【鉄道業界就職志望者必見】仕事内容・動向・選考フロー等を解説

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最終更新日:2021年06月10日

鉄道業界とは、「鉄道を使用して旅客輸送または貨物輸送の運営に携わる鉄道事業を手掛けている業界」のことを指します。

また、鉄道事業を運営するだけでなく、多くの人々が集まる駅を起点として「不動産、小売業、ホテル、レジャー施設」といった事業の多角化を図っているケースが多くみられます。

本記事では鉄道業界の特徴や魅力、近年の動向などについてを徹底解説していきます。

企業研究



本選考とインターンの締め切り情報

鉄道業界の大手企業一覧


鉄道業界には皆さんご存知のJR東日本、JR西日本や東京メトロから各地方を運行している私鉄在来線まで非常にたくさんの会社があります。

国土交通省の資料によると、日本には鉄道会社が204社存在しており、鉄道を運営することで国民の日々の生活を支えています。

今回の記事では、「JR」「私鉄」「地域別」の3つの観点から鉄道業界の会社について解説していきます。

JR

JR各社はもともと日本国有鉄道(通称「国鉄」)という政府が100%出資する事業団体でしたが、1987年の国鉄民営化に伴い、地域ごとの6社とJR貨物の計7社に分割されJRになりました。

現在はJR北海道・JR東日本・JR東海・JR西日本・JR四国・JR九州・JR貨物がそれぞれ独立して事業を行っています。私鉄に比べて事業範囲が広く、総合職は転勤する可能性も考えらえるでしょう。

私鉄

民間の資本で運営されてきたのが私鉄です。私鉄はJRに比べて地域に密着する形で存続してきました。

各企業が持つ路線の人口拡大や価値上昇を狙い、鉄道事業以外の様々な事業にも力をいれている企業が多く、鉄道を中心とした「地域活性化」を目指しているのが私鉄の特徴です。

私鉄の中の代表的な企業として、東急東武電鉄小田急電鉄東京メトロ近鉄グループホールディングス名古屋鉄道などがあります。JRに比べて事業範囲が狭く、転勤する可能性が少ないと考えらえるでしょう。

地域別

更に、鉄道業界は地域ごとに区別することもできます。土地を所有して鉄道運営を行い運賃収入を得るというビジネスモデルが主な収入源のため、所有する路線近辺の土地の価値や人口は企業に大きな影響を与えます。

  • 東日本首都圏
    →(JR)JR東日本・JR北海道、(私鉄)東京メトロ・東急・小田急電鉄・東部鉄道・西部鉄道・京王電鉄・京浜急行電鉄・京成電鉄・総武鉄道・富士急行・首都圏新都市鉄道・新京成電鉄・関東鉄道・江ノ島電鉄・横浜高速鉄道・秩父鉄道
  • 中部地方
    →(JR)JR東海、(私鉄)名古屋鉄道・長野電鉄・北陸鉄道・富山地方鉄道・伊豆箱根鉄道・豊橋鉄道
  • 西日本関西地方
    →(JR)JR西日本・JR九州・JR四国、(私鉄)近鉄グループホールディングス・阪急阪神ホールディングス・南海電気鉄道・山陽電気鉄道・広島電鉄・神戸電鉄・一畑電気鉄道・関西高速鉄道・京福電気鉄道
東日本首都圏(JR)JR東日本・JR北海道、(私鉄)東京メトロ・東急・小田急電鉄・東部鉄道・西部鉄道・京王電鉄・京浜急行電鉄・京成電鉄・総武鉄道・富士急行・首都圏新都市鉄道・新京成電鉄・関東鉄道・江ノ島電鉄・横浜高速鉄道・秩父鉄道

・中部地方(JR)JR東海、(私鉄)名古屋鉄道・長野電鉄・北陸鉄道・富山地方鉄道・伊豆箱根鉄道・豊橋鉄道

・西日本関西地方(JR)JR西日本・JR九州・JR四国、(私鉄)近鉄グループホールディングス・阪急阪神ホールディングス・南海電気鉄道・山陽電気鉄道・広島電鉄・神戸電鉄・一畑電気鉄道・関西高速鉄道・京福電気鉄道

以下の記事では、鉄道業界主要8社(JR東日本JR東海JR西日本東急東武鉄道小田急電鉄東京メトロ近鉄グループホールディングス)の営業範囲、事業内容、今後の展開、募集している職種等を解説しています。

鉄道業界の事業内容

鉄道会社の収益源ですが、大きく分けて運輸(鉄道)事業関連事業に分類する事が出来ます。

鉄道会社の名の通り、従来はどの企業も運輸事業をメイン収益源としていました。しかし、近年人口減少に伴う鉄道利用者推移の鈍化や沿線人口の減少に伴い、事業の多角化が進められています。

主に規模の小さい私鉄が積極的に進めており、東急電鉄は全体の営業収益に占める運輸事業の割合が僅か2割しかない程、関連事業が稼ぎ頭となっています。

各社様々な事業展開を行っていますが、主に以下が挙げられます。

鉄道業界の主な事業内容
(1)運輸(鉄道)事業:所有する路線・鉄道の運営

(2)関連事業
→流通・サービス事業:駅チカ・駅ナカ施設・百貨店などの商業施設
→不動産事業:マンション・宅地開発
→リゾート・レジャー事業:観光エリアの開発・ホテル・リゾート施設の運営
→その他事業:海外展開・IT事業など

次に、鉄道業界が行っている各事業について解説をしていきます。

運輸(鉄道)事業

運輸(鉄道)事業は鉄道業界各社の核であり、多くの企業で主な収入源となっています。この事業で、非常に重要になってくるのが安全対策です。バリアフリー設備の整備やホームドアの設置を行うことで利用者がより安全に乗車できるように、各企業は努めています。

技術系社員や駅員、車掌、運転士といった現業職員などの多くの社員がこの事業に携わり路線運営を行うことで、人々の生活を支えています。

また、JRが行う鉄道事業は、在来線新幹線の2つに分けることが出来ます。

【JRが行う鉄道事業】
在来線の代表例:山の手線・中央線

新幹線の代表例:東海道新幹線・九州新幹線・北陸新幹線

まず、在来線について解説します。在来線の代表例として、JR東日本が所有する山手線があります。JR東日本は、首都圏に利用人口の多い様々な路線を持っており、それらは大きな収益源となっています。

また、JR九州は各地に観光列車を走らせ、人気を博すなど各社独自の展開を行っています。その一方で、地方には多くの赤字路線が存在しており、その運営をどう維持していくかという課題に直面しています。

次に、新幹線について解説していきます。新幹線は、JRのみが展開している高速鉄道であり、東京と大阪を結ぶ東海道新幹線を擁するJR東海は鉄道事業による収入の大半を新幹線が占めています。

九州新幹線は開業から5年ほどですが、JR九州の鉄道事業における収入の3分の1を占めるなど大きな収益の柱に成長しています。また、JR西日本の北陸新幹線開通によって北陸地方は大きな盛り上がりを見せました。‌新幹線は大きな利益をもたらすことから、JR各社だけでなく全国の自治体の期待も非常に高くなっています。

‌そして、今後の大きな目玉となるのが2027年に予定されているリニア中央新幹線の開通です。この事業は中部地方を拠点としているJR東海が行っており、東京-大阪間を約1時間結ぶ新ルートの開通は大きな経済効果を生むことが期待されています。

こういった事業には技術系の社員のみならず、事務系の社員も関与します。工程の管理や用地買収、また資材調達も文系社員の仕事です。リニアのような国家レベルのプロジェクトは文理を問わず様々な人たちが関わりながら進められています。

流通・サービス事業

流通・サービス事業では主に商業施設の開発や運営を行っています。特に、百貨店事業駅構内の商業施設はその代表例です。

(1)百貨店
鉄道業界の中でも私鉄は、百貨店に代表される小売店を多数手がけています。東急東急百貨店や、‌小田急電鉄小田急百貨店など多くの私鉄は関連事業として百貨店の運営を行っています。

路線を開発し鉄道を運営するだけでなく、駅付近に百貨店を建てることで更なる収益を得るというビジネスモデルが日本で発達してきました。日本における百貨店は、呉服屋発祥か鉄道会社発祥かで大別できるほどこのビジネスモデルには長い歴史があります。

(2)駅構内の商業施設
‌弁当や軽食を販売している小型売店のキオスクは全国に展開されているほか、JR東日本ではニューデイズというコンビニエンスストアが多くの駅に出店され、利便性を高めています。

これ以外にも駅ナカと呼ばれる、駅構内に展開する商業スペースを積極的にリニューアルするなど商業施設の収益拡大が進められています。‌

不動産事業

路線を持つということはすなわち、土地を所有するということになります。そのため、鉄道業界各社は所有する土地や不動産の有効活用のために様々な事業に取り組んでいます。

また、観光地やレジャー施設を取得し、それらの収益不動産と自社の路線を繋ぐことで両方の収益を増やすという施策も行われています。

(1)不動産事業
不動産事業は沿線人口の増加によって鉄道事業の収益につながるとともに、不動産事業単体でも大きな利益を上げている場合が多く、私鉄を中心に収益の重要な柱となっています。

‌不動産事業の利点は、事業単体での売上のみならず、沿線人口や駅利用者の増加によって鉄道事業との相乗効果も望める点です

具体的な例として、東急の田園都市線とその沿線の開発が挙げられます。

田園都市線沿線の高級住宅街というイメージは、東急のブランディング戦略によって生まれたものです。沿線を高級住宅街としてブランディングし、鉄道事業、不動産事業で大きな収益を上げています。

(2)リゾート・レジャー事業
私鉄を中心に鉄道業界では鉄道利用を促すために、リゾート・レジャー施設を運営する場合があります。戦前に阪急電鉄が宝塚歌劇団を設立したのがこのビジネスモデルの先駆けと言われ、数多くの私鉄が人々が電車を利用する目的を創出してきました。

近年の代表的な例が、東武鉄道の東京スカイツリーです。東京スカイツリーに多数の観光客が訪れ、鉄道の利用者が増加しました。さらに、スカイツリーの開業によって周辺地域の価値が上昇し、そこで展開している不動産の収益増加にも貢献しました。東京スカイツリーという施設を中心に、様々な事業の相乗効果で大きな収益を上げています。

その他

鉄道業界の行う事業は多岐に渡っており、鉄道事業・流通サービス事業・不動産事業ではすべて説明しきれません。この3つ以外に行っている事業のうち、ここでは代表的なものを2つ紹介します。

(1)海外事業
鉄道業界の中には、技術力やノウハウを活かし、海外にて事業を行っている企業もあります。具体例として、JR東海東急の海外事業を紹介します。

JR東海では、世界最高水準の高速鉄道に関する総合的な技術力を活用し海外展開を推進しており、現在アメリカの2か所(ダラス~ヒューストン間、ワシントンD.C.~ニューヨーク間)と台湾にて事業を行っています。

次に、東急では約100年の歴史の中で培った沿線都市開発のノウハウを海外に輸出しています。東南アジアを中心に5か所で都市開発から宅地・住宅開発事業まで行っており海外の地域価値向上にも貢献しています。

このように、日本の高い技術力を輸出することで海外でも活躍している企業は鉄道業界にも存在しています。これらの企業は、グローバル化の波を受け世界中の地域の価値向上に貢献する企業に変化していくかもしれません。

(2)IT事業
鉄道業界にも、ITの進化の波は訪れています。特に、ICカードを利用した電子マネー事業やクレジットカード事業などがその代表的な例として挙げられます。

JR東日本では、IT・Suica事業に経営資源を投入し事業領域を拡大、収益力を向上させることを目標としています。IT・Suicaサービス事業のうちSuicaの共通基盤化の推進施策として、これまでみずほ銀行と楽天との事業提携によるSuicaの外部提供を行っています。

今後も企業との提携等によってsuicaの利用範囲は拡大していくと考えられます。このように、IT・Suicaサービス事業の割合が増すことから、JR東日本は鉄道会社の枠を超え、社会のインフラを作り人々の生活に大きな影響を与える会社となっていくと予想できます。

鉄道業界を志望する人のおすすめ併願先


「地域社会の発展・活性化に貢献したい」・「人々の生活を支えたい」・「規模の大きな事業に関わりたい」
など、鉄道業界に興味を持っている、もしくは気になっている理由は様々だと思います。

ここでは鉄道業界の事業内容や業務の特性などを踏まえ、関連業界をいくつかピックアップしています。この記事を読むことで、「この業界も受けてもいいかも」と思う業界が見つかるかもしれません。

不動産ディベロッパー

鉄道業界各社は鉄道を運営するだけでなく、所有する駅の開発や沿線付近の価値向上のための施策まで行っています。

従って、鉄道業界の事業の中には、まちづくりをメインに行うディベロッパーの仕事内容と類似してる事業もあります。

実際に、現在行われている渋谷の再開発も東急が主導で行っています。鉄道業界の行うまちづくりは沿線価値の向上を目標として行っているため、1つの物件の開発をメインで行うディベロッパーに比べてより広い範囲の影響を考えることが出来るといえるでしょう。

unistyleでは不動産ディベロッパーに関する業界研究や選考対策記事を掲載しています。

不動産ディベロッパーに関するページはこちらから

その他のインフラ業界(電力・ガス・エネルギーなど)

鉄道業界も広く見れば「インフラ業界」の一部だと考えられます。そのため、鉄道業界を志す学生の多くが、電力・ガス・エネルギー業界などその他インフラ企業も併願することが多いでしょう。

他インフラ業界と比較して、鉄道業界の特色はやはり「輸送手段」である事でしょう。鉄道業界以外のインフラ設備に携わる業界は「支える」という側面が強い一方で、沿線の価値を向上させ地域経済を「活性化させる」ことができます。その点で、鉄道業界は他のインフラ業界とは異なる特徴があります。

また、鉄道業界が扱う「鉄道」という輸送手段は自動車、飛行機など他の輸送手段と代替えすることができます。その一方、電力・ガス・エネルギー業界は基本的に代替えができないインフラを取り扱っているので、鉄道業界に比べ安定しているといえるでしょう。

unistyleではインフラ業界に関する業界研究や選考対策記事を掲載しています。

インフラ業界に関するページはこちらから

その他の運輸業界(航空・物流など)

運輸業界の他の業界である、航空業界や物流業界も関連業界と考えることが出来るでしょう。鉄道業界ふくめ、運輸業界はヒトやモノを運ぶ手段に携わることが出来る業界と考えることが出来ます。

「利用者が安心して利用できるようなサービスを企画、開発したい」というように、仕事を通して相手に寄り添うことが出来るという点で航空業界との共通点があります。

また、「日本の輸送を支えることで日本経済を活性化に貢献したい」「震災時に輸送手段の重要さを感じた」といった理由を鉄道業界を志望する場合もあると思いますが、この志望理由の場合物流業界も当てはまるかと思います。

業界研究は、自分が志望する業界だけでなく、出来るだけ幅広い業界を見るようにしましょう。全体を見ることで、業界同士の繋がりがわかったり、業界への志望動機をより強めることができます。

unistyleでは運輸業界に関する業界研究や選考対策記事を掲載しています。

運輸業界に関するページはこちらから

業界比較については以下の記事もご参考ください。

鉄道業界の職種

ここでは、鉄道業界の職種について紹介しています。

企業によって募集している職種は異なりますが、大きく分けて、総合職技術職・その他の職種の3つがあります。職種によって、仕事内容や働き方が変わるため職種ごとの特徴を理解し、自分に合った働き方ができる職種を選びましょう。

総合職

鉄道会社の総合職は、最終的には本社で勤務することが多くなります。しかし、まずは現場の第一線から始め、数年ごとにジョブローテーションを積み重ねます。勤務地は営業エリア全域であることが多く、ジョブローテーションによって転勤が伴う場合もあります。

採用人数は少なく将来は経営の視点をもつことが求められるでしょう。また、総合職の中に技術系の仕事が入っている鉄道会社もあります。

技術職

鉄道会社の技術職は、主に技術面から事業を支え、電気・機械・土木・建築などの専門領域の知識を駆使して新しい価値を提供することが求められます。

現場第一線で鉄道の運営や開発に携わり能力を積み上げ、能力や意欲によっては管理や企画部門にも携わることが出来るため、幅広いフィールドで活躍するのが技術職だといえるでしょう。

その他の職種

(1)エリア限定職
営業エリアが広いJRなどの鉄道会社ではエリアを限定した職種もあり、地域を絞った採用のことをエリア限定職と呼んでいます。エリアが限定される採用であるため、遠方への転機がないことが特徴です。

(2)現業職
鉄道会社の現業職とは、鉄道の運行に関する現場担当の仕事です。鉄道業界では、一般職と呼ばれることもあります。運輸に関わる職種としては、駅員や車掌、運転士などがあります。

鉄道業界の年収

ここでは、鉄道業界の年収等の情報について解説します。「安定している」というイメージがあり就活生からも人気のある業界ですが、「安定している」とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか。

鉄道業界平均年収ランキング

まずは、JR主要3社と私鉄主要16社の平均年収ランキングを紹介します。

鉄道業界の年収はどれくらい?会社別・職種別平均年収など項目別に徹底解説でも述べている通り、ここでいう年収とは「基準内賃金・基準外賃金・賞与ボーナス」を含みます。つまり、「基本給・残業代・ボーナス・その他金銭面の手当て」の合計を指します。

各企業の平均年収に加え、平均年齢も記載しています。企業の平均年齢を知ることにより、「その企業で働き続けた場合、何歳頃に平均年収に到達できるか」が分かるでしょう。

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鉄道業界=安定は本当?

「安定している」といったイメージから就活生に人気な鉄道業界。しかし、みなさんは鉄道業界が安定していると思われているのがなぜなのか理解できているでしょうか。

ここでは、鉄道業界が安定しているというイメージを持たれている理由と、実際に「安定している」のかどうかについて、公共性の高さと人口減少というキーワードを基に検証しきます。

鉄道業界の安定というイメージの根源には、「簡単には潰れないというイメージ」があると考えられます。

その「簡単には潰れないというイメージ」は、鉄道という公共性の高い商品を取り扱っているために生まれるものだと思われます。

実際に日々の通勤・就学手段として電車を使用する人はいると思います。国勢調査によると、通勤に鉄道・電車を利用する人は全体の16.1%となっており、特に東京都内の鉄道・電車の利用者は都内全体のうち44.5%となっています。

例として、東京メトロの営業状況について解説していきます。東京メトロの公式サイトに明記されている営業状況によると、1日の乗車人数は平均758万人(2018年度)となっています。

従って、もしも東京メトロが潰れてしまい、地下鉄の運営がストップしてしまった場合には758万人に影響を及ぼすということになります。

このように、たくさんの人の生活を支えるインフラという側面があるため、鉄道業界は安定しているというイメージを就活生は抱いているということになります。

一方、鉄道業界の将来性を考える上で、人口減少という社会問題は避けては通れません。

鉄道を運営し、その路線を利用する人から得られる運賃収入を得るという流れが、鉄道業界のビジネスモデルとなっています。従って、その路線を利用する人がいなければ収益を得ることが出来ません。

現在、どの鉄道会社も人口減少という社会問題を受け、沿線人口の維持に注力しています。特に、都心部だけでなく地方にも路線を持つJR地方の私鉄はこの問題に対して対策を行っています。

また、国内の中では人口の多い東京などの都心部にも路線を持つ鉄道会社も、少子高齢化に伴う路線利用人口の減少という課題に直面しています。

そのため、資金力が低く利用人口の少ない鉄道会社は「安定している」とは言い難いのが現状で、業界の中でも主要な鉄道会社も運賃収入低下に伴い規模が縮小してしまう可能性も十分にあります。

鉄道業界の近年の動向

上記で述べたように今後人口減少の煽りを受け、本業である運輸事業で大きな収益を挙げる事は難しくなってくるでしょう。そこで鉄道会社が取り得る主な施策として、以下の4つが挙げられます。

鉄道業界の今後の施策
(1)事業の多角化を進める
(2)駅周辺施設の再開発
(3)安全対策
(4)海外展開を行う

(1)事業の多角化を進める

鉄道業界各社では、人口減少によって起こっている運賃収入の収益率の低下への対策のため、新たな収益源として非鉄道事業に注力する傾向が強くなっています。

事業そのものからの収益獲得だけではなく、沿線地域の価値を向上させ、鉄道利用者を増加させるといった役割も担っており、顧客の多様なニーズに応えるために、多様な事業を展開しています。

主な事業の内容としては、沿線住民の生活基盤となる不動産業(販売)や流通業、生活水準の向上を志向するレジャーサービス業などが多くの企業で展開されています。また、沿線企業のニーズに合致した、オフィスを中心とした不動産業(賃貸)も広く展開されています。

沿線地域における幅広い事業展開だけでなく、鉄道技術や沿線開発のビジネスモデルを活かした海外展開や新規事業開拓も積極的に行っている企業もあります。

(2)駅周辺施設の再開発

鉄道業界各社は路線人口の拡大のために、沿線地域や所有する駅付近の価値向上を積極的に行っています。

近年では人口減少に伴い路線の利用人口の減少が叫ばれており、利用人口の維持のためにも駅の開発や所有する物件の価値向上のための施策が引き続き重要視されています。

東急は現在、渋谷の大規模再開発を行っているだけでなく、2019年には南町田グランベリーパークを開業させるなど、沿線付近の開発を活発に行っています。

また、JR東日本では約半世紀ぶりの山の手線新駅となる高輪ゲートウェイ駅の開業とともに品川駅付近の開発も行うことで、駅付近の活性化に取り組んでいます。

(3)安全対策

バリアフリーや安全対策の強化も重要な課題です。高齢化社会が急速に進み、「多様性を尊重した社会」が叫ばれる中、エレベーターやエスカレーターなしの駅も少なくありません。また、ホームから線路に転落したり、電車に巻き込まれて人身事故になるケースが相次いでいます。

そのため、ホームドアの設置など安全対策が進められていますが、設置費用が高く、ダイヤの関係で工事可能な時間が限られていることから順調に進んでいません。安心して鉄道を利用できる環境をいかに早期に整備できるかは業界全体の課題です。

(4)海外展開を行う

前述の通り、鉄道会社各社は市場が縮小する国内だけではなく国外に機会を見出しています。

現在は主に鉄道システムの技術支援コンサルティングを行っていますが、今後は海外鉄道路線の運営や海外不動産の開発が活発になるでしょう。現に東急は経済成長著しいアジア新興国を中心に「街づくり」プロジェクトを手掛けています。

鉄道業界を取り巻く課題や社会情勢について、unistyleでは以下の記事にてより詳しく解説しています。

鉄道業界主要6社の総合職本選考フロー

ここでは鉄道業界の選考フローを紹介しています。2019~2020年卒でunistyleに投稿していただいた本選考レポートの中から、鉄道業界主要6社の本選考レポートを参考に作成しています。

ここでは、JR東日本・JR東海・東急・東京メトロ・小田急電鉄・近鉄グループホールディングスの本選考の流れについて紹介しています。

ここに書かれている選考フローはあくまで参考例です。そのため、今年の本選考でも同じフローで行われるとは限りません。企業の人事に確認したりするなどして今年の選考フローの確かな情報を確保することに努めましょう。

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鉄道業界から内定をもらうためには?


鉄道業界は採用数が少ないことや、安定しているイメージなどから毎年たくさんの就活生が志望する人気業界となっています。

そんな鉄道業界で内定を貰うためには上記の選考フローを潜り抜けなければいけません。

内定を得るまでのプロセスとはでも解説している通り、何社から内定を得られるかという内定数を因数分解すると下記の通りとなります。

内定数=(1)エントリー数×(2)筆記試験通過率×(3)グループディスカッション通過率×(4)エントリーシート・面接通過率

そこで今回は、上記の主要6社の選考フローの流れに従って、ES対策・Webテスト対策・GD対策・面接対策の4つに分けて選考対策について解説していきます。

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最後に

鉄道業界の会社紹介から始まり選考フローまで、鉄道業界の業界研究について詳しく解説してきました、就活生の鉄道業界に対する理解が少しでも深まったのであればunistyleの中の筆者としては幸いです。

また、鉄道業界各社の選考に興味を持った方のために、以下にご紹介するような鉄道業界の関連記事をしっかり理解してES作成や面接選考に臨みましょう。

鉄道業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介

鉄道業界向けLINEオープンチャットを紹介

unistyleでは業界別の就活用LINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。

実際に鉄道業界志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。

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鉄道業界の「選考対策」に役立つ記事

「JR東日本」の選考対策を行いたい方はこちらから
「JR東海」の選考対策を行いたい方はこちらから
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