花王の志望動機対策|事業内容の理解なくしてES通過なし
22,626 views
最終更新日:2023年09月22日
花王といえば、アタック、リセッシュ、メリット、ビオレなど、私達の日常生活に深く関わる製品を数多く製造している生活消費財メーカーであり、資生堂と並ぶ大手企業です。
今回は、そんな花王について事業内容に照らし合わせながら考えていきましょう。
花王に関してはunustyle内に他にも記事がありますので、こちらも参考にしてみて下さい。
→花王のES設問への回答方針を詳細に解説しています。
花王のビジネスモデル
花王は、「消費者と顧客の立場にたった“よきモノづくり”で、世界の人々の豊かな生活文化の実現に貢献」というスローガンを創業当初から今日まで基本理念として事業を展開してきました。
このスローガンにもあるとおりメーカーは常に相手の視点で事業を展開するのが基本です。そんな中で花王は世界各地にグループ会社を広く展開しているグローバル志向が非常に高い企業です。
日本で誕生し世界各国で愛用されている「Bioré」の様な商品もあれば欧米地域で人気「Jergens」など特定の地域で親しまれている商品もあり、国や地域に合わせた商品開発が展開されています。
このような各方面でのマーケティングの経験をグループ全体に反映し、全体としての成長も果たしています。
化粧品事業「ソフィーナ」の改革、海外展開を開始
台湾と香港で、「SOFINA iP」新発売 ・「ソフィーナ ボーテ」基本ケアシリーズ刷新
花王株式会社(社長・澤田道隆)は、日本国内で2015年に誕生した「SOFINA iP(ソフィーナ iP)」と、2016年に全面刷新した「ソフィーナ ボーテ」の基本ケアシリーズを、2017年3月より台湾と香港で順次発売します。
また、台湾では、百貨店「統一時代百貨」台北店のソフィーナカウンター内に、先端の肌解析技術によるきめ細かいカウンセリング(お手入れのアドバイス等)を行なうコーナーを3月10日にオープンします。
花王グループは、消費者の意識や競争構造などの変化が激しい化粧品市場で「ソフィーナ」ブランドの独自性を確立するために、2015年11月以降、化粧品事業の抜本的な革新を進めています。海外においても、このたびの台湾と香港での取り組みを皮切りに、積極的に「ソフィーナ」の改革を進めてまいります。
【取り組みの背景とねらい】
「ソフィーナ」は1982年に日本で誕生し、海外では、台湾(1985年~)、香港(1985年~)、中国大陸(2004年~)で販売しており、花王独自の皮ふ科学研究に裏付けられた革新的な製品や、新しい化粧習慣を提案するブランドとして各市場で成長を続けてまいりました。また、2017年からスタートした4カ年の中期経営計画「K20」の成長戦略のなかで、“化粧品事業を成長の柱にすること”と、“アジアコンシューマープロダクツ事業の拡大と利益率アップ”を挙げています。
2015年11月の「SOFINA iP」の発売から開始した「ソフィーナ」の改革は、「研究」「商品」「コミュニケーション」の3つの視点で取り組んでいます。花王は、「研究」と「商品」の革新の柱として開発した「SOFINA iP」と、「ソフィーナ ボーテ」の基本ケアシリーズの発売を皮切りに、台湾と香港においても新しい化粧習慣(『SOFINA iP 土台美容液』と、「ソフィーナ」の化粧水・乳液の3ステップ)を提案してまいります。
「コミュニケーション」の革新では、ブランドや商品に対するより深い理解へ導くため、マスコミュニケーションだけでなく、直接的で体験的なコミュニケーションにも積極的に取り組んでいます。今年3月10日に台湾の百貨店「統一時代百貨」台北店のソフィーナカウンター内でオープンするコーナーでは、先端の肌解析技術を通じた、お客さま一人ひとりの肌との対話によって、深いブランド理解へ導くことをめざします。
花王はこれからも、消費者ニーズに応えた革新的な製品やサービスの提供を通じて、世界の人々の“豊かな生活文化の実現”に貢献してまいります。
参考:花王ニュースリリース「化粧品事業「ソフィーナ」の改革、海外展開を開始台湾と香港で、「SOFINA iP」新発売 ・「ソフィーナ ボーテ」基本ケアシリーズ刷新」
上記の記事は、花王の人気商品「ソフィーナ」の新商品の海外展開に関するものです。
今回は、台湾や香港での販売開始に関するものです。この地域では既に「ソフィーナ」は発売されています。
ですが、この商品の発売は日本では2015年と2017年で時間差があります。日本での売れ行きや人気を考慮して、海外での販売開始に至っています。ある国で開発した商品を海外で販売する際には、現地の社員との連携が重要です。
特に新たな地域に市場を拡大するには特に、製造や物流など各分野との関係構築が必要になります。そのためにも花王では、世界各地のマーケティングや販売を共有するということの積み重ねが、今日の花王のグローバルな発展の要因の一つと言えるでしょう。
以上のことに基づいて花王の志望動機を考えると、
・価値観やスキルの異なるメンバーと一つの目標を実現したい
・相手のニーズを把握し、自らの提案で解決する仕事がしたい
といった志望動機が適当だと考えられるでしょう。
花王のES通過者の志望動機解説
以下では、実際に花王のエントリーシート選考を通過した人の志望動機について見ていきましょう。
花王の志望動機系の設問では、数ある企業の中でなぜ花王を選んだのか明記せよ、という旨の指示がなされています。このことは「内定レベルの志望動機が10分で書けるフレームワーク」の⑥業界の中でも〜(その企業の内容)にもあるので、こちらも参考にしながら御覧ください。
清潔さを通して人の心身共に安らぎをもたらす日用品に魅力を感じ日用品業界を志望します。特に貴社の「頑固であり、頑固でない」性格に魅力を感じ志望します。
これは①終戦後、他社が従来通りの石鹸製造設備の普及を急ぐ中、唯一合成洗剤の製造という新時代への挑戦を行った事②変化が目まぐるしいグローバル化に対応していく為、強いこだわりであった「自前主義」との決別を発表された事から強く感じました。
つまり貴社は、創業者長瀬富郎様から引き継がれる「世界で勝つ!」という頑固な信念を持ちながらも、それを実現する為にはまるで頑固にならず、こだわりと決別する企業という事であり、ここに真の男気を見出し、強く志望させて頂きます。
参考:【内定】エントリーシート(営業部門)
このESでは、ただ単に花王を志望する理由だけを書くのではなく、花王が日用品業界において他の企業とどのように違うかが述べられています。このことは「内定レベルの志望動機が10分で書けるフレームワーク」の「⑥業界の中でも志望企業の理由」を踏まえて上手く書かれています。
理由としている二つの事例は時間的な隔たりが大きいものを挙げています。ですが、そこから企業が一貫していることを読み取り、自身の志望動機に繋げられています。
もう一つ、実際の志望動機について見てみましょう。
私は『人々の役に立つ』仕事をしたいと考えています。御社は化学メーカーであり、代表商品である洗剤やトイレタリー用品、化粧品、食品を製造しているということで、幅広いラインナップを持っており、消費者の方に様々な形で生活に役に立つ商品を提供出来ている会社であるということで志望しました。
また、『ブランド力』が高いということを魅力に感じました。ブランド力があるということはそれだけ企業としての社会的信用も高く、営業から研究まであらゆる分野で高い倫理意識が必要となり、ひいては信用力の高い商品が生まれ、結果的に消費者に役に立つことができると思いました。
参考:【内定】エントリーシート(総合職)
このESでは、花王のブランド力について言及しています。
少し弱いですが、これが業界内での花王の特徴の部分です。しかし、この内定者はそのブランド力が有るからこその責任が大きいことにまで繋げています。また、人の役に立つ仕事と言うのは相手のニーズを把握して商品を開発するうえで必要な意識です。
ブランドがあるからこそ、気をつけなければいけない点がしっかりと述べられており、会社に入ってから、大切なことが既に理解できているということもアピールできています。
最後に
いかがでしたでしょうか。
日常消費財等のメーカーにおいては、「相手のニーズを把握し、自らの提案で解決する仕事がしたい」という軸は基本理念でありESでは必ず抑えるべき点です。花王の場合は積極的なグローバル戦略やそのための系列企業との関わりの大切さなどと自身の志望理由を関連付けて書けると良いでしょう。
photo by Martin Thomas