国立研究所内定者が語る民間企業との違い

20,233 views

最終更新日:2023年10月27日

国立研究所内定者が語る民間企業との違い

本選考とインターンの締め切り情報

所謂、企業選びの軸について

仕事選びの根源的なところは「目の前の事だけでなく、中長期先を見て仕事に取り組みたい」「社会を支える仕事」「事業推進に繋がるエンジニアリング・研究開発に従事したい」「将来的にでもいいので、全体を見て調整を行う仕事をしたい」という4点のうちいくつかがあれば良いかなと思っていました。結果としては16卒、国立研究所内定者となりました。

公務員試験受験について

自分は公務員を目指していたのですが、勉強不足で落ちてしまいました。研究の進捗に苦しみ、勉強に身が入りませんでした。ただ、積極的に参加した、各省庁が企画している政策説明会や勉強会、夏季インターン(2週間)は、大きな社会構造を直接学ぶことができるいい機会だったと考えています。自分が社会的課題に対してどのように考えているのか、根拠を持って論理的な意見を言えるのか、自分から一次情報を取りに行くことができる人なのかを見られていたように思います。

民間と非民間の違い(主に工学的な分野において)

民間と非民間の大きな違いは業務上の目標におけるタイムスケールの違いだと感じました。国やそれに準ずる国のエンジニアリング、研究開発組織である国立研究開発法人・独立行政法人の役目は、①民間ではできないような、お金にならない領域を開拓すること②その分野の研究開発拠点(ハブ)となり、ブレイクスルーを生み出すこと。これらを、中長期先を見据えて実行していくことだと思います。民間と非民間を併願する際、「それは民間ではできないかな」と言われないように、注意すべきところだと思います。また、「全体を俯瞰して仕事をする」業務はマネジメントですので、民間では出世しないとできない仕事になります。業務推進も同様です。どうしても、「必ずできるとは限らないよ」と言われるところですので、注意が必要だと思います。民間と非民間の違いに少し苦しみましたが、OBOG訪問で質問を繰り返すことで解決するかと思います。「それをやるなら民間に行った方がいいんじゃないかな」と言われないように整理をしておいた方がいいかもしれません。また、一つの事だけをやるわけではないので、「~がやりたい!」と強い思いを持っているかもしれませんが、それは心の中に秘めて「~が大事だと思う。」という表現に切り替えたほうがいいと思います。

反省

就職活動の反省は、正直に就職活動をしすぎたことです。正直にやりたいことを述べた結果、自分のやりたいことが多くの民間企業でやれることとマッチせず、殆ど落ちました。医療インフラ企業と、鉄鋼企業の2社は認めてくださりましたが、より大きな目標を抱けることに惹かれて国立研究所の内定を受諾しました。私のように、8月後半まで内定が一つもない状態ではとても苦しみます。内定が欲しいならば、正直すぎないように、会社が求める人材になりきるべきだと思います。

最後にやりたいことについて

周りの報告を聞いていると、皆が皆やりたいことをできるわけではないようです。ただ、全く関係ないところへ進むと、まず最初の3年間で苦しむかもしれません。内定が決まった後、大量に課題が渡される企業もあります。大きいから、有名だから…etc 良く分かりますが、モチベーションを大事にする方であれば、自分のやりたいことと合致しているか、長期で取り組めそうなものか、将来的なキャリアステップの役に立つか、などの別視点でも考えることが大切だと思います。意外と有名企業でも内情は大変だったりするようで、所謂「就職偏差値」は仕事をする上での幸せ度にはなかなかつながらないかもしれません。

企業研究

photo by Martin Thomas

おすすめコラム 4 件

「日本のプレゼンス向上」を軸にした商社内定者が惹かれた企業|33選 「日本のプレゼンス向上」を軸にした商社内定者が惹かれた企業|33選 こんにちは。16卒の総合商社内定者です。私は日本の世界における立場をもっと良くし、素晴らしい技術力を持つ日本のメーカーを筆頭に新興国などに進出させたいと考えていました。つまり「日本のプレゼンスを向上したい」が就活の軸となっていました。それを元に受ける業界・企業を絞り、早い時期からひたすら面接を受けていました。今回は私が志望した業界・企業の紹介と惹かれたポイントを綴りたいと思います。本記事のコンテンツ・外資系投資銀行└(ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、JPモルガン、メリルリンチ)・外資系コンサル└(マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ、A.T.カーニー、アクセンチュア)・外資系損保└(AIG)・ベンチャー└(DeNA、レバレジーズ、アルー)・プラント└(日揮)・日系メーカー└(トヨタ自動車、新日鐵住金、味の素、キーエンス)・エネルギー└(国際石油開発帝石)・損保└(東京海上日動火災、三井住友海上)・メガバンク└(三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)・証券└(野村證券、大和証券)・海運└(日本郵船、商船三井、川崎汽船)・総合商社└(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅)・最後に外資系投資銀行(ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、JPモルガン、メリルリンチ)《大学3年生冬〜大学4年生春》外資系投資銀行はサマーインターンに始まり、ウィンターインターン、本選考中のジョブなど選考が数多くあります。また早くから活動している就活生が多く受けることからそのレベルを知るという意味でもたとえ興味がなくともチャレンジする価値はあると思います。選考を通じて会った学生は一貫して高学歴が多いように感じました。部門別採用をしているのでエントリーシートを出す時点でどの部門を志望するのか決める必要があります。私は投資銀行部門を主に受けていましたが、投資銀行部門は日系企業のM&Aの案件などを請け負っているために日本の業界地図を変えることで日系企業の競争力を高め、日本のプレゼンスを向上するような企業を輩出する手助けをしたいという志望理由でした。また投資銀行部門の社員は真面目な方が多く、面接でも非常にロジカルな質問をされました。外資系コンサルマッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ、A.T.カーニー、アクセンチュア《大学3年生冬〜大学4年生春》外資系コンサルのほとんどが選考の一貫としてジョブを行います。また志望動機以上にロジカルな頭を持ち合わせているかどうかを見られているように感じました。私自身、選考を通して志望動機を聞かれる機会は少なく、ケース面接などで地頭の良さを見られているという印象を受けました。ケース面接になれておくと物事をロジカルに考えるようになるのでその後の他社の選考にもその経験が活きてきます。私は日系企業の戦略コンサルティングを行うことで企業の価値を高め、日本のプレゼンスを向上することに貢献したいという理由で受けていました。ボストン・コンサルティング・グループは筆記試験がテストセンターの為、受けておくことを強くオススメします。基準点が非常に高く、この時点でテストセンターを卒業するには良い機会となるでしょう。参考:外資系損保AIG《大学3年生冬〜大学4年生春》日本の就活生にはあまり人気ではないかもしれません。しかし世界的に見ると外資系損保の存在感は大きく、訴訟大国アメリカでは損保の必要性は大いにあるようです。日系の損保は自動車保険において圧倒的なシェアを誇っている為、外資系損保はブルーオーシャン戦略を敷きニッチな場所でビジネスを行うしかないようです。損保というビジネスは日系企業の海外進出を支援するので、必然的に日本のプレゼンスを向上することに携わることができます。私自身は日系の損保も受けたいと考えていたので外資系損保を腕試しで受けていました。ベンチャーDeNA、レバレジーズ、アルー《大学4年生3月〜7月》ベンチャー企業の人気は近年高まってきたように感じます。ベンチャー企業といっても様々な規模があり、私の場合は50人〜300人ほどの成長期にある会社と500人以上の成熟期にあるメガベンチャーを並行して受けていました。こちらに関しては日本の価値を高めるという軸にはあまり沿わず、将来的に経営者になりたい人に受けることをオススメします。しかし日本独自の技術を持ち、今後日本のプレゼンスを向上することのプレーヤーとなっていく会社も多くあります。ただ、まだ影響力が存分にはないので受ける企業の候補からは外していました。プラント日揮《大学4年生3月〜7月》プラントエンジニアリング会社は海外の特に新興国においてインフラの整備を行い、工事建設のマネジメントを行う会社で、新興国に興味のある学生に人気な業界です。日揮に関しては今年度からエントリー時にビデオ選考などを行っており、新しい試みを行ったことでも話題になりました。私自身は新興国の経済発展に貢献することで将来的には日本に良い影響が出てくると考えていた為、新興国の価値を高めることで最終的には日本のプレゼンスを向上したいと話していました。参考:日系メーカートヨタ自動車、新日鐵住金、味の素、キーエンス《大学4年生3月〜7月》日本のプレゼンスを向上する為の中心人物がメーカーです。特にトヨタ自動車や新日鐵住金は業界では世界トップシェアを誇っている為、日本のプレゼンスを向上する最前線にいる会社といえるでしょう。しかし私自身は理系ではなかったので、会社の製品を開発できないという点がしっくりきませんでした。その為、日系のメーカーは数社しか受けませんでした。参考:エネルギー国際石油開発帝石《大学4年生3月〜7月》エネルギー開発会社で日本において世界レベルで知名度があるのは国際石油開発帝石ぐらいのように感じます。総合商社のエネルギー部門とは異なり、より上流の段階に関わることができるのとプロジェクトのオペレーターが任されるのが魅力です。しかし、私はどうしてもエネルギー開発を行いたかったわけではないので総合商社と併願しており、最終的には仕事の幅が広がる総合商社を選びました。参考:損保東京海上日動火災、三井住友海上《大学4年生3月〜7月》就活生に人気のある損保業界です。日系企業が海外進出を行う際には様々なリスクがあり、そのマネジメントをしプランを練るのが損保です。私はその中でも業界上位二社に絞って受けていました。ただ損保というビジネス自体が企業の海外進出に前向きなイメージは私にはなかったので最終的にはしっくりきませんでした。ただ両社ともにインターンは充実しており参加することを強くオススメします。参考:メガバンク三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行《大学4年生3月〜7月》多くの就活生が受けると思います。また三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行に関しては採用人数の少ないグローバルコースがあるので早くから大企業の法人営業を担当し、海外に行きたいのであれば難関のグローバルコースに応募することをオススメします。私自身はメガバンクの内定を頂くことができましたが、金融的なサポートしかできないことに物足りなさを感じたので辞退することにしました。参考:証券野村證券、大和証券《大学4年生3月〜7月》外資系投資銀行と同様に投資銀行部門を中心に受けていました。よく新聞に掲載されるようなM&Aや業務提携の記事には裏で証券会社が絡んでいることが多く、業界地図を塗り替えるぐらいのプロジェクトに関わることで日本の競争力の向上に携わることができるため、日本のプレゼンス向上に貢献することができるという理由から志望していました。参考:海運日本郵船、商船三井、川崎汽船《大学4年生3月〜7月》海運は物流の中心にいる為、日系企業の海外進出に携わることができます。また日本の海運は世界的に見ても大きな存在感を出しているので非常にやりがいのある仕事ができると思います。ただ私の場合はあくまで物流の域を越えないのでモノやサービスを作ることのできないことに物足りなさを感じました。参考:総合商社三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅《大学4年生3月〜7月》総合商社を受ける際に多い志望理由が「新興国の発展に寄与したい」もしくは「日本のプレゼンス向上に貢献したい」だと思います。志望動機は他にもありますが、大体はパターン化されており下記の記事が参考になります。参考:私自身は日本のプレゼンス向上に貢献したいと考えていた為、それに関連した話をしていました。総合商社に関しては内定を頂いたこともあり、思い入れがあるので各企業ごとに詳細を記します。○三菱商事万年業界トップを守り抜いてきた三菱商事はどのセグメントにおいても安定的な収益を上げています。私自身OB訪問をして感じたのは国家的なプロジェクトに関わっている社員が他の商社に比べて多いということでした。組織の三菱といわれるように三菱グループの企業を活用してビジネスを行うことも多いようでチームプレーを行ってきた就活生はフィーリングが合うと思います。三菱商事の内定者と話していると非常にプライドが高く、自分に自信を持っている人が多いように感じました。エリート志向の人が多いように思います。○三井物産資源分野がダントツに強く就活生の人気もエネルギーと金属資源に集中しています。私自身は国際石油開発帝石を受けていたので商社が関われるエネルギー開発の限界を知っており、エネルギー部門は志望していませんでした。OB訪問で印象に残っているのは、「人の三井」といわれるだけあって社員に自分自身が会社を変えるという意識が浸透していることでした。○伊藤忠商事非資源分野で業界No.1であり、非常に勢いのある商社のように感じます。私自身は非資源分野を志望していたので企業研究は非常にしやすかったです。OB訪問では他商社と比べると個性的な人が多く、商社の内情をかなり聞くことができました。○丸紅電力・プラント部門が強く新興国にも多く進出しています。私自身が商社でやりたいことがぴったりハマっていたため面接は非常にやりやすかったです。OB訪問では情熱的な社員に多く会い、商社業界の順位を変えたいと強く話していたことが印象に残っています。また会社の近くにある赤坂飯店の坦々麺はオススメです。なぜか三井物産の社員がわざわざ食べに来るほどです。○住友商事もっともバランスの良いポートフォリオを組んでいる商社といえるでしょう。一方で16卒においては住友商事は減損をしてしまった為就活生の人気は下がったように感じました。私自身はOB訪問にて美味しいランチを食べるのが楽しみで勝どきまでよく足を運んでいました。今年はインターンも行うので早い段階から接することができる商社の一つです。最後に私の場合は幅広い業界を受けすぎた為に企業研究が疎かになってしまったという反省がある反面、幅広い業界を受けたからこそそれぞれの関わり方が見えてきたというメリットがあります。ここで書いた会社は就職人気ランキングでも上位の会社が多いので倍率も非常に高いです。しかし就職活動において強い軸がある学生はぜひとも参考にして欲しいと思います。参考:photobyMartinThomas 52,694 views
【第1章:某日系大手人事が語る】「インターンに参加するやつは出世する」 【第1章:某日系大手人事が語る】「インターンに参加するやつは出世する」 就職活動において「インターンが重要だ」という話は誰もが一度は耳にしたことがあると思います。視野を広げる・ワークの経験を積むなど参加する理由はそれぞれですが、やはり気になるところが本選考で優遇があるかというところだと思います。下記のエントリーにあるように、「本当に本選考に一切関係がない」インターンというのはほぼないと考えた方が無難です。参考:今回は、就活生であれば多くの方が知っているであろう某日系大手企業で人事の経験がある谷元さん(仮名)にお話しを伺った内容をもとに、3回に渡って採用活動の裏側について深堀っていきたいと思います。普段の選考準備ではまず触れることが出来ない、実際の人事の目線から忌憚のない意見や情報を得ることが出来ました。【その他の「某日系大手人事が語る」シリーズ】今さらですけど...インターンって本選考に関係あるんですか?先ほどの紹介で早速触れましたが、インターンは本選考と関係があると考えた方が無難です。ただ、就活生の皆さんも気になるところだと思いますので念のため聞いてみました。「関係ないわけないじゃない。もちろん企業とかその中のインターンの種類によるかもだけど、『本選考には関係ありません』は基本的に建前と思った方がいいよ。」予想通りの回答が返ってきました。そもそも「本選考には関係ありません」と企業が言うのは経団連が規定しているいわゆる"就活ルール"の存在のためですが、過去のいくつかの記事で紹介した通り、就活ルールは廃止の方向に向かっていくことが予想されます。特に本記事執筆時点(2020年5月時点)では新型コロナウイルスの感染拡大が世界的なトピックとなっていることから、この手の議論については再燃している印象があります。ただし、現段階での"廃止"がどういった意味を指すかは正確な情報把握が必要です。参考:KDDIや富士通といった代表的な日系大企業も通年採用にシフトしている昨今。経団連の指針を遵守することが絶対的な正義という風潮も薄れてきていることから、「本選考には関係ありません」とわざわざ述べる企業も少なくなっていくことが予想されるでしょう。参考:KDDI:2021年度よりKDDI新卒採用で通年採用を開始参考:富士通:新卒や既卒を問わず、いつでも応募可能な通年採用を開始「本選考には関係ありませんマニュアル」がある?関連して、谷元さんのご友人の企業では以下のような取り決めがあったようです。「『本選考とは関係ありません』に関連して、インターンとの関連性や選考時期について『こう質問されたらこう返せ』というマニュアルみたいなのがあったらしいんだよ。例えば企業が不祥事を起こしたときに記者やお客様に何か質問されたら、『私個人では回答できかねますので、広報部までお問い合わせください』ってテンプレで返すように言われるイメージだね(笑)。」いかにも世間がイメージする大企業らしい対応の印象です。よく、大企業VSベンチャーの二元論で「大企業は意思決定が遅い」という話がありますが、採用活動でも意思決定に時間がかかるということが往々にしてあるようでした。例えば合同説明会で人事が実施する会社説明のプレゼンテーションでは、以下のような話もされていました。「プレゼンって学生相手に企業の魅力を伝える華やかなものに見えるかもしれないけど、結局あれも会社の指示通りのことを喋っているだけみたいなものだからね。パワポは直属の上司にレビューして貰って→偉い人の前でプレゼン練習して→それが通ったら更に偉い人の最終承認を得るみたいな感じで、何ならそれまでの仕事より稟議が大変だった。」人事は学生からすれば企業の顔であるため、余計に慎重になるところなのかもしれません。また、意思決定の階層化に直面するのはプレゼンのときではないようです。「これも別企業の人事の人の話で僕自身は経験していないんだけど、インターンで出す昼食のお弁当を複数案出して、偉い人に実食レビューして貰ってからどれにするか決めた代があったらしいね(笑)」ここまで来ると特例かもしれませんが、それだけ人事の方も一人のサラリーマンして奔走してらっしゃるのが何となくでも理解できるでしょう。一番気になるところで...インターン参加者の優遇ってどう決めてるんですか?インターンに参加する目的はもちろん人それぞれではありますが、「内定獲得や本選考の優遇に繋がるか」というのは多くの就活生にとっての関心事でしょう。「ウチの会社もインターンルートの早期選考があるけど、『どれだけ早く呼ぶか/優先的に評価するか』については確かにインターン中の取組みはある程度関係している。でも、優秀だったらそれだけ早く呼ばれるというわけでもなくて、文理や他に受けている企業の選考状況とか色々考慮しているんだ。だからインターンとかその後のイベントとかでも他に受けている企業は出来るだけ情報収集するように言われていた。」人事としては「内定を出したら本当に自社に来てくれるか」は大きな関心事であることから、他社の選考状況というのも気になるところなのでしょう。「こいつなら自分自身の元で働かせて育てたい。」その方が面接で見ていることはこういう学生であるかどうかということだそうです。そのための要素として、素直か、ガッツがあるか、言ったことをしっかりと自分で考えながらやれるか、仕事をやめないかの4点を上げていました。参考:また、内定出しに関連して以下のような話も伺いました。「今の学生さんってさ、最初に1社内定が出たら気が緩んでもうそこでいいかなって考える人って意外と多かったんだよね。実際内定出したときに『先に〇〇社から出たんでもうそこで決めちゃいました。』って正直に連絡して来た子もいたなあ。」就職活動の早期化・長期化が指摘される昨今ですが、学生の採用においてはこのように「先手必勝」のケースはそれなりに多いようです。特にインターンの頃から長期的に接していた学生からの内定辞退は仕方ないことと思いつつも、やはり機会損失を感じてしまうことも多いとおっしゃっていました。unistyleでも「複数内定を獲得し納得したキャリア選択に繋げること」をコンセプトに掲げていますが、複数内定獲得の大きなメリットは「自分のキャリアをよりリアルに考えられること」です。選考対策として業界比較/企業比較をしている時と比べて、「本当に自分の決めだけで入社できる状態」というのは想像以上にリアルな緊張感があります。理屈抜きで自分がやりたい仕事を真剣に考えることに繋がります。皆さんはこういった人事サイドの声も把握した上で、「それなりに納得できる企業から1社内定出たからそれで終わり」のような考えには至らない方が自分のためになるということは認識しておくべきでしょう。人事とは、一人の人間であるここまで「優秀な学生と内定出し」という話をしましたが、でも触れた通り、「その学生が優秀かどうか」というのは内定出しの一つの基準に過ぎません。「インターンとかでいろいろな学生に会っていると、優秀かどうかとか関係なく正直何となく気に入った学生って出てくるんだよね。もちろん自分の一存でそういった子が即内定なんてことは無いけれど。後は単純に『インターンが楽しかった』とかそういう話してくれるだけでも、頑張って準備してきて良かったなと思うね。」この話を聞いて、これまでの人事のイメージとは少し違ったという方もいるのではないでしょうか。人事の方というのは何か特別な存在に感じてしまうかもしれませんが、結局のところ一人の人間・サラリーマンに過ぎません。学生からすれば内定を出してくれるかそうでないかの判断をする人であることから、何だか自分の対戦相手みたいなものに見えてしまうこともあるかもしれませんが、このように直感的な判断も普通にする人物であることは把握しておくべきでしょう。他にも選考初期に多く登場するリクルーターですが、こちらも一般社員として普段の業務がある合間を縫って学生に会っている人がほとんどです。自分の担当業務の進捗が芳しくない中で選考を行うときは、正直面倒に感じることもあったと聞きます。リクルーターも全員が全員良い学生を見極めようと真剣に選考しているわけではないということです。新卒就活では能力や実績よりも「人柄」の方が重視されるという話はしばしば耳にしますが、それは何もポテンシャル採用で自社で育て上げるからだけではありません。人柄は理屈抜きで人の心を動かすベースとなるものであり、中途面接でも見られる重要な要素になります。受付の人にも挨拶する・面接が終わったら笑顔でお礼をするというのはマナーとして語られることが多いですが、人に対するあるべき接し方として自然と出来るようになることが肝心と理解できることかと思います。「インターンルートの子ってやっぱり優秀な割合が高いから、ウチの場合辞退率もやっぱり高いんだよね。それでも、「他社に取られた」と嘆くのではなく、まずはキャリア選択は個人の自由なのだから前提として応援してあげること。そして、どういう考えを経て他社に行ったのかを出来る限り汲み取って次に活かすことが大事だと思ってるよ。」もちろん世の中にはのような企業もほんの一部存在しますが、本チャプターでは人事の目線を把握することで、自身の選考に繋げていただければと思います。インターンに参加する人は出世する?内定獲得や本選考の優遇に繋がることで有名なインターンですが、どうやら場合によっては内定後も恩恵を受けることがあるようです。「これは多くの企業であるケースだと思うけど、採用試験や入社2~3年ぐらいの評価である程度最初の出世ルートに乗るかどうかが決まったりする。僕は配転の業務も担当したことがあるけれど、そこで分かったのは、肌感的にインターンルートで入社した人は入社後も出世しやすいということだね。」中々衝撃の事実ですが、たかだか大学3年や修士1年で参加したインターンがその後の長い社会人生活の出世まで関わるということでしょうか。インターンルートだと自動的に出世ルートに乗るということでしょうか。この話については理由まで直接深堀りは出来なかったのですが、下記のような要因が考えられるでしょう。インターン生が出世する理由(1)内定時の評価が高い可能性谷元さんの話からしても、「採用試験の評価」が高いことはその後の出世に関わるケースがあります。例えばメガバンクの場合、(真偽は別として)初期配属が山手線の内側だったら出世コースだという噂は多くの方が聞いたことある話かと思います。イメージとしては、高学歴の内定者が首都圏を希望すれば東京23区のどこかに配属されるとすれば、そうでない学生は東京の市、もしくは都外に配属されている感じです。参考:正直ESや数回の面接でその学生が本当に優秀かどうか見極めるのは難しいわけですが、インターン組というのは相対的に人事と多くの接点を持っており、内定を獲得している以上はその中でも評価された人が残っているはずです。単純接触効果で長い間接点を持ち続け、最終的に自社に就職することを選んだ人材を評価することは自然なことはないでしょうか。インターン生が出世する理由(2)人事だけでない、現場社員との接触効果インターンを通して学生が接点を持つのは人事だけでなく、座談会やメンター役として複数の現場社員と接点を持つことになるかと思います。基本的にこういった場に登場する社員というのは、その企業のエース格である優秀な社員であることが多くなっています。入社後にどれだけ成果を上げたとしても、結局昇進に関わる評価をするのは上司という一人の人間です。直接的にインターン中に出会った社員が上司になることは稀だとしても、学生うちから企業に評価されている社員と多く接点を持つことは、自分の立ち回り方に参考となる部分が多いはずです。学生時代にエース級の社員からフィードバックを貰えるのは貴重な機会という観点からも、インターンに参加する意義があると言えます。インターン生が出世する理由(3)早くから慣れない環境に飛び込み、成果を出せるこちらは「参加した」ことによる直接的な効果とは離れますが、個人的にはこれが一番大きいのではないかと思っています。就職活動の早期化はあらゆる場面で指摘されていますが、早く動き出すことで有利になるのは間違いありません。多くの大学生は3年生になるまでこれといって企業や社会と接点を持たずに学生生活を謳歌していますが、そんな中でインターンという行動に移せる早さというのはポイントの一つだと思います。最初のインターンというのは誰しも緊張するもので、エントリーの段階から何となく腰が重く感じてしまうこともあるのですが、そこで一歩生み出す勇気は非常に大切です。テクノロジーが発達し変化の激しい今の時代、自分の居慣れた環境でぬくぬくと得意になっているのでは競争に置いていかれるのは企業も就活生も同じです。すなわち早い段階で自分がこれまで経験したことのないような環境に飛び込む行為はそれ自体が評価対象であると言えるでしょう。特に22卒の場合は新型コロナウイルスの関係で、これまでの先輩通りの流れには当てはまらないことが増えることが予想されるため、自ら早く行動しにいくことの重要性はより高まると考えられるでしょう。ちなみに下記のエントリーにあるように、早く出すことそれ自体が内定に繋がるというケースもあるようです。参考:最後にもちろん「将来出世できそうだから今のうちにインターンに参加しよう」とそれ自体を目的にすることはあまり推奨できませんが、企業の立場からするとインターンに来た学生を結果として長期的に評価することには一定の納得感があります。第2章以降でもこういった人事の裏話から就職活動を深堀りしていきますので、是非最後まで合わせてご覧ください。【「某日系大手人事が語る」シリーズ】 26,913 views
学歴フィルターの現状・本音・悩み・向き合い方をunistyleが真剣に考察してみる 学歴フィルターの現状・本音・悩み・向き合い方をunistyleが真剣に考察してみる 学歴フィルターをコンプレックスに感じている人には、就職エージェントneoがオススメです。アドバイザーから、学歴フィルターとの向き合い方や、就活の進め方など、冷静なアドバイスをもらうことができます。少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。”学歴フィルター”という言葉なしに就職活動を語ることはできないと思われます。学歴フィルターが広く関心を寄せられているのにも関わらず、多くの記事が『学歴フィルターがあってもありのままの自分で頑張ろう!』『厳選!学歴フィルターのある企業・ない企業』といったように、学歴フィルターの本質に迫っている記事は少ないように思われます。そこで本記事では、就活を終えた20卒の学生の目線から、就活生の学歴フィルターの現状、学歴フィルターに対する本音、及び学歴フィルターに対する向き合い方について論じていきます。本記事の構成そもそも学歴フィルターとは学歴フィルターに対する上位学生・中堅大学生の見方の本音学歴よりも人物重視トヨタの役員は中卒学歴フィルターにどう向き合うのかさいごにそもそも学歴フィルターとはフィルター…与えられた特定成分を取り除く作用をする機能を持つもの参考:Wikipedia|フィルター辞書的定義に従うと、学歴フィルターとは”学歴”と”フィルター”を組み合わせた造語であり、特定の大学を”取り除く”作用をするものという語源通りの意味になります。就活生の間では、”早慶”以下は学歴フィルター、”MARCH”で学歴フィルターがあるのように、特定の大学群を引き合いに使われていることが多い印象です。学歴フィルターは平たく言うと、学歴によって学生を差別しているとも捉えることができるので、世間ではどこか印象の悪いものとして捉えられていることが多いようです。過去に、大手企業の説明会を自身の大学で予約しようとしたら満席と表示されてしまったが、有名大学に変更したら空席ができたという話が、学歴による差別ではないかと話題になっていました。参考:露骨な学歴差別なのかキヤノンの大学別新卒説明会そもそも学歴フィルターは存在するのかQ.学歴フィルターって本当にあるの?事実としては、あると言えるでしょう。引用:unistyleでは、学歴フィルターは存在するものとして扱っています。unistyleとしては、学歴フィルターは良いものでも悪いものでもなく、導入によって企業に一定のメリットをもたらすものであるため、導入されているという立場を取っています。学歴フィルター導入による企業側のメリットについては、本記事の主眼ではないので多くは触れませんが、下記に簡潔にまとめましたので参考にしていただけたらと思います。企業が学歴フィルターを設置する理由①高学歴による安心感②採用活動にもコストがかかる参考:高学歴=優秀な人と結びつけるのには無理がありますが、学歴が高い人=一定の努力(ある程度の能力の保証)をすることができる人と同義であると言えます。そのため、学歴フィルターを設けて高学歴を中心とした母集団を形成することで、無作為に学生を抽出する際よりも、より高確率で優秀な人材を採用することが可能となります。限られた時間と費用で優秀な学生をできるだけ多く獲得したい企業側からすれば、まごうことなく、”学歴フィルター”は有効な手段だと考えることができます。学歴フィルターに対する上位学生・中堅大学生の見方の本音先程、学歴フィルターはネガティブなものとして捉えられていることが多いと記述させていただきました。しかし、ここで一度考えていただきたいのは、”学歴フィルター”をマイナスに捉えている・反対している学生はどのような層の学生なのでしょうか。言われてみれば当たり前かもしれませんが、東大生や京大生などの学生層が声高々に『学齢フィルター撤廃!』と訴えている姿は想像できません。誤解を恐れずに言わせていただくと、『学歴フィルター』にマイナスのイメージ・撤廃して欲しいという思いを抱いているのは所謂上位企業に就職したい中堅大学の学生がほとんどでしょう。学歴フィルターの何が不満なのか『学歴フィルター|就活』と検索すると、学歴フィルターを理由に行きたい企業に行けなかった・学歴フィルターがなかったら挑戦したのにという声を多く目にします。行きたい企業が本当はあるのに...学歴だけで諦めないといけない現実。就活キャリアセンターに相談しても「厳しいよ!」と言われたり友達や親にもバカにされてしまう...そんなに「学歴は大切ですか??」#就活#学歴#学歴フィルター—Fラン大学生のお手軽スピード内定プロデューサー(@Frankspeedoffer)2019年10月24日要約すると、『やりたい仕事があるけど学歴フィルターで応募ができない…』といったところでしょうか。行きたい企業・やりたい仕事が学歴が理由でなれなかったり・できなかったりするのは不本意であるというのが学歴フィルターに対する不満の一般論だと考えられます。仕事は学歴でするものではないですし、人の優劣が学歴で決まるとも思いません。そのため、学歴よりも人柄・やる気を見て欲しいという訴えにも納得がいきます。また、学歴に自信が持てず、学歴フィルターに悩んでいる学生には就職エージェントneoの利用も検討してみると良いでしょう。アドバイザーから幅広い企業の紹介や、内定をとるために必要なES添削や面接練習をしてもらうことができるので、学歴フィルターを感じない就職活動がかなえられるかもしれません。少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。学歴フィルターによる評価は努力の結果得られるものであるどうしても不満や不平が中心に取り上げられがちですが、学歴フィルターに対する上位大学の学生の声を目にすることはあまりないと思われます。上位大学の学生の声に耳を傾けてみると違った意見を拾うことができます。【学歴フィルターっておかしいですよね】って良く就活生から聞くけど私はおかしくないと思うなぁ高学歴の方は、大学受験死ぬ気で頑張って結果を出したのですから優遇されて当たり前学歴がないなら学歴がない事を受け止めて(私もそうでしたが)高学歴の方の何十倍も動けばいいのでは?—Fラン卒サラリーマン(@f_shukatsu25)2019年8月13日学生の本分が”学業”であることは間違いないでしょう。もちろん大前提として、就職をするために大学に進学するわけではありません。それでもより学業を重んじ努力してきた学生が、より多くのチャンスに恵まれるべきであるという点に反対する人はいないでしょう。そのため、上位大学の学生からすると、”学歴フィルター”は努力の正当性をきちんと評価してくれるものとして寧ろ好意的に映っているのではないでしょうか。誤解を恐れずに言うならば、学生の本分である学業(=”義務”)を疎かにした結果の大学に進学したにも関わらず、就職活動の時にだけ全ての学生が同じスタートラインに立つべきであるという”権利”を主張するのはどこか矛盾を感じずにはいられません。学歴よりも人物重視学歴フィルターの設置は企業の側からは一定の有用性があるということ、学生の目線だと上位・中堅大学の学生で学歴フィルターへの見方の違いがあることに納得していただけたと思います。しかし最近では、学歴フィルターは変わらず必要であるという事実と世間の学歴フィルターへのマイナスイメージとのジレンマへの解決策としてか、学歴よりも能力を重視した、『人物重視』の採用という言葉をより耳にすることが増えました(あくまで”学歴よりも”という点が重要です)。そこで、企業が何故学歴よりも人物重視の採用へと変化しつつあるのか、その切り口として、諺とスポーツを例に説明していきます。船頭多くして船山に登る学歴中心の就活から人物本位に変化しつつある理由の説明として、『船頭多くして船山に登る』という諺を引き合いに出します。「船頭多くして船山に登る」とは、「指図する人が多くて物事がまとまらず、目的とは違う方向に進んでしまう」と言う意味を表しています。参考:TRANS.Biz企業は、社長や役員といった会社の方針を決めるブレイン、実際に顧客のもとへと向かう営業、企業の財務を管理する経理、コンプラ案件を扱う法務など多様な組織で構成されています。当たり前ですが、それぞれの部署で担っている仕事は異なるため、求められるスキル・ノウハウはそれぞれ異なります(もちろん共通するものもありますが)。高学歴が画一的な人たちで構成されているとは言いませんが、仕事のできる・できないは学歴や学力で決まるものではありません。より、何ができるかといった点を重視した場合、学力に加え、今持っているスキル・人柄など学力以外の要素を重視するのにも頷けます。船が船頭者だけでなくオールを漕ぐ人がいないと始まらないように、企業も船頭だけでなく企業を動かすための様々な能力を求めていると言えます。スポーツで例えてみるもう一つ、スポーツの例で考えてみます。2019年ラグビーワールドカップでは日本代表がベスト8という快挙を成し遂げました。日本代表が体格が一回りも二回りも違う南アフリカ代表に果敢に挑んでいく姿に心を打たれた人も多かったと思います。体格が重要になるスポーツの為、日本代表の前評判は決して高くはありませんでしたが、相手チームのパワーを上回るスピードや正確さ、戦術で怒涛のベスト8進出を決めることに成功しました。タックルやスクラムなどのプレーからラグビーは一見パワースポーツと誤解されがちですが、相手陣地に切り込むスピードスターや正確なキックで突破口を開くキッカーなど様々なスペシャリスト達で構成されているスポーツです。日本代表の強さは、各々がそれぞれの持ち場で長所を存分に発揮した点だと考えられます。話が少し逸れてしまいましたが、このラグビーの例からも人物本位の採用に変化しつつある理由を読み取ることができます。体格で負けている日本代表が、力不足を補うためにパワーのある選手だけを集めていたら本来の実力を発揮できずに、ベスト8を達成することはできなかったでしょう。企業も学力に強い人材だけを集めていたら勝てる勝負にも勝つことができないと思われます。適材適所に必要なスキルを持った人材を配置することが企業の勝利(成長?)の鍵へとなります。繰り返しになりますが、企業は学力と学歴だけで回っている世界ではありません。企業が勝ち残っていくためにも、”学力だけでは測れない力=人物重視”へとシフトしていっていると言えます。トヨタの役員は中卒企業の多くはトップダウンであり、企業が人物重視の多様なスキルを持った人材を欲しがるということは、裏を返せば、企業のトップもまた多様な人材で構成する必要に直面しているとも言えます。企業のトップが変化しつつある例として、トヨタ自動車の役員の1人に河合満さんという方がいます。トヨタの4月1日付人事の目玉の一つが工場統括の専務役員である河合満氏の副社長就任だ。有名大学卒の経営幹部が多いトヨタにおいて異色の人事であり、河合氏への関心が高まっている。(中略)河合氏は中学卒業後にトヨタの企業内訓練校であるトヨタ技能者養成所(現トヨタ工業学園)で学び、「カローラ」が発売された1966年にトヨタ(当時はトヨタ自動車工業)に入社。引用:日経ビジネス現場叩き上げからトヨタ副社長に就任企業の執行役員ともなると、やはりトヨタだけに限らずどの企業でも錚々たる経歴・出身大学の人が多いです。実際に、上場企業の社長クラスともなると、慶應や早稲田、東京大学だけで700社近くの企業の社長を務めていることになります。(参考:東洋経済オンライン)つまり、俗に言うノンキャリア出身である河合さんの役員就任は異例の人事異動であったということになります。そのため、世界のトヨタの役員に中卒の河合さんが抜擢されたのは、世間の広い関心を集めました。なぜトヨタの役員に中卒が?トヨタが河合さんを役員に任命した理由は要約すると次の2点であると考えらます。河合さんが役員任命の理由・メーカーとしてものづくりの最前線を知っている・トヨタの黎明期から幾度もの倒産の危機を乗り越えてきた経験CMや東京モーターショーなどの影響もあり、トヨタはグローバルでスタイリッシュな企業イメージを持ちます。ですが、そのスタイリッシュなトヨタの製品・イメージを作っているのは、現場である”工場”です。どれだけハイコンセプトでスタイリッシュで画期的な商品を企画しようと、実現できるのは、現場である工場だけです。ものづくりは工場をはじめとした現場から始まります。現場を知らない人間に現場を指示することはできません。河合さんの役員への任命は、現場を知った人物ならではの経営ができるという期待を込めての抜擢なのではないでしょうか。私自身、そう、物知りではございません。あまり色々なことを知らないと思います。情報の出発点として大切にしておりますのは、情報は現場にあるということです。〜豊田章男〜引用:トヨタイムズ理由を並べてみると、確かに河合さんの役員への就任は的を得ているものとなります。しかし、繰り返しになりますが、本来ノンキャリアである河合さんが役員に就任することは考えられない人事になります。世界のトヨタのトップが変化しつつあるのですから、他の日系企業も多様な人材を中心とした経営にシフトする波が押し寄せているのにも頷きます。トヨタの例から何が言えるのか河合さんを紹介したからといって、『頑張り次第では皆さんも学歴関係なく就職・出世ができる!』という荒唐無稽なことを伝えたいのではありません。大切なのは、新卒採用を含めた採用全般は企業からのメッセージだということです。企業の経営方針が変化すると場合によっては、求める人物像も変化します。トヨタのトップが学歴などのキャリア重視から、何を生み出すことができるのか、何ができる人なのかなどその人の能力重視に変化していることは、我々就活生に対しても同じことを求めていると言えるでしょう。トップが変化すれば下も変化をしていきます。ひょっとしたらトヨタの今後の採用は学歴などに加え、より当人の能力を重視した採用に変化すると予想することもできます。今後、日本の全ての企業がトヨタのようになっていくと簡単には断言はできませんが、変化しつつあるという点は認識していくべきことだと思われます。上記にも記載されている通り、学歴だけで就活がうまくいく時代は徐々に終わりつつあります。学歴フィルターにどう向き合うのかここまで、学歴フィルターに対する学生の目線となぜ学歴から人物重視に変わりつつあるのかという話を進めてきました。確かに学歴重視から変わりつつありますが、冒頭で申し上げた通り、企業の採用コストなどの観点から学歴フィルターがなくなることはないとunistyleは考えています。では、学歴フィルターに悩む学生に対しての答えは何でしょうか。私たちunistyleからの回答はシンプルで『悩むな』です。コントロールできないものは諦める何も答えになっていないじゃないかと怒られてしまいそうですが、シンプルかつ明確な回答だとunistyleは考えています。当たり前ですが、企業は学歴フィルターのラインを発表することはありません。学歴フィルターがあるかないかを悩むことは、答えのない回答を探すことと同じくらい不毛なことですし、学歴フィルターが気になるからといって、学歴を変えるために大学に入り直すのは非生産的であり、学歴詐称をすることは更にご法度です。学歴というものは一度決まってしまったのならば変えることはできないものですし、変えることができないものに悩んで時間を費やすよりも、サークル活動やアルバイトでの経験、定量的なものではTOEICの点数など自分でコントロールできるものにより時間をかけたほうがいいかと思われます。自分にコントロールできないことは、いっさい考えない。考えても仕方がないことだから。自分にできることだけに集中するだけです。ー松井秀喜ー元プロ野球選手の松井秀喜選手の言葉を引用しました。松井秀喜選手は日米通算で2643本のヒットを達成し、名球会入りも果たしている名バッターです。そんな松井秀喜選手が米国ヤンキース時代、自身の成績不振をマスコミに取り上げられるのは気にならないのかと質問された回答が上記の言葉になります。天候やメディアの言動などはコントロールしたくてもコントロールできない、自分ではどうしようもできないことで悩むのは非生産的であるとして、上の言葉を残しています。学歴フィルターがあるか否かを悩むよりも、自身の経験や考えを企業に上手に伝える練習をしたほうがよっぽど効率的であり、人物重視の就活で勝ち残っていくことができるでしょう。高学歴であるというプライドが許さないのであれば学歴フィルターで悩む学生がいる裏で、学歴フィルターとは無縁の学生も悩みを抱えています。彼らは、東大や京大などを始めとした高学歴集団が集まる企業に誇りを感じる人(=エリート意識?)も中にはいます。筆者の友人にもいましたが、そうした人たちは自分よりも学歴の低い学生が少なく、より自分と同じかそれ以上の学歴を持つ人が集まる企業を好んで選択していました。人の価値観は人それぞれですので否定はしませんが、一度立ち止まって再考するべきでしょう。就職活動による内定というのはあくまでゴールまでの「通過点」に過ぎません。納得の行く内定が得られただけで幸せが保証されるものではありません。参考:仕事は学歴でするものではないですし、学歴が高い人が全員優秀であるとも限りません。大学入学時にどの高校の出身なのかで花を咲かせたのが1年後にはどうでもよくなっているのと同様に、どの大学から来たのかという話題は話題にも登らなくなっているでしょう。高学歴集団で構成される企業に就職することによる満足感は入社するまでの間の一過性のものと予想されます。そのため、どの学歴の人と一緒に入社するのかという短期的な目線よりも、どんな人と何をしていきたいのかという長期的な目線のほうが、後々より納得のいく社会人生活を送ることができるのではないでしょうか。10年社会人やって感じたのは、仕事の充実度は人生の充実度に直結してる感じで、学歴は必ずしも人生の充実度との関連性は低い。学歴はすぐに過去のものになるけど仕事は40年間続くから当たり前っちゃ当たり前なんだけど。—KotaroHiguchi(@happytarou0228)2017年2月6日さいごに学歴フィルターに関する話題はどこかタブーな話とされている傾向が強いですが、なるべく学生の本音に近いところで話を進めさせていただきました。人物重視に変わりつつあるといえども、学歴フィルターがなくなることはないでしょう。自分の大学が学歴フィルターの対象であるかどうかは気になるところではありますが、自分が何故その業界を志望するのか、何が強みなのかを理解し伝えることができれば、学歴に関係なく、内定を獲得することも難しくはないでしょう。【参考】・・・・・【関連】・・・ 12,651 views
志望動機を「入社したい理由」だと考えるから噛み合わない面接になる 志望動機を「入社したい理由」だと考えるから噛み合わない面接になる 志望動機については企業側と学生側がなかなか噛み合わないまま会話しているケースが多いと感じています。これは「志望理由」で企業側が回答してほしいことと、学生側の認識が噛み合っていないからだと思っています。企業側も試行錯誤しながら色々な聞き方をエントリーシートでは試しているものの、面接になると「志望動機を教えてください」といった形でざっくりと聞いてしまうから齟齬が生まれるのだと思っています。学生は志望動機を「入社したい理由」だと考えている学生側は志望動機を文字通り、その企業に「入社したい理由」だと考えている人が多いと思います。そのため、「給与が高い」、「ブランドイメージがよい」、「福利厚生が手厚い」、「企業が提供している商品がいい」、「海外売上高比率も高く、グローバルな世界でも成長しそう」etc...など、その企業のいいところを答えるべきだと考えているようです。「企業理念に共感しました」というのは、欲望丸出しの回答よりも少し綺麗事を言っておくとプラスになるかもという下心からの発言であり、こういった綺麗事を本心から伝えることが就職活動では大事なのだと思い込み、「企業理念に共感する自分」を演じてしまう人が一定数いるために就職活動が宗教っぽくなったりしてしまうというのは言い過ぎでしょうか。企業が志望動機で知りたいのは「仕事理解」と「仕事への適正」一方で企業が知りたいのは、自分たちの企業のいいところをどれだけ知っているかということよりも、志望者が入社してからやる仕事を理解しているかどうかと、その仕事に適正があるかどうかです。企業理念を知っているかどうかやエコに配慮しているかどうかなど、企業のいいところを知っているかどうかと入社後、仕事ができるかどうかということには相関はないと言えるでしょう。例えば日清食品などの食品メーカーの面接では、「営業で大切なことは何か」、「量販店営業として働き値段を下げてほしいと言われたらどうするか」など、営業という仕事を理解しているかどうかを面接で聞くことがあります。食品メーカーの仕事はマーケティングや商品開発などの華やかな一面が目立ちますが、実際には営業に配属される人が多く、競合他社の営業に負けないように販売する店舗に対するケアをしっかりと行い、目標数値をあげる仕事です。こういった仕事であることを理解した上で、「自社の愛着ある商品を販売したいからメーカーを志望している⇒営業の配属が多いのも理解している⇒自分は営業に向いていると思う⇒学生時代の経験から〜〜」といった形で話ができると、企業としても仕事内容を理解しているし、その仕事への適正も示してくれているなと感じて、高い評価を与えることができるでしょう。食品業界研究一覧職種別採用ではないところが難しくしている側面も学生に取って難しいのは、仕事内容を理解する上で日本企業の多くは職種別採用ではなく総合職採用を行っているということでしょう。マーケティング部署の志望動機を作ってきたのにいざ本番というところで「いやいや営業配属の可能性高いけど、そっちはどう?」とか言われてしまう危険性がつきまといます。ただそういった場合でも、「最初は営業課に配属されたとしても将来的にはマーケティング部署で自社製品を広めることをやりたいと考えています。営業で結果を出すために必要なことを学びながら店舗の人や実際の消費者の声を聞く中でマーケティングに活かせることはないか考えたいです。」といった形で回答できれば十分評価されるので、しっかりと準備しておけば大丈夫としかいえません。日本の雇用環境や採用環境ががらりと変わることがない中で出来る限り、企業が求めることを理解して話すことが求められていると考えられます。【関連記事】人材採用は永遠の試行錯誤の世界仕事ができる人を完璧に見分けるための採用方法というものを確立することはまだまだ出来ておらず、試行錯誤を繰り返しています。完璧ではない制度ながらも、自己PRや志望動機を聞くのは海外でも共通しているので、ある程度の相関性はあると割り切った上で、何を求めているのか、どう回答すると評価されているのか、自分の本音と乖離はないかといったことを考えて話すのがよいと思います。仕事ができる人を完璧に見分ける採用手法を考えついたとしたら、その人は一山あてることができそうです。。。最後に仕事内容を理解して、仕事への適正を示して評価された上で、給与や福利厚生がどうか聞くのはなしではないと思います。過去の優秀な内定者は同業界にて、複数内定をもらった上で、社員訪問をして業界内の地位や仕事内容、福利厚生含めた給与などを色々聞いた上で決断するということをしていました。やはり今後の長い人生を決める上で、給与や福利厚生などは大事な要素ではあります。聞くタイミングを間違わなければしっかりと答えてくれるものです。就職活動だけではなく、交渉ごとでもそうですが、有利な条件を引き出すためにはまず相手に評価されることが必要でしょう。なお、志望動機が書けないと悩む人は下記のコラムも参考にしてください。 99,643 views

現在ES掲載数

77,622

すべて見れる

上に戻る

会員登録・ログインして全てのコンテンツを見る

無料会員登録