【本田技研工業(ホンダ)の特徴を解説】業績や社風から見る就活対策・企業研究

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最終更新日:2023年10月18日

【企業研究】自動車業界主要3社(トヨタ・ホンダ・日産)の強みや社風を比較で紹介した通り、好調な業績を維持し上位校生からの人気も依然として高い完成車メーカー。
今回はそんな完成車メーカーの中でも、本田技研工業に焦点を当ててみたいと思います。

自動車に限らずモビリティ全てを事業領域とし、2012年には小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」の生産を開始した本田技研工業。この記事では、そんな本田技研工業の社風や求められる人材について考察していきます。

本選考とインターンの締め切り情報

本田技研工業の業績

ここからは、ホンダの業績について見ていきたいと思います。


※本田技研工業IR情報よりUnistyleが独自に作成

2015年度は、売上高が約10%上昇した一方で、営業利益が大きく落ち込んでおり、とりわけ四輪事業(自動車)で顕著になっています。タカタ製エアバッグのリコールに伴う品質関連費が増加したことが響いたようです。売上高の大部分を占める四輪事業の利益率の低さは、為替変動等によって大きくホンダの業績を左右するため、収益性の安定面で不安を抱えている状況といえます。

一方で二輪事業(バイク)は依然として世界最大手であり、利益率も高くホンダを支える事業となっています。生産台数は若干減少しましたが、総販売台数の内約90%を占めるアジア市場では前年度とほぼ同水準の販売数をあげています。今後も途上国を中心に市場の成長が見込めるため、安定した業績を期待できそうです。

​設備投資額(棒線)、売上高に対する設備投資比率(折れ線)
※本田技研工業IR情報よりUnistyleが独自に作成

生産設備の刷新や生産能力の向上を目的とする設備投資額ですが、ホンダでは2013年度を頂点として大規模な投資を行っています。2011年11月にホンダのタイ工場は大雨による洪水の被害を受け、2013年に新工場の建設を開始、2016年には稼働を開始しています。

ホンダの設備投資の推移は、タイの新工場設立と、洪水の被害を乗り越え生産体制を整えたことを表していると考えられます。タイではホンダの代表的な小型車種「シビック」の生産を行っており、タイ市場並びにグローバル競争力の強化に貢献しています。

事業内容から考える本田技研工業が求める人材

ここからは、本田技研工業が就活生に求める素質について、「ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?」を参照しながら考えていきましょう。

今回紹介した事例は、欧州における二輪車販売強化と収益改善の取り組みでした。ホンダに限らず、完成車メーカー勤務社員には海外勤務のチャンスが多くあるようです。海外勤務に臨む上では、語学力だけでなく、多様な背景を持つ社員との信頼関係の構築する能力が求められます。

また、今回はフランスでは初の取り組みとなる、上級グレードの設定を提案し成し遂げたことから、前例にないような取り組みも前に進めていく能力が求められると考えられます。

以上のことから、本田技研工業は以下のような能力を持つ人材を求めていると考えられます。

「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる」
「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることが出来る」
「5.今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することが出来る」

社風について

この章では、【企業研究】自動車業界主要3社(トヨタ・ホンダ・日産)の強みや社風を比較を参照しながら、本田技研工業の社風について解説していきます。

Hondaにおいて求められるのは問題意識や行動力、強い意志やチャレンジ精神を常に意識すること。“ベンチャー起業家”のようなマインドと言えるかもしれません。「こうしたらもっと世の中が良くなるんじゃないか」と社会に対しての大きな問題意識を持って欲しい。その問題意識を世に問うため、Hondaという大きな増幅器を使って世界に仕掛ける主体性を発揮して欲しい。

引用:ホンダ これからの人材育成

ホンダの社風について紹介する上で、社員全員に当事者意識と問題意識を求めていることが挙げられます。ホンダの文化は本田宗一郎氏、藤澤武夫氏の二人の創業者が残したHondaフィロソフィーに基いており、フィロソフィーを単なる「ことば」として終わらせることなく、ホンダで働く一人ひとりが主体者として実践することを期待しています。

創業者・本田宗一郎が語った、「世のため人のため、自分達が何かできることはないか」という志は、ホンダのESにも現れており、自分の夢や目標を持ち、実現のために主体的に行動できる人材を求めています。上の「本田技研工業で求める人材」で述べた能力に加えて、夢を実現する熱さやマインドが大事といえるでしょう。実際、本田技研工業は創業者の夢であったジェット機の生産に着手しており、夢に向かってチャレンジする精神が会社全体として浸透していると言えそうです。

内定者のES解説

ここまでで、ホンダの業績や、主体性とチャレンジ精神が根付いた文化、就活生に求められる能力を見てきました。ここからは、実際にホンダのエントリーシート選抜に通過した就活生が書いた内容を参考にして、同社が求める人材像を考えていきたいと思います。まず実際の設問を確認してみましょう。

①学生時代に最も情熱を注いで取り組んだ内容について教えてください。(150字以内)
②取り組みの過程で直面した困難なことは何ですか。(150字以内)
③困難を乗り越えるために「どうしたか」を自身の想いなども踏まえて記入。(300字以内)
④その経験から何を学びましたか?それをどのように仕事に活かしていきたいですか?
⑤あなたが仕事を通じて成し遂げたいことは何ですか?その根底にある想いや理由をあわせて答えて下さい。(150字以内)
⑥その実現に向けてどのようにアプローチしますか?(150字以内) 
⑦実現の場としてHondaを志望する理由を教えてください。(250字以内)
⑧他に伝えたいことがあれば教えてください。(250字以内)

 

参考:本田技研工業エントリーシート

ホンダのESは設問が8つあり、全体で1500字程度と分量も多いといえるでしょう。また、取り組んだ内容や行動に対する想いや理由を問われる点もホンダらしさが現れています。

それでは設問について見ていきましょう。ホンダの設問は、おおまかに①〜④が自己PR、⑤〜⑦が志望動機と分類できるでしょう。それぞれ軸がブレないように一貫した文章を書きつつ、自己PRでの取り組みと志望動機が関連するように意識すると良いでしょう。

自己PR欄の特徴として、経験を通して学んだこと、すなわち「同じような困難が立ちはだかった時のあなたの強みの再現性、強みの方法論」について、④の部分で問われている点です。「あなたの自己PRが嘘っぽく見えないために「方法論」を語るべき」でも紹介させていただきましたが、学生時代だけではなく企業においても活躍する人材かを見極めるために方法論を語ることはとても重要です。ホンダのESをきちんと練って書くことで、自己分析や他企業の選考対策をする上でも役立つでしょう。

ここからは①〜⑧の設問に関して、実際のESの例を紹介していきたいと思います。まず①〜④の設問に関して見ていきましょう。

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選考について

最後に実際の本田技研工業の選考フローについて見ていきます。

※下記に掲載している選考フローは、2016年卒本選考の情報になります。

◆選考プロセス(総合職)

 

エントリーシート&WEBテスト→一次面接(個人)→二次面接(個人)→三次面接(GD+面接)→最終面接(筆記+面接)


引用:本田技研工業 本選考情報

本田技研工業の選考は、ES提出後、抽選によりキャリアディスカッション(CD)へ参加出来るか決まるようです。このCDは実質的な選考になっており、複数ステップに渡って行われます。内容は上記の選考プロセスと変わらず、CD経由で選考に進んだ学生は一般的なルートで進んだ学生と比べ早く内定にたどり着けるようです。

面接では、ホンダでやっていけるかを、人柄や志から厳しく追求されることもあるようで、通過するには綿密な準備と熱意が求められるようです。

最後に

いかがだったでしょうか。今回は完成車メーカーでも独自の文化を持つ、本田技研工業について紹介させていただきました。

夢を大切にし、実際に会社としても夢の実現を成し遂げてきたホンダですが、昨今では利益率の低さが懸念視されてきております。設備投資を積極的に行うなど、状況の打開を図っているホンダでは、夢を実現する強い意思を持つ若者をより一層求めているのではないでしょうか。

この記事が、ご自身の実現したい夢について考える機会になり、自己分析の助けになれば幸いです。

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