NTTドコモの採用情報から考えるES・テスト・面接対策

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最終更新日:2021年06月28日

企業研究

この記事では、NTTドコモの本選考を突破するための具体的方針について説明しています。

世代を問わず抜群の知名度を誇るNTTドコモ。移動通信というC向けの商材を扱っていることに加え、NTTブランドを魅力に感じて志望する就活生も多いと思っています。

一方で、ビジネスモデルを問われれば「携帯電話を売っている会社」、仕事内容を問われれば「ドコモショップでのお客対応」ぐらいしかイメージしておらず、消費者目線の業界研究・エントリーシート作成ぐらいの精度のまま選考を受けてしまうという方も多い企業だと思われます。

本記事を読めば、NTTドコモの本選考の全体像は掴んだも同然です。

参考:NTTドコモの企業研究
→NTTドコモの関連記事、本選考ES・レポート及びインターンES・レポートを掲載しています。

また、人気企業ということもありunistyleでは同社について多くの記事を紹介していますので、志望者の方は上記リンクから関連記事も合わせて参考にしてみてください。

【本記事の構成】
・NTTドコモが求める人材像
・NTTドコモのビジネスモデル

・NTTドコモの求める人材像の考察
・NTTドコモの本選考フロー、採用数
・NTTドコモのエントリーシート対策
・NTTドコモのWebテスト対策
・NTTドコモの面接およびグループディスカッション対策

本選考とインターンの締め切り情報

NTTドコモが掲げる、求める人物像

同社の採用HPでは以下のように言及されています。

まだまだつながることのできるものが、この世界にはたくさんある。
新しい組み合わせは、新しい価値を生みだしていける。
社会のさまざまなジャンルの課題にも挑んでいける。

 

引用:メッセージ

しかし、そこであきらめてしまっては新しいつながり、次の「あたりまえ」を創ることはできません。

 

壁にぶつかったとき、未来、そして自分の想いを信じ、あきらめずに超えていく「挑戦心」と「行動力」が必要です。

 

「挑戦心」は新しいコミュニケーション文化の世界を創るという、答えのない困難にチャレンジするマインドであり、「行動力」はその想いを実現するためのアクションを起こし、最後までやり遂げる力です。

 

引用:求める人物像

このように、採用メッセージと求める人物像には一定の共通項があるように思われます。「挑戦心」と「行動力」をキーワードとすれば、

とまとめることができるでしょう。

では、NTTドコモが考える「挑戦心」や「行動力」とは何か。ビジネスモデルと働き方からこの2つに解釈を加えていきます。

NTTドコモのビジネスモデルと事例

サービス利用の有無に限らず、事業自体のイメージはつきやすいと言える通信キャリア業界。

ここではその核となる通信事業と、近年NTTドコモが注力しているスマートライフ事業についてビジネスモデルを紹介します。

通信事業:盤石の顧客基盤からさらなるパイの獲得を目指す

NTTドコモに限らず通信キャリア業界に属する企業の最大の収益源は、携帯端末の販売、及び利用者から定期的に支払われる通信料収入になります。

通信料は一度契約を結んでしまえば、(企業側から特段のアクションを起こさずとも)毎月のように一定額が支払われるストック型のビジネスを展開しています。
 

販売時のみ売上が発生する端末販売と比較して主要な収益基盤となることから、各社販売数よりも契約数を高めることに重点が置くケースが多くなっています。2017年度9月末決算によると、NTTドコモの国内契約シェアは45.9%と業界トップを誇っています。

一方、少子高齢化といった社会的背景も含め国内市場は飽和状態になっており、端末販売・通信料収入以外の収入源が模索されています。ここで登場するのが次項で紹介するスマートライフ事業になります。

スマートライフ事業:「挑戦」の牽引役として中長期的な成長を目指す

中でも近年NTTドコモではdマーケットに代表されるスマートライフ事業での収益を順調に伸ばしています。既存収益だけでも盤石性を誇るなかで、中長期的な成長を達成するにはこのスマートライフ事業を伸ばしていくことが不可欠だという方針が伝えられています。

上記の中期経営計画を参照すると、「ソリューション協創宣言」と称して、既存の移動通信を他の産業と絡めたソリューションを推進していることが読み取れます。

ここでは事例として地方創生にフォーカスしたソリューションを参照します。

◎スマートライフ事業事例:購買環境から"ライフ"を整えるタブレット端末を導入

連日多くの買い物客でにぎわい、観光バスも訪れる人気スポットとなった直売所だが、同じ管内でも瀬戸内海の大島(おおしま)、伯方島(はかたじま)、大三島(おおみしま)の3島では少子高齢化で店舗や個人商店の廃業が進み、車を運転できない高齢者などは直売所がある今治市までの移動手段がなく、日々の買い物すらままならない状況となっている。

 

「そうした方々に日々新鮮な食料品や日用品をお届けする方法はないか、また年々増える一人暮らしのお年寄りを見守る仕組みは作れないかと考え続けてきました。

そこに誰でも使いやすいタブレットが普及してきた。これなら自宅から簡単に注文できるし、安否確認にも使えるじゃないかと、さいさいきて屋を起点としたネットスーパーを立ち上げました」と直販開発室室長の西坂文秀氏は言う。

 

引用:導入事例 JAおちいまばり様

上記事例の要点は、

導入対象:過疎化・高齢化が進む瀬戸内海のある一地域
問題点:実店舗へのアクセスの利便性の低さ(日常の買い物すらままならない)
提供価値:タブレット端末を導入してネットスーパー・安否確認といったサービスを提供

とまとめることができます。

多くのMVNOに回線を貸す(いわゆるドコモ系MVNO)など通信網に強みを持つ自社の特徴が、通信環境が十分とは言えない地方への働きかけに一役買ったと考えられます。

通信環境やタブレットといった部分は既存の移動通信の技術に基づく内容であるのに加え、そこに地方創生という分野を絡めたという点で、スマートライフ事業の典型的な事例と言えるでしょう。

ビジネスモデルに基づく仕事内容

お客さま一人ひとりの価値観の違い、生活サイクルや地域によって、提案すべきサービスは変わってきます。
目の前のお客さまが、いま、本当に必要としていることはなんだろうか?それに向き合って自分たちにはどんなサポートができるのか?店長やスタッフと話し合い、考え、行動するのが彼らの仕事。

 

引用:人と生活をつなげるドコモショップ

通信キャリア業界は端末・回線・アプリを始め様々な提案手段が存在します。

よって上記のように、営業職ではただ単に「携帯を売ればいい」というわけではなく、相手方のニーズを汲み取り最適な提案をカスタマイズしていく素養が求められます。

また、同業界のなかでもNTTドコモの場合は、NTTグループの連携からより広い提案幅を持つことが特徴と言えます。

グループ同士の協業から生まれるプロジェクトも多いことから、上記のような素養はよりいっそう重視されていると推測できるでしょう。

NTTドコモが求める素養

ここまで考えれば、先述の「挑戦心」「行動力」というキーワードについて具体的な解釈が生み出されると思います。

①新しい価値を生み出すための「挑戦心」

通信事業での収益拡大、スマートライフ事業の強化など、上記内容から全体として挑戦的な事業方針が窺えたかと思います。応用可能性が高い通信分野だけに、どちらかというと「0→1」を生み出す新規性というよりは、「1」同士を組み合わせてより高い次元の価値を提供する(1+1をして2より高い価値を生み出す)という意味で「新しい価値」という言葉が使われているのだと推測できます。

「新しい組み合わせは、新しい価値を生みだしていける」という先ほどの採用メッセージの言葉には、こういった意味が込められていると推測できます。

また、次項で説明するエントリーシートの設問からもやはり、「挑戦」できる素養を持った学生を求めていると読み取ることができます。

②ビジョンを実現するために最後までやり切る「行動力」

とは言え「挑戦心」という志だけではそのビジョンを遂行していくことはできないわけで、実現するための手段としてこの「行動力」が求められているのでしょう。

特段の行動をせずとも一定の収益が期待できるストック型のビジネスに期待しているようでは、世界をより「つなぐ」という採用メッセージのビジョンも実現できないと考え、クライアントと共に最後まで考え抜き実行することが必要とされています。

以下の社員の話にあるように、この「最後までやり切る」という意思には、NTTグループのエース格の企業として、グループを牽引していくことへの誇りが一部根底にあるのかもしれません。

グループ内でNo.1の収益を誇るエース企業であることを誇りに仕事をしている人が多いとおっしゃっていました。

 

参考:NTTグループを比較!OB訪問から見える各社の特徴や違い【ドコモ・データ・コムウェア・ファシリティーズ・ファイナンス】

NTTドコモの本選考フロー、採用数

本選考フロー

次に選考フローを確認しましょう。

選考フローは例年

エントリーシート提出
 ▼
Webテスト
 ▼
GD
 ▼
個人面談(2回程度)

となっています。

ただし、内定者の選考レポートによると、セミナーやインターンシップで優秀だと認められた者は、選考の過程が一部なくなったり、選考が早期に進んだことが確認されています。

イベントやセミナーに参加する際は積極的に発言、参加するように心がけると良いでしょう。

採用人数

以下の表は、2019年版就職四季報のデータを参考に作成したものです。

この表から、直近では採用人数が年々増加していることが見て取れます。

2018年は男女、文理の区分別採用人数は明らかになっていませんが、合計300名を採用したと、2019年版就職四季報に記載されています。

ここ2年は採用人数が毎年1.2倍になっており、この傾向が続くと仮定すると、2019年は360名程が採用されると推定できます。

NTTドコモの本選考エントリーシート設問

NTTドコモは18卒で大きくエントリーシートの設問内容を変更しました。
ここでは直近の18卒に加え、近年の代表的な設問を紹介します。

18卒の設問

(1)「学生時代にチャレンジしたエピソードを語ってください(成功・失敗問わず)」(200文字以内)

 

(2)「ドコモで叶えたい夢を教えてください」(200文字以内)


17卒の設問(一部)

・「ドコモはまだまだつまらない」――あなたならどうオモシロくしますか、またあなたはどう貢献しますか。(300文字以内)

 

・好きなテーマを以下から選び、あなたの個性を自由に表現してください。
●私/俺の「トリセツ」はこれだ!●これまでの人生で最大のチャレンジを教えてください●これまでにはない炊飯器を生み出してください●桃太郎の家来に4匹目がいるとしたら●読み手を笑わせてください●自由(テーマフリー)標題(30文字以内)内容(400文字以内)

求められる素養を踏まえたエントリーシート回答方針考察

◆設問の全体感
18卒で課された2問は学生時代頑張ったこと・志望動機に関する設問であり、他企業でも問われることが多いオーソドックスな内容だと言えます。

一方17卒以前はこういった奇抜と言っていい設問が多く、NTTドコモの選考の特徴としてエントリーの障壁を高めていました(逆に昨年度設問が大きく変更になったことに驚きを感じた就活生は一定数いると思っています)。

◆求められる素養と結びつけた回答方針
エントリーシートに企業が求める「能力」が書かれていることは多いのですが、NTTドコモでは「チャレンジしたエピソード」と先ほどの「挑戦心」と直接紐づくキーワードが設定されています。

ここまで企業の意図が明確な場合、学生時代から型にはまった考えではなく「新規性」を意識して物事に取り組めていたかが強く見られていると考えられます。

「叶えたい夢」に関しても、「最後までやり切る行動力」の素養と結びつけて示せるといいでしょう。ただの願望・希望を述べるのではなく、将来的に自分がそれを実現するためにやり切る意思を伝えることが肝心でしょう。

入社後成し遂げたいことについて、現在は実現可能か分からない、いわば夢ベースで考えていたのですが、最終面接で具体的にどうやって実現するのかということえを非常に深く尋ねられ、それが困りました。


参考:本選考レポート(事務系職)

19卒の選考で昨年のオーソドックスな設問を踏襲するのか、それとも17卒以前のような内容に戻るのかは定かではありませんが、まずは「チャレンジ経験」「成し遂げたい志」について説明できるよう文章に落とし込んでいくといいと考えます。

NTTドコモの本選考Webテスト・筆記試験形式

本選考のWebテスト

NTTドコモではエントリーシート提出後、Webテストが課されます。例年、二種類のWebテストをNTTドコモは課してきます。

WEBテスティングはリクルートマネジメントソリューションズ社の自宅で受けるSPIです。

特徴は、同じSPIでもテストセンターやマークシート形式と異なり、電卓が使用可能なことです。電卓が使用可能な前提で問題も出題されているので、WEBテスティング専用の対策をしないと足元を掬われる可能性があります。

また、NTTドコモではTALも同時に受験する必要があります。TALは質問に答える形式と、図形を貼り付けて絵を完成させる問題が出題されるテストで、言語、計数といった能力ではなく、性格をはかるテストになります。

対策をすることが極めて難しいテストであり、性格検査であることから絶対の正解はないと考えられます。注意すべき点は、質問に答える問題で矛盾がないようにするぐらいで良いでしょう。

2NTTドコモの本選考面接・グループディスカッション対策

続いて、NTTドコモの面接・グループディスカッションについて過去の例から対策方針を導いていきます。

グループディスカッション過去問

・「個性」が発揮できるテーマ

NTTドコモのグループディスカッションの最大の特徴として、テーマ自体を何に設定するのかを学生同士が話し合って決定するという点が挙げられます。

テーマの選定基準は昨年度の場合、参加者の「個性」が発揮できるテーマと指定されていたようです(選定基準が指定されていないパターンもあります)。

事前に自分一人で意見出しをするテーマを考える際にも、「個性」をキーワードに考えておくことで採用テーマとなる確率が高まると思われます。

また、議論・発表の後には一人ひとりに「率直にあなたはこの策が最善だと思うか」「他に改善策を挙げるとしたら」など質問がなされるようです。

発言量の多少に関わらず、議論の流れをしっかりと理解し、それに対して自分なりの意見を常に持ち続けることが大切だと言えるでしょう。

1次面接過去問

◆過去の経験についての質問
・エントリーシートで記載した内容以外の経験について

◆あなた自身に関する質問
・自己紹介
・チームで動く際の役回り
・長所と短所(長所は1分間で即興プレゼン)

◆志望動機に関する質問
・就職活動の軸とそれに基づく受けている企業
・なぜ通信業界か
・最近の弊社に関するニュースで気になったものはあるか

◆学業に関する質問
・研究内容について

1次面接はエントリーシート記載の「チャレンジした経験」についての深掘りが多くなされるようです。

何を持ってチャレンジとみなすのか、どういった思いからそれに挑戦しようと思ったのかなど、学生の意欲を見極めようという意図が感じ取れます。

一方、NTTドコモの学生時代頑張ったことの質問の特徴として、複数経験について説明することが求められる点が挙げられます。

エントリーシート用に準備した経験の深掘りを予測することは多くの就活生が準備しますが、複数経験から話の一貫性、説得力を強調できると評価に繋がると考えられます。

志望動機に関しては厳しく深掘りされたというケースは少ないようですが、「企業に関する気になるニュース」など興味・関心については序盤の面接から問われるようです。エントリーシートで「叶えたい夢」が問われていることもあり、「NTTドコモだからこそできること」については上記複数経験から考えを固めておくべきだと思われます。

最終面接過去問

◆過去の経験についての質問
・エントリーシートで書いた内容以外でチャレンジした経験
・対人関係で苦労した経験
・その経験における自分なりの工夫は何か

◆あなた自身に関する質問
・人生で最も影響を受けた人は誰か

◆志望動機に関する質問
・入社後に実現したいこと
・(ドコモへの入社の有無に限らず)どんな人間になりたいか
・営業職として働くうえで大切なことは何か
・転勤について問題ないか

◆学業に関する質問
・研究内容について

最終面接でもやはり「チャレンジした経験」を、しかもエントリーシートで書いた内容以外で問われており、「チャレンジ」「複数経験」という一次面接の特徴がより強調されている印象があります。

ここまで重視していることからして、やはり「NTTだからホワイトそうだし受けてみよう」といった考えを持つ就活生では内定には至るのは困難と言えるでしょう。

また、最終面接ではほとんどの方が一次面接と比べて圧迫気味の雰囲気であったことを述べています。

プレッシャーのかかる環境であっても、「最後までやり切る」という強い意識をもちつつ冷静に回答できるかが重要となるでしょう。

また、一般的な面接対策に関してはこちらの動画でわかりやすく解説していますので、本記事と併せてぜひご覧ください。

最後に

全体として、とにかく「チャレンジ」という言葉がエントリーシートから最終面接まで問われており、NTTドコモの選考では最も重要なアピールポイントの一つと言えるでしょう。

業界研究時・エントリーシート提出時・面接の直前など、あらゆるフェーズで本記事をご活用ください。

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