【業界研究|ホテル】需要あり!ホテル業界の内容とトピック

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最終更新日:2018年12月26日

旅行や観光が好きな人の中には、その地の名所や食べ物だけでなく、ホテルを楽しみに旅行をする方もいるかと思います。豪華な客室や食事、温泉などホテルごとに特色があり、毎回わくわくすると思います。

今回はそんなホテル業界が実際何をやっているのか、どのような状況なのか、また今後どうなっていくのかを解説していきたいと思います。

観光業やサービス業に就きたい方はもちろんのこと、今まで興味を持っていなかった方にも参考にしていただきたいです。

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そもそもどのような企業があるのか

ホテル業界と言っても実際にどんな企業がホテル事業を行っているのか把握している方はそう多くはないと思います。そのため導入としてホテル業界の企業をいくつか紹介していきたいと思います。

まずは、現在ホテル業界の売上高ランキングにおいて1位を獲得している西武HDです。西武HDは「プリンスホテル」を中心に、シティホテルやリゾートホテルを展開しています。グローバルな展開もしていて今では国内外に71のホテル、総客室数は21,000室を超えるほどの規模感となっています。また、レジャーやスポーツ、アミューズメントにも力を入れており、ゴルフ場やスキーリゾート、水族館なども運営しています。

次に、皆さんも見たことや聞いたこともあるのがアパホテルや東横インでしょう。駅チカにあり、値段の安さから人気のあるホテルになっています。こちらはビジネスマン向けとも言えるでしょう。

また、帝国ホテルや星野リゾートなどは皆さんも聞いたことがあるかと思います。家族と行ったことがある方もいるのではないでしょうか。その他にもヒルトンやリッツ・カールトンなどの外資系も有名です。

このようにホテル業界は数多くの企業がひしめき合う業界とも言えるでしょう。

ホテル業界のビジネスモデル

ここではホテル業界がどのような仕組みでビジネスを行っているのか説明していきたいと思います。

ホテル事業は主に宿泊・レストラン・ブライダルの3つで収益を上げています。

宿泊

宿泊はやはりホテル事業のメイン収益となります。販売方法には2種類あって、直接販売委託販売があります。上記の図を参考にして下さい。

宿泊でより多くの利益を得るためには、客室稼働率を上げ、少しでも空室を作らないことが大切になります。客室の良さやサービスの質の高さなどのホテルとしての価値を高めることは勿論ですが、それ以外にも大切な要素が主に2つ存在します。

1つ目が新規顧客の獲得です。

数あるホテルの中から自社のホテルを選んでもらえるように、様々な手段を使って顧客の獲得を目指します。ホテル予約サイトへの出稿や広告の出稿といった広報活動から「クリスマス割引」や「誕生日割引」などの価格設定など、多種多様な方法で顧客の獲得を目指しています。

2つ目がリピーターの獲得です。

毎回違うホテルを利用する方もいれば、気に入ったホテルはリピートするタイプの方もいます。そのため、少しでもリピート率を上げることが収益の確保をする点では欠かせません。

リピーター獲得の代表的な手法としてはメールマガジンやDMによる案内の送付でしょう。皆さんの中にもホテルからメールが来たことがある方もいるかと思います。その他にはクーポンの配布もよく行われます。チェックアウト時にクーポンを貰うこともあるでしょう。最近ではデジタルマーケティングなどにも力を入れ、リピート率向上に努める企業も増えてきました。

レストラン

次にレストランでの収益について解説していきます。

ホテルのレストランは宿泊者以外でも利用することが可能になっており、特にクリスマスのような記念日には一ヶ月前でも予約が取れない場合があるくらい人気なホテルのレストランもあります。

ホテルの上層階にレストランを設置し、夜景が綺麗なことが強みであったり、有名シェフがいることを宣伝として顧客を集めていることもあります。また近頃では「アフタヌーンティー」も女性の間で有名になっています。レストランは収入源となるだけではなく、そのホテルのブランドにもつながることが大きいかと思われます。

ブライダル

最後にブライダルについて解説していきます。ホテルの中にはチャペルが併設されているものや宴会場をブライダル用に貸出している場合があります。

ブライダルは会場の使用料や飲食代だけでなく、その後の宿泊やレストラン収入につながることもあります。

ホテル業界の職種

ホテル業界と考えると、やはりフロントやウェイターなどのイメージが強いかと思われます。しかし、それ以外にも多くの職種があります。ここではそれらの職種を解説していきたいと思います。

まずは上述したような実際に顧客と携わるサービスです。サービスにはホテルを訪れた人の対応や接客を行うホールスタッフ、チェックインやルームサービスの手続きを行うフロント、客室の維持・メンテナンスを行う清掃係、支配人などが属しています。また、結婚式をトータルでプロデュースするブライダルコーディネーターのようなものもあります。

次に挙げられるのが営業・販売促進です。ここで言う営業は法人や団体、旅行代理店に向けてホテルの設備や宿泊プランなどのサービスの提案を行っています。

また、商品開発部門といったマーケティングを行う部門も保有しています。ここではイベントの企画やブライダルプランの立案・実行、市場調査などが行われています。

その他にも管理部門事業企画部門なども保有しています。

ホテル業界の現状と動向

ホテル業界は景気にかなり左右される業界といえるでしょう。また、外国人観光客をいかに取り込めるかが肝になる業界でもあります。ここでは大きな3つのトピックについて考えていきたいと思います。

訪日外国人客の増加

近年、日本への訪日外国人客は増加し続けています。2018年の10月時点でおよそ2,600万人が訪日しています。2017年よりも各月において高い水準を保っており、この推移は続くと考えられます。東京スカイツリーや渋谷ヒカリエの設立によって東京のホテルの稼働率が回復したことや、ビザの緩和などが近年の訪日外国人客の増加につながったと考えられます。また、2020年には東京オリンピック、2025年には大阪万博が開催されることもあり、より一層訪日外国人客が増加すると考えられるでしょう。

ホテルの開業ラッシュ

上述のように訪日外国人客が増加したこともあり、近年の大都市圏のホテルの稼働率は80%付近を推移しています。人気ホテルでは満室状態が続き、客室の平均販売価格も上昇傾向にあります。こうした動向から、都心を中心にホテルの開業ラッシュが相次いでいます。

先にもあげたヒルトンやリッツ・カールトンを始めとした外資系の開業、ホテルオークラや星野リゾートなどの国内ホテルの開業も相次いでいます。

ホテル業界の人手不足

ホテル業界は人手不足な状況にあります。

なぜ人手不足なのでしょうか。原因として2つ挙げることが出来るかと思います。

1つ目は、先ほども挙げたような訪日外国人客の増加です。訪日外国人客の増加により、宿泊者数が増加しています。しかし、宿泊・飲食サービス業の従事者は10年以上大きな変動がなく、人手が増えていない状況です。そのため、需要と供給が釣り合わなくなり、人手不足に陥っています。

2つ目が、離職率の高さです。ホテル業界が属する宿泊・飲食サービス業は他の業界と比較しても群を抜いて離職率が高いです。待遇の悪さや勤務形態が安定しないことなどが主な退職理由に挙げられます。また、アルバイトに頼らざるを得なくなり、それに発生する教育コストによる社員の負担増加も挙げることが出来ます。

こういった問題をどのように解決していくかが今後のホテル業界を決めると言っても過言ではありません。

最後に

ホテル業界は今後の動向から考えても追い風傾向にあると言えるでしょう。オリンピックや万博の開催による影響はかなり大きくなると思います。人手不足なこともあり、より多くの人員を必要とするため、業界全体的に目立ってくると考えられます。

サービスやエンタメ、観光に興味のある方はぜひ一度ホテル業界も考えてみて下さい。

photo by Tony Hisgett

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