【業界研究|公務員】国家公務員とは?試験内容・官庁訪問・総合職と一般職の違い・給料を徹底解説

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最終更新日:2021年06月29日

公務員の中でも高い人気を誇るのが国家公務員です。

unistyle業界研究シリーズ『公務員』の第3弾は国家公務員にフォーカスして進めていきます。

本記事を読むことで国家公務員の基本から国家公務員試験、官庁訪問など国家公務員に関する知識を身に着けることができるようになっています。

※本記事では国家公務員の中でも一般省庁(行政)に勤務する一般職にフォーカスして進めていきます。

企業研究

本選考とインターンの締め切り情報

国家公務員とは

国家公務員はその名の通り、公務員の中でも特に国家機関行政執行法人など日本の発展の為に働いている人たちを指します。

外交を務める外務省や国の教育の中枢である文部科学省などの名前は聞いたことがあるでしょう。

〇〇省という名前は聞いたことがあるとは思いますが、それぞれがどのような役割を果たしているか知っているでしょうか。次に示すのが国家公務員試験で受験することが可能である1府12省庁を簡単にまとめたものになります。

国家公務員|省庁
・人事院(国家公務員の人事管理などを担当)
・法務省(法の整備や出入国管理などを担当)
・内閣府(内閣官房のサポートなどを担当)
・外務省(日本の外交を担当)
・総務省(行政、選挙、情報通信などを担当)
・財務省(国庫の管理、税関の運営など)
・文部科学省(教育、スポーツなどを管理)
・環境省(環境の保全、整備など)
・厚生労働省(健康、福祉、労働、年金などを担当)
・防衛省(自衛隊の管理、安全保障など)
・農林水産省(農林水産業の発展、森林保全など)
・警察庁(国の公安を担当)
・経済産業省(経済・エネルギー資源の管理など)
・金融庁(日本の金融機能の確保)
・国土交通省(国土の開発・保全など)

国の中枢機関であることもあり、数多くの省庁があることが伺えます。

1つの省庁が1つの企業レベルで事業を展開しているので、自分がどの省庁に興味があるのか・働きたいのかを事前に調べておくようにしましょう。

国家公務員になるには

国家公務員になるにはその他公務員と同様に公務員試験を突破しなければなりません。また、試験を突破するだけで内定ではなく、官庁訪問と呼ばれる面接を突破することではじめて内定となります。

ここで、2019年度に実施された国家公務員総合職・一般職の試験概要を見て見ます。

【国家公務員総合職試験(大卒程度)】
・第一次試験日:4月28日
・第一次試験合格発表日:5月10日
・第二次試験日:筆記試験(5月26日)、人物試験(5月28日〜6月14日)
・最終合格発表日:6月25日
・官庁訪問(6月25日〜7月9日)
・内々定解禁:7月9日

【国家公務員一般職試験(大卒程度)】
・第一次試験日:6月16日
・第一次試験合格発表:7月10日
・第二次試験日:7月17日〜8月2日
・官庁訪問:7月11日〜7月16日、8月3日〜8月20日
・内々定解禁:8月20日
※2019年度は第二次試験と官庁訪問の日程が被っていました

総合職の内々定が7月、一般職の内々定解禁が8月になっています。民間企業の事実上の内々定解禁が6月1日からであることと比較すると1,2ヶ月ほど遅いことがわかります。

採用区分

国家公務員総合職試験には様々な試験区分が存在します。unistyleユーザーが受験するであろう区分は大卒区分、院卒区分のどちらかだと思われます。

また、それぞれの区分の中にもさらに受験方法によって区分がされているのが特徴です。

※一般職は総合職と異なり地域別の採用を実施していますが、詳細は後述します。

【国家公務員総合職採用人数(大卒区分・院卒区分合計)】
・行政:約60名
・政治、国際:約30名
・法律:約160名
・経済:約65名
・人間科学:約30名
・工学:約170名
・数理科学、物理、地球科学:約25名
・化学、生物、薬学:約40名
・農業科学、水産:約55名
・農業農村、工学:約20名
・森林自然科学:約30名

参考:公務員試験総合ガイド

自分が理系なのか文系なのか、文系ならば法律区分で受けるのか経済区分で受けるのかによって採用区分は変わります。

また、採用区分によっては官庁訪問で応募できない省庁もあるので事前に調べておく必要があります。

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試験科目

ここでは実際に実施される試験の概要の理解を深めます。2019年度に実施された大卒程度試験は次のようになっていました。

【2019年度大卒程度試験】
・第1次試験
基礎能力試験(2/15点):40題、3時間
専門試験(3/15点):40題、3時間30分

・第2次試験
専門記述(5/15点):受験区分によって異なる
政策論文試験(2/15点):1題、2時間
人物試験(3/15点):個別面接

参考:人事院 国家公務員採用総合職試験受験案内

また、TOEICやTOEFLなどの英語試験の結果次第では上の試験結果にさらに点数を加算することができるようです。

官庁訪問とは

総合職であっても一般職であっても国家公務員試験の場合、最後に官庁訪問を突破することで内々定を獲得することができます。例えるなら、1次試験・2次試験は官庁訪問をする為の権利を獲得するための試験であり、官庁訪問が国家公務員になるための最大の山場だと言えます。

「官庁訪問とは?」という質問に対して人事院が次のような回答をしています。

官庁訪問は、最終合格された受験者の皆さんが、志望府省 を訪問し、業務説明や面接などを受けるものです。民間企業 で言うところのまさに「採用選考活動」であり、面接等を通じて、志望する府省と皆さんとのマッチングが行われます。

引用:総合職官庁訪問ガイド2019

民間の採用選考活動と評しているように、官庁訪問では通常の面接に加えグループディスカッションなども実施されているようです。

官庁訪問では、約2週間近くかけて複数の省庁を見て回ることになります。試験の合格発表の翌日から官庁訪問が始まるので、試験に合格してから面接準備をするのでは間に合いません。

各省庁は官庁訪問が始まる前から説明会やインターンシップを実施しているので参加して理解を深めておくべきでしょう。

また、面接やグループディスカッションの基本は民間企業と通じるものがあるのでunistyleの記事を読んで事前準備をすることが可能です。

一般職と総合職の違いは?

国家公務員試験は大きく総合職試験と一般職試験の2つがあります。どちらも試験を突破して官庁訪問を実施しなければならないといった共通点がありますが、実施時期と試験科目が異なっています。

総合職は俗に言う「キャリア官僚」に相当します。省庁ごとに違いはあるものの、将来の幹部候補として政策企画・立案などを行います。一般職は主に総合職が立案した政策を実際に現場で実行する役割を担っています。

総合職と一般職とも仕事の中身に違いはあるものの、日本をよりよい国にするために働くという点では両者の間に大きな違いはありません。

一般的には総合職の方が一般職よりも出世のスピードが違う言われていますが、省庁によっては総合職と一般職の違いはなくなりつつあるという話も聞きます。

また、総合職や一般職の区分とは別に専門職と呼ばれる仕事もあります。こちらは総合職・一般職とは異なり配属先や職種が受験時点で既に決まっています。

特定の分野のスペシャリストとして国を支えたいという方の条件にあっている職種でしょう。

【国家専門職】
・外務省専門職
・国税専門官
・裁判所事務官
・航空管制官など

試験内容の違い

総合職と一般職とでは試験内容も違いがあります。

【総合職】
・一次試験:基礎能力試験、専門試験
・二次試験:政策論文試験(大卒)、政策課題討議(院卒)、専門試験、人物試験
・官庁訪問

【一般職】
・一次試験:基礎能力試験、専門試験(択一式)、論文試験(行政)、専門試験(記述)
・二次試験:人物試験
・官庁訪問

参考:STUDYing 国家公務員の総合職と一般職の違い

 総合職の学歴区分が大卒と院卒とで区別される反面、一般職は大卒程度、高卒者、社会人と区分されています。また、一般職の行政区分はさらに地域別に細分化されており採用人数も異なっています(北海道、東北、関東甲信越、東海北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄地域)。

加えて一般職の官庁訪問では、従来の本府省(経済産業省など)に加え出先機関(地方に設置される本省の補助機関)を選択することができます。

国家公務員選考体験記

こちらでは国家公務員の本選考とインターンに参加した学生の選考体験記を一部抜粋して紹介します。

貴重な選考体験記になりますのでぜひ一読ください。

国税庁(本選考:2020年)

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経済産業省(インターン:2018年)

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総務省(インターン:2015年)

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国家公務員の給料

国家公務員の給料はどれくらいなのでしょうか。

以前、【業界研究|公務員】公務員とは?試験内容・試験区分・給料・民間企業との併願について解説で平均686万円と紹介させていただきましたが、ここではより詳細な情報を見てみます。

【初任給】
・総合職(院卒):262,600円
・総合職(大卒):231,040円
・一般職(大卒):224,040円

【モデル俸給(年間)】
・係員(25歳):3,153,000円
・係長(35歳):4,536,000円
・本府省課長(50歳):12,533,000円
・事務次官:23,374,000円

参考:内閣官房内閣人事局 国家公務員の給与(令和元年版)

初任給は一般的な民間企業の給料と大きな違いは見られません。外資系企業や総合商社のようにいきなり破格の給料が貰えるわけではありませんが、堅実に年数と共に年収が増加していっているのが伺えます。

ただ、国家公務員の仕事内容や多忙度を顧みたとき決して高い年収であるとは言えないかもしれません。

さいごに

unistyle業界研究シリーズ『公務員』の第三弾である本記事では国家公務員にフォーカスして進めてきました。

国家公務員の仕事は日本という国を支える為に必要不可欠であり、その仕事の魅力から多くの学生が毎年志望しています。

本記事を通して国家公務員に興味を持った方はぜひunistyleを活用して納得のいく就職活動を送っていただけたらなと思います。

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