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三井物産の事業・選考・社風・内定者の自己PRと志望動機解説【unistyle企業研究】

掲載開始日:2016年08月29日
最終更新日:2017年01月06日

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総合商社の概観に関しては、先日の「三菱・三井・住友・伊藤忠・丸紅5大総合商社の事業・社風・選考比較」で紹介しましたが、本日は、総合商社の中でも三菱商事や住友商事と並んで財閥系商社の1つに数えられている三井物産を扱っていきたいと思います。

2015年度決算において、三菱商事と並んで巨額の損失を計上した同社ですが、引き続き総合商社の一角として、多くの上位校生が志望する企業でありつづけると思われます。そんな三井物産に関して、その事業内容から社風、選考に至るまで、考察していきす。是非参考にしてみてください。

 

セグメント別収益と事業紹介

早速、三井物産の2014年度、2015年度のセグメント別利益を見ていきましょう。(単位(億円))

◆セグメント別利益      
    2014年度 2015年度
資源分野 エネルギー 1202 ▲30
  金属 991 ▲1,524
非資源分野 機械・インフラ 520 237
  次世代・機能推進 107 170
  化学品 156 438
  生活産業 ▲25 ▲131
その他、調整・消去   114 6
    3065 ▲834

 

まず、前期比で4000億円もの減収が目につくのではないでしょうか。この大幅減収のおよそ9割を金属事業とエネルギー事業、すなわち資源分野で計上しています。その内訳を少し具体的に見ていきましょう。金属事業では主に、市況価格下落に伴うチリ銅事業やオーストラリア石炭事業での減損損失、並びにブラジル資源事業会社での損失取込が響き、15年度は1500億円の業績赤字となりました。またエネルギー分野においては、オーストラリア・ブラウズLNGプロジェクトの開発計画見直しや原油・ガス価格の下落に伴い、30億円の損失を計上しました。

 

ここからは、そうした三井物産の各事業の紹介をしていきます。他の商社には見られないような、三井物産ならではの事業部署もありますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

資源分野

①エネルギー事業

上述したセグメント別収益でも読み取れるように、14年度、三井物産はエネルギー分野で収益のおよそ4割を稼ぎ出しており、同社の得意分野といえるのが、このエネルギー事業です。実際に三井物産は、モザンビークを中心としたアフリカ地域において世界有数のガス田を有しており、今後も世界のエネルギー需要に応える、という使命を果たしていくようです。

 

②金属事業

私たちが購入するジュースやビールに使われているスチール缶。これらはパッケージ製品とよばれ、商品の輸送や販売において不可欠なものであるといえます。2015年3月、三井物産はトルコの総合パッケージメーカーであるSarten社への出資を決定しました。同国は人口増加が著しく、今後の消費活動が更に旺盛になっていくことが予想されており、三井物産は自社で保有するネットワークを活かし、Sarten社の事業強化に貢献していくようです。

 

非資源分野

①機械・インフラ事業

就活生の中でも、人々の生活を豊かにするインフラ分野に興味を持っている方は多いのではないでしょうか。同社は1960年代から、鉄道システムの輸出や建設を手がけてきたノウハウを活かし、近年ではブラジルで課題となっている都市交通インフラの整備や、旅客の安全性確保に貢献しているようです。同国では今後、リオデジャネイロやサンパウロといった大都市を中心に、鉄道インフラの整備に注力していきます。

 

②次世代・機能推進事業

新聞やニュースを通じて、AirbnbやUberといった、いわゆる「シェアリングエコノミー」と呼ばれるサービスを目にする機会が増えてきているのではないでしょうか。その一角を担うものとして、 中古品の売買をスマートフォン上で行えるアプリ、「メルカリ」の利用者も増えていると思われます。三井物産は2016年、このアプリを運営する「メルカリ社」への出資を決定、ロシアやアフリカで蓄積してきた知見とネットワークを活かし、今後メルカリ社のグローバル展開を支援していきます。

 

③化学品事業

三井物産が掲げる「7つの攻め筋」。その一つに「食糧と農業」の領域があります。同社はこの領域を強化する一環として、2016年、米国の家畜飼料添加物メーカーであるNovus社への出資比率を引き上げました。現在、世界的な食糧増産を背景に飼料添加物の需要が高まってきており、その中でも必須アミノ酸の一つであるメチオニンは、鶏の成長促進に不可欠な栄養素として、その価値を高めています。今回の増資を通じて、三井物産は、主力商品メチオニンの世界トップメーカーの一社である Novus社における、メチオニン事業の強化に努めていくようです。

 

④生活産業事業

総合商社が展開する事業は、医療分野にまで及びます。三井物産は2011年、アジア最大の病院持株会社であるIHH社の株式のうち、その30%を取得しました。今回の出資を通じて三井物産は、マレーシアやシンガポールなどのアジア地域における医療技術の高度化を支援すると同時に、増大する世界中からの医療需要に応えるべく、医療ビジネスの強化にも力を入れています。

 

事業内容から考える三井物産が求める人材

ここからは、三井物産が就活生に求める素質について、「人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み」を参照しながら考えていきましょう。

 

その歴史で培った給食事業の知見、ノウハウを武器に、新たな成長戦略として打ち出したのが新興国における給食事業の展開だった。2011年、具体的な進出国の検討が開始された。〈中略〉

中国は、外資系企業の進出などで企業ニーズが多様化し、経営効率化等の観点からアウトソーシングサービスへのニーズが高まっていた。とりわけ給食サービスは市場の拡大が著しく、年率約120%の勢いで伸長。今後も福利厚生の充実など新たな企業ニーズの高まりを受け、成長が加速すると予想された。「加えて、ロケーションの近さ、同じアジアの国であることから、食材の親和性などを考慮し、中国進出を決定しました」。〈中略〉

2011年から始まった出資交渉は順調に進み、翌2012年9月に条件の合意に至り、社内稟議許可取得を完了。しかし、ここへきて交渉は暗礁に乗り上げた。日本政府による尖閣諸島の国有化を受けて、中国各地で大規模な反日デモが発生、「健力源社」で食堂運営を行っていた日本企業や「健力源社」近くの日系スーパーも襲撃の対象となり、「健力源社」創業者に日中共同事業に対する不安が高まった。2012年10月、創業者夫妻より当面情勢が落ち着くまで出資を見送りたいとの申し出があり、交渉を中断。〈中略〉

交渉が難航したのは、その出資形態が大きく変わったことが影響している。コーポレート部門より、同社の労務環境や社会保険等の内部管理体制、中国という国自体の商慣習の違いなど様々なリスクに対し、より厳しい視点で指摘を受けるようになった。こうしたリスクを遮断するために採用した方法が、新会社の設立だった。〈中略〉

「内部管理体制の構築は、「健力源社」にとっては煩雑な作業やコストアップが伴うことが多く、理解・納得を得ることが容易ではありませんでした。管理体制一つひとつの重要性を粘り強く説明し、理解を求めていったのです」。〈中略〉

我々は、現状、70億円規模の売上げを、近い将来100億円にすることを目標としています。

 

引用:PROJECT 02 中国食堂事業 三源社案件

 

今回の案件では、三井物産が実際に中国で手掛けた、給食事業を取り上げさせていただきました。今回、三井物産は、中国国内における給食需要の高まりをいち早く感知し、同国で給食事業を展開する「健力源社」への出資を決定しました。途中、日中関係の悪化に伴う出資交渉の停滞といったハプニングも発生しましたが、コーポレート部門からの意見吸収や担当者による粘り強い交渉の末、健力源社側と信頼関係を築き、新会社の設立や内部管理体制の充実化に踏み切ることに成功しました。今後も100億円の売上達成を目標に掲げ、給食サービス事業に注力していくようです。

こういった点を踏まえると、三井物産で働く上では、「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行える」、「3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる」、「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」に加え、「5.今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することができる」といった素質も身に着けている必要があると言えそうです。

 

社風について

この章では、「三菱・三井・住友・伊藤忠・丸紅5大総合商社の事業・社風・選考比較【unistyle業界研究】」を参照しながら、三井物産の社風について考えていきます。

 

自分が将来の三井物産を支えるのだ、という強い気持ちを持って、それぞれの仕事で主役を張れる人間に成長してくれることを期待します。

引用:平成28年入社式挨拶

 

常に新しい分野に挑戦し、時代のさきがけとなる事業をダイナミックに創造します。

「自由闊達」の風土を活かし、会社と個人の能力を最大限に発揮します。

引用:経営理念

 

同社の社風に関して、大きく3つのキーワードが挙げられると思います。

 まず「人の三井」と称されていることからも察せられる通り、同社は「個人」の能力の向上に強く重きを置いています。実際に入社式の社長メッセージからも、各事業で「主役」となれるような人材を求めていることが読み取れ、こういった考え方が、「組織の三菱」とよばれ、「個」の成果以上に「組織」への貢献を求める三菱商事との最大の違いなのではないでしょうか。

また同社には、「自由闊達」な風土が根付いているようです。若手でも、先輩社員に対して、自分の意見をぶつけたり、それを真摯に聞いてもらえたりする文化があるようで、このように若手の意見を積極的に吸収するDNAを持つ同社だからこそ、次世代・機能推進事業といったユニークな部署も存在するのではないでしょうか。

最後に、三井物産は「挑戦と創造」を大切にしているようです。上述の次世代・機能推進事業に限らず、創業当初から同社は、常に日本と世界の発展のため、新しい分野への挑戦と、新たな仕組みの創造に取り組んできたようです。

以上を要約すると三井物産は、「個」を最大限に尊重し、「自由闊達」な風土のもとで、新しい事業への「挑戦」や「創造」を極めて大切にする企業である、といえるのではないでしょうか。

 

 

内定者のES解説

ここまでで、セグメント別の収益状況や「個」を大切にする社風、就活生に求められる能力を見てきましたが、ここからは、実際に三井物産に内定した就活生のエントリーシートを参考にして、同社が求める人材像を考えていきたいと思います。まず実際の設問を確認してみましょう。
 

①自分一人では成し遂げられなかった成果について記述してください。(全半角200文字以内)

②過去最大の失敗とそれを乗り越えた経験について記述してください。(全半角200文字以内)

③人生における最大の決断について説明してください。(全半角200文字以内)

④あなたを取り巻く環境変化の中で、自身が最も変化した点について説明してください。(全半角200文字以内)

⑤三井物産というフィールドにおいて、あなたが挑戦したいことについて記述してください。(全半角200文字以内)

参考:三井物産 エントリーシート

以上から、全設問に対して200字という短文で回答する必要があることが読み取れます。OB・OGの方に添削を依頼し、自身の経験を、簡潔でわかりやすく伝えられるように努めましょう。

①では、「自分一人で成し遂げられなかった」=「周囲と協力して問題を解決」した経験を問うていると思われます。上述した給食事業でも、コーポレート部門の助言を基に企業の理解を得ていく場面がありましたが、この設問では他者と協力してチームとして成果を出す能力、すなわち「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行える」素質があるかどうかを問うていると考えられます。
②においては、過去の失敗経験とその乗り越え方を聞いていますが、これは先ほど「人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み」(参考:https://unistyleinc.com/columns/113)で紹介した5つの強みの全てをアピールできる設問だと考えられます。一見華やかそうに見える商社マンも、その裏では日々、様々なことに挑戦し、失敗を繰り返しています。入社後そうした挫折に直面した際、克服していく素質があるかどうかを見ていると思われます。

③では、「決断力」が問われています。総合商社では、単身での出張や関連会社への出向等、会社を代表してビジネスを行うことが求められるシーンが少なくありません。そうした際、リーダーとしてしっかりと「決める」力を持っているかを問うていると思われます。つまり「1.個人として努力し、成果をあげることができる」や「3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる」素質の有無が確かめられています。

④の設問では、就活生が変化に対する「対応力」を備えているかどうかをチェックしていると言えるでしょう。商社で働く上での「変化」として、バックグラウンドの異なる者と成果をあげる適応力や、既存の枠組みにとらわれない新たな仕組み作りがあると考えられます。つまり「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」点、もしくは「5.今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することができる」点をアピールできるといいのではないでしょうか。

⑤では、志望動機を聞かれています。総合商社を志望する就活生は、大きく「入社後の志望部署が決まっている者」と「商材に対するこだわりが無い者」の2パターンに分けられると思いますが、どちらのパターンで答えるにしても、自分の経験を基に議論を展開することを忘れずに意識しましょう。


ここからは各設問に関して、内定者の回答を2名ずつ紹介していきたいと思います。

まず①の設問に関して、考えていきましょう。

内定者A

アルバイト先の飲食店の売上向上に取り組んだ。高校生から主婦まで、全ての従業員が一丸となり、店舗全体の生産性を向上させる必要があった。そこで私は2つの行動を起こした。1つ目は、業務の模範となる事。系列店での研修を行い、調理・接客の技術を鍛え、同僚に伝達した。2つ目が、情熱を伝染させる事。より活気のある店舗に成るべき、と有志を募り、共に改善案を練った。結果、店舗の回転率が50%向上、売上記録を樹立した。

引用:三井物産エントリーシート

【解説】
この設問では、他人と協力して成果を残した経験を述べる必要があります。この内定者はバイト先において、学生だけでなく、主婦の協力も得ながら成果を残すために、業務と情熱の2つの面で、率先して他者の模範になることを目指したようです。つまり、「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行える」、「3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる」に加え、主婦の協力も得ることができた点で「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」素質もアピールできているのではないでしょうか。

 

内定者B

ボート部の新人勧誘の改革です。全国入賞を目指す部活でありながら、人数確保を理由に練習の厳しさを隠して勧誘していたために新人の半分が辞める状況を変えるべく、新入生と正直に向き合う方針を取りました。反対の声もありましたが、今までの勧誘の問題点と改革の必要性を説くことで部員の協力を得ることができました。 
その結果退部者は大幅に減り、現在の部員数は私の入部時の1.5倍になりました。

引用:三井物産エントリーシート

【解説】
内定者Bは、退部者の数を大幅に減らすことで、部員数を1.5倍に増やした経験を述べています。彼は周囲からの反対も強い中、粘り強く改善点を説くことで、部員からの協力を得ることに成功しました。この点においてこの内定者は、「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行える」ことに加え、「3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる」ことも経験することができたようです。


次に②の設問に対する、内定者の回答を見ていきましょう。

内定者C

上記のフットサルチームでのゲームキャプテンとしての経験。 
物事を伝える際に言葉が独り歩きして自分の考えとは別の意味で捉えられてしまったこと。ゲームキャプテンだったので様々な選択をしいられ、その都度選手を納得させる必要があった。最初はどうしても抽象的・感覚的に伝えることが多く、あらゆる誤解を招いた。そこで伝える際は具体的に・イメージしやすいをテーマに言葉が独り歩きしないように気を付けた。

引用:三井物産エントリーシート

【解説】
ここでは、挫折に対する耐性やその乗り越え方を、具体的に伝えることが大切でしょう。この内定者は、抽象的で伝わりにくかった話し方を、具体的かつ相手にわかりやすい表現に変えるよう意識することで、キャプテンとしてチームをまとめたようです。特に世界中のビジネスマンと仕事をする商社マンには、相手がスムーズに理解できるような話し方を普段から心得ていることが不可欠なように思われます。この内定者は、「3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる」素質をアピールできていると思われます。
 

内定者D

意を決して臨んだ留学で2ヶ月間、友達が出来なかったことだ。 
エジプト人は、男性同士で手を組んで歩くといった、日本における恋人のようなコミュニケーションの仕方をする。 
当初、自分の価値観に固執し慣れることが出来なかったが、留学前に掲げた目標に立ち返り、彼らのやり方を受け入れることで打ち解けることができた。その後は、完全に彼らに合わせるのではなく、私自身も窮屈さを感じない関係のあり方を模索した。

引用:三井物産エントリーシート

【解説】
同じ設問に関して、別の内定者のESを紹介します。この内定者は、「文化の違い」という切り口で挫折経験を展開しており、面接官も思わず質問したくなるような興味深い内容となっています。先ほどから述べているように、総合商社では様々なバックグラウンドの相手とビジネスをする必要があり、そうした相手との信頼関係構築のためには、彼らの価値観に共感できる、器量の大きさを持つことが大切です。その点において、この内定者は「文化の違いにも対応できる」という点で、「1.個人として努力し、成果をあげることができる」や「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」ことを示せていると考えられます。

 

次は③の設問に関して考えていきます。ここでも2人のESを取り上げていきます。
 

内定者E

8歳から高校生までの10年間野球に打ち込んだが、怪我の影響もあり大学での活躍が見込めずアメフト部への入部を選んだ。長年注力してきた競技を離れるのは辛い決断であり、スタッフとして野球に携わる選択肢も考えられたが、「試合で活躍する」という軸を変える事は出来ず、新しい環境で、自分が仲間を引っ張り日本一を目指すという決断を下した。

引用:三井物産エントリーシート

【解説】
この設問では、自身の決断を述べる必要があります。この内定者は、怪我の影響もあり10年間打ち込み続けた野球の道を諦め、アメフト部へと転向したようです。この際彼は、試合で活躍するという軸をしっかりと持っており、「1.個人として努力し、成果をあげることができる」ことに貪欲な姿勢が伺えます。またチームを引っ張る覚悟も持っている点で、「3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる」素質があるように思われます。

 

内定者F

大学を1年休学し海外インターンシップに参加した決断だ。私はNPOの活動で、日本企業のインドでの苦戦を知り、現場を見て解決策を考えたいと思ったが、受入先の見当は全くなかった。しかし、友人のインド人学生が初任給1000万円で米国企業へ就職した事で芽生えたこのままでは私も日本も世界で勝てないという「危機感」から、在印企業200社に履歴書を送り面接を重ね、野村総合研究所インド法人からオファーを獲得した。

引用:三井物産エントリーシート

【解説】
この内定者は、日本企業が苦戦している解決策を考えたいという信念を持ち、海外インターシップに参加するために、200社もの現地法人に履歴書を送付した結果、合格を勝ち得ることに成功したようです。実際の就活でも、200もの会社にESを提出することは容易でないという事実を踏まえると、この内定者は人並み外れて意思が強く、「1.個人として努力し、成果をあげることができる」能力を十分に備えている様子が伺えます。
 

次に、4番目の設問を見ていきましょう。

内定者G

【高校の部活動を通した、当事者意識の変化】 
高校のサッカー部では同期が私を含めて3人、部全体でも14人しかおらず、コーチも存在せず人に頼ることができない状況でした。その環境の中身についたのは、非常に強い当事者意識です。自分たちが主体的に動き、頑張らないと勝てないといった思いから練習メニューを一から作り、部の予定もすべて管理し試合では監督を行うなど、人一倍サッカー部のために尽力しました。

引用:三井物産エントリーシート

【解説】
内定者Gは、部員数が少ない高校サッカー部において、予定の管理や試合の監督を全て行い、強い当事者意識を身に付けるという「変化」を経験したようです。この点において、この内定者は「3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる」能力を示すと同時に、自身でオリジナルの練習メニューを考案するという「5.今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することができる」点もアピールできているように感じられます。
 

内定者H

海外インターンシップでの「0から信頼を得なくてはいけない」という環境変化を、「最大限の貢献をする事」で打破した。 
当初、私はインド人部長に全く信頼されず、部の会議にも呼ばれなかった。しかし、唯一任された案件の輸入データ分析で、多数のノイズに気づいた私は「代理店から正確な情報を得たい」と部長に直訴した。そして、インド全国の代理店20社を訪れた結果、部長に名指しで仕事を任されるまでになった。

引用:三井物産エントリーシート

【解説】
このESでは、インド人から信頼関係を得るための努力が書かれています。当初は会議に呼ばれないなど、戦力としてみなされていなかったようですが、数多くの代理店に足を運ぶ等、与えられた案件の中から自身にできることを最大限行うことで、部長からの信頼を勝ち得ることに成功したようです。つまり内定者Hは、自身が変化することで、「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行える」ことや、「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」ことを学ぶことができたようです。

 

最後に、三井物産で成し遂げたいこと、すなわち志望動機に関して取り扱っていきたいと思います。

内定者I

私は【日本の病院の治療以外のサービスを拡充する】という思いがあります。これは私が小学生の時に入院したことや祖父が昨年長期間入院した時に、病院での生活は単調なように感じたため上記の目標を持ちました。貴社は病院経営コンサル会社や、実際に病院経営を行うIHH社に出資するなど医療分野に強みを持っています。貴社の持つ多くの関係会社と医療分野を融合して患者に治療以外のサービスの提供することに挑戦したいです。

引用:三井物産エントリーシート

【解説】
この内定者は、病院のサービス向上に寄与したいという夢を持っているという点で、総合商社を志望する学生のうち、「入社後の志望部署が決まっている者」ということができるでしょう。自分や身内が入院した際の経験を織り交ぜることで、説得力が高まっていると思われます。それと同時に、総合商社には「配属リスク」が存在することもまた事実であるため、「もし病院事業を行う部署に配属されなかった場合はどうするのか」という質問が投げかけられることも想定して、面接対策をすることが必要でしょう。

 

内定者J

自らが渦の中心となり、世界中の様々な価値観を持った人々と一つのことを成し遂げること。 
上記のフットサルチームのキャプテンとして練習内容・戦略を提案し、その提案が結果に結びつくことにやりがいを感じてきた。また、一人では手に届かない目標をチーム全員が同じ志で目指す。そして達成したときの達成感をチームで共有することはこの上ない喜びであり、このやりがいを仕事でも継続させていきたい。

引用:三井物産エントリーシート

【解説】
内定者Iとは異なり、この内定者は入社後の希望部署に言及することはしていません。しかし2人のESで共通していることに、自身の「経験」をしっかりと織り交ぜていることが挙げられます。すなわち、学生時代のフットサルチームでの経験から、率先してリーダーシップを発揮し、周囲との協力を通じて事業を行うことが、彼の成し遂げたい夢のようです。希望部署にまで言及していない分、配属リスクに関する質問には答えやすい志望動機ですが、「三井物産で具体的に何がしたいか」という問いかけがなされた際、上手く答えられなければ、企業に対する理解が足りていないと思われてしまう可能性があります。そのため、三井物産が実際に行っているプロジェクトを調べ、興味がありそうな内容をしっかりとインプットすることを意識するといいのではないでしょうか。


選考について

最後に実際の三井物産の選考フローについて、見ていきます。参考にしてみてください。

-選考プロセス(総合職)-

エントリーシート&テストセンター→一次面接(個人)→二次面接(GD+面接+小論文)→最終面接(個人)

参考:三井物産 本選考情報

 

三井物産は、総合職と一般職で分けて採用活動を行っており、総合職の場合は、およそ120名ほど採用しているようです。

17卒採用のエントリーシートでは、設問が4問あり、それぞれに関して200字以内以内で簡潔に回答することが求められていたようです。またテストセンターに関しては、難易度がさほど高くない反面、圧倒的に時間が足りないケースが多いようです。厳しい時間制限を設け、その中で正答率を上げるトレーニングをするといいのではないでしょうか。

面接本番は、一次と最終のそれぞれにおいて「なぜ総合商社か」、「なぜ三井物産か」といったオーソドックスな質問がなされ、コミュニケーション能力並びに企業とのフィーリングの合致を見られていたようです。

また二次面接では、学生6人によるGDが行われた後、個人面接があり、GDの反省点や人柄を見極めるような質問が投げかけられるようです。GDでは、他者の意見に納得感を示しつつ、自分の意見もしっかりと伝えることができると高評価に繋がるようです。

 

最後に

いかがだったでしょうか。
今回は、「自由闊達」な社風で知られる三井物産を取り上げさせていただきました。昨今の資源価格下落に伴い、大きな損失を被った同社ですが、「人の三井」と呼ばれ、「個」の能力を最大限に尊重する同社のブランドは今後も健在だと思います。OB・OG訪問を通じ、同社の「ヒト」を知ることも大事ですが、この記事を通じ、少しでも事業内容の理解を深めていただけたら幸いです。 

 

photo by Rohan Gillett

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