豊田通商の志望動機対策|事業内容の理解なくしてES通過なし

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最終更新日:2023年09月19日

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豊田通商は7大商社のひとつであり、トヨタグループの一つでもあります。

トヨタグループの一員という性質上、自動車関連の事業が多いのは事実です。ただ、自動車関連の事業だけで成り立っているのではなく近畿大学と協力してのマグロの養殖事業、仙台空港の民営化事業にかかわったりと様々な事業を手がけています。また、アフリカでのプレゼンスを高める事業として地熱発電事業や人材育成事業などを手がけておりアフリカでNO.1のプレゼンスに位置することを目標としているようです。

そのように自動車事業だけでなく様々な事業を手がけ、グローバルにも関わっていける企業である豊田通商ですがどのような志望動機が適しているのでしょうか。

ビジネスモデルからまず考えていきましょう。

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豊田通商のビジネスモデル

豊田通商のビジネスモデルはトレーディングがもととなっています。

トレーディングとは国内、海外の貿易においてグローバルな物流網や情報、海外情勢をもとに経験やリスク管理を発揮し顧客のニーズに合わせた商品やサービスを提供し、その手数料を得るというビジネスです。そして日本の企業の発展を商社の物流網を使って支えられるという点では日本のプレゼンスを高められるビジネスモデルといえるかもしれません。

また、近年は事業投資というのがもう一つの稼ぐポイントとなっています。事業投資は短期的な視点の投資ではなく、市場の拡大や成長を目標に長期的視点から投資をし収益をあげるというビジネスモデルになっています。

では実際豊田通商はどのような事業を具体的に行っているのでしょうか。見ていきましょう。

豊田通商株式会社は、イラク共和国電力省より、同国における固定式および移動式変電所の建設工事を受注しました。設計から調達、建設までを当社が一括で請け負います。固定式変電所が4か所、移動式変電所が12か所の建設プロジェクトで、受注金額は約600億円です。これは、2003年のイラク戦争終結以降、日本企業が受注する建設工事案件で最大の金額規模となります。

1. 背景
イラクでは、一日平均7~8時間の停電が発生するなど、電力の供給不足が常態化しています。電気の供給拡大および安定供給のため、発電所の新設・改修が進められていますが、発電量の増加に合わせた変電設備の増設も急務となっています。

2. プロジェクトの概要
本プロジェクトでは、イラクの首都バグダッドや南部の主要都市であるバスラ周辺に変電所を建設予定で、2021年の完成を目指します。すべての変電所が完成すると約130万世帯分をカバーすることとなります。

参考:豊田通商プレスリリース

こちらは豊田通商がイラクから変電所の受注をしたという記事です。

イラクはイラク戦争でかなりダメージを受け、1日の8時間ほど停電があるという状況に置かれているようです。この事業は海外情勢やリスク管理など商社の機能を活かしたトレーディングというものの一つとなるでしょう。

また、このようなビッグプロジェクトは多くの関係者と調整しながら計画を実行に移していかなければいけません。例えば、イラクの電力省と電機設備を建設する会社とどのような設備にしていくのか調整を行っていかなければいけません。また、豊田通商は自社で一貫して解決に導くことができる技術を持っているのではなく他の企業と協力をして事業を行っていく企業です。そのため価値観の異なった人々とも協力して行けるような能力を持った人が活躍できると言えそうです。

また、他にも商社は情報網をもっている、他の企業との仲介役などの役割を担っていることから途上国の発展に貢献していくことが出来ます。他社の事例ですが、三菱商事ではスリランカでの送電線敷設プロジェクトを行っていたようです。

豊田通商株式会社はケニア共和国の西部のエルドレットに肥料製造工場を建設し、8月より順次、本格的な肥料生産・販売を開始します。

1. 経緯
豊田通商は、2012年8月15日に、ケニア政府の国家ビジョン「VISION 2030」の実現に向け、日本企業として初めてケニアと相互協力による包括的な覚書を締結。2015年には豊田通商が100%出資する肥料生産会社「Toyota Tsusho Fertilizer Africa Limited 」を設立し、肥料製造工場の建設を進めてまいりました。

2. 背景
輸入肥料の輸送に時間とコストがかかること、必ずしも土壌や作物に合った肥料ではなく、農地の酸性化・穀物収穫量の低下が問題視されていることの2点から、国内での肥料製造事業は長年の課題となっていました。

3. 特徴
主要農産物であるトウモロコシおよび小麦、そして同国随一の水田地帯ムエア地区の水稲用にブレンドした配合肥料の製造・販売を開始します。
土壌の性質、農作物に適した肥料の供給により、農業生産性の向上が見込まれ、食料の安定供給に貢献してまいります。

4. 今後の取り組み
同肥料の販売を促進していきます。さらに、豆類やサトウキビ向けの肥料開発も進めるなど、製造肥料の対象作物を拡大していくとともに、タンザニアやウガンダなど近隣諸国への輸出販売も視野に進めていきます。

参考:豊田通商プレスリリース

これは豊田通商が現地に肥料生産会社を設立し、肥料生産を開始したという記事です。

ケニアでは農業を始めとした第一次産業のGDP構成比が約3割を占めていますが、土壌や作物にあった肥料を使用していないことも多く穀物収穫量の低下が問題となっていたそうです。

そこで豊田通商は自動車販売網を用いて肥料事業に参入してケニアの発展に協力するという新たな事業を始めたそうです。これは先程挙げたビジネスモデルにもあるように商社が長年かけて構築してきた流通網を利用して成し得た事業です。このように発展途上国で貢献していけるのも総合商社の良さの一つといえるでしょう。

以上のビジネスモデル、事業を踏まえて志望動機を考えてみると

・価値観やスキルの異なるメンバーと一つの目標を実現したい
・途上国の発展に貢献したい
・日本のプレゼンスを高める仕事がしたい
・新たに事業や仕組みを生みだす仕事がしたい

という軸が適当だと考えられます。

では実際内定者はどのような志望動機を挙げているのでしょうか。見ていきましょう。

豊田通商のES通過者の志望動機解説

では、ESを1つずつ見ていきましょう。

日本の技術や製品を世界へ発信するという夢を叶えるためだ。祖父が営んでいた企業が倒産してしまった原因が技術不足ではなく、物流構築などの経営面にあることを知った。優れた技術はあるのにそれをうまく発信できない状況をとても悔しく感じ、冒頭の夢を抱いた。

また、日本の技術と世界のニーズを結ぶためには「現地・現物・現実」の精神が不可欠だと考えている。なぜなら、学生時代、学内に秋新歓の文化を創るためにサークル合同説明会を企画していた際、実際に人と会い、対話することの重要性を体感したからだ。

そんな精神を掲げている貴社で新たな商流を創ることで、販売のノウハウを持たずに技術を燻らせている企業の可能性を広げたい。

参考:【内定】エントリーシート(総合職)

この方は『日本の技術や製品を世界へ発信するという夢を叶えるため』ということを志望理由として挙げられています。この軸は『日本のプレゼンスを高める仕事がしたい』という先ほど紹介したものに合致しており、また具体的エピソードとして祖父の会社のことを挙げられており、物流の大切さを感じたという部分で説得力のあるものとなっています。

また、サークルの話から人と会う大切さ、人と対話する大切さを感じ、「現地・現物・現実」の精神を大切にしている会社に入社したいという結びつけ方も評価できる書き方だと思います。

国内外における新規事業等の様々な挑戦を通して自己成長ができるからです。 

学生生活を通してカナダとフランスの各一年間の留学や、全4社の携帯電話を扱う代理店での契約販売のアルバイト、フランスでのキュイジニエのアルバイト、ボランティア活動、サークル活動等様々なことに挑戦してきました。新たな環境において挑戦し自己研磨することに強いやりがいを感じます。 強みのモビリティ部門だけでなく、アース&リース、ライフ&コミュニティという新しい分野への事業拡大を全体売上の半分まで引き上げるという明確な目標を持って世界を舞台に挑戦している風土のある貴社でこそこれが叶うと考え、また将来性を感じる事から貴社を志望致します。

参考:【内定】エントリーシート総合職

この方は『国内外における新規事業等の様々な挑戦を通して自己成長ができるから』ということを挙げられています。この方の挙げられた志望理由は『新たに事業や仕組みを生みだす仕事がしたい』という軸に合致しています。

また、アース&リース、ライフ&コミュニティという新しい分野への事業拡大という目標は実際に掲げておりこのことも合致しています。志望動機として事業を挙げる際に気をつけていただきたいのはその企業のビジネスモデルで実現できる事業を書かなければいけないという点です。ここで間違ったものを書いてしまうと事業に対する理解不足を露呈してしまうのでそこは気をつけたい点です。

交渉力、まとめ上げる力を磨き、人から信頼を得て私にしかできない仕事をしたい。

私がサークル創設30周年記念パーティーの幹事を担った際、会場の担当の方と料金に関してなど交渉をする場面が多くあった。その場面では何度も顔を会わせ信頼してもらうことに加え、ロジック、感情を上手く使い分け、自分たちの思いを理解してもらうことが重要であると感じた。

この二つの力をより磨くため、人を繋ぐ機会があり、挑戦することに積極的な御社で働きたい。「このお客さんは難しい人だが、○○になら任せられる」と言われるような人物になり、私がいたからこそ繋げられた人と人、企業と企業、地域と地域を作り出していきたい。

参考:【内定】エントリーシート

この方は『交渉力、まとめ上げる力を磨き、人から信頼を得て私にしかできない仕事をしたい』ということを志望理由としてあげられています。この方の志望理由は交渉力、まとめあげる力という観点で見れば、先ほど紹介した「価値観やスキルの異なるメンバーと一つの目標を実現したい」という軸に合致していると考えられます。

イラクの発電所の件でも分かるように商社は交渉力、まとめる力というのが非常に大切になってきます。また、サークルの経験も書いていますがこれは交渉の大切を感じたことに対して説得力を持たせています。

最後に

いかがでしたでしょうか。

今回は豊田通商をとりあげて、志望動機について考えていきました。志望動機の軸では価値観やスキルの異なるメンバーと一つの目標を実現したい、途上国の発展に貢献したい、日本のプレゼンスを高める仕事がしたい、新たに事業や仕組みを生みだす仕事がしたいというものが合致していると読み取れました。

また、商社は他社との志望動機の差別化が難しいように感じます。なぜなら、商社は基本的に事業投資とトレーディングの2つの軸で収益を挙げている点に相違がないためです。ただ、社風、事業規模等に違いはあるのでその点で差別化をしていってもよいと思います。

豊田通商は載っていませんが『三菱・三井・住友・伊藤忠・丸紅5大総合商社の事業・社風・選考比較【unistyle業界研究】』は商社志望者にとって参考になる記事だと思います。

また、unistyleには豊田通商の関連の記事がありますのでぜひ参考にしてみてください。

参考:豊田通商のESと採用HPから考える豊田通商の求める人材

→豊田通商のビジネスモデルからES設問で書くべき内容を解説しています。

豊田通商の選考対策(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから

動画を通じて志望動機の書き方を確認したいという方は下記の動画も参考にしてもらえればと思います。志望動機の書き方のポイントが端的にまとめられているので、動画でサッと確認したいと思っている方にオススメです。

photo by Martin Thomas

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