キーエンスの求める人材から考える面接・選考対策
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最終更新日:2022年02月16日
就職活動を始めるとよく耳にする、日系メーカー・キーエンス。
ネットでは「激務高給。30代で家が建ち、40代で墓が立つ」等も揶揄されています。またリクナビ等のサイトにも求める人材像が書かれていないため、非常に実態の掴みにくい会社とも言えるかもしれません。
ちなみに、内定者の声を聞いてみると、社員は相当優秀でプライベートも仕事も楽しんでいるようです。
→「30歳で家が建ち、40歳で墓が建つ」とも言われる同社の選考、社風についてまとめました。同社を志望する学生はぜひ一度ご覧ください。
→キーエンス内定者の内定者懇親会体験談です。内定者及び社員の雰囲気、同社の働き方など学生が気になるであろうポイントについて示しています。
そんなキーエンス、面接の選考自体も非常にユニークであると話題になっています。
本日は採用HP、面接内容からキーエンスの求める人材に迫っていきたいと思います。
採用HPから考えるキーエンスの求める人材
以下は採用HPから引用した社員の方のインタビューです。
電子顕微鏡や画像測定器など、研究用途や開発用途として使われる機種を担当しています。高い機種になれば2,000万円を超える商品もあるため、ご担当者様だけでなく、部署やユニット、または会社全体に対してのメリットを提案できなければ採用には至りません。お客様が商品に対して良い反応をされた瞬間を見逃さず、「なぜその商品がすごいと思われたのか?」すかさずヒアリングをして距離を縮めていく。そうして、次の提案へブラッシュアップ。どんな提案がお客様に最適かを考えることは難しいものではありますが、その分大きなやりがいでもあります。
キーエンスに入社して、伝え方一つで商品の印象が変わることを知りました。使う言葉や説明の仕方、身だしなみや立ち居振る舞い、どうやって伝えたのかその背景まで含めてお客様が商品に対して受けるイメージが変わってくるんです。それがコンサルティング営業の醍醐味と言えますね。これまで世の中になかった商品を提案するため、なかなかお客様にご理解いただきにくいこともあります。だからこそ、「どれだけお客様のメリットを考えられるか、どのようにそれを伝えるのか」が重要です。モノとして紹介するのではなく、「役に立ちますよ」という提案をすることで初めて採用したいと思っていただける。これほど自分次第で成長できる環境は他にはないと思うので、もっともっと営業力を磨いていきたいと思います。
引用:キーエンス採用HP
キーエンスでは基本的にほとんどの人が営業に配属されます。
キーエンスの営業の特徴を挙げるとすると
・テリトリー制
・コンサルティング営業
が大きく分けてあげられます。
新入社員はテリトリーを与えられ、自社製品を製造業の工場に売っていきます。営業方法としてはただ自社製品を紹介するのではなく、相手が困っていることに対して、その問題を解決するために商品を紹介するというような営業スタイルを取っており、それがコンサルティング営業です。基本的には最初から多くの営業先を任されるようで、徹底的な成果主義、営業数字主義を貫いているようです。また、高い商品を1年目からその道のプロの製造業の人に売るわけなので難易度は非常に高く、入社時点で相当高い能力が求められるでしょう。
「ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?」で考えると、「1、個人として努力し、成果を上げることができる。」の部分は相当高いレベルで求められるでしょう。また、「2、関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる。」力も高いレベルで求められることに間違いはありません。新入社員時からトップスピードで営業マンとして活躍せざるをえない状況なので、上記の力を面接で強くアピールする必要があるでしょう。
面接の設問
この会社にはエントリーシートが存在しません。キーエンス本選考情報によると、面接でも志望動機や学生時代頑張ったことはほとんど聞かれず、その場で考えて瞬発的に答えていかないといけない質問が多いようです。
人によって質問は少し異なるものの
・説得面接(僕は○○が嫌いです、3分間で説得してくださいという内容)
・ビデオ面接(◯◯に必要な3要素教えてくださいという内容)
は必ず行われているようで、その場で考える質問が多い、志望動機等を聞かない、ということを考えると、「キーエンスで活躍できる能力があるか」ということを問われていると考えていいかもしれません。
それに対する解説
説得面接では「2、関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる。」という力をアピール出来れば良いでしょう。コンサルティング営業ではただ押し売ることは意味がなく、しっかりと相手の困っていることに対する解決策として商品を提案することが求められるからです。相手のニーズをうまく聞き取れず、一方的にまくし立てようとすると逆効果と思われます。実際、内定者によると「説得せずに終わったが通過した。」という声も聞いています。
ビデオ面接では、「◯◯に必要な3要素教えてください」という内容で、過去の面接では、コミュニケーション、リーダーシップ、聞くこと、などの働く上で重要視されている能力が多く出されているようです。営業成果主義の会社で、活躍できる能力があるか、という点を面接で見られていると考えると、「コミュニケーション、リーダーシップ、聞くことによって利益を上げるために考えておかないといけないこと3つ教えて」という風に解釈するとわかりやすく答えられるかもしれません。内定者の声を聞いても、「自分なりの営業のシーンを思い浮かべてその中でお題を要素化するように気をつけた」という声も聞きます。
最後に
いかがでしたか。
非常に特殊な選考で、一見一切対策することができないような印象を受けますが、求める人材を考えた上で、自分なりに働く上で必要な能力についてをしっかりと定義しておけば、そこまで本番であたふたせずに対応できるのではないかと思います。
ただ質問内容等を調べて1問1答のように答えを導くだけの対策えをするのではなく、その質問の裏側にある採用者の意図まで読み取った上で対策するとより良い結果が生まれるでしょう。
photo by Martin Thomas