出版業界大手4社の強み・事業の違いとは-KADOKAWA・集英社・講談社・小学館を比較-

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最終更新日:2024年11月08日

本記事では、出版業界の中でも、ひときわ大きな存在感を誇る、KADOKAWA・集英社・講談社・小学館の企業研究を行います。各社の事業内容や強み、社風などを解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

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出版業界大手4社(KADOKAWA・集英社・講談社・小学館)の企業分析

出版業界大手4社(KADOKAWA・集英社・講談社・小学館)の業界地図

こちらでは、出版業界大手4社(KADOKAWA・集英社・講談社・小学館)の強みや特徴、事業内容をひとつずつ解説していきます。

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大手出版社:KADOKAWAの強みや特徴、社風

出版業界:KADOKAWAの強みや特徴、社風

KADOKAWAの企業研究(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから

KADOKAWAグループの源流であるKADOKAWAは、国文学者角川源義によって1945年に角川書店として設立されました。創業以来、「不易流行(=いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しく変化を重ねているものを取り入れていくこと)」をグループ理念とし、時代の変化に合わせて事業領域を拡大してきました。

以下では、KADOKAWAの強みや特徴、社風を解説しています。

KADOKAWAの強みや特徴

KADOKAWAは、書籍映画アニメゲーム、およびUGCプラットフォームなどを通じて多彩なIPを創出し、それらを世界に広く展開する「グローバル・メディアミックス」の推進を基本戦略としています。

・UGC(User Generated Content)

ユーザー生成コンテンツを表す。企業によって作られたコンテンツではなく、ユーザーによって作られたコンテンツを指す。例)個人のSNSの投稿、写真、ブログなど

・IP(Intellectual Property)
知的財産を表す。人間の知的活動によって創作された表現や、商業上有用になりうる情報や標識など、財産性のある無体物を指す。

そして、IPの開発・製造・宣伝・流通・営業などのあらゆる面で、デジタルトランスフォーメーション(DX)を戦略的に推進することで、経営基盤と収益基盤の両面を強化しています。

また、グローバル・メディアミックスの推進を可能とする年間5,000点におよぶ新規刊行の書籍・雑誌をベースとするIP創出力に加え、ニコニコ、カクヨムといったUGCプラットフォーム事業との連携を深めることで、グループ全体のIP創出力も強化しています。

さらに近年では、ところざわサクラタウンを主軸としたコトビジネス事業やイベント事業をはじめ、キャラクターグッズの企画・販売を行うMD(ライツ・マーチャンダイジング)、eスポーツ、教育関連など、様々な分野の新規事業にも取り組んでいます。

KADOKAWAの事業紹介まとめ

・出版

文芸(角川文庫・角川ホラー文庫など)、ビジネス・生活実用書・ノンフィクション、ライトノベル・新文芸、児童書(絵本、角川まんが学習シリーズなど)、コミック、電子書籍・電子プラットフォーム(BOOK☆WALKER、ComicWalkerなど)、雑誌(ダ・ヴィンチ、ニュータイプなど)

 

・映像

実写(Fukushima 50、MOTHERなど)、アニメ(Re:ゼロから始める異世界生活など)

 

・ゲーム

ゲームソフト(DARK SOULS、ダンガンロンパなど)

 

・Webサービス

ポータル(ニコニコなど)、ライブ(ニコニコ超会議、闘会議など)、モバイル

 

・その他

教育(N予備校など)、eスポーツ(FAV gamingなど)、ライツ・マーチャンダイジング、コトビジネス・インバウンド事業(ところざわサクラタウンなど)、イベント事業

KADOKAWAの社風・組織風土

それでは、以下のKADOKAWAグループHPをもとにKADOKAWAの社風・組織風土を見ていきましょう。

働き方改革 ~ABWとキャンパス構想~

KADOKAWAでは全従業員が時間や場所にとらわれず、自律的に行動する働き方=ABW(Activity Based Working)を導入し取り組みを続けてきました。サテライトオフィス利用や在宅勤務の無制限の許可、通勤定期代の廃止、在宅勤務手当の支給などを盛り込んだ「サテライトワーク制度」を導入し、社会の変化に迅速に対応して、従業員一人ひとりが自らのスタイルに合わせた働き方を選択できる環境を構築しています。

ABWの実現は「自律」「オープン」「フラット」「シェア」という企業風土を醸成することでもあり、KADOKAWAが目指す「新たなチャレンジがしやすい組織」へとつながっていきます。

引用:働き方改革 ~ABWとキャンパス構想~ | KADOKAWAグループ ポータルサイト

KADOKAWAでは、上→下の命令で動くピラミッド型組織ではなく、横⇄横の対話で動くチームやプロジェクトの集合体を目指しているようです。そのような組織風土のベースとして、「自律」「オープン」「フラット」「シェア」の考え方があります。

以上の内容より、KADOKAWAの主な特徴・強みをまとめたので参考にしてみてください。

KADOKAWAの主な特徴・強み

・出版とITの両軸を持つ

2014年にIT企業であるドワンゴと経営統合。IP(知的財産)にIT技術を用いて、それまでにない全く新しいコンテンツを創造。

 

・出版以外のコンテンツ力

出版業界で唯一、自社内で映像を手掛ける。その他にも、アニメ、ゲームなど多様なIPを創造。

大手出版社:集英社の強みや特徴、社風

集英社の強みや特徴、社風

集英社の企業研究(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから

集英社は、1926年に小学館の娯楽誌出版部門として分離し、発足しました。創業以来、総合出版社として、漫画誌、ファッション誌、ジャーナル誌などの雑誌をはじめ、文芸書や文庫、新書から、美術書、写真集、辞・事典まで多様な分野に事業を展開してきました。

以下では、集英社の強みや特徴、社風を解説しています。

集英社の強みや特徴

集英社は、少年ジャンプ、ヤングジャンプ、りぼん、マーガレット、non・noに代表される多数のマンガ誌やファッション誌などのほか、ナツイチなどの文庫、文芸書、新書、児童書、美術書、写真集、辞・事典といった書籍も幅広く扱っています。

特に、漫画部門に注力しており、2021年10月〜12月までの少年向けコミック誌発行部数では1位を獲得する強みを持ちます。その中でも、週刊少年ジャンプは少年向けコミック誌の中で群を抜いており、上記期間での発行部数は約135万部で、2位の週刊少年マガジンとは2倍以上の差をつけています。

集英社の事業紹介まとめ

・雑誌

少年・男性コミック誌(少年ジャンプ、ヤングジャンプなど)、少女・女性コミック誌(りぼん、マーガレットなど)、ファッション誌(non-no、MOREなど)、ジャーナリズム誌(週刊プレイボーイ)、芸能誌(Myojo)、

 

・書籍

文芸書・児童書・ライトノベル(小説すばる、文芸単行本など)、新書・ノンフィクション(kotobaなど)

 

・デジタル・通販・新規事業

電子書籍・電子コミック・雑誌電子版・通販サイト・ゲーム(e!集英社、少年ジャンプ+など)

集英社の社風・組織風土

それでは、以下の採用情報をもとに集英社の社風・組織風土を見ていきましょう。

採用メッセージ「その種を、育てよう」

集英社が長い年月のなかで、たえず繰り返してきたのは「種をまいて」「育てる」ことです。
ひとつひとつの作品と誠実に向き合い、大切に育てることで、集英社もまた、育ってきました。
あなたの手のひらには、あなただけの種が握られています。どんな花が咲き、どんな実を結ぶのか、まだ誰にもわからないけれど、大切に慈しみ育てていけば、きっとワクワクすることが待っている。その種を、集英社で育ててみませんか。

引用:集英社 2023年度定期採用情報

集英社では、人を大切にし、育て伸ばす組織風土があるようです。そのような文化が脈々と受け継がれてきたからこそ、自信と責任感にあふれた表情でいきいきと働く社員が多くいるようです。

以上の内容より、集英社の主な特徴・強みをまとめたので参考にしてみてください。

集英社の主な特徴・強み

・週刊少年ジャンプの高い人気

漫画部門に注力しており、2021年10月〜12月までの少年向けコミック誌発行部数では1位を獲得。特に、週刊少年ジャンプの人気は少年向けコミック誌の中でも群を抜いている。

 

・幅広いジャンルのコンテンツ力

多数のマンガ誌やファッション誌のほか、文庫、文芸書、新書、児童書、美術書、写真集、辞・事典といった書籍を幅広く扱う。

大手出版社:講談社の強みや特徴、社風

出版業界:講談社の強みや特徴、社風

講談社の企業研究(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから

1909年に野間清治が創設した大日本雄弁会を源流とする講談社は、総合出版社として「おもしろくて、ためになる」を合言葉に、あらゆる「ものがたり」を生み出してきました。

2019年には創業110周年を迎え、今後は紙媒体だけでなく、電子書籍、映像化、動画配信、海外展開などさらなる事業も展開していきます。

以下では、講談社の強みや特徴、社風を解説しています。

講談社の強みや特徴

講談社は、コミック、小説、教養、ジャーナリズム、ファッション、絵本、アニメ、ゲームと様々なジャンルの書籍を幅広く扱っています。

また出版以外にも、野間賞・江戸川乱歩賞・講談社漫画賞などの各賞・顕彰事業や、全国訪問おはなし隊による読書推進活動などの文化事業も進めています。

さらに同社は「出版の再発明」を掲げてデジタルシフト戦略を推進し、古来の出版物ベースのビジネスモデルから脱却することを目指しています。紙の売り上げの減少を、電子書籍などのデジタルやライツ収入など、他の売り上げで補っています。

講談社の事業紹介まとめ

・雑誌

男性向けコミック(週刊少年マガジン、ヤングマガジンなど)、女性向けコミック(なかよしなど)、幼児向け雑誌、報道・芸能(週刊現代、FRIDAYなど)、ファッション・ライフスタイル(with、ViVi)

 

・書籍

文芸(群像、小説現代など)、こども・教育(青い鳥文庫など)、学芸・学術(講談社現代新書、ブルーバックスなど)

講談社の社風・組織風土

それでは、以下の採用サイト情報をもとに講談社の社風・組織風土を見ていきましょう。

「総合出版社」であることの意味と強み

出版社を第一志望にして就職活動を行っていました。最終的に講談社を選んだ決め手は「規模」と「伝統」です。

出版業を取り巻く環境が激変していく中で、既存の出版社が生き残っていくためには、新しいビジネスにチャレンジし、「出版」の意味を更新し続けることができる体力と知見が必要だと考えました。それは、とりもなおさず、「出版」という言葉が意味するあらゆるジャンルを網羅する総合出版社の強みが重要になる時代が来るということです。

日本にある出版社の中で、積み上げた伝統と新しいことへ挑戦できる精神性を、もっともよいバランスで兼ね備えているのが、講談社であると当時の私には思えました。あの判断は正しかったと、今でも思っています。

引用:株式会社講談社で働く先輩社員に聞く仕事内容|リクナビ2023

講談社は、デジタルシフトやライツ強化など、様々な革新的な取り組みをしています。それを実現しているのは、先輩社員からのメッセージにあるような挑戦を重んじる社風・組織風土だと言えます。「おもしろくて、ためになるを世界へ」という理念のもと今後も挑戦的な社風を重視していくでしょう。

以上の内容より、講談社の主な特徴・強みをまとめたので参考にしてみてください。

講談社の主な特徴・強み

・デジタルシフトやライツ事業の強化
紙媒体の売上が減少しているという市場動向に対して、デジタルシフトやライツ事業など他の領域を強化することで収益構造の変革を進めている。

 

・幅広いジャンルのコンテンツ力

1909年の創業以来、小説・コミック・経済・ファッション・児童書など様々な分野の出版物で業界首位を獲得。

大手出版社:小学館の強みや特徴、社風

出版業界:小学館の強みや特徴、社風

小学館の企業研究(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから

小学館は、1922年に小学生を対象とした学年別学習雑誌を発行する教育専門出版社として設立され、2022年に創業100周年を迎えます。小学館は、子供から大人まで幅広い年代向けの出版物を扱っていますが、その成り立ちから現在でも児童向けの本に強みを持っています。

以下では、小学館の強みや特徴、社風を解説しています。

小学館の強みや特徴

小学館は、読者の年齢や性別、趣味などの違いに合わせ、年間約50誌の雑誌、年間800タイトル以上の書籍を刊行する総合出版社です。

また、生み出したさまざまなコンテンツを広く深く社会に浸透させるため、コンテンツのデジタル化など、紙メディア以外にも様々な事業に積極的に取り組んでいます。

最近では、「小学館の図鑑NEO」シリーズをテーマにした生物図鑑の体験型施設「ZUKAN MUSEUM GINZA」の開設、拡張現実(AR)と謎解きを組み合わせたスマートフォンゲームによる街づくりプロジェクトなどの取り組みを推進しています。

小学館の事業紹介まとめ

・雑誌部門

児童学習誌(ベビーブック、小学一年生など)、コミック誌(コロコロコミック、ちゃお、少年サンデーなど)、ライフスタイル誌(DIMEなど)、週刊誌・NEWS総合媒体(週刊ポスト、女性セブンなど)、ファッション誌(CanCamなど)、教育誌(総合教育技術など)

 

・書籍部門

事典・地図(小学館 世界大地図、日本新地図、食材図典など)、辞典(大辞泉、日本国語大辞典など)、美術(世界美術大全集、日本美術全集など)、文学・歴史(新編 日本古典文学全集、全集 日本の歴史など)、趣味・家庭(日本の歳時記など)、児童(小学館の図鑑NEOなど)、単行本・文庫

小学館の社風・組織風土

それでは、以下の社員インタビューをもとに小学館の社風・組織風土を見ていきましょう。

失敗を恐れずにトライ&エラーをどんどん繰り返す

IT企業であるDeNAと、歴史の長い出版社である小学館。正反対のイメージである会社に転職したので、戸惑うことがあるだろうと不安でした。ところが、ベンチャー企業と同じくらいボトムアップで仕事ができる社風に驚きました。

小学館にこんなにも柔軟性があるとは。デジタル分野は、やればすぐに結果が出ます。だから“トライする”ことの意義が大きく、アグレッシブな人に向いています。誤解を恐れずに言えば、ここは失敗を積み重ねていける部署。新入社員にもどんどん挑戦してもらいたい分野でもあります。

引用:小学館 2019年度定期採用サイト

社員インタビューにあるように、小学館には失敗を恐れずに様々な事業に挑戦できる環境があり、社員一人ひとりの「個の力」を強く伸ばすことを重視していることがわかります。

以上の内容より、小学館の主な特徴・強みをまとめたので参考にしてみてください。

小学館の主な特徴・強み

・児童向けの本に注力

小学館は、教育専門出版社からスタートした歴史から、ベビーブック、小学1年生、小学館図鑑NEOなど児童向けの本を得意としている。また、「ドラえもん」「ポケットモンスター」などのキャラクターを有していることも強みである。

最後に

最後に

今回は就活生に高い人気を誇る出版業界大手4社(KADOKAWA・集英社・講談社・小学館)に関して、強みや特徴、社風などを紹介しました。内定を取るためにはさらなる業界の理解と各社の社風についての理解が必要です。

これから選考を受ける方は、以下の関連記事を参考に企業研究や選考対策をしていきましょう。

出版業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介

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