メガバンクは滑り止め!?慶應生による慶應生の就職活動の実態

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最終更新日:2023年10月25日

メガバンクは滑り止め!?慶應生による慶應生の就職活動の実態

こんにちは。慶應義塾大学の16卒就活生です。

就職活動に強いと言われている慶應義塾大学。
各企業には三田会と呼ばれる慶應OBの大規模なネットワークが存在しており、上場企業の社長になりやすい大学学部にもTOP5に経済、法、商の3学部がランクインしています。
実際に他大学の学生に聞いてみても、「慶應の人たちはみんな3年に入った時から就職活動を意識し始めているんでしょ??」というような声をよく聞きます。本日はそんな慶應生の就職活動の実態を見ていきたいと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

慶應就活生の分類


慶應生を見ていると4つのパターンに分類されると考えられます。

①トップ層(5%程度)
慶應に入った時から周りに流されたりすることもなく周りが遊んでいる間に、長期留学や社会人との交流など自分自身の力を意欲的に伸ばしている学生群。こういった学生の中にはサマー、ウィンターインターンを通して外資系コンサルや投資銀行への内定を取っている学生もいます。

②上位層(25%程度)
3年生になった時から就職活動を意識し出している学生群。ずば抜けて特殊な経験をしているという学生はそこまで多くないですが、夏からインターン等の選考に参加しつつ、外資系のトップ企業ではないものの内定を確保している学生が多いという印象です。この学生群が周りの大学生から見た慶應生の特徴を体現しています。

③マス層(60%程度)
3年の冬休み〜就職活動の解禁と同時期に就職活動を強く意識し出した学生群。そろそろやらないとな…と考えながらも特にこれといって準備をしたわけでもないため、とりあえずメジャーなメガバンク、BtoCメーカー、生保、損保、広告、商社、不動産等に大量エントリーし説明会に奔走しながら決めていくという印象です。

④ベンチャー志向(10%程度)
長期インターンしているベンチャーにそのまま就職、もしくは自分自身で起業をする学生群。

慶應生から見た慶應生の特徴


他大学の学生から見た慶應生のイメージは「意識が高い」、「就活に積極的」、「面接やグループディスカッションで積極的に話しかけてくる」といったものから、「意識が高くやたら仕切ろうとしてうざい」といった感じでしょうか。実際に他大の友人に聞いても「行ったインターンの参加者は半分くらい慶應生だった。」であるとか、「すごいプレゼンうまい学生の多くは慶應生だと思う。」としばしば耳にします。私自身も夏頃からサマーの選考を受けたりとしていましたが、確かに他大学よりも慶應生と会うことは多かったように思えます。

しかしながら先に分類した学生のうち、世間的慶應生は①②のおよそ30%程度です。冬休み頃まではバイト漬け、サークル漬けという学生も多くいますし、就職活動を終えた先輩からも「冬くらいから自己分析はじめて企業絞っていけば大丈夫だよ。」と聞くこともよくあります。

他大学と比べると意識高く活動している学生が多いことは確かではあると思いますが、かといってそこまで多くの学生が意識高く活動しているわけではないというのが実際の感覚です。

メガバンクは滑り止め!?〜慶應生の就活観〜

まずは先日あげた慶應生の就職活動意識調査を見てみましょう。

実際に慶應生の就職活動意識調査を行ったところ、第1志望群にはTOP5社中に総合商社が4社、就職検討先には上位5社全てを総合商社が占める結果となっています。加えてデベロッパー、大手広告代理店も高順位です。また、メガバンクは第1志望群の上位には入ってはいないものの、検討している就職先の質問では11位に三菱東京UFJ銀行、12位に三井住友銀行が入っており、大きく順位を伸ばしています。

この結果から見ると慶應生は「メガバンクは採用人数も多いし滑り止め感覚、第一志望は総合商社、広告代理店、デベロッパー」という考えを持っているように思えます。
この考えの背景には以下のデータが参考になるでしょう。

学部によって差はあるものの、全学部で見ると上位3社はメガバンク、上位20社で見ると伊藤忠商事を除く5大商社がランクインしています。一般の慶應生でもメガバンクを中心とした金融業界に進んだ先輩は身近にいることもあって「自分でも普通に就職活動していればメガバンクくらいにはいけるだろう、もしかしたら商社にもいけるかもしれない!!」と考えているようです。

しかしながら以下のデータを見てください。

慶應は上位400社就職率がおよそ40%、つまり5人に2人が所謂有名企業に行く計算です。
ここで先に挙げた慶應生の分類を思い出していただきたいのですが、①トップ層②上位層を合わせると約30%程度となります。もちろんこの学生群全員が全員有名企業に行けるとは限りませんが、マス層よりも多くの学生が選考を通過していくことは確かです。
また、以前アップした早慶東大の総合商社志望者の入社率も参考にしたいと思います。

およそ20人に1人が内定を得ています。大体これは先に挙げた①トップ層の割合と同じ程度です。先のデータと同じようにこの学生群全員が商社に行けるとは限りませんが、上位層に最も人気の業界であるからこそ、能力部分と就職活動スキルの両方を兼ね備えた学生が行くことは確かです。

またこれは実感ではあるのですが、実際に選考が始まるに連れて、メガバンクは滑り止め!!と言っていた多くの学生たちが、とりあえず大手の金融に行けたらいいかな、であるとか、商社やマスコミなどの人気業界に行けるのは体育会系だったり長期留学者だけ、と現実に打ちひしがれていることも学内ではよく見られます。

最後に

データとリアルな就活生の声から慶應生の就職活動事情をお届けしました。
最後にも書きましたが、慶應生は就職活動が始まる前と後ではテンションは全く違います。これは他の大学の学生にも言えるものだと思いますが、周りよりも早く就職活動を意識している人ほど、ぶれずに活動しているように思えます。現在3年生の17卒の方もこれからインターン等が始まると思いますが早期から準備することをお勧めします。

photo by Paul Trafford

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本記事は電通国際情報サービスのPR記事になります。※2024年1月1日より電通総研に社名変更しています。2023年12月31日迄に掲載した記事では電通国際情報サービス(ISID)表記となっております。昔も今も変わらず就活生が企業を選ぶときに重要視する項目として、仕事へのやりがいや給与の高さなどとともに挙げられるのが働きやすさである。実際に下記の23卒就活生向けのアンケート結果でも、「企業を選ぶ上で最も重要視するポイントは?」という質問に4割の就活生が働きやすさと答えており、ダントツの1位を獲得している。【参照】【23卒の就活生の企業選びの軸】1位は「働きやすさ」、しかし「働きやすい企業の探し方が分からない」と答えた就活生は78%と課題あり(株式会社L100)また、働きやすさに直結する働き方に関しては男性よりも女性の方が重視する傾向があり、特に社内の雰囲気や結婚後の働き方はその傾向が顕著に出ている。【参照】就活生の「企業の魅力と働き方」に関する意識調査アンケート【2021年卒版】(人事ZINE)しかし、働きやすさを重視している就活生が多くいる一方、それらの定義は曖昧であり、「働きやすい企業を見つけたいけど、どのように探せばいいのかよく分からない。」という就活生も多いはずである。だからこそ、自分にとっての働きやすさとは何かを定義付け、各々の働きやすさを実現できる環境がある企業こそが働きやすい企業と言えるのではないだろうか。そんな中、裁量の大きさ・希望を実現できる環境・キャリアの多様性・自然体な雰囲気・人の良さなど、各々の働きやすさを実現している国内有数の大手システムインテグレーター(SIer)が存在する。その企業とは株式会社電通国際情報サービス(以下、ISIDと表記)である。ISIDは社員ごとに異なる働きやすさをなぜ実現できるのか、そしてその働きやすさの根底にあるものとはいったい何なのか。unistyle編集部はそんな疑問を探るべく、ISIDで働く入社3年目の稲井さん、入社5年目の中嶋さん、入社7年目の西村さんという女性社員3名にお話を伺った。働きやすさに留まらず、女性社員だからこその働き方やキャリア観まで、ありのままの姿や悩みを対談形式で聞いていきたいと思う。こんな就活生にオススメ・働きやすさを就職活動の軸としている就活生・女性ならではの働き方やキャリアに悩みを抱いている就活生・「人の良さ」を就職活動の軸としている就活生・IT業界やSIer業界に興味のある就活生目次今回取材をした3名の社員のプロフィール「裁量の大きさ」と「希望を実現できる環境」、働く中で感じた自社の魅力とは各ステークホルダーからの感謝の言葉が仕事のやりがい、それぞれが思う印象に残っているエピソードISIDでは十人十色のキャリアを実現できる。3年目・5年目・7年目の今だからこそ感じるキャリアの悩みと変遷「ISIDは働きやすい」、3人が口をそろえて語る働きやすさの根源ISIDの魅力は人の良さと言われる所以-本音で語る入社前後のギャップ-取材後記(就活生へのメッセージ)今回取材をした3名の社員のプロフィール西村香那(にしむらかな)さん2016年4月に新卒でISIDに入社。情報理工学科出身だったこともあり、IT・情報系の企業を中心に就活を進める中でISIDの「人の良さ」、そして「自然体な雰囲気」に惹かれて入社を決断。金融ソリューション事業部に配属され、技術職としてシステム開発に関わる。技術職での開発と並行して、入社時点から関心のあったデザイン関連の作業にも携わり、2019年からUXデザインを行うチームと兼務を開始、システム開発からUXデザインに軸足を移す。2021年より新設されたUXデザインセンターに加わり、金融だけでなく、幅広いお客さまや自社製品の開発などにUXデザイナーとして携わる。システムやサービスの画面だけでなく、それを使いたくなるユーザの状態から使った後に実現したいユーザの状態までをデザインし、よりよいサービス・システム構築に取り組んでいる。中嶋澪奈(なかじまみおな)さん2018年4月に新卒でISIDに入社。最先端の技術を用いてモノづくりをし、自分の作ったもので人から感謝される点を魅力に感じてIT業界を志望する。選考中に出会った社員の人柄に惹かれて入社を決断。金融ソリューション事業部に配属されて以降、技術職として地域金融機関向け融資支援パッケージシステム「BANK・R」の案件に携わっている。複数のエンハンス(※)・新規導入案件のプロジェクトマネージャー(以下、PMと表記)を経験し、現在はセールスや保守も含めて幅広い業務を担当している。入社前から希望していた「お客様と近い立場」での仕事において、社内外の人と信頼関係を築けていると感じることにやりがいを実感し、日々取り組んでいる。※エンハンスとは、高める、強める、促進する、強化する、向上させる、などの意味を持つ英単語。ITの分野では、製品やシステムの機能追加や性能向上のことを意味する場合が多い。【引用】IT用語辞典e-Words稲井可那子(いないかなこ)さん2020年4月に新卒でISIDに入社。海洋学部出身だったことから、将来的に未だアナログな側面の大きい海洋業界をITの力を用いて発展させたいという想いを抱く。同時期に電通・ISID・双日の3社共同で、マグロの品質判定を行う画像解析AIシステム「TUNASCOPE」の実証実験を実施、というニュースを見て、「この会社なら自身の想いを実現できる」と感じて入社を決断。コミュニケーションIT事業部に技術職として配属され、配属直後から現在まで公共系システム構築案件に携わっている。お客様と密な関係性を築き、公共系特有のスピード感ある立ち上げが実現できるように取り組んでいる。また、お客様の運用改善となるような新しい機能の提案も積極的に行い、使い続けたいと思っていただけるようなシステムの構築を心掛けている。「裁量の大きさ」と「希望を実現できる環境」、働く中で感じた自社の魅力とは__まずは働く中で感じる貴社の魅力を教えてください。中嶋さん:私は入社当初から今まで一貫してPMをしていますが、若いうちから裁量の大きな仕事を与える環境があり、かつ自由に任せていただけることが魅力だと思います。とは言え単に裁量が大きいだけでなく、しっかりとサポートしてくれる方や相談に乗っていただける方が周りにいるため、安心して仕事に取り組むことができています。また、自立している社員が多いことも魅力だと思います。上述した内容にも紐づきますが、若いうちから裁量の大きな仕事を任せていただけるからこそ、自立している社員が多いのかなと思います。稲井さん:「これはこうした方がもっと良くなるんじゃないですか?」など、提案や意見を言いやすい環境が魅力だと思います。私のような3年目の若手社員の意見にも真摯に耳を傾けてくれ、その提案が根拠さえ通っていれば「とりあえずやってみようか!」と背中を押してくださる雰囲気を感じます。私が1年目の時の配属当初、「新人教育をもっと丁寧にした方がいいのでは?」と一つ上の先輩方が提言してくださり、私の代から新人教育が手厚くなったという事例がありました。【参考】CrossTalk:新人の新人による新人のための研修へリニューアル!朝会改善プロジェクトの裏側に迫る┗新人教育の具体的な事例はこちらの記事をご覧ください。その翌年、私の代が2年目になった時は教わったことをブラッシュアップして今度は新人教育をする側になり、その翌年には私たちが教育した代が新人を教育し…といったような形で現在もその系譜は繋がっています。このように若手でも提案や意見を言うことができ、一定の規模感と社員数を誇りながらもそれをスムーズに実現できる風土はISIDならではだと思います。西村さん:自分のやりたいことを実現できる環境が魅力だと思います。私は元々開発やPMという業務を担当していましたが、2,3年目の頃からUXデザインに興味を持ち、主の業務にしたいと思うようになりました。その時にデザイナーの方に話を聞きにいったり、当時の部長に自身の想いを伝え、4年目の時にUXデザイナーにジョブチェンジしました。デザインの勉強は多少していたものの、特段デザイン経験があった訳ではなく、いきなり異動というのは難しいと思っていたのですが、そこを任せていただけたのは本当にありがたかったです。このように「これがやりたいから異動したいです!」といった希望は言いやすく、かつそういった意思を汲み取って任せてくれる環境は非常に魅力的だと思います。「やりたいです!」という想いさえあれば機会を与える環境がISIDにはある__4年目の時に異動・ジョブチェンジされたということですが、そういった社員の方は多いのでしょうか?西村さん:結構多いんじゃないかなと思いますね。自身の希望を第一優先にしていただけるため、もちろん異動せずにずっと同じ職種・部署にいる社員の方も多くいますが、私のように自分の意思で異動を希望する社員の方も少なくありません。やはり「やりたいです!」という意見を上司等に相談しやすく、かつ上司も前向きに考えてくださるがゆえのことかなと思いますし、仮に知見・経験等がなくても社員の意思を第一優先にしてくださる風土は本当に好きな部分です。各ステークホルダーからの感謝の言葉が仕事のやりがい、それぞれが思う印象に残っているエピソード__仕事のやりがいと印象に残っているエピソードを教えてください。稲井さん:お客様から「これ良かったよ!」とお褒めの言葉を頂ける瞬間がやりがいに感じます。今年からPMを担当している案件があるのですが、その中で初めて導入した機能がありました。私はPMの経験も浅いですし、初めての導入ということで見落としやミス等がないか非常に不安だったのですが、最終的にはそれを導入したことでお客様の業務が改善され、「導入して本当に良かったです!」というお褒めの言葉を頂きました。さらに「今回の新機能の導入に満足したから是非他の事業にも追加してほしい!」というお話も頂けました。感謝の言葉を頂けたことも嬉しかったですが、こういう風に仕事って繋がっていくんだなということも身をもって実感することができ、仕事冥利に尽きる経験になりました。西村さん:私はUXデザイナーであるため、実際にエンドユーザから意見を頂いたり感謝される機会が多く、それがやりがいに感じます。あとは、努力をしてきたことが実を結ぶ瞬間も嬉しいですね。私はグラフィック等の経験がない状態で入社しているため、デザインスキルでは美大出身の先輩には到底及びません。ただそこで諦めてはいけないと思い、弟子入りする勢いで製作した案をレビュー依頼するということを繰り返し、最終的に自分が製作したアウトプットが要因で案件を獲得できたことが印象に残っています。本当に嬉しく努力して良かったなと思いましたし、こんな自分をサポートしてくれる先輩がいる環境に今でも感謝しています。中嶋さん:社内外の人から感謝されたり認められ、信頼関係を築けたと実感できる瞬間がやりがいに感じます。印象に残っているのは、1年という長期にわたって携わった「パッケージの新規導入案件」です。私はそのプロジェクトでPMを担当していたのですが、要件の調整だったりお客様との意見の食い違いなどが度々あり、当初は中々スムーズにプロジェクトが進みませんでした。ただ、密にコミュニケーションを重ねる中で徐々に信頼関係を築くことができ、最終的にそのプロジェクトを無事遂行することができました。その際、お客様から「今回はパッケージの導入だったけど、今度はエンハンスをやろうと考えている。その時は是非中嶋さんにお願いしたいです!」という感謝の言葉を頂けました。正直大変なことも多かったのですが、入社当初から自分の作ったもので人から感謝されたいという気持ちがありましたので、それが叶ったこの経験は現在でも印象に残っています。ISIDでは十人十色のキャリアを実現できる。3年目・5年目・7年目の今だからこそ感じるキャリアの悩みと変遷__それぞれ年次も異なるかと思いますが、現在のキャリアの悩み、そしてキャリア観で変遷がありましたら教えてください。【入社3年目】成長実感と未熟さ双方を痛感する中、日々実直に業務に取り組む稲井さん:「自分も先輩のようになれるのかな…」という漠然とした不安があります。私は現在、小規模な案件ながらもPMという立場を任せていただけています。日々仕事に取り組む中で「成長したな」と感じる場面もありますが、先輩方の姿を見ると「自分はまだまだだな」と思う日の方が圧倒的に多いです。また、弊社は3年目から4年目に上がるタイミングで役職が変わり、予算管理といったお金周りのことにも目を向けなければいけなくなります。そのため、来年からはより裁量が増えながらもプロジェクトを円滑に進めなければならない反面、まだまだ先輩には遠く及ばないことも多々あります。とは言え、後輩が新たに入ってくるので自分も独り立ちする必要があるといったように漠然と来年が不安です。ただ、先輩方は皆そういった経験を通ってきたはずですし、そのような環境があることに感謝して今後も日々業務に取り組んでいきたいと思います。【5年目】今後のキャリアを見つけるヒントを得る場としての女性コミュニティ中嶋さん:今後のキャリアをどうしていきたいかが今最大の悩みです笑。私は入社から現在まで同一の部署に所属しているのですが、1,2年目の時はとりあえず一通りの仕事を自分で回せるようになりたいと思い、与えられた業務に日々取り組んでいました。その後、経験と知見を重ねていく中で、「新規ビジネスの開拓をやってみたい」とか「UI/UXデザイン等の新たな職種に挑戦してみたい」と考えた瞬間もあったのですが、結果的に自分が本当にやりたいことはまだ見つけることができていません。ジョブローテーションの機会もあるのですが、どの部署や職種に進みたいといった明確な希望がないため、それが今一番の悩みになります。ただ、社内の女性コミュニティに参加し、先輩方の話や自分と全く異なる仕事をしている方のお話を度々聞く中で、今後のキャリアを見つけていきたいと思っています。__社内に女性のコミュニティがあるとのことですが、具体的に教えていただいてもよろしいでしょうか?AmbitiousWorkshopという人事主催の施策があり、そこでは自己内省や参加者同士の対話を通じて自分らしいキャリアを見つめなおすことができます。挙手制での参加になるので、同じような悩みや不安を持ったメンバーやこれからのキャリアを考えていきたいと意気込むメンバーが集まって対話を重ねていくうちに、様々な視点を得られました。講義でのインプットと実践でのアウトプットはもちろん、座談会も開催され、年次や事業部も全く異なる女性メンバーと考えや悩みを共有・相談しあう場も設けられています。やはり年次や部署が異なる方とお話させていただくと新たな発見がありますし、これから自分が本当にやりたいことを見つけるヒントも得られると考えていますので、こういった場は本当にありがたいなと実感しています。【7年目】私の強みって一体何?自分だからこそ提供できる価値を追求していく西村さん:7年目というある程度経験を積んできたからこそ、「私の強みって結局何だっけ…?」という不安は日々抱いています。私はジョブチェンジをして現在はUXデザイナーとして働いていますが、やはり美大卒の方々にはグラフィックスキル等では到底叶いません。もちろんそういった方々に少しでも追いつこうと頑張ってはいますが、私だからこそできる価値提供って何だろうという悩みに苛まれた時期もありました。ただ、私はシステム開発に携わった経験がありますので、開発経験を活かしたデザイナーになろうと現在は考えています。弊社のデザイナーは基本的に開発チームの方と共に動くのですが、言語の違い等で意思疎通が困難になってしまう場合が珍しくありません。そういった場面で私が両者の間に立ち、いわゆる潤滑油の働きをしながらプロジェクトを進めることができるような人になりたいと思っています。入社前に描いていたものとは異なるキャリア。そんな中でも新たなキャリアを構築できる環境がISIDにはある__就活生の時にも将来のキャリアを考える機会はあったかと思いますが、当時描いていたものと現在で何か違いはありますか?中嶋さん:正直にお伝えしますと、就活生の時も現在も明確なキャリアは描けていません。ただ、自身がやりがいを感じる瞬間が「人から感謝されたり相手と信頼関係を築けた時」というのは昔も今も変わっていないため、お客様と近い立場で仕事ができるPMは自分に合っているんじゃないかなと思っています。稲井さん:就活生の時もPMをやりたいと思っていましたが、当時は何となく「5年目くらいから任せていただけるのかな」と想像していました。ただ、想像していたよりも早く実際には3年目から任せていただいていますので、そういった意味ではギャップがありましたね。西村さん:私は180°変わりました。就活生当時は漠然と周りから感謝される仕事がしたいという気持ちしかなく、まさかデザイナーになるとは当時は微塵も考えていませんでした。ただ、入社時とキャリア観が変化したという方は周りにも沢山いますし、そういった方でも新たなキャリアを構築できる環境は十二分に揃っていますので、そういった点もISIDの魅力と言えるのではないかなと思います。__西村さんは入社後にキャリア観が変わり、ご自身で手を上げて異動をされたとのことですが、そういった社員の意思を汲み取る風土はあると実感されますか?西村さん:自分自身の想いや希望を言いやすい環境はあると思います。一例ですが、「今いる部署だとやりたいことができない」といった声を上司が拾ってくださり、「あの部署ならできるかもよ!面白いことをやっているよ!」といった提案をしてくださる機会があります。もちろん案件の規模やタイミング次第ではありますが、基本的には上司を含めた周りの方が前向きに考えてくださるので、その点は本当にありがたいです。「ISIDは働きやすい」、3人が口をそろえて語る働きやすさの根源__実際の働き方や一日のスケジュールを教えてください。西村さん:私は10時~11時くらいに始業し、打ち合わせやデザイナーの業務、そして時にはデザインの勉強もして19時くらいに終業するといったスケジュールが基本です。弊社にはコアタイムがないので、社員一人一人に応じた働き方ができます。リモート勤務と出社勤務も基本的には自由に選択できるため、自分の都合通りにスケジュールを組めるのは非常にありがたいです。中嶋さん:私はPMなので、一日のスケジュールはその日の打ち合わせ次第という感じです。私の周りの話で言うと、比較的規模の小さな案件を複数兼ねるといった方が多く、各案件の進捗等に応じて臨機応変に調整することができるため、予定は組みやすいと感じています。稲井さん:お二人と同じく、本当に自由にスケジュールを組むことができます。一日の流れで言いますと、朝一で今日一日やる業務をまとめ、メールチェック等をしながら優先度の高いものから順番に対応していくといった場合が多いです。そして最後に翌日やらなければならない業務をまとめ、一日が終わるという感じですね。__働きやすさというものは実感しますか?西村さん:働きやすいと感じますし、それは何でも言いやすい環境があるというのが大きいのではないかと思います。担当案件の話はもちろんのこと、私であれば異動といった大きな相談から今後のキャリアの話まで、誰にでも相談しやすい環境・雰囲気は日頃から感じます。稲井さん:私は2020年入社であり、いわゆるコロナ世代としてISIDに入社しました。当時はいきなりのリモート勤務に不安も多々あったのですが、その際のOJTの先輩がリモートだからこそ毎日連絡をくれて私のことを気にかけてくれたり、ささいなことでもビデオ通話を繋いでくれたりと、今考えると色々と気を遣ってくださっていたんだなと感じます。もちろんそのOJTの先輩に限らず、同じグループの先輩方も皆そういった風に気に掛けてくださいました。現在もリモート勤務がメインなのですが、出社のタイミングが合えば積極的に話しかけてくださりますし、業務以外のことでもざっくばらんに会話しますので、周りの方の人柄という意味で働きやすさを感じています。社員同士での助け合いが日常。「女性だから」や「子供がいるから」を感じさせないことがISIDの働きやすさ__女性の方ですとライフイベントを踏まえた働き方を考える機会もあるかと思います。女性だからこそ感じる良さや大変さはありますか?西村さん:逆に「女性だから」みたいな雰囲気を感じさせないのが弊社の良いところだと思います。人事評価等もそうですが、本当にフラットな目線で評価してくださいますし、実際に女性ならではのことを感じる場面は本当に少ないと思います。稲井さん:先輩社員の中にもお子さんがいる方はいますが、お子さんが急に風邪を引いたりしてしまい、急遽仕事を休まなければならない場面は往々にしてあります。そういった場合でも、周りの社員が当たり前のようにサポートする体制がありますし、上司にも言いやすい雰囲気は感じます。もちろんママさん社員に限らずパパさん社員の方も同様です。つい先日も「子供のお迎えに行くので一旦抜けます!」というチャットが送られてきました。そういった状況でも社員同士で助け合う雰囲気はありますし、非常に温かい雰囲気を日々実感しています。中嶋さん:社員同士で助け合う風土は感じます。一方で女性ならではの将来への不安もあるのは正直なところです。やはりどうしても役職が上がるにつれて仕事の規模や裁量が大きくなるため、自分が実際にそういった立場になった時に子育てとの両立ができるのかなという漠然とした不安はあります。もちろん子育てをしながらバリバリ働いていらっしゃる方も大勢いらっしゃるのですが、そういった意味でも今後のキャリアについて悩む機会はあります。ただ、先ほどもお話したワークショップ等で仕事と子育てを両立している方にお話を伺い、そういった先輩方の意見も聞きながら今後のキャリアを考えていければいいかなと思っています。ISIDの魅力は人の良さと言われる所以-本音で語る入社前後のギャップ-__入社前や1年目の時と現在を比べた際、何かギャップ等はあったりしましたか?中嶋さん:入社前から「ISIDは人が良い」と感じていましたが、それは現在でも変わりありません。私は弊社の「人の良さ」を上辺で話さず、納得するまで話してくださるという風に定義づけているのですが、社内外問わずそういった雰囲気は感じます。あとギャップというと少し語弊があるかもしれませんが、思ったよりも自由にできる環境があるというのは感じています。良い意味でやることさえやっていれば何も言われないですし、そういった姿勢を評価してくださる制度は整っていますので、その点は良いギャップだったなと思います。西村さん:就活生の頃に弊社の説明会やセミナーへ参加した際、「就活生向けに魅力的な社員の方を多く出演させているんだろう」と正直考えていました。しかし実際に入社してみるとそんなことはなく、出会う方全員が非常に魅力的な方であり、良い意味で裏切られたのを今でも覚えています。そんなISIDの人の良さは話すのが好きな人が多いことが起因していると考えています。話すことが好きだと必然的に社内外問わずコミュニケーションも円滑になりますし、良好な雰囲気も醸成されやすいと思いますので、それはISIDの特色ではないかなと思います。取材後記(就活生へのメッセージ)先進的な情報技術をベースに、アイディアとクリエーティビティを掛け合わせたユニークなIT専門家集団として成長を続けてきた株式会社電通国際情報サービス(ISID)。今回は入社3年目でPMを務めている稲井さん、入社5年目でPMを務めている中嶋さん、入社7年目でUXデザイナーを務めている西村さんの女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文系学部廃止論?阪大学部長の言葉から考える内定獲得のための学業の"使い方" 文系学部廃止論?阪大学部長の言葉から考える内定獲得のための学業の"使い方" 「やべー、授業出てないしテスト勉強も全然してねー。」「〇〇の授業とってる人いますか?」「これまでのノート写させてくれない?」こんにちは、18卒就活生です。恐らくほとんどの大学で前期の試験が修了し、夏休みに突入した時期かと思います。何より試験の方お疲れさまでした。夏選考やインターン選考に臨んでいる18卒・19卒の方も、就職活動を一休みで長期休暇を謳歌している方が多い時期かもしれません。さて、一年で最も大学の学業に向き合うことが多いとも言える試験期間を乗り越えた皆さん、この時期一度はこのような疑問が浮かんでくるのではないでしょうか。「大学で学んでいる内容って何の役に立つの?」年度当初もしくは入学当初は、いわゆる"意識高い"考えで大学でしっかり学ぼうとしようとしたものの、徐々に授業に行くのが面倒になり、「4月病」「5月病」といった言葉が生み出されているのだと思います。こうして意識の下がった学生がテスト前に発する言葉が冒頭で挙げたような"意識低い"言葉の数々であり、もはやこれが一般的な大学生のあり方と考えられている、という風潮すら感じられます。この大学で学ぶ意味に関連して、先月以下のような記事がSNSで取り上げられました。参考:文学部って何の役に立つの?阪大学部長の式辞が話題に思いを聞くこちらは、先日話題に挙がった大阪大学文学部長の卒業セレモニーでの言葉がまとめられた記事です。式自体は2017年3月に開催されたものですが、最近になってTwitterを始めとしたSNSで拡散されたこともあり、皆さんの中でも読んだことがあるという方は多いかもしれません。一時はTwitterのトレンドに上がるほど拡散された本件ですが、これだけの注目が集まったことは、この件について考えさせられた人が多かった証ではないかとう見方もできると思います。この方が述べている「人文学への風当たりが一段と厳しさを増した時期」という言葉の意味について、事の発端の一つに2015年6月に文部科学省が発表した以下の通知があると考えています。教員養成系学部・大学院、人文社会科学系学部・大学院については、18歳人口の減少や人材需要、教育研究水準の確保、国立大学としての役割等を踏まえた組織見直し計画を策定し、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めることとする。参考:国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて文部科学省としては、「国立大学における文系学部を廃止すべき」という意図を持って書いた言葉では無かったようですが、マスコミの伝達の仕方やそもそもこの文章の書き方が完全に適切とは言えなかったこともあり、「大学から文系学部が無くなるのではないか」という形で人々の間で情報が錯綜したことは就活生の皆さんにとっても関心のある話であったと思います。この件が大きく話題に挙がった要因として、それだけ特に文系学部に通う学生の中に「大学で学んでいる内容は何の役に立つのか?」という思いが少なからずあるのだと考えています。学校教育法では「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする」と定義づけられた"大学"において、学業にモチベーションを感じられないことは問題なのかもしれません。とは言っても、例えば応用化学専攻の学生が化学メーカーの開発職で自身の大学で学んだ内容をダイレクトに活かせるといったことはあるでしょうが、法学部に入ったから弁護士になる・商学部に入ったから会計士になるといった形で文系学生が直接専攻内容を役立てるという可能性はかなり低いというのが実情でしょう。私自身も文系学生の一人なのですが、大学時代学業にモチベーションを感じられる機会はほとんど無く、「授業への出席=単位を獲得するための手段」「ゼミへの入会=学業について就活で話すことがなくなるのを避けるため(ネタ作り)」程度に一応留年は嫌だから真面目にこなしていたという感じの学生でした。しかし、実際に就職活動をしていくと、「学業に関する質問」は程度こそあれほとんどの企業で一度は聞かれた点については個人的に印象に残りました。学業を重視する企業としては以下にあるようにキヤノンが特に有名でしょう。キヤノンは、学生の本分である学業に力を入れて取り組んでいる人を評価したいと考えています。あなたが力を入れている学問領域は何ですか。具体的な取り組みとあわせて説明してください。参考:【内定】エントリーシートこちらとしても専攻内容を説明する程度なら一応準備はしておくのですが、「なぜそのゼミに入ったのか」「印象に残った科目について説明して」など想像していたよりもそのパターンは多く、正直そこまで真面目に取り組んでいなかった自分としては回答に困ったことも度々ありました。「なぜ企業は将来役にも立たない学業について尋ねるのか」「自身の学んだ内容をどう伝えるのが正解なのか」など、文系学生にとって学業に関する質問を難しく感じてしまうのは珍しいことではないでしょう。以上を踏まえ、今回は就職活動の場において文理問わず避けては通れない「学業」というキーワードについて、unistyleの過去記事や筆者自身の就活体験を踏まえて考察していきたいと思います。こちらでいくつか挙げている例に関しては、ご自身の大学や専攻内容に照らし合わせながら思考を深めていただければと思います。それではまず就職活動において学業がどのような尋ねられ方をされているかについて考えていきましょう。就職活動における学業の位置づけこちらは一般に、文理によって異なります。先述の通り、理系職の場合は専攻内容がダイレクトに仕事内容に活かせることが多く、学業で功績を残した人=自社の利益に貢献できる人材という見方がなされるほど、ES・面接共に自身の専攻内容について深く尋ねられることになります。また、文系学生と比較して学生生活における学業のウエイトが高いことが一般のため、仮に直接専攻と関係がない企業を受ける場合でも、「なぜあえて専攻と関係がないウチを志望しているのか」という形で深掘りがなされることがあります。一方、文系学生の場合は全く尋ねられないケースは少ないものの、ES・面接のメインのテーマとして挙がることはほとんどありません。以下の三菱電機の記事のような形式が一般的なウエイトの置かれ方と言えるでしょう。こちらは事務系・技術系で問われる質が大きく異なるようです。技術職の場合は研究内容と三菱電機の事業の関連性といった内容をかなり突っ込まれることもあるようです。事務系の場合は問われる機会はあまりないですので、自身が大学で学んだことについてわかりやすく説明できるようにしておくといったの最低限の準備をしておけば十分だと思われます。参考:三菱電機の面接過去問リスト23選これについては、「文系の学問は直接仕事に活かされる機会が少ないから」という学術的な理由ももちろんありますが、他にもいくつか要因があると考えています。一つ目は「学業」と「仕事」の性質の違いについてです。以下の記事にもあるように、「学業」は主にインプットとしての性質が強い一方、ビジネスとは典型的なアウトプットの取り組みであることは理解しておく必要があるでしょう。そのため、仮に学業成績といったインプットの能力をアピールしたとしても、企業が求める人材の究極形である「企業の利益に貢献できる人材」であることを示すには至らず、的外れな自己PRで採用に繋がらないのが一つ目の要因だと考えられます。二つ目はアピール項目の不適切性です。学業成績については確かにコツコツと真面目に努力することができることを伝える手段としては機能しうるでしょうが、「就活生が伝えがちな自己PRで伝えてはいけない三つの強み」にもあるように、そもそも「努力ができる」という強みは学歴や取得資格という履歴書の段階で判断できるものであり、それをわざわざESや面接でアピールするのは的確とは言えないでしょう。三つ目は集団性の欠如です。仕事においては確かに個人としての行動も大事ではありますが、結局は大小こそあれ組織として動いていくことになることから、「集団の中でどのような貢献の仕方ができるか」を企業としては知りたいと考えています。一方、学業での取り組みを尋ねようとした場合、どうしても個人としての取り組みについてを述べるにとどまってしまうことが多い印象があります。実際、「ゼミ・学業・その他資格試験などへの取り組みに基づいた学生時代頑張ったこと」で有名企業内定者の回答を参照しても、多くの学生が個人としての努力に+αのチームへの貢献の仕方を述べており、単なる努力自慢の内容になることを避けていることからもこの理由が伺われるでしょう。以上のような背景から、特に文系の新卒採用活動における学業の位置づけは「多くの企業で尋ねられるが、メインの話題として上がることはほとんどない」とまとめることができるでしょう。参考;大学の勉強ばかりしても評価されない理由それでもなぜ企業は学業について尋ねるのか?ここまでは、「文系の新卒採用活動で学業がメインテーマとしてあがりにくい理由」について考えていきましたが、では一方でなぜ企業は多くの場合仕事で直接活かされない文系の学業を多少なりとも尋ねてくるのでしょうか。これにもいくつかの理由があると考えています。一つ目は、経団連の指針についてです。こちらは直接企業の意図からは外れるかもしれませんが、近年の経団連の新卒スケジュール変更理由の一つとして、(実際その役割を果たしているかは別として)学生の学業への影響が挙げられています。スケジュールに限らず、経団連は以下にあるように学業優先の姿勢を所属企業に対して求めています。成績表を事前に提出させそれに基づいた質問をしていくいわゆる「リシュ面」という形式もこの影響が少なからずあると考えられています。選考活動は、広報活動と異なり、学生が自主的に参加不参加を決定することができるものではないため、今般の開始時期の変更に伴い、学事日程に一層配慮していくことが求められる。具体的には、面接や試験の実施に際し、対象となる学生から申し出があるケースも想定されるため、事前連絡についても余裕をもって行うほか、当該学生の事情を十分勘案しながら、例えば授業やゼミ、実験、教育実習などの時間と重ならないような設定とすることや、土日・祝日、夕方以降の時間帯の活用なども含めた工夫を行うことが考えられる。また、大学等の履修履歴(成績証明書等)について一層の活用を検討することが望ましい。参考:「採用選考に関する指針」の手引き二つ目は、地頭の良さを見るためです。以下の記事にもあるように、学業への取り組みについて尋ねる質問は、自身の専攻内容をその分野に全くの無知である採用側に対してわかりやすく伝えることができるかを通して地頭の良さを見ているという意図があると考えられます。例えば日系人気企業であるキリンでは「卒論内容を小学生にもわかるように説明して」という形で尋ねられたことがあるようです。こちらが精通している専門事項について相手方に理解させる力というのは、日々のコミュニケーションが前提となるビジネスの場においても求められるスキルと言えるのではないでしょうか。参考:「学業への取り組みについて教えてください」という設問に対する内定者の回答事例集参考:キリンの面接過去問リスト27選三つ目は、今いる環境での姿勢を知るためです。確かに履歴書の「学歴」の項目でどれだけ勉強ができるかスクリーニングの判断材料にはなるでしょうが、学歴は高校までの学習の成果に過ぎません。大学受験から大卒の就職活動時期には3年程度のブランクがあることから、その間の学業での取り組みについて尋ねたいと思うのは自然な考えではないでしょうか。大学受検への「合格」を目標とし、入学後あまりに学業に疎かになってしまっているようでは、就職活動でも「内定」をゴールと考え肝心の入社後にモチベーション高く働いてくれないのではと採用側からしても疑わしく感じてしまうかもしれません。もちろん「就職活動とは何か」の記事にあるように、就職活動=職に就くための活動であるためこの姿勢自体は間違ってはいないのですが、採用側から見れば自分が属する環境で高いパフォーマンスを発揮できるかどうかは重要な見極めポイントと言えるでしょう。以下の記事にあるような「今の大学は第一志望の大学ですか?」という質問も、本意/不本意関わらず属することになったコミュニティーで成果を上げられているかを尋ねようという意図を考えると、この3つ目の要因と関連していると考えられるでしょう。参考:「スクリーニング基準」と「採用基準」の違い参考:「現在通っている大学は第一志望で入学した大学か?」という質問の意図以上の要因から、企業が文系学生に対して学業について尋ねるのにも一定の意図があるということが読み取られると思います。すなわち、学業について「将来どうせ役にたたないから意味ない」という姿勢で完全に切り捨ててしまうと就職活動の場ではやや苦しいと言うことができるでしょう。学業の就活での"活かし方”の考えを変えてみるさて、ここまで見ていても就職活動での学業の活かし方はまだ理解されていないかと思います。これについては”活かす”という言葉についての解釈によるものだと考えています。一般には、「大学で学んだ内容が仕事上の実務で直接的に活用される」ことが「活かされる」が表す意味とみなされているように感じています。しかし先述の通り、この意味での活かされ方はほとんどの文系学生にとって実現されません。ここでは学んだことの活かし方の考えを変えてみましょう。◎ツールとして活かす(例:プロダクトポートフォリオ)元々はBCGが生み出した分析手法である一方で、今では経営学やマーケティングの基本用語として知られているプロダクトポートフォリオ。経営・商学系統の学生ならば一度は学んだことがあると思います。企業の製品分析や意思決定プロセスに関わるツールではありますが、これを就職活動に当てはめてみましょう。参考:マーケティング用語集プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント「自分にはどんな仕事が向いているのか」の記事では複数業界に興味を持つうえでクライアント×商材の二軸でポートフォリオを組みましたが、他にもエントリーの段階で企業のレベル×志望度でポートフォリオを組むという使い方も考えられます。「受けたいところから受ける」のはエントリー戦略の基本の一つではありますが、例えば「5大商社しか受けない」といった姿勢は無内定のリスクを高める賢明な判断とは言えず、ポートフォリオを活用してエントリーする企業を整理しておくことは有効な手段であると考えています。そもそも一般的なポートフォリオの使われ方である金融の分野においては、リスクの分散化・投資リスクの軽減という意味で用いられることからこの点と親和性が高いと言えるでしょう。また、人事の側からしても採用基準を設けるうえでポートフォリオを活用している企業は一定数存在していると考えています。例えば「体育会の社風」と言われている企業であっても全員が全員体育会気質ということはほぼなく、ある程度多様性がある採用戦略を取っていることが特に日系企業の場合は一般です。金融業界が理系の人材を一定数採用していたり、リクルートの営業タイプ/企画タイプの方針はその典型と言えるかもしれません。東京海上日動・メガバンク社員が語る「金融業界が理系人材を欲しがる理由参考:営業タイプor企画タイプ!?リクルートの採用方針に見る企業が求める人材の変遷他にも、「弊社は今後市場・製品の2軸で既存/製品新規のそれぞれ計4領域のどこに注力すべきか」というテーマでGDが課されたことがあったのですが、このとき私は大学で学んだアンゾフの成長マトリックスを用いて議論を展開し高く評価されたことがありました。このように、学業は実務上活かす機会はほとんどない一方で、使い方によっては就職活動を進めるうえで有効なツールになることは認識しておくべきでしょう。◎説得力・再現性を高める形で活かす(例:”考え抜く”)こちらについては以下の記事を一読していただければと思います。参考:ESで「書くことがない」と感じる就活生必見!日常生活から就活で使える”ネタ”を類推するアプローチこの記事では「志望動機の説得力・自己PRの再現性を高めるうえでは経験・エピソードが必要だ」ということが複数述べられています。学業についても学生時代の経験である以上これの例外ではなく、説得力・再現性を高めるうえで活用すべきものであると考えています。例えば冒頭で示した阪大学部長は人文学が「直面した問題を『考え抜くきっかけ』となる」と述べていますが、これを「「考え抜くこと」で総合商社を勝ち取った普通の学生体験記ー思考の抽出化で道を切り開くー」の学生が用いたらどうでしょうか?コーヒーチェーン店のアルバイト経験からだけでなく、人文学で学んだ内容が思考の抽象化に結びついたと述べることで、多くの他の学生が用いないアプローチから格段に説得力を高められていると言えるのではないでしょうか。以上のように、学業を”活かす”とは何も実務上で直接的に活用されることだけを表すものではなく、ツールとしての活用・エピソードとしての活用という活かし方があるとまとめることができます。学業と就職活動の繋がりについて考えを深める意義これまでの内容で、学業が就職活動で多少なりとも活かされるものであるということは理解していただけたかと思います。では、両者を結びつけて就職活動を進めていくことにはどのような利点があるのでしょうか。筆者は先述した学業を就職活動で活かすということだけでなく、逆にそれが普段の学業にも活かされるという双方向の働きかけができるのではと考えています。理由1:単純に学業に関する設問に答えやすくなる企業が学業に関する質問を尋ねる理由の一つとして、専攻内容をわかりやすく説明できるかを通して地頭の良さを見ているということを先ほど述べました。自分で考えて学業の就職活動での活用法を生み出すということは、それだけ自分の中で噛み砕いた解釈ができていることが前提となります。それができていれば、あとは実際に他の人に伝えるというアウトプットの対策をするだけで選考の場でのわかりやすい説明に繋げることができます。ただ単に専攻内容の説明用として文章を準備しておくよりも、それをうまく活用できている状態にある方がそれを「自分のもの」として身になっており、よりレベルの高い段階にあると言うことができます。このレベルを高めることで、準備した文章を述べるその先にある深掘りへの対応力も同時に高まるのではと考えています。理由2:大学の勉強(ゼミなど)にも役立つこちらは逆に就職活動での活用が普段の学習に役立つという考え方です。「わかりやすく説明する」というのは何もESや面接の場での手段ではなく、普段の学習を進めていくうえでも重要でしょう。例えば普段のゼミ(ゼミ内)やインゼミ(ゼミ外)での発表の際にも、学術的な内容を聞き手に理解できるような説明をしていくことは重要なスキルだと思います。また、「人に理解してもらうようにする」というのは自分の中でそれ以上の理解があることが前提であることから、その学問における自分の中での理解を深める良いきっかけになるとも言うことができるでしょう。理由3:思考の一貫性をアピールできる個人的には、これが一番の利点ではないかと考えています。就職活動におけるエピソードとは何も大学時代の経験だけではなく、「自分の生い立ちを語ることで自己PRに説得力を持たせる方法」の記事にもあるように幼少期からの経験が全て該当します。多くの学生がエピソードとして用いるサークル・ゼミ・アルバイトといった経験の多くは大学時代に限定されたものである一方、学業は程度の差こそあれ小学校から大学まで学生生活と切っても切り離せない関係であったことから、幼少期からの一貫性を示すアプローチとして有効であると考えています。例えば私は大学で専攻していた統計学を「集計したデータの意味を探る学問」だと簡潔に説明したうえで、「なぜこのような相関が生じるのか」「なぜこの変数が重要な意味を持つのか」といった「なぜ」の追究が学問上の特性として重要であるという解釈を述べていました。一方自分は幼少期から両親を困らせてしまうぐらい「なんでー?なんでー?」と目の前の事象の背景を追究する人間であり、その姿勢は大学生になった今でも一貫して持っていることを示していました。例えば小学校から大学まで続けているスポーツの練習においても、「走る」という単純な動作において、「この練習にどのような意味があるのか」「なぜこの時期にこの練習をするのが効果的と言えるのか」といった「なぜ」を追求しており、この姿勢が大学での専攻内容や今の自分の価値観に結びついていると一気通貫の形で示しました。そしてこの姿勢は御社でも〜〜という形で活かされると考えており...と、志望動機や自己PRを補完するうえで学業をうまく活用し高く評価されていたように感じています。また、経営・商系統の分野では(少なくとも私の大学では)マーケティングや経営学が花形とされる中で、地味で人気が低いとも言える統計学を選択したことが、そういった他者からの評価に流されることなく自分がやりたいと考えたことを追求できる根拠の一つとして挙げていました。この姿勢を、特にリーディングカンパニーでない志望度低めの企業の同業比較に繋げ、知名度や就職難易度といったミーハーな基準から企業を選んでいるのではないというアピールから内定の確保へ結びつけました。このように、学業とは専攻内容を説明できるよう準備・暗記しておかなければというネガティブなものではなく、その使い方によっては説得力や再現性を高める良い手法になるとまとめることができるのではないでしょうか。また、学業と並行して先ほどの「ESで「書くことがない」と感じる就活生必見!日常生活から就活で使える”ネタ”を類推するアプローチ」の記事のように日常生活から補完していくアプローチも活用していくとより効果的と考えられるでしょう。確かにこじつけかもしれないが、こじつけは大切だこのような内容を書いていくと、「学業で述べたことなんてそれが実際に企業で役立つかはわからないし、そんなのただのこじつけだ」という意見が出てくるかもしれません。私自身正直この意見は正しく、自らが取ったアプローチをこじつけと言っても間違っていないと考えています。しかし、就職活動における理由付けは学業に限ることなくほとんどこじつけに過ぎないということは認識しておくべきでしょう。例えばテニスサークルで周囲を巻き込んだ提案をしてリーダーシップを発揮したとしても、それが実際のビジネスの場で役に立つかどうかは採用側も学生本人ですらもわかりません。でもそれで評価を得ていくのが就職活動なのです。先ほどの「「考え抜くこと」で総合商社を勝ち取った普通の学生体験記ー思考の抽出化で道を切り開くー」の学生が述べていた「一般的な体験から、考えや概念を抽出して、他に応用する」ことを意味する「思考の抽象化」も言ってしまえば「こじつけ力」であり、その水準の高さから総合商社から内定を得た良い例であると考えています。そしてこのこじつけ力は、それが評価される以上、就職活動に限らずビジネスの場でも応用が効くものでは、と推測できるのではないでしょうか。最後に大学受験までは、「勉学に励む=志望大学への合格のため」という形で努力がダイレクトに重要な成果に繋がったことでしょう。一方、大学生活では真面目に勉強するのはナンセンスであり、サークルや飲み会で遊び呆けていた方が就職活動でも有利になるというような風潮があるように感じています。近代の著名な心理学者アドラーは以下のような言葉を残しました。「何が与えられたかではない、それをどう使うかだ」どんなことでも、「意味ない」として片付けてしまえばそれまでであり、アドラーのようにそれを「どう活かすか」という点について焦点をおき思考を深めていくことも大切なのではと考えています。「学業」は学生の本分とも言われます。その「学業」について、本記事を通して皆さんの捉え方や就職活動における活かし方について思考を深めるきっかけとなれば幸いです。photobyWorldLiteratureToday 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「どんな環境で働きたいか」評価される志望動機の作り方 「どんな環境で働きたいか」評価される志望動機の作り方 こんにちは、16卒の慶應生です。最近、「内定者訪問」という形で17卒の学生のESを見たり、就活の相談を乗る機会が多くあります。学生時代頑張ったことは、ある程度の学生が自信を持って話せるようになっているような印象を受けますが、志望動機はやはりまだ洗練されていないように感じています。「今の会社に入社を決めた決め手ってなんですか?」「就職活動の時の軸ってなんでしたか?」というように、聞く学生も多く、私自身も志望動機というのは非常に作るのに苦戦していた記憶があります。その中で、「優秀な人がいる環境で成長したい」と話す学生は一定数いるのではないかと思います。しかしながら、これは個人的な見解ですが、内定する志望動機にならないのではないかと思います。それは「志望動機とは自分自身が会社に入って貢献できるのか」ということを話すべきものだと考えているからです。本日は、・そもそもの志望動機とはなにかの確認・なぜ「優秀な人がいる環境で成長したい」と考える学生がこんなにも一定数いるのか・どういった視点で志望動機を作っていけばいいのか、ということについて書ければと思います。ぜひとも、これから志望動機を作る人は参考にしていただければと思います。◆そもそも志望動機とは?引用:こんな志望動機は嫌われる?評価されない志望動機の実例上記記事を参考に、そもそも志望動機というものについて考えてみましょう。先にも述べましたが、志望動機とは、「学生が自分たちの会社に来てモチベーション、パフォーマンス高く働くことができるのか」ということを見ているように感じます。会社とは、社会に必要とされている事業を継続させることで利益を上げることが重要であり、学生もその素養があるのか、ということが見られているのではないでしょうか。「優秀な人がいる環境」というのは結局会社が「与えてくれる」ものなのです。よく、「志望動機で給料や福利厚生についての話はNG」と言われていますが、これも会社が「与えてくれる」ものであり、だからこそ志望動機として評価されないものなのだと思います。◆なぜこのような志望動機をいう学生が多いのか一歩引いて考えれば、上記で書いたように、「成長できる環境」というのが「会社が与えてくれるもの」というのはすぐにわかるように思います。では、なぜこのような志望動機が蔓延しているのでしょうか?私は2つの理由があると思います。①実際に内定している人がいるからこれはまず1つだと思います。ただし、これだけで内定している学生はいないでしょう。「自分自身のこういった夢・目標をかなえるために、成長した環境でありたい」という風に言っている学生が多いと思います。また、こういった学生は学生時代頑張ったことや自己PRで、入社後の活躍を想像させている場合が多く、だからこそ、「ぜひこの学生を取りたい!」と思われているような印象もあります。②内定後、会社を選ぶ時にこう言った軸で選んでいるからこの場合も多いように感じます。入社した決め手を聞いたときに、「最後は人だよ」と言っている内定者や社会人の方に多くあっている学生も多いのではないでしょうか。私自身も複数社内定を頂いて、就職活動時に掲げていた3つの軸に照らし合わせたところ、最終的には2社に絞ることができました。しかしながら、2社にしぼった上で最終的な決め手は、「社員の性質」というものを決め手にしました。もちろん、面接等では話さなかった給料や福利厚生、勤務地も諸々考えて選びました。OB訪問等をしていると「人で決めたよ」という風に仰る方が多くいるように思います。それをうのみにして「人」という軸を掲げるのはお門違いのように思います。もちろん、「自分自身はこの会社で絶対活躍できる!」と断言できて、それを証明できるような学生であればよいですが、基本的には学生の多くは横並びかと思いますので、自分が会社の方向性にマッチしていて活躍できる!ということを証明したほうが建設的かと思います。あくまで、「人」というのは「内定後」ということを頭においていただければよいのではないでしょうか?◆どういった視点で志望動機を作っていけばいいのか引用:志望動機は3つの要素に分けて考えるとわかりやすい私自身はこのエントリーの考え方をもとに志望動機を作成していました。具体的には・being:仕事を通して自分がどうありたいのか・giving:結果としてどういったインパクトを社会に与えたいのかの2点に分けて考えるとよいかと思います。自分自身が仕事をする中で、与える価値は何なのか、そしてその価値は自分のどのような人間性や強みを通して達成し、最終的にどのような人間になりたいのか、ということを語るのです。それを叶えるうえで優秀な人がいる環境、というのも1つの志望動機になるとは思います。しかしながら、「優秀」というのも非常にあいまいな言葉であることは確かです。例えば「論理的思考力がすごい集団なのか」、「話すのがうまい集団のか」、「分析能力が卓越している集団なのか」、「抜群に人の懐に入るのがうまい集団なのか」、人によって優秀という定義は全く違うのではないでしょうか。自分自身の将来ありたい像や、叶えたい未来と照らし合わせて、その上で、どのような環境にいたらいいのか、ということを自分なりの言葉にしていただければと思います。◆最後にいかがでしたでしょうか。特に多くの就活性が「優秀な人が多い環境がいい」と言って、総合商社や広告、不動産等の人気企業を志望しているように思います。しかしながら、志望動機ではまず自分自身が、その環境にふさわしい人間であることを証明しなければならないのです。私も含め、残念ながら多くの就活生は企業がどうしてもほしいと思われるようなすさまじいポテンシャルを証明できる優秀な学生ということはないのではないのでしょうか。「優秀な人が多い環境」に身を置きたいことはある意味、当たり前のことです。自分自身で「優秀とはなにか」ということをしっかりと定義した上で、その環境でどうなりたいのか、そしてどんなインパクトを社会に与えたいのか、ということを考え、内定を取ったうえで「人」で選んでいただければと思います。photobyVic 33,789 views
総合商社の配属リスクと総合商社におけるタテヨコ議論 総合商社の配属リスクと総合商社におけるタテヨコ議論 総合商社には「配属リスク」があるという話は聞いたことがあるかもしれません。「ラーメンからミサイルまで」というキャッチフレーズは総合商社を志望する人は一度が聞いたことがあるのではないでしょうか。商材の範囲の広さを表現したものですが、確かに幅広い商材を扱っておりそれがゆえに総合商社の事業内容を理解するのが難しいと感じている就活生の方も多いかと思います。一方で、事業内容の幅広さに惹かれて総合商社志望しようと思ったら、「総合商社は一度配属された部門で過ごすことが多いため、配属リスクが高いよ」といったOBの言葉に迷ってしまうなんて方もいるでしょう。今回は総合商社における配属リスクについてと、総合商社の内部でたびたび議論されている人材育成の「タテヨコ議論」について紹介しようと思います。総合商社では一度配属された部門から異動できない?総合商社の背番号制について多くの総合商社においては、「背番号制」という一度配属された部門が自分自身の背番号となり、食糧部門に配属されたら例外がない限りずっと食糧部門で会社人生を進んでいくことになります。社内公募により、手をあげて他の部署に進むことも出来なくはないのですが、数としてはかなり少数です。そのため、例年、ファッション関連の部署に行きたかったのに食糧部門に配属された、エネルギー関連の部署に行きたかったのに総本社の経理部に配属されたと涙する新入社員が一定数出ることになります。こういった配属リスクや背番号制を知らないまま、総合商社は様々な商材を扱っているから様々なビジネスに関われるのだろうと勘違いをして志望動機を構成してしまう就活生がかなり多く存在しています。総合商社は中小企業の寄せ集め!?出世も異動も部門の中で行われる総合商社というと大企業だと多くの人が思っていますが、中で働いてみると、大企業であることは間違いないものの、中小企業の寄せ集めであると感じる人が多いように思います。総合商社の一つの部門に所属する社員数は実はそこまで多くなく200名~500名程度です。部門の中でも部が明確に分かれており、部の間の異動も少ない場合は、100人ぐらいの部で、出世も異動も行われるため、一緒に働く人のことがかなりよくわかる環境であると言えます。銀行などの金融機関の営業職になると、全国にある支店への転勤や本社営業部などへの異動もありえるため、かなり幅広い人と関わることがわかるかと思います。総合商社はこのように中小企業の寄せ集め的な側面があるため、部署ごとにかなり雰囲気やライフスタイルが異なります。毎日のように接待、飲み会があるような部署もあれば、飲み会だけではなく業務によって夜遅くまで残る部署もあれば、仕事は時間内にさっと終わらせてワークライフバランスを重視するような部署も存在しています。働き方という観点からも総合商社には配属リスクがひそんでいると言えるかもしれません。総合商社におけるタテヨコ議論とはこのように総合商社では背番号制という一つの部門にずっと縛られる人材制度となっていますが、一方でせっかく様々な事業を展開しているのだからその特性を活かして様々な事業に精通した人材を育成すべきではないかという意見が総合商社の中でも起きたりします。人材をヨコ(様々な事業領域)に広く経験させることで後半な知識を持った人材を育てた方が様々な事業に投資を行う総合商社にとってよいのではないかという意見です。このヨコの意見に対して、総合商社が相手にするのは食糧部門であれば食品メーカーに20年勤めたその道のプロフェッショナルであり、その道のプロに対して説得力のある意見や提案を行うことを考えると、一つの部門(タテ)の中でその事業についての知見を深めなければ太刀打ちできないというタテの意見も存在します。どちらの意見も説得力がある程度あり、どちらの意見が正しいとは言えないという状況で、総合商社の中にいる人でも意見は割れており、三井物産はどちらかというとヨコの意見に傾いており、人材のローテーションを実施しようと考えているようです。ヨコの意見も広がりながらも、まだタテの育成が総合商社の中では主流なことを考えると、その事業領域のプロフェッショナルを育てることが、投資の際の目利きや事業育成には重要なのかもしれません。もちろん5年後、10年後には総合商社において様々な事業を経験させるヨコの育成が主流になることは否定できないでしょう。最後に総合商社を志望している就活生の方は、早めに「総合商社だから何でもできる」という勘違いから脱してほしいと思います。そして上記のようなリスクがありながらも、なぜ総合商社を志望するのかを考えることができると、配属リスクあるけどそれでも総合商社に入りたいの?といった総合商社の面接で頻出の質問にも答えやすくなるでしょう。総合商社のブランドや現在の人気だけでなく、悪い点やデメリットにも目を向けた上で志望してほしいと思います。【参考】三井物産内定者のES回答「志望理由」『日本の強みを活かし、日本・世界を豊かにすること』が私の夢です。この想いはこれまで40カ国訪れた海外経験が起因しています。訪れた先々で自分が日本人である事を誇りに思い、日本・世界の豊かさに貢献したいと思いました。日本・世界を豊かにすること、内需と外需の両方に携わり、かつその規模が大きい総合商社を志望しています。その中でもOB訪問を通じて感じた仕事への強い責任感と誇りに共感し、貴社を志望しています。【参考】丸紅内定者のES回答「丸紅での仕事を通じて成し遂げたい夢(300文字以内)」将来日本を始め、世界中の豊かさに繋がるような新規ビジネスを創出することが私の夢です。特に食料事業等、消費者より近い分野に興味があります。大学のアメフト部では、其々異なる体格やスキルを持った選手達を巻き込んで新たなプレイを考案してきました。その経験から得た、1)周りを巻き込む力、2)提案し実行する力を生かし、総合商社において幅広い分野の企業や人をつなぎ合わせ、時代のニーズに合わせた新たな価値を社会に提供し、夢の実現に挑戦しようと考えます。非資源分野において攻めの姿勢を持ち、さらに若手から大きな裁量を持ち仕事に取り組めると感じた出来た貴社で、永く会社の柱となる事業を生み出したいと考えます。【参考】総合商社内定者のES回答「あなたが仕事を通して成し遂げたい目標は何ですか。今までの経験やご自身の考えをふまえて、そのように考える理由と併せて教えてください。(250文字以内)」日本の優れた技術やモノを海外に発信することで「強い日本」を取り戻したい。外交官である父が日本の魅力を伝えるのを見て海外で育ち、日本を人一倍意識してきたことから、今日の日本が悲観されている現状に強く悔しさを感じている。そしてIMF世銀総会ボランティアでの企業の最先端技術の紹介を通じ、日本が依然世界に通用することを交わした幾度もの握手から実感することができた。時代の変化に柔軟に対応し、新たなビジネスの場を創出し続ける総合商社において、低迷する日本企業が世界で活躍できるような仕組みづくりに携わりたい。【参考】三菱商事内定者のES回答「あなたが三菱商事で挑戦したいこと、実現したい夢について教えてください。その際、特に興味のある分野や職種があれば、具体的に触れて頂いても構いません。(全角250文字以内)」世界中の仲間を巻き込み新たな価値を創造すること、これが貴社で実現したい夢です。中でも水インフラ事業に携わり、途上国の生活基盤を支えたいと考えます。幼少期の11年をフィリピンで過ごし、日本とフィリピンを比較する中で、水インフラこそが国の経済状況や人々の生活基盤を支える役割を果たす事を強く痛感しております。豊富な経験と実績を持ち、今後インフラ事業に注力をする貴社だからこそ、幅広い事業に挑戦する環境が整っていると考えます。水需要が高まる途上国へ新たな価値を創造し、大きな達成感を味わいたいと考えます。(249文字)総合商社の業界・企業研究に役立つunistyleの記事 50,193 views

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