【エントリーシート(ES)の書き方入門】評価されるESの作成方法の基本

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最終更新日:2023年09月25日

就職活動を始めたばかりの学生が最も悩むことの一つが、エントリーシート(ES)の書き方。

特に大学などで書き方を教えられることもなく、社会人に対して文章を書くなんて初めての経験であるため、それも仕方のないことなのでしょう。

しかしながら、エントリーシート選考はインターン・本選考においてほぼ全ての企業で課される選考であり、もはや避けては通れません。

本記事ではエントリーシートをこれから初めて書くという学生や1・2年生向けに、エントリーシートの基本的な事項や書き方のコツを紹介していきます。これから就職活動を始めるという方は是非お読みください。

また、本記事は重要事項を掻い摘みながら初学者向けに端的にまとめた内容となっています。より、深く、詳細にESの書き方について知りたいという方は以下記事が非常にボリュームがあり読み応えがあるのでそちらを参考にしてみてください。

参考:【設問別例文付】エントリーシートの書き方 頻出質問への回答方法を解説
→ESの評価基準や書き方のステップに加え、頻出設問の内定者回答も掲載しています。

本選考とインターンの締め切り情報

エントリーシートの基本的概要

エントリーシートとは?

そもそもエントリーシートとはなんなのか?という疑問を持っている学生もいるかもしれません。就活におけるエントリーシートとは端的にいうと、「会社・団体に就職を希望する人が、その意思や必要事項を記入し提出する応募書類」のことです。

皆さんがアルバイトを始めるときに書いた「履歴書」が「学歴」「資格」「職歴」などを問うのに対し、就活におけるエントリーシートでは「その学生がどのような人であるのか」という「人柄」が問われています。

なぜ選考に使われるのか?

そんなエントリーシートですが現在ほぼ全ての日系企業で書類選考として採用されています。その理由は2つあると考えられます。

一つ目は、スクリーニングをかけるためです。

現在の就職活動では日系企業にエントリーさえすれば全ての学生が選考に参加できる一方、人事の数の都合から全員と面接することは不可能かつ非効率です。そのため、実際に会う学生を絞るために書類選考でスクリーニングをかけています。

二つ目は、面接時のインデックスとするためです。

面接という短時間で面接官がゼロからその学生の人柄を読み取ることは不可能なため、あらかじめ書類での事前情報を元に、実際会った時の印象と違いがないかどうかみています。また、質問のネタだしにも使用されています。

どのように評価しているのか?

さて、ではこのエントリーシートはどのように評価されているのでしょう。Webエントリーシート、手書きエントリーシートの双方ともに、「学歴、資格、海外経験、アルバイト経験など」を書く欄と、「学生時代頑張ったことは?」「志望動機は?」といった設問に答える欄があると思います。この2つに分けて説明していきたいと思います。

前者の場合は客観的な事実に基づくスペックを評価対象としています。巷でいう学歴フィルターにあたる項目です。あまりに多くの応募者が集まる場合はここが評価基準となる場合もあります。

後者の場合は文章作成・伝達能力を評価対象としています。いかにわかりやすく自身の人柄について説明できているか?ということが重視されているため、その文章の論理性などが求められてくる項目です。大半の企業は前者よりもこの後者の部分の評価にウエイトを置いています。

通過するエントリーシートを書くには?

ここまでで、エントリーシートとはいかなるものか、について解説していきましたが、実際にここからはエントリーシート選考通過のためにどのようにしてエントリーシートを書けば良いかその方法論について紹介していきます。

【1】フレームワークを使い論理性を担保する

先ほどの評価基準で文章作成・伝達能力と書きましたが、この条件は自身の述べたいことを項目ごとに分けたフレームワークを使うことで解決することができます。

多くの評価されないエントリーシートは作文のように自分の伝えたいことを闇雲に述べてしまっており、「結局何が言いたいのかわからない」「表面的な話ばかりで具体的な内容が浮かんでこない」といった印象を抱かれてしまいます。

特に初めてエントリーシートを書く学生はこの傾向に陥りやすいのでまず初めにフレームごとに分解して書くと良いと思います。こうすることで、読み手に伝わりやすい、かつ具体的に取り組みや言いたいことがイメージしやすいエントリーシートを作ることができるでしょう。

例えば、学生時代頑張ったことに関しては以下のフレームワークに分解して考えると論理的になるでしょう。

学生時代頑張ったことのフレームワーク
①結論:何に取り組んだのか?
   ▼
②動機:なぜ取り組んだのか?
   ▼
③目標と困難:どんな目標を掲げ、その際の困難はなんだったのか?
   ▼
④取組みと結果:どのように取り組んだのか?取り組みの結果はどうだったのか?
   ▼
⑤人柄:活動の中であなたのどのような人柄が活かされたのか?
   ▼
⑥学び:取り組みを通じて何を学んだのか?またそれを企業でどのように活かすのか?

【2】評価されたエントリーシートから要素を抽出し、自身の経験と当てはめる

現在unistyleをはじめとした多くのWeb上のサイトで各企業の内定者のエントリーシートを無料で閲覧することが可能です。何が言いたいかというと、評価されるESを書くためには評価されたエントリーシートを真似ぶことがいちばんの近道だということです。

ここでは例として自己PRについて取り上げますが、内定を獲得したエントリーシートは実は以下の5点をアピールした内容となっています。

1.個人として努力し、成果をあげることができる
2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる
3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる
4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる
5.今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することができる

参考:ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?

すなわち、自分の経験の中でこれらの強みが現れたものを探し、それを当てはめて自己PRを作ればそれは「評価されるエントリーシート」となるわけです。

ここでは自己PRについて例で取り上げましたが、評価されているエントリーシートから学ぶものは非常に多いと感じます。このような評価されたエントリーシートの要素を抽出して自身の経験に当てはめる方法は以下の記事で詳しく説明しているため、そちらも参考にしてみてください。

参考:【設問別例文付】エントリーシートの書き方 頻出質問への回答方法を解説
→実際の内定者のエントリーシートから要素を抽出する具体例をあげています。

エントリーシートを書く際の注意点

ここからはエントリーシートを書く際の非常に基本的な注意点について紹介しますので参考にしてみてください。

指定字数の8割以上は書く

あまりに解答欄の余白が多いと、それはその企業に対する想いの現れとなってしまいます。多少蛇足な文章を書いてしまても論理性が担保されている限り減点にはならないため、文字数はいっぱいに、せめて8割以上は書くようにしましょう。

口調は統一する

「〜です」という丁寧口調か、「〜である」というである口調のどちらを使っても基本的に問題ありませんが、混在させてしまうと、ビジネス文章として非常に締まりない印象を与えてしまいます。

こんなつまらないことで減点されないよう必ず口調は統一させてください。

記号は避ける

エントリーシートは友達とのLINEではないため、顔文字や☆などの記号は避けてください。強調したい部分を【】でくくったりする分には伝えやすくする一つのテクニックとして評価できますが、「!」など基本的にビジネス文章で馴染みないものは使うのを避けた方が良いでしょう。

誤字・脱字は必ずなくす

意外とこの部分の軽んじている方が多い印象です。ある企業の人事の方が仰っていましたが、「ESはネガティブチェック、面接はポジティブチェック」と言われるように、細かいミスは遠慮なく減点されてしまうそうです。

特にWebエントリーシートは漢字の変換ミスが多いため、つまらないことで落選しないよう必ず意識するようにしてみてください。

コピペは厳禁

当然のことですが、コピー&ペーストは発覚した時点で即落選、論理性が破綻しやすいという理由でどう考えても効果的ではありませんのでやめましょう。

エントリーシート頻出設問の意図と書き方

ここからは、エントリーシートの頻出設問である「学生時代頑張ったこと」「自己PR」「志望動機」の質問意図とその対策について簡単に説明しています。

また、そこから派生する設問の対策や、内定者の回答については以下記事を参考にしてみてください。

参考:【設問別例文付】エントリーシートの書き方 頻出質問への回答方法を解説
→3つのコア設問と、その派生設問の解説および内定者回答も掲載しています。

学生時代頑張ったこと

「学生時代頑張ったこと」いわゆる「学チカ」はエントリーシートで最も出題される設問の一つです。この設問をすることで企業は①経験そのもののスペック②自社にマッチする人柄かどうかを見極めることができます。

多くの就活生が「大した経験がない」と悩む同設問ですが②の評価基準がある限り、その会社の求める素養を把握し、論理的に書くことができれば十分通過は可能です。

そんな学生時代頑張ったことのフレームワークですが、①結論→②動機→③目標と困難→④取組みと結果→⑤人柄→⑥学びという形で論理構成していくと良いでしょう。

参考:ガクチカの書き方とは-6ステップで書けるESテンプレを基に解説-
→学チカの書き方や注意点について全て網羅した記事です。内定者の回答やフィードバックも用意してある完全版の記事ですので学チカを書く前に参考にすると良いかと思います。

自己PR

自己PRも多くの企業で質問される項目です。企業が自己PRを求める意図は①自社の利益に貢献できる力、すなわち自社の求める強み・能力を持っているか②キャラが自社にマッチするかという2点です。

自己PRにも論理的に伝えるためのフレームワークがありそれは①強み:あなたの強みは?→②強みの原点:強みが形成されたきっかけは?→③強みを表す具体的エピソード→④強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?→⑤強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かす?となっています。

特に、強みが形成された原点や、それを企業でどのように活かすか?という項目は多くの学生が抜かしがちなポイントですので、必ず書くよう意識してみてください。

参考:【例文30選】新卒における自己PRの書き方を5つのフレームワークで解説
→自己PRの書き方について網羅した完全版の記事です。内定者回答も複数載せてますのでこれから自己PRを書く方は是非参考にしてみてください。

志望動機

こちらもエントリーシートにおいて非常に問われることの多い設問です。①自社への志望度を知りたい②入社の際のモチベーションを知りたいという2点の理由が企業側の意図として考えられますが、「企業に対する理解が低い」という理由から、意外とこの志望動機に苦労する学生は多いように感じます。

しかし、実際には実現したいことや自身の向いていることから、フレームワークを使えば、簡単に志望動機は作ることができます。①成し遂げたいこと→②きっかけとなる経験→③企業選びのポイント→④他に受けている業界とその業界ではダメな理由→⑤具体的に取り組みたい仕事→⑥業界の中でもその企業の理由という流れに基づくことができれば、十分書類選考通過レベルの志望動機が書けるでしょう。

参考:【例文6選】エントリーシート(ES)の志望動機の書き方!独自調査を基に人気業界ごとに解説
→志望動機のフレームワークについて一項目ずつ詳細に説明した、志望動機作成のための完全版記事です。内定レベルの志望動機例も掲載しているため、志望動機作成前に必ず参考にしてみてください。

最後に

この記事を読んで、就職活動を始めたばかりの皆様が少しでもエントリーシートに対する不安意識を払拭できたのならよかったと思います。

エントリーシートは選考の最初のステップとして重要ですが、選考はエントリーシートだけではないため、一つのものに時間をかけるよりも最低限のコツを抑えてどんどん提出してしまうことをお勧めします。その際に本記事で述べた注意点や書き方が参考になると思います。

unistyle上では多くの内定者ESを元に、エントリーシート作成テクニックやノウハウ記事を多く掲載していますので、是非そちらの記事も参考にしてみてください。

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