未来から逆算したキャリアを描け!新しい時代の就活とは。

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最終更新日:2023年09月28日

未来から逆算したキャリアを描け!新しい時代の就活とは。
本記事はパーソルキャリアのPR記事になります。

「あなたは2050年、どんな人間になっていますか?」

30年先の未来では、多くの物事が変わっているでしょう。

急激に変化する時代の流れの中では、未来の変化を捉えてキャリアを構築しなければなりません。

今回は、そのような時代を背景に「あるべき就活の姿」について、パーソルホールディングス株式会社にて新卒採用統括責任者や、パーソルキャリア株式会社にてはたらクリエイティブディレクターとして若者のはたらくに対するワクワクや期待を作り出す活動をする佐藤 裕さんに、お話を聞きました。

これまで15万人以上の学生と接点を持ち、年間200本の講演・講義を実施。現在の活動はアジア各国での外国人学生の日本就職支援にまで広がり、文部科学省の留学支援プログラム「CAMPUS Asia Program」の外部評価委員に選出され、グローバルでも多くの活動を行っている。

また、パーソルキャリア株式会社では若者にはたらくの本質や楽しさを伝えるエバンジェリスト、パーソルホールディングス株式会社ではグループ新卒採用統括責任者、株式会社ベネッセi-キャリア特任研究員、株式会社パーソル総合研究所客員研究員、関西学院大学フェロー、デジタルハリウッド大学の非常勤講師としての肩書きや、2019年3月にはハーバート大学で特別講師として講演を実施した経験を持つ。
 

2020年1月に自身初の著書『新しい就活 自己分析はやめる! 15万人にキャリア指導してきたプロが伝授する内定獲得メソッド』を河出新社より刊行。


◆佐藤裕さんのTwitterはこちらから
パーソルホールディングス株式会社HP

データから読み解く日本の就活事情

新入社員の8割が持つリアリティ・ショックとは

若年層向けキャリア教育支援プロジェクト「CAMP」とパーソル総合研究所が合同で行った調査では、入社後にリアリティ・ショックを感じた社会人は約8割いるというデータがあります。

長い人では約2年という期間を就活に費やしているのにも関わらず、このような事実になってしまっていることに就活生はまず注目してほしいと思っています。

リアリティ・ショックとは
アメリカの組織心理学者のEC・ヒューズによって提唱された概念で、「理想と現実の違いに衝撃を受けること」と定義されている。

リアリティ・ショックの中身は、仕事内容福利厚生やり甲斐職場環境など多岐に渡り、入社前に想像していたことと入社してから実感することに生じるギャップです。しかしそのどれもが、早い段階で気づける内容のものばかりです。

これは、企業が嘘をついているということではありません。就活生にとってそう見えてしまっているということなんです。

リアリティ・ショックを感じると、隣の芝が青く見えていまい、少しずつ入社前に抱いてた気持ちが変わっていきます。そうなると、早期離職などを引き起こすリスクとなってしまいます。

3年で3割が離職してまっている実態

新卒で入社した人が、3年以内に全体の約3割が離職してしまっている現状をご存知でしょうか。

この結果は、前述したリアリティ・ショックと価値観のコンフリクトによって引き起こされていると考えています。

価値観のコンフリクトとは、自己分析で確立した過去の価値観と社会に出て新たに生まれた価値観とのコンフリクトを指します。

自己分析によって確立した価値観や考え方などで未来を決めてしまう就活生も多いです。例えば、人が好きだから人材業界を志望する就活生などが該当します。

しかし、社会に出ると価値観は当然変わるものです。価値観が変わった結果、昔の価値観とぶつかってしまうことになります。

これらの価値観のコンフリクトとリアリティ・ショックによって、新卒社員が3年以内に35%が辞めていくという結果に繋がっていると私は考えています。

そして、この離職率は30年程変わっていません。

社会人の4割が自分の就活に後悔

このような背景の中で就活をしているので、「CAMP」が行った調査で10年目までの社会人の約4割が自分の就活に後悔しているというデータもあります。

そもそもの就活を間違えてしまっているので、転職してリスタートを切ったとしてもジョブホッパーになってしまったり、うまく転職先を見つけられなかったりする人なども出てきます。

その結果、10年経って30歳を超えても、社会人の約40%が「もっと10年後を見据えて就活をすれば良かった」「実際に働いてる人の話をちゃんと聞かなかった」といったように後悔することになります。これも異常な数値です。

この事実を、学生に自分ごととして捉えて欲しい。

10年経っても、学生時代の就活を後悔している人がいるということを自分ごととして捉えて、今の就活は何か違うな、ということに気づいて欲しいと思っています。

日本ではたらくを楽しめている人口は、たった6%

就活に後悔していることに起因していると私は考えているのですが、日本で熱意を持って働くことができている、つまりは働くことを楽しめているのはたったの6%というデータがあり、これは139ヶ国中132位と、世界的に見ても非常に低い水準です。

まずこの事実を就活生に知ってほしいと思っています。

はたらく前に、学生たちは就活などで社会人から「社会は楽しいぞ」というインプットされます。

しかし実際は、94%は働くことに意欲がないと感じている国なのです。

だから私は、学生に対して「朝のラッシュの電車に乗ってみなさい」と言っています。朝からワクワクしてる人はほとんど見かけることがありません、みんな下を向いています。

このような数値としての事実をしっかりと認識することが重要だと思っています。

未来志向の人材が求められる〜未来から逆算したキャリアプラン〜

このような日本の就活の現状を引き起こしたのは、間違った自己分析や面接のテクニックなどに重きを置き、内定をゴールとした従来のマニュアル通りともいえる古い就活です。

この現状を打破するために必要なのが、新しい就活であり、未来志向のキャリアプランです。

未来志向のキャリアプランとは

未来志向のキャリアプランとは、未来の情報から逆算して意思決定することです。

例えば1つ質問をします。あなたがもし、

「来月からロシアに行って来い」

と政府から断ることのできない命令を受けたらどうしますか。少し考えてみてください。

多くの人はロシア語を学ぼうとすると思います。未来志向のキャリアとはそういうことです。

このような命令を受けると、具体的に未来を想像します。想像した未来から逆算して考え、言語を学ぶという選択しました。

このように、今やりたいことや変わりやすいものを軸に就活をするのでなはく、未来志向で必要となるスキルや経験を逆算し何を身に付けるべきか明確にすること。

未来の情報から逆算して意思決定することが、未来志向を元にキャリアプランを設計するということです。

実際に、シリコンバレーの学生で、今必死に機械学習を学んでいる人もいます。これは未来においては機械学習に関する知識がないと取り残されるという危機感を持っているためです。つまりは、未来志向でキャリアを考えているということです。

このような未来志向のキャリアプランこそが新しい就活の考え方です。

"わからない"ことを認識しよう

就活をする上では、偏見などを無くしたゼロポジションにいることが、リアリティ・ショックを無くすためにも重要です。

例えば、よく学生に 「ガイアナ共和国って知ってますか?そこで日常生活をすることを頭の中で思い浮かべてください」 という質問しているのですが、少し考えてみてください。

実は、想像したところで結局のところわかりません。

これが正しい位置だと思っており、ゼロポジションにいるということです。

20年間ほど生きていると、国名や国旗などからなんとなく、アフリカ圏で、黒人がいて、市場があって、と想像すると思うのですが、結局のところはよくわからないに落ち着くことになると思います。

学生にとって、行ったことがなくて情報がないという意味では、ガイアナ共和国と社会は同じです。

それにも関わらず就活生は、社会はこうであると想像やイメージなどから決めつけてしまっています。その怖さを知ることはとても大切です。

つまり、「社会のことはわからないんだよ」と認めること、「ゼロポジションからスタートして、想像やイメージなどに惑わされないようにしよう」と伝えています。

人生の分岐点を学べ

新しい就活を始める就活生に準備運動として強くお勧めしているのが、人生の分岐点を勉強するということです。

これは「何かを成し遂げてきた人や、社会で活躍している人が、どうように今の人生を切り拓いてきたのか」に着目するということです。

現に、多くの就活生が陥る罠として、「即席の興味関心」によって受ける業界や企業を決めてしまうことがあります。

このような考え方は、リアリティ・ショックや早期離職に繋がる恐れがあります。 そこで、社会人、著名人などで、人生で幸せになっている人に、人生の分岐点を聞くことが有効です。

ここで言う分岐点とは3つしかなく、「出会い」「言葉」「きっかけ」だけです。 たまたま誰かが言われたことに強く共感して、それが人生の分岐点になることもあります。

しかし、人生の分岐点を意識していない人であれば、その言葉を聞き逃してしまう。 そういう意味でも人生の分岐点を学んで、そのチャンスを掴むことが大切です。

就活生へのメッセージ

就活にモチベーションなんて関係ない

「やりたいことから仕事を見つけるのではなく、未来から逆算してキャリアプランを考えるとモチベーションが沸かなくないですか?」という質問を頂きます。

これに関しては2つの回答があります。

1つ目は目線を変えることです。

就活をしているとどうしても周りの目が気になってしまうことがあると思います。「有名な会社なのか」とか、「大手なのか」「貰える給与が多いかどうか」などこれらは重要な要素と感じることは確かです。

でも、これが最優先されることではないですし、入社した時に持つ名刺によってモテるかどうかが大切なのではありません。

そうではなくて、25・26歳を1つのマイルストーンとして置くことが大切です。

今の世の中、20代中頃で経験やキャリアに差がついてしまいます。今までは3年間は修行の期間でした。今は1年で仕事の素地が作れて、後は自走して他の人とは違う経験を積むこともできるので、お金や地位、キャリアなども25・26歳で差が出てしまいます。

この点を考えると、新卒で入社してからの3年間は大きな勝負のポイントです。入社3年後をマイルストーンとして、自分の楽しみとしておくこと。その差で人生が変わるということを就活生には伝えたいですね。

これを知ることで、就活に対する意識も変わります。

また、2つ目は少し厳しく言うと「就活にモチベーションなんかいらない」ということです。

そもそも、私は仕事にモチベーションなんてありません。モチベーションはあるから下がると思っています。なかったらそもそも上げ下げなどないでしょう。

例えば、プロ野球選手が家で奥さんと喧嘩したから試合で打てません、なんてことはないですよね。要はプロとして絶対にやるべきことは当たり前にやるということです。

就活とは、人生を生きていく上で、次のステップに進めるために必要となるものです。なので、モチベーションに左右されて活動するのでは時間がもったいないと思っています。加えて、モチベーションが下がった状態が続いていると、自分の人生を削っているだけなので、それを理解してほしいです。

就活は、自分のためでもありますし、私は本気でやらなくて後悔する若者を沢山見てきているので、本当に25・26歳を1つのマイルストーンとしたときに、そのために今何ができるかを就活生には考えて欲しいと思っています。

受験勉強をやってきた人にはこの感覚が分かるでしょう。 どこに目標をおいてどこまで頑張れるかという点では、就活と受験勉強は同じな気がします。

"好き"の因数分解をしよう

講演などで就活生に最近やってもらうのが"好きの因数分解"です。

これは、古い就活は間違いであるということに気づいてもらうためのワークです。

例えば、スポーツが好きだとします。

まず、「スポーツが好きならどんな仕事に結びつくかな」と考えてもらいます。

そうするとスポーツメーカーなどが出てきます。

次に、「ここでスポーツが好きってことを因数分解してみよう」と投げかけます。

そうするとスポーツが好きなこと自体にあまり重きは置いていなくて、実はその中にある、チームみんなで活動するプロセスに魅力を感じる、目標を達成することが楽しい、ということがわかってきます。

最後に、「この因数分解をしたものはスポーツメーカーに当てはまりますか?」と質問すると、当てはまらないということが多くあります。

ここでようやくスポーツが好き=スポーツメーカーに就活じゃないんだ、と気づくことができます。

では、この因数分解のポイントがどのような業界に結びつくかと考えると、就活生はわからないというのが大半だと思います。

ここで初めて、自分の興味なかった分野や業界を調べ始めます。

固定概念を崩し興味の範囲を広げるという意味で、好きを因数分解する、というワークをやってもらっています。

就活成功のカギは古い就活からのシフトチェンジ

古い就活は、数字上間違いであることがわかったと思います。

そこで重要なのが未来志向です。また、未来がどう変わるのかを理解し、新しい就活へのシフトチェンジすることも大切です。

令和という時代に突入し、これからは「いかに自分らしいキャリアを形成し、キャリアを生き続けることができるか」ということがますます強まっていきます。

ぜひ「自分らしくはたらく」ということを意識した「新しい就活」を心がけてください。

SNSで直接、ご相談にも乗っているので、迷っている就活生がいたら気軽にこちらからご相談ください。

最後に

今回は、「あるべき就活の姿」ついて、パーソルホールディングス株式会社にて新卒採用の責任者を務め、パーソルキャリア株式会社でもはたらクリエイティブディレクターとして活動をする佐藤 裕さんに、お話をお聞きしました。

「新しい就活」における自己分析やESの書き方、面接必勝法などをさらに詳しく知りたい方は以下佐藤 裕さんの著書『新しい就活 自己分析はやめる! 15万人にキャリア指導してきたプロが伝授する内定獲得メソッド』を参考にしてみてください。



目次
はじめに 就活を“やめる”ことから始めよう!―従来の就活に潜む落とし穴
1 古い就活がもたらす未来―データで読み解く内定後の末路
2 古い就活から新しい就活へのシフトチェンジ
3 新しい就活の面接必勝法
4 新しい就活に必要な「未来志向」
5 これからの時代にあったキャリアデザイン
6 新しい就活の基本攻略Q&A
おわりに 就活の成功は「自分らしくはたらく」。それが人生の成功へと繋がる!


 

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自動車の未来、4つの論点。三井物産が欧州EV事業に参入【unistyle業界ニュース】 自動車の未来、4つの論点。三井物産が欧州EV事業に参入【unistyle業界ニュース】 2017年10月26日。三井物産はダイムラー(DaimlerAG)と提携のうえ、ヨーロッパでEV(電気自動車)向け充電・電力事業を展開するベンチャー企業、TheMobilityHouseAG社への出資参画をアナウンスしました。参考:三井物産、ドイツのEV関連VBに出資(日本経済新聞)参考:電気自動車(EV)を利用した電力サービスの事業化に向け、独・TheMobilityHouse社に出資参画(三井物産・プレスリリース)TheMobilityHouseAGはドイツに本拠をおき、ヨーロッパ市場向けにEV向けスマート充電ソリューションを提供するベンチャー企業です。環境問題への懸念から世界的にEV移行が期待されていることを受けて、EV充電システムの開発・供給を手がける同社への出資を決めたものと考えられます。また、三井物産はこの出資参画を通じて「同社の成長を支援すると共に、三井物産が自動車・電力インフラ・エネルギー事業で培ってきた総合力の発揮により、再生可能エネルギーとEV導入が加速している欧州の先進的ビジネスモデルの事業化に取り組み、米国や日本等の他地域における事業拡大」を目指すとのことです。トヨタや日産、ホンダなどの完成車メーカーはもちろん、ブリヂストンやデンソーなどの部品メーカーも含め、長きにわたって日本の主力産業として発展し続けてきた自動車業界。就活マーケットにおいても学生からの人気が高く、各社とも多数のエントリーが殺到する状況が続いています。しかし、三井物産が出資を決定したEV事業に見られるように、テクノロジーの発展や生活スタイルの変化にともない、自動車業界も変革を迫られています。本記事では、自動車メーカーや総合商社をはじめとする企業の実際の動きを例に取りながら、自動車業界の未来について考えてみましょう。21世紀型の自動車ビジネス、4つの論点まず、自動車業界に訪れつつある変化の波を確認しておきましょう。ここでは自動車ビジネスの新しい動きとして、特に注目すべき論点を4つ解説します。論点①「EV」EV(ElectircVehicle:電気自動車)は、その名の通り、電動モーターによって走行する自動車のことを指します。従来のガソリンエンジンを搭載せずに電力で駆動するため、騒音の少ない快適な走行が可能になるとともに、大気汚染をはじめとする環境問題への対応策としても注目されています(ただし、「火力発電などに下支えされる以上、トータルなCO2排出量は減少しない」という議論も存在するようです)。既存の大手自動車メーカーがこぞって研究開発を進めていることはもちろん、シリコンバレーに拠点をおくTesla(テスラ・モーターズ)のように、EVに特化した新興企業も幅をきかせているマーケットです。世界の自動車全体におけるEVのシェアは0.2%(2016年)に過ぎないものの、同年のEVの世界販売台数は200万台に達するなど、今後も急成長が見込まれています。EVの生産・販売そのものの拡大が見込まれることはもちろん、EV向けのバッテリーや充電システムの開発など、周辺でも数多くの新規ビジネスが生まれています。そして、EVの普及は既存の自動車産業をおびやかす存在にもなり得ます。とりわけ、すぐれた技術力を武器にガソリン車市場を席巻してきた日本の完成車メーカー・部品メーカーにとっては、EVの普及は死活問題となるでしょう。参考:EV、世界で200万台販売中国がシェアトップに(日本経済新聞)参考:なぜトヨタは"EV参入"を決断できたのか(PRESIDENTOnline)論点②「自動運転」人間の操作を部分的に、あるいは完全に必要とせずに走行できる「自動運転」の技術も、高い注目を集めている領域です。自動運転は、搭載される機能によって0〜5のレベルが設定されています。レベル2までは走行コースの補正など「運転サポート」であり、すでに各社の製品で導入・実用化されています。レベル3からがいわゆる「自動運転」の領域となり、現在はこの実現のため、各企業によって開発競争が行われている段階にあります。トヨタやフォルクスワーゲンのような大手自動車メーカーはもちろん、海外ではGoogleやApple、Microsoft、Baidu、日本国内でもDeNAやソフトバンクなどの大手IT企業が次々と参入しており、各社とも莫大な予算を注ぎ込んで実用化を目指しています。参考:グーグル自動運転車、デトロイト3お膝元でも公道実験(日本経済新聞)参考:自動運転の基礎知識(Volkswagen・ホームページ)論点③「カーシェアリング」「カーシェアリング」は、個人・法人が所有するクルマを一定期間だけ他者に貸し出すことを指します。不動産の分野で「Airbnb(エアビーアンドビー)」が普及したように、自動車市場にも「シェアリングエコノミー」の波が到来しつつあります。例えば、DeNAが展開するカーシェアリング・サービス「Anyca(エニカ)」。スマホ上のアプリを通じ、個人間で自家用車を貸し借りできるC2C(CustomertoCustomer)仲介サービスです。レンタカーにくらべて価格が割安であること、車種が豊富(高級スポーツカーやいわゆる「痛車」もラインナップされている)であることなどから、2015年のリリース以来、都内を中心に利用者が増加しているようです。参考:Anyca(エニカ)”乗ってみたい”に出会えるカーシェアリングアプリ戦後の日本において「マイカー購入」は、一般的なサラリーマン世帯にとって大きなマイルストーンのひとつでした。しかし、レンタカーだけでなくカーシェアリングまでもが成長を遂げたとき、クルマを「購入」することは首都圏の消費者にとって一般的でなくなるのかもしれません。この消費スタイルの変化は、既存の自動車ビジネスの構造を根底から覆してしまう可能性を秘めています。首都圏の消費者が「所有」から「利用」へと移行しつつあるなか、従来の「自動車を作って売る」ビジネスはどれほど影響を受けるでしょうか。参考:広がるカーシェア長時間の遠出での利用も増加(日本経済新聞)論点④「大手メーカーに相次ぐ不祥事」長年のあいだ日本の主力産業として外貨を稼いできた自動車産業。しかし、ここ最近になって大手メーカーの不祥事が相次いで発覚し、国内メーカーのガバナンス、ひいては日本車の信頼が問われる事態に陥っています。2016年、三菱自動車が燃費データを恣意的に改ざんしていたことが発覚。また2017年10月には、神戸製鋼所が品質データを改ざんしていたこと(該当の部材がホンダなどに供給されていたことも判明)、日産自動車とスバルが無資格の従業員を製品検査にあたらせていたことが立て続けに判明しました。”MadeinJapan”ブランドへの信頼が大きく損なわれかねない不祥事。自動運転やEVの分野で遅れをとる国内メーカーにとって、ガバナンスの問題も大きな懸念事項になってしまいました。参考:三菱自動車が燃費データ不正遠のく信頼回復(日本経済新聞)参考:神鋼改ざん部材、ホンダ・三菱自も使用(日本経済新聞)参考:日産、3万8650台追加リコール無資格検査継続で(日本経済新聞)参考:日本車の信頼揺らぐスバル無資格検査メーカー任せ見直しも(日本経済新聞)総合商社の自動車ビジネス上記のように、自動車業界は決して安定しているとは言いがたい環境に置かれています。この業界の変革に対応すべく、各企業とも新たな商機をうかがって活動しています。冒頭の三井物産のEV事業をふまえ、ここでは総合商社にフォーカス。総合商社の自動車ビジネスの実例を3つ紹介します。三菱商事:日産と提携、欧州EV電力供給事業三井物産同様、三菱商事もヨーロッパのEV市場に目を光らせています。2017年10月、三菱商事は日産自動車と提携し、オランダなどでEV向け電力ステーション整備に乗り出すことを発表しました。参考:三菱商事や日産、EVで電力安定供給(日本経済新聞)伊藤忠商事:輸入車販売のヤナセをTOB、子会社化2017年5月、伊藤忠商事は輸入車販売・国内最大手のヤナセに対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、同社を子会社化することを発表しました。近年、輸入車市場は絶好調。ヤナセなどのディーラーを通じ、海外メーカーのクルマが日本市場に多数流入しています。これも国内の自動車市場を左右する要因のひとつになるかもしれません。参考:伊藤忠、ヤナセを子会社化TOBで7月にも(日本経済新聞)三井物産:シンガポールのカーシェア大手に出資三井物産は冒頭のEV事業だけでなく、自動車領域で複数の新規事業を推進しています。全社的な重点注力分野のひとつに「モビリティ」を掲げ、シンガポールでは2010年より現地カーシェアリング大手に出資するなど、新しいビジネス領域の開拓にも積極的に乗り出しているといえます。参考:三井物産クルマどっぷり「CASE」に商機脱・資源商社へ(日本経済新聞)最後に日本の主力産業のひとつ、自動車産業。その未来は決して安泰ではなく、テクノロジーの発展による物質的変化、消費スタイルの変容による文化的変化によって、業界全体が大きな変革期を迎えようとしています。自動車メーカーや総合商社の自動車部門は、既存のビジネスモデルでは収益を維持できなくなる恐れがある一方、EVや自動運転、カーシェアリングなどの領域での新規事業開発に関わることができるフィールドにもなるでしょう。自動車業界全体の現状をきちんと把握し、説得力のある志望動機を述べられるよう準備を重ねましょう。参考:参考:自動車・機械の業界研究photobymariordo59 11,130 views
学歴フィルターの現状・本音・悩み・向き合い方をunistyleが真剣に考察してみる 学歴フィルターの現状・本音・悩み・向き合い方をunistyleが真剣に考察してみる 学歴フィルターをコンプレックスに感じている人には、就職エージェントneoがオススメです。アドバイザーから、学歴フィルターとの向き合い方や、就活の進め方など、冷静なアドバイスをもらうことができます。少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。”学歴フィルター”という言葉なしに就職活動を語ることはできないと思われます。学歴フィルターが広く関心を寄せられているのにも関わらず、多くの記事が『学歴フィルターがあってもありのままの自分で頑張ろう!』『厳選!学歴フィルターのある企業・ない企業』といったように、学歴フィルターの本質に迫っている記事は少ないように思われます。そこで本記事では、就活を終えた20卒の学生の目線から、就活生の学歴フィルターの現状、学歴フィルターに対する本音、及び学歴フィルターに対する向き合い方について論じていきます。本記事の構成そもそも学歴フィルターとは学歴フィルターに対する上位学生・中堅大学生の見方の本音学歴よりも人物重視トヨタの役員は中卒学歴フィルターにどう向き合うのかさいごにそもそも学歴フィルターとはフィルター…与えられた特定成分を取り除く作用をする機能を持つもの参考:Wikipedia|フィルター辞書的定義に従うと、学歴フィルターとは”学歴”と”フィルター”を組み合わせた造語であり、特定の大学を”取り除く”作用をするものという語源通りの意味になります。就活生の間では、”早慶”以下は学歴フィルター、”MARCH”で学歴フィルターがあるのように、特定の大学群を引き合いに使われていることが多い印象です。学歴フィルターは平たく言うと、学歴によって学生を差別しているとも捉えることができるので、世間ではどこか印象の悪いものとして捉えられていることが多いようです。過去に、大手企業の説明会を自身の大学で予約しようとしたら満席と表示されてしまったが、有名大学に変更したら空席ができたという話が、学歴による差別ではないかと話題になっていました。参考:露骨な学歴差別なのかキヤノンの大学別新卒説明会そもそも学歴フィルターは存在するのかQ.学歴フィルターって本当にあるの?事実としては、あると言えるでしょう。引用:unistyleでは、学歴フィルターは存在するものとして扱っています。unistyleとしては、学歴フィルターは良いものでも悪いものでもなく、導入によって企業に一定のメリットをもたらすものであるため、導入されているという立場を取っています。学歴フィルター導入による企業側のメリットについては、本記事の主眼ではないので多くは触れませんが、下記に簡潔にまとめましたので参考にしていただけたらと思います。企業が学歴フィルターを設置する理由①高学歴による安心感②採用活動にもコストがかかる参考:高学歴=優秀な人と結びつけるのには無理がありますが、学歴が高い人=一定の努力(ある程度の能力の保証)をすることができる人と同義であると言えます。そのため、学歴フィルターを設けて高学歴を中心とした母集団を形成することで、無作為に学生を抽出する際よりも、より高確率で優秀な人材を採用することが可能となります。限られた時間と費用で優秀な学生をできるだけ多く獲得したい企業側からすれば、まごうことなく、”学歴フィルター”は有効な手段だと考えることができます。学歴フィルターに対する上位学生・中堅大学生の見方の本音先程、学歴フィルターはネガティブなものとして捉えられていることが多いと記述させていただきました。しかし、ここで一度考えていただきたいのは、”学歴フィルター”をマイナスに捉えている・反対している学生はどのような層の学生なのでしょうか。言われてみれば当たり前かもしれませんが、東大生や京大生などの学生層が声高々に『学齢フィルター撤廃!』と訴えている姿は想像できません。誤解を恐れずに言わせていただくと、『学歴フィルター』にマイナスのイメージ・撤廃して欲しいという思いを抱いているのは所謂上位企業に就職したい中堅大学の学生がほとんどでしょう。学歴フィルターの何が不満なのか『学歴フィルター|就活』と検索すると、学歴フィルターを理由に行きたい企業に行けなかった・学歴フィルターがなかったら挑戦したのにという声を多く目にします。行きたい企業が本当はあるのに...学歴だけで諦めないといけない現実。就活キャリアセンターに相談しても「厳しいよ!」と言われたり友達や親にもバカにされてしまう...そんなに「学歴は大切ですか??」#就活#学歴#学歴フィルター—Fラン大学生のお手軽スピード内定プロデューサー(@Frankspeedoffer)2019年10月24日要約すると、『やりたい仕事があるけど学歴フィルターで応募ができない…』といったところでしょうか。行きたい企業・やりたい仕事が学歴が理由でなれなかったり・できなかったりするのは不本意であるというのが学歴フィルターに対する不満の一般論だと考えられます。仕事は学歴でするものではないですし、人の優劣が学歴で決まるとも思いません。そのため、学歴よりも人柄・やる気を見て欲しいという訴えにも納得がいきます。また、学歴に自信が持てず、学歴フィルターに悩んでいる学生には就職エージェントneoの利用も検討してみると良いでしょう。アドバイザーから幅広い企業の紹介や、内定をとるために必要なES添削や面接練習をしてもらうことができるので、学歴フィルターを感じない就職活動がかなえられるかもしれません。少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。学歴フィルターによる評価は努力の結果得られるものであるどうしても不満や不平が中心に取り上げられがちですが、学歴フィルターに対する上位大学の学生の声を目にすることはあまりないと思われます。上位大学の学生の声に耳を傾けてみると違った意見を拾うことができます。【学歴フィルターっておかしいですよね】って良く就活生から聞くけど私はおかしくないと思うなぁ高学歴の方は、大学受験死ぬ気で頑張って結果を出したのですから優遇されて当たり前学歴がないなら学歴がない事を受け止めて(私もそうでしたが)高学歴の方の何十倍も動けばいいのでは?—Fラン卒サラリーマン(@f_shukatsu25)2019年8月13日学生の本分が”学業”であることは間違いないでしょう。もちろん大前提として、就職をするために大学に進学するわけではありません。それでもより学業を重んじ努力してきた学生が、より多くのチャンスに恵まれるべきであるという点に反対する人はいないでしょう。そのため、上位大学の学生からすると、”学歴フィルター”は努力の正当性をきちんと評価してくれるものとして寧ろ好意的に映っているのではないでしょうか。誤解を恐れずに言うならば、学生の本分である学業(=”義務”)を疎かにした結果の大学に進学したにも関わらず、就職活動の時にだけ全ての学生が同じスタートラインに立つべきであるという”権利”を主張するのはどこか矛盾を感じずにはいられません。学歴よりも人物重視学歴フィルターの設置は企業の側からは一定の有用性があるということ、学生の目線だと上位・中堅大学の学生で学歴フィルターへの見方の違いがあることに納得していただけたと思います。しかし最近では、学歴フィルターは変わらず必要であるという事実と世間の学歴フィルターへのマイナスイメージとのジレンマへの解決策としてか、学歴よりも能力を重視した、『人物重視』の採用という言葉をより耳にすることが増えました(あくまで”学歴よりも”という点が重要です)。そこで、企業が何故学歴よりも人物重視の採用へと変化しつつあるのか、その切り口として、諺とスポーツを例に説明していきます。船頭多くして船山に登る学歴中心の就活から人物本位に変化しつつある理由の説明として、『船頭多くして船山に登る』という諺を引き合いに出します。「船頭多くして船山に登る」とは、「指図する人が多くて物事がまとまらず、目的とは違う方向に進んでしまう」と言う意味を表しています。参考:TRANS.Biz企業は、社長や役員といった会社の方針を決めるブレイン、実際に顧客のもとへと向かう営業、企業の財務を管理する経理、コンプラ案件を扱う法務など多様な組織で構成されています。当たり前ですが、それぞれの部署で担っている仕事は異なるため、求められるスキル・ノウハウはそれぞれ異なります(もちろん共通するものもありますが)。高学歴が画一的な人たちで構成されているとは言いませんが、仕事のできる・できないは学歴や学力で決まるものではありません。より、何ができるかといった点を重視した場合、学力に加え、今持っているスキル・人柄など学力以外の要素を重視するのにも頷けます。船が船頭者だけでなくオールを漕ぐ人がいないと始まらないように、企業も船頭だけでなく企業を動かすための様々な能力を求めていると言えます。スポーツで例えてみるもう一つ、スポーツの例で考えてみます。2019年ラグビーワールドカップでは日本代表がベスト8という快挙を成し遂げました。日本代表が体格が一回りも二回りも違う南アフリカ代表に果敢に挑んでいく姿に心を打たれた人も多かったと思います。体格が重要になるスポーツの為、日本代表の前評判は決して高くはありませんでしたが、相手チームのパワーを上回るスピードや正確さ、戦術で怒涛のベスト8進出を決めることに成功しました。タックルやスクラムなどのプレーからラグビーは一見パワースポーツと誤解されがちですが、相手陣地に切り込むスピードスターや正確なキックで突破口を開くキッカーなど様々なスペシャリスト達で構成されているスポーツです。日本代表の強さは、各々がそれぞれの持ち場で長所を存分に発揮した点だと考えられます。話が少し逸れてしまいましたが、このラグビーの例からも人物本位の採用に変化しつつある理由を読み取ることができます。体格で負けている日本代表が、力不足を補うためにパワーのある選手だけを集めていたら本来の実力を発揮できずに、ベスト8を達成することはできなかったでしょう。企業も学力に強い人材だけを集めていたら勝てる勝負にも勝つことができないと思われます。適材適所に必要なスキルを持った人材を配置することが企業の勝利(成長?)の鍵へとなります。繰り返しになりますが、企業は学力と学歴だけで回っている世界ではありません。企業が勝ち残っていくためにも、”学力だけでは測れない力=人物重視”へとシフトしていっていると言えます。トヨタの役員は中卒企業の多くはトップダウンであり、企業が人物重視の多様なスキルを持った人材を欲しがるということは、裏を返せば、企業のトップもまた多様な人材で構成する必要に直面しているとも言えます。企業のトップが変化しつつある例として、トヨタ自動車の役員の1人に河合満さんという方がいます。トヨタの4月1日付人事の目玉の一つが工場統括の専務役員である河合満氏の副社長就任だ。有名大学卒の経営幹部が多いトヨタにおいて異色の人事であり、河合氏への関心が高まっている。(中略)河合氏は中学卒業後にトヨタの企業内訓練校であるトヨタ技能者養成所(現トヨタ工業学園)で学び、「カローラ」が発売された1966年にトヨタ(当時はトヨタ自動車工業)に入社。引用:日経ビジネス現場叩き上げからトヨタ副社長に就任企業の執行役員ともなると、やはりトヨタだけに限らずどの企業でも錚々たる経歴・出身大学の人が多いです。実際に、上場企業の社長クラスともなると、慶應や早稲田、東京大学だけで700社近くの企業の社長を務めていることになります。(参考:東洋経済オンライン)つまり、俗に言うノンキャリア出身である河合さんの役員就任は異例の人事異動であったということになります。そのため、世界のトヨタの役員に中卒の河合さんが抜擢されたのは、世間の広い関心を集めました。なぜトヨタの役員に中卒が?トヨタが河合さんを役員に任命した理由は要約すると次の2点であると考えらます。河合さんが役員任命の理由・メーカーとしてものづくりの最前線を知っている・トヨタの黎明期から幾度もの倒産の危機を乗り越えてきた経験CMや東京モーターショーなどの影響もあり、トヨタはグローバルでスタイリッシュな企業イメージを持ちます。ですが、そのスタイリッシュなトヨタの製品・イメージを作っているのは、現場である”工場”です。どれだけハイコンセプトでスタイリッシュで画期的な商品を企画しようと、実現できるのは、現場である工場だけです。ものづくりは工場をはじめとした現場から始まります。現場を知らない人間に現場を指示することはできません。河合さんの役員への任命は、現場を知った人物ならではの経営ができるという期待を込めての抜擢なのではないでしょうか。私自身、そう、物知りではございません。あまり色々なことを知らないと思います。情報の出発点として大切にしておりますのは、情報は現場にあるということです。〜豊田章男〜引用:トヨタイムズ理由を並べてみると、確かに河合さんの役員への就任は的を得ているものとなります。しかし、繰り返しになりますが、本来ノンキャリアである河合さんが役員に就任することは考えられない人事になります。世界のトヨタのトップが変化しつつあるのですから、他の日系企業も多様な人材を中心とした経営にシフトする波が押し寄せているのにも頷きます。トヨタの例から何が言えるのか河合さんを紹介したからといって、『頑張り次第では皆さんも学歴関係なく就職・出世ができる!』という荒唐無稽なことを伝えたいのではありません。大切なのは、新卒採用を含めた採用全般は企業からのメッセージだということです。企業の経営方針が変化すると場合によっては、求める人物像も変化します。トヨタのトップが学歴などのキャリア重視から、何を生み出すことができるのか、何ができる人なのかなどその人の能力重視に変化していることは、我々就活生に対しても同じことを求めていると言えるでしょう。トップが変化すれば下も変化をしていきます。ひょっとしたらトヨタの今後の採用は学歴などに加え、より当人の能力を重視した採用に変化すると予想することもできます。今後、日本の全ての企業がトヨタのようになっていくと簡単には断言はできませんが、変化しつつあるという点は認識していくべきことだと思われます。上記にも記載されている通り、学歴だけで就活がうまくいく時代は徐々に終わりつつあります。学歴フィルターにどう向き合うのかここまで、学歴フィルターに対する学生の目線となぜ学歴から人物重視に変わりつつあるのかという話を進めてきました。確かに学歴重視から変わりつつありますが、冒頭で申し上げた通り、企業の採用コストなどの観点から学歴フィルターがなくなることはないとunistyleは考えています。では、学歴フィルターに悩む学生に対しての答えは何でしょうか。私たちunistyleからの回答はシンプルで『悩むな』です。コントロールできないものは諦める何も答えになっていないじゃないかと怒られてしまいそうですが、シンプルかつ明確な回答だとunistyleは考えています。当たり前ですが、企業は学歴フィルターのラインを発表することはありません。学歴フィルターがあるかないかを悩むことは、答えのない回答を探すことと同じくらい不毛なことですし、学歴フィルターが気になるからといって、学歴を変えるために大学に入り直すのは非生産的であり、学歴詐称をすることは更にご法度です。学歴というものは一度決まってしまったのならば変えることはできないものですし、変えることができないものに悩んで時間を費やすよりも、サークル活動やアルバイトでの経験、定量的なものではTOEICの点数など自分でコントロールできるものにより時間をかけたほうがいいかと思われます。自分にコントロールできないことは、いっさい考えない。考えても仕方がないことだから。自分にできることだけに集中するだけです。ー松井秀喜ー元プロ野球選手の松井秀喜選手の言葉を引用しました。松井秀喜選手は日米通算で2643本のヒットを達成し、名球会入りも果たしている名バッターです。そんな松井秀喜選手が米国ヤンキース時代、自身の成績不振をマスコミに取り上げられるのは気にならないのかと質問された回答が上記の言葉になります。天候やメディアの言動などはコントロールしたくてもコントロールできない、自分ではどうしようもできないことで悩むのは非生産的であるとして、上の言葉を残しています。学歴フィルターがあるか否かを悩むよりも、自身の経験や考えを企業に上手に伝える練習をしたほうがよっぽど効率的であり、人物重視の就活で勝ち残っていくことができるでしょう。高学歴であるというプライドが許さないのであれば学歴フィルターで悩む学生がいる裏で、学歴フィルターとは無縁の学生も悩みを抱えています。彼らは、東大や京大などを始めとした高学歴集団が集まる企業に誇りを感じる人(=エリート意識?)も中にはいます。筆者の友人にもいましたが、そうした人たちは自分よりも学歴の低い学生が少なく、より自分と同じかそれ以上の学歴を持つ人が集まる企業を好んで選択していました。人の価値観は人それぞれですので否定はしませんが、一度立ち止まって再考するべきでしょう。就職活動による内定というのはあくまでゴールまでの「通過点」に過ぎません。納得の行く内定が得られただけで幸せが保証されるものではありません。参考:仕事は学歴でするものではないですし、学歴が高い人が全員優秀であるとも限りません。大学入学時にどの高校の出身なのかで花を咲かせたのが1年後にはどうでもよくなっているのと同様に、どの大学から来たのかという話題は話題にも登らなくなっているでしょう。高学歴集団で構成される企業に就職することによる満足感は入社するまでの間の一過性のものと予想されます。そのため、どの学歴の人と一緒に入社するのかという短期的な目線よりも、どんな人と何をしていきたいのかという長期的な目線のほうが、後々より納得のいく社会人生活を送ることができるのではないでしょうか。10年社会人やって感じたのは、仕事の充実度は人生の充実度に直結してる感じで、学歴は必ずしも人生の充実度との関連性は低い。学歴はすぐに過去のものになるけど仕事は40年間続くから当たり前っちゃ当たり前なんだけど。—KotaroHiguchi(@happytarou0228)2017年2月6日さいごに学歴フィルターに関する話題はどこかタブーな話とされている傾向が強いですが、なるべく学生の本音に近いところで話を進めさせていただきました。人物重視に変わりつつあるといえども、学歴フィルターがなくなることはないでしょう。自分の大学が学歴フィルターの対象であるかどうかは気になるところではありますが、自分が何故その業界を志望するのか、何が強みなのかを理解し伝えることができれば、学歴に関係なく、内定を獲得することも難しくはないでしょう。【参考】・・・・・【関連】・・・ 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上場企業社長は当たり前!?人材輩出企業「リクルート」出身起業家・経営者まとめ 上場企業社長は当たり前!?人材輩出企業「リクルート」出身起業家・経営者まとめ 2012年10月に分社化し、持ち株会社体制へ移行したリクルート。いまや人材輩出企業と呼ばれるようになりましたが、今回はそのリクルート出身の起業家および経営者を紹介します。宇野康秀(うのやすひで、株式会社インテリジェンス創業者、株式会社USEN代表取締役社会長)1988年明治学院大学法学部法学科卒業後、リクルートコスモスに入社1989年採用コンサルティングサービスを主業務とする株式会社インテリジェンスを設立。1998年父親の跡を継ぎ、大阪有線放送社(現:株式会社USEN)の代表取締役社長に就任。2010年経営の責任を取る形でUSEN代表取締役社長を退任。丁度リクルート事件が起きた年にリクルートコスモスに入社した同氏。1年後には株式会社インテリジェンスを設立。人材紹介・人材コンサルなど総合人材サービスを展開して、2000年にはJASDAQに店頭公開を果たすまでに成長させた。しかし、同氏は1998年に父親の跡を継ぎ、大阪有線放送社(現:株式会社USEN)の代表取締役社長に就任。リーマンショック後に2年間で1134億円を超える損失を出し、取締役も退任する形で経営の第一線から退き、新設されたUSENグループ会長に就任。厳しい道ばかりを歩んできた同氏。最初の困難はインテリジェンスの上場を目前にしながらも、死を間近にした父親の跡を継ぎ、大阪有線放送社を受け持った事です。二つ目の困難はリーマンショックによる赤字計上でUSEN代表取締役からの退任を余儀なくされた事です。そして一番辛かった事として同氏が語るのはインテリジェンスの売却であったとの事です。ゼロから立ち上げた会社を売るという事は自分のアイデンティティを失うに等しかったとの事です。鎌田和彦(かまたかずひこ、株式会社インテリジェンス創業者)1988年慶應義塾大学文学部卒業後、リクルートコスモスに入社1989年株式会社インテリジェンスの設立に参画。採用コンサルティング事業・人材紹介事業担当役員を歴任。1999年代表取締役社長に就任2000年JASDAQに上場上述の宇野氏と同期でリクルートコスモスへ入社した同氏。翌年には宇野康秀、島田亨、前田徹也とともに株式会社インテリジェンスを設立。設立当時は取締役。1999年には同社において人材紹介事業の立ち上げとともに、当時代表取締役社長だった宇野氏が大阪有線放送(現・株式会社USEN)の代表取締役社長に就任したことに伴い、インテリジェンスの代表取締役社長に就任。2000年にJASDAQに株式上場した事を皮切りに数々の事業を展開するとともに、2006年の株式会社学生援護会の統合をはじめとしたM&Aを積極的に推進することで、2009年度には売上高1,000億円、利益100億円までに企業規模を拡大させる。学生時代からイベントの企画などを行い、ビジネスに触れていたという同氏。起業のきっかけは当時、知人を通じて外苑前で美容院をやりたいという人の話が回り、借りる店舗のスペースが広すぎる為にその余ったスペースを事務所などに使ってくれる人はいないかという話が来た為だそうです。古川健介(ふるかわけんすけ、株式会社nanapi代表取締役)2000年早稲田大学政治経済学部在学中に株式会社メディアクリップを立ち上げる2004年同社をライブドアに売却し、ライブドアに入社2006年リクルートに入社2009年株式会社ロケットスタート(現nanapi)を立ち上げ、リクルート退社浪人時代に19歳で「ミルクカフェ」という匿名掲示板を立ち上げ、運営。大学在学中も10個程ののサイトを運営。株式会社メディアクリップとして運営していた『したらばJBBS』という2チャンネル風の掲示板をライブドアへ1億円で売却し、ライブドアへ入社を決めた。ネット業界の風雲児といわれ「けんすう」という愛称でも知られた同氏。リクルートにいた3年間は良く、仕事の幅が広がり、組織の論理も理解できたとのことです。杉本哲哉(すぎもとてつや、株式会社マクロミル取締役社長)1992年早稲田大学社会科学部卒業後、リクルートに入社2000年リクルートを退社し、インターネットを活用した市場調査(ネットリサーチ)会社、株式会社マクロミルを設立し、代表取締役社長に就任2004年同社、東証マザーズへ上場2005年東証一部へ上場2009年株式会社マクロミルワープ(現株式会社エムワープ)代表取締役社長に就任。リクルートでは就職情報誌営業部、財務部、新規事業開発室などを経た後、デジタルメディア事業部門にてデータ放送の事業化検討に携わる。2000年に株式会社マクロミルを設立し、わずか4年弱で東証マザーズに上場を果たす。1年後、東証一部へ市場変更し、代表取締役会長に就任。同年、国際的な起業家表彰制度「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤーJAPAN2005日本代表」を受賞。2006年、取締役ファウンダーに就任。2007年4月から法政大学キャリアデザイン学部にて非常勤講師(現任)、早稲田大学ビジネススクール(大学院)にて招聘講師を担当。2008年4月、経済同友会幹事に就任。2009年7月、マクロミルの代表取締役会長兼社長に復帰し、現在に至る。大学では英字新聞会に所属し、就職活動当時は出版社と新聞社を志望していたという同氏、しかしそんな中、当時リクルートの人事担当だった現リンクアンドモチベーション社長の小笹芳央氏と面接し、情報出版社という視点ではなく、次々に新規事業を立ち上げている企業において「自分も世の中の常識を変えるような、意義ある事業をつくりたい」と思い、リクルートへの入社を決めたとの事です。小笹芳央(おざさよしひさ、株式会社リンクアンドモチベーション代表取締役会長)1986年早稲田大学政治経済学部卒業後、リクルートに入社2000年リンクアンドモチベーション設立、同社代表取締役社長就任2007年東証二部へ上場2008年東証一部へ上場2013年同氏、代表取締役会長へ就任リクルートにおける14年間の前半の7年では人事部人事採用課へ配属され、リクルートの大量採用に携わる。終身雇用や年功序列に頼るような学生は採用せずに、起業志望の学生を積極的に採用。後半の7年では自ら組織人事コンサルティング室という部署の新規立ち上げを行い、多くの経営者に出会う。その後、組織人事コンサルティング室長、ワークス研究所主幹研究員などを経てリンクアンドモチベーションを設立。リクルートの前半7年における大量の起業志望の学生の採用は後のリクルートから多くの人材が自ら会社を興した要因の一つともいえるでしょう。多くの経営者に出会う中で、みんなが人材に悩んでいる事に注目した同氏。そこでどうやったら社員のモチベーションを上げられるのか、優秀な社員を採用できるのかを徹底的に追究し、世界で初めてモチベーションを軸にした会社を設立するに至ったとの事です。経沢香保子(つねざわかほこ、トレンダーズ株式会社創業者、株式会社カラーズ取締役)1997年慶應義塾大学経済学部卒業後、リクルートに入社1998年ヘッドハンティングで教育研修・アウトソーシングのエイ・ワイ・エー・ネットワーク入社、1999年楽天へ転職、社長特命事項や「楽天大学」など新規事業の開発に関わる2000年マーケティングなどを手がけるトレンダーズ株式会社設立、代表取締役就任。2012年東証マザーズに当時最年少上場女性社長として上場2014年同社取締役辞任。株式会社カラーズ設立、代表取締役就任リクルートでは新人営業職の中でトップの成績を上げる。1週間で550枚もの名刺を集め、新入社員で関東ナンバーワンになる。エイ・ワイ・エー・ネットワークでは新規事業の立ち上げ、100人近い人材採用などを担当。その後、創業間もない楽天へ転職、社長室や楽天大学等の新規事業を経て、26歳で自宅にてトレンダーズを創業。女性企業塾や女性ソーシャルメディアマーケティング等を展開し、2012年東証マザーズに当時最年少女性社長として上場。同社の取締役辞任後、インターネットを使った女性支援事業、育児支援事業を行う株式会社カラーズを設立し、取締役へ就任。プライベートでサイバーエージェントの藤田社長と交友があるという同氏。トレンダーズの後ろ盾には藤田氏がいたとの事です。「テクノロジーの力で、一人一人の女性が輝く社会を実現する」というミッションの下、カラーズを設立したという同氏。個人と個人の繋がりが一人一人の人生をカラフルにし、女性が輝く社会を提案していくというコンセプトが会社の名前になったとの事です。須藤憲司(すどうけんじ、KAIZENplatformInc.協同創業者兼CEO)2003年早稲田大学卒業後、リクルートに入社。株式会社リクルートマーケティングパートナーズ最年少執行役員を歴任2013年KAIZENplatformInc.を米国で創業。共同創業者兼CEO。リクルートではマーケティング部門、新規事業開発部門を経て、アドオプティマイゼーション推進室を立ち上げた。その後、株式会社リクルートマーケティングパートナーズ最年少執行役員として活躍の後、2013年にKAIZENplatformInc.を米国で創業し、共同創業者兼CEOとなる。大学時代はサークルの幹事長をやっていたもののあまり面白くなく、早く大人になって仕事に打ち込みたいと考えていたという同氏。入社して3年間はマーケティング局にいて、人の3倍は働いたとの事です。実際に異動する時には3人に仕事を引き継いだそうです。4年目からは事業開発室に異動になって、多くの新規事業を担当したものの失敗ばかりであったとの事です。その後、AmazonやFacebookの登場に影響を受け、リクルートの退社と起業を決意したとの事です。KAIZENplatformInc.は日本の株式会社だと海外の投資家から資金を集めるのが難しく、グローバルスタンダードで勝負したいと考えた為に、アメリカのサンフランシスコで創業したとの事です。江幡哲也(えばたてつや、株式会社オールアバウト代表取締役社長)1987年武蔵工業大学(現東京都市大学)電気電子工学科卒業後、リクルートに入社2000年株式会社リクルート・アバウトドットコム・ジャパンを設立。代表取締役社長兼CEOに就任。2004年株式会社オールアバウトに社名を変更2005年JASDAQに上場リクルートではエンジニアとしてキャリアをスタートし、その後数多くの事業を立ち上げる。1996年に立ち上げたキーマンズネットにおいては、14個のネット関連特許を取得し、高い評価を得る。1998年度全国優秀システム賞受賞。2006年講談社から「アスピレーション経営の時代」を発刊。専門家ネットワークを基盤に世の中の「情報流・商流・製造流」の不条理・不合理に対してイノベーションを起こし、“個人を豊かに、社会を元気に”することを目指す。同級生のほとんどが製造業の技術職として就職していく中で、IT技術を使ってサービス業を展開していて、普通の会社の2倍、3倍の経験ができると考え、リクルートをファーストキャリアとして選択した同氏。リクルートでは周囲の優秀さに圧倒されるものの、同社が通信事業に参入するのは初めてであった為、周囲と同じ土俵で勝負できたとの事です。インターネット上で信頼できる生活情報を提供していく事業である現在のオールアバウトのビジネスについて、同氏は「ひとネット構想」と名づけ、1996年頃から構想を温めていたとの事です。1999年に次世代事業開発グループに移り、新たな事業を実現させる立場にいた事を同氏はチャンスに捉えたとの事です。そして、アメリカのベンチャー企業「アバウト・ドットコム社と出会った後に、ジョイントベンチャーを考え動き出したとの事です。父の会社を継ぐなら35歳ぐらいかと考えていた矢先にリクルートとアバウト・ドットコムのジョイントベンチャーを設立し、新社長に就任したとの事です。七村守(ななむらまもる、株式会社セプテーニ・ホールディングス取締役会長)1979年山口大学経済学部卒業後、リクルートに入社1989年同社の北関東支社長を務める1990年後のセプテーニとなる株式会社サブアンドリミナルを設立。2000年セプテーニへと社名を変更。2001年JASDAQに上場2006年持ち株会社体制に移行し、セプテーニ・ホールディングスに社名を変更リクルート時代は大阪、岡山、東京、埼玉と転勤を繰り返し、最後は埼玉の大宮で北関東支社長を務める。1990年には仲間7人で独立し、後のセプテーニとなる会社を設立。人材採用コンサルティングに始まり、ダイレクトメール発送代行、テレマーケティングや人材アウトソーシングなどの事業を手がけた。起業の一番の理由は大学時代から「いずれは独立したい」と思っていたからとの事です。ファーストキャリアはリクルートと総合商社で迷ったものの、リクルートは「給料>ポスト>プライド」であったのに対し、総合商社は「プライド>給料>ポスト」であった事から、より早く昇進できるリクルートを選んだとの事です。平尾丈(ひらおじょう、株式会社じげん代表取締役社長)2005年慶應義塾大学環境情報学部卒業後、リクルートに入社2006年リクルートより株式会社じげんの創業に参画2008年リクルートグループの史上最年少代表取締役社長に就任慶應義塾大学環境情報学部の在学中に立ち上げた100社の内、2社のネットベンチャーを登記させ、その会社の代表取締役を兼任したままリクルートに入社。リクルートから株式会社じげんの創業に参画した後に25歳の若さでリクルートグループの史上最年少代表取締役社長に就任した。2010年にはリクルートグループおよびドリコムグループよりMBOし、現在に至る。大学在学中に起業を考えるようになったきっかけは高校時代にテレビで見た学生ベンチャーの特集だったという同氏。その憧れから慶應義塾大学環境情報学部を進学先として選んだものの、現実はイメージとはほど遠かったそうです。在学中に1万人と会うという企画を始め、誰もが憧れる職業の人に片っ端から会っていったとの事です。実際には3万人を超える人と会い、その中にはソフトバンクの孫正義社長やサイバーエージェントの藤田晋社長も含まれていたとの事です。この行動力はリクルートに入社しても衰えず、「10年に1人の逸材」「1ヶ月450時間労働」などの伝説が残っています。村井満(むらいみつる、日本プロサッカーリーグ理事長:Jリーグチェアマン)1983年早稲田大学法学部卒業後、日本リクルートセンター(現在のリクルート)に入社1988年リクルート事件と時を同じくして営業部門から人事部門に異動2000年人事担当執行役員に就任2004年本社執行役員兼リクルートエイブリック(現在のリクルートキャリア)代表取締役社長に就任2011年リクルート・グローバル・ファミリー香港法人社長に就任2013年同社チェアマンに就任2014年第5代日本プロサッカーリーグ理事長(Jリーグチェアマン)に就任2004年から代表取締役社長を務めたリクルートエイブリックでは就任後、売上を150億円から450億円の3倍へと成長させた。これは「顧客満足度の高い人材斡旋会社ランキング」(オリコン調査)では2007年から5年連続で1位を獲得し、業績のみならず、同社を利用するカスタマーから高い評価を得た。本人は熱烈なサッカーファンで、現在はリクルートで得た人材育成のノウハウを活かし、プロサッカー選手のキャリア支援に貢献している。浦和高等学校時代にゴールキーパーを務めていた同氏。「三度の飯よりサッカー好き」というエピソードが多くあり、日本がW杯初出場を決めた1998年のフランス大会アジア第3代表決定戦にはリクルートの役員会を抜け出して観戦に行ったそうです。そのサッカー好きとリクルートでの活躍が認められ、Jリーグチェアマンに選ばれたそうです。島田亨(しまだとおる、株式会社楽天野球団取締役、楽天株式会社代表取締役副社長執行役員)1987年東海大学文学部卒業後、リクルートに入社1989年株式会社インテリジェンス設立、同社取締役へ就任2004年株式会社楽天野球団取締役社長へ就任2005年楽天株式会社取締役へ就任2006年常務執行役員2008年株式会社楽天野球団代表取締役社長兼オーナー2014年楽天株式会社会社副社長執行役員リクルート入社後、リクルート事件を機に宇野氏、鎌田氏らと共に同社を退社し、インテリジェンスを設立。2000年頃より草創期のベンチャー企業を中心として複数の企業に出資し、その中には取締役として参画したものもある。2007年にはテレビ朝日アナウンサーの石井希和氏と結婚。海外赴任をする為に2012年球団社長兼オーナーを退任し、引き続き取締役として球団に残る。新卒でリクルートに入社した理由は「起業する仲間を集めるつもり」であったと語る同氏。そして、リクルートに入り営業に追われながらも宇野氏や鎌田氏という起業仲間を見つけ出し、インテリジェンスを設立しました。インテリジェンスの上場後、キャピタルゲインを手にした同氏は投資家へと変貌を遂げました。オールアバウト社長の江幡氏と西麻布のバーで飲んでいる時に楽天の三木谷社長から電話がかかってきて楽天野球団社長への打診をされたとの事です。当時プロ野球への参入の最中であり、同氏に迷いはあったものの江幡氏からの強い後押しもあり、引き受けたとの事です。最後に以上、リクルート出身の起業家を紹介しました。ここでは書ききれないほどたくさんの起業家・経営者いますし、じげん社長の平尾氏のように次世代を担っていく起業家の台頭も期待できそうです。また、リンクアンドモチベーション社長の小笹氏が起業志望の学生を重点的に採用していたという事からある一定の時期に多くの起業家が生まれた事がわかりますね。そしてリクルートをファーストキャリアとして選ばれた人の会社選びの軸には共通点が多いようにも感じられます。現在は分社化し、入社するとしたらホールディングス内のいずれかの会社を選ぶ事になりますが、ぜひ今後のキャリアを選ぶ上で参考にしてください。photobyMartinThomas 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