新卒採用HPの抽象的な”求める人材像”。「社長の発言を紐解けば企業研究できる説」を検証してみた。

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最終更新日:2025年02月26日

新卒採用HPの抽象的な”求める人材像”。「社長の発言を紐解けば企業研究できる説」を検証してみた。

 

企業研究の目的の一つとして、求める人材像を把握することが挙げられます。

それにあたり、多くの就活生は志望する企業の採用HPにて企業が掲げる「求める人材像」を探してみた経験があると思います。

そこでは、よく以下のような人材像が掲げられています。

求める人材像のよくある例

①「変化に柔軟な人」 

②「リーダーシップがある人」 

③「成長意欲がある人」

・・・etc


しかし、こういった情報を与えられても以下のように思える人が多いのではないでしょうか。
 

就活生の本音

①企業:変化に柔軟な人

→就活生: その業界、企業における"変化"って?

 

②企業:リーダーシップがある人

→就活生:どんな背景からリーダー候補を求めている? 

 

③企業:成長意欲がある人

→就活生:成長意欲が必要なのは当然では?

このように、就活生向けに抽象化された採用HPの情報では、自分は具体的にどのような人材を目指せばよいのか、選考過程でどのような素養をアピールすればよいのかが見えてこないことが多いように思います。

そこで、採用HPよりも色濃く「求める人材像」を反映する材料として、インタビューやスピーチでの社長の発言に注目しました。

社長はその企業を代表してメッセージを発信するため、社長の発言はその企業の総意と捉えることができるからです。

また、就活生へ向けたメッセージだけでなく、一般の人向けや自社社員向けの発言の中にも企業研究に繋がる情報が含まれているはずです。

本記事では、有名社長・柳井正氏の発言と直近で世間を賑わせた社長の発言を例として取り上げながら、社長の発言を紐解けば企業研究できる説を検証していきます。

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企業研究例① 起業家のカリスマ『柳井正社長』の発言から企業研究してみた

まず一例として、ユニクロやGUを子会社に持つファーストリテイリングを一代で築き上げたカリスマ社長『柳井正氏』の発言を抜粋し、企業研究に繋げていきます。

ここでは、以下の4つの発言に注目し、考察します。

  • 「日本にはビジネスチャンスは少ない」
  • 「人間のピークは25歳」
  • 「これからは情報産業とサービス業だけになる」
  • 「全員がリーダーになれ!」

 

「日本にはビジネスチャンスは少ない」

NHK NEWS WEBより


NHK NEWS WEBでのインタビューにて、日本の企業がグローバル化を目指さなければいけないという文脈での発言です。

海外でビジネスをしようと思うと、何も規制はない。日本は所得とか消費の問題もあるが、いちばんの問題は金利がゼロとかマイナスであること。これは裏を返していえば、日本にビジネスチャンスが少ないということ。 

日本は少子高齢化に加え、マイナスorゼロ金利。借り手が減り、その資金が海外へ流れています。そこで、柳井社長は「海外でビジネスを展開した方が良い。」と判断しました。

事実、2018年の決算では海外での売上が初めて国内での売上を上回っています。今後の海外展開については、以下のようにコメントしています。

東南アジアが一番だと思う。中国が大きく成長して、その次の成長は東南アジア、その次はたぶんインドだと。東南アジアからインドにかけてやっぱり出店していくし、そこで優秀な人材を採って、将来的な経営幹部を育成していく」「アジア40億の人々のうち、今だと10億人くらいがようやく中産階級になって、車とか家を買う前にまず服を買うでしょう。だから買ってもらえるような服をつくっていきたい。

柳井社長は「今の日本にはいらいらしますよ」と言うほど現代の日本に厳しい意見を持っています。

少子高齢化などに伴う市場規模の縮小により企業が海外への進出を目指すのは今や当たり前ですが、柳井社長はすでに海外をメインの市場と捉えており、そこで幹部候補になりえる人材を求めています。

小売業界やアパレル業界の志望者であれば海外勤務にあまり興味のない人、もしくは消極的な人も少なくないかもしれません。

しかし、今やどのアパレル企業もグローバル展開は避けて通れないでしょう。その中でも特に入社後海外勤務となる可能性が高いのがファーストリテイリングであるといえます。

そのため選考過程では、海外勤務やそこでの経営への意欲があるのを前提とし、それを積極的にアピールすること、またなぜ海外なのか、海外で何を成し遂げたいのかを語れるようにしておくことが大切です。
 

「人間のピークは25歳」

朝日新聞デジタルより

これはファーストリテイリング入社式にて以下の文脈で語れられた、新入社員を激励するための発言です。

人間のピークは25歳だと思っている。スポーツ選手でも科学者でも小説家でも。新入社員の皆さんはピークアウトが近いから、それ以降は経験と勉強。自分で学んで実行していく態度が必要だ

実力主義で知られる当社なだけに、「25歳をすぎれば切り捨てられるのでは!?」とネット上で波紋を呼ぶ発言となりましたが、柳井社長の真意は異なるようです。

直後に、

だから若いうちに、できたらピーク前に、『自分としてはこっちの方向に行きたいな』『こういう風になりたいな』という風に思わないと、決してうまく行かないと思う。

と続けており、若いうちから夢や目標を掲げることを求める趣旨であると考えられます。

事実、ファーストリテイリング傘下のユニクロは、新卒既卒といった区分をなくして通年で採用する仕組みを導入しており、これは全学年が対象で、国籍も問われません。

学部1年生であっても内々定が出る可能性があるということです。(ただし選考の過程では店舗でのインターンシップまたはアルバイトを経験することが求められています。)学年や年齢に関係なく、夢や目標をもった人材を積極的に採用していく姿勢がうかがえます。

年功序列などの日本的な風潮や安定志向を嫌う柳井社長。若いうちから実力主義に乗って這い上がっていく姿勢を持つ人材を求めています。

「何でもいいからとにかくファストリに入社したい!」という姿勢では評価されないので、入社後どういったことを実現したいのかを具体的に語れるようにしておく必要があります。ユニクロやGUでは最初の数年は店舗スタートなので、そこでの仕事内容に絡めて伝えられれば目標が具体的になるでしょう。
 

「これからは情報産業とサービス業だけになる」

日本経済新聞より


日本経済新聞のインタビューにて、小売業の今後を以下のように語った際の発言です。

これからは情報産業とサービス業だけになる。小売業もなくなる。すでに製造から小売りまで一体化したがそれでは足りない。デジタル化は消費者個々人の嗜好を生産に直結できる可能性を持つ。

かつてのアパレル業界では、製造業者が作り、卸売業者が買い集め、小売業者が販売するという分業体制が当たり前で、ユニクロも当初は小売業者でした。

しかし20年ほど前から自社企画商品を手がけはじめ、現在ではユニクロのビジネスモデルは「商品企画・生産・物流・販売までの自社一貫コントロールにより、高品質・低価格のカジュアルブランド『ユニクロ』を提供する製造小売業(SPA)」として知られています。

またそれだけでなく、デジタルを駆使して店頭での各商品の売れ行き情報を迅速に各部に行き渡らせ、効率的な生産・流通計画を可能にしています。自社内商品のみを扱っているからこその強みであると言えます。

それでも柳井社長は「それだけでは足りない。」と言い、デジタルがいずれ消費者の嗜好を生産に直結させうる(情報製造小売業)と予想しています。

つまり、小売業が電子商取引(EC)に融合され、消費者が望む商品がすぐに生産できて、その商品の詳細な情報が瞬時に手に入る、そんなビジネススタイルを目指しているようです。柳井社長はこれを「情報の商品化」と表現しています。

急速に進むデシタル化により、アパレルを取り巻く環境は大きく変化しています。「自宅で服が買える」ようになった現代、従来のアパレル業界のビジネスモデルでは生き残ることはできません。

「自分の志望業界はITや通信じゃなくてアパレルだから」といって世のデジタル化に無頓着であるのではなく、変容していくデジタルビジネスを理解、考察しようとする姿勢が大切です。

例えば同じくデジタルビジネスを駆使したAmazonやzozotwonとファーストリテイリングのビジネスモデルを比較してみても、それぞれ違った特徴があることがわかります。(ビッグデータのアマゾン、高度な物流システムのzozo、SPAのファストリ、、等)

このような視点は業界理解が深まるだけでなく、「なぜうちなのか」という問に説得力のある答えを示す志望動機の作成にも繋がります。
 

「全員がリーダーになれ!」


ファーストリテイリング社内コンベンションの中で、以下のような文脈で社員を鼓舞しました。

社員の方、アルバイトの方、パートの方、例え今日から加わった誰であろうと、全員に「経営者になれ」、「商売人になれ」、「リーダーになれ」とお願いしたい。

東南アジアでもそれぞれの国で1000億円売るようにしようと思うと、1つの会社を作って、そこで経営をやる人材を起用しなければいけない。だから、世界中で経営ができる人材の育成をやってみたい。


グローバル化を重要視している柳井社長は、今後世界中に店舗数を伸ばしていくにあたり、各地で経営を任せられる人材の育成に励んでいます。

柳井社長が考える世界中で経営ができる人材とは、語学力や学歴、資格といった要素を備えた人材というわけではなく、以下のようにもっと本質的なことを重要視しているようです。

「学歴や国籍は関係ない。不思議だが、大学であまり勉強していない人のほうがグローバル化に向いていると思う。最初、ことばはできなくても、海外へ行って必死で仕事をやっていたら、すぐにできるようになる。それよりも、人とコミュニケーションが可能かどうか、オープンマインドに自分ができるかどうか、相手の人間に対して、一緒に仕事をしようという態度で接することが可能かどうか、そういうことのほうが、より大事なことだ。」

繰り返しになりますが、柳井社長はグローバル化を重要視しており、今後さらなる海外出店を目指す上でリーダーとなる経営者の育成は不可欠のようです。

選考過程では、リーダーとしての資質組織の中心となった経験をアピールすることが重要でしょう。

事実、unistyleの選考レポートを見てみると、ファーストリテイリングには「グローバルリーダー」という採用枠が設けられ、選考の過程ではリーダーとしての経験や考え方が深く問われるようです。

ファーストリテイリング選考レポート(2020卒 男性)の一部抜粋

それぞれの面接およびGDについて、社員の人数および役職、面接を受ける学生の人数、面接会場、面接時間、質問内容、面接の雰囲気、面接の感想についてご記入ください。面接がない場合は「なし」とお答えください。...
もちろんプラスになることはあるが、一般的なことでも、何を考え、課題があった際にはどう向き合い、結果どうなったかということが大事です。話をより具体化するために数字を出すことが大切かと思います。その方が目に留まりますし。実際に私もESや履歴書には成果を具体的に書いていましたし、面接の際はわかりやすく伝えるようにしていました。「売り上げを増加させました」よりも、「売り上げを2倍にしました」の方がイメージしやすく、相手にも伝わりやすいですよね。 もちろんプラスになることはあるが、一般的なことでも、何を考え、課題があった際にはどう向き合い、結果どうなったかという、
場合によっては「成果なんて出したことがない!」と思う人もいるかもしれません。

このように、リーダーとしての経験や考え方についてかなり深堀りされています。

また、語学力よりマインド重視といっても決して語学力がどうでもいいというわけではありません。

グローバルマインドを備えた学生であれば結果として語学力の強化にも積極的なはずです。実際に面接にてTOEICを受けていない人がそこを突っ込まれたという選考レポートもあります。

ファーストリテイリングのES・選考レポート一覧はこちらから

このように、発言の趣旨やその背景を理解すると、ファーストリテイリング主要子会社であるユニクロやGUが採用HP中で掲げている求める人材像(「高い志」や「リーダーシップ」など)もより具体的にイメージできるのではないでしょうか。

ユニクロの採用HPはこちら
GUの採用HPはこちら

企業研究例② みずほ・トヨタの社長の発言から企業研究してみた

次に、直近で世間を賑わせた社長の発言2つを抜粋し、企業研究に繋げてみます。

「ゼネラリストに価値はない」(みずほFG 坂井辰史社長)

週刊東洋経済より

2019年8月、みずほファイナンシャルグループは2019年度から始まる中期経営計画の期間を従来の3年から5年に変えて、抜本的な改革を行うことを発表しました。

その際、同社社長である坂井辰史氏は週刊東洋経済のインタビューにて次のような発言を残しています。

極端な言い方をすれば、ゼネラリストというのは、社内のことをよく知っている人で、社会に出たときにバリューのない人だ。それぞれが『スペシャリスト』でなければいけない。

マイナス金利政策が経営に影響し、これまでの事業モデルでは立ちいかなくなっているメガバンク。

そんな非常事態での改革にあたって、みずほはさまざまな分野の担当者たちをまとめ上げられるような人材ではなく特定の分野において突出した知識や経験を持つ人材を求めていることがわかります。

「終身雇用限界」(トヨタ 豊田章男社長)

日経ビジネスより

2019年5月、トヨタ自動車社長豊田章男氏の以下の発言が世間に大きな衝撃を与えました。

雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた。

ハードからソフトへのビズネスモデルの変化やビジネスの短サイクル化などが影響し、日本の大企業を支えてきたメンバーシップ雇用が限界を迎え、実力主義的なジョブ型雇用への移行意思が読み取れます。

日本的雇用の象徴的な存在であったトヨタですが、今後は「日系大手は入ってしまえば一生安泰」というイメージを持った安定・安心を求める就活生は評価されません。

上記のファーストリテイリング同様、入社後どういったことを実現したいかをはっきり示す必要があるでしょう。

社長の発言から企業研究する上で注目すべきポイント



それでは、社長の発言を考察する際に注目すべきポイントを紹介します。

①社長が目指しているその企業の成長の方向性

どの社長も自社を成長させたいと思っていることは共通ですが、その方向性は様々です。

既存の市場で既存の製品やサービスをさらに浸透させたいのか、新しい市場や新しい製品・サービスを目指すのか、またそれらは具体的にどの点が新しいのか、、などなど、その方向性に沿うような人材像を考察しましょう。

海外という新しい市場で、情報製造小売業という新しいサービスを展開しようとしているファーストリテイリングでは「グローバル化」と「デジタル化」が重要であるという先述の考察例のように、社長が目指す企業成長戦略から求められる素養が見えてきます。

②社長が考えるその企業の強み  

自社の強みは社長にとって誇りであり、事業を展開していく上での武器です。

ファーストリテイリングがSPAという独自のビジネスモデルで小売不況を跳ねのけているように、こういった独自の強みは他社では語れないポイントです。

特に同業他社との強みの違いを意識することでその企業独自の志望動機の作成に繋がります。

③社長が考えるその業界の今後

めまぐるしく変化するビジネスにおいて、社長は常に生存戦略・成長戦略を練っています。

その道のプロでありビジネスのプロである社長の分析は、その業界の今後を考察する上で大変参考になります。

柳井社長が小売業の終焉を予想しこれからの情報産業の重要性を説いているように、業界の未来だけでなくそこで重要になってくるであろう素養やスキルも見えてきます。

このように、社長の分析によって自分自身の考えだけでは行き着かないような深い業界研究に繋がります。

最後に



志望する企業やその社長が有名であるほど、インタビューやスピーチも多いと思います。

本記事で示したような視点で紐解けば、その企業の境遇や求める人材像が色濃く見えてくることもあるので、企業研究・業界研究に役立てるのも一つの手法かもしれません。

もちろん、参考になるものもならないものもあるので、情報を自分なりに取捨選択し、本当に必要な部分だけを活かすことを意識していただければと思います。

最後に企業研究に役立つ記事と社長の発言に注目した記事を掲載しておきますので、こちらも併せてご覧ください。

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「エモい」騒動から思いついた就活生の「脱ボキャ貧!」術 「エモい」騒動から思いついた就活生の「脱ボキャ貧!」術 エモい。2018年の流行語にもノミネートされましたね。ただみなさん、「エモい」がSNS上で議論を巻き起こしているのをご存知でしょうか。【書きました】エモいという言葉が流行っていることが心配なのです。嬉しいも、楽しいも、悲しいも、寂しいも、侘しいも、恥ずかしいも、感動したも、安心しているも、驚いているも、怒ってるも全部大事な感情表現。感性の襞が減っちゃう。もったいないよ。https://t.co/yG3QlhkEao@BIJapan—寺口浩大[KodaiTeraguchi](@telinekd)2018年11月28日賛否両論ありましたが、これは就活にも関連性があるのでは?ということで「就活生よ、脱ボキャ貧!」をテーマに、ESや面接でボキャブラリーの貧しさに絶望している方の助けになるES例を集めました。エモい。に巻き起こった議論「最近の子は『エモい』でなんでも表現しちゃう。語彙力低下だ!」つーのは「大型商業施設のせいで商店街ガー」「Amazonのせいで街の書店ガー」とか言ってるのと大差なくて、新しい価値観や現実を受け入れようとしない老害への第一歩だと思うんだよな。結構危険。—久保ゆうすけ(@shabuface)2018年11月29日この「エモい」騒動では若者の語彙力低下について議論されていました。「エモいを使う=感性と語彙力の低下」となるかどうかは意見が分かれるところですが、語彙力低下と言えば、就活をしていてESや面接で「自分、ボキャ貧だな・・」と感じたことはありませんでしたか?例えば、文末がやたらと「取り組んだ」や「考えた」になってしまうなど。目指せ脱ボキャ貧ここからは、脱ボキャ貧!ということで、ES記入のコツと共にESで使える言い回しをまとめていきます。「取り組んだ」は一つの設問に一つまで就活を始めたばかりの頃のESに散見される「取り組んだ」という言葉ですが、使うのは始めの一文くらいにしましょう。【例】あなたが他者を巻き込んで、共通の目的に向かって取り組んだ経験について、あなた自身が果たした役割や取り組みの成果も含め、具体的に記してください。(設問(6)で回答した経験の中から説明してください)(400文字以内)項目の1つ目、これが他者を巻き込んで、東北リーグ1部昇格という共通の目的に向かって取り組んだ経験です。監督が不在だったので、代々主将が選抜決定の役割を担っていたのですが、就任当時は練習試合が少なく、部員50人全員が試合でアピールできる機会が整っていませんでした。そのため、ある部員から選抜に不満がありモチベーションを維持できないという相談を受けました。そこで私は、社会人リーグへの参加を提案することで、部員全員が出場機会を得られるような環境づくりをしました。また、パス成功率等のデータを毎試合とることで客観的に部員を判断できる指針を構築しました。その結果、士気の向上に悩んでいた部員たちも積極的に個別練習をするなど情熱を取り戻したように感じました。さらに、この意識改革によって部員同士が切磋琢磨するようになり、最終学年次には目標であった東北リーグ優勝を達成することができました。【参考】「取り組んだ」という言葉はある程度抽象度の高い言葉のため、冒頭の「がんばった事」のまとめとして使います。それ以降は具体的な状況説明に入るので、様々な言い回しができます。以下に代替できる言い回しをまとめましたのでESを書く際は適当な言葉を当てはめて同じ言い回しばかりのESにならないようにしましょう。「取り組んだ」の言い換え・力を入れた・努めた・努力した・注力した・心掛けた・行動した・図った・奮闘した・奮起した行動と思考の言語化のススメ難しいのは、自分の行動や思考を伝えるときです。なぜこれらの言語化が難しいかというと、言葉にすることを前提に取り組んできた事ばかりではないからです。バイトでなにかトラブルが起きたとき、サークルで仲間割れをした時、がむしゃらに考えて解決しようと行動しているでしょう。ただ、そこから時間が経ってから「学生時代での最も大きな困難は何か」と聞かれると当時自分が考えていたことをすぐには思い出せないのではないでしょうか。そのため、以下のステップを踏んで言語化を進めていきましょう。①具体的な事象と自分や周りの人の行動をまずは言語化する②「どのような意図で」これらの行動を起こしたのかを想起する③行動の行間を、行動した理由やそのときの思考で埋める以下のESを例にご説明します。太字部分が③にあたる部分です。自分の行動の背景が盛り込まれていると、中身が濃く、共感度の高い文章になります。ESの全体の構成については、その他の記事でも解説していますので参考にしてください。【例】あなたがプロジェクトの方向を変え、その結果、時間やコストが削減された例を説明してください。(全角半角問わず500字から700字程度)フィンランドへ留学していた際に、地元企業と連携しフィンランドウォッカを日本へ輸出するための貿易プロジェクトを行った。プロジェクトメンバ−は平均年齢30歳の経験や知識豊富なフィンランド人大学院生で、プロジェクト初期は自分の無能さから意見を言うのが恥ずかしく、他メンバーの意見に従っていた。しかし、日本へ輸出プロジェクトなのにも関わらず、他メンバーが「フィンランド市場の場合はこの様になる」「日本と中国は近くて似ているから中国市場がこの様なら日本市場も同じだろう」という勝手な見解を始め、地元企業への中間報告プレゼンテーションでもはっきりとした調査を報告できないがために、なかなかプロジェクトが進まなかった。これをきっかけに、無知をさらけ出す恥ずかしい状況にくじけずにプロジェクト内唯一の日本人として自分にしかできない役割を果たそうと奮起した。寝る間も惜しまず日本のアルコール市場について調査をし、また日本に住む知り合いの社会人の方々にコンタクトを取り、日本の市場調査、ターゲット絞り、ディストリビューター探しを行った。メンバーにただの見解ではなく、政府の調査や研究所のデータを発表したため、彼らからの信頼を受け、またデータが集まったことでプロジェクトの内容も着々と決まった。その結果、地元企業からは豊富な情報を得ることができたとお礼を受け、また教授からはプロジェクト内で一番成長した生徒とお褒めの言葉をいただいた。【参考】【参考記事】ESで使える言い回し(性格編)Unistyleでは性格のアピールポイントごとの自己PRの書き方を解説していますので、そちらも参考にしてください。【参考記事】最後に就活において、語彙力が乏しいことで印象が下がってしまってはもったいありません。何度も使うことで語彙は身についていきます。一緒に「脱ボキャ貧!」していきましょう。 18,674 views
大手企業がリストラの嵐~その背景・今後・就活生の行動指針を考察してみた~ 大手企業がリストラの嵐~その背景・今後・就活生の行動指針を考察してみた~ ここ最近、大企業による大規模なリストラや早期退職のニュースをよく目にします。実際に「大企業による直近2年間のリストラ・早期退職」を調べてみると、以下のような企業が確認できました。日産自動車→2023年3月までに世界の日産グループ従業員の10%、1万2,500人を削減すると発表。富士通→2018年10月に5,000人の従業員を配置転換し、そのうちの2,850人が退職。損保ジャパン日本興亜→2019年6月末、従業員4,000人を削減し、買収したワタミの介護人材に回すことを発表。※ここでは3社しか取り上げていませんが、後述でその他の企業も取り上げています。上記に挙げた企業はあくまでも一例にはなりますが、3社ともに「各業界を代表する大手企業」であり、"大手企業=安定している・リストラなどはめったにない"という認識を持っていた就活生は驚いたのではないでしょうか。各社でそれぞれ事情は異なるにしても、最近のリストラの嵐はここ数年間では見られなかった兆候ですし、上記3社の事例も氷山の一角に過ぎず、他の大手企業でも大規模なリストラ・早期退職が実施されています。今や「大手企業=安定している・リストラなどはめったにない」という神話はないに等しく、就活生の方もこういった事実をしっかりと認識しなければならないと言えるでしょう。そこで本記事では「直近の大規模リストラ・早期退職の実情」を解説していきたいと思います。"そもそもリストラや早期退職とは何か?"といった基本的な内容から、"各社や日本全体の実情・この実情を受けて就活生はどうすればよいのか"まで解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。▼目次クリックで展開本記事の構成そもそも「リストラ・早期退職・希望退職」とは何なのか?直近2年間で大規模なリストラ・早期退職を実施した大手企業全12社とその背景なぜ早期退職・希望退職に応募するのか?大手企業のリストラ・早期退職から読み解く日本社会の実情と今後この実情を受け、就活生はどうするべきなのか?まとめそもそも「リストラ・早期退職・希望退職」とは何なのか?「国内におけるリストラ・早期退職」の実情を解説する前に、まずはそもそもの概念・意味を紹介します。違いが分からずによく混合されてしまう「リストラ・早期退職・希望退職」ですが、簡単に説明すると以下のように定義づけることができます。リストラとは英語の「Restructuring」の略語であり、本来の意味は「再構築」です。ビジネス上の意味(本記事での意味)としては、「企業都合により、人員削減の手段として行う解雇のこと」を指します。早期退職とは「定年を迎える前に退職となること」を指します。早期退職はリストラと混合される場合が多いのですが、その違いは"強制力の有無"に集約されます。リストラは「企業都合による解雇であり、従業員の意思は考慮されない」という特徴があり、早期退職は「定年を迎える前に退職となることであり、従業員の意思で行う場合がほとんど」という違いがあります。希望退職とは「企業が従業員の主体的な退職を募る仕組みのこと」を指します。希望退職は早期退職の内の一つではありますが、早期退職と希望退職は"退職の目的・利用時期"に違いがあります。具体的に説明すると、希望退職は「企業の業績が悪くなり、従業員の人件費削減などを目的として行われるもの」であり、一方で「企業の業績とは関係なく、人件費削減や従業員の若返りを促すために行われるもの」を一般的には早期退職と呼びます。(「選択定年」と呼ばれることもあります)また、希望退職は「企業都合で一時的に募集する制度であるため、希望者の年齢などに特に制限はない」という特徴があり、一方で希望退職を除く早期退職(選択定年)は「一定の年齢以上であることが条件とされていることが多く、その決められた年齢に達していなければそもそも応募することができない」という違いがあります。直近2年間で大規模なリストラ・早期退職を実施した大手企業全12社とその背景「リストラ・早期退職・希望退職」の意味や違いを理解したところで、"実際にどのような大手企業が大規模なリストラ・早期退職を実施したのか"を見ていきます。筆者の調べた範囲内にはなりますが、以下のような企業が実施・発表をしたようです。(本記事では、直近2年間を2017年末~2019年末という定義で記載しています)日産自動車→2023年3月までに世界の日産グループ従業員の10%、1万2500人を削減すると発表。富士通→2018年10月に5,000人の従業員を配置転換し、そのうちの2,850人が退職。東芝→2018年11月、東芝・東芝エネルギーシステムズ(ESS)・東芝デジタルソリューションズ(TDSL)の3社で1,060人の早期退職を募集し、結果的に823人の従業員が早期退職に応募。また、2019年5月に東芝デバイス&ストレージ(TDSC)でリストラが発表され、350人の早期退職枠に対して414人もの従業員が応募。NEC(日本電気)→2018年11月、45歳以上で勤続年数5年以上の従業員を対象に実施した希望退職に2,170人が応募したと発表。富士ゼロックス→2018年上半期、全世界で1万名もの大規模なリストラを敢行。損保ジャパン日本興亜→2019年6月末、従業員4,000人を削減し、買収したワタミの介護子会社に回すことを発表。みずほフィナンシャルグループ→2017年末、グループ全体で1万9000人の従業員をリストラすると発表。三菱UFJフィナンシャルグループ→2017年末、グループ全体で9,500人分の業務量を削減すると発表。三井住友フィナンシャルグループ→2017年末、グループ全体で4,000人分の業務量を削減すると発表。その後の2019年5月、当初の計画から5,000人弱分に増える見通しであると再度発表。キリンホールディングス→2019年10月~11月にかけ、傘下であるキリンビール・キリンビバレッジ・メルシャンで5,000人規模の人員再配置を実施。日本ハム→2018年10月、45歳以上の従業員を対象に全従業員(子会社への出向を含む)の約1割にあたる200人を上限に早期退職者を募ると発表。結果的に当初の募集人員を超える213人が応募。アステラス製薬→2018年度に日本国内で実施した早期退職優遇制度に約700人が応募し、その結果国内のMRの人数は2,000人前後になったと発表。上記で取り上げた企業はいずれも日本を代表する大企業ばかりであり、それゆえにリストラ・早期退職の人数も何千・何万というかなり大きな数字となっています。例年、就活生からの人気が高い企業も多く該当しており、「こんなにリストラしてるの!?」と改めて驚いた方も多いのではないでしょうか。数字(リストラや早期退職の規模)だけを見てもイメージはつきにくいかと思いますので、各社の背景をそれぞれ紹介していきます。各社のリストラ・早期退職の背景【日産自動車】カルロス・ゴーン(元CEO)に関する問題や世界各地で収益が悪化した結果、近年の業績不振を立て直すための生産体制の見直し・人員整理をするため、リストラを敢行。【富士通】成長領域のITサービスなどを強化し、間接部門の効率化を目指す「成長に向けたリソースシフト」の一環として希望・早期退職の募集を実施。【東芝】収益力強化に向けた構造改革計画の一環で希望退職・早期退職の募集を実施。【NEC(日本電気)】固定費削減による収益構造改革の一環として人員整理をするため、希望退職という名のリストラを実施。【富士ゼロックス】業績が悪化しているというわけではなく、比較的安定して推移しているが、今後雲行きが怪しくなっていくと予想した結果の大規模なリストラだと言われている。おおまかな目的は経費の削減。【損保ジャパン日本興亜】IT活用による事業の効率化の影響で、国内従業員を4,000人削減する施策を実施し、買収したワタミの介護子会社に配置転換を実施。この報道が出た際は賛否両論の意見が飛び交い、「いわば新たなリストラ手法」とも言われた。【みずほフィナンシャルグループ】【三菱UFJフィナンシャルグループ】【三井住友フィナンシャルグループ】RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)導入による業務の効率化、店舗網の大幅な縮小の影響による人員削減のため、大規模なリストラを敢行。※RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション):デスクワークなどの一連の事務作業を、PC内のソフトウェア型のロボットが代行・自動化すること。【キリンホールディングス】2018年度通期決算で過去最高益を達成したにも関わらず、早期退職を実施。他社のリストラの要因(業績悪化による人員削減など)とは少し異なり、業績が好調なうちに従業員の整理を行い、さらなる成長や事業展開を図ることが狙い。【日本ハム】今後、既存事業の効率化による収益性の強化を進めていくにあたり、従業員構成を適正化させるために早期退職の応募を実施。選択定年制度を限定的に拡充する形を取った。【アステラス製薬】薬価の引き下げや後発医薬品(ジェネリック医薬品)の普及などの影響で国内の事業環境が厳しくなり、従業員(MR)の人数を削減するために早期退職を実施。上記に記載した通り、各社でそれぞれリストラ・早期退職を実施した要因は異なりますが、同業界の中ではある程度共通点があるように感じます。そしてその要因は以下の2種類に大別されると考えられます。業績の悪化・規模の縮小により、人員削減・人員整理をする必要があるため。業績の良し悪しに関わらず、生産性向上・組織や制度の変更を促進するため。業績悪化・規模の縮小により、人員削減・人員整理をする必要があるため。こちらの要因に関しては、「富士通・東芝・NEC(日本電気)・富士ゼロックスといったハードウェアメーカー業界」の事例が挙げられます。ハードウェアメーカー業界の大規模なリストラ・早期退職は、"主力事業であるハードウェア製品の不調"が主な要因とされています。上記の企業でもソフトウェア領域は特に不調というわけではなく、ハードウェア領域の業績不振による人員削減という側面が大きかったと言われています。また、「みずほフィナンシャルグループ・三菱UFJフィナンシャルグループ・三井住友フィナンシャルグループの3大メガバンク(銀行業界)」の事例もこちらのパターンに該当されるでしょう。上記でも記載したように、銀行業界のリストラは"RPA導入による業務の効率化"が主な要因とされています。新卒採用人数も年々減らしている3社ですが、メガバンク以外でも地方銀行が続々と統合を進めており、銀行業界全体として苦戦していることは間違いないでしょう。業績の良し悪しに関わらず、生産性向上・組織や制度の変更を促進するため。こちらの要因に関しては、2018年度通期決算で過去最高益を達成したにも関わらず早期退職を実施した「キリンホールディングス」の事例が該当します。上記で取り上げた12社の大半は前者の要因に該当するのですが、いまや「リストラ実施企業の3社に1社が業績好調な企業」であり、今回のキリンホールディングスの事例もそこまで珍しいものではないようです。そして今回のキリンホールディングスの事例であれば、"①バブル世代の退出を促す②若手への投資を進めて新陳代謝を図る③従来の人事・評価制度の改革を進める"などが早期退職の要因とされています。こういった要因による早期退職のことを「先行実施型の早期退職」とも呼び、「業績が好調な企業が財務的な余裕のあるうちに人員整理を進めるケース」は増えているようです。【参考】【BUSSINESSINSIDER】リストラ数は6年ぶりに1万人超え。業績好調でも早期退職者を募集する理由【ダイヤモンド・オンライン】キリンが早期退職を実施、過去最高益なのにリストラ着手の裏事情【スクープ】本記事で取り上げた12社の情報は下記の記事の内容をもとに作成しました。【参考記事】【産経ニュース】日産、世界で1万人超削減へ(2019.7.24)【日本経済新聞】富士通、2850人が早期退職営業・エンジニアに配転も(2019/2/19)【東芝プレスリリース】構造改革に伴う早期退職優遇制度の実験結果及び東芝デバイス&ストレージ株式会社における早期退職優遇制度の実施について(2019年5月13日)【NECプレスリリース】特別転進支援施策の実施に関するお知らせ(2018年6月29日)【SankeiBiz】富士ゼロックス1万人削減米社と経営統合(2018.1.31)【日本経済新聞】損保ジャパン、国内4000人削減IT活用で効率化(2019.6.24)【日本経済新聞】みずほ、店舗2割削減へ12%減益で1.9万人削減発表(2017/11/13)【Businessjournal】三菱UFJ銀行、1万人削減へ…業務を人からシステムに置き換え、従来型モデルが限界(2017.11.01)【時事ドットコム】業務量削減、5000人分に拡大=IT活用で自動化加速-三井住友FG(2019年5月22日)【時事ドットコム】キリン、希望退職募集=枠設けず、組織若返り狙い(2019年9月27日)【日本経済新聞】日ハム、45歳以上の早期退職募集(2018/10/31)【アステラス製薬プレスリリース】国内事業再編に関するお知らせ-アステラス製薬および国内グループ会社再編と早期退職優遇制度の導入-(2018年5月22日)なぜ早期退職・希望退職に応募するのか?これまで、「直近2年間で大規模なリストラ・早期退職を実施した企業とその背景」を紹介してきました。各社ともかなり大規模なリストラ・早期退職を実施したことが読み取れたと思いますが、早期退職と希望退職に関し、以下のような疑問を持った就活生の方もいたのではないでしょうか。普通に考えて定年まで勤め続けた方が良くない?多額の退職金をもらえるとしても会社に居続けたほうがメリットはあるでしょ?なぜわざわざ早期退職・希望退職に応募するのかが分からない。そこで続いては、上記のような疑問に対するアンサーとして、「早期退職や希望退職の背景」を具体例を挙げながらもう少し紐解いていこうと思います。早期退職・希望退職のカラクリと実情本記事の冒頭で「早期退職と希望退職は強制力がなく、従業員の意思に基づいて実施される」という紹介をしましたが、これには裏事情がある場合があります。結論から述べると、"早期退職や希望退職は100%従業員の意思に基づいて実施されるものと言えど、「早期退職(希望退職)or出向や降格」などの二者択一を迫られている場合がある"ということです。つまり、"downorout"を迫られていると言うこともできます。また、企業側は対象とする社員をあらかじめ選別している場合も往々にしてあり、リストラとほぼ同義であるとも読み取ることができるでしょう。実際に具体例を挙げるのであれば、以下のような実例が確認できました。早期退職を断ったら出向にするといわれたある製薬会社に勤めています。50歳の正社員です。私の働く部門が外注になり業者が入ってきました。私は上司から呼び出されあなたのやっている仕事を業者に教えてもらえないかと頼まれました。私は上司の頼みを引き受け、業者に自分の仕事を教え始めました。そのとき、会社は早期退職の募集を募り始めていました。ある日私は直属の部長に呼ばれました。あなたのやっている仕事はこれから業者にやらせます。したがってあなたのやる仕事はこれからありません。と言われました。そしてパッケージなるものを示されました。そのパッケージには次のことが書かれていました。1会社都合による退職。2特別退職金の支給。3再就職支援会社の無料利用です。面談が始まり何回もパッケージに応ずるよう圧力がかけられました。けして会社をやめなさいとは言わないのですが、あなたのスキルを活かす場所はこの会社にはもうありません。と何度も繰り返し言われました。今日は三回目の面談でした。早期退職に応じるつもりはないといいましたら、もしあなたが早期退職に応じなければ会社はあなたを今度入った業者に出向にします。と言われました。出向は会社命令であなたには断ることは出きない。と部長はいいました。出向とはどのようなものでしょうか。そして私は出向を断ることは出来ないのでしょうかどうかよろしくお願いいたします弁護士ドットコム:労働上記の実例は「とある製薬会社に勤めている50歳の正社員が早期退職を促す圧力をかけられ、早期退職をしなければ出向させると脅された」というものになります。これはあくまでも一つの例にはなりますが、上記のような事例は決して珍しくなく、早期退職のカラクリとして存在している事象なのです。※本記事の冒頭で「直近2年間で大規模なリストラ・早期退職を実施した大手企業全12社」を取り上げましたが、これらの企業が上記のような事例に当てはまるという意味ではありません。「早期退職・希望退職を実施している企業は全てこのような実情に基づいている」という訳ではありませんが、このような実情・カラクリが存在することも認識していただければと思います。大手企業のリストラ・早期退職から読み解く日本社会の実情と今後ここまで、「企業ごと・業界ごと」という観点から実情・背景を紹介してきましたが、続いてはもう少しマクロな視点から考察していきたいと思います。先ほど紹介したリストラ・早期退職の背景を受け、「現在の日本社会の実情・今後起こり得るであろう変化」は以下の2つに集約されると考えられます。定型業務・事務系業務などがロボット・IoTに代替される可能性がある日本特有の終身雇用制度が崩壊する上記2点に関しては巷でもよく言われている内容だとは思いますが、結論「この2点に集約される」と言えます。定型業務・事務系業務などがロボット・IoTに代替される可能性があるIT社会化が急速に進行していることで、これまで人間の手で請け負ってきたいくつかの業務がロボット・IoTに代替される可能性があります。その中でも、いわゆる「定型業務・事務系業務」と言われる業務が主に代替されると言われています。実際にそのような予測もいくつか発表されており、人材会社「エン・ジャパン株式会社」が2017年に発表した「AIに代替される仕事/されない仕事」についてという資料には以下のような調査結果が示されていました。Q.現在ミドル世代が就業している職種の中で、AIに代替されて、なくなると予想される職種を教えてください。【1位】経理・財務・会計系:42%【2位】秘書・アシスタント・一般事務系:41%【3位】コールセンター:37%【4位】人事・総務系:32%【5位】会計士・税理士:28%Q.AIに代替され、なくなるであろう職業が多いであろう「業種」を教えてください。【1位】IT・インターネット:41%【2位】コールセンター:41%【3位】金融:34%【4位】メーカー(コンピューター・通信系):30%【5位】メーカー(機械・自動車・メカトロ):27%【引用】ミドルの転職:「AIに代替される仕事/されない仕事」について(2017年版)※アンケート実施期間:2017年11月22日~2017年11月28日/有効回答数:181名上記の調査結果は一部を抜粋したものにはなりますが、このデータを見れば「メガバンクなどの金融業界の企業が、リストラや早期退職の実施で人員を削減・整理している実情」が理解できるのではないでしょうか。また、「IT・インターネットやメーカーといった業種」もAIに代替されやすい業種と予想されています。IT業界やメーカーといえば今でも就活生からの人気が高い業界ではありますが、競争が激しい業界であるがゆえに変化が激しく、今後のAIやIoTの導入にも積極的であるため、上位にランクインしたのだと考えられます。IT・インターネット業界は競争が激しいと言われているため、大手・中小・ベンチャー問わず"10年~20年先の姿は誰も正確には予測できない"と言っても過言ではないでしょう。日本特有の終身雇用制度が崩壊する「終身雇用を守るのが難しい」2019年5月にトヨタ自動車社長の豊田社長が発したこの言葉を、ご存知の方も多いのではないでしょうか。また同時期に、経団連の中西宏明会長も「終身雇用を続けるのは難しい/終身雇用は制度疲労」などという発言をしました。日本のトップとも言える企業の社長と経団連のトップがこういった趣旨の発言をしたということは、"日本特有の終身雇用制度の崩壊はすぐそこまで近づいている"といっても過言ではないでしょう。この両者の発言の趣旨・真意を考察することは本記事の趣旨と少し異なるため、ここでは割愛させていただきますが、もはや"新卒一括採用やメンバーシップ型雇用が当たり前"という状況はなくなるでしょう。(実際にベンチャー企業やIT企業などでは、こういった状況は見られなくなっています)本記事で取り上げた企業のリストラに関しても、「終身雇用前提で入社したのにまさか自分が!?」と思った従業員の方も多いでしょうし、この雇用制度の変化に関しては、大企業・中小企業問わず例外ではない事象でしょう。【関連記事】実際に10~20年前であれば、メガバンクやハードウェアメーカーは業績も好調であり、就活生の人気企業ランキングでも上位に名を連ねていました。しかし現在(2019年)では、「大規模なリストラ・早期退職を実施しなければいけない」という状況に陥っており、就活生からの人気も年々下降傾向にあります。ただ、本記事では別に「こういった業界・企業は今後も大規模なリストラを継続する可能性が高く将来性がないため、就職を考え直したほうが良い」ということをお伝えしたいわけではありません。ここでお伝えしたいことは、"こういった変化はもはや業界・企業規模など関係なく起こり得る事象である"ということです。実際に10~20年前に「メガバンクやハードウェアメーカーが現在のような状況に陥る」と予想していた方はごく少数だったと思いますし、こういった事象は「外的要因×内定要因」で起こり得るものであるため、いくら頑張って予想したところで100%当たることはまずありえません。ただ、"そういった事象に遭遇するリスクを減らすことは可能"だと考えています。そこでここまでの内容を踏まえ、「こういった実情を就活生はどう受け止めるべきなのか?そのリスクを減らすにはどうすればよいのか?」という観点の話を最後にお伝えしたいと思います。この実情を受け、就活生はどうするべきなのか?結論からいうと、"自分の市場価値を高め続け、会社から必要とされる人材になる"という内容に集約されます。人材市場価値(じんざいしじょうかち)とは、ビジネスパーソンをベースとした人材の市場における価値である。今日のようなネットワーク社会において、「井の中の蛙、大海を知らず」ではもはや勝ち残れない。社内だけでなく、社外(市場)で通用するかどうかを確認する指標(データ)として、組織人材分析や企業内研修等で活用されることが多い。また、就職・転職する際に、転職候補者の推定年収を算定する際にこの言葉を用いることが多い。【引用】ウィキペディア(Wikipedia)自分自身の市場価値が魅力的なものであれば、例え働いている企業が不景気になったところでより良い条件で転職できる可能性は高まりますし、そもそもリストラや早期退職(マイナスな側面での)に該当する人材になることもないでしょう。その一方で、この市場価値という言葉は"ある種のマジックワード"のように感じます。就活生の中でも「市場価値を高めたい!」ということをESや面接で述べる方は一定数いるかと思いますが、ほとんどの就活生は「自分の中での市場価値の定義」を理解しないまま、この文言を使っているのではないでしょうか。そこで、上記のような就活生や、「そもそも市場価値を高めるには?」という部分に疑問を持っている就活生に向け、"市場価値"というものを分解してみようと思います。「市場価値」を考察していくにあたり、ベストセラー書籍である『転職の思考法(著:北野唯我)』の内容を参考にさせていただくと、市場価値(マーケットバリュー)は以下の3つの要素の掛け算で決定されます。技術資産人的資産業界の生産性技術資産技術資産は「他の会社でも通用する技術的蓄積」と定義づけられます。その中でも、職種に紐付く「専門性」と職種に紐付かない「経験」の2つに分けられると書籍で述べられています。具体例を挙げるのであれば、専門性の技術資産は「営業やマーケティング」、経験の技術資産は「マネジメント経験や業界経験」が該当されるでしょう。人的資産人的資産は、言い換えるならば「人脈」と定義づけられます。業界の生産性業界の生産性は、言い換えるならば「その業界にいる人間が、平均一人当たりどれほどの価値を生み出しているか。」、より簡潔に言うと「一人当たりの粗利」と定義づけられます。そしてこの3つの要素の内、この業界の生産性が「市場価値に最も大きな影響を与える」と述べられています。業界の生産性は産業別(業界別)で大きく異なるため、より市場価値を高めたいのであれば「生産性の高い業界を選択する」というのは非常に理にかなっていると言えるでしょう。市場価値を高めたいのであれば、この3つの要素に「業界の成長性」を加味する上述した「(1)技術資産(2)人的資産(3)業界の生産性」は市場価値を構成する要素になりますが、この市場価値をより高めたいのであれあば、"成長している業界に身を置けるか、つまり「業界の成長性」"も考慮するべきだと述べています。【成長している業界とは】業界全体として「市場規模」が拡大している業界。というのも、成長している業界で働いたか否かによって「経験の技術資産の価値」が大きく変わるためです。成長している業界(成長の見込みがある業界)は、「今後同業界に参入してくる企業が多く、その上で各社は経験を積んだ社員を雇いたい」というニーズがあります。経験の技術資産に「業界経験」が該当すると上述しましたが、このことから「成長している業界で経験を積むことは、それだけで自身の市場価値に大きな影響を与える」ことが理解できるでしょう。【参考】転職の思考法(著:北野唯我)上述した内容を踏まえれば、「自分の市場価値を高め続け、会社から必要とされる人材になるためのイメージ」が少しは湧いたのではないでしょうか。「ファーストキャリアはとにかく成長している業界に行きなさい!」ということを伝えたい訳ではありませんが、市場価値を高めたいと考えている就活生にとっては、「業界の生産性・成長性」を考慮することは必須かもしれません。「リストラはもはや業界・企業規模など関係なく起こり得る」という現代において、それに遭遇するリスクを減らすのであれば、"どういった業界に身を置き、どのように自身のスキル・魅力を高めていくか"を就活生の内から考えておくべきでしょう。【関連記事】まとめ本記事では、直近で大規模なリストラ・早期退職を実施した大手企業とその背景の紹介に始まり、そこから読み解く日本社会の実情と市場価値とはという内容までを紹介しました。本記事を一通りご覧いただいた方はこういった実情を知り、どのような感想を持ったでしょうか。今や、日本を代表する大手企業でも「大規模なリストラ・早期退職」はそこまで珍しいものではなく、就活生の方もこういった実情を「他人事のように捉えてはいけない」ことが理解できたのではないでしょうか。ただ、改めてにはなりますが、「上記で取り上げたような大規模なリストラを実施している業界・企業は避けるべきだ!成長している業界(成長の見込みのある業界)に絶対行くべきだ!」などといったことを本記事を通して伝えたかった訳ではありません。"現在の日本社会(大手企業)の実情をどのように捉え、その上でどのように自身の行動に落とし込んでいけばよいか"ということを見つめ直す機会を提供することで、"納得のいく企業選び・自らの理想とするキャリアステップ"に近づいてもらえればと思い本記事を執筆しました。本記事を通じ、何か一つでも得るものがあったのであれば幸いです。【関連記事】 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コンサルのスキルは就活にも役立つ!書籍『コンサル一年目が学ぶこと』から学ぶこと コンサルのスキルは就活にも役立つ!書籍『コンサル一年目が学ぶこと』から学ぶこと 外資コンサル業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】外資コンサルの仕組み・大手企業ランキング・選考対策まで一挙大公開!2.【業界研究|コンサルティング】コンサルティングとは?から選考対策までを徹底解説3.【業界研究】外資コンサル大手企業一覧まとめ4.【業界研究】外資コンサルの年収ランキングを大公開!今回ご紹介するのは『コンサル一年目が学ぶこと』という書籍です。タイトルからコンサルティングファームでの仕事術を述べたものかと思いきや、コンサルから他業界に移った著者の目線から見た、どんな仕事にも言える普遍的なことがらが書かれています。コンサル志望者・内定者の方はすでに本書や類似内容の書籍を読んでいると思っており、むしろそれ以外の業界を志す方に本書を読んで欲しいと思いコラムにしました。内定者の方にもおすすめです。コンサル一年目が学ぶこと【著者紹介】大石哲之(おおいしてつゆき)1975年東京生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社後、戦略グループのコンサルタントとして、全社戦略の立案、マーケティング、営業革新などのプロジェクトに携わる。その後、株式会社ジョブウェブを起業し、取締役副社長。同社退社後は、個人コンサルタントとして独立、本の執筆も開始。株式会社ティンバーラインパートナーズを設立し、現職。コンサル目線での仕事術に関するもの以外にも、下記のような就活生向けにキャリアについての書籍も執筆していますので見てみてください。英語もできないノースキルの文系はこれからどうすべきか職業・業界不問の15年後も役立つ30のスキル本書では、合計30個のスキルを4つの章に分類して説明しています。第1章:コンサル流話す技術(1)結論から話す(2)TalkStraight端的に話す(3)数字というファクトで語る(4)数字とロジックで語る(5)感情より論理を優先させる(6)相手に理解してもらえるように話す(7)相手のフォーマットに合わせる(8)相手の期待値を把握する(9)上司の期待値を超える第2章:コンサル流思考術(10)「考え方を考える」という考え方(11)ロジックツリーを使いこなす(12)雲雨傘提案の基本(13)仮説思考(14)常に自分の意見を持って情報にあたる(15)本質を追求する思考第3章:コンサル流デスクワーク術(16)文書作成の基本、議事録書きをマスターする(17)最強パワポ資料作成術(18)エクセル、パワーポイントは、作成スピードが勝負(19)最終成果物から逆算して、作業プランを作る(20)コンサル流検索式読書術(21)仕事の速さを2倍速3倍速にする重点思考(22)プロジェクト管理ツール、課題管理表第4章:プロフェッショナル・ビジネスマインド(23)ヴァリューを出す(24)喋らないなら会議に出るな(25)「時間はお金」と認識する(26)スピードと質を両立する(27)コミットメント力を学ぶ(28)師匠を見つける(29)フォロワーシップを発揮する(30)プロフェッショナルのチームワーク次から、各章の内容のエッセンスを実際の就職活動の例に当てはめながら説明していきます。①話す技術:「結論から」「端的に」「ファクトベースで」話すビジネスの場面においては短時間で相手に必要な情報を齟齬の無いよう伝えることが求められます。そのために徹底すべきこととして、本書以外でもコンサル関連含む多くの書籍で繰り返し書かれているのが「結論から話す」「端的に話す」「数字など、事実に基づいて話す」ということです。変な駆け引きをせず、言い訳をせず、言われたことにきちんとストレートに答えること。相手の信頼を得るために非常に大事なこととして、いまも常に心がけています。(『コンサル一年目が学ぶこと』p.20より)面接などでも、都合の悪いことを突っ込まれた際にはぐらかして答えがちだという方は特に意識して欲しいと思います。例:成績の悪さについて言及された際の反応【はぐらかして答える】「すみません。。。それでも部の中では自分は割と授業には出席する方でしたし、ゼミ活動にも参加していましたし、できる範囲で勉強はしていたのですが、部活で毎日忙しくて一部おろそかになっていたところもあったかもしれません(以下続く」【ストレートに答える(PREP法)】①Point「おっしゃる通り、学業成績は正直芳しくありません」②Reason「部活動を最優先と考え、最低限の勉強量で進級してきたためです」③Example「平日はほとんど毎日練習をしていまして、その結果レギュラーを獲得し試合でも成果を上げられたので、自分の中では後悔はありません」④Point「そうしたわけで成績は悪いのですが、単位数は何とか計画的に取得できている状況です」ビジネスの場面においても、特に新人の頃は上司から仕事の進捗を聞かれることが多くあります。また、聞かれるのは往々にして仕事がうまく進んでいない時だとも思っています。真っ当な企業であれば、進捗確認の目的は部下を詰めることではなく、仕事を前に進めるためですので、誤魔化さずにイエス・ノーをきちんと答えることが重要です。うまくいっていないのであればその理由を明確にし、何がネックになっているのか、どうすればうまくいくのか、上司とのコミュニケーションを通して改善・解決策を探っていくのが仕事の基本になります。上司:「分析グラフができていないというけれど、何が問題なんだ?」部下:「はい、グラフ化しようとしても、データ自体に問題があって集計できるようになっていないんです。これをいま直しています」上司:「なに?データに問題があるのか?時間はどのくらいかかる?」部下:「1週間くらいかかるかもしれません」上司:「それはまずい。その分析は今週中にやる必要がある。1週間では困るので、別の人もヘルプさせるから、2日で仕上げられるか?」(『コンサル一年目が学ぶこと』p.25より)②思考術:常に自分の「仮説・意見」を持って情報にあたる最近はメディアやSNSなど多くの情報が周囲にあふれていますが、結局ビジネス能力を向上させるには「考えること」が必要だと言えます。考える、というのは「仮説」と「意見」を持つことです。漫然と情報に触れていると、他者の意見を鵜呑みにしてしまったり、そもそも頭に情報が残らないためインプット自体ができていないといったことになりがちだと思っています。普段から自分なりに考えるクセをつけておくことで、面接においても深いレベルの回答ができるようになるものと思います。面接では口八丁なタイプの人ばかりが評価されがちという議論も見かけますが、物事を普段からどの程度の深さで考えているのかを見られている側面も大いにあると感じています。参考:面接で問われているのは瞬発力ではなく、普段から物事を考える力他にも、業界問わず頻出な「最近気になるニュース・サービスは?」といった質問についても、情報をぼーっと眺めているだけでは浅い回答に終始してしまうと思っています。なお、自分なりの考え方を構築する際にも、ゼロベースである必要はなく、他者の考えを参考にするとよいと感じます。参考:「ギリシャ問題」「アベノミクス」について回答を求められたら?就活生必携アプリ「NewsPicks」とは最初は、稚拙だったり、間違いだらけだったりしてもかまいません。とにかく、自分だったらこう思うという筋をもって、本を読んだり、有名人のツイートに接したり、記事を読んだりすること。(『コンサル一年目が学ぶこと』p.140-141より)③デスクワーク術:「最終アウトプット」のイメージを持ってプランニングする例年、エントリーシートを書くのに四苦八苦している方は多くいることと思います。ゼロから文章を作成するのが大変ということだと思っていますが、執筆開始の時点で最終アウトプットの骨組みを作るようにすることで、格段にラクになるのにと感じています。本書の中では効率的な作業プランニングの方法として「空(から)パックを作る」というものを挙げています。どういうことかというと、最初にアウトプットのイメージ(見出し)を作成して、そこに必要な情報を入れていくというものです。最終成果物のタイトルだけを書いた、中身が空(から)のパワポをつくり、中身を埋めていくためのタスクを洗い出す。(『コンサル一年目が学ぶこと』p.184より)unistyleにおいても、自己PR・学生時代頑張ったこと・志望動機などの頻出設問についてはフレームワークに当てはめて考えることを推奨しています。フレームワークに則るメリットとしては、思考を整理できる、論理的に伝えられる、執筆の省力化ができるといったことなどが挙げられます。◆フレームワークに則った自己PR執筆準備の例①強み:社交性と向上心から周りを巻き込む行動力があること。②強みの原点:小学校〜高校までで3回の転校経験から、新しい環境でもすぐに周囲に溶け込めるように働きかけるようになった。③強みが発揮された具体的エピソード:個人作業が多くなりがちな研究室活動において、全日本学生ロボットコンテストに向けてチームを結成、代表として運営し、コンテストでは初出場ながら50校中16位という結果を収めた。④強みの方法論:新しい環境でも、自分から積極的に周囲に働きかけることで周囲を巻き込んでいくことができると考えている。⑤強みを社会でどう活かすか:仕事においても主体的に行動し、積極的に周囲に働きかける中で、社内、取引先、顧客などとの信頼関係を構築していきたい。▼参考記事・内定レベルの自己PRが簡単に書ける自己PRのフレームワーク・内定レベルの学生時代頑張ったことが10分で書ける学生時代頑張ったことのフレームワーク・内定レベルの志望動機が10分で書けるフレームワーク④マインド:顧客への「価値提供」にコミットするコンサルタントが使う表現で「ヴァリュー(付加価値)を出す」というものがあります。仕事のヴァリューを規定するのは相手であり、相手に喜んでもらえない仕事は単なる自己満足に過ぎないと言えます。ところで、「御社のサービス・製品が好きだから志望してます」という話をする方は結構多いと思っていますが、多くは「いち消費者目線」に過ぎず、評価されないと感じています。サービス・製品に愛着があるのはよいことかもしれませんが、社会に出れば、生産者として常に試行錯誤を重ねてよりよいものを消費者へ届けて満足を得るというマインドセットの方をより大切にして欲しいと思います。参考:「好きだから」という志望動機の8割が評価されない理由また、「信頼関係構築のために大切なことは何か?」という問いに対しても、本書は一つの回答を示しています。「コミットメント(約束)」という考え方です。クライアントと約束したものは、どんなことがあろうとも、やってくる。そこに信じられないほど強いコミットメントをもっている。そして、常にクライアントの期待値を上回るものをもっていく。それを実直に繰り返すことによって、信頼を得る。(『コンサル一年目が学ぶこと』p.251より)約束を守り、期待に応え(期待を超え)続けることの積み重ねが信頼関係構築のために最も重要だということを語っています。「信頼を築くには、密なコミュニケーションが大事」といった回答をする方もいることと思いますが、どれだけ話してもどうも信頼できないといった類の人も世の中にはおそらくいます。「矢面に立ち頑張る姿を見せる」というのも、半分正解だと感じる一方で、頑張ったけどできませんでしたという状態が続いた時に果たして信頼を得られるのかという疑問が残ります。頑張ることは間違いなく必要ですが、頑張ることにコミットするのでは不十分だと言えます。相手のヴァリューにコミットするのは社会に出てからも容易なことではありませんし、学生のうちからその意識を持っているという方はほとんどいないと思っています。働くようになってから、自分自身と環境の両面でコミットメント力というのは醸成されていくものだと本書では語っていますので参考にしてください。◆自分でこの仕事を選んでいる、という意識がコミットメントを高める。◆コミットメントは伝染するので、社内ではコミットメントの高い人の近くにいる。社内外問わず、メンターを作る。コミットメントが高い人に影響を受けられる環境を作ることが重要。(『コンサル一年目が学ぶこと』p.256-257より)最後に『コンサル一年目が学ぶこと』というタイトルの書籍ですが、どんな業界・業種で働く上でも重要な示唆のある内容だと感じました。まずは本記事や書籍を読んでいただいて、その上でぜひ行動に移して、そして継続して欲しいと思います。ちなみに、本でもセミナーでも何でも、情報を得て実際に行動できる人が30%、行動を継続できる人がさらにその30%などと言われているようです。コンサル一年目が学ぶことphotobyMartinThomas外資コンサル業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】外資コンサルの仕組み・大手企業ランキング・選考対策まで一挙大公開!2.【業界研究|コンサルティング】コンサルティングとは?から選考対策までを徹底解説3.【業界研究】外資コンサル大手企業一覧まとめ4.【業界研究】外資コンサルの年収ランキングを大公開! 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就職活動後ろ倒しはチャンス!上手く立ち回るための3つの方法 就職活動後ろ倒しはチャンス!上手く立ち回るための3つの方法 16卒の外資系コンサル内定者です。皆さんご存知の通り、本年度より従来の4月から日系企業の選考時期が8月に後ろ倒しになりました。世間では学習時間が逆に減っているとか、無用に就活が長期化しているとの批判が見られますが、これも皆、商社をはじめとする人気企業の内定を得たいという気持ちの裏返しだという印象です。そこで、後ろ倒し初年度の就活を終えた筆者が、来年以後の就活生に向けて幾つかのことを伝えたいと思います。優秀な人に内定が集まる?これはもう否定しようの無い事実です。今までは選考時期が短かったため、学生側も受ける企業に応じて努力や時間の分配をしていました。ですが外銀の選考から広告までほぼ1年を要する現行のシステムでは、優秀な学生が内定を幾つも保持しているなんてことは普通のようにあります。私もそのような就活モンスターからは程遠かったので、外資の早期の選考を経て、就活における戦い方を考えることですんなりと就職活動を始めることが出来たのを覚えています。就活に時間がかかる?当然ですが、後ろ倒しの分時間が掛かります。先述したように丸々1年を要する現行のシステムでは、何のための学生生活かわからなくなってしまうという人も居ると思います。しかし、就職活動というのは朝から夜までずっとやっているものではないですし、また私のように1年間の留学をしていた学生、並びに3年以後もサークル活動や課外活動など何かにコミットしている学生にとっては、緩く長く就職活動という「企業との接点」を持つことの出来る良い機会なのではないかと思います。早く始められる上記の2点だけ見ると不安になる人もいらっしゃるかと思いますが、これは逆にチャンスだ、というのが私の体験記で申し上げたいことです。簡単に2点にまとめますと「a.従来と同じく10月から就活を始めることで3月スタートの学生たちと差をつけつつ、b.早期の外資選考に集まる優秀な学生から良質な考え方やテクニックを盗む」ことが出来るからです。メンタリティ的な面で言うと、「就活後ろ倒しになって長期化するからめんどくさい」と思考停止するのではなく、「変更初年度は逆にチャンスだからうまく立ち回ってやろう」というくらいの気持ちでいました。結果的に3月の日系企業就活解禁前に内定を頂くこともできましたし、早めに始めてよかったなと思っています。テクニック的な面では、また8月の商社の就活なども経験しましたが、同じグループ面接を受けていて、本当にこいつには敵わないなといういう人には、個人的にはあまり会いませんでした。そういった意味では早期の外資の選考に来ている人たちは仕上がりも早く弁も立つし、彼らの就職活動から学ぶところというのはおおいにあると思います。インターンについてメリットに関しては色々気づくことが出来たのですが、インターンについては正直微妙なところです。私はインターンを企業側のいわゆる早期選考だと位置付けていたので、三菱商事などの企業には下手に手を出さないほうが良いとの判断から参加を見送りました。ですがインターンで高評価の学生は本選考でもかなり有利だったという某メーカーの友人の話も聞くので、ここは本当に自己判断だと思います。商社に関して言えば、丸紅なんかはインターンから内定が出てるひとが非常に少ないという話だったので、避けたほうが良い傾向にあるかもしれません。結局最初のことに戻りますが、「優秀な人に内定が集まる」ということは変わらないと思いました。最後に以上、就職活動後ろ倒し初年度という観点から私の就職活動を振り返ってみました。来年も現行の8月からの就職活動が継続されるようですが、思考停止することだけはせずに、前向きに頑張ってください。photobyMartinThomas 13,743 views

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