【業界研究|プラントエンジニアリング編】特徴・魅力・代表企業を解説

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最終更新日:2023年10月19日

【業界研究|プラントエンジニアリング編】特徴・魅力・代表企業を解説
こんにちは。プラントエンジニアリング業界内々定のTと申します。
今回は、就職を控えている学生の皆様に「プラントエンジニアリング業界」について紹介します。
私のことを簡単に自己紹介すると、「地方国立大学理系院生・自由応募・TOEIC500点・非留学・英語しゃべれない・非体育会系」という、ごく「普通」な学生です。スペックなんかぜんぜん高くありません。
内々定先はプラントエンジニアリング専業三社(日揮・千代田化工建設・東洋エンジニアリング)の中の1社です。就職活動中は上記3社とメーカー、広告代理店を受けていました。
今回は私自身の経験を元に"プラントエンジニアリング業界の業界研究に役立つ情報"を提供したいと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

プラントエンジニアリング業界を志望したきっかけ


この業界を知ったきっかけは、大学で開催された就職活動説明会で日揮内定者の先輩と話をしたことがきっかけでした。他にも多くの企業を見たのですが、一番仕事をアツく語っていた点が印象に残り、興味が湧いて業界を調べ始めました。時期はかなり遅く就職活動開始前の11月くらいからです。
もともと好奇心が強い割に飽き症であるため、学生時代は研究以外にも幅広い活動に手を出していました。その中でも団体運営など組織を通じて新しい事を企画し、遂行し、結果を残すという一連の仕組みをマネージメントすることにやりがいを感じていました。また、イベントを開催した際、自らの企画が多くの人々に貢献することにも感動を覚え、仕事でもその達成感を味わいたいなと思っていました。
こういった背景から「組織やチームで取り組み一つのプロジェクトを達成し、多くの人へ貢献できる(影響する)仕事」に関わり、受注産業であり「工学技術を集結させたカスタマイズ型の仕事」であるため、プラントエンジニアリング業界を志望しようと考えました。

プラントエンジニアリング業界とは


就職活動生にとってこの業界はマイナーだと思うので、簡単に説明します。


プラントエンジニアリング会社の仕事は、簡単にいうと「海外で工場を作る」仕事です。
エネルギー(原子力・LNG・ガスなど)・化学・製薬・鉄製製・水処理施設など「工場」とよばれるものは何でも作っていると思えば大丈夫です。
顧客は「国や化学メーカー、オイルメジャー」などの大きな組織が相手です。
参考:国際石油開発帝石(INPEX)のESと採用HPから考えるINPEXの求める人材 - 国際石油開発帝石(INPEX)選考対策 - 就職活動テクニック -
→資源開発の大手であるINPEX。プロジェクト事例からINPEXの求める人材を考察し、ES(エントリーシート)で書くべき内容を解説しています。参考資料として内定者のES回答集も載せてありますので是非ご覧下さい。

プラントエンジニアリング業界で働くメリット


実はこの業界って就職活動生が求めるものが多い業界なんですよ。
メリットを簡単にあげると、次の通りになります。
  • 確実に海外で働ける!
  • 事業規模のスケールがデカイ!
  • 給料が高い!
  • ロマン!(地図に残るものを作る)
  • スキルがつく(はず!)
それでは、上記の5つのメリットを一つずつ解説していきます。

確実に海外で働ける!

これは保証します。基本的に日本国内では工場を作ることはほぼなく、発展途上国を中心とした「何もない僻地」で働くことになります。
各企業も海外売上比率7割以上、赴任・出張は当たり前の世界です。この点は商社マンと似ています。嫌でも海外に行かされます。

事業規模のスケールがデカイ!

工場を作るビジネスモデルであるため、地球上で一番デカイ商品を売ることになります。
そのため、受注額も1000億円以上だったりと、スケールのデカイ仕事にかかわることができます。

給料が高い!

給料の話は大事なのでします。年収ラボで見ても平均年収1000万円弱の企業が多く(少なくとも上記の3社はそれくらい貰うそうです。)、この業界の特色として海外手当てが多い点があげられます。
若いうちから頻繁に海外(それも比較的危険なエリア)に行くため、手当てがつけられ給料は高くなります。
OB訪問で話した先輩によれば、海外1年間で3年分の年収を稼いだらしいです。また、部署によれば勤続年数の半分以上を海外で過ごす人も多いので、給料は自然と高くなります。

ロマン!(地図に残るものを作る)

やりがいについて話したいと思います。私がこの業界に興味をもったきっかけは「何もない砂漠やジャングルに1万人の人間、10万点の部品を集わせ、グーグルマップ上に載せる」というロマンを感じたことからでした。
また、発展途上国に貢献・社会基盤を支えるという人の生活に必要な食料・水・エネルギーの全てに関わる社会貢献度の大きさに魅力を感じました。

スキルがつく(はず!)

働いてないのでまだわかりませんが、よく学生さんの考える「成長」という面でも満たす点が多い業界だと思います。
◆語学力
社内外に外国人が多いためメール・文書・会議は一人でも外国人がいると英語です。必然的に英語を使う環境です。また、現場にいけば現地語も交えて労働者と協力しないといけないので、語学力は高くなります。
◆タフさ
体力的・精神的にかなりきつい業界です。現地の労働者と一緒に汗臭く泥臭く油まみれになって仕事をします。そして海外では週6、6時〜24時まで働きっぱなしが当たり前、宗教・文化・商習慣を受け入れながら仕事をするためカルチャーショックの連続です。多くの人がタフになるそうです。
◆コミュニケーション能力
この業界の仕事は長い期間で時間管理もままならない外国の方と納期どおりに仕事をしないといけません。
そのためマメな情報共有が必要不可欠です。グローバルレベルのコミュニケーション能力は身につくでしょう。
参考:総合商社内定を蹴ってエネルギー業界に就職をした理由と納得できる志望動機
→何故総合商社の内定を蹴りエネルギー業界へ就職したのか?理系大学院生のインタビューを掲載しています。
参考:海外出張への思いを語る東洋エンジニアリング内定者の回答 

プラントエンジニアリング業界大手3社とその特徴

ここでは、"プラントエンジニアリング業界には実際どのような企業が属しているのか"、そして"各企業の特徴"を紹介していきます。

 

今回は「日揮・千代田化工建設・東洋エンジニアリング」の業界大手3社を取り上げ、それぞれ紹介していきます。

 

日揮

石油・天然ガスプラントを建設するエンジニアリング業界の国内最大手企業が"日揮"です。

 

日揮は売上の80%以上を海外で占め、最近では、2018年にベトナムで同国最大級のメガソーラー建設プロジェクトを受注しています。

 

また、世界の30%のLNGプラントは日揮が建設したものとなっています。(2018年時点)

  • エンジニアリング業界の国内最大手企業
  • 売上の80%以上を海外で占めている
より詳細に「日揮」の企業研究を行いたい方は、こちらからご覧ください。

千代田化工建設

「日揮・東洋エンジニアリング」と並び、"エンジニアリング御三家"と呼ばれている企業が"千代田化工建設"になります。

世界中でプラントを建設し、「40ヵ国以上」で建設をした実績があるなど、世界ブランドとしても揺ぎ無い地位を確立しています。

また、「LNGの製造プラント」においては、"48%という驚異的な世界シェア"を誇っています。

  • 日揮・東洋エンジニアリングと並ぶ「エンジニアリング御三家」
  • 「LNGの製造プラント」においては圧倒的な世界シェアを誇る
より詳細に「千代田化工建設」の企業研究を行いたい方は、こちらからご覧ください。

東洋エンジニアリング

"東洋エンジニアリング"の事業内容は、「資源・エネルギー・石油・ガスから鉄道・発電などのインフラ設備」まで多岐に渡ります。

その中でも特に「生産設備の設計・管理を行うプラントエンジニアリング」に強みを持っています。

海外にも複数の拠点を持っており、ビジョンである“Global Leading Engineering Partner”を追求しています。

  • 業内容は、「資源・エネルギー・石油・ガス・インフラ設備」まで多岐に渡る
  • 「生産設備の設計・管理を行うプラントエンジニアリング」に強みを持っている
より詳細に「東洋エンジニアリング」の企業研究を行いたい方は、こちらからご覧ください。

最後に


このコラムを読んで「プラントエンジニアリング業界」に興味を持ってくれた人がいれば幸いです。
多くの学生が求める「海外でデカイ仕事したい」とか「社会に貢献したい」とか満たす点が多い業界だと思います。また、総合商社を蹴って入社する人も少なくなく、知る人ぞ知る業界です。
日揮のアルジェリアでの事件のようなカントリーリスクが伴う業界ですが、同じ仕事は二度となく、毎回国も工場の種類も変わる刺激的な業界です。
私はこの業界特有の「現場との距離の近さ」が最後の決め手でした。やっぱり頭も使って体も動かして、さまざまな立場の人と一緒に文化祭みたいな達成感を味わいたいと思いました。
少しでも共感する点があれば将来のキャリアの選択肢として選ぶことをオススメします。

プラントエンジニアリング業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介

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インターンにありがちな「新規事業立案系ワーク」の目的と攻略法 インターンにありがちな「新規事業立案系ワーク」の目的と攻略法 現代の新卒就活では、本選考と並んでインターンシップが切っても切り離せない存在になっています。下記のエントリーでも紹介しましたが、「本選考との関係」という観点においては、インターンに参加する目的や企業にとっての位置づけは主に3つに分類されます。本選考との関係の3つのケース(1)インターンでの評価が内定獲得に直結するケース(2)インターンへの参加・取組みによって本選考で優遇されるケース(3)インターンと本選考が本当に切り離されているケース一定程度のエントリー数を確保しつつ、あなた自身が上記の3段階のうちどこに目的をおくのかを明確にしながらインターンに臨むべきでしょう。参考:今回は、インターンでの優遇度合いと並んで就活生が気になるところである、コンテンツとしてそもそも何をやるか、すなわちインターンの内容について取り上げていきます。本記事を通読すれば、これから参加するインターンの時間を有意義に使うことが出来るでしょう。もっと言えば、インターン当日に評価され内定獲得に一歩近づくことことにも繋がります。是非、最後までお読みください。企業から見た、インターンを実施する目的と内容企業が行う採用活動は、それが直接的に利益を生む事業行為ではありません。そこにわざわざ投資をしてインターンシップを開催している以上、認知度の向上・優秀層の囲い込み等何らかのリターンを獲得することを企業側は目的にしています。当然ですが、実施する目的があるのであればそれに沿ったコンテンツを組み込まなければなりません。例えば、認知度の向上やエントリー数の増加を目的としたいのにも関わらず、若干名を採用し長期間の現場実践型インターンを実施することは合理的ではないでしょう。「なぜ多額の費用をかけてインターンを開催するのか」、企業はそれに向き合い、いつ開催するのか・何日間で開催するのか・どういう選考フローにするかといった内容を詰めていくことになります。なお、就職活動に不安があるという方には就職エージェントneoがおすすめです。アドバイザーからは、自分の就活の軸に合った企業選びを手伝ってもらえるだけでなく、その企業のエントリーシート・面接といった選考対策のサポートを受けることができます。少しでも興味のあるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。「インターンの内容」の4分類先述した「インターンを実施する目的」に沿って開催されるインターンは、類似したもの同士である程度パターン化することが可能です。ここでは、中でも代表的なインターンのコンテンツを紹介します。※ここで言う「インターン」には、下記エントリーにあるような「ベンチャー企業での有給長期インターン」は含まず、企業が選考活動・広報活動のために行うものに限定されます。インターンの分類(1)内定直結!?現場実践型インターン今更ですが、「インターン」とは英単語"internship"に由来する言葉です。internshipとは元々は何もグループワーク→発表を3日間でやるみたいなものではなく、欧米を中心にスキルや実績を高めるための職業訓練の位置づけとして実施されるものです。日本のようなポテンシャル採用が一般的でない欧米等では、大学卒業後にインターンシップでスキル・実績を積み、その成果を買われる形で就職するという割合が高くなります。そのため、就職活動を始める前はこの分類を「インターン」の一般的なイメージとして持っていた方もいるかもしれません。現場実践型インターンでは、実際のオフィスや研究所で社員と机を並べて文字通り現場に近い形で就業体験が出来る点が特徴になっています。単なる「見学」ではなく「働く」ことに重点が置かれるため、多くが数週間以上の期間をかけて行われます。現場社員が主に指導社員も兼ねて長期間に渡って実施されるため、企業からすれば稼働が大きくかかり、対応できる学生数は限られます。すなわち、この手のインターンに参加するには厳しい選考を勝ち抜く必要があり、最も参加の難易度が高いインターンに分類されると言えるでしょう。一方で、少人数でより現場に近い指導を受けられることから、インターン中の取組みと内定獲得の関係性は高まりやすいと言えます。評価が高ければ実質的な即内定や本選考のフロー大幅カットも期待できるため、多少拘束期間が長くとも積極的にチャレンジしていきたいところです。インターンの分類(2)再頻出!?グループワーク型インターン3日~5日程度の日系企業で割合が高いのが、このグループワーク型インターンです。企業の仕事内容を直接体験するというよりは、事業内容に関連したグループワークを6名程度の学生で行い、最終日に発表を行うというのが一般的になっています。実際に就職活動を始めるまでは、「企業を知る」という意識でインターンを捉えている就活生は少なくないように思いますが、実際に参加してみるとこの手の内容が多いことを意外に感じた方もいるかもしれません。初日にいきなりグループワークを始めるというよりは、座学のような説明から入りある程度のインプットを行うことも多いのですが、グループワーク自体はある意味一番「直接的な仕事理解」という観点からは離れるコンテンツとも言えます。そのため、自分なりに意味付けをして吸収する姿勢で臨まないと、参加の意義を感じにくいケースがあるため注意が必要です。インターンの分類(3)多くは相乗り!?対話・見学型インターン経営の3要素はヒト・モノ・カネと呼ばれますが、実際に働く人との対話や企業が持つ設備について見学を実施するインターンもあります。こちらはインターンとして「社員座談会だけ」「工場見学だけ」実施というケースはそれほど多くは無く、例えば「基本はグループワークだけど2日目午後に20分×4タームの座談会がある」といったように他のコンテンツと一緒に実施されることの方が多い印象です。また、どちらも本選考解禁後のイベントとして実施されることもあります。社員と話をしたいのであればOB訪問でも実現できるかつよりリアルな話が聞ける可能性が高く、施設を見たところでESや面接の精度が高まるわけでもないからこの手のインターンは不毛だという意見も耳にします。確かにこれに参加したから即内定ということはまずありませんが、社員対話会や施設見学が本選考エントリーの必須条件となっている企業・別のインターンの優遇に直結する企業もあるにはありますので、その辺りは個別企業の正確な情報収集が必要になります。直接の優遇が少ない分、内定獲得にどう結び付けるかについては就活生次第の側面が強いことが特徴と言えるでしょう。インターンの分類(4)参加は簡単!?説明会+α型最後に、基本は人事や現場社員のプレゼンを聞く形式で、途中でグループワークやら座談会やらが入ることもあるという企業説明会+α程度のインターンも存在します。だいたいが数時間~1日程度で、マイページからエントリーするだけで選考無しで参加できるものが多いのが特徴です。ここまで来ると「インターン」と言っていいものなのかは意見が分かれるところかもしれませんが、1dayインターンの中には意外とこの形式のものは多い印象です。学生側が動いて参加するコンテンツは少ないため、インターン中の取組みというよりは、あっても参加回数をカウントし本選考の際の参考にするぐらいの位置づけのケースがほとんどになります。本記事のメインテーマは、分類(2)グループワーク型インターン。上記のように一口に"インターン"と言っても大きく分けて4つの分類があり、当然これら4つに当てはまらないコンテンツも存在しています。本記事では、中でも分類(2)グループワーク型インターンを主軸に解説を加えていきます。取り上げる理由としては以下の3つが主軸として挙げられます。ベンチャーから日系大手企業まで幅広く導入している実施形態である参加倍率がそこまで高くないものもあり、多くの就活生が一度は経験するグループワークはインターンに限らず本選考や入社後にもやる可能性があるインターンのグループワークで多いテーマは何かここまではインターンという大枠から分類を行っていきましたが、その中の1つである「グループワーク型インターン」も、さらにテーマ毎に細かく分類することが可能です。企業規模や業界によって様々なグループワークのテーマがありますが、中でも頻出なのが「新規事業立案」ワークになります。もちろん、全企業のグループワーク型インターンのコンテンツを収集しているわけではありませんが、unistyleに掲載されているインターンレポートだけ見ても、新規事業立案型は業界問わず幅広く実施されている印象があります。参考:インターンレポート一口に新規事業立案といっても、実際に当該企業が今後実践していくビジネスモデルを考えるものもあれば、「日本の社会課題を解決せよ」のような抽象度の高いものまで様々です。余談ですが、テーマについてはケース問題のように数年使い回されることもあるため、過年度の内容を1度見ておくことは有効です。就職活動を始めるまでは、まさかこれだけの企業が「大会議室で何班かに分かれる形で机を並べインターン生で新規事業について議論し、適宜社員からフィードバックを貰いながら最後に発表を行う」というある種パターン化されたコンテンツを実施しているとは思いもしなかったという方は少なくないと思っています。では、なぜグループワーク型の中でも新規事業立案をテーマにする企業が多く存在するのでしょうか。新規事業立案型ワークが多い理由(1)「事業を生み出す」トレンドと広報効果「真の安定とは、安定した組織への所属ではなく、個人として市場価値の高いスキルを身につけることである」「真の安定とは、変わらないことではなく、常に変化・対応し続けることである」上記のような話を近年耳にする機会は多くなってきています。「大企業に勤めれば一生安泰」の時代は過ぎ、大企業でも時代の流れに沿った変革が今後はより一層強く求められることになるのは今さら言うまでもありません。参考:そんな「これまでに無い新しい何かを生み出す」ことが求められているのは、多くの就活生が何となくでも認識しているはずであり、どちらかと言えば好意的に捉えるケースの方が多いものだと考えています。例えば、現在人気絶頂の総合商社ですが、就活生と話していると「トレーディングから事業投資にシフトしているところが面白そうに感じた」ということを述べる方が意外に多い印象があります。何となくですが、トレーディング=地味で泥臭い仕事・事業投資=先進的かつ華やかな仕事という漠然としたイメージは、総合商社の人気向上に少なからず影響している印象ですらあります。総合商社はイメージ先行のミーハー就活生がとりあえず受け全滅してしまうケースが多く、ビジネスモデルや仕事内容を正しく理解し、本当にそれが自分に向いているものなのかを深く考えられている就活生はそれほど多くないと思っています。また、日系大企業の多くは、まだまだ既存の商材・ビジネスモデルの延長の事業がメインになっており、実際にいわゆるゼロイチのような真の新規事業立案に携われる社員は少数だったりもします。すなわち、「新規事業立案ワーク」は実際の仕事体験とはかけ離れているケースが多いという意味になります。それでも多くの企業が新規事業立案ワークをやり続けるのは、「ウチの企業はこういう提案も出来る・こういう事業に携われる可能性がある」という一種の宣伝狙いもあるのかもしれません。純粋な仕事体験を就活生にやって欲しいのであれば現場実践型インターンを開催しているはずであり、効率性を重視しグループワークで済ます企業の場合は多少なりとも上記のような思いがあると考えられるでしょう。新規事業立案型ワークが多い理由(2)企業が求める素養との親和性理由(1)ではどちらかと言うと「広報活動」寄りの話をしましたが、こちらはもう一つの主要なインターンを開催する目的である「優秀な人材の見極め・早期接触」に近い話になります。仕事というものには基本的に正解がなく、何を・どのように進めていくかについて試行錯誤しながら行動していく必要があります。「仕事が出来そうか」という観点が採用基準の一つである以上、現時点で最も確実な選考方法は「実際の現場で仕事をさせて成果を見極めること」でしょう。しかし、当然それには準備や人的な稼働がかかる中で、「新規事業立案」という形がないものから生み出す力を疑似的に判定していることが考えられます。「これがあるからその通りやって成果を出す」ではなく、「何も決まっていない段階からあらゆる条件から考えてより良い提案をする」という"正解が無い度合い"をより高めたテーマを設定することで、今の時代に求められる素養を持っているかを見極めようという意図が考えられます。ちなみに、仕事での振る舞いを仕事をせずに想像するという意味では、グループディスカッション(GD)も近しいことが言えます。仕事においてもディスカッションを通して打ち手を決めるという場面は多くあるため、ビジネスでの振る舞い≒グループディスカッション(GD)での振る舞いと考えて選考に取り入れているのだと思われます。また、それ以外にも、多人数を少ない面接官で1度に見られるといったメリットもあります。参考:新規事業立案型ワークが多い理由(3)受入れの幅広さと発想の多様性先述した分類(1)〜分類(4)のインターンのうちどれを実施するか選択するためには「学生の受け入れ人数」というのが一つの指標となります。多くの学生を参加させれば、それだけ接点を増やすことが出来る一方、稼働の手間増加や1人ひとりを見る時間の減少など、目的を鑑みながら実施内容を決定していくことになります。新規事業立案ワークでは、既存の考え方にとらわれない柔軟な発想が求められます。ありきたりではない質の高い提案をするには、異なるバックグラウンドを持った多様な人材が集めるとうまくいくことが往々にしてあります。「同質の集団からは同質のアウトプットしか生み出されない」という考え方がありますが、特に実行フェーズまで携わらないワークであることから、実現性以上に発想力豊かなアウトプットを期待される点が特徴になります。企業が採用HP等で人材の多様性を謳うことが多いのも近しい背景があるかもしれません。参考:まとめると、以下2つの両者の相性の良さが数が多い一因であると考えられるでしょう。グループワーク型インターンはそれなりの人数の学生を一度にさばけるのに加え、新規事業立案は大抵文理問わず幅広い層の学生が参加できる新規事業立案でよい提案をする上では、多様な人材でグループワークをすることが重要となることが多い新規事業立案インターンでありがちなことこれまで見てきたように、新規事業立案インターンは多くの就活生は経験しているものである以上、いわゆるあるあるネタに近い共通認識を持つ部分も多くあると思っています。先述した通り、新規事業立案インターンにおいて人事やメンターは「若者の自由な発想」のようなものに期待するケースが多いため、下記のようなあるあるを認識しておくことはよいアウトプットに繋がる可能性が高いでしょう。ここでは、新規事業立案の特性上遭遇しやすい事柄について触れていきます。新規事業立案インターンあるある(1)高齢者にターゲティングしがち新規事業立案インターンの進め方は企業によって様々ではありますが、学生に完全に丸投げというよりは、ある程度方針が企業によって提示される方が多い印象があります。その序盤のフェーズで実行されるのが「市場選定」になります。要は、誰に/どこに対してアプローチしていくのかを理由立てしながら説明するフェーズです。その中でも特に選定されがちなのが「高齢者層」になります。少子高齢化は日本の大きな社会課題の1つであり、「高齢化率が高まっている→高齢者層は市場として拡大が見込まれる→高齢者層にターゲティングすれば売上の拡大が見込まれる」というようなストーリーを丁寧に説明するプレゼンというのは度々見てきました。もちろん高齢者層を選ぶそれ自体が悪いわけではないのですが、ターゲティングするのであれば高齢者層の実態については正確な理解が必要でしょう。例えば、60歳代前半の男性の有業率はほぼ8割と言われています。定年や平均寿命が高まった昨今では、いわゆる高齢者=リタイア後の悠々自適な生活というイメージが当てはまらなくなるケースが増えています。「人口割合が高まる→市場規模が高まる→事業拡大が見込まれる」というのは必ずしもイコールで結ばれるものではなく、ストーリー立てとして妥当なものかどうかの検証はしていく必要があります。新規事業立案インターンあるある(2)AIをソリューションとして使いがち新規事業立案ワークで多くの時間を要するフェーズの1つが、ビジネスのテーマに対する具体的な方策を詰めていくところになります。参加先の業界やワークのテーマによって様々だとは思いますが、現代のビジネスは情報技術なしには成り立たないものが多い以上、何らかの形でICTの分野が絡んだ提案をすることは多いでしょう。ICTと言ってもアプローチの仕方は様々ですが、特に多く見受けられるのが、AI(人口知能)を用いた内容です。「人の代わりとなって何かすごいことが自動で出来そう」ぐらいの認識で、この手の話に詳しくないが何となくトレンドとして把握しているぐらいの方は多いのではないでしょうか。ひとくちに"AI"といっても様々な分類があり、当然現段階で出来ることと出来ないことがあります。必ずしも、AIを使うことがやり方として最適とは限りません。「AIだったらとりあえず実現してくれるだろう」ぐらいで「AIで画像認識させる」「AIで無人化する」ことをソリューションとする際には検討不足となっていないか注意が必要です。AIが効果的な役割を果たす局面は多々あるでしょうが、「思考停止の人口知能使用」になっていないか考慮した上で具体化していくべきでしょう。AIの出来る/出来ないについては2019年ビジネス書大賞を獲得した『AIvs.教科書が読めない子どもたち』が参考になります。『AIvs.教科書が読めない子どもたち』新規事業立案インターンあるある(3)メンターが手のひらを返して褒めてきがちこちらは新規事業立案インターンだからこそ起こるあるあるというよりは、メンターがつくインターン全般に共通する内容になります。メンターは基本的にインターン生に対して適宜フィードバックをしていく役割を果たしますが、その際「序盤は辛口の言葉で厳しいフィードバックをしていたが、最後は『よくやった』みたいに手のひらを返して褒めてくる」というパターンがあります。これはインターンに限らず新人研修等あらゆる場面で用いられる技法で、「叱る→褒める」の流れを重めに作ることで「自分は認められた」と自己肯定感を強く思わせる効果があると言われています。実際、ある日系大手メーカーで(新規事業立案ではないですが)グループワーク型インターンのメンターを複数回担当したことがある方に話をきくと、人事の方から「序盤は厳しく終盤は褒める感じでいってほしい」といったフィードバックの方針を指示出しされたという実例がありました。インターンは事実上企業の広報活動の一貫である以上、多くの企業にとって自社の"ファン"である学生を増加させることはインターンの目的になります。「自分が認められたインターン」であるならば、単純に楽しいものと思えたり・入社してからも自分を評価してくれる環境なのではないかと深読みしたりと、学生側が好意的に感じることに繋がるという狙いもあるのかもしれません。新規事業立案インターン参加に向けたアドバイス続いて、これまで指摘した内容を踏まえて、新規事業立案インターン参加に向けた心構えや当日の取組み方について触れていきます。新規事業立案インターンへのアドバイス(1)基本はGDとやることは変わらないことを認識すべき「新規事業立案」と言われると何だかスケールの大きい特別なことをやるような気もしてしまいますが、基本的には採用選考で実施されるグループディスカッション(GD)とやることはそれほど変わらないと思っています。要は課題の特定・市場選定といった土台準備をしたうえで具体的な打ち手を策定していくことが基本であり、時間やフィードバックがあるぶんより精度を高めることが違いになります。下記のエントリーのようなグループディスカッション(GD)の総論についてインプットしておくだけでも効果があるでしょう。グループディスカッション(GD)完全攻略記事一覧1.【まず始めにこれを読もう!】GDとは?基礎知識を解説2.GDの対策方法・コツ3.GD頻出テーマと業界別の過去に出題されたテーマ4.GDのテーマごとの進め方5.GDの役割別(司会・書記・タイムキーパー)の対策方法6.一人でも複数人でも出来るGD練習方法(11選)新規事業立案インターンへのアドバイス(2)新規性だけでなく、妥当性・収益性も考慮すべき新規事業立案とは、これまでにない新しい事業を机上で創出し発表するものであることから、ありきたりな提案というのは一般的に評価されません。一方で、その評価軸はどれだけ奇抜か・どれだけ思いつきにくいかではありません。下記のエントリーにあるように、どれだけ「理にかなっているか」という部分についても重要な評価材料になります。「志望企業で実現したい新規事業やプランの提案」といった設問を前にすると、これまでにない斬新な提案が思いつかないからと悩んでしまう学生も多いと思います。しかしながら、過去の内定者の回答を見ていると、案外「斬新さ」などセンスによる要素があまり盛り込まれていないものも多くあります。こうした設問でセンスよりも大切なのは「理にかなった提案であるかどうか」だと思っています。参考:その中で特に考慮すべきは、「その企業が」当該ビジネスを実現する意義がどこにあるかを検討することです。もちろん同業界の企業であればビジネスモデルは近しいものがあるため完全な差別化は困難ではありますが、業界内での立ち位置や現在の事業ポートフォリオを鑑みた上で、なぜ自社がその事業に新しく取り組むといいのかについて論理立てた説明ができるといいでしょう。また、グループワーク型インターンは机上での議論であり実行フェーズまで携わらないため提案したもの勝ちの側面は確かにありますが、「どうそれを実現するのか」についてもある程度具体化することで提案の質が高まります。企業もそのワークで提案した内容をビジネスとして実行していくのであれば、収益性の観点からも「やるべき理由」を作っていくことが必要になります。大きな社会課題のテーマ設定や華やかなソリューションを掲げること自体は大いに問題ありませんが、是非このようにビジネスとして実現妥当で、かつ収益を生むものである点を伝えられるよう意識していただければと思います。新規事業立案インターンへのアドバイス(3)フィードバックはこまめにもらうべき先述した通り、新規事業立案インターンに限らず、ある程度の期間を要するインターンではメンターと呼ばれるような現場社員がグループにつくことが多くなっています。メンターがいない場合でも、グループワーク中は近くにいる人事に適宜質問・相談出来るケースがほとんどかと思います。これはよく若手社員の仕事への心構えのような記事でもしばしば取り上げられる話ではありますが、完成度が低い状態でも早い段階でフィードバックを貰いにいくことはインターンに限らず仕事の進め方として基本になります。もちろんフィードバックに一切時間をかけず最初から誰も文句をつけようが無い完璧な提案を一発ですることがスピード感の観点では理想ですが、現実的ではありません。例えば市場選定の段階で理由付けも含めチーム内で合意した内容を伝えるのではなく、ある程度アイデアベースで固まっていない複数案を壁打ちして評価を得た方がいいという意味です。早い段階でのフィードバックは、方向性のズレによる後からの大幅な手戻りを防ぐことはもちろん、他者へのアウトプットを増やすことで自分たちの中の考えもよりクリアになる効果が期待出来ます。報告をマイルストンとしてこまめに設定することで、時間に限りがあるグループワークでもメンバーが同じ方向を向いて議論を進めることにも繋がるでしょう。よく、「皆さんのことを学生としては扱いません(社員同様に接します)」「皆さんの提案は本当に会社の事業に組み込まれる提案として受け取ります」みたいな"現場感"を強く出してくるインターンがあったりします。それを聞いて委縮してレベルの低いことを言えないものだと行動できなくなる方もいるかもしれませんが、結局は人事も当然ですが学生相手であることは認識しています。そもそも、新規事業立案なんてものは仕事として難易度が高いものであり、社員であっても最初から質が高い提案が出来る人はそうそういません。何なら、メンターですらそれに携わったことがないというケースすら多くあるでしょう。もちろんやり方として、「ほとんど考えてないんですけどとりあえずフィードバックをください」のように相手に丸投げするのはよくありません。一方的にアドバイスを貰うのではなく、メンターと対話・議論を重ねていく中で自分たちの意見や検討結果を伝えていくことが肝心になります。最後にー定着すべきは、形式よりも考え方通年採用の開始を始め、日本の新卒就活の形態は今後大きく変わっていくことが予想されており、もはやインターンというやり方ですら時代遅れだという主張も見かけるようになってきました。とは言え、新規事業立案のような「これまでに無い新しい何かを生み出す」こと自体は今後ますます必要になることから、グループワークという形でなくとも考え方として身に着けていくことは肝心でしょう。インターン・研修・職場実践含め、皆さんがどこかで本記事の内容を活用される機会があれば幸いです。グループワークや何らかの提案で迷ったら、是非この記事に帰ってきてください。関連記事unistyleのインターンレポートはこちらから 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