【ケース】日本にある傘の本数を求めよ【BCG面接過去問】

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最終更新日:2023年11月01日

【ケース】日本にある傘の本数を求めよ【BCG面接過去問】

本選考とインターンの締め切り情報

今回はボストンコンサルティンググループの面接試験で出題された「日本にある傘の本数を求めよ」という問題について詳しく説明したいと思います。

1.前提条件の確認とアプローチ方法の選定

 

【前提条件】

日本国内にある全ての種類の傘の本数を数えるため、「普通の傘」、「折り畳み傘」、「日傘」の三種類の本数を全て求めます。

傘のある場所に注目して、「個人保有」、「店頭及び在庫」、「遺失物」の三つの場所のそれぞれの本数を全て求めます。

 

【アプローチ方法】

今回のケースでは傘のある場所に注目してそれぞれ下記の方法で計算したいと思います。

①個人保有:人口ベースから男女別の平均保有本数から算出します。

②店頭及び在庫:傘の需要と供給から算出します。

③遺失物:雨の降る日数及び紛失割合から算出します。

 

 

2.実際の計算

①個人保有の傘

尚、ここでの個人保有の傘とは、家庭においてある傘だけでなく、学校や会社などに置いている置き傘も含めて「個人保有の傘」として計算しています。

 

◆普通の傘

個人保有の傘は3種類の傘について、人口ベース(120百万人と仮定)から保有割合と平均保有本数を基に計算したいと思います。「普通の傘」については持っていない人はほとんどいないと考えられるため、保有率を95%、平均保有本数を3本とすると

 

普通の傘:120百万人×95%×3本=342百万本…a

 

◆折畳み傘

折畳み傘についてもかなり多くの人が持っていると考えられますが、通常の傘よりは保有率、平均保有本数も減ると考えられますので、保有率70%、平均保有本数を1本と仮定すると

 

折畳み傘:120百万人×70%×1本=84百万本…b

 

◆日傘

日傘については、男女別で保有率が大きく変わると考えられます。街中で男性が日傘をさしているのは中々、見かけませんが女性では一般的にみかけます。そのため男性の日傘保有率を5%、平均保有本数を1本、女性の日傘保有率を80%、平均保有本数を1本と仮定すると

 

日傘:60百万人×5%×1本+60百万人×80%×1本=51百万本…c

 

 

 

上記より、

a+b+C=477百万本が個人保有の傘の本数と考えられます。

 

 

②店頭及び在庫

傘は実際には店頭で売られているものを購入して、初めて個人保有の傘となりますので、まだ誰にも買われていない店頭や在庫に残っている傘も存在することが考えられます。店頭及び在庫の傘の本数については、実際に傘を買いたいという需要と供給が一致していると考え、傘の需要を求めて計算します。

傘の需要には、おしゃれや普通に傘を欲しいと思って買う場合と、雨が振ってきたけど傘を持っていないといったような場合に突発的に買う場合の二つが考えられますので、それぞれの場合の本数を計算します。

 

◆平時の需要

平時の需要に関しては、純粋に傘の耐用年数から年間の需要を求め、そこから店頭と在庫には何ヶ月分の傘があるかを考えて計算します。傘は頑丈なものであれば、中々壊れませんし、トレンドが大きく変わり流行の傘が生まれるということもありませんので、耐用年数を3年とします。店頭には大体1ヶ月分の在庫があれば十分だと考えられますので、店頭には年間需要の一ヶ月分があるすると

 

普通の傘(120百万人×95%÷3年÷12ヶ月)+折畳み傘(120百万人×80%÷3年÷12ヶ月)+日傘(60百万人×5%÷3年÷12ヶ月+60百万人×80%÷3年÷12ヶ月)=約6百万本

 

 

◆突発的需要

次に突然の雨で傘を買う必要があるといった場合の突発的需要を計算したいと思います。

突発的需要については年間の降雨日数と外出割合から外出者の延べ人数を計算し、その中で傘を忘れて傘の購入までする人の割合を仮定して計算します。年間の降雨日数は月平均で6回振るとして、年間72回、一度でも外出する人は70%、傘を忘れて実際に購入までする人を2%程度と仮定すると、

 

120百万人×72回/年×5%÷12ヶ月=約10百万本

 

となり、突発的な需要による店頭在庫は10百万本あると考えられます。

 

 

 

③遺失物

最後に、警察や店頭などで補完してある遺失物の傘の本数を計算して最後にしたいと思います。

遺失物については上記の突発的需要と同様に、年間の降雨日数と外出割合と、傘を忘れてしまう人の割合から計算したいと思います。尚、遺失物の管理期間は1ヶ月として、1ヶ月のうちに傘を受取に来る人も一定数存在すると仮定して計算します。年間の降雨日数及び、外出割合はそれぞれ72日と70%、傘を忘れる人の割合を2%と仮定し、忘れた傘を1ヶ月以内に取りにいく人の割合を10%と仮定すると

 

120百万人×72日/年×70%×2%×(100%-10%)÷12=約9百万本

 

 

 

④合計本数

これで日本国内にあると考えられる傘の本数は①〜③より、517百万本と考えらます。

 

①個人保有の傘:477百万本

②店頭及び在庫:16百万本

③遺失物:9百万本

 

 

3.検証

それでは実際のデータを用いて、上記の本数が本当に正しいのか検証してみましょう。

お客様生活文化研究所のアンケートによると、一人当たりの平均保有本数は4.84本とのことです。上記の推定では477百万本÷120百万人=3.98本と推定しているので、そこまで遠くない数字が出ています。

 

【お客様生活文化研究所アンケート】

 

次に傘の年間販売本数ですが、wikipediaによると100百万本〜130百万本で推移しているとのことです。上記の推定では店頭在庫の12倍が年間の総需要として計算していますので、16百万本×12ヶ月=192百万本となっており、こちらも値としては大分近い数字となっています。

 

【wikipedia 傘】

 

上記の外出割合などのパラメータを少しいじるだけで、より正解に近い数字は出るでしょう。パラメーターのそれぞれの要素を深堀し、論理的に正しいのかを自分で検証する癖をつけることも非常に大事です。今から意識して取り組むようにしましょう。

 

 

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