就職最悪のバンドサークル出身者が就活で伝えるべき強み5選

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最終更新日:2023年10月19日

就職最悪のバンドサークル出身者が就活で伝えるべき強み5選

こんにちは。軽音楽サークルに所属している17卒の就活生です。

今回はみなさんに「軽音楽サークルに所属する就活生の現状」と「その状況を打破するための方法」についてお話したいと思います。

本選考・インターン締め切り情報

悲惨な軽音楽サークルの就職事情

今回このようなタイトルでコラムを書き上げようと思った動機は、私の所属している軽音楽サークルの就職実績がお世辞にも良いとは言えないからです。また、他大学の友人が所属している軽音楽サークルにおいても同じことが言えることが分かりました。

自分が所属している大学は、世間では所謂高学歴と呼ばれる旧帝、早慶レベルの学校なのですが大手企業から内定をもらった生徒は25人中2人のみ。

この25人の中にはまず留年により就職活動が出来なかった者や内定を1社からも貰えなかった者も含まれています。その中で大手企業内定者の内訳を具体的に言うと、メガバンク1名、大手化学メーカー1名です。

私の経験談ですが、軽音楽サークルに所属している人間の中には所謂「ノンフューチャー系」や「チャラい系」の割合が多いのが現状です。それとは対照的に、同じ音楽系サークルでも吹奏楽やアカペラなどは「音楽に対して真摯に取り組み、真剣にサークル活動に励んでいる」というイメージがあると思います。これはおそらくどこの大学にも当てはまるのではないのでしょうか?

しかし、このような軽音楽サークル出身の就活生にも大きな企業に伝えることが出来る強みがあると思います。まずは以前のunistyleの記事でも紹介された「人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み」を確認してみましょう。

企業に伝えるべき5つの強みとは

下記参考記事に詳しく解説があるので、ここでは簡単に触れる程度に済ましますが、5つの強みとは以下の5点です。

1.個人として努力し、成果をあげることができる
 

2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる
 

3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる
 

4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる
 

5.今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することができる
参考:人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み

1.個人として努力し、成果をあげることができる

個人としてしっかりと努力をし、それによって著しい成果や実績を挙げることは、働く上でもっとも基礎となるところといえると思います。

そういった経験をアピールすることは、外せない点だと言えると思います。

2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる

個人として成果を出すことは大切な基礎と言えますが、それだけではまずいです。

多くの企業も求めることですが、信頼関係を構築し、関係者の課題や問題を引き出し、解決のために行動できるかという点は同様に重要なことで、そういった「自律自責型の人材」であることをアピールすることも大切な点と言えると思います。

3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる

働く中で、マニュアル作業がすべてと言うことはなく、特に人気企業の総合職では、自ら考え行動し成果を上げることが求められ、役職や立場に関係なく、自ら主体的にリーダーシップを発揮して行動する能力のことが求められます。

これを就職活動でアピールしようとする際には、仮にそれまで以前に肩書きがなくとも、集団に対して主体的に行動した経験や普段からの考え方を持っていることが大事です。

4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる

企業とは異年齢、多様な価値観を持った人の集合体です。また、自社だけでなく、取引先の企業も自身とは異なった価値観を持つことは大いに考えられます。

ゆえに、そういった中においても全員で協力し、成果をあげられる能力や経験をアピールすることも重要なことです

5.今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することができる

決まりきった仕事をこなすだけでは、個人としての成長は中々望めず、引いては企業としての成長も頭打ちとなってしまいます。

ですので、自身には、現状の課題を分析し、新たな仕組みや取り組みを実現することができる能力や経験があることをアピールすることも、やはり大切なことです

これら5つの伝えるべき5つの強みは、じっくり紐解いていけば、軽音楽サークルに所属していた学生にも当てはまるものだと思いました。以下に1つずつの強みについて、バンド活動と繋げて考えてみたいと思います。

1.個人として努力し、成果を挙げることができる

個人としてしっかりと努力して実績・成果をあげることは社会人にとって大事なスキルの1つと言えるでしょう。とりわけ、人気企業で働く社員にとってこのスキルは必要不可欠なのではないでしょうか?

バンドとして1つの音楽を完成させるためには「個人個人が曲をよく理解し完璧に演奏できるようにならなければならない」ことは当たり前です。1つでも上手く演奏できない、もしくはリズムが合わないパートが存在するだけでその演奏は完璧からは遠ざかってしまうでしょう。言い換えると、「演奏者それぞれが重要な責任を抱えている」と表現できるでしょう。

一方で、人気企業の社員にも同じようなことが求められていることは明らかです。組織の一員として与えられた責任をしっかりとこなし、成果をあげることができるというのは重要なことです。

個人としてどのような努力をし、成果をあげてきたかは学歴、資格試験など言葉でなくても伝える手段はもちろんありますが、「サークルのメンバーとして努力してライブを成功させた話」、「どのような使命感を持って楽器を練習し、演奏していたのかについての説明」は上手く話すことが出来れば1つの学生時代頑張ったエピソードとして大きくアピールできるものであると思います。

2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる

信頼関係を構築し、関係者の課題や問題を引き出し、解決のために行動できるかということも仕事においては重要なことの1つであり、またバンドマンにとっても必要不可欠なスキルです。

「信頼関係を構築した経験」についての質問は例年聞かれており、例えば三菱商事や商船三井などではこの経験を実際に実践し、活かすことができるような社員を求める人材に掲げています。

皆さんがご存知の通り、演奏者全員が個々で正確な演奏をできるからと言って必ずしもバンドが上手くいくとは限りません。例えばメンバー全員で演奏をして初めて気づくことが出来る問題点(チューニングのずれ、各メンバーのバンドに対する意識の違いなど)、合奏をして初めて分かる課題があります。

この時、仮にメンバー同士に信頼関係が築けているのならば、演奏の問題や改善点をダイレクトに指摘し、それを改善することが出来るのではないのでしょうか。下記の大手広告代理店のエントリーシートでは、留学生とのバンド活動を始めるに当たって、「留学生たちとどのようにして信頼関係を築き」、「その経験から何を得たのか」について非常に分かりやすく書いています。ぜひ参考にしてください。
 

3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる

大学時代にチームを巻き込んで成果を出したエピソードを教えてください。

(トヨタ自動車エントリーシートより)

自ら主体的に行動して、リーダーとして存在感を発揮することも多くの企業で求められています。人気企業の総合職の人材の多くはマニュアル作業的なものではなく、自ら考え行動し成果を上げることが求められており、リーダーとしての資質が役職に関係なく求められると言えます。

リーダーシップというとサークルの幹事長や代表と言った肩書きの有無を気にしてしまいがちですが、バンドについて言えばそれぞれのバンドの方針を決めたりスケジュールを取り決める「バンドリーダー」がいます。もちろんリーダーではなくても、サークルやバンドのために主体的に行動した経験を語れば何も問題はありません。以下は大手外資系メーカーの内定者による「バンドサークルを設立した経験」について述べているESです。肩書きについてアピールすることはなく、1人のバンドマンとして「どのように課題や問題を発見し」、「どのようにして他人を巻き込み」、そして「どのように解決案を提案したのか」について上手く説明しています。

4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる

あなたが自分と異なる価値観=外国人、年齢、生い立ちの違い、を持った人たちと協働して目標を達成した経験について記述して下さい。(400文字以内)
 
(三井物産エントリーシートより)

価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげるということも仕事をする上では非常に重要です。会社組織も年齢や立場がバラバラな人が集まる組織です。商社で言えば、リスクマネジメントの人が考えることと、営業が考えることは立場の違いから少し異なっています。部署が違うだけで考え方も違うため、取引先など企業が違えばその違いも大きくなります。そういった組織で全員で協力して成果をあげることができる人材かどうかが面接でも問われています。

価値観が異なるというと、外国人との交流をイメージする人が多いのですが、バンドメンバー同士の趣味の違いやバンドに対する本気度の差も大きな「価値観の違い」と言えます。その違いに対してどのように対処し、そしてどのようにバンドの目標に向かって練習を行ったのかは話しやすいと思います。もちろんバンド内での価値観の違いだけではありません。「サークルの中心メンバーとしてどのようにして趣味趣向の違うメンバーやバンドたちを取りまとめたのか」についてもこの強みは活きてくると思いますし、話しやすい切り口であると思います。

また先ほど紹介した大手広告代理店のエントリーシートでは、「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる」という強みだけでなく、「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」という強みに関してもアピールできていることが分かります。

5.今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することができる

ジョンソン・エンド・ジョンソンは医療業界の中で「新たな価値の創造」や「変革」をリードしてきました。 あなたがこれまでに主体的に「変化」を起こした経験について教えてください。
 
(ジョンソン・エンド・ジョンソンエントリーシートより)

 総合職の仕事では、決められた仕事をこなすというよりも、現状の課題を解決するための新しい仕組みを提案したり、売上をあげるための施策を考えて提案することが多く、今までにない仕組みや企画を提案し、実現する力というものが重要になります。

バンドサークルに所属している学生の経験で言えば、「サークルメンバーのモチベーションを保つためにサークル内ライブに対して投票制を導入し、演奏のランキング付けを行う」ことや、「更なる交流を深めるために、複数のバンドサークルでのイベントを企画する」などが挙げられるのではないでしょうか。

先ほど紹介した大手外資系メーカーの内定者による「バンドサークルを設立した経験」について述べているESでは、「現状のバンドサークルが抱える問題点」について分析し、それを解決するために「今までにない新しい制度を取り入れたバンドサークルを設立する」した経験について話しています。

最後に

バンドマンに対するイメージは世間一般ではあまりいいものではなく、就職活動においてもバンドやサークル活動について話すことに対して就活生は遠慮しがちですが、一番大切なことは「伝え方」です。

評価される近道として実際に就職活動を成功したサークルの先輩に「どのようにバンド活動の経験を伝えたか」について話を伺うのも1つの手段です。ぜひ就職活動を成功させて、「真面目なバンドマン」として社会に羽ばたいてください。

photo by Jesse Acosta

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日本テレビが求める人材と日本テレビの今後の展開 日本テレビが求める人材と日本テレビの今後の展開 日本テレビをはじめとしたテレビ業界は、テレビ好きの学生からは高い人気を持つ一方で、最初から敬遠してしまっている学生も多くいるように感じています。採用広報の打ち出しもテレビ好き向けに寄っているためかもしれません。それでも、国内の番組制作以外にもデジタル領域の強化や海外展開などにも今後力を入れていくテレビ業界は、従来のテレビ好きだけでなく、ビジネス志向の優秀な学生を求めていると言えます。日本テレビではどのような事業を行いどのような展開をしていくのか、キャリアイベント「グローバルカンパニーのキャリアパスを知る」で日本テレビの採用担当者が話していたことをまとめつつ海外展開などについても触れていきます。日本テレビの仕事内容と求められる人材はじめに、以下は2015年度の日本テレビの事業別収入内訳です。単位:百万円事業別収入割合放送収入248,45080.90%番組販売収入11,4423.70%事業収入44,94614.60%(内、海外事業)(-1697)0.60%不動産賃貸収入2,2370.70%合計307,075デジタル分野などの新規領域に進出するといっても、現状の主な収益源は国内向けの放送収入となっています。そのため部署ごとの人数も、①ニュース記者などが所属する「報道局」、②カメラや音声といった番組制作の技術的業務を引き受ける「技術統括局」、③バラエティやドラマを制作する「制作局」の3部署が多くなっています。参考:人数の多い部署トップ3!|日テレ採用サイトそうした背景もあり、まだまだテレビ好きやテレビに対する熱い思いのある人材は求められているようです。(日本テレビの採用担当者も、自社の番組で好きな番組を質問されると決めかねるほどのテレビ好きでした)それでも、消費者としての好きと提供者としての好きはまったく性質が異なるため、単なる「ファン」は求められていない点には注意が必要です。日本テレビに限らず、企業が求めているのは自社のファンではなく、自社のファンを増やせる人材です。参考:「好きだから」という志望動機の8割が評価されない理由日本テレビの海外での仕事報道や番組制作はドメスティックな仕事と捉えられていますが、海外で仕事をする機会も多くあります。例えば海外ロケなどが挙げられ、「世界の果てまでイッテQ」「アナザースカイ」といった番組をイメージするとわかりやすいでしょう。人によってはロケのためにほとんど毎月くらいの頻度での海外出張もあるとのことで、普段旅行では行けない(行かない)ような場所に行く貴重な経験ができると採用担当者は話していました。海外の支局でニュースを報道する仕事もあり、最近ではアメリカ大統領選のための取材などで飛び回っている人もいたようです。以下は日本テレビの海外支局です。支局は主にヨーロッパ・アジア・アメリカなどが中心ですが、時には戦地周辺などの支局のない地域にも取材に行くことがあるようです。テレビを取り巻く環境日本テレビの売上自体はここ数年増加を続けているものの、少子高齢化の進行やインターネットが成長している今、テレビの地上波放送としては岐路に立たされていると言えます。またこれからは、「決まった時間に決まった番組を見る」という現在のテレビのスタイルが変わってしまうことも考えられます。上記のような状況も踏まえ、日本テレビは次の手を打っています。例えば、日本テレビは動画配信サービス「Hulu」を2014年に買収し、自社で作成したコンテンツをHuluを通して手元のデバイスで場所や時間を問わずに視聴者に届けられるようになっています。このように、従来の放送事業だけに固執することなく、時代にあった形で事業展開していくことが今のテレビ業界に求められていると言えるでしょう。放送以外の事業についても新たな「挑戦」を行っています。アジアNo.1メディア企業を目指し、ビジネスの提携などを積極的に行っている海外事業、動画配信会社「Hulu」を運営するインターネット事業などがその例です。引用元:社長メッセージ|日テレ採用サイトメインのテレビ業界志望者層であるテレビファンだけでなく、柔軟に新しいビジネスを生み出せる人材こそ、これからのテレビ業界に求められていると言えます。最後にインターネットの台頭や少子化で逆風と言われているテレビ業界ですが、日本テレビは今後10年間で新たなビジネスを成長させていこうとしています。提供者としてテレビに関わりたいと考えている方はもちろん、これまで敬遠していた商社・コンサル志望などのビジネス志向の方も就職先として目を向けていただければと思います。photobyDickThomasJohnson 25,215 views
総合商社を辞めて起業したUnistyle株式会社を売却しました 総合商社を辞めて起業したUnistyle株式会社を売却しました Unistyle株式会社の樋口です。2016年10月3日にリリースが出ましたが、経営陣および社員が保有するUnistyle株式会社の全株式を株式会社ネオキャリアに売却しました。今回は、株式を売却する以前から伊藤忠商事を退職してから起業に至るまでの経緯を様々な人によく聞かれていたので、一区切りの意味も込めて就職してから起業するに至るまでの軌跡を僕の視点から振り返りたいと思います。本記事のコンテンツ・起業も視野に入れてたけど自分に実力がないのは理解してたので伊藤忠商事に入社・配属は希望通りの金融部門・入社1年目は全然仕事ができず現実を思い知ることに・カード会社のオリコに出向、勉強のためにアフィリエイトを始める・金融部門の縮小と生活資材部門への異動、転職活動開始・どの分野で起業するか、なんのために起業をするのか・最後に起業も視野に入れてたけど自分に実力がないのは理解してたので伊藤忠商事に入社就職するときには既に、もしかしたらサラリーマンとしてずっと続けていくのは向いていない可能性もあるなと漠然と思っていました。なので入社するときには本当に漠然とではありますが、「将来的には起業するかもしれない、けれど今の自分だと何も出来ないので、仕事の基本を学ぶためにも就職はしよう」と思っていました。また将来的に起業するかは別として、自分自身がルールを作る側として、事業を生み出すということに興味はあったので就職先としても「事業を生み出すことに関わる」ということを企業選びの軸に幅広く受けていました。起業しなくても会社の中でルールを作る側として、事業を生み出せて、それが楽しいのであればそれもOKと考えていました。ちなみに第一志望は電通、博報堂、ADKなどの広告代理店を志望していました。特に大手の広告代理店であれば、様々な業界の製品コンセプト策定から関わることができると聞いていたため、「事業を生み出す」というものにも近いのではと考えていました。またプロダクトを生み出してからマーケティングするのはどんな商品でも必要なプロセスであり、そこを学べると感じたのも志望した理由の一つでした。もちろん慶應生特有のミーハー意識もあったでしょうし、山梨の高校時代の英語の先生が「電通はすごいぞ」と言っていたので何となく憧れていたのもあります。残念ながら広告代理店にはまったく縁がなく、上位3社どころか、東急エージェンシーなどの企業も落ちてしまったので強制的に諦めることになりました。伊藤忠に入社後に、「ADKと伊藤忠両方に内定をもらったら相当悩んでいたと思います」と仲のいい先輩にも話したぐらいです。また広告やインターネット関連のベンチャー企業もいくつか受けていました。当時受けた企業のいくつかは後に上場したりしていたので、今思うと、そちらに入社して成長期のベンチャー企業の空気を経験していてもよかったかなとも思います。内定はいくつかいただいたのですが、最終的に伊藤忠商事という会社を選択した理由は、「伊藤忠で社内起業でIPOした事例が豊富だったから」というものになります。僕が入社する前に、カブドットコム証券とイー・ギャランティが上場しており、僕が入社した2008年にはFXプライムが社内起業を経てIPOしていました。実際にカブドットコム証券の立ち上げに関わった人に話を聞いたことで部門としても金融部門もしくは情報産業部門を志望しようと思うようになりました。大企業の中でリスクも低いまま、起業ができるならこんなにいいことはないと思い、広告代理店の内定をもらえなかったこともあり、入社を決めました。配属は希望通りの金融部門総合商社といえば配属によって、かなり働き方が違い、総合商社の内定者や受ける学生も配属リスクを意識しています。僕自身も前述の通り、「事業を生み出すことに関わる」という企業選びの軸があったので、出来る限り、フットワークが軽く新規事業に関わることのできる部署を志望していました。当時の配属希望では、社内起業ができそうでIPOの実績もある金融部門が第一志望、情報産業部門を第二志望としていました。第三志望、第四志望は上位2つに比べると志望度が低く、あまり覚えてはいないのですが、繊維や食糧などC向けのビジネスが近い産業を志望していたように思います。一方でバックオフィスや金属などトレードや大規模プロジェクトが主体のカンパニーは避けて志望していました。当時の伊藤忠商事ではクリスマスに配属先通知を送りるという「粋」なことをしていたのですが、無事、第一志望の金融部門の所属するカンパニーに配属されてうれしかったのを覚えています。今考えると、2007〜08年前後は、資源価格が高騰したことにより、エネルギー部門が花形部署であり、また昔ながらのプラント事業などが人気だったこともあり、金融部門はそこまで人気がなかったんだろうなとも思います。入社1年目は全然仕事ができず現実を思い知ることに入社後は国内外のクレジットカード、消費者金融事業に投資する部署に配属され、新人は必ずやらされる予決算にひーひー言いながら仕事をしていました。1年目はエクセル、パワポも満足に使えないダメダメ社員で、そんなやつが将来起業するって言っても誰も信じないだろうなという状況でした。能動的に仕事をするようになったのは、投資先であるオリエントコーポレーションの減損会計の仕事に関わるようになった1年目の終わり頃からだと思います。当時の先輩も自分自身も減損会計は初めてで、手探りでチームで仕事を進めていました。自分自身もお荷物ではなく、能動的に価値を発揮しないと乗り越えられない仕事だったことで大きく成長することができたと思います。この時期は会計知識や減損について部内の誰よりも詳しくなろうと思い、様々な本を休みの時も仕事終わりにも読んで業務上必要な知識を身に着けていきました。社内ルールや減損会計については部内でもかなりわかる方という認識をされて、初めて仕事で評価されたなーと感じたのは一年目の終わりのこの頃でした。カード会社のオリコに出向、勉強のためにアフィリエイトを始める一方で予決算の管理という仕事はどうしても新しいこともなく、ある種ルーティンワークの季節労働者的な働き方のため飽きてしまいます。特に金融部門や情報産業部門では営業することがなく、本社では投資先の管理と予決算管理がメインの仕事になりがちです。僕自身も正直なところ、2年目になると余裕がでて少しだれてしまったように思います。そんな状況を察してくれたのか、2年目の2010年1月からオリエントコーポレーションに出向することになりました。オリエントコーポレーションではカード部門の新規事業を取り扱う部署に、先輩の後任として配属されました。ここでオリコモールというカード会員向けのポイントサイトの運営をメインで扱うことになります。このサイトはカード会員がこのサイトを経由してAmazonや提携先のECサイトで買い物を行うと通常よりも高いポイントが付与されるというもので、アフィリエイトのシステムを利用したものになっています。これまでまったくアフィリエイトというものに縁がなかったので勉強も兼ねて、実際に自分でブログを使ってアフィリエイトをやってみることにしました。これが後々のUnistyle株式会社の創業に繋がります。金融部門の縮小と生活資材部門への異動、転職活動開始オリコでは、オリコモールの運営をしながらその後、異動してオリコの全国の支店に対してカード促進の施策を企画して伝える部署で働きました。オリコモールの運営では総合商社の中にいてはなかなか見えてこない消費者向けのサービスの成り立ちと運営方法について学ぶことができました。またカード促進の施策を企画する部署では全国の営業の方に動いてもらうために必要なことは何かという企画力について学べたように思います。事業を立ち上げるために学びたいと思っていたことが学べ、オリコで学んだことをベースに仲の良かった先輩とは海外や国内で新規事業を立ち上げられたらいいなという話を良くしていたことを覚えています。順調に進んでいたオリコでの勤務ですが、突如、金融関連部門の成績不振からカンパニーの再編があるという噂を聞きます。更にその上で、金融部門に所属する若手のほとんどは別カンパニーに移されるのではと話されていました。個人的には自分自身2年間という期間でオリコに出向しているのだから今のタイミングで別カンパニーに移されることはないだろうと高をくくっていたのですが、あっさりと生活資材部門への異動を言い渡されました。同様に他の会社に出向していた先輩も異動になり、同期10人程度いた中で金融部門に残ったのは1人だけ、先輩たちも軒並み異動という大異動となりました。そのときに生活資材部門がどんなところかわからないものの、いい機会だから転職活動をすることを決意しました。転職活動は外資系コンサルやその後上場することになるベンチャー企業2社を受けたのですが、特にベンチャー企業を受ける中で、どうせ3年以内に辞めて起業するのであればいま起業してもいいのでは、今面接をしてくれている社長さんたちの元で働きたいというよりは、向こう側の立場に元々なりたかったんだと考えるようになりました。そういうわけでほぼ起業することを決意しながら、2011年4月から生活資材部門での勤務が始まりました。どの分野で起業するか、なんのために起業をするのかときは遡って2011年4月頃、オリコに出向してアフィリエイトの勉強を始めて、何のアフィリエイトをするのか考えたのですが、当時の僕が人よりも多少詳しかった物事が就職活動とFX・株式投資でした。就職活動については色々受けてOB訪問で相談を受けたりしていたので結構詳しい自信がありました。またFX・株式投資については金融部門に配属が決まったときから勉強も兼ねてやっていたこと、少ない手持ちながらも試算を4倍まで増やしたことがあったため、書けるんじゃないかと思いました。結局アフィリエイトは、どちらに決めるということもなく両方のブログを始めましたが、続いたのは就職活動関連のブログでした。FX・株式投資については調子がいいときは筆が進むものの、調子が悪くなり損失を被るととたんに更新しなくなるという形でした。一方で就職活動についてブログを見てくれるユーザーと交流するようになり、更新頻度も多いときには1日に2記事〜3記事行っていました。更新頻度が高まり、アクセスも増えた結果としてアフィリエイトの収益も高まるという好循環が生まれていきました。アフィリエイトの収益はピーク時には月に10万円ほどの売上がありました。また実際にリアルではどの程度の集客力があるのか試すために、就職活動セミナーを開催したのですが、結果として短い告知期間にも関わらず100名程度の学生が集まってくれました。このセミナーをきっかけに参入障壁の低い新卒事業はありかもしれないなと共同創業者の杉山と話すようになりました。今では就職活動関連のインターネットサービスはかなりの数がありますが、当時はunistyleのような就職活動関連のメディアサービスは多かったわけではなく、多くの就職活動生が就活ブログを読んでいるような状況でした。そのような状況だったため、僕が書いたブログにもアクセスが集まったのかなと思います。このセミナーで結果が出る前から、共同創業者の杉山とは定期的に起業しようという話をしていたものの、少子高齢化社会だから、老人向けの新規事業を考えようとか、お互い金融に興味があるから金融関連の事業でいこうなど、雲をつかむような話しかしていませんでした。しかし就職活動関連のブログを地道に更新した結果、アフィリエイトでも収益が出る、リアルでも集客力があることがわかったので、取り敢えず起業したいという気持ちの強かった二人だったのでこの分野で起業することを決めました。起業を決めてからの準備については結構淡々としていて、住居兼オフィスを探して一緒に住み始めて、引き継ぎ期間も考えて3ヶ月前には課長に退職する旨を伝えて、Webサイトの外注先を探して、コンテンツを粛々と集めてといった感じで進んでいきました。最後にここまでが皆によく聞かれる、伊藤忠に入社することを決めてから、退職して新卒採用分野で起業をすることになった僕のストーリーになります。起業してからもサイト公開日になって、サイトのデータが全て吹っ飛んだり、思ったように売上が上がらず給料を10万円に引き下げたり、外注だと思うようにいかず一念発起プログラミングを学びサイト運営したけどしょっちゅうエラーを起こしたり、5年間経営してきて色々あったなと今更ながら思います。このあたりはまた機会があれば聞いていただければと思います。photobySteveJurvetson 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4月総合商社および志望業界全滅から日系投資銀行に逆転で内定した就活生の軌跡 4月総合商社および志望業界全滅から日系投資銀行に逆転で内定した就活生の軌跡 こんにちは。今年就活を行い、日系証券会社の投資銀行部門から内々定を頂いた14卒文系大学生です。今回は就活生にとってあまり馴染みがないと思われる、日系の投資銀行への就活について書かせて頂きます。外資系投資銀行との違い、また総合商社との違いなどについても触れますので、これらの業界を志望している就活生にとって少しでも参考になれば幸いです。日系投資銀行とはまず日系投資銀行の概要をご説明させて頂きます。一般的に投資銀行というと、ゴールドマンサックスをはじめとする外資系証券会社の投資銀行部門を思い浮かべる方が多いでしょう。高給・激務・グローバル…こうしたイメージから就活生にとって大変人気の業界です。一方で日系の証券会社(野村、大和、SMBC日興、みずほ、三菱UFJモルガンスタンレー等)の中にも投資銀行部門が存在します。証券会社の業務には大きく分けて個人を顧客とするリテール部門、また事業法人や機関投資家を相手とするホールセール部門の二つがあり、ホールセール部門はさらに投資銀行業務(IBD)とマーケット業務の二つに分けることができます。一般的に投資銀行というと、これら二つの業務を行う証券会社のホールセール部門のことを指します。ちなみに外資系の証券会社は日本でリテール業務を行っていないため、そのまま外資系投資銀行と呼ばれているようです。これらの証券会社は主にコース別という形で投資銀行部門の採用を行っています。各社とも数名から数十名と、募集人数としてはかなり少ないと言えます。ただし初期配属がリテール部門となる日系証券会社のオープン採用からも、入社後の適正や本人の希望次第で投資銀行部門へ移ることも多いようです。同じ投資銀行といっても、外資系と日系の間では「働き方」という点で大きな違いが存在するようです。例えば給与。日系投資銀行が他の日系企業のように年功序列的な給与体系に近いのに対して(業績に応じてボーナスの差は大きいようですが)、外資系の投資銀行は完全な成果主義といえるようです。また、日本で新卒採用を募集している外資系投資銀行は当然ながら各々の日本法人にあたります。すなわちあくまで勤務地は日本であり、海外オフィスで働くチャンスという意味では必ずしも恵まれてはいないのではないかと思います(もちろん携わる案件や個人のパフォーマンス次第では海外で働くこともあります)。一方で日系投資銀行は各社とも現在海外拠点を拡充しており、若手のうちから海外のオフィスで働く社員も多くいらっしゃいます。ぜひ単なる業務内容だけではなくこうしたリアルな側面も比較しながら就活を進めて頂きたいと思います。良く言われるように外資は選考が早いので、日系を中心に考えている就活生も積極的に受けることをお勧めします。私自身の就活私自身日系の投資銀行という選択肢が最初からあったわけではありません。実はずっと総合商社を第一志望として就活を行ってきました。ところが結果は五大商社すべて敗退。最後の一駒だった某商社に最終面接でお祈りを頂いたときのダメージは相当なものでした…そこから総合商社のことばかり考えていた自らの就職活動を反省し、改めて金融・メーカーをはじめとして幅広い業界に挑戦してみようと考えたのです。その中で投資銀行という道に出会いました。具体的な業務と総合商社との比較就活を終えた今、総合商社を志望する就活生にとって外資・日系問わず投資銀行というのは選択肢として持っておくべき業界であると考えています。というのも、その業務内容には少なからず近い部分があるためです。上述したように、投資銀行部門は証券会社に中でも事業法人や機関投資家を顧客とするホールセール業務を行っています。投資銀行部門を細分化すると、投資銀行業務(IBD)とマーケット業務に分けることができます。投資銀行業務は発行市場を舞台に活躍しています。主な業務は株式・債権の引き受け、そしてM&Aのアドバイザリーです。一方、投資銀行部門の中でも流通市場を舞台に活躍するのがマーケット業務です。ここでは投資銀行業務に絞って総合商社との比較を行いたいと思います。投資銀行業務を一言で表すと、「顧客の企業価値を最大化すること」と言えるでしょう。顧客である事業法人が設備投資などのために資金を必要としているとします。このとき、企業が新たに有価証券を発行するサポートをするのが投資銀行の主たる業務です。顧客の事業戦略や財務戦略などに応じて最適な資金調達手段を提案し、それが採用されると実際に案件を執行します。また、顧客の成長戦略に応じてM&Aのアドバイザリーを行うのも投資銀行業務の役目です。近年は日系企業の海外進出に伴いクロスボーダーM&Aや海外での株式発行など、グローバルな案件が非常に増えているのも特徴です。一方で総合商社の業務においても投資がかなりの割合を占めるようになっています。エネルギーをはじめとする資源の権益獲得をイメージするとわかりやすいですね。一説によると今では商社の収益の約7割が投資による配当利益だそうです。「投資」・「グローバル…このあたりのキーワードは投資銀行と総合商社に共通しているものと言えそうです。ただし投資銀行が文字通り「投資」を生業としている一方、総合商社は事業投資とトレードの双方で成り立っているビジネスモデルです。「川上から川下まで」と呼ばれるバリューチェーンを構築し、その価値を最大化するために総合商社は投資を行うのです。この点は総合商社と投資銀行の大きな違いと言えると思います。私が元々総合商社を志望していた理由は、「日本経済の発展に貢献する」というものでした。あらゆる分野でバリューチェーンを構築し、その至るところで日系企業へビジネスチャンスを提供できる総合商社でこそ、上記の目標に挑戦できると考えていました。日系投資銀行に進路が決まった現在もこの目標は変わっていません。クロスボーダーM&A等を通じて日系企業が世界で活躍するサポートをすることは、手段は違いますが私が総合商社で挑戦したかったことに非常に近いと考えています。またこのように「日本」という視点を大切にしたい私にとっては、外資系ではなく日本にヘッドクォーターを置く日系投資銀行という選択は結果として正しいものだったと思っています。日系投資銀行という選択肢について個人的に投資銀行で働くことの最大のメリットはその専門性の高さにあると思います。マーケットに精通するとともに数多くの金融商品への専門性を身につけ、また自分が担当する業界に対しても深い見識を養わなければなりません。そのため、知的好奇心が強く、様々な専門性を身につけたいという学生にとっては大変魅力的な業界だと考えています。実際にはその専門性を活かして同じ会社で長く活躍される方、外資系投資銀行に転職される方、異業種へ転職される方、起業される方、様々な方がいらっしゃいます。また、MBA取得へのサポートが手厚い会社が多い業界でもあると思います。こうした特徴からか、内定者の多くは専門性指向が強く、また将来のキャリアビジョンを具体的に思い描いているタイプの学生であるように感じました。終わりに最近の株価の乱降下をご覧になればわかる通り、日々変動するマーケットと向き合い続けなければならないこの業界は決して安定した世界とは言えないと思います。ただしその一方、世界を舞台にダイナミックな仕事ができることもまた間違いありません。就活成功のためには様々な業界を見ることがとても重要だと思いますので、その中の一つにぜひ日系投資銀行という選択肢を入れて頂ければ幸いです。皆様の就職活動が実りあるものとなりますことを祈念しております。photobyrobertagovoni 53,166 views

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