【企業研究】住友不動産の実態をunistyleが独自に実施した社員取材を基に解説します
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最終更新日:2024年06月24日
オフィスビル事業を中心に、高級賃貸マンション「ラ・トゥール」シリーズ、「グランドヒルズ」「シティタワー」等の分譲マンション、戸建・リフォーム事業、ホテル事業、不動産仲介事業、貸会議室事業、商業施設…等、不動産事業全般を手掛ける住友不動産。
事業領域の広範さや職種の多さから、正しい情報を基に企業研究を進めることが難しいと感じている就活生も多いのではないでしょうか?
今回は、unistyleが独自に実施した社員取材を基に、住友不動産の事業内容や総合職の働き方、社風などについて解説していきます。
・デベロッパー志望の就活生
・住友不動産志望の就活生
住友不動産の事業内容とは
住友不動産の事業領域は以下の5つに分類することができます。住友不動産内の該当部署や住友不動産グループ内の該当会社、事業内容の概要をそれぞれ解説します。
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不動産賃貸事業
【住友不動産】
●ビル事業本部および都市開発事業本部
└オフィスビル/高級賃貸マンション「ラ・トゥール」シリーズの開発/賃貸/保守事業
【住友不動産グループ会社】
●住友不動産ベルサール株式会社
└イベントホール「ベルサール」/会議室等の賃貸事業
●住友不動産ヴィラフォンテーヌ株式会社
└ホテル業/旗艦ホテル「羽田エアポートガーデン」など
●住友不動産商業マネジメント株式会社
└商業施設等の運営/管理 -
不動産販売事業
【住友不動産】
●住宅分譲事業本部
└マンション/戸建て住宅/宅地等の開発分譲事業
【住友不動産グループ会社】
●住友不動産建物サービス株式会社
└住友不動産と共同で分譲マンションの管理業務 -
不動産流通事業
【住友不動産グループ会社】
●住友不動産販売株式会社
└不動産売買の仲介・住宅等の販売代理および賃貸仲介/すみふの仲介「ステップ」など -
完成工事事業
【住友不動産】
●新築そっくりさん事業本部および注文住宅事業本部
└新築そっくりさん/戸建て住宅等の建築工事請負事業
【住友不動産グループ会社】
●住友不動産シスコン株式会社
└インテリア事業/モデルハウス建設業/駐車場運営 -
その他の事業
【住友不動産グループ会社】
●住友不動産エスフォルタ株式会社
└フィットネスクラブ事業
●いずみ保険サービス株式会社
└保険代理店事業
●泉レストラン株式会社
└飲食業
●泉開発産業株式会社
└ゴルフ場運営
※第90期(2022年4月1日~2023年3月31日)
今回はその中でも、住友不動産のビル事業本部に所属している社員に実施した取材を基に、詳しく解説します。
住友不動産の総合職とは
住友不動産の新卒採用は総合職採用です。総合職の具体的な業務内容や労働条件などは住友不動産新卒採用HPをご確認下さい。
総合職は「経営幹部候補」として採用されます。
では、具体的にどのようなことが総合職に求められているのか、そして総合職の働き方に関して解説します。
住友不動産の総合職に求められること
住友不動産の総合職に求められることは以下の2点だと言えます。
①前例の踏襲ではなく、”自分自身で在るべき形を考えて行動すること”
②自分の担当業務だけでなく、”部署全体・会社全体を見られるようになること”
上記2点からも分かるように、非常に難易度の高いことが総合職に求められているとお分かり頂けるかと思います。
その理由は、「総合職は会社全体のマネジメントをする立場」であるからです。
住友不動産の社員の9割以上は営業職や技術職、事務職などといったキャリア職で構成されており、各部門・職種ごとにキャリア採用(経験者採用)をしています。各専門領域について特化した人材が社内には多くいるので、総合職には事業や業務を俯瞰的かつ横断的に見渡しながらマネジメントをしたり、より良い事業・より良い業務の進め方になるように変革をもたらしたりすることが必要なのです。
その総合職への期待感が表れている、「総合職としての自覚」に関連した具体例を以下でご紹介します。
①業務マニュアルがない
総合職の業務に関して、マニュアルは存在しません。
それは、前任者の事例を踏襲するのではなく、担当者である自分自身が考えて行動することが求められているからです。
②社長からのお話
「異動初日からでも即戦力であれ。自分の業務だけでなく、色々なことに興味・好奇心を持って、『これはなぜなのか?』と自分で考えることができていれば、異動しても前任者と同じような働きが絶対に出来るはず。」
「自分の目の前のこと・言われたことだけをやるのではなく、自分のチーム全体、部署全体、会社全体のことを見渡して、改善点を常日頃から考える。それができないなら住友不動産の総合職として務まらない。」
新卒入社後の研修や普段のアウトプットの場で、住友不動産の総合職としての自覚について社長をはじめとした役員自ら総合職社員に話されているとのことです。
総合職は若いうちから責任ある仕事を任される
前段で述べた「異動初日からでも即戦力であれ」からも分かるように、総合職には非常に高いレベルが求められています。
それは新卒一年目でも同様です。
入社年次や年齢、役職等に関係なく等しく上記の役割を全うすることが求められています。だからこそ、入社して間もない若手社員も例外ではなく責任ある仕事を任せてもらえるのです。
「若いうちから責任ある仕事を任される環境」を表している具体例を以下で紹介します。
①一年目でも一人の即戦力
一年目は先輩社員に同行して事業を学ぶ、という企業もありますが、住友不動産は違います。
例えばビル営業では最初の1か月目こそ、お客様のもとへ先輩に同行してもらうことはあれど、2か月目以降は自分一人でお客様のもとに伺い、提案を行います。
②一年目でも社長から直接決裁をもらう
住友不動産のビル営業には”ビル事業所会議”と呼ばれる会議があります。この会議の中で社長に対してお客様への提案内容を1枚の資料に簡潔にまとめてプレゼンする機会があるのです。お客様からのニーズを見出し提案できる状態なのであれば、一年目であろうが直接社長と対峙して決裁をもらえる機会があります。
ビル営業だけでなく他のどの部門においても、プロジェクトの担当者自らが直接役員に対してプレゼンや相談・報告をする形をとっているので、業務を行うにあたって役員に納得してもらえるような根拠を論理立てながら考えていかなければならないのです。
当然、高いレベルが求められるため若手社員の中にはプレッシャーに感じる人もいるかと思いますが、社長をはじめとした役員にプレゼンする機会をもらえるのは住友不動産以外ではなかなか味わいにくい経験であるので、社員一人ひとりが成長できる環境だと言えるでしょう。
住友不動産の総合職の給与形態
住友不動産では、各部門・職種ごとにキャリア採用をしていることもあり、主要職種だけでも約30職種もの職種別の給与体系を並立させる人事制度「職種別キャリアパス制度」を設けています。ただ、どの職種においても共通していることは、「社員全員に公正に報いるために年齢、性別、社歴を問わず、各人の能力と成果で評価する制度である」ということです。
それは総合職も例外ではありません。基本給+ポスト給+賞与という仕組み自体は他の会社と比較しても一般的ですが、実力主義の基、特徴的な部分もあります。
例えば、基本給には上限があることが挙げられます。入社年次が一定水準を超えると基本給が上限に達しますが、そこからはポストに就き、昇進することでキャリアアップするという仕組みにしています。長く働くだけで給与がどんどん上がっていくというものではなく、あくまで社員の能力・職責によって給与が上がっていくという制度なのです。
また、賞与についても個人の業績によって変動することで、実力に応じて給与が上がる制度としています。(一定のポストに到達すると年俸制となります)
ただ、「大きなプロジェクトを滞りなく推進する」ことや「部下を育成する」ことも当然能力のうちの一つですので、実力主義という概念が営業実績等の数字面だけを指しているわけではないということは理解する必要があります。
総合職ではない職種の中には、成果に応じて給与が変動するような高率歩合給にしているものもある等、従事する事業や業務の特性に応じて設定されているため、住友不動産を志望する就活生は総合職の給与形態を参考にすべきでしょう。
また、“企業価値を高める源泉は従業員であり、持続的成長の果実はまずは従業員に還元する”という従業員ファーストの経営を住友不動産は目指しています。
以下の公式サイトにて住友不動産の人的資本経営に関する考え方について言及があります。是非ご確認下さい。
住友不動産の社風・働き方とは
住友不動産の社風・働き方についても取材した社員のお話を基に解説します。
勿論、社員によっても住友不動産の社風の捉え方は異なります。そのため、本記事はあくまで参考程度にして頂き、ご自身で社員訪問など実施のうえ理解を深めることを推奨します。
社風を一言で表すと?
「大企業でありながらベンチャー感もある」
住友不動産は3棟のビルから始まりましたが、都心への選択と集中と、ビルを保有し続ける方針から、40年をかけ、東京都心を中心に230棟超の棟数を展開するまでになりました。先人から授かった莫大な賃料収入と信用力という強固な地盤を背景に、大規模な再開発やインド事業といった挑戦的な事業を行うことができるのは、大企業だからこそです。
一方で、先述したように、6,000人規模(グループ会社を含めると13,000人)の企業でありながら、社長をはじめとした役員とコミュニケーションを取って直接決裁をもらいに行くというスピード感や社員同士の距離の近さはベンチャー企業さながらのものがあります。
だからこそ、住友不動産は「大企業でありながらベンチャー感もある」社風と言えます。
そのように非常にコンパクトな組織であるため、経営方針や他事業部の動向等についても各社員が直接役員から聞くことのできる機会が日常的にあり、そういった環境も「経営幹部候補」である総合職の視座を高めることに繋がっているのかもしれません。
住友不動産の社員の特徴とは
住友不動産の社員に関して取材で入手した情報を基に解説します。
取材した社員は入社前に、住友不動産は社員に対して「ただただ厳しい人たち」という印象を持っていたそうです。ですが、実際に入社してみたら、「その厳しさの裏側には愛情があり、社員を育てようという意思を感じた」とのことです。
新卒一年目でも一人の即戦力としての成果が期待されていますが、それは若手を野に突き放す訳ではなく、社員一人ひとりに求める質は高くとも、アドバイスや相談に乗ってくれたりする等愛情をもって成長を促す、という先輩社員の思惑に気付いたようです。
また、以下3点の住友不動産の社員の共通点についてもお話をお伺いできました。
・高いレベルの仕事を求められるが、成長させようという意思を感じる。
・飾らない、等身大
いいことも悪いことも全部そのまま伝えてくれる。
・人懐っこい
最後に
今回はデベロッパー大手の「住友不動産」について、unistyleが実施した社員への直接取材で入手した情報を基に解説しました。
住友不動産の事業内容、総合職、社風・働き方、社員の特徴などについて、社員からの生きた情報を基にした解説によって、住友不動産への理解を深めることができたのではないでしょうか。
なお、住友不動産の本選考は以下のリンクからエントリーすることができます。
本記事を通じて興味を持った方は是非応募してみてください。