電通のES徹底解説!選考通過者の志望動機・ガクチカ分析

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最終更新日:2020年12月25日

電通の2019年卒向け総合職エントリーシート(以下、ES)が発表されました。

電通含む広告代理店は例年就職人気の高い業界ですが、直近では過労死の問題などあり以前よりも人気度合いを下げているかもしれません。広告代理店は、大きな予算を預かることもあり、クライアントの期待に応えるためにハードワークせざるを得ず、また、まだまだレガシーな縦社会の文化の中にあるとも言えそうです。

華やかなイメージと高収入によって憧れられがちな業界ですが、自分がその仕事に向いているのかは常に冷静に考えながら就職活動を進めていって欲しいと思います。(これは広告代理店に限った話ではありません)

こちらの記事では、今年の電通の本選考ESの回答方針を解説します。

企業研究

本記事のコンテンツ
電通の本選考ES設問
設問1:学生時代に一番力を入れたことを教えてください。(250文字以下)
設問2:電通を志望する理由を教えてください。(250文字以内)
設問3:あなたが電通で実現したいことを教えてください。(250文字以下)
設問4:現在のあなたを形成している、人生の3大エピソード(体験)を挙げてください。(400文字以下)
設問5:あなた自身が、アイデアと実現力で課題を解決したエピソードを具体的に教えてください。(400文字以下)
設問6:「みんなは〇〇と言っているけど、本当は私は△△だと思っている」を穴埋めして、あなたの主張を教えてください。(200文字以下)
最後に

本選考とインターンの締め切り情報

電通の本選考ES設問

◆学生時代に一番力を入れたことを教えてください。(250文字以下)


◆電通を志望する理由を教えてください。(250文字以下)


◆あなたが電通で実現したいことを教えてください。(250文字以下)


◆現在のあなたを形成している、人生の3大エピソード(体験)を挙げてください。(400文字以下)


◆電通は、「アイデアと実現力で、クライアントや世の中の課題を解決する会社」です。
あなた自身が、アイデアと実現力で課題を解決したエピソードを具体的に教えてください。(400文字以下)


◆「みんなは〇〇と言っているけど、本当は私は△△だと思っている」を穴埋めして、あなたの主張を教えてください。
・〇〇、△△に当てはまる言葉(それぞれ20文字以下)
・あなたの主張(200文字以下)

オーソドックスな学生時代頑張ったことや志望動機のほか、広告代理店ならではのクリエイティブ系の設問も存在しています。ここから、それぞれの設問の意図と回答方針を考えていきます。(過去に課された設問については、内定者の回答事例も紹介しています)

設問1:学生時代に一番力を入れたことを教えてください。(250文字以下)

設問の意図

(1)経験自体のインパクト
(2)記載内容から測れる思考の深さや人柄
(3)電通の仕事に通じる学びの有無

おおよそこれら3点を見ていると考えられます。広告代理店の仕事はどのようなものか、そこで活躍できる人材はどのような考え方・能力を持っていそうか、これらを考えながら書いていきましょう。

意図を踏まえた回答方針

「経験のインパクト」はどうすることもできないため、特別な経験を持たない多くの人は、「思考の深さや人柄」「電通での仕事に通じる学び」で勝負することになると思っています。

広告代理店の営業の仕事にフォーカスすると、発注元のクライアント企業、社内のプロモーションプランニング部隊、外部のメディアや制作会社など、多くの関係者との折衝や調整を行い、プロモーションを行うことになります。

「商社や広告代理店は体育会が有利」ということについても、例えばアメフトなどのチームスポーツにおいて、各ポジションや主務などの複数の関係者がいる中で、自分なりの貢献方法を考え、彼/彼女らと協力して成果を出すという経験を買われてのことだと思われます。(いわゆる「コネ」も存在するかもしれませんが)

上記のような、多くの利害関係者が存在する中で皆と協力して成果をあげる経験は、体育会に限らずサークル活動やアルバイトでもできると思っています。自身の経験の中でそうしたものがないか、今一度考えてみてください。

また、ESでは何は無くとも論理的に伝わる内容を書くべきであり、以下の順序で箇条書きにしてからまとめるとよいでしょう。

①結論→②動機→③目標と困難→④取組みと結果→⑤人柄→⑥学び

以下の記事・動画でガクチカの書き方に関して解説しているので、こちらも参考にしてみてください。

参考:ガクチカの書き方とは-6ステップで書けるESテンプレを基に解説-
→学生時代頑張ったことに関する設問についての解説記事です。評価される内容の選び方や論理的な構成にするためのフレームワークなどの実践的なテクニックが載せてありますので、ESを書く際の参考にしてみて下さい。

内定者の回答と解説

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設問2:電通を志望する理由を教えてください。(250文字以下)

設問の意図

広告代理店の仕事内容を理解した上で、そこに適性や意欲があるかを知りたい、というものです。また、広告業界の中でもなぜ電通を志望するのかについても触れておくべきでしょう。

意図を踏まえた回答方針

志望動機については、以下のような論理構成がオーソドックスだと考えています。

①成し遂げたいこと→②そのきっかけ→③企業選びのポイント→④他に受けている業界とその中でも広告代理店を志望する理由→⑤取り組みたい仕事→⑥広告代理店の中でも電通の理由

参考:【例文6選】エントリーシート(ES)の志望動機の書き方!独自調査を基に人気業界ごとに解説
→多くの学生を悩ませる志望動機の作り方について解説していきます。上記のフレームワークの活用法についても、具体例を交えながら説明しているので、ぜひご参照ください。

動画を通じて志望動機の書き方を確認したいという方は下記の動画も参考にしてもらえればと思います。志望動機の書き方のポイントが端的にまとめられているので、動画でサッと確認したいと思っている方にオススメです。

なお、この次の設問で「電通で実現したいこと」を聞かれているため、⑤取り組みたい仕事についてはそちらで掘り下げるのがよいと思っています。

内定者の回答と解説

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設問3:あなたが電通で実現したいことを教えてください。(250文字以下)

設問の意図

こちらも志望動機に分類される設問ですが、「実現したいこと」という聞き方をされているぶん、より深い仕事理解が求められると感じます。

意図を踏まえた回答方針

先ほど紹介した志望動機のように、自分なりに広告の仕事を定義した上で、電通というフィールドでやりたいことを示す必要があります。

(1)広告というサービスと、それに携わる人の仕事内容への適切な理解
(2)理解を踏まえた、自分なりの解釈
(3)上記2点と自分の興味関心・適性とを結びつけた実現したいこと

この3点を整理して伝えるのがよいと思っています。基礎となる(1)が不十分だと、(2)と(3)がともに的外れになるので注意してください。

設問4:現在のあなたを形成している、人生の3大エピソード(体験)を挙げてください。(400文字以下)

設問の意図

面接時のネタ出し、および、限られた字数の中で読み手の興味を引く内容を書けるかを見ているものと思います。

意図を踏まえた回答方針

400字以内で3つのエピソードを紹介するという特性上、各エピソードごとに見出し+そこでの学びや反省といったレベルの内容を記載すれば、それだけで字数が埋まってしまうものと思っています。

先ほど紹介した学生時代頑張ったことの論理構成のような細かな項目分けは、少なくともこのES設問の執筆時においては不要でしょう。

それよりも、①ひと目で簡潔に理解できる内容か②面接でその話題を振られた時に話が膨らむイメージがあるか、という部分に注意するべきだと考えています。

また、経験から人柄を想起させるタイプの設問だと感じており、経験の①時期分散、②ネガポジ分散も意識するとよいと思います。特定の時期のみに偏っていたり、企業にいいところを見せようとしてポジティブなエピソードばかりを伝えることはおすすめしません。

内定者の回答と解説

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設問5:あなた自身が、アイデアと実現力で課題を解決したエピソードを具体的に教えてください。(400文字以下)

設問の意図

自社がどのような企業なのかを電通自身が定義しています。

その人が「アイデアと実現力で課題解決できる」人材=電通が求める人材に当てはまりそうかを知りたいというのが明確な意図だと言えるでしょう。

意図を踏まえた回答方針

「アイデアと実現力で課題解決できる」という言葉だけだと抽象度が高いと言えます。

ESでも面接でも、大事なのは採用側に「共感してもらう」ことであり、この設問であれば、①アイデアの創出・②物事を実現に導くこと、これらのそれぞれについて、自分なりの方法論を提示することで地に足のついた納得感のある回答ができ、採用側の共感を引き出しやすいように思います。

“アイデア”というと、「一部の才能ある人による直感的な閃き」のように捉えられがちかもしれませんが、実際はそうではありません。NTTドコモのブランディングや「くまモン」のキャラクターデザインを手がけた水野学氏の著作『センスは知識からはじまる』によると、何か新しいものを生み出す人の思考回路は以下のようなものです。

①王道から解いていく
②今、流行しているものを知る
③「共通項」や「一定のルール」がないかを考えてみる

この設問について言えば、どこからともなく突拍子も無いアイデアが降ってくるのではなく、普段の問題意識やインプットなど、どのようにして筋のいいアイデアを生み出したのか、自分なりの方法論を伝えることが重要になると考えています。

また、“実現力”についても同様で、カリスマ的な素質を持つ一部の人間でなくとも、周囲の人々の利害関係を理解して丁寧に働きかけるなど、物事の実現に向けた自分なりの方法論に基づく取り組みを伝えることが重要だと思っています。

設問6:「みんなは〇〇と言っているけど、本当は私は△△だと思っている」を穴埋めして、あなたの主張を教えてください。
・〇〇、△△に当てはまる言葉(それぞれ20文字以下)
・あなたの主張(200文字以下)

設問の意図

広告代理店らしいクリエイティブ系の設問です。広告などで人を動かす際に必要な、①なるほど+②確かにという、新たな気づきと納得を与えられる主張ができるかを評価されると考えます。

物事を捉える切り口の独自性と、主張内容の論理性が重要だと言えるでしょう。

意図を踏まえた回答方針

今時点で世の中の常識とは異なる問題意識を持っている人は、その論理的整合性を確認した上でES執筆に当たればよいのですが、そうではなく悩んでいる人のために一つヒントになりそうな記事を紹介します。

上記の記事の中で、感動するビジネスモデルに共通する構造として「逆説の構造」という言葉が挙げられています。
①ある事象の定説を捉える→②逆説を生み出す→③その事象と逆説を組み合わせてみる、というもので、「俺のフレンチ」を例にとり、

「一流フレンチ」という事象に関して、
①定説:座ってゆっくり食べるもの
②逆説:立ってサクッと食べるのは手頃な料理
③事象と逆説を組み合わせる:一流フレンチを立ち食いで楽しむ

→回転数を高めることで質の高い料理を安価で提供する「俺のフレンチ」のビジネスモデルができ上がる

といった説明がなされています。

このように、ビジネスに限らず、自分の身の回りの事象についての定説を多くインプットし、その逆説を考えてみるという視点は一つよいかもしれません。先ほど紹介した、「王道や流行から共通項を見出す」アイデアのアプローチに加えて、こちらの考え方も活用してみてください。

最後に

電通のESは設問も多く、言葉選びを問われるものや物事のユニークな捉え方を求めるものなど難しさもあるのですが、こうしたものに悩みつつも楽しみながら回答できる人が、結局広告の仕事に向いているのかもしれません。

王道や筋のよい回答方針はある程度ありつつも、最終的には自分なりに考えて自分の言葉で発信して他者の納得や共感を引き出すというのは広告の仕事にも言えることだと思います。この記事も参考にしつつ、考えてみてください。

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