【業界研究】海運業界の海上職・陸上職別の仕事内容を徹底解説│働き方も紹介

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最終更新日:2022年02月16日

海運業界と聞いて、航海やそのサポートとして具体的にどのような仕事をしているか説明することができますか?

仕事内容を理解することで、自分がその企業で働く上でどのような場面で活躍することができるかをアピールすることができます。

本記事では、海運業界の仕事内容と働き方について解説します。

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そもそも海運業界とは

そもそも海運業界とは海運業界とは、一言で言えば日本の貿易を担っている業界です。

日本は島国であるため、海外と物品をやり取りする際、空路か海路を経由しなければなりません。四面を海に囲まれた我が国では、貿易量(輸出入合計)の 99.6%(2019 年、トン数ベース) を海上輸送が占めています。このことからも、日本の貿易を担っているのは海運業界であるということができます。

海運業界で取り扱う海上輸送は「内航海運」(国内)と「外航海運」(海外)に分かれており、コンテナ船やタンカーなど、様々な種類の船を目的によって使い分けることで最適な輸送を行なっています。

海運業界の仕事内容

海運業界の仕事内容ここまでは海運業界とはどのような業界かということについて紹介しました。

このような業務を行うために、海運業界には(1)航海士(2)機関士(3) 陸上職の三つの部門があります。以下では、海運業界の三つの部門に関して解説していきます。

海運業界の仕事内容(1)航海士

印象に残っているのは、航海士として経験したパナマ運河での通狭です。私としても、乗船していたLPG船「SUMMIT RIVER」としても、初めての通狭となりました。必要な書類や甲板設備は何かといったように、準備段階から苦労したことを鮮明に覚えています。ただ、準備や通狭中のオペレーションは難しかったのですが、まるでアマゾンクルーズのようなワクワクする景色を見た時は、それまでの疲れがどこかに飛んで行ってしまうほど感動したものです。自分たちで調べ、考え、工夫した仕事だからこそ味わえた達成感や高揚感は、何にも代えがたいものでした。

引用:川崎汽船新卒HP

航海士は船が目的地に到着するための業務を請け負っている役職です。一般的に三等航海士、二等航海士、一等航海士が存在し、その船で最大の責任を負う船長も航海士に分類されています。

主な業務は船の状況管理や現場指揮などで、船の内部や貨物の管理や、航路の決定、航海機器の整備を行っています。

航海士として入社すると、まず会社の用意した養成講座を受講することになります。航海に十分な知識と技術が備わったと判断され、初めて乗船し貨物の運搬に関わることができます。

海運業界の仕事内容(2)機関士

三等機関士として、ボイラや造水器などの運転および保守整備を行なっています。またつい先日よりディーゼル発電機の担当となり、上位職業務の経験中です。整備作業は事前に予定を立てて計画的に実施していますが、予期せぬトラブルが発生した際には昼夜問わずに対応し、船の運航に支障がないよう業務にあたっています。なお業務は機関室内に留まらず、船内の空調や冷凍機器、電気設備、また調理機器など、乗組員の生活の「当たり前」を維持しています。現在は海技教育機構に出向中であるため、担当機器の整備作業だけでなく、実習生への講義、レポート課題や試験問題の作成および採点なども担当しています。

引用:日本郵船新卒HP

機関士は船の設備を保守整備を請け負う仕事です。航海士が船の進路に対して業務を行うのに対し、機関士は船の動力や設備に対する業務を担当しています。航海士同様、三等機関士、二等機関士、一等機関士が存在し、船のシステム管理の責任を負う機関長が機関士の最高責任者にあたります。

主な業務は機器トラブルへの対処や危機管理で、航海士の立てた航海予定が正確に遂行されるよう、船のメンテナンスを行っています。

機関士も養成講座が用意されており、必要な知識と技術を身に着けたのち航海に出るという流れになっているようです。

海運業界の仕事内容(3)陸上職

私は元々海外で仕事がしたいと思い、商船三井に入社しました。現在は結婚して子どもが一人いるのですが、出産前はインドの現地法人への短期研修、そして油送船部の海外駐在(シンガポール)も経験し、まさに思い描いていた通りのグローバルワークに携わる機会を得ました。今は育児と仕事の両立に集中しているところですが、共に働く仲間たちの手厚いサポートもあり、どちらも犠牲にすることなく、前向きに取り組むことができていると思います。いつかまた、海外と密接に関わる部署で働きたいですね。当社にはジョブローテーションをはじめ、多様なキャリアパスがあり、さらには充実した女性支援制度も整っているので、必ずまたグローバルワークの機会を得られると思っています。

引用:商船三井新卒HP

海運業界における陸上職は、実際に航海に出ることなく、運送プロジェクトの遂行や他国とのコミュニケーションを行う、航海のサポート業務をメインとしています。

サポート業務とはいっても、新規案件の獲得や現地調査など、航海そのものの下準備をすべて請け負う業務となっているため、責任感や推進力が求められる業務といえます。

また、運送を実現させるために諸外国に対してアプローチを掛ける仕事も陸上職が担当しているため、高度な語学力が求められます。インタビュー内でも語られていますが、海外での仕事を担当することもあるため、グローバル志向の高い学生におすすめの仕事だということができます。

海運業界の働き方

海運業界の働き方ここまでの記事を読んで、海運業界でどのような仕事内容が行われているかわかったかと思います。海運業界では、様々な部門が分業して一つのプロジェクトを遂行しているのです。

ここからは、海運業界ではどのような働き方が可能なのかということについて解説します。海運業界で働いている人の実際の暮らしをイメージすることは、自分が海運業界に就職するイメージを具体的にすることに役立ちます。

海運業界の働き方(1)世界中を飛びまわって活躍できる

海運業界では、世界中の海を航海する海上職はもちろんのこと、他国との連携を図る必要のある陸上職にも海外出勤のチャンスがあります。

世界情勢から目を離すことのできない緊張感のある業務ではありますが、その分、語学や統率力、コミュニケーション能力を存分に発揮するフィールドが用意されています。

働く上で日本を飛び出して活躍したいという希望のある就活生にはもってこいの業界だということができます。

海運業界の働き方(2)ワークライフバランスが良い

海運業界の業務内容を知る中で、常に緊張感のある激務であるという印象を受けた就活生もいると思います。その印象から、「休みがないのでは?」「ブラック企業なのでは?」と思った方もいるのではないでしょうか。

実際に海運業界の業務は、海上職・陸上職のどちらも一つのミスで多くの人命や世界情勢を脅かしてしまうものです。それゆえに勤務中は緊張感を保っている必要があります。

そのため、勤務中の集中力を保てるように、休みを確保しやすい環境が整っています。特に海上職は、長期の航海が終わった後には長期の休暇を取得することができ、仕事の疲れを癒す期間が設けられています。

航海後に待っている長期休暇においても、家族との時間、旅に出る時間、自分の趣味を極める時間、遊びに没頭する時間などの中で、かけがえのない体験を重ねています。そしてそれらが自らの人生を豊かにしてくれています。これからも地球のスケールを体感できるこの仕事を心から愛しながら、成長していきたいです。

引用:商船三井新卒HP

海運業界は新卒の定着率が高いことでも有名で、「給料が高くて新卒が辞めない会社ランキング」では、海運大手三社は軒並み上位にランクインしており、働きやすさが数値として現れているということができます。

一見して「仕事漬け」のイメージがある海運業界ですが、実はオンとオフの切り替えがしっかり設けられている環境が整っています。

まとめ

海運業界まとめ本記事では海運業界の仕事内容と働き方について見てきました。世界をフィールドにメリハリを持って働くことのできる業界であるということが伝わったと思います。

海運業界の志望度が上がったという方は、ぜひunistyleの関連記事を読み、業界理解を深めてください。

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