アクセンチュアの特徴を解説!業績や社風から見る就活対策・企業研究

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最終更新日:2022年07月07日

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近年は、企業の経営や戦略立案にはITの力が必要不可欠となっており、ITに強みを持つITコンサルはこれからますます注目が高まる業界となっていくでしょう。そのようなITコンサル業界の中でも就活生の中で存在感が大きいのがアクセンチュアでしょう。

今回は「外資系ITコンサル大手2社「IBM・アクセンチュア」の違いとは?【強み・社風・選考比較】」も参考にしつつ、アクセンチュアの事業や社風、また選考についても掘り下げていきたいと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

セグメント別収益と事業内容

2015年度 売上  前年比
Communications,Media&Technology 63.5億ドル ↑7%
Financial Services  66.3億ドル ↑2%
Health&Public Services     54.6億ドル  ↑9%
Products 76億ドル ↑3%
Resources   49.9億ドル ↓3%
Other 0.17億ドル n/m
Total Net Revenues 310.47億ドル ↑3%

 

アクセンチュア内における業界グループは公共サービス・医療健康業、製造・流通業、通信・ハイテク業、素材・エネルギー業、金融サービス業の5つから成っています。素材・エネルギー業以外のグループでは前年より売上が増しており、トータルで見ても前年比+3%と売上を伸ばしていることが分かります。どのグループもバランスよく売上を計上しており、アクセンチュアは幅広い業界をバランスよく手掛けていることがこの表から読み取れると思います。

クライアント企業の経営課題を解決するシステム導入を提案したり、ITを用いた企業戦略を考えるのがITコンサルティングファームの主な業務です。ITコンサルティングファームは、企業戦略の策定・立案から実行・保守まで手がけていることが特徴です。以下では、アクセンチュアが手がけた過去の具体的なプロジェクトを紹介しながら、アクセンチュアの事業内容についてみていきたいと思います。

VISA

VISAとアクセンチュアは、クルマのダッシュボードに一度触れるだけでドライバーが商品の決済を行うことが出来る「コネクティッドカー」の試作モデルを協力して開発しました。

DELL

デルは、完全な受注生産方式を支えるための仕組みを、アクセンチュアとパートナーシップを組むことで短期間のうちに作り上げることに成功しました。

Directorate of Legal and Administrative Information(DILA)

フランスの法律・行政情報当局であるDILAは、国民が国内のどの公共サービスにでも容易にアクセスできるよう、情報が集積・保存されるクラウドを導入するプロジェクトを実行する際、パートナーとしてアクセンチュアを選びました。

事業内容から考えるアクセンチュアが求める人材

Y.W.
本質的にはお客様に「アクセンチュアと一緒に仕事をしたい」と思ってもらえるかどうかがカギで、我々が持っているアセットやナレッジに魅力を感じていただいていることですね。他社との比較評価をお客様におうかがいすると、スピード感や仕事に対するコミットメントの強さが評価されています。「本当に困っているとき、急いでいるときでもきちんと対応してくれるので、アクセンチュアとの仕事は安心感がある」とお客様からお伝え頂いています。

(中略)

 

入江
最後に、「こんな人と働きたい」というメッセージをお願いします。

 

D.S.
アクセンチュアはいまや5,000人規模の大企業となり、最近は優等生が多くなってきている気がします。真面目に勉強しているけど何かつまらないタイプが増えた感があるので、少々変わっていても尖っている人と仕事がしたいですね。


Y.W.
人材が画一的になるということはダイバーシティが失われるということであり、突然変異のような存在を抱えていないと組織として次のステージには行けません。我々も居心地のよい殻の中にこもったまま変化しなければ、自覚のないままに衰退してしまいます。組織に刺激を与え、変化を促すような人たちに入って来てほしいと思います。

 

引用:「コンサルタント座談会

ここからは、アクセンチュアが就活生に求める素質について、上記の引用文と過去の記事「ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?」を参照しながら考えていきましょう。

上記の引用記事では、アクセンチュアのY・Wさんは如何に顧客から安心感を得るかということを重視しています。コンサルタントである以上、クライアント先と信頼関係を構築する能力は必須といえます。また、Y・Wさんは組織に刺激を与え、変化を促すような人と働きたいと言います。コンサルティングファームの1社員として、自社に対してはもちろん、クライアントに対して組織に変革をもたらすことが求められ、そのためには組織内において新しい仕組みや企画を提案する力が必要になります。

また、コンサルタントはその業務の性質からプロジェクト単位で動くことになるので、自社以外の多くの関係者の中でリーダーシップを発揮し企業戦略の提案・実行を行うことになります。そのため、周囲の人の中でリーダーシップを発揮する能力も必要だと言えるでしょう。

以上をまとめると、

・関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる
・リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる
・今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することができる


以上のような能力が求められるでしょう。

アクセンチュアの社風について

永田
アクセンチュアというファームの特徴や優位性はどこにあるとお考えですか。

 


やはり、規模とカバレッジです。アクセンチュアはコンサルティングファームとしては世界最大級で、かつコンサルティングだけに留まらずお客様の業務を請負ってオペレーションも手掛けています。つまり戦略や計画をつくって提案するだけではなく、お客様と共に戦略を実践しながら、そこで得たノウハウをコンサルティングのための知見に昇華するというサイクルを世界レベルで回している会社なんです。また、グローバル企業としてのスケールメリットにとどまらず、各国の拠点が密接に連携し、世界中の英知を結集してプロジェクトを進めています。実際、東京オフィスでも多国籍なチームでプロジェクトに取り組んでいるシーンが多く見られます。官公庁も含む様々な産業を横断的にカバーし、業務や部門、役職を越えてサービスを提供しているという点も、あまり他の会社にはない特徴だと思います。CEOやCFO、CSOやCIOといった「CxO」のすべてに対応できるサービスの幅広さがあります。それを個人のキャリアという側面からから見ると、実に幅広いキャリアチャンスが社内にあふれ、あたかも大きな転職マーケットを内包しているかのようになっています。現場のコンサルティングを担当している人でも、自分から手を挙げて、必要なスキルを身につければ上流に行くこともできるし、製造業を担当するコンサルタントが金融業へ移っていくことも可能です。

 

永田
さまざまなキャリアを開発できる環境が社内にあるのですね。

 


私は以前からキャリアデザインという概念を大切にしていて、「自分のキャリアをデザインしたうえでアクセンチュアを活用してください」と社員に言っています。仮に自らのキャリアを実現するために必要な要素が社内になかったら、一度外部に出てそれを習得し、またアクセンチュアに戻ってきても構わない。社員のキャリアの中でアクセンチュアが活かされていることが大事なのです。

 

引用:「トップインタビュー

以下では、「外資系ITコンサル大手2社「IBM・アクセンチュア」の違いとは?【強み・社風・選考比較】」を参照にしながら、アクセンチュアの社風について見ていきたいと思います。

まず、組織という側面から見てみましょう。引用記事内でアクセンチュアはグローバル企業として各国に拠点があり、それらが密接に連携してプロジェクトを遂行していくとあり、そのことから組織としての連帯感は強いと考えられます。また、アクセンチュアは官公庁も含む様々な産業を横断的にカバーし、業務や部門、役職を越えてサービスを提供しているので、自らが携われる業務の自由度が高いと考えられます。さらに、仮に自分が習得したいスキルが社内で身につけられそうになければ一度社外に出てそれを習得し、再び戻ってくることができることから、個人という側面から見ると非常に自由な社風であると考えられます。

書類通過者のES解説

ここまではアクセンチュアの事業内容と求める人材について紹介してきましたが、以下ではそれらを踏まえ、アクセンチュアのESで書くべき内容について書類通過者のESを参照にしながら考察していきたいと思います。

エントリーシート設問


①「未来のアクセンチュアに必要なDNA」で最も共感しているものは何ですか。また、その理由を記述して下さい。(400-600字)

※未来のアクセンチュアに必要なDNA
・背伸びをしてでも目標に手を伸ばさずにはいられない
・自分も会社も世の中までも、変えたいと望む
・ここで成長したあとは「次のステージ」も視野に入れている
・チャレンジに、手加減をしない
・タフな状況も、先頭に立ち楽しめる情熱がある
・正しい判断のためには、上司との衝突も辞さない
・信念に基づき、主張し、実際にやりとげる
・チームワークの可能性を信じる
・多様な文化、相違する意見の中にこそ宝石があると知っている
・常に誠実さを失わず、言行一致の気概がある

②あなたが過去にチャレンジしたことの中で直面した最大の困難は何ですか?また、それに対してあなたが何を考え、どう対処したか、その経験が今どのように活かされているかについて記述してください。(400-600字)

③アクセンチュアで挑戦したいこと、実現したい夢は何ですか。(400-600字)

 

参考:
アクセンチュアエントリーシート
求める人材像

①では、アクセンチュアが学生に求める資質が、応募者に備わっているかどうかを確認する設問だと考えられます。共感した理由については、自らの学生時代の経験から得た学びなどを基に記述できればよいでしょう。

②では、学生時代頑張ったことと、その中での困難について聞かれています。学生時代の経験から導かれる自分の強みや学びが、アクセンチュアの求める資質と合致しているかどうかが問われています。

③では、いわゆる志望動機が問われています。志望動機は成し遂げたいことが志望企業と合致しているか、また成し遂げたいことが自身の経験から導びかれていて納得感があるかがポイントになります。

ここからは①〜③の設問に関して、アクセンチュアの書類通過者のESを参照しながら解説していきたいと思います。
まずは①の設問から見ていきましょう。

私は多様な文化が出会い、新しい価値を生み出した経験より、「多様な文化、相違する意見の中にこそ宝石があると知っている」というDNAに最も共感しています。私はイギリスに留学していた際、サウジアラビア人の友人の送別会の幹事をしたことがあります。この時、企画を手伝ってくれた友人は中国人、コロンビア人など、多様なバックグラウンドを持っていましたが、考え方の相違などがあり日本人の中でやるのと同じやり方でできず苦労しました。例えば、日本人以外はその日の気分で会への出欠を決めるため、事前に人数を把握しない、などの点が挙げられます。しかし、一方では企画をする中で、中国人の料理を持ち寄る習慣、コロンビア人のタンゴ演奏など、日本人では出にくい発想も集まり、結果的にはパーティーを成功裡に終わらせることができました。この経験から、多様な文化や相違する意見を持つ人との交流が自分にない発想をもたらし、均一の価値観で作られたものより興味深いアウトプットになる場合があることを学びました。そのため、このDNAに最も共感しています。

 

参考:アクセンチュアエントリーシート

解説

この通過者は、留学の際に企画した送別会を、各国の友人の慣習に戸惑いながらも彼らの価値観を取り入れながら成功させた経験を記述しています。外国人留学生のアイデアを取り入れながら企画を成功させたことは、まさに「多様な文化、相違する意見の中にこそ宝石があると知っている」というアクセンチュアのDNAに合致するものでしょう。

また、前述した「事業内容から考えるアクセンチュアが求める人材」で紹介した「今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することができる」能力も備わっていると考えられ、非常に評価できる内容となっています。

次に、②について見てみましょう。

学部時代、ベトナムで社会企業の経営改善のプロジェクトに挑戦した。支援対象は旅行客向けにかばんを作り、販売している中小企業だった。私達の役割はその売上を伸ばす方法を考え実行することだった。直面した最大の困難は企業の認知度が非常に低いことだった。来店したお客様に、「どこで店や商品のことを知ったか」と聞いたところ、9割のお客様が「店の前を通るまでこの店のことも商品のことも知らなかった」と答えた。そこで「なぜ認知度が低いのか」を探るため、旅行客の視点に立ちベトナムの空港から支援先企業に至るまでの過程をシミュレートした。すると、①旅行客は首都ハノイでどこに行くのかを決める ②一方、ハノイでは旅行客が支援先企業のことを知る機会がないということが分かった。そこで私はハノイに出回っている旅行客向けのフリーペーパーに商品を掲載してもらおうと考えた。周囲からは「難しい」と言われたが①日本人が編集に関わっているフリーペーパーを選び②困っていることを丁寧に説明して最終的には掲載を実現させた。この経験から「相手の視点に立って考えることの重要性」を学んだ。大学院に進学した現在、私は住民への調査をもとに京都府への政策提言に挑戦している。あるときは住民の視点に立ち「どうすれば調査に協力してもらえるか」と考え、またあるときは行政官の視点に立ち「どうすれば学生の提言を聞きたくなるか」と考えて、調査や提言を行っている。 

 

参考:アクセンチュアエントリーシート

解説

②では、前述したように学生時代の経験から導かれる自らの強みがアクセンチュアが学生に求める資質に合致していることを示す必要があります。この通過者は支援先の企業の売上向上という課題解決にあたって、旅行者の視点に立って施策を考え実行した経験から、「相手の視点に立って考えることの重要性」を学び、それが強みとなり他の場面でも応用できています。この強みは、「事業内容から考えるアクセンチュアが求める人材」で紹介した、課題やニーズを引き出し解決のための提案から実行まで行うことができる能力と合致するものであり、評価できる内容でしょう。

また「ベトナムの空港から支援先企業に至るまでの過程をシミュレート」し具体的な解決策を考え出していることから、具体的な方法論にも触れられており納得感があります。

最後に、③に関して見ていきましょう。

アクセンチュアで挑戦したいことは、公共部門や医療機器・介護ロボットを製造する企業のコンサルティングであり、夢は高齢化に対応できる社会を実現することだ。以前、祖父母が要介護状態に陥った際、家族に大きな負担がかかり、母が非常に苦労していたことから現在の介護の在り方に疑問をもつようになった。学部時代は自分なりに介護の現状について調べ、①日本では急速に高齢化が進行していること ②高齢者をどう支えられるかが社会問題になっていることを知った。これを踏まえ大学院では高齢者福祉についてより深く勉強した。その過程で①社会全体から見ると高齢者福祉は行政が支えていること ②その公共サービスには莫大なコストがかかっていること ③現場レベルで見ると高齢者福祉は介護福祉士等のマンパワーに依存していること ④しかし高齢者が増えすぎてマンパワーだけでは限界があること4点を学んだ。そこで、今後日本が高齢化に対応するには、①公共サービスのコストを下げていくこと ②マンパワーに代わる介護ロボットや医療機器の普及を促進することの2点が必要であると考えるようになった。こうしたことから現在はコンサルティングを通じて公共サービスの効率化、介護ロボットや医療機器の普及に挑戦したいと考えている。将来的には高齢化に対応した社会を実現し、そのモデルを高齢化に直面している世界の国々に発信していきたい。

 

参考:アクセンチュアエントリーシート

解説

③では、前述の通り成し遂げたいことが志望企業と合致しているか、また成し遂げたいことが自身の経験から導びかれているかがポイントになります。この通過者は医療・福祉業界に関わる企業のコンサルティングをすることを望んでおり、まさにそれはアクセンチュアで成し遂げられることであるので、成し遂げたいことと志望企業が合致しています。「なぜ医療・福祉業界ではだめなのか」という点に関しては面接で聞かれる部分だと思うので、しっかり準備しておく必要があるでしょう。

また、祖父母の介護に苦労する母を見てきた自身の経験から成し遂げたいことが語られており、非常に納得感があります。この点も評価できると思います。

選考について

最後に、アクセンチュアの選考方法について見ていきましょう。

アクセンチュアは戦略コンサルタント、ビジネスコンサルタント、デジタルコンサルタント、ソリューション・エンジニアの職種ごとに採用を行っています。

◆選考プロセス

 

・戦略コンサルタント
エントリーシート・Webテスト→3日後くらいに連絡→GD(当日通過連絡)→一次面接(その場で通知、日程調整)→ケース面接(その場で通知、日程調整)→最終面接(一週間後に内定連絡)

 

・ビジネスコンサルタント
エントリーシート、webテスト(一週間以内に連絡)→グループディスカッション(一週間以内にメールで連絡)→1次面接(その場で合格と言われる)→2次面接(1週間以内にメールで連絡)

 

・ソリューションエンジニア
エントリーシート、Webテスト(締め切りの1週間後に連絡)⇒GD(選考の3日後に通過のメール)⇒一次面接(面接の翌日通過のメール)⇒最終面接(面接の翌日内々定のメール)

 

参考:アクセンチュア本選考情報

書類選考を通過するとグループディスカッション、面接と選考が進んでいきます。コンサルタントの場合、面接の場でケース問題を解かされ、それを基に面接を行うのでケース問題対策は必須でしょう。グループディスカッションでも、「与えられたお題に対して一人で論理的に結論を導ける力」の有無が選考通過を左右するので、この点を考慮してもケース問題対策が有効でしょう。

ケース面接以外の面接では、ESに沿った質問や、志望動機や学生時代の経験を問うオーソドックスな質問が多いようです。しかし面接官によっては「アクセンチュアはネットで評判が悪いがどう考えているか」といった質問などの変化球が投げられてくることもあるようです。

オーソドックスな質問にはもちろん、変化球に対しても自己分析と企業研究にしっかり取り組めていれば落ち着いて答えることが出来ると思われるので、事前の準備は怠らないようにしましょう。過去の選考情報から過去の質問をリストアップし、それに対して答えを考えておくというのも非常に有効な手だと思います。

最後に

いかがだったでしょうか。今回はコンサル業界でも大きな存在感を放っているアクセンチュアに、事業内容、求める人材、選考方法など様々な面からフォーカスしました。

今回の記事がアクセンチュアの選考に臨むにあたって役に立てれば幸いです。

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