、映像事業は21%の増加であったのに対し、演劇事業は2倍以上になっていることから貴重な収益源であることが分かるのではないでしょうか。また、歌舞伎の配信サービスである「歌舞伎オンデマンド」の海外配信も開始しており、「日本文化の伝統を継承、発展させ、世界文化に貢献する」というミッションの達成に向けて事業拡大していると考えられます。【参照】松竹『歌舞伎オンデマンド海外配信開始』松竹『有価証券報告書』松竹の企業研究(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから東宝・東映・松竹の社風比較上記では映画業界大手3社の事業内容や強みを解説しました。各社の特徴が理解できたのではないでしょうか。ここでは東宝・東映・松竹の社風について解説します。社風は各社の比較や差別化を図る要素にもなるため参考にしてみてください。東宝の社風東宝は「お客様の幸福のために一人一人が何をすべきか考え行動する」社風があると言えるのではないでしょうか。東宝の特徴・強みでも述べた通り、東宝は企業理念として「大衆本位」つまりは「お客様本位」を掲げています。「東宝の事業はお客様の幸福のためにある」との記載もあり、お客様に夢や感動、喜びを届けることを非常に重視していると考えられるのではないでしょうか。また求める人物像には「東宝の掲げる使命・価値観・理念に共感し、行動していること」「東宝というフィールドで自分自身を高め、成長する力を持っていること」が掲げられています。具体的には「情報の引き出しと興味へのアンテナ、好奇心を持っていること」「今の自分に固執せず、もっと成長したいという向上心を持った方」などが求められており、お客様の幸福を考える過程で自分自身が成長することも求められる社風があると考えられるのではないでしょうか。実際に東宝で働く社員は以下のように話しています。東宝は、仕事として直接作品に関わっていなくても、自分たちがエンタテインメントを支えている意識で頑張る社員が集まっている会社。僕らもこれからもいろんな仕事を経験しながら、エンタテインメントを支えていきたいと思っています!引用:東宝『新人座談会リターンズ』【参照】東宝『経営理念』東宝『求める人材像』東映の社風東映には「役職や部署に関わらず挑戦に前向きな社風」があると考えられます。東映では現在「社員全員が企画者」の言葉の元、部署や職種の壁がなく全員が活躍できる環境の整備が進んでいます。映画の企画を社内公募し採用された社員にはプロデューサー業務に関わってもらったり、新規事業のアイデアを公募するといった活動を部門・部署問わず、社員全員を対象に取り組んでいます。また東映は東京の他に京都にも撮影所を有する唯一の企業であり、社長自らも「自らつくって、自ら売っていく。これが東映のスタイルであり、プライドです。」と話しています。そのため「自ら制作し自ら売る」スタイルを継続するためにも、社員一人一人の意見や考えを重宝しているのではないでしょうか。実際に東映で働く社員の方は以下のように話しています。東映は若手にもチャンスがある環境だと思う。面白いものなら若手の企画でも採用し、任せてくれる。やりたいことを積極的にアピールすれば、どんどんその分野に進んでいける。実際、私も漫画やアニメが好きだと社内で話していたからか、漫画原作の実写映画やアニメ映画を担当させてもらう機会も多い。引用:東映『社員インタビュー04』【参照】東映『東映を知る』松竹の社風松竹には「伝統を重んじつつ革新も尊重する社風」があると考えられます。松竹は日本の民間企業で唯一歌舞伎を制作するなどしているため、伝統を重んじる、固いイメージを抱く就活生が多いのではないでしょうか。実際、松竹は「受け継がれた先人たちの知恵・技・経験の結晶である文化を次の世代に受け継いでいく」ことが大切としていますが、一方で「革新」にも重きを置いています。松竹は採用にかける思いとして「これまでにないまったく新しい文化の創造や新規チャネルの開拓に挑戦していくこと」も大切にするとしており、行動理念にあたるであろう「松竹人の志」では「場数を踏め、種を蒔け」としている点から挑戦を後押しする社風が伺えます。実際に松竹で働く社員は以下のように話しています。松竹で学んだこと・受け継いだこと先人たちが積み重ねてきた伝統を覚えること。時代の変化やお客様の心の機微を感じ取ること。その姿勢の先に、革新のチャンスが待っているということ。これこそが松竹の長い歴史を支えてきたのだということを学びました。お客様からの信頼は一日にしてならず。時代を超えた積み重ねにより築かれるものなのです。引用:松竹『松竹人』【参照】松竹『松竹人の志』東宝・東映・松竹の平均年収・平均年齢・勤続年数・採用人数ランキングここまでで映画業界の動向や現状、さらには東宝、東映、松竹それぞれの強みや特徴を理解できたのではないでしょうか。次に東宝、東映、松竹の年収、平均年齢、勤続年数、採用人数ランキングを紹介します。いずれの項目も就活生が押さえておきたい部分だと思うので是非参考にしてみてください。3社の年収、平均年齢、勤続年数、採用人数ランキングは以下になります。東宝、東映、松竹の平均年収、平均年齢、勤続年数、採用人数ランキング注※各社ごとに数値をまとめ、各項目で最も高い企業の数値を赤字で表記しています。※採用人数は2023年4月入社者数を載せております。上記のランキングを見てみると3社ともに近い数値が並んでいることが分かります。平均年収は東宝が最も高いですが、平均年齢、平均勤続年数、採用人数に大きな差はみられません。各社の差別化を図る際には年収や勤続年数などではなく、本記事上部で解説した事業内容や強み、社風から考えるといいのではないでしょうか。【参照】東宝『有価証券報告書』東映『有価証券報告書』松竹『有価証券報告書』最後に本記事では映画業界の中でも「東宝」「東映」「松竹」の3社について事業内容や強み、平均年収ランキングなど各社の違いを比較しました。3社ともに映画業界の中でも多くの就活生が志望する企業と考えられるため、違いを明確に述べられるように整理しておきましょう。また映画業界の企業は制作の仕事だけでなくその他の事業を行っていることもあるため、本記事を参考に企業研究を入念に行った上で選考に臨むようにしましょう。unistyleでは以下にも選考突破に役立つ記事を掲載しています。こちらも参考に今後の就職活動にお役立てください。志望動機完全攻略記事一覧企業が志望動機を聞く意図・就活生がアピールすべきポイントESにおける志望動機の書き方面接で志望動機を適切に伝える方法インターンでの志望動機の伝え方業界別の志望動機の書き方職種別の志望動機の書き方志望動機の例文一覧(インターン)志望動機の例文一覧(本選考)ガクチカ完全攻略記事一覧1.そもそもガクチカって何?2.ガクチカがない人の対処法3.ガクチカの書き方を徹底解説4.ガクチカの例文を紹介(1)ガクチカでゼミ活動をアピールするには(2)ガクチカでサークル活動をアピールするには(3)ガクチカで留学経験をアピールするには(4)ガクチカで長期インターンシップをアピールするには(5)ガクチカでボランティアをアピールするには(6)ガクチカで研究(研究室)をアピールするには【理系学生向け】(7)ガクチカで体育会系部活動をアピールするには(8)ガクチカで資格・TOEICをアピールするには(9)ガクチカで趣味をアピールするには(10)ガクチカでアルバイトをアピールするには→ガクチカでカフェアルバイトをアピールするには→ガクチカで塾講師アルバイトをアピールするには→ガクチカで飲食店アルバイト(居酒屋・焼き肉・レストラン)をアピールするには→ガクチカでカラオケアルバイトをアピールするには5.面接でのガクチカ対策と頻出質問10選 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無内定の長期留学経験者にありがちな5つの特徴 無内定の長期留学経験者にありがちな5つの特徴 留学経験をうまくいかせず、無内定で悩んでいる人には、就職エージェントneoがオススメです。アドバイザーから、他己分析してもらいながら自分にあった就職活動の進め方や企業の決め方を客観的にアドバイスがもらえるため、内定に一歩近づけます。少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。一般的に、就職市場において有利だといわれている留学経験者。特に1年以上の長期留学経験では語学力のみならず、多様な価値観に対する理解力やコミュニケーション能力の向上も期待できます。こうしたさまざまな能力が企業側に評価された結果なのではないでしょうか。しかし一方で、長期留学を経験した人の中にも「就職活動では苦労した」という話をちらほら耳にします。主に「なかなか内定を得られず就活が長期化してしまっている」「内定を得たものの、自分が納得のいく企業ではない」などというケースです。こうした状況を考えると、留学経験は必ずしも就職活動の武器になるとは限らないようです。それでは、留学経験が就活にうまく活かせない人とは、一体どのような特徴を持っているのでしょうか。筆者自身も留学・就職活動を経て、無内定の長期留学経験者にはある5つの共通項があるのではないかと考えています(自身の反省も含めて)。本コラムでは、そうした「NG留学経験者」にありがちな5つの特徴を以下にご紹介します。特に留学経験のある就活生のみなさんには、自身の就職活動と照らし合わせながら読んでいただければ良いのではないでしょうか。無内定の長期留学経験者にありがちな5つの特徴①語学力自慢だけ、中身のない就活生特に1年以上の留学を経験した就活生で見られることがあります。長期の海外経験から語学力に自信がつき、それをひけらかすことで就活を進めようとしてしまうタイプです。しかし、現実はそんなに甘くありません。短期のものや語学研修が目的のものなど留学の形態は多様化していますが、2012年度の日本全体での海外留学者数は約20万3000人にも上るといわれています。(参考:JBPress)そんな中、単純な「英語話せます自慢」で志望企業に内定をもらうことなど、ほぼ不可能だとは思いませんか?言語はツールの一つに過ぎません。採用側は「英語が話せること」よりも「英語を使って何を話せるか」の方を評価しているのです。②ことあるごとに海外では〜〜(自分の主張なし)「海外だったらこうだったのに…だから日本はよくないんだ」などと、しきりに留学先の国の状況を引き合いに出す学生も見たことがあります。しかし、こうした人に限って「自分自身の意見」を求められたときに言葉に詰まってしまうケースが多いように思いました。それでは、留学先で触れた価値観の単なる受け売りになってします。グローバルスタンダードを知ることは重要なことですが、何でもかんでも自国の否定に終始してしまうのは非生産的ですし、何よりも企業で必要とされているのは多様な価値観に触れてより熟成された「その人自身の意見」ですよね。③単に長く滞在しただけで、真剣に現地で取り組んでいないただ楽しそうだからという理由で留学し、現地で特別に目的意識もなく真剣に取り組まなかった人が陥るパターンです。面接で留学経験があると言えば、たいてい「なぜ留学しようと思ったのですか?」「留学先で特に力を入れていたことは?」「留学先での専攻はどのようなものだったのですか?」といった質問が飛んでくることはほぼ間違いありません。しかし、こうした質問が飛んできたときに急にうまく答えられなくなる留学経験者も実際にいるのです。一体何のため、何をしに留学へ行ったのでしょうか……。④現地で何を学んだのか言語化できない③とは異なり現地ではいろいろな経験をしていたとしても、それをうまく言語化できないケースです。この原因は「自己分析不足」の一言に尽きます。もっと自身の留学経験を詳細に思い返し「何を考え、何を目標に、どんなことにチャレンジしてきたのか」を具体的に話せるようにしておきましょう。これは留学経験に限りませんが、自己PRをする際に「がんばりました」に終始し、相手に自身の考えや努力をきちんと伝えられないのは非常にもったいないと思います。⑤変に自信を持ち過ぎ留学したことで良くも悪くも自信がつき、他の学生やはたまた人事部や面接官に対しても横柄な態度をとってしまっている学生を見たことがあります。自信を持つこと自体はとても良いことですが、それと態度が大きくなることは別物です。自信がある(=自分の考え・立場がしっかりとある)のなら、相手にそれを丁寧に伝えることができればベストです。また、自身過剰が根拠のない余裕に繋がってしまい「大手企業しかエントリーしない」「面接対策をせずにぶっつけ本番」などといったリスクの高い行動をとっている就活生もいたように思いました。以上が「無内定の長期留学経験者にありがちな5つの特徴」でした。筆者の周りでも留学を経験していながら内定をもらえてない、もしくは納得できない企業からの内定しかない人がいることは事実です。最後にいかがでしたでしょうか。ここまでは、留学経験が就活の仇となってしまっているパターンを5つご紹介させていただきました。しかし、そうはいっても言葉が伝わらない環境で試行錯誤、留学先で何らかの成果を上げようとした経験は就活においても評価される傾向にあります。総合商社をはじめとする人気企業の内定者には実際に留学経験者が多くいます。それは語学力そのものではなく、言葉が通じないような人とも関係を構築して成果をあげることができたことを評価されたのではないしょうか。(参考:人気企業内定者に共通する5つの強み)自身の就職活動を「NG就活」にしない対策法としては、上記でも述べているように「語学力」だけではなく「+α」の人間的魅力をアピールポイントとして磨いておくことが大切なのだと思います。留学を経験した学生のみなさんは特にこの点を意識した上で就活を進めることができればよいのではないでしょうか。photobyMartinThomas 28,932 views

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