エントリーシートから企業が求めている能力を知る

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最終更新日:2023年09月28日

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前回企業が求めている人材は「企業の利益に貢献できる人」であり、企業の利益貢献のためには「能力」と「やる気」が必要であると説明致しました。

ここでは、企業の利益貢献のために必要な「能力」について、企業の課すエントリーシートから読み取るという方法について説明したいと思います。

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1.企業が求める「能力」はエントリーシートに書いてある

企業は何も闇雲に、学生にエントリーシートを書かせているわけではなく、そこにはしっかりとした意図が込められており、エントリーシートの設問を丁寧に読み解く事で企業が求めている「能力」を浮き彫りにすることができます。

以下は2012卒の新卒採用における様々な業界のエントリーシートの設問を抜粋し、求められる能力ごとに分類したものです。各企業が求めている能力をより具体的に読み解くために、「学生時代頑張ったことは何ですか」や「自己PRをしてください」などの設問を省き、より具体化された質問のみを抜粋しています。

チャレンジ精神(既存の枠にとらわれない発想力)
・三井物産
「あなたが過去にチャレンジしたことの中で最大の困難は何ですか?またそれに対してあなたが何を考え、どう対処したか、その経験が今どのように活かされているかについて記述して下さい。」

・IBM
「高校入学以降にあなたが何かに挑戦したことによって経験した困難や挫折について、それをどのように乗り越え、そこから何を学んだか教えてください。」

リーダーシップ(人を巻き込む力)
・トヨタ自動車
「チームを巻き込んで成果を出したエピソードを教えて下さい。」

・P&G
「グループ内のリーダーとして大きな役割を果たした経験を教えてください。」

協調性(信頼を得る力)
・三菱商事
「あなたが周囲から「信頼を得ることができた」と感じるエピソードについて教えてください。」

・三井住友銀行
「あなたが学生時代に打ち込んだことの中で、より多くの人と関わりながら成し遂げた経験について簡潔にお答え下さい。」

2.企業が求める能力の三つの傾向

上記をみていただけばわかる通り、企業が求めている能力は三つの傾向があるのがわかると思います。

一つ目はチャレンジ精神です。インターネットの出現、新興国の台頭とビジネス環境は常にめまぐるしく変化しています。そのような環境下では過去の成功に縛られていては成功し続けることはできず、常に新しい方法を積極的に模索する必要があり、社員一人一人のチャレンジ精神が今まで以上に求められています。

二つ目がリーダーシップです。企業においてリーダーシップが求められる理由についてはαブロガーのちきりん氏のこのエントリーに詳しいです。(参考:「なんで全員にリーダーシップを求めるの?」)

エントリーの通り、全員がリーダーシップ経験がある組織というのは非常に強いです。記事にもある通り、リーダーを経験した人は、組織が成果を出すために各個人がどのように振る舞うべきかを理解できます。だからこそ企業はリーダー経験のある人材を採用したいと考えています。

三つ目が協調性です。企業で働く場合、一人で黙々とこなすような職人タイプの仕事は極めて少なく、多くはチームメンバーであったり、取引先と協力しながら進めていく仕事が圧倒的に多いです。

もちろん勘違いしてほしくないのですが、友人関係を円滑にするといったことや誰とでも仲良くなれるという協調性ではなく、どんなタイプの人とも協力して成果が出せるという協調性が求められます。

もちろんこの三つの能力でなければ、自己PRしてはならないというわけではありませんが、組織の全体的な傾向として上記のような能力を持つ人が成果を出しやすく評価されやすいということは理解してもらえればと思います。

3.様々な業界で通用する自己PRを目指すべき

さて、それでは上記三つの能力を一つのエピソードにまとめることはできないでしょうか。例えば下記のような自己PRはどうでしょう。これはunistyleの内定者インタビュー「伊藤忠商事T.N.さん」の方の自己PRを抜粋しています。

私の持ち味は,周りを巻き込みながら目標に向かって行動できることである。

経営者の父を見て育った私は幼い頃から責任感が強く、様々な場面でリーダーを任されてきた。6年間続けている宅配ピザのアルバイト先では、営業責任者を担っている。責任ある立場になって店全体が見え、私が退職した後も活気ある店にしたいという思いに駆られた。人を育てることが重要だと考え、接客力の高い従業員の育成に力を入れている。

所属する研究室では、研究の統括とゼミ運営を任されている。教授の負担軽減と学生の能力向上のため、学生同士のゼミを始めた。人に教えること、受け継がれる伝統をつくることの難しさを実感している。このように、自分が思い描く方向へ周囲の人達を動かすことができたのは良い経験となった。

目標の達成のために周囲に働きかける中で、妥協することなく相手のために自ら行動することで信頼を得られることが私の強みである。


上記を読んでいただき、企業が求める三つの能力があることがわかるでしょうか。

宅配ピザのアルバイトと研究室のいずれにおいても、「人に教えること・受け継がれる伝統をつくること」にチャレンジしています。また宅配ピザの営業責任者・ゼミ運営においてよりより組織にするために積極的に働きかけてきたことから、強いリーダシップと協調性を感じさせます。

上記の自己PRはいずれもアルバイトとゼミといった普通の大学生が取り組んでいることから非常にうまくアピールしている例になります。留学、体育会、ビジネスコンテストにおける優勝などの特別な経験がなくても総合商社などの難関企業に、アピールの仕方次第で十分に内定することができます。

自分自身の自己PRを上記の観点からもう一度作り直してみましょう。

今回のまとめ

・企業が求めている能力はエントリーシートに書いてある
・各業界が求めている能力は実はほとんど一緒、全ての業界に通用する自己PRを目指すべし

photo by Julian Partridge

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