NTT東日本の事業内容から考える志望動機の考え方

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最終更新日:2023年09月22日

NTT東日本はインターネット回線業界において7割のシェアを占める通信インフラ企業です。「フレッツ光」に代表されるように国内インフラの中核を担っているNTT東日本ですが、新たにICTソリューションを提供し企業の課題を解決するコンサルタントとしての一面も見られます。

旧国営企業ということもあり「旧態依然の日系企業」といったイメージが先行されていましたが、2015年「光コラボレーションモデル」が始動し医療業界やスポーツ業界とコラボし事業フィールドを広げていくなど挑戦的な文化が形成されつつあります。

また、NTTグループが2020年に開催される東京オリンピックの公式スポンサー(通信サービス)となったことで、NTT東日本で展開されるビジネスにもますます注目が集まります。

今回はそんなNTT東日本の志望動機について事業内容を掘り下げながら考えていきたいと思います。

NTT東日本の求める人材や内定者ES・面接設問についてはunistyle上に記事がありますのでそちらも併せて御覧ください。

参考:
NTT東日本|ES頻出の志望動機・ガクチカなどの設問を解説
NTT東日本の内定者ES解説!選考通過のエントリーシートの共通項
NTT東日本の面接過去問26選|就職活動での頻出質問と選考意図とは

本選考とインターンの締め切り情報

NTT東日本のビジネスモデル

NTT東日本は通信インフラ企業ということもあり、これまで「回線事業」が収益の柱でしたが、2015年度より「サービス事業」を中心とした「中期的な経営方針」を発表し新しいビジネスモデルが形成されつつあります。

具体的には、以下の事業領域に大別されます。

①法人事業

企業のコンサルタントとしてサービス向上や業務効率化に取り組みます。また各エリアの都道府県でビジネスを展開しているため、地域に密着した柔軟なソリューションを提供しています。

②コラボレーション事業

ガス会社からプロスポーツチームまで多種多様な業界・業種とコラボレーションすることで新たなビジネスを展開しています。また多様なお客さまのニーズに応えるためのマーケット分析も行っています。

③コンシューマー事業

全17都道府県をビジネスフィールドとし、各地域の営業やコールセンター、業種を超えた販売パートナーを通して「フレッツ・テレビ」などに代表されるようなフレッツ光を中心とした新たな商品やサービスを企画、提供しています。

④通信インフラ事業

ハードウェアやソフトウェアの開発を行いネットワーク機能の高度化に努めています。

では、実際にどのような事業を行っているのか一つ事例を見ていきましょう。

甲府市、甲府市観光協会、東日本電信電話株式会社山梨支店は、開府500年に向けた地域活性化の取り組みの一つとして「こうふSAMURAIWi-Fiプロジェクト」を立ち上げ、公衆無線LANアクセスポイントによるWi-Fi接続環境の整備・拡大及びWi-Fiの利用促進に向け連携して取り組むこととしました。

 

参考:甲府市内の地域活性化に向けた「こうふSAMURAIWi-Fiプロジェクト」の発足について

この記事はNTT東日本が山梨県甲府市と提携して公衆無線LAN(Wi-Fi)の整備推進をはかり甲府市の観光活性化に取り組んだことについて書かれています。具体的な施策として、Wi-Fiを活用したスタンプラリー等のイベント開催や短期滞在の外国人観光客にフリーWi-Fiが利用可能な「ID/PASS」を発行するなどしました。

しかし、当初は中々観光客を惹きつけるサービスが思い浮かばず苦心したようです。そこでNTT東日本が提案したのは甲府市で毎年行われている信玄祭りにも名を冠し人気ゲームでもある「戦国BASARA」に登場する「武田信玄」をイメージキャラクターとして登用することでした。結果的にこのプロジェクトは5000名を超える参加者を呼び多くのリピーターを確保する事が出来ました。

このようにNTT東日本は様々な企業や民間団体と提携して社会問題に取り組んでいると言えるでしょう。他にも学研グループとコラボしオンライン学習サービス「学研ゼミ」の設立にも携わったなどの例もあります。上記の例に限らず、通信業界は生活の基盤を支えるインフラに携わっており、近年急速にICT化が進んでいる点からも多くの業界・業種とコラボする機会があると言えます。

また、立場や価値観の異なる人々と一つの目標に向かうには、信頼関係を構築し目標や意識を共有しなければなりません。

民間企業=営利団体である一方自治体などの公務員は利益はともかくインフラ整備や地方自治を行うのが役割であると考えられています。今回の例に関しても、民間企業であるNTT東日本は自社のリソースを活かしながら甲府市側と信頼関係を構築し利益を生み出せるようなプロジェクトを考え出さねばなりません。

社内に目を向けても、こういったプロジェクトを遂行していく営業職の他にも、システム開発を行う技術職の方々もいます。NTT東日本のビジネスを実現させるには社内、社外共に様々な立場や価値観の人々と協力していくことが必要不可欠であると言えるでしょう。

そして、「戦国BASARA」のアイデアが生まれこのプロジェクトが成功したのも自社サービスありきの前提にとらわれすぎることなく、一般の方からの目線を取り入れニーズを汲み取ることが出来たからだと考えられます。

以上のことを踏まえ、NTT東日本の志望動機を考えると、

・新たに事業や仕組みを生みだす仕事がしたい
・価値観やスキルの異なるメンバーと一つの目標を実現したい
・相手のニーズを把握し、自らの提案で解決する仕事がしたい

といった志望動機が適当だと考えられるでしょう。

NTT東日本のES通過者の志望動機解説

今回取り扱う設問では「NTT東日本というフィールドで、何を実現したいですか?」と問われており、単純な志望動機を聞いてくる設問とは少し異なります。

内定者の学生の多くが自身の強みに結びつけてアピールしていました。こういった設問にも明瞭に答えられるように、企業分析や自己分析は入念に行った上で選考に臨むようにしましょう。

では、実際にNTT東日本のエントリーシート選考を通過した方の志望動機について見ていきましょう。

貴社の事業の幅広さをいかして、地方創生を実現したい。私は学生寮の共同生活での信頼関係の構築に尽力した。広報部長として寮運営に携わった経験では、価値観が異なる寮生一人一人との対話を図り、周囲を巻き込んで影響を及ぼす力が身に付いた。この経験をいかし未来のために挑戦し続ける姿勢で、「雇用創出」「地域連携」「働き方改善」のすべてを包括するプラットフォームの中でICTを用いたサービスを生み出したい。

 

参考:【内定】エントリーシート(総合職)

このESは会社に入社してからやりたい事が自身の経験に基づいており面接官に納得感を持たせることが出来ます。ここでは「【新卒】3ステップで完成!通過率を上げる志望動機の書き方|ES例文付」①成し遂げたいこと②きっかけとなる経験③企業選びのポイントを意識した内容になっていいます。そして、部長として価値観の異なる寮生を持ち込み、周囲を巻き込んで影響を及ぼした経験がまとめられており、上で述べた「価値観やスキルの異なるメンバーと一つの目標を実現したい」に該当しています。

また、この学生が実現したい「地方創生」は先程取り上げた事業内容とも一致していますが、通常面接では実現したいことも深掘りされると考えられます。深掘りされても明確に答えられるように、ただのイメージや夢物語に留めず具体的な施策やプランを提案できるよう面接に臨むと、面接官にも好印象を残すことが出来るでしょう。

もう1つ、内定者のESを見てみましょう。

貴社の通信インフラを活かし、より良いソリューションを提供することで様々なお客様を喜ばせたいです。私はSEとしてお客様の課題やニーズを把握し、貴社やメーカーの技術を適宜組み合わせてお客様にとっての最適解を提供したいと考えています。社内外の様々な関係者と連携しながら業務を進めていくにあたり、学生時代のサークルやアルバイトの経験から培った①自分の考えに固執せず、多くの意見を採り入れた上でベストな選択をする力や②積極的なコミュニケーションで信頼関係を築く力を活かしたいと思います。そこで、まずは保守や運用に携わりながらシステムを導入する際の基礎的な技術や知識を身につけるとともに、実際にシステムが運用される中で発生するお客様のニーズに触れ、お客様に喜んでもらうためには何が必要なのかを突き詰めたいです。そして将来的には、働く環境を快適にするソリューションを仲間を牽引しながら創っていきたいと考えています。

 

参考:【内定】エントリーシート 

この方はSEとして社内外の様々な立場の関係者と協力しながらお客様のニーズを把握し課題解決につとめたいと述べており、「【例文6選】エントリーシート(ES)の志望動機の書き方!独自調査を基に人気業界ごとに解説」の⑤具体的に取り組みたい仕事を意識した内容になっています。特に入社して研修の段階から将来的に成し遂げたいことまで具体的に綴っており、自己のキャリアプランを明確に出来ていると人事の方に印象づけることが出来ているESと言えるでしょう。

先ほどと同様、この方も学生時代の経験を通して価値観やスキルの違う人々と信頼関係を構築していく力を得たと述べていますが、具体的な経験が書かれておらずこのESだと人事の方に納得感を持たせることが出来ません。強みや志望動機を打ち出す際は根拠となった経験を人事の方がイメージしやすいように具体的に書くとより評価されるESとなるでしょう。

NTT東日本に限らず「他分野との連携まで含めたソリューション」というスタイルは通信事業体が目指すべき一つのモデルケースであると言えそうです。他の就活生と似通ったESだと没個性的だという意見もありそうですが、価値観やスキルの異なるメンバーと信頼関係を構築しチームとして成果を出した経験は、NTT東日本を目指す上で必須であると考えられます。

最後に

今回はNTT東日本の志望動機について考えていきました。

旧国営企業ということもあり法令遵守の意識が強く、福利厚生も充実しておりホワイト企業として多くの就活生に人気の企業です。志望動機を書く際はしっかりと業界研究、企業研究を行い自身の経験と事業内容を結びつけどのように企業に貢献出来るか書くことが出来ると説得力のあるESが出来上がるでしょう。

本記事がNTT東日本を志望する多くの就活生のお役に立てれば幸いです。

photo by Mokeneco

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