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日本政策投資銀行、日本政策金融公庫、商工中金、農林中央金庫の事業・求める人材・選考比較【unistyle業界研究】

日本政策投資銀行、日本政策金融公庫、商工中金、農林中央金庫の事業・求める人材・選考比較【unistyle業界研究】

掲載開始日:2017年11月21日
最終更新日:2017年11月21日

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今回は政府系金融機関について取り上げていこうと思います。

政府系金融機関は一般的に三菱東京UFJ・みずほ・三井住友銀行などのメガバンク等と比べて知名度は低いと思います。そこで政府系金融機関がどのような事業を行っているのか、採用HPからどのような人材を求めているのか、各社の違い等を深く考えていきましょう。
そして今回は政府系金融機関を受ける学生の志向性を考え、農林中央金庫も入れて検討していきます(政府系金融機関の定義では政府からの出資によって特殊法人として設立された金融機関なので、完全民営化されている農林中金は実際には当てはまりません)。

unistyleには政府系金融機関に関して他にも記事があります。そちらも参考にしてください。

政府系金融機関の事業内容・ビジネスモデル

政府系金融機関の事業は主に融資を行うことを目的としています。
ここで皆さんが思い浮かべるのは民間企業も融資しているのではないか、民業圧迫をしているのでは無いかということです。確かにこのような批判があることは事実です。ただ、それぞれのHPを参考にしてみると、民間の融資を補完するということが事業の目的としてあげられており、民間の金融機関とは棲み分けを行っているようです。

また、融資に当てている資金は、財政投融資からの借入れや債券発行による調達がメインとなっており、融資したお金の利子を得る、投資のリターンを得る、M&Aアドバイザリーの仲介料を得るなどの方法で利益を獲得しています。

また、農林中金は日本最大のヘッジファンドとして知られており、市場運用資産高は70兆円近くあります。実際、リテール分野にも貸出を行っており、農業分野の貸出をメインとして行っているようにみえますが、規模を見ると機関投資家としての役割が大きいといえます。

政府系金融機関の融資先の違い

政府系金融機関はそれぞれ投資先に特徴を持っています。

日本政策投資銀行
大口の投資先が多く、中長期の融資を主に行っています。

農林中金
農業関連分野への貸付を行っています。

日本政策金融公庫
中小企業に融資を行っており、他にも教育ローン、災害を受けた人々に対する融資など幅広く融資を行っています。

商工中金
同様に中小企業への融資を中心に行っています。
ただ、両者の比較として
①日本政策金融公庫は100%政府出資
②商工中金は組合員しか融資しない
③商工中金は審査のハードルが高いため、比較的ステージの進んだ会社向けと言える

等は認識しておくべきでしょう。

事業領域の違い

事業ポートフォリオにもそれぞれ違いがあります。

日本政策投資銀行
基本の業務である融資の他に、子会社のDBJキャピタルやDBJアセットマネジメントを通じて投資や資産運用にも力をいれています。

日本政策金融公庫
その業務のほとんどが融資となっています。

商工中金
融資の他にM&Aアドバイザリー業務に力をいれています。

農林中金
先ほど述べた投資ビジネスの他に輸出促進のための事業を行ったり、農業分野のコンサルティング、ビジネスマッチングに向けた取組を行っているようです。

このように各社とも基本の業務は融資だといえますが、その他の領域においては特徴がみられます。

プロジェクト紹介

ここでは各社の特徴的なプロジェクトを紹介していきます。

日本政策投資銀行

東京スカイツリータウン®
前例のないスキームで挑んだ、国家的プロジェクト。
2006年、本格的なデジタル放送を控え、墨田区の東武鉄道業平橋駅前操車場跡地にデジタル放送のための新タワーを建設することが決定した。そのプロジェクトを担う東武鉄道にとっては、地域の発展にも寄与する創業以来の一大事業となる。しかし、このプロジェクトの最大の課題は、膨大な開業資金をどのような形で調達するかであった。全額借入金で賄うとすると、負債の削減による財務基盤強化を推進していた東武鉄道の財務戦略と逆行することになる。一方、新株発行(資本)での調達は、リーマンショックの影響によるマーケット環境悪化の問題などもあり、困難な状況であった。そこで、これまでにない新たな資金調達手法を編み出そうと度重なる議論・協議が行われ、当時でも前例の少ないハイブリッドファイナンスが考案された。これは負債でありながら一定の資本性を持つという、いわば融資と出資の中間の特徴を持つ金融手法である。これにより、東武鉄道は財務体質の増強と円滑な資金調達の両立が図れ、2012年5月、東京スカイツリーは無事開業を迎えることができた。
単にお金を貸すということではなく、顧客のニーズに対し、きちんと課題解決を果たしていく。DBJは、これからも創造的な金融活動を通じて企業の発展、そして地域や産業の発展に貢献していく。

 

参考:日本政策投資銀行 プロジェクトヒストリー

東京スカイツリーの建設に対する融資についての紹介です。

日本政策投資銀行はこれまでにない融資を行ったようです。東武鉄道の借金を減らそうという動きがあったので、負債を増やさずに出資と融資の中間のファイナンスの方法を生み出ました。その結果、日本政策投資銀行と東武鉄道とWin-Winの関係が築けたようです。このように投資、金融の知識があるからこそこのようなファイナンスの仕組みが生み出せる、また規模感の大きな融資が出来ると言うのは日本政策投資銀行の特徴だと思います。

日本政策金融公庫

セーフティネット機能を発揮
経営環境や金融環境の変化などにより資金繰りに影響を受けた小規模事業者の皆さまへの平成28年度の「セーフティネット貸付(震災を含む)」の融資実績は121,466件となりました。
また、東日本大震災や平成28年熊本地震などの災害、大型企業の倒産などの不測の事態が発生した場合、直ちに特別相談窓口を設置し、影響を受けた小規模事業者の皆さまからの融資や返済条件の緩和などのご相談に迅速に対応しています。
地震、台風、豪雪などによる災害時には、一般の融資よりも返済期間や元金の据置期間が長いなど、返済条件が有利な災害貸付を通じて、被害を受けた小規模事業者の皆さまの復旧・復興を支援しています。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災に関連する国民生活事業における融資実績は、震災の発生から平成29年3月末までで234,727件、2兆2,223億円となっています。
平成28年熊本地震による災害に関連する国民生活事業における融資実績は、平成29年3月末までで12,248件、1,121億円となっています。

 

参考:日本政策金融公庫 セーフティネットを発揮

日本政策金融公庫の事業紹介です。日本政策金融公庫は国民生活事業というものをやっていて、これは先程紹介した教育ローン、災害をうけた人への融資などが含まれます。これは他の政府系金融機関ではあまりないものです。これは企業の支援だけでは無く国民生活まで支援を行える日本政策金融公庫の大きな特徴の一つであると思います。

商工中金

京町屋を活用した宿泊事業の創業を地域金融機関と連携してサポート
• 京都のおばんざいと旬の食材を使用した京料理を提供する飲食店を経営する個人事業主。
•飲食店は観光客等にも定評があり、既存事業との相乗効果が見込まれること等から、予てから構想していた宿泊事業の開業を目指し、京町屋(古民家)を活用し、手頃な価格で宿泊できるゲストハウスを開業することを計画。
商工中金
取り組み• 商工中金は、京都信用金庫との間で「第二創業・多角化サポートローン」を創設し、平成28年7月より取扱いを開始。
• 京都信用金庫からの情報連絡を受けて、商工中金は事業者のホテル開業
について、同信用金庫と連携して計画策定や資金調達の助言等を実施し、連携して創設した制度融資により、事業化をサポート。
効果
• 京都の食・文化の提供を通じて外国人観光客の受入強化等、観光振興に寄与。
• 地域が推進する古民家再生によるまちづくり事業にも貢献。

 

参考:商工中金 地域活性化事例

商工中金のプロジェクトに関する紹介です。商工中金は中小企業向けの融資が多いと紹介しましたが、今回はその中小企業の事例です。京都の飲食店を経営する個人事業主に対して資金調達や事業計画についてアドバイスを行ったり融資を行ったりしたようです。このように中小企業、地方の事業に対して支援していけるというのが商工中金の魅力だといえるでしょう。

農林中金

震災で一切の生産基盤を失った加工事業者が協力して新たな水産物バリューチェーンを構築
 東日本大震災で壊滅的な被害を受けた国内有数の漁業基地、宮城県・気仙沼の水産加工組合が今、危機感をバネに一致団結して新たなビジネスへのチャレンジを開始しています。
 生鮮カツオの水揚げ日本一を誇る気仙沼の水産加工業者は、震災で事業のあらゆる基盤を失いました。震災前、加工業者はそれぞれ自前で魚介類を仕入れ、独自ブランドで生産・販売していましたが、一切の事業基盤を失ったことで、「事業者が協力し合って再生に取り組まなければ生き残ることができない」と危機感を共有。2012年8月には、17の加工業者が集まり気仙沼鹿折加工協同組合を設立しました。目指したのは、新設する施設を共同で利用することで経費の削減を図るとともに、国内で進む魚食離れなど、水産業が抱える構造的な課題の解決に向けて、国内外に販路開拓を進めていくことでした。
 私たち農林中央金庫は、施設整備計画を組合と一体となって策定するとともに、低利融資を行うなど、メインバンクとして全面的にサポート。また、約5千万円の支援金を拠出し、三井物産株式会社など関係各社と連携しながら、海外販路開拓の取組みを全面的に後押ししています。
 組合では、最新の冷蔵庫や滅菌設備などの導入を通じて品質管理と省力化を実現し、施設の共同利用による稼働状況の安定化が経費負担の軽減にもつながっています。また、販路の開拓に向け、シンガポールを基点とした東南アジア諸国でのPRイベント・商談会の開催や、海外バイヤーを気仙沼に招いての商談などを行っています。現地の嗜好を踏まえた商品開発・改良にも積極的に取り組むことで販路の拡大に少しずつ手応えを感じ始めているところです。
 私たちは、この新たな水産物バリューチェーン構築に向けて、今後も国内外のネットワークを活用しながら支援していきます

 

参考:2017年度バリューレポートより

農林中金の事業紹介です。農林中金は先ほど投資を中心にやっていることを書きましたが、実際には金融機関として農業分野への関わりを持ち続けています。このレポートでは気仙沼で東日本大震災をうけた加工業者にむけて支援を行ったり、ステークホールダーと提携し海外で販売できるような努力を行ったりしています。このように海外のネットワークや国内のネットワークを利用、結びつけることによって事業の効率化、高収益化をねらえる仕組みを生み出せるのは金融機関の保有する情報量や知見のためだといえるでしょう。

農林中央金庫は、農林水産業者の協同組織を基盤とする全国金融機関として、JA(農協)、JF(漁協)、JForest(森組)など会員のみなさまのために金融の円滑を図ることにより、農林水産業の発展に寄与し、もって国民経済の発展に資するという重要な社会的役割を担っています。
この役割を果たすため、JA(農協)、JF(漁協)、JForest(森組)などからの出資や、JAバンク、JFマリンバンクの安定的な資金調達基盤を背景に、会員や農林水産業者、農林水産業に関連する企業などへの貸出を行うとともに、国内外で多様な投融資を行い、資金の効率的な運用を図ることにより、会員のみなさまへの安定的な収益還元に努めています。

参考:基本的使命

他にも農林中央はJAバンク、JFマリンバンクの資金運用を担っており、先ほど紹介した投資ビジネスを行っています。また、大規模農家向けの融資を行っていたり、農業分野のコンサルティングをやったりしています。

採用HPから考える政府系金融機関の求める人材

採用HPから政府系金融機関の求める人材を読み取っていこうと思います。

中小企業オーナーの多くが後継者問題に悩まされています。自分が引退した後も会社を存続させたいが、有力な跡継ぎ候補がいない。その悩みを解決するために有効な手段が、現在私が担当しているM&A(企業合併・買収)です。商工中金のお客さまの中には、他企業を買収することで事業規模・エリアを拡大し、新しい技術やノウハウを取得して、さらなる飛躍に向けてチャレンジしたいと考える経営者が多数いらっしゃいます。そうした売り手・買い手双方のニーズをマッチングさせながら、円滑に事業継承できるような戦略を打ち立て、双方が納得できるような契約成立を目指すのが私たちの業務です。
大切なのはオーナーと直接会い、真意をつかむこと
M&Aは一つとして同じ案件がなく、内容も非常に複雑です。「経営者の意向を踏まえ、プロジェクトをどのように進めていくか」がこの仕事のキーポイントとなります。オーナーにとってみれば、企業の売却は一生に一度の出来事。従業員の生活にも関わるため、妥協はできません。「オーナーがどのような思いで会社を売却しようとしているか」は、M&A担当者も正確には理解できません。社長の意図を読み違えると交渉が頓挫したり、条件が合わずに交渉が流れるケースもあります。そのため、私が仕事を進める上で大切にしているのは、「直接オーナーにお会いして、じっくり話を聞くこと」。さらに自分の思い込みで勝手な判断をしないように、M&Aグループのほかのメンバーからも意見を聞きながら、情報を整理して判断するようにしています。M&Aは企業同士の結婚なので、実際に相手を見て事業をよく理解してもらったほうがいい。買い手企業に対して、「悩んでいるなら実際にその企業を見学に行きませんか」と提案し、お見合いした結果、社長同士の気が合って交渉が大きく前進したケースもあります。

 

参考:総合職の仕事 ソリューション事業部

中小企業のM&A、事業継承を担当している商工中金の方の紹介です。

M&Aにおいては経営者の考え方や相手方の会社の意向を踏まえていかなくてはならず、その仲介を担っているのが商工中金です。M&Aでは相手の考えている譲渡条件、事業への思いを引き出す必要があり様々な企業に関する情報を引き出していく必要があると思います。その際、信頼の置けない人では中々情報を引き出すことが出来ないため信頼構築能力の高い人が求められることが想像できると思います。また、買収者と被買収者の間では考え方が違うためその間の調整を行ったり、落とし所をつけるのはかなり大変なことだと思います。なので、考え方の違う人々と調整していける人が求められていることがわかると思います。

商工中金は中小企業を支援するための組織ではありますが、他の政府系金融機関とは違い民間の資本が入っている、融資以外の業務(ex:預金、債権、国際為替)を行っていることが特徴だと思います。また、組合員以外の融資は行っておらず同じ中小企業を対象としている日本政策金融金庫と比べ融資に手間取るのが特徴だといえます。コーポレート・スローガンとして「人を思う」ということをあげていて、人を重視している会社であることが伝わると思います。

各社の選考について

各社の選考を表にまとめました(採用人数は総合職の人数となります)。

  日本政策投資銀行 日本政策金融公庫 商工中金 農林中央金庫
面接回数 5回
(リクルーター面接2回含む)
3回
(リクルーター面接1回)
3回
(リクルーター面接3回程)
3回
(リクルーター面談3回程)
採用人数 51名 58名 131名 160名
試  験 Webテスト SPI SPI SPI


各社の選考はこのように行われます。
業界全体の特徴としてリクルーター面談が課される機会が多いようです。

採用人数には各社差があるようで、例えば日本政策金融公庫は採用HPによると2018年卒でも200〜300人程度の募集を行っているようです。

最後に

今回は政府系の金融機関について記事を書いていきました。政府系の金融機関はメガバンクとは違い融資対象者が明確である、日本の政策に基づきどのように日本を発展させていくかということを強く意識した企業だと思います。その点で日本の発展に貢献したいという人にはかなり向いている企業だと思います。

また、各社それぞれに特徴があります。日本政策投資銀行も投資に関わる、M&Aアドバイザリー、VC的なことが出来る点から投資銀行を考えている人にも向いている企業だと思います。多くの特徴があり、民間の銀行とは少し違ったものがある政府系金融機関ですが様々な業界に近しい部分があるので是非検討されることをおすすめします。

photo by Tax Credits

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