就活が圧倒的に有利になる!これだけは参加すべき16卒サマーインターン5選

57,834 views

最終更新日:2017年11月07日

就活が圧倒的に有利になる!これだけは参加すべき16卒サマーインターン5選

こんにちは。2015卒広告業界内定者のOです。

6月になり、リクナビなどにも多くのインターン情報が公開されるようになりました。インターンは本選考の練習にもなり、時に選考に直接有利に働くため、是非とも参加すべきだと思います。

一方で、自分の時間には制約があるため、どの企業のインターンに参加するかの選択は非常に重要です。

今回は、自身の経験や周りの友達の経験談をもとに、16卒の就活生にこれだけは参加して欲しいサマーインターンを厳選しました。

  ① 選考を受けるだけでも成長できる!

春からの本選考に向けて、選考を受けるだけでもタメになるインターン

  ② インターン参加時の特典が素晴らしい!

春からの本選考を有利に進めるための特典、あるいは直接内定が出るインターン

という2つの基準で厳選しています。

 

選考を受けるだけでも成長できるサマーインターン

◆ボストン・コンサルティンググループ リンク

3日間のワーク形式のインターン

面接の回数は2回で、その両方で外資系企業特有の「フェルミ推定」に関する質問がなされます。フェルミ推定は物事の考え方や、その伝え方という面で、身につけると非常に就活に強くなれます。中でもボスコンの面接では、うまくこちらの言いたいことや正答を導きだしてくれるので、是非選考を受けることをお勧めします。

 

◆DeNA 

4日間の事業立案型インターン

グループワークが→面接→プレゼンという選考過程。どの段階においても、「物事の根幹をとらえる姿勢」を追求されます。グループワークであれば、問題の根本原因は何なのか?であったり、面接であれば「君の根本の価値観は?」という深いところまで問われるので、より考える姿勢が身に付きます。倍率100倍との噂もありますが、選考を受けて損は無いです。

 

参加時の特典が素晴らしいサマーインターン

◆東京海上日動 

5日間の事業体験&ワーク形式のインターン

主な特典

①   参加者限定のセミナー・懇親会が開かれる

②   参加者には社員とのパイプができる(OBを紹介してもらえる)

③   参加者が優秀。インターン後の集まりも多い。

秋・冬にも同内容のインターンが開催されます。金融業界を目指す就活生はぜひとも参加してほしいインターンです

 

◆日本生命 

5日間の事業体験&ワーク形式のインターン

主な特典

① そもそも定員が多く、参加しやすい

② 参加者限定のセミナー・懇親会が開かれる

③ インターンに参加する事で、本選考時に優遇される

とくに③が重要です。面接のスキップや、社員の紹介などの優遇がされることがあります。

 

◆博報堂 リンク

6日間の講義形式&ワーク形式のインターン

主な特典

① インターン生限定のセミナー・懇親会が開かれる

② 参加者が超優秀

③ インターン生のための早期選考がある

インターン参加者は、冬に早期選考が受けられます。そこで落ちても、春からの本選考も受ける事ができるのでオススメです。

 

逆に、「うーん。。。」なサマーインターン

◆1DAYのサマーインターン

1DAYのものは「会社のことを知ってもらう」ということに重きを置いている場合が多いため、参加時の特典があまり期待できません。選考も無い、あるいはほとんど無いようなものということが多いです。

 

◆定員がとても多いサマーインターン

某損害保険会社や、某信託銀行などのように定員の数が非常に多いインターンだと、「なんとなく就活した気分」になってしまい、春からの本選考で痛い目を見ることがあります。参加するなら、ある程度定員を絞った競争率の高いインターンを目指すとよいでしょう。

 

★unistyleでは今回紹介された企業のエントリーシートも掲載中。

ボストン・コンサルティング・グループ

DeNA

東京海上日動

日本生命

博報堂

★その他インターン選考レポートも無料公開中。東京海上、博報堂、NTTドコモなど。

インターン通過者による選考レポート

photo by Rojs Rozentāls

おすすめコラム 4 件

 インターン・本選考で見かけた、学生からも落ちると思われる就活生の特徴5パターン インターン・本選考で見かけた、学生からも落ちると思われる就活生の特徴5パターン 16卒就活生です。広告代理店、IT業界を志望しています。就活はまだまだこれからが本番ですが、自身がベンチャー企業選考や、インターンシップに参加してきた中で、「コイツ…絶対に落ちるだろ」と就活生の自分でも思ってしまった【ヤバイ就活生】を紹介していきます。①「もしかしてあなたも面接官?」【GDで一度も発言しないミステリアス就活生】どの企業も選考を受けるときに必ずと言ってもよいほど、グループディスカッションが課せられます。基本、5,6人で30分、あるテーマについて議論するのですが、一度も口を開かなかった学生がいました。交わされる議論に頷くだけ、意見を求めても首を傾げるだけ、沈黙の時間が流れてました。主体性がないのか、やる気がないのか、そもそも受かるつもりで来たのか、謎に包まれた学生でした。参考:グループディスカッションを突破する上でまず最初に鍛えるべきたった一つの力②「運命共同体って理不尽だ」【目立ちたがり無能リーダー就活生】こちらもGD選考で遭遇した学生です。こういうタイプの学生は集団無理心中を謀ってくるので早めに対策はしたいところです。「とりあえず役割決めましょう!ぼく、リーダーしますね」「GDは目立てば通過できる」と勘違いしている就活生の典型型です。そういう人物に限って、議論の組み立て方が下手だったり、無駄にフレームワークを使って余計に議論を混乱させてしまいます。ちなみにそういう人とは次の選考やインターンシップで再会したことはありません。参考:地頭に自信の無い学生が編み出した、グループディスカッション生存戦略③「僕の才能、君には分かるかい?」作品を持ち込み披露する【自己満足就活生】某広告代理店インターンシップ選考のグループ面接で遭遇した学生です。自己PRで自分が製作した作品を披露し始めました。実際に作品を見せたほうが、具体性も出て、悪くない手法だとは思いました。しかし、その学生の作品は小学生レベルでした。面接官も周りの就活生もポカン顏、自身は満足げ。紹介する作品は、自分の主観だけに頼らず客観性を意識した方がよさそうです。参考:内定可能性を高めるために確認しておきたい自己PRに対する質問リスト④「$%#%#”%&☆」隣にいても聞き取れない、【滑舌悪すぎ就活生】こればっかりは出会った瞬間に、「落ちるな」と思ってしまう特徴です。彼らは熱く自分のことを語りますが、そのことは面接官に伝わりません。隣にいる私にだって伝わりません。なぜなら何を話しているか聞き取れないからです。おそらく、自分のことを吐き出すことに一生懸命になってしまって、重要な「聞く側の立場」を想像できない学生に多いみたいです。⑤「それは情熱の表現?それとも嫌がらせ?」面接会場中に響き渡る自己PR【間違った体育会学生型就活生】某大手IT企業の合同面接会で遭遇した学生です。パーテーションで仕切られて、1対1で行う面接形式でした。そんな中、会場に響き渡る大声で語り出す学生がいました。私は、控え室で待機していたのですが、それでもはっきりと聞こえるレベル。おかげで事前に聞かれる質問はチェックできましたが、他の面接者たちには迷惑でしかなかったと思います。参考:面接における10の心構え最後に以上の学生たちの共通点として、【相手が求めているものに気が回らず、それを伝えられない】ことが挙げられると考えます。また、偏った意見に固執していると感じました。就活でも何にでも言えることだと思いますが、コミュニケーションで重要なことは、「伝える」こと、ではなく「伝わる」こと、だと思います。これを意識するだけで今後の行動が随分変わってくると思います。いかがでしたか。自分が次選考に進んだ時も、インターンシップに参加する時も、挙げたような就活生に会うことはありませんでした。さすがに、就活生からも【ヤバい】と思われてしまうような学生は、仮に自分が面接官だったとしても通さないだろうなと思います。photobymayeesherr. 72,692 views
【ケース】日本のトイレットペーパーの市場規模は?【モニターグループ過去問】 【ケース】日本のトイレットペーパーの市場規模は?【モニターグループ過去問】 外資コンサル業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】外資コンサルの仕組み・大手企業ランキング・選考対策まで一挙大公開!2.【業界研究|コンサルティング】コンサルティングとは?から選考対策までを徹底解説3.【業界研究】外資コンサル大手企業一覧まとめ4.【業界研究】外資コンサルの年収ランキングを大公開!今回は過去モニターグループで出題された「トイレットペーパーの市場規模」について解説したいと思います。1.前提条件の確認とアプローチ方法の選定【前提条件】日本の人口は120百万人、男女ともに等しく60百万人ずついるものとします。【アプローチ方法の選択】年間市場規模は、一人当たりの年間トイレ回数×一回当たりのトイレットペーパー使用量×人口×1ロール当たりの単価をそれぞれ求めることで計算したいと思います。2.実際の計算ペーパーの一回の使用量についてはトイレットペーパーを一引きすると20cm出てくると仮定し、女性の「小」利用であれば、2引きで2回お尻を拭い(20cm×2引き×2回=80cm)、「大」の場合は、男女共に3引きで4回お尻を拭う(20cm×3引き×4回=240cm)と仮定しています。「小」は男女ともに一日4回、「大」は男女ともに一日1.5回と仮定としています。男性の私の感覚値として1ロールが1ヶ月で消費され、トイレ利用の半分が自宅以外で行われていると仮定すると、半分の15日で1ロール消費していることになります。ここから1ロール当たりの長さを求めると、240cm×1.5×15=540cmであり、約50mと仮定となります。※実際にはシングル60m、ダブル30mだそうです。すると男性は1ヶ月で2ロール、1年で24ロール、女性は1ヶ月で、(80cm×4+240cm×1.5)×30÷50m=4.08=4ロール一年で48ロール使用する計算となります。トイレットペーパーは1袋12ロール入のものを購入するのが一般的であると考えると男性は1年に2袋、女性は1年に4袋購入する計算となります。価格は12ロールで400円程度と仮定すると、400円×2袋×60百万人+400×4袋×60百万人=1,440億円と計算することができます。3.検証少し古いデータになりますが、富士経済研究所の調べによるとトイレットペーパーの年間市場規模は約1,300億円なので、かなり近い値で推定することができました。今回のケースでは、一ロールの長さ(50mと仮定)を自分の感覚値から何とか推定したところが一番のポイントとなります。フェルミ推定やコンサルのケース面接においては、わからなくても考え抜く力があるかどうかもよく見られています。是非最後まで諦めずに自分自身が持っている情報で推理できないか考えてみて下さい。【富士経済研究所】【ケース問題を解く上で必読の3冊】東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート――「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!過去問で鍛える地頭力外資系コンサルの面接試験問題【余裕があったら読んでおきたい+2冊】戦略コンサルティング・ファームの面接試験―難関突破のための傾向と対策ビル・ゲイツの面接試験―富士山をどう動かしますか?photobyamyshuff外資コンサル業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】外資コンサルの仕組み・大手企業ランキング・選考対策まで一挙大公開!2.【業界研究|コンサルティング】コンサルティングとは?から選考対策までを徹底解説3.【業界研究】外資コンサル大手企業一覧まとめ4.【業界研究】外資コンサルの年収ランキングを大公開! 27,594 views
【17卒必見】15,16卒就活経験者が分析する17卒就活スケジュールの実態 【17卒必見】15,16卒就活経験者が分析する17卒就活スケジュールの実態 こんにちは。16卒の総合商社内定者です。私は15卒、16卒いずれの就活も経験しており、16卒の就活スケジュールの改正により大打撃を受けた学生のうちの一人です。実際に15卒の際の就活の経験が16卒の就活に大いに活き、そこで17卒の就活生になにか有意義なメッセージを遺せればと考え、筆を執る経緯に至りました。そしてここまで読んだ人はお気付きかと思いますが、17卒においても就活スケジュールの変更がありましたね。面接の解禁が8月1日から6月1日に変更になりました。さて、まずは時系列順に17卒の就活で予想される事柄を追っていきたいと思います。外資系選考・日系ウィンターインターン「大学3年12月〜大学3年2月」外資系の選考は大学3年の夏から本格化しており、内々定出しも順調に行われます。ウィンターインターンからスプリングインターンになると外資系の採用もいよいよ大詰めです。実際に選考の練習をすることや自分が本選考で受ける企業に見切りをつけるという意味でもなるべく多くのインターンにチャレンジして欲しいと思います。さらに外資系の選考に参加してくる学生は極めて高学歴が多く、非常にレベルの高い仲間が選考を通じてできると思います。私自身も強い志望度ではありませんでしたが、ゴールドマン・サックスを筆頭とする外資系投資銀行やマッキンゼー・アンド・カンパニーを筆頭とする外資系コンサルティング・ファームなどの選考にチャレンジしました。そこで会った意識の高い学生とは内定先は違えど、今でも密に連絡を取り合う仲となっています。広報活動解禁、説明会の開催「大学3年3月1日〜大学4年5月」経団連に加盟している日系企業のプレエントリーが3月1日に開始します。0時からプレエントリーが可能となり、三菱商事や東京海上日動火災や三菱東京UFJ銀行などの就職人気ランキング上位の企業は採用HPの回線が混雑します。これは非常な奇妙な光景に思えます。しかし馬鹿にしていると、気付いた時には説明会の枠が埋まってしまうこともあります。ただ、そこまで焦ってたくさんの企業にプレエントリーをする必要があるとは思えません。自分が興味を持った業界幾つかに絞ってプレエントリーをしておくといいでしょう。また、実際に説明会においてどのように行動したら良いのかを下記のコラムで紹介しています。合同企業説明会で説明ブースに座ってはいけない3つの理由面談、ES提出、水面下の採用活動「大学4年4月〜大学4年5月」16卒であれば5月頃になるとセミナーという名の少人数座談会であったり、リクルーター面談であったり、水面下の採用活動が開始していました。私自身も16卒では大手日系企業から7月頃に「内々定という扱い」という意味深な通告を受けた経験があります。17卒では内々定出しが6月1日から始まることを考えると、早い段階から水面下の活動が始まると予想できます。セミナーからリクルーター面談に進むルートは企業によってまちまちで毎年少しずつ変わるため、自分の志望する業界に合わせた正確な情報を収集するようにしましょう。内々定出し「大学4年6月1日〜」15卒までは総合商社のボスである三菱商事が内々定を出すとほとんどの企業は選考を終えるといわれていましたが、16卒に関しては最初から商社落ちの学生を狙い、8月の後半から9月にかけて勝負するような戦略を最初から考えていた企業も見受けられました。また大手の金融などは現在でも追加募集を行っています。17卒であれば6月1日からの面接および正式な内々定出しは短期決戦になる業界と長期決戦になる業界で二分化されると考えられます。また16卒では大手金融、大手商社などでオワハラが横行したので、それに対する耐性もつけていきたいところです。下記のコラムでは16卒において実際にオワハラを受けた学生がオワハラの現状を綴っています。研修で拘束!選考辞退の電話!就活生が実際に受けたオワハラの実態内定式「大学4年10月」多くの企業は10月1日に内定式を開催し、正式な内定を学生に出します。しかし、16卒においては採用人数が予想を大きく下回った為に予定していた内定式を開催できなかった大企業もありました。また内定承諾書は法的拘束力を持たない為、10月1日の内定式に参加した学生であってもその後、就職活動を続けている就活生が多く見受けられました。17卒においても大量の内定を持つ学生が多く出てきて企業としては学生の囲い込みに必死になることが予想されます。勝負は3月1日以前から始まっている3月1日から経団連に加盟している企業のプレエントリーが始まるとはいえ、3月1日にプレエントリーをし、自己分析をし、業界研究をしているようでは外資系の選考でしのぎを削ってきた学生にさらに差を広げられてしまいます。できれば自己分析や業界研究は3月以前に終わらせ、3月1日以降のセミナーなどにはどの情報を掴みに行くのかを明確にした状態で臨みたいですね。また面接の解禁が6月1日になったことで3月1日から5月にかけての広報活動は例年以上に密度の濃いものとなるでしょう。今年も総合商社が軒並みインターンの開催を発表していることから3月1日以前から優秀な学生には唾をつけておくことが予想されます。インターンから本選考と同じ気持ちで臨みましょう。最後によくいわれることですが、就活は情報戦です。早慶の学生が就活に強いといわれる所以は卒業生から発信される情報基盤がしっかりとしており、本人達も質の良いコミュニティに属し、情報感度が高いからです。このように良いコミュニティに属し、質の高い情報を収集することは就活を優位に進める上で必須だと思われます。その為にもたとえ興味がなくとも外資系の選考や日系企業のインターンに積極的に参加することは重要だと思われます。photobyMartinThomas 19,627 views
不動産2トップ、三井不動産と三菱地所の牙城を崩したのはあの企業。その背景には綿密な経営戦略が!? 不動産2トップ、三井不動産と三菱地所の牙城を崩したのはあの企業。その背景には綿密な経営戦略が!? 1月の今日この頃、就活生は業界研究・企業研究に勤しんでいるかと思います。そこで、今回は就活生からの人気の高い不動産業界の大手企業6社を、各社が発表した2020年3月期第二四半期決算を基に分析してみました。IR情報・第二四半期決算などと聞くと、「IR情報で企業研究って難しそう」と思う就活生も多いかと思います。本記事では、IR情報の基本知識と各社のセグメント別の営業成績を、IR情報に馴染みのない就活生にもわかりやすく分析・解説しているので、業界研究・企業研究・他社比較に役立てていただけると幸いです。◆「IR情報」とはIR情報とは、英語でInvestorRelations、日本語では「投資家向け広報」と呼ばれるもので、企業が投資家向けに経営状況や財務状況、業績動向に関して発信している情報のことを指します。就活生がIR情報を分析するメリットとしては、定量的な数字で企業研究をすることができ、今後の注力する事業領域などを垣間見ることができます。◆年度の数え方IR情報での年度表記は、その年度の通期決算をする時期で表記します。例えば、「2020年3月期」という期間は2019年4月1日から2020年3月31日を指します。◆「第二四半期」とは一年間(12か月)を4つに分割した3か月の期間を四半期と呼びます。その年度の4月から6月末までが第一四半期、7月から9月末までが第二四半期、10月から12月末までが第三四半期、1月から3月末までが第四四半期となります。そのため、「2020年3月期第二四半期」という期間は2019年4月1日から2019年9月30日までを指します。第二四半期決算では、その年度の第二四半期(4月から9月末)までの決算報告となるため、上半期の経営状況の指標として用いられます。また、Quater(四半期)の頭文字「Q」を使って、2020年3月期第二四半期を2020/3-2Qと表記する場合もあります。◆「営業利益」とは売上高から、原価と営業活動に要した費用(販売原価や人件費)を差し引いた利益のことを指します。◆「営業利益率」とは売上高に占める営業利益額の割合です。営業利益率が高いほど効率的な営業活動をしていると言えます。本記事の構成過去4年間の営業利益の推移【2020年3月期第二四半期決算】不動産6社の営業利益比較【住友不動産】マンション供給の「量」×「質」で、第二四半期決算3年連続首位!【三井不動産】賃貸・分譲・マネジメントとバランスよく増益。海外事業のさらなる拡大を目指す。【三菱地所】キャピタルゲインの計上時期が下半期にずれ込むも、通期予想では順調。依然丸の内ビル事業が牽引。【東急不動産】投資家向け不動産販売が不調も、住宅事業は好調。広域渋谷圏構想による渋谷再開発も順調に進行中。【森ビル】投資家向け不動産販売を抑えたことで、分譲事業が前年同期比-82億円と大きく減益。虎ノ門・麻布台プロジェクトに着工。【野村不動産】住宅事業の第四四半期ずれ込みにより大幅減益も、主力の都市開発事業は順調に推移。デベロッパー業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介まとめ過去4年間の営業利益の推移昨年度(2019年3月期通期決算)も含めた過去4年間分の営業利益の推移を示すグラフは以下の通りです。【期間の見方】2016年3月期:2015年4月1日~2016年3月31日2017年3月期:2016年4月1日~2017年3月31日2018年3月期:2017年4月1日~2018年3月31日2019年3月期:2018年4月1日~2019年3月31日上記グラフを見ると、三井不動産・三菱地所・住友不動産の営業利益が過去4年間で順調に推移していることがわかります。不動産業界のトップランナーは変わらず三井不動産。2017年3月期通期決算から三菱地所が次いで二番手。その2社を追いかけるのが住友不動産という構図です。昨年度の不動産業界4位は、過去4年間を通して毎年度微増している東急不動産でした。それに対し、野村不動産・森ビルの営業利益は過去4年間でほぼ横ばいの状況です。【2020年3月期第二四半期決算】不動産6社の営業利益比較【2020年3月期第二四半期決算】は以下の通りです。また、過去4年間分を合わせたグラフを作成しています。【期間の見方】2017年3月期第二四半期:2016年4月1日~2016年9月30日2018年3月期第二四半期:2017年4月1日~2017年9月30日2019年3月期第二四半期:2018年4月1日~2018年9月30日2020年3月期第二四半期:2019年4月1日~2019年9月30日【2020年3月期第二四半期決算】を、前年同期比で対比させてみると以下のようになります。住友不動産:1,375億7300万円(前年同期比9.8%の増益)三井不動産:1,186億400万円(前年同期比5.8%の増益)三菱地所:922億7600万円(前年同期比13.7%の減益)東急不動産:316億8200万円(前年同期比1.5%の減益)森ビル:305億円(前年同期比15.0%の減益)野村不動産:216億8400万円(前年同期比16.7%の減益)このグラフから読み取れることとして、最も大きなポイントが、住友不動産が【2018年3月期第ニ四半期決算】から3年連続で首位に立っていることです。住友不動産・三井不動産が前年度同期比で増益、東急不動産が微増、三菱地所・野村不動産・森ビルが減益という結果になりました。また、不動産業界全体に影響を及ぼすようなトレンドは以下のようなものが挙げられます。「2019年上半期、首都圏の新築マンション供給戸数減少も、平均価格は上昇」首都圏における2019年上半期の新築マンションの新規供給戸数は、前年同期(2018年上半期)の1万5,504戸から2,068戸(13.3%)減少の1万3,436戸で、上期としては3年ぶりの減少となり、「1992年(1万959戸)以来の低水準」となった。2019年下半期の供給戸数は2万3,500戸を見込んでおり、2018年下半期と比べ8.7%増加すると見ている。2019年上半期の1戸当たりの平均価格は6,137万円(同2.9%上昇)で、上半期としては2013年以降7年連続で上昇した。㎡単価は平均90.7万円(同3.7%上昇)で、平均価格と同様、7年連続で上昇した。【引用】「首都圏マンション市場動向」(不動産経済研究所)「2020年東京オリンピック後の不動産マーケットはどうなる?」2020年の東京オリンピック開催が決定したのが、2013(平成26年)年9月ですが、確かに、その位の時期から不動産マーケットは上昇傾向となりました。その時期から地価公示価格の地価変動率推移が一都三県を中心として上昇に転じています。(中略)東京オリンピック後に、リーマンショック級の世界的な経済危機といった不可抗力な事態の発生を除けば、不動産マーケット全体が暴落に転ずることは考えにくく、緩やかな後退をするエリア・分野や、極地的な上昇をするエリア・分野、底堅く平行線をたどるエリア・分野など、かつてないほど多極化した不動産マーケットの状況を迎えるかもしれません。【引用】2020年東京オリンピック後の不動産マーケットはどうなる?(三井不動産リアルティ)ここからは、各社ごとの営業利益の増減要因や今年度の通期予想などについて、【2020年3月期第2四半期決算】を基に分析していきます。【住友不動産】マンション供給の「量」×「質」で、第二四半期決算3年連続首位!住友不動産の2020年3月期第二四半期決算は1376億円の営業利益となり、前年同期の1252億円から9.8%の増益となりました。この結果、第二四半期での営業利益額は三井不動産・三菱地所を抑え"3年連続首位"に立ちました。今期決算分析前年同期比9.8%増益、第二四半期決算では不動産業界首位に立った住友不動産。その要因として考えられるのは、"販売事業の上半期集中"と"賃貸事業の好調"です。住友不動産の過去4年間の第二四半期決算を見てみると、販売事業の通期予想に対する第二四半期までの進捗率に変化があることがわかります。【販売事業の対通期予想進捗率】2016年3月期第二四半期:49%2017年3月期第二四半期:67%2018年3月期第二四半期:77%2019年3月期第二四半期:95%2020年3月期第二四半期:99%このように、2017年度3月期第二四半期から通期予想に対する進捗が上半期に集中していることが分かります。これは、後述する中期経営計画の「量を追わず利益重視で販売ペースをコントロールしていく」「競争激化の用地取得環境が続く中、『好球必打』で着実に確保する方針は継続する」という方針が関わっていると思われます。不動産業界全体として賃貸・販売の需要が集中しやすい第四四半期を待たずに「好球必打」で確実な利益を確保する戦略のため、通期予想の進捗が上半期集中になっているものと思われます。その結果、マンション供給戸数では不動産業界5年連続首位に立っています。また、供給戸数という「量」で首位であることに加え、今後は量よりも利益重視の方針により甘い値付けや値引きをしないで「質」を追い求めていくようです。そのため、三井不動産(分譲事業:347億円)、三菱地所(住宅事業:47億円)に対して、住友不動産の販売事業は464億円の営業利益を第二四半期で記録し、業界首位に立っています。※分譲住宅マンションの販売を行っている事業が、三井不動産では分譲事業、三菱地所では住宅事業、住友不動産では販売事業にあたります。【参考】「住友不動産、事業主別供給戸数で5年連続の全国・首都圏第1位」(日本経済新聞)マンション販売事業が住友不動産の一つの強みではありますが、セグメント別営業利益を見てもわかる通り、住友不動産の主力事業はやはり賃貸事業です。住友不動産は、三井不動産や三菱地所などのように所有物件の売却を繰り返し数百億円の利益を得るようなビジネスをせず、物件を所有し続け賃貸事業や販売事業に回しています。第七次中期経営計画(2017年3月期~2019年3月期)での東京都心への賃貸ビル投資という方針で開発した既存ビルが、昨今の東京都心でのオフィスビルの需要・空室率の低下・賃料の上昇という好調な市場環境の下で功を奏したことが好調の要因です。そのために、賃貸事業では既存物件の賃貸収益だけで、前年同期比61億円の増益、新規物件を合わせて賃貸事業では前年同期比65億円の増益の837億円の営業利益、39%という高い営業利益率を叩き出しています。住友不動産は、第二四半期決算発表後の通期予想営業利益を2,340億円と見込んでおり、これは三菱地所の通期予想の2,300億円を追い抜き、2,800億円を見込んでいる三井不動産に次ぐ業界二位に躍り出る可能性があります。下半期の住友不動産と三菱地所の動向により、不動産業界の情勢に変化が起こる年になりそうです。【参考】【住友不動産】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画住友不動産は2019年5月に第八期中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)を発表し、今年度はその初年度にあたります。経営計画の概要は以下の通りです。第八次中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)✔業績目標→中計最高営業成績連続更新、営業利益三か年累計7,400億円の達成(第七次中計+1,268億円、+21%)✔賃貸設備投資計画→収益基盤強化のため、東京都心における賃貸ビル投資を継続推進✔部門別業績目標→東京のオフィスビル賃貸を成長の柱に<事業戦略>①不動産賃貸→好調な市場環境に支えられた七次を上回る利益成長を目指す②不動産販売→七次で実現した高水準の利益規模を維持する③完成工事→リフォーム(新築そっくりさん)は、六次までの停滞から脱した七次の成長路線を継続する④不動産流通→グループの連携を一層強化し、九次以降の成長基盤を構築する住友不動産は、第八次中期経営計画において賃貸事業を継続的に成長させ、三か年累計の目標営業利益は第七次比+1,145億円の5,300億円としています。第七次中期経営計画(2017年3月期~2019年3月期)で投資した東京都心のビルが2020年3月期第二四半期では既存ビルとして大きな収益源となったことを踏襲し、継続的に東京都心の賃貸ビルへの投資を行うことでさらに収益力を強化させることで実現させる計画です。また、販売事業においては用地取得が激化している環境を踏まえ、量を追わず利益重視で販売ペースをコントロールし、「好球必打」で着実に確保する方針は継続することで、七次の利益規模を維持する方針です。【参考】【住友不動産】第八次中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)【三井不動産】賃貸・分譲・マネジメントとバランスよく増益。海外事業のさらなる拡大を目指す。三井不動産の2020年3月期第二四半期決算は1186億円の営業利益となり、前年同期の1121億円から5.8%の増益となりました。全社消去とは→各セグメントのどこにも分類できない営業利益・営業経費を加算したもの。今期決算分析前年同期比5.8%の増益の要因としては、賃貸事業・マネジメント事業の好調が挙げられます。賃貸事業では、日本橋・八重洲を中心としたオフィスビル、LaLaportやMITSUIOUTLETPARKなどの商業施設といった事業が、賃料改定と空室率の低下により、増益しました。(当期:782億円・前年同期比9.2%の増益/前年同期:716億円)三井のリパークやマンション管理などを手掛けるマネジメント事業も好調で、受託物件の増加により安定した収益に成長しました。(当期:288億円・全同期比19.5%の増益/前年同期:236億円)三井不動産は第二四半期決算発表後に、2020年3月期通期決算での営業利益予想を当初の予想よりも130億円上乗せの2800億円に上方修正しました。機関投資家向けの収益不動産の開発・売却を行う投資家向け分譲事業の営業状況が順調で、通期での分譲事業での営業利益を1240億円と見込んでいることが、通期予想の上方修正の要因となっています。住友不動産は第二四半期決算発表後に通期予想2340億円と見込んでいるのに対し、三井不動産は2800億円を見込んでいることから、三井不動産は通期での首位奪還を見込んでいます。【参考】【三井不動産】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画三井不動産が2018年5月に策定した中期経営計画「VISION2025」では以下の3点を重視して取り組んでいくと明言しています。主要な取り組み方針✔街づくりの一層の進化✔リアルエステートテック活用によるビジネスモデルの革新✔海外事業の飛躍的成長リアルエステートテック(不動産テック)とは→IoT機器やAIなどのテクノロジーを、不動産販売・賃貸・管理の仕組みに取り組むこと。上記の3点の取り組みの中から、三井不動産の強みである海外事業について取り上げます。2019年3月期通期決算での海外事業営業利益は554億円で他社と比較しても高く(三菱地所海外事業:269億円/2019年3月期)、三井不動産の2019年度連結営業利益のうち19.8%を占めています。2019年3月期における、ハドソンヤード(ニューヨーク)・テレビジョンセンター(ロンドン)の賃貸事業(オフィスビル)や、三井アウトレットパーク台中港(台湾台中市)などの賃貸事業(商業施設)などの竣工が海外事業の成長の一因と考えられます。三井不動産はVISION2025の中で、2025年までに連結営業利益に占める海外事業の営業利益を30%程度まで成長させる目標を打ち立てていることから、賃貸を中心とした海外事業がますます展開されていくと思われます。【参考】【三井不動産】VISION2025【三菱地所】キャピタルゲインの計上時期が下半期にずれ込むも、通期予想では順調。依然丸の内ビル事業が牽引。三菱地所の2020年3月期第二四半期決算は923億円の営業利益となり、前年同期の1069億円から13.7%の減益となりました。今期決算分析前年同期比13.7%の減益の要因は、キャピタルゲインの計上時期・国内分譲マンションの引渡時期の差異が考えられています。【キャピタルゲインとは】保有している資産を売却することで得られる売買差益のこと。キャピタルゲインに対し、資産を保有することで得られる収益(利息や配当)をインカムゲインといいます。三菱地所が保有していた不動産を売却したにも関わらず、その収益を第二四半期決算に計上できなかったために、前年同期よりも減益したと考えられています。キャピタルゲインを下半期に計上した際の取引状況は順調のようです。また国内分譲マンションの営業利益計上も下半期に偏重していることも減益の要因となっています。キャピタルゲインの上半期計上額は前年同期から90億円減益の120億円にとどまりましたが、下半期での計上にずれ込んだことで、下半期は前年同期から120億円増益の390億円、通期では前年度から30億円増益の510億円を予想しています。第二四半期決算だけを見ると三菱地所は不調かと思うかもしれませんが、しっかりと通期予想と併せてIR情報を分析しなければいけないことがわかります。セグメント別に見ていくと、三菱地所の主力事業はビル事業であることは一目瞭然です。連結営業利益の65.9%をビル事業が担っています。昨今の強いオフィス需要による追い風により、丸の内を中心としたビル事業では昨年度から53億円増益の1530億円の営業利益という通期予想になっています。その要因の一つである既存ビルの賃料の改定により、賃料収益の増益が2020年3月期第二四半期で22億円、通期予想で38億円に到達する見込みで、過去5年間で200億円超の増益を実現しました。丸の内のみならず、2019年8月には新宿駅直結ビルリンクスクエア新宿が竣工し、竣工時満室にて稼働しており、ビル事業は順調なようです。また、主力のビル事業のみならず生活産業不動産事業では、御殿場など6サイトのアウトレットで上半期収益で過去最高を更新し、前年同期から24億円の増益となりました。海外事業も好調で、アメリカのビルをリニューアルし2019年12月に全体竣工、リーシング内定率は95%となっています。イギリスでも保有物件を売却し、新規物件の建築工事にも着手しています。【リーシングとは】商業用不動産の賃貸を支援する業務のことで、物件に対するテナント付けや物件の収益性を高めるための一連の業務も含まれます。海外事業においても賃貸収益・キャピタルゲインの増加に伴い、前年同期より100億円増益の370億円という通期予想となっています。前述した通り、アウトレットを手掛ける生活産業不動産事業や海外事業が成長していることは間違いありませんが、連結営業利益の65.9%を占めるビル事業が依然として三菱地所の屋台骨を支えています。三菱地所は第二四半期決算発表後に通期予想2,300億円の営業利益を見込んでいます。これは、通期予想2,800億円を見込んでいる三井不動産、2,340億円を見込んでいる住友不動産に次ぐ三番手となっています。今年度の三菱地所は昨年度の2位から一つ後退し、住友不動産に抜かれる可能性があります。【参考】【三菱地所】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画2020年3月期は三菱地所の中期経営計画の最終年度に該当し、第二四半期決算発表ではその目標に対する予想営業利益も提示しています。今回の中期経営計画は以下の通りです。三菱地所グループ中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)✔丸の内エリアを中心とする大型プロジェクトの竣工・稼働寄与→開発・運営ノウハウ、ブランド力を最大限に発揮し、確実な収益を獲得✔海外事業の拡大・進化→三菱地所グループの競争力を発揮できる事業スタイルに注力し、利益成長を実現✔「回転型投資」のバリューチェーン活性化→優良物件の供給を通じ、売却益を獲得するとともに、多様なフィービジネスを展開三菱地所の中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期の3年間)に対して、各指標が無事に着地する見通しであると決算発表会で述べています。生活産業不動産事業で目標比-20億円、投資マネジメント事業で目標比-40億円と当初の目標に到達しないと予想しています。しかし、中期経営計画において注力すると明言していたビル事業では目標比+150億円、海外事業では+80億円、キャピタルゲインは目標比+130億円と予想しています。そのため、連結営業利益では目標比+100億円の2,300億円に到達すると予想しており、今回の中期経営計画は無事目標に到達する見込みです。【参考】【三菱地所】三菱地所グループ中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)【東急不動産】投資家向け不動産販売が不調も、住宅事業は好調。広域渋谷圏構想による渋谷再開発も順調に進行中。東急不動産の2020年3月期第二四半期決算は316億円の営業利益となり、前年同期の322億円から1.5%の減益となりました。今期決算分析前年同期比1.5%の減益となりました。この要因の一つとされているのが、前年同期比-24億円となってしまった都市事業の不調です。投資家向けビル等売却収益が減益したため、都市事業の減益に影響したようです。この都市事業では、東急電鉄沿線エリア、特に渋谷を中心に都市開発を進めてきました。今期は渋谷ソラスタ、渋谷フクラスが竣工、渋谷駅桜丘口地区再開発も10月に着工し、開発ペースは順調の様子です、減益した都市事業とは違い、住宅事業では前年同期比+24億円と好調で、さらに分譲マンションの引渡時期や物件売却が第四四半期に集中する傾向にあるため、第二四半期時点では通期の計画に対して順調に進捗しているそうです。第二四半期決算発表後の通期予想は、当初の予想よりも100億円上乗せの820億円を見込んでいます。通期予想800億円を見込む野村不動産や、620億円を見込む森ビルなどと比べると、東急不動産が一歩抜きんでるかもしれません。【参考】【東急不動産】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画今年度は東急不動産の中期経営計画「ValueFrontier」(2017年3月期~2020年3月期)の最終年度に当たり、近年の東急不動産の経営計画がどのように決算に影響していたか考察していきます。ValueFrontier✔関与アセット拡大✔新たな需要創出3つの成長戦略(1)ライフスタイル提案型の街づくり→【広域渋谷圏構想】(2)循環型投資事業の領域拡大→インフラ・インダストリー・ホテル・リゾート・学生レジデンス(3)ストックの活用強化東急不動産が強みとしている渋谷において【広域渋谷圏構想】を打ち出し、東急グループ全体での渋谷再開発を進め、個別プロジェクトの開発からエリアマネジメントや管理・運営までを含めたグループの独自性を打ち出す街づくりを進め、関与アセットの価値を高めます。また、太陽光発電事業、風力発電事業などの再生可能エネルギーへの投資も積極的に行っています。この中期経営計画では、2021年度3月期通期決算までに950億円の連結営業利益を目標としていますが、今期の通期予想が820億円に留まっているため、目標達成に向けてさらなる追い上げが必要になりそうです。【参考】【東急不動産】ValueFrontier2020【森ビル】投資家向け不動産販売を抑えたことで、分譲事業が前年同期比-82億円と大きく減益。虎ノ門・麻布台プロジェクトに着工。森ビルの2020年3月期第二四半期決算は305億円の営業利益となり、前年同期の359億円から15%の減益となりました。今期決算分析今期決算全体では、前年同期比-54億円・15.0%減益の305億円となりました。この大きな要因が分譲事業での前年同期比-82億円の大きな減益が挙げられます。その中でも特に、投資家向け不動産販売事業が前年同期比-181億円の減益となっています。森ビルは通期予想でも分譲事業で前年度比-66億円と見込んでいます。森ビルは2019年8月に虎ノ門・麻布台プロジェクトに着工しました。他にもグローバルビジネスセンターの形成を予定しています。ここから、森ビルが所有している物件を新規プロジェクトに回すために、投資家向け不動産販売事業を抑えたことが要因かと推測できます。他の不動産が用地を取得してから再開発するのに対して、森ビルは六本木ヒルズや虎ノ門、麻布など高稼働・高単価の物件を港区に多数所有しており、その土地を再開発しているために用地取得コストがかからず事業効率が良くなっています。実際に、主力事業の賃貸事業では高単価の賃料と99%のオフィス稼働率(2019年3月期)があいまって、前年同期比+12億円の194億円の営業利益を出しています。この賃貸事業での営業利益利益率は25.2%と高いです。【参考】【森ビル】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料主要プロジェクト:「虎ノ門・麻布台プロジェクト」「ヒルズの未来形」「総事業費は六本木ヒルズの2倍の5800億円」メインタワー付近には、約700人の生徒が学べるインターナショナルスクールを誘致した。「ヒト・モノ・カネを呼び込むには、外国人が働き、住み、学べることが重要だ」(森ビルの辻慎吾社長)。虎ノ門や六本木エリアには外資系企業が集積し、今回のヒルズのオフィステナントも半数が外資系企業になる予定だという。働くだけでなく、子どもも育てられる機能を付加することで、海外の企業や外国人が集まる拠点にしていきたい構えだ。【引用】森ビル、虎ノ門「第2ヒルズ」に勝算はあるか(東洋経済ONLINE)森ビルが構想から30年を経て着手した虎ノ門・麻布台プロジェクト。その総事業費用は六本木ヒルズの2倍である5,800億円を投じる計画です。東京をさらなるグローバルな都市にするために、虎ノ門を「ヒト・モノ・カネ」が集まる街とすることが目的のようです。オフィス面積・居住可能人数ともに六本木ヒルズよりも規模の大きい開発を予定しているため、竣工予定の2023年以降にさらなる賃貸事業・分譲事業で増益が見込めますが、このプロジェクトの成否によって大きく左右されると思われます。【参考】【森ビル】虎ノ門・麻布台プロジェクト【野村不動産】住宅事業の第四四半期ずれ込みにより大幅減益も、主力の都市開発事業は順調に推移。野村不動産の2020年3月期第二四半期決算は217億円の営業利益となり、前年同期の260億円から16.7%の減益となりました。CREとは→CorporateRealEstateの略で、日本語では「企業不動産」という。企業が事業のために保有している事務所、店舗、工場、福利厚生施設などのすべての不動産を指す。今期決算分析前年同期比16.7%の減益となり、今回取り上げている6社の中で最も大きい減益率となりました。その大きな要因となっているのが、野村プラウドなどのブランドが有名な住宅事業での減益です。マンションと一戸建てを併せた今年度の予定計上戸数が5,100戸であるのに対して第二四半期までには997戸で、一見すると低調な進捗に思われます。しかし、今年度計上予定物件の多くが第四四半期に完成予定であり、通期の計上予定物件に対する第二四半期までの契約進捗率は81.8%と順調です。つまり、契約は取れているが、その物件の引き渡し時期が第四四半期に集中するため、第二四半期では大きく減益してしまったと読み取ることができます。野村不動産の主力事業は、オフィスビル賃貸や商業施設賃貸を行う都市開発事業です。2020年3月期の通期予想での連結営業利益に対する都市開発事業の営業利益は48.1%と野村不動産の利益の約半分を担っています。その都市開発事業の今期の営業利益は188億円・前年同期比+11.4%と好調に推移しました。これは、主に物件売却収入の増加が要因になっています。しかし、都市開発事業のオフィスビルや商業施設での第二四半期空室率は4.3%(前年同期比+0.4%)となっています。空室率の上昇は、オフィスビルや商業施設で空きテナントの割合が増加してしまい、その分の賃料収益が減少することを意味しています。ちなみに、三井不動産賃貸事業のオフィスビルや商業施設での第二四半期空室率は2.0%ですので、野村不動産のほうが2倍高いことが分かります。野村不動産は空室率の改善が今後の課題となりそうです。【参考】【野村不動産】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画野村不動産は2020年3月期~2028年3月期までの9年間にわたる中長期経営改革「NewValue,RealValue」を策定し、今年度はその初年度にあたります。経営計画の概要は以下の通りです。NewValue,RealValue✔連結営業利益:850億円(2022年3月期)(都市開発事業:330億円/住宅事業:330億円)✔分譲・売却事業国内・海外を問わず、分譲住宅事業及び収益不動産開発事業を積極的に展開し、開発利益の拡大を実現。✔保有・賃貸事業優良な賃貸資産の開発と戦略的な物件入替により、競争力の高い賃貸資産ポートフォリオを構築し、安定した賃貸利益を実現。✔海外事業国内で培ったノウハウを活かして事業を展開し、フェーズ3(2026年3月期~20228年3月期)における海外事業の利益比率を15~20%まで拡大。第二四半期で収益用不動産の売却収入が好調だったことで、都市開発事業での営業利益が全同期比+19億円の188億円となっています。今後も国内外を問わずに収益用不動産開発事業を拡大させることで、営業利益を330億円までに成長させる計画です。また、中長期経営計画では、海外事業の展開を示唆しています。すでに進出しているタイ・ベトナム・フィリピンなどの東南アジアでさらに事業を拡大させていくだけでなく、新たな国にも拡大し、2028年3月期までに連結営業利益に占める海外事業の割合を15~20%までに成長させていく姿勢です。【参考】【野村不動産】NewValue,RealValue(2020年3月期~2028年3月期)デベロッパー業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別のLINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際にデベロッパー業界志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。デベロッパー業界志望者向けグループに参加したい方はこちらをクリックまとめ今回は、不動産6社のIR情報を第二四半期決算を基にまとめました。第二四半期では、過去3年間住友不動産が首位となっていますが、その理由を紐解いていくと、住友不動産の中期経営計画に基づく賃貸事業での営業方針が要因の一つとして考えられます。このように各社の経営状況をIR情報を基に分析してみることで、企業ごとの経営方針や各事業部での好不調が見えてきます。さらに中期経営計画と併せて分析してみると、各社が今後注力していきたい事業領域も明白になってきます。第二四半期決算は短期的な実績に過ぎないため、あくまで現時点での各社の経営状況ということに留意した上で、企業研究・業界研究・他社比較に本記事を役立ててもらえればと思います。不動産業界研究科関連記事はこちらから不動産の業界研究記事一覧決算・IR情報に関する記事はこちら不動産6社に関する記事はこちら◆住友不動産◆三井不動産◆三菱地所◆東急不動産◆森ビル◆野村不動産下記の動画では不動産業界の全体像を紹介していますので、参考にしてみてください。 45,741 views

現在ES掲載数

77,622

すべて見れる

上に戻る

会員登録・ログインして全てのコンテンツを見る

無料会員登録