【23卒向け】内定直結&選考優遇に繋がるサマーインターン38社まとめ

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最終更新日:2021年07月19日

【23卒向け】内定直結&選考優遇に繋がるサマーインターン38社まとめ

「早めに内定を獲得して、余裕を持って就活を進めていきたい」

より良い就活を行うために、このように考えている就活生は多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、内定に直結したり、選考優遇に繋がるサマーインターン38社を紹介します。

サマーインターンに参加するメリットも後半でお伝えしていますので、気になる方はぜひ最後まで読んでみてください。

注意点

①各社の優遇内容は、unistyleに寄稿された22卒のインターンレポート及びオープンチャット上のデータを参考に作成しています。23卒の選考ではインターンコースや職種によって優遇内容が異なる可能性がありますので注意してください。

 

②情報の精度には最大限注意していますが、本記事の掲載情報には誤りがある可能性があります。新型コロナウイルス等の影響で選考内容に変更があるかもしれないため、本記事の掲載情報だけでなく、必ず"各社から発表されている一次情報"を確認していただくようお願い致します。

掲載企業一覧(全38社)

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夏休みにサマーインターンに参加するメリット

ここまで、内定に直結したり、選考優遇に繋がるサマーインターンを38社紹介してきました。

ここからは実際にサマーインターンに参加することによるメリットを紹介していきます。

夏休みにサマーインターンに参加することで、「授業を気にせずインターンに参加できる」「関東圏に住んでいない就活生の場合、東京で開催されるインターンに参加できる」といったメリットがありますが、他にも様々なメリットがあります。

内定が出る

企業によっては、サマーインターンに参加した就活生の中で優秀な学生に内定を出すところもあります。

というのも、企業はインターンや選考に多額の資金を投じており、優秀な学生に会うために欲しい人材の目星をつけるといった理由があるからです。

そのため、これから先の伸びしろを感じた就活生には内々定を出すといった行動を取ります。

選考に直結する

上述した通り、インターン参加者はインターン非参加者よりも有利に選考を進められることがあります。

仮に「このインターンは選考には一切関係ありません」と記述があったとしても、先程述べたように、優秀な学生と少しでも出会うために膨大な予算をかけてインターンを開催しています。そのため、選考に関係ないと言い切ってしまうことは出来ません。

インターンで社員とコンタクトが取れていれば、OB訪問をさせてもらえたり、インターンに参加した就活生のみ特別フローとして選考の一部が免除されたり、リクルーターがついたりすることもあります。

本選考に向けた実践経験が積める

インターンの選考で落ちてしまい、インターンに参加出来なくても落ち込む必要はありません。落ちたことで、自分に何が足りなかったか知ることができ、本選考に向けた選考対策が具体的にできるようになります。

内定直結型でない場合は、インターン選考で落ちた企業にもう一度本選考でリベンジすることができます。もう一度自己分析や企業分析を行って本選考に臨みましょう。

業界や企業の向き不向きがわかる

サマーインターンでは、入社後の実際の業務に即した内容をワークで行うことが多くあり、実際のワークを通して本やネットで得た情報だけでは分からないことまで知ることが出来ます。

また、実際に社員や参加している就活生に合うことで、どんな人が多いのか傾向を知ることが出来ます。もし集まった人たちが合わないと感じた場合、業界もしくは企業との相性が合わない可能性もあります。

自分の納得の行く答えを出すという面でも、サマーインターンに参加することは重要です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

本記事では、選考優遇のあるサマーインターンを業界別に38社紹介しました。内定を早めに1つでも獲得できていると、余裕を持ってその後の就職活動に臨むことが出来ます。

これからしっかりとした選考対策を行い、インターンの切符を手に入れましょう。

また以下では、23卒就活生が多く参加しているLINEオープンチャットを紹介します。選考優遇の情報など、就活情報をリアルタイムで交換したい方は以下のLINEオープンチャットへ参加してみましょう。

インターンの締切・選考情報一覧や関連記事も掲載していますので、こちらもあわせてご確認ください。

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「GAFA」、ネット広告やITサービス系の企業を志望している就活生なら必ず一度は耳にしたことがあるでしょう。これは、Google、Amazon、Facebook、Appleの4社を総称した言葉です。この4社の登場によりビジネスの世界だけでなく、私たちの生活も大きく変化しました。実際に、Googleで検索したり、Amazonで商品を購入したり、Facebookで友達の近況を見たり、そうしたことをAppleのiPhoneで見る、というのが私たちの生活の当たり前になっています。さらに、IoTという言葉が登場したように、今後はどんなモノにもインターネットが接続される時代になっています。「私はメーカー志望だからGAFAは関係ない」なんて言っていられなくなります。志望業界を問わず、全就活生の最低限の基本知識としてGAFAについて分かりやすく説明していますので、ぜひご一読ください。本記事の構成GAFAとは?Google世界最大の広告主であるGoogle。その収益の86%を占める【検索連動型広告】のビジネスモデルとは?Amazon世界最大のECサイトであるAmazonが赤字?その赤字を生むビジネスモデルの背景にはあるカラクリとは。Facebook23億8000万人(2018年12月31日時点)のユーザーを誇る世界最大のSNSであるFacebookだが、若年層のユーザー数減少の危機に直面中?Apple世界中に熱狂的なファンを抱えるApple。iPodやiPhoneなど次々と革新的な製品を生み出してきたが、主力のiPhoneの販売台数が伸び悩む。なぜGAFAがここまで成長できたのか?GAFAの敵がついに出現!その正体とは?GAFAの今後の展望は?次のビジネスは自動運転で確定か?最後にGAFAとは?GAFAとはGoogle、Amazon、Facebook、Appleの4社を総称した言葉です。ビッグデータを応用した巨大IT企業であるこの4社の登場により、ビジネスの世界のみならず私たちの生活も大きく激変しました。その経済規模は、4社合計の時価総額約3兆ドル(約330兆円)というとてつもない数字からもわかるかと思います。日本の国家予算の約101兆円(2019年度)に対して、GAFAの時価総額はその3倍を超える規模となっています。また、イギリスの国家予算を超えて世界第5位となり、大国並みの影響力を発揮するようになりました。【参考】4社で時価総額3兆ドルITの巨人「GAFA」の支配はどこまで続くのか(GLOBE+/朝日新聞)ここからは、大国並みの経済規模にまで成長したGAFAの「創設から現代に至るまでの沿革、事業領域、特徴やビジネスモデル、GAFAの敵、今後の展望」を簡単に説明していきます。Google主な事業領域:「検索」「検索」というインターネットを使用する際に必要な工程にプラットフォームを整備し、どんなときでも誰でもが通る「インターネットの入り口を作った」という点がGoogleの成功の最大の要因だと考えられます。Googleの検索機能にはChrome・翻訳・GoogleMapなどがありますが、その中でもGoogle最大の強みが検索におけるページランク技術です。【ページランク技術】とはページランク技術(PageRank)は、検索ワードに対するウェブページの重要度を決定するためのアルゴリズム(算法・計算式)であり、評価の高いページを上位表示するために用いられている中心的な技術。検索だけでなく動画や音楽の分野ではYoutube・YoutubeMusicなど、通話・テキスト分野ではGmail・メッセージ、仕事の効率化を図る分野ではドキュメント・スプレッドシート・GoogleDrive、日常生活で役に立つフォト・連絡先・カレンダーなど、ユーザー体験を向上させています。また、ソフトウェア・サービスだけでなく、ハードウェアにも注力しており、GooglePixel・Andoroid端末などのMadebyGoogleデバイスではAppleと対抗するほど売り上げを伸ばしています。【参考】Android搭載機の世界出荷台数、2014年は10億台突破する見通し、Gartnerの予測(日経×TECH)ビジネスモデル【検索連動型広告】ユーザーの検索に応じて最適な広告を表示するシステム広告収益が主な収入源で、Googleの収益の約86%を広告収益が占めています(2018年第一四半期)。このひとりひとりのユーザーにとって最適な広告を表示するために、Googleが収集したビッグデータを活用し、ユーザーにとって最も有益な広告を表示することで、広告主の企業としても効率の良く広告を出せるようになっています。アメリカでは、インターネット広告の売上をGoogleとFacebookの2社が独占しています。2019年のアメリカでのデジタル広告費6.3兆円に対して、GoogleやFacebookを含むトップ10がアメリカデジタル広告費の77%を占めています。また、2017年にはGoogleとFacebookの2社が世界のデジタル広告費の約61%を占めています。【参考】Google、広告が好調で増収増益:「AIファースト企業に」(Yahooニュース)TotalMedisAdRevenue2017/statista米国の今年上半期のデジタル広告費は6.3兆円、伸びは鈍化(TCスクール)沿革創設者:ラリー・ペイジ、サーゲイ・ブリン1995年:スタンフォード大学でラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンが出会い共同経営者として検索エンジンを開発1998年:Google設立・法人化2001年:Googleグループを設立2004年8月19日:株式公開(NASDAQ)「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること」というミッションのもと、世界中の数十億のユーザーに数百というプロダクトを届けています。2019年度会計第三四半期(9月30日締め)では、売上高は前年同期比20%増の404億9000万ドル(4兆4500億円)となっており、Googleがその事業を順調に拡大していることがわかります。【参考】グーグル親会社Alphabetの第3四半期決算、20%増収--利益は予想下回る(ZDNetJapan)Google:これまでの歩みと現在Amazon主な領域:「購買」Amazonは、ECサイトであるAmazon.comを運営しています。誰しもが毎日行う「購買」というフェーズにプラットフォームを構築しました。【EC】とはECとはElectronicCommerceの略称で、日本語では「電子商取引」と呼ばれます。ネットワーク上で、商品やサービスを売買するビジネスのことを指します。Amazonの主な事業は以下の3つがあります。①EC事業②アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)③広告事業消費者目線ではECサイトでの利益がAmazonの営業利益の大部分を占めているように思えますが、実際にはEC事業の割合はそこまで大きくはないです。2018年のAmazonの売上高は2328億ドル(25兆6000億円)であるのに対し、EC事業による利益は52.8%に過ぎまぜん。残りの収益はアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)や広告事業によるものです。AWSとは、Amazonが自社ECサイト用に構築していたサーバーシステムを他の企業に貸し出すサービスのために初期費用が抑えられています。そのために、顧客に低価格でサーバーを貸し出すことが可能になっており、2018年第二四半期には前年同期比49%の成長率と26%の高い営業利益率を誇る事業に成長しました。近年ではアマゾンの広告事業が急速に成長しています。その広告事業というのは、ユーザーがAmazonで商品を検索した際に関連する商品の広告を表示する検索広告が中心になっています。広告主である企業は、Googleへの広告からAmazonへの広告にシフトする傾向がみられます。それは、Googleでの「検索」というフェーズに広告をだすよりも、Amazonでの「購買」というフェーズに広告を出すほうが、ユーザーの購買行動を喚起できるからだと考察できます。【参考】米アマゾンの2018年売上は3割増の2328億ドル、ネット通販売上は13%増の1229億ドルアマゾンの広告事業がグーグルを脅かす・検索広告が急成長、米国で第2位の企業に(JBpress)ビジネスモデル「利益を出さない」と言われるAmazonには「バーチャス・サイクル」というビジネスモデルがあります。成長モデルと再成長モデルを融合させた「バーチャス・サイクル」により、成長モデルでの利益を次のビジネスへの投資に回すことで再成長を促しているため、利益を利益として享受しないということです。(画像引用元:https://www.zentail.com/blog/bezos-virtuous-cycle-leverage-invest-infrastructure)①成長モデルバーチャス・サイクルの第一段階は「成長モデル」です。この成長モデルでは、顧客視点に立脚し、「Amazonならどんな商品でも売っている」というUX(ユーザー体験)を与え、次回もAmazonで購入させることで利益を生み出しています。普通の店舗型小売店では2割ほどの人気商品が全体の売上の8割を占めていますが、Amazon.comではニッチでニーズの少ない商品が人気商品よりも売上が大きくなっています。これをロングテール戦略と呼びます。陳列棚に限りがある店舗型小売店とは違い、Amazon.comのようなECサイトではどんな商品でも無限に掲載することができます。Amazon.comではここを強みとしており、人気商品は低下価格に抑えてユーザーを呼び込み、ニーズが少ないニッチな商品を幅広く揃え通常価格で販売することでUXを高めています。②再成長モデルバーチャス・サイクルの第二段階は再成長モデルです。第一段階の成長モデルで得た利益を次のビジネスへの投資に充てています。再成長モデルで今までに投資されてきたビジネスには、AWS、AmazonPrime、AmazonDash、Amazongo、ドローン配達などがあります。このように成長モデルで得た利益を次のビジネスへの先行投資に回す再成長モデルを合わせたバーチャス・サイクルがAmazonの利益を出さないビジネスモデルです。【参考】LearnfromtheBezosVirtuousCycle(Zentail)事業投資①Dashビジネス(画像引用元:https://jp.techcrunch.com/2019/08/02/2019-08-01-amazon-is-killing-off-the-dash-button-later-this-month/)AmazonDashとはDashButtonやDashReplenishmentServiceのことで、日用消耗品や食料品などの特定の商品のロゴが描かれた注文ボタンを押すと自動的に配送されるというサービスです。しかし、このDashボタンのサービスは2019年8月には終了しました。サービスが不調だったわけではなく、Dashビジネスの主力をDashReplenishmentService(以降DRS)に切り替えたからです。DRSというのは、家庭での日用消耗品の在庫がなくなったことを検知し、自動的にAmazonから新しい商品が届くというサービスで、アメリカでは2016年1月にスタートしています。もはや、「ボタンを押す」という作業すら省き利便性を向上させることでUXをさらに高めています。【参考】アマゾンが「Dashボタン」を終了させる理由──実はDashビジネスは好調だった②Amazongo(画像引用元:https://japan.cnet.com/article/35125863/)ECサイトのAmazon.comはECサイトvsリアル店舗という構図で数多くのリアル店舗と競合してきましたが、このAmazongoはリアル店舗vsリアル店舗という構図で、真っ向勝負の姿勢を見せています。Amazongoは無人コンビニと言われ、店内にある無数の監視カメラとAIによってどの人がどの商品を何個持ってゲートを通ったのかを判定し自動的に決済が完了しているというサービスのことです。DRSでは「ボタンを押す」という作業すら省き徹底的にユーザー体験を向上してきたAmazonですが、今回のAmazongoはリアル店舗で「会計をする」という作業を省くという点で革新的なサービスとなっています。③ドローン配達Amazonのドローン配達はその名の通り、配達にドローンを用いることです。このドローン配達のメリットとしては、輸送が難しい山間部への配達が可能になったり、空輸のために最短ルート・最短時間での配達が可能になります。配達にかかる人件費の削減と今まで以上に早く商品を届けることを実現するために、現在ではその実証実験が行われており、近いうちにサービスを開始するとしています。【参考】アマゾン、ドローン配送を開始へ数カ月以内に(日経新聞)沿革創設者:ジェフ・ベゾス1994年(平成6年)7月:Amazon.com,Incの前身となる法人「Cadabra.com」を登記。1995年7月:Amazon.comが正式オープン2000年1月:Amazon.co.jpにて本のストアがオープンジェフ・ベゾフがAmazon創設前に所属していた企業で行ったインターネットビジネスの調査によって、インターネットが年2,300%という驚異的なペースで普及していることが分かりました。そこで、ネット販売に適した商材を検討したところ、結果的に残ったのが本でした。本の流通業界で大きくシェアを確保している企業がいなかったため、Amazonは書籍の販売からスタートを切ったというわけです。Facebook主な事業領域:「SNS」Facebookは世界中での利用者が23億8000万人(2018年12月31日時点)を誇る世界最大のSNSです。どんな人でも誰とでも繋がることができるという、オープンなデジタル上の公共スペースというのがFacebookの最大の特徴です。Facebook社が運営するSNSには、自社のFacebookや買収したInstagram・Whatsappなどがあります。ビジネスモデルFacebookはその収益の大部分をデジタル広告によって得ており、2015年にはFacebook全体の95%を広告収益が占めました。Facebookの広告はユーザープロフィールでの趣味嗜好などの個人情報を使って、表示する広告を各ユーザーごとにカスタマイズすることが可能で、ユーザーが快適にサービスを利用できるように低品質な広告は表示しないアルゴリズムに変更しています。そのために、ユーザーにとって興味のある広告が表示されるため広告が不快にならず、広告主にとっても効率の良い広告を出せるようになっています。今ではGoogleと肩を並べる世界最大のデジタル広告主にまで成長したFacebookですが、競合となるSNSが次々と生み出されている状況で、若年層のユーザー減少という課題を解決するために、以下のようなビジネスモデルの転換を模索しているようです。ビジネスモデルの転換①「急激なユーザー離れを受けて転換へ」公共的なSNSからプライベートな対話へのシフト・プライバシーの保護②「中国型モデルに接近するフェイスブック」中国モデルを参考にした決済、電子商取引のサービス導入による利便性の向上【引用】フェイスブックが大胆にビジネスモデルを転換へ(NRISolutions)沿革創設者:マーク・ザッカーバーグ2004年2月:ハーバード大学生向けの「TheFacebook」を立ち上げる。2005年・2006年:ベンチャーキャピタリストから巨額資金の獲得に成功2012年:株式公開2017年7月:株価が5.7%急騰し175ドルに到達。時価総額は0.5兆ドルに達し、ユーザー数が20億人(世界人口の27%)に到達。2018年12月31日:ユーザー数が23億8000万人を記録ハーバード大学の学生間での交流を促進するために始まったというのは有名な話ですが、今では一つの大学という規模をゆうに超え、世界最大のSNSに成長しました。その理由の一つに、Facebookのミッション​​​​​「誰もが安心して情報を共有できる、オープンでつながりのある世界を実現したい」があります。誰であっても誰とでも繋がることができるオープンな「デジタル上の公共スペース」というプラットフォームを作り上げることで、世界最大の利用者を誇るSNSにまで発展することができました。【参考】FACEBOOK公式サイトApple主な事業領域:「ハードとソフト」Appleの事業領域はiPhoneなどのハードウェアから、iOSやAppleStoreなどのソフトウェア・サービスなど幅広く展開しています。ハードウェア:iPod、iPhone、iPad、AppleWatch、iMacソフトウェア・サービス:iOS、AppleStore、AppleMusic、iTunesAppleはこれまでiPhoneの売上に依存してきましたが、現在ではiPhoneの販売台数が頭打ちになってきている状況で、今後はソフトウェアに注力していく方針のようです。【参考】iPhone依存率が50%を切ったアップルの転換点(東洋経済新聞)米アップル、サービス事業が急成長iPhoneに次ぐ柱(日経新聞)沿革創設者:スティーブ・ジョブズ、スティーブ・ウォズニアック1976年:スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックがガレージで創業。1977年:法人化。AppleIIの発売が成功。1983年:スティーブ・ジョブズが社長に。1984年:Macintoshを発売するも、失敗。スティーブ・ジョブズがAppleから去る。1997年:CEOとしてジョブズがAppleに復帰。2001年:iPod発売2007年:iPhone発売2010年:営業利益1兆円を突破2011年10月5日:スティーブ・ジョブズが死去2014年:iPhone6シリーズが大ヒット、通期の売上高も18億円に。iPodやiPhoneなど、革新的な技術を持ち、かつ洗練されたシンプルなデザインの製品を数多く生み出しているApple。そのミッションは、「革新的なハードウェア・ソフトウェア・サービスを通じて顧客に最高のユーザー体験を届けること」としており、それゆえに新製品の発売の度に長蛇の列ができてしまうほど熱狂的なファンを獲得することに成功しました。なぜGAFAがここまで成長できたのか?大国の国家予算規模までに成長したGAFAですが、その成長要因をGAFAの共通項から分析します。GAFAに共通している特徴①ビッグデータの活用②AIなど最新技術に莫大な投資・将来的に競合となりうる企業はMAで経営統合・買収③長期的経営思考とスピード④各社独自の経営方針①ビッグデータの活用それぞれの得意分野でユーザー体験を提供することでユーザーが増え、ビッグデータを収集・分析することで、さらなるユーザー体験を向上させることができます。そして、さらにユーザーが増えるという好循環を生むことができます。そのため、GAFAの最大の強みはビッグデータをいち早く収集・独占してきたことでしょう。Google膨大なビッグデータにページランク技術を活用することで検索結果に順位付けをするアルゴリズムを構築。高精度でユーザーにとって価値が高い順番に検索結果を表示することを可能にしています。ユーザーがGoogleを利用すればするほどデータが収集され、さらにアルゴリズムの精度が高くなっていきます。【参考】Google’sCTRanswerjustwhatyou’dexpect,andthisiswhySEOsgobananas(SearachEngineLand)Amazon大量の購買情報からAIを用いて、ユーザーひとりひとりの嗜好を分析し、ユーザーごとの購買予測に基づいて購買の可能性の高い別商品を提示するリコメンデーション機能を活用しています。また、購買傾向に類似性のある別のユーザーが買った商品などの提案をすることで、ユーザーひとり当たりの購買品数、購買頻度を高めています。【参考】ユニクロを脅かすアマゾンの"超個客主義"/他社を突き放すビッグデータ経営(PRESIDENTOnline)Facebookユーザーにとって興味のない広告・関連性の低い広告を表示しないようにアルゴリズムを適宜更新しています。また、広告がユーザーに不快にならないようにサイズを小さくする取り組みもあります。ユーザーが快適にサービスを利用できる環境を整備し、ユーザーと関連性の高い広告を表示しています。【参考】ビッグデータは天使か悪魔かFB「狙う広告」見直し(日本経済新聞)AppleAppleのビッグデータの活用は、個人情報を活用しないという点で他の3社とは違います。iCloudにサインインすることでユーザーの行動と個人情報が紐づきますが、サインインを必要としないサービスでユーザーの行動データを収集しています。その例にAppleMapsがあります。サインインをする必要がないので個人情報に紐づくことなく、ユーザーの行動を収集し、MapsにAR(拡張現実)を対応させる動きを見せています。【参考】プライバシーポリシー(Apple公式HP)②AIなど最新技術に莫大な先行投資・将来的に競合となりうる企業はMAで経営統合・買収GAFAの特徴の2つ目は最新技術への莫大な先行投資です。最新技術を他社よりもいち早く確保することが急務となっています。事業規模がどんなに小さくても最新技術を有し将来的に競合となりうる企業は買収するというのが定石となっています。買収し自社に取り組むことで、競合となりうる脅威を潰し自社のプロダクトや事業領域を広げています。GAFA各社のこれまでの主な買収は以下の通りです。Google2004年10月:keyholeを買収、現Googlemaps、Googleearth。2005年3月:Urchinを買収、現GoogleAnalytics。2005年7月:携帯電話ソフトウェア会社であるAndroidを買収。2006年10月:動画配信サービスYouTubeを16億5000万ドル(約2000億円)で買収。2007年11月、携帯電話用ソフトウェアのプラットフォームであるAndroidを発表2017年9月:台湾を拠点とするスマートフォンメーカーであるHTC社の一部を11億ドルで買収。Amazon1998年:イギリスのオンライン書籍販売の「bookpages」を買収。1998年:ドイツのオンライン書籍販売の「Telebuch.de」を買収。1999年:Webサイトのアクセス状況を順位付けするサイトであるAlexaInternetを買収。Amazono.comでのページランキングに技術が活用されています。2012年:倉庫内のロボット配送の「KivaSystems」を7億7,500万ドル(639億1580万円)で買収。2017年6月:高級スーパーである「WholeFoodsMarket」を137億ドル(1兆5,000億円)で買収。Amazonは1994年に創業してから2017年までに79社を買収しており、その目的としては扱う商材を拡充する目的と、物流施設のインフラ整備、販売ノウハウの確保という目的があるかと思います。カメラとリアルタイム画像処理システムを搭載したKivaSystemsのロボットを、Amazonの物流施設での運搬に導入したところ、2015年には1倉庫あたり2,200万ドルの経費削減に繋がったそうです。また、Amazonは無人コンビニである「AmazonGo」などのリアル店舗への進出を行なっていますが、「WholeFoodsMarket」の買収によってリアル店舗への進出と生鮮食料品分野の販売ノウハウを取得しようとしました。Facebook2012年4月:写真共有サービスのInstagramを10億ドルで買収。2014年2月:スマホ向けのメッセージング・サービスのWhatsAppを190億ドルで買収。Instagramはサービス開始2年で既に3000万人以上のユーザーを抱えていました。Facebookは、若い消費者の関心がInstagramに向いていることに気付き買収を決断しました。将来的に競合となりうる企業を排除するための買収ともいわれていますが、この買収がFacebookの成長の最大の要因と考えられています。Apple2009年7月:オンライン地図、API技術を有するplacebaseを買収→2012年9月AppleMapsを搭載したios6.0をアップデート2010年4月:音声によるパーソナルアシスタント、Siriを買収→2011年10月、Siriを搭載したios5.0をアップデート2012年7月:指紋認証によるセキュリティ開発のautentechを買収→2013年7月、指紋センサー搭載のios7.0をアップデート2019年5月:Intelのスマホモデム事業を10億ドルで買収すると発表、iPhoneに搭載する5Gモデムの開発に向けたIntelの従業員と知的財産の獲得が目的と考えられています。2010年以降、AppleがAIスタートアップの買収が最多で20社。【参考】アップル、買収20社で最多AIスタートアップ争奪戦(日本経済新聞)③長期的経営思考とスピード長期的経営思考とは「会社の企業価値を最大化するために、長期的な目線で事業や財務に関する戦略を総合的に組み立てる考え方」のことです。GAFAに共通していることは、短期的にどれだけのマイナスがでようと、長期的な目線に立って将来の成長のために勇気をもって先行投資をしてきたことです。長期的経営思考・短期的な損失を厭わない。・どこよりも早い先行投資によって市場での競争優位性を高め、後発企業の参入障壁を大きくする。・投資の目線が長期的で未来志向。また、経営判断のスピードが異常に早いということもGAFAの4社に共通していることです。GAFAは他社よりも早く先行投資することで市場での競争優位性を確保しています。そのためには、新規事業に投資してもいいのかどうか悩んでいる時間がありません。悩んでいるうちに他社に出し抜かれビジネスチャンスがどんどん減少していきます。GAFAの経営判断は経営計画が20%の段階での事業を5つスタートさせ、ヒットした事業が1つでもあれば他の4つを切り捨てて、そのヒットした1つの事業を伸ばしていくというように言われています。経営計画が100%の1つの事業を確実に進める日系企業とはその判断スピードが全く違い、日系企業がカメならGAFAはF1カーに例えられます。【参考】シリコンバレーの企業はどのようにしてスピードを上げているのか?④各社独自の経営戦略GAFAの成長には、各社独自のルールや戦略といった経営戦略が影響しているかと思われます。Google「20%ルール」この20%ルールというのは、「従業員は、勤務時間の20%の時間を通常の職務ではなく、自分の行いたいプロジェクトに費やすことができる」というものです。採算性を度外視した制度ではありますが、のちに莫大な利益を生む「Gmail」など多くの事業を創出しています。現在ではこのルールはないに等しいとされていますが、事業創出の目的はしっかりと果たせた制度であったことは疑いないでしょう。【参考】Googleの取り組み(Google公式HP)Amazon赤字のまま成長Amazonの成長要因はバーチャス・サイクルにあるということは説明しましたが、投資額が利益よりも大きいために何度も赤字を繰り返しています。しかし、そうした投資のおかげで誕生したクラウドコンピューティングサービスであるAWSはGoogleやMicrosoftですら参入をためらうようなレベルで市場シェアを高めました。近年では有料会員制動画コンテンツであるAmazonPrimeに多額の資金をつぎ込んでおり、2018年の年初時点でアメリカでの会員数は1億人に迫る勢いです。従来の赤字を出してでも先行投資をやめない姿勢を崩さずに、次の事業を成功させてきたことがAmazonの最大の特徴と言えるでしょう。クラウド事業の好調もあり現在では黒字に転じていますが、その利益もAmazonPrimeへの投資に回されていて、今度ますます拡大していくことが予測されます。【参考】Amazonが2019年第3四半期の決算を公表売上24%増ながらプライムへの投資が純利益を圧迫FacebookFacebookはサービスの拡充だけを成長戦略にするのではなく、ネットワーク効果を狙う方針です。これはつまり、ユーザー体験の向上だけでなく、ユーザー数を拡大していくということを意味します。2012年の写真共有アプリ「Instagram」と、2014年のインスタントメッセンジャーアプリ「Whatsapp」の買収により、ユーザーの規模を拡大させています。もともとのFacebookに加え、InstagramやWhatsappのユーザーを取り込むことに成功したということです。また、マルチホーミングを嫌うユーザーに対し、Instagramでのショッピング機能を拡充していくことで一つのメディア・サービスで行動を一貫できるようにしています。【ネットワーク効果】とはユーザーが増えれば増えるほど、その製品やサービスの価値が増加し、さらにユーザーが増えていくということです。ネットワーク外部性とも呼ばれます。【参考】FacebookがInstagram買収に大金を投じた理由--両社の狙いと写真共有にもたらす影響(cnetJapan)Apple連結売上高に占めるiPhoneの割合が非常に高く、その売上に依存しています。そのiPhoneのブランディングがAppleの成功の大きな要因となっています。①差別化戦略Appleは、iPodやiPhoneなど今までになかったような製品を生み出すことで、新しいユーザー体験を作ってきました。Apple製品は革新的な技術で、かつ洗練されたシンプルなデザインが特徴的です。新製品の発表もさながらファッションショーのようなエンターテインメントとなっています。製品のネーミングも、頭文字にiを付けることでユーザーにApple製品だを認識しやすくしています。②集中戦略iMac、iPod、iPhoneというハードウェアで、iOS、iTunes、AppleStoreというソフトウェア・サービスを提供することでAppleの一貫したサービスを提供しています。マルチホーミングを嫌うユーザーに対し、ハードウェアからソフトウェアまでAppleだけで完結できるような集中戦略をとっています。【参考】Appleが成功し続けてきた理由の一つ「絶対優位のデザイン戦略」とはGAFAの敵がついに出現!その正体とは?超大国並の事業規模にまで拡大したGAFAに向かうところ敵なし、というように思ってしまいがちですが、実は様々な問題を孕んでいます。その問題点とは何なのでしょうか。成長過程の中で将来的に競合となりうる企業を買収し自社に取り組むことで、脅威を排除していくというのがGAFAの定石だと解説しましたが、今後GAFAの脅威となりうる企業もまだまだたくさんあります。そのGAFAの敵とはいったい何なのか。その正体を探ってみると、企業だけがGAFAの敵ではないことが分かりました。GAFAの抱える問題点と、GAFAに迫る敵について解説します。GAFAが抱える問題点とは?問題点①:個人情報の流出問題点②:フェイクニュース問題点③:アメリカ大統領選挙の際にロシア干渉問題点④:テロ集団の調査協力を拒否問題点⑤:脱税の疑い・デジタル課税問題点⑥:市場独占・ビッグデータの独占問題点⑦:イノベーションの芽を摘む問題点①:個人情報の流出GAFAという巨大な企業ですらユーザーの個人情報の流出が多発しています。どんな企業であってもユーザーやクライアントの情報が流出することが危険なことは理解できるでしょう。ましてや、GAFAのように自分の住所やクレジットカード情報を紐づけているサービスであれば猶更一大事です。個人情報の流出というのはその企業の信用に関わる重要な出来事であるものの、それが多発してしまうというのは改善すべき問題点です。・2018年10月、Facebookで約3000万人の個人情報の流出。・2018年12月、Google+で約5250万人の個人情報が流出。・2019年5月、アップルをiTunes利用者が提訴、購入データと個人情報の流出で(Bloomberg)・2019年9月、アマゾン、アプリで誤作動他人の氏名・注文履歴表示(日経新聞)・2019年12月、Facebookで約2億6700万人の個人情報が流出。問題点②:フェイクニュースFacebookで、嘘の情報を真実かのように垂れ流されるフェイクニュースが問題になっています。こういったSNS上のデマというのは往々にして見かけるもので、ユーザー個人が情報の真偽を見定める必要があると言われます。しかし、このフェイクニュースが問題になっているのは、Facebookが言論の自由を守るためにフェイクニュースを認識していても削除していないことにあります。ただし、「ディープフェイク」には流石に対応しなければならなかったようです。「ディープフェイク」というのは、特定の人の画像からAIが、あたかもその人が話しているかのような動画のことです。そのディープフェイクの動画内では、FacebookCEOのマーク・ザッカーバーグが秘密組織への感謝を述べるという動画になっています。こうしたディープフェイク動画に対しては流石に削除するポリシーを明言しています。【参考】Facebook、誤解を招くディープフェイク動画は削除する新ポリシー(ITMediaNews)問題点③:ロシアからの干渉上記で取り上げた問題点②フェイクニュースに関連する問題です。2016年アメリカ大統領選挙の際に、Facebook上でロシア系企業やロシア政府関連のアカウントからアメリカ内での世論を分断するためにフェイクニュースを流されたことが問題になりました。【参考】フェイスブックロシア発偽情報、米国で1億2600万人に届いたと問題点④:テロ集団の調査協力を拒否2015年12月にアメリカで起きた銃乱射事件に際して、アメリカ政府がAppleに対してテロ犯のiPhoneのロック解除を要請したにも関わらず、Appleがそれを拒否したという問題です。アメリカNPO法人のPewReserchCenterのアンケートでは、51%の民衆がロック解除をすべきという意見でした。しかし、Appleは自社のユーザーのプライバシー保護を理由に断固として拒否し、調査に協力しませんでした。【参考】AMessagetoOurCustomers(Apple.com)Apple対FBIの「ロック解除論争」問題点⑤:脱税・デジタル課税GAFAはその事業規模に対して適切な法人税を納めていないという意見が散見されています。一般的な企業の場合、本社や支店、工場などの物理的な拠点を置く場所に法人税を課しているが、プラットフォーム企業はネット上にそのビジネスを置くため法人税から逃れられるわけです。アメリカ大手スーパーマーケットであるWalmartが2008年以降に支払ってきた法人税が約640億ドルなのに対し、Amazonは約14億ドルにとどまっています。【参考】ウォルマート幹部、アマゾンに対し「税金を払え」(日経ビジネス)問題点⑥:市場独占・ビッグデータの独占GAFAによって市場が独占されているため、日本における独占禁止法違反・アメリカにおける反トラスト法違反の疑いがあります。GAFAが市場を独占していることは明白ですが、彼らのワシントン上院議会でのロビー活動によって反トラスト法を掻い潜り逃げ続けている状況です。【参考】テク大手ロビー活動に本腰、反トラスト調査受け(THEWALLSTREETJOURNAL)問題点⑦:イノベーションの芽を摘むGAFAの現状の競合他社はGAFAからすれば小さい企業です。何もしなくても自然と倒れるのを待つか、成長してきた場合には買収して自社に取り込むというのがGAFAの定石です。そのため、今までのようなイノベーションが見込めなくなっています。【参考】「GAFAやめました」若者が離れ始めた根本理由・GAFAは「イノベーションの芽を摘む」存在に(licedoornews)GAFAの敵はアメリカ政府?日本政府・EUがGAFAを包囲?GAFAの最大の敵はアメリカ政府だと言えるでしょう。超大国並の経済的影響力を持っているものの、様々な問題を抱えアメリカに法人税を払わずテロ犯への調査協力をも拒否するGAFAはアメリカ政府からしたら目の上のたん瘤のような厄介な企業です。アメリカ政府はGAFAに対する規制を今後強化していく方針で、日本政府やEUでも同様の風潮が見られます。①アメリカ政府これまでアメリカ連邦議会では、ビジネスを縛る規制を減らし、自由な事業展開の後押しを重視してきました。しかし、2019年から下院で企業規制に積極的な民主党が多数派を握るようになり、大統領選挙でのフェイクニュースなどGAFAに関する問題や疑惑が次々と浮上する中、「IT規制論(テック規制論)」が強まっています。また、GAFAが今まで逃れ続けてきた反トラスト法に関して公聴会が開かれ、調査が進められています。【参考】GAFA包囲網米巨大ITのデータ独占に不信感(産経新聞)②日本政府日本政府は、「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法」という新しい法案を国会に提出予定です。この法案は、GAFAと中小企業間での不透明な契約を透明化するという内容になっており、ビッグデータを独占するGAFAに対して規制を強めていく方針です。【参考】政府、GAFA4社から聴取~データ独占規制は“いたちごっこ”の様相も③欧州連合欧州連合(EU)が、個人情報保護の取り組みとして「一般データ保護規則」(GDPR)を2019年5月に施行しました。EU圏内で取得したクレジットカードなどの個人情報をEU圏外に移転することを禁止しており、GAFAのビッグデータ活用に対する規制策を講じています。米中の技術覇権争いの激化でビジネスや安全保障でのデータの重要性が増している中で、GAFAから「データ主権」を欧州に取り戻す狙いがあり、EUはGAFAへの対決姿勢を一段と強める方針のようです。【参考】EU、GAFA規制一段と。「データ主権」回復狙う。新体制、12月発足へ(日経新聞)シリコンバレーの時代は終わった?GAFAのライバルは「BATH」?ユニコーン企業?ITベンチャー企業のスタートアップの場として人気が高いシリコンバレー。GAFAもシリコンバレー発のIT企業ですが、「IT企業ならシリコンバレー」という時代はもう終わったという見解もあります。それは、そもそものビジネスの舞台がアメリカだけでなく、GDPの成長が著しい中国に変わりつつあるということが背景にあります。【参考】「シリコンバレーの時代は終わった」と言える訳・米西海岸だけが先端技術の場所じゃない(東洋経済新聞)中国企業の隆盛「BATH」と呼ばれる成長が著しい中国企業があります。それはバイドゥ・アリババ・テンセント・ファーウェイの4つ企業の総称です。それぞれは以下のような事業領域で中国最大手の位置につけています。【BATH】バイドゥ:検索エンジンアリババ:ECサイトテンセント:ネットサービスファーウェイ:通信機器メーカー外資系企業の中国市場への参入を制限している中国政府の政策によって、GAFAがなかなか手を出せませんでした。そんな中、BATHが各々の事業領域で最大手につけているということは、世界最大の人口を誇る中国で14億人のユーザーをBATHが独占しているということです。中国で勢力を拡大しているBATHがGAFAの脅威になるのでは?と言われることが多くなってきました。【参考】巨大ITはGAFAだけじゃない中国「BAT」とは?(朝日新聞)ユニコーン企業GAFAの敵となりうるのはBATHだけでなく、ユニコーン企業の存在も度外視することはできません。【ユニコーン企業】とは急速に拡大成長したIT企業のことを指します。ユニコーン企業には次の4つの条件があります。①評価額10億ドル以上②起業10年以内③非上場④テクノロジー企業このユニコーン企業の代表例がUberTechnologyとAirbnbで、UberTechnologyはタクシー配車サービス、Airbnbは民泊サービスを展開しているユニコーン企業です。もともとFacebookもユニコーン企業の1つで、ユーザーが増えれば増えるほどビッグデータが収集できるようになり広告収益も拡大していきました。そのように、UberTechnologyやAirbnbもユーザーの拡大によってはGAFAの敵になる可能性は十分にあります。しかし、「移動」と「宿泊」というフェーズがGAFAの「検索」「購買」「SNS」といったフェーズよりも限定的なため、GAFAに打ち勝つのは至難かと思われます。GAFAの今後の展望は?次のビジネスは自動運転で確定か?GAFAの成長が、ビッグデータを収集・分析することで広告収益を高め、その利益で次のビジネスへの投資に利用するというものでした。しかし、近年では中国のBATHやUberTechnologyなどの新興企業との競合や、アメリカ政府をはじめとする各国政府の包囲網など、立ちはだかる障害がたくさんあります。GAFAが次なるビジネスを見つけるのが先か、その前に成長が頭打ちになりBATHやUberTechnologyに追いつかれてしまうのが先か、GAFAの今後の動きがIT業界の趨勢を占うようになっています。GAFAの次のビジネスとして最も可能性が高いと言えるのは自動運転でしょう。この分野にはGoogle・Amazon・Appleがすでに参入しています。GoogleはスタートアップのWaymoを買収し、自動運転タクシーの商用サービスを2018年12月にスタートさせ、2019年にはドライバーなしの実証実験も行っています。Amazonはドローンで配達できない大きなサイズの商品用に自動運転技術を搭載した配達ロボット「AmazonScout(アマゾン・スカウト)」の実証実験を予定しています。この自動運転ビジネスとして確立すれば、日本の自動車産業に影響が及ぶことは間違いありません。また、タクシー配車サービスを展開するUberTechnologyにも自動運転が導入される未来を予測するのも難しくありません。そうなるとGAFAとUberTechnologyが同じ事業領域で競合することとなります。もしかすると、GAFAがUberTechnologyを買収する?なんていうニュースが飛び込んでくるかもしれません。当然、GAFAが事業を拡大していけばいくほど、彼らの市場独占を嫌う各国政府の規制もさらに強くなっていくことでしょう。GAFAがその規制の網をかいくぐり今後どんな展開を見せるのか目が離せません。【参考】グーグルは「1200億円以上」を自動運転に投資裁判資料で判明謎多きAppleの自動運転事業、2020年は「台風の目」となるのか最後に今回はGAFAの事業領域やビジネスモデル、その成長要因と迫りくる敵、今後の展望について解説しました。「検索」「購買」「SNS」というフェーズにプラットフォームを整備してきましたが、次の次の次まで先行投資をしてきたGAFAですから、私たちが想像もしない分野にまでビジネス展開のビジョンを描いているかもしれません。IoTの時代に、GAFAについて知っておくことはどの業界に身を置いても重要なことですので、GAFAに関する基本知識を頭に入れておきましょう。他にも、GAFAやIT企業に関する記事を見たい方は以下の関連記事をご覧ください。関連記事Googleの企業研究Amazonの企業研究IT業界の業界研究 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伊藤忠商事の出世部署「業務部」について 伊藤忠商事の出世部署「業務部」について どの企業にも出世部署、エリート社員が集まる部署というものが存在します。純利益総合商社No1の座をついに射止めた伊藤忠商事においては、「業務部」という部署が出世部署の一つとして知られています。今回はこの業務部を紹介するとともに、どういう部署が出世部署と呼ばれるのかについても考えていきたいと思います。不毛地帯の主人公のモデル瀬島氏も所属した業務部とは伊藤忠商事における業務部とは、各営業部門から選抜された社員が所属する社長直轄の組織です。参考:伊藤忠商事組織図業務部の役割は、社内の各営業部の情報を収集して社長に進言を行い、中長期の経営計画の策定から成長戦略に繋がる全社的プロジェクトを進めるといったことまで行う部署です。経営に直結する決算や投資などの情報収集を絶えず行い、社長・経営陣と情報を共有しながら、大きな会社の今後を考えていく部署になります。社長や経営陣とも話す機会が多い部署のため、選抜される社員も30、40代前後の油の乗った社員が多く、選抜されて業務部を経験した社員は、元の営業部に戻る際もいいポジション・役職で戻っていくことが多くあります。参考:商社のIR戦略とトップのIR活動参考:室伏稔(16)瀬島龍三さんちなみに山崎豊子氏の小説「不毛地帯」の主人公のモデルである伊藤忠元会長の瀬島氏も業務部に所属しており、業務本部長として、伊藤忠商事の様々な案件に重要な役割を果たしたと言われています。不毛地帯(第1巻)(新潮文庫(や-5-40))参考:Wikipedia瀬島龍三歴代社長の多くも業務部に所属伊藤忠商事はこれまで11人の社長がいますが、確認できるだけでもそのうち3名が業務部を経験しています。第七代社長である米倉功氏と第九代社長である丹羽宇一郎氏は業務本部長を務めています。第八代社長である室伏氏は前述の瀬島氏が業務本部長の際に業務部員であったと言われています。参考:室伏稔(16)瀬島龍三さん社長・取締役との密なコミュニケーションができる部署が出世部署になる傾向伊藤忠商事では業務部が出世部署として知られていますが、他の会社でもこういった出世部署のようなものは存在しているでしょう。意外かもしれませんが、経営陣と直接交渉する機会の多い「労働組合」は多くの企業で出世部署として知られています。社員の代表として、経営陣・取締役とやり取りをするために、それなりに評価の高い社員が労働組合に抜擢されることおよび、労使協調路線を取るために、出世ポジションとして労働組合を置くことで、円滑な企業運営を進めたいことなどが原因として考えられます。参考:Wikipedia労使協調その他にも、全社の決算数字をまとめて、今後の方向性についても考える経営企画部や、全国転勤のある部署などにおいては本社の人事部が出世部署として認知されているケースがあります。大ヒットドラマ半沢直樹の悪役「浅野支店長」も元々は人事部出身であり、その権威を利用しようとするシーンが見受けられます。最後に出世部署についても、いきなり配属されるのではなく、仕事ができると評価された上で配属されます。社長や経営陣と直接コミュニケーションを取る機会も多い部署が出世部署になるケースが多いため、重責に耐えられる優秀な人材を選抜して送り込んでいます。そしてそういった人の多くは出世部署に配属されずとも評価されて出世することも多いので、出世部署に配属されるかどうかを考えるよりも、目の前の仕事に一生懸命取り組んだ上で、評価されることが第一であるとはどの会社員も理解しています。出世部署に配属されようともがくのではなく、どんな仕事でも持ち場で評価されるように地道に頑張ること、それが出世の近道なのかもしれません。 75,364 views
「個人の経験しかない」と感じる就活生はまず個人と組織の関係性を考えてみよう ー嵐「5-1=0」よりー 「個人の経験しかない」と感じる就活生はまず個人と組織の関係性を考えてみよう ー嵐「5-1=0」よりー 「就職活動で話せるエピソードがない」と不安な人には、就職エージェントneoがオススメです。アドバイザーと今までの経験を振り返り、個人で成し遂げたエピソードだけでなく、集団でなしとげたエピソードがないかなど、企業ごとに適したエピソードを一緒に考えてもらう、就職活動失敗の回避につながります。少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。5-1=0代数学的には誤った数式です。これを見てピンときた方。何のことか見当すらつかない方もいらっしゃると思います。こちらは2019年1月末に約2年後の活動休止を発表した人気アイドルグループ"嵐"について表した数式として話題を集めたものです。嵐は5人組のグループですが、そこから1人でも欠ければ、それはもう嵐ではない。誰1人として欠けてはいけない。そんな"嵐の定理"とも呼ばれるこの数式は、嵐の仲の良さや絆の強さを表すものとして、一時はTwitterのトップトレンドに挙がるなど大きな話題を集めました。「嵐は最高のグループだ」といった正に称賛の嵐に沸く中、捻くれ者の私にはこのような考えが浮かびました。「果たしてこれが人気グループのあるべき姿なのか?」以上より本記事では、嵐の定理「5-1=0」を起点に、「個人と組織の関係性」、及びそこから導かれる就活生が考えるべき組織論のアプローチを提示していきます。前提として:嵐の今回の決断や考え方は素晴らしいと思う前提として、筆者は「5-1=0」も含めた今回の嵐の一連の活動休止に関する対応に関して、否定的な考えは持っていません。人気グループと言えども、事務所や本人たちが合意した形で決断したことにあれこれ言う権利はなく、ましてや「無責任」なんて考え方には至りえないと思っています。本記事は嵐自体について述べることが主旨なのではなく、「嵐のような考え方を持つグループ・チーム・組織」について、就職活動と照らし合わせながら考察しているという位置づけをまず理解していただければと思います。「あなたがチームで働いている姿が想像できません」章タイトルは私が大学時代に所属していた陸上競技サークルの後輩が東京海上日動のインターン面接で実際に面接官にフィードバックされた内容になります。ご存知の通り、陸上競技は典型的な個人スポーツです。もちろん駅伝のような他人のタイムが自分を含めたチームの結果に影響する競技もありますが、それもあくまで個人のタイムの合計に過ぎません。なぜ企業は集団での経験を求めてくるのかこの手の話は上記例に限らず多くの後輩から相談を受けた記憶があります。における「1.個人として努力し、成果を上げることができる」をアピールするようなエピソードというのは用意しやすいことも多い一方、いわゆる企業ウケがよくないのではと個人としての経験ばかりしていたことに不安や焦りを感じている就活生は一定数存在している印象があります。ではなぜ、企業側は個人としての経験よりもチームとしての経験を就活生に求める傾向にあるのか。unistyleユーザーの皆さんには聞き飽きた話かもしれませんが、それは「仕事は基本的に1人で完結するものではなく、ほとんどが複数人数が関わり合って進めていくもの」だからです。皆さんの多くが目指すような企業は事業部やプロジェクトチームといった組織に細分化されたのち、それぞれに属する個々人が協業することで事業部の成果・企業全体の成果に貢献していくことになります。そのため、学生時代から集団の中で自らの強みを発揮し、チームに貢献した経験をしたことがある人材を企業側が評価するのは自然な考え方でしょう。なお、個人で何かをした経験しかなく、自己PRなどで悩んでいる就活生は就職エージェントneoの利用も検討してみると良いでしょう。アドバイザーと一緒に第三者目線で、過去や現在のエピソードから自分が気づけていないアピールポイントを探すことができます。少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。勘違いすべきでないこと:「個人としての努力は前提かつ重要」である上記のような背景から、「就活界隈では個人としての経験はチームとして成果を上げるための前提に過ぎず、それについてアピールしてもあまり意味がない」といったような風潮は少なからずあると思っています。確かに個人の努力なくして組織の成果はまず上がらないので"前提"というのはそうなのでしょうが、その重要性自体にも目を向けてほしいと考えています。終身雇用・年功序列といった日本的雇用慣行が薄れ、高学歴卒や「〇〇社に勤めている」という肩書の価値低下が指摘される昨今。もともと学歴フィルターというのも、「高学歴層では目標達成のために愚直に努力できる人材に出会える可能性が高い」という観点での統計的差別によるものと言われています。一方で、「今の時代、正解があること・言われたことをただただ必死にこなす能力はAIでも出来るようになるんだから、学歴なんて肩書の意味はなくなる」のような論調も少なからず耳にします。しかし、起業家のような一見アイデア力で勝負しているように見える人材であっても、結局のところ個人としての努力がベースとなっており、多くの人は「そもそもの行動や努力が足りない」という段階で甘んじている面もあると思っています。就職活動においても、下記で述べたように「何をやるか」以前にそもそも時間をかけて努力する気概が足りていない就活生は多く見受けられます。優秀な就活生は、必ずどこかで個人としての努力を積み重ねています。「人生の夏休み」とも呼ばれる大学生活において、"効率性"を語るほど時間が無い人がどれだけいるのか疑問であり、重要なファーストキャリアを決定する就職活動に圧倒的に時間をかける選択が間違っているとは考えにくいでしょう。出典:以上より、企業がエピソードとして個人ではなく組織での経験を求めることが多いのは事実にせよ、「個人としての努力」それ自体は前提かつ重要であるという立ち位置は把握していただければと思います。「個人と組織」の関係性を考えてみる「ヒト」は組織の構成要素の一つであるヒト・モノ・カネ・情報が経営の四要素と言われるように、当然ですが現代社会においては基本的に人間の力がなくては事業は成り立ちません。ヒトが集まればそのまま組織になるというわけではありませんが、ヒトの集合体は組織の構成物の一つであり、ビジネスモデルによって割合は前後しますが企業の競争力の源泉に少なからず関係しています。例えば皆さんが今ご覧になっているunistyleも、ユーザーが直接目にするのはこういった記事を始めとするコンテンツ(=商材)になるわけですが、現状それを作り出しているのは我々人間です。個人の成果は組織の成果に直結するか企業とは、営利を目的とする組織です。一般的な大企業が利益を上げるためには、先述した通り、事業部・プロジェクトチームといった単位の成果に向けて個々人が行動することが求められます。では、そのような小単位の組織が成果を上げる要因は何か。ヒトにフォーカスして考えてみると、まず個々人のスキルが高いことは当然成果を上げる要因になります。1のスキルを持った人が5人いる組織と、2のスキルを持った組織が5人いる組織とでは、後者の方が成果が出るのは当然でしょう。組織論においてはそれよりも、単純な足し算では同じ成果が期待できるメンバーをうまく稼働させてより大きな成果を出すこと。すなわち、「1+1+1」で「3」より大きな成果を出すことが重要な論点になります。企業全体で見れば、例えば新卒就活においていかに優秀な個人をどれだけ採用できるかはもちろん人事側の重要なミッションでしょう。しかし、それと同時に、限られた人的資源というリソースをどう各組織に割り当てるかというのも、メンバーシップ型をとる日系大企業の多くでは重要になってきます。更に広く新卒就活市場全体で見ても、日本という組織にどう人材を割り振るかを決める活動が就職活動だったりもします。皆さんの学生生活においても、例えば新歓で「いい」新入生をより多く集めることに対する取り組みは多く見受けられるのですが、「いいサークル」というものをつくるには役職決めやメンバー決めといった人的資源配分の観点からも貢献できるという視点も持っていただければと思います。(もちろんサークルやゼミといった組織は一般には営利を目的とした団体ではないため、企業と同じようにはいかない面もあるとは思っていますが)「いい組織」とは何かを考えてみるでは、以上の内容から、「いい」組織とは一体どういうものなのか。どうすれば、「1+1+1」で「3」より大きい成果を出すことができるのか。「仕事が1人で完結しない」理由「仕事は基本的に1人ではせずチームで進めていくもの」である理由として、・単純に業務量として1人ではこなせないため・個人のスキルでカバーできる領域には限界があるための2点が挙げられます。総合職一括採用としてゼネラリストとしての活躍が求められることが多い日系大企業の場合でも、「営業職」「係長」といった職種・役職が設定されているように、個々人がそれぞれの立場から行動していくことで事業は成り立ちます。例えば、メーカーの一般的な仕事の流れである「研究開発→調達→生産→営業」といった役割を全て同時に全うしている人材はまず存在しません。いくら高品質の商品を生み出すアイディアがあっても実際に小売店の棚に並ばないことには利益にはなりませんし、商品を生産する体制が確立していないことには営業活動も意味をなさなくなってしまいます。まとめれば、一つの商材にも、数多くのプレーヤーが関わり合って最終的な利益を生み出しているということ。すなわち、個々人がそれぞれの役割を果たしながらお互いの足りないスキルや知見を補い合いながら協力していくことが求められており、事業の円滑化のためには不可欠な組織の在り方だと言うことができます。(繰り返しますが、「1人で完結できる度合い」といったものはビジネスモデルによって前後します)実際に大企業で1年働いてみて感じたこと筆者は昨年春に大学を卒業し、新卒でSIerと呼ばれる業界に属する大企業で1年近く働いてきました。短い期間ではありますが、実際に社会に出て働いてみて一番実感したのは、先述した「個々人がそれぞれの役割を果たしながらお互いの足りないスキルや知見を補い合いながら協力していくこと」によって組織は成り立っているのだということです。unistyleでもSIer業界は典型的な上記軸に該当する業界だと述べてきましたが、実際に働くまでは「そういうものらしい」と自己PRで述べる強みを寄せようかぐらいにしか考えていませんでした。しかし、実際の企業の現場では・プログラミングは全く出来ないが、コミュニケーションロスを起こさない仕組みづくりにとことん長けた社員・基本無口で正直普段は何をやっているかよくわからないが、データベース周りの故障だけは何でも解決してくれる社員etc...といったように、「それ自体は実体がないサービス」であるシステムを完成させるために、それぞれのスキルや知見を総結集してプロジェクトは進んでいくのだと実感するようになっていきました。また、ICTのソリューションには、企画段階から分析・運用段階まで文系・理系問わず多様な人材が携わっており、それぞれが異なる価値観や要望を持った人が存在しています。参考:エンドユーザーにサービスを届けるためにはグループ他社や情報サービス産業に携わる各プレイヤーと共に事業を遂行していく必要があります。クライアントとなり得る業界・分野は非常に多岐に渡り、あらゆる角度から社会へ価値提供している点が特徴と言うことができます。参考:嵐の定理と日系大企業さて、冒頭で話題に挙げた嵐ですが、活動休止の決断理由は「嵐は誰1人として欠けてはいけない」グループだからでした。リーダーの大野さんが芸能界から一旦離れることを考えていたことをきっかけに、「大野さん(=1)」が欠けた「嵐(=5)」は「嵐じゃない(=0)」というのが嵐全体の考え方に見えます。特に嵐のことを詳しいわけではない一般人の私があれこれ語るのは恐縮ですが、大野さんは嵐の中でも歌が上手く・櫻井さんは司会やまとめ役・二宮さんはトーク力に優れ...といったように、メンバー一人ひとりが自分の役割を持ち、助け合いながら嵐という国民的グループを作り上げたのだと勝手に考えています。そんな中で、大野さん1人が欠けるのでも足りないピースは補い合い切れず、グループとしての意義は大きく薄れるという想いを、メンバーの方々は少なからず抱いていたのかもしれません。お互いがお互いを補い合う"n銃士"的な組織このような、個人がそれぞれの特性を活かしお互いを補い合うチームの代表格として知られるのが、フランスの小説家アレクサンドル・デュマの代表作である『三銃士』です。アトス・アラミス・ポルトスの3人は王妃を救う大冒険へ、それぞれ性格や得意技が異なる中でお互いの役割を発揮しながら足を進めていきます。今では剣裁きに関係なくとも、「切っても切り離せない友情関係」のようなものを"n銃士"として間接的に表現した作品はいくつもあります。(一番有名なのは、2009年にアカデミー賞作品賞を獲得したスラムドック$ミリオネア辺りでしょうか)私自身、小学校の時からこのn銃士的なチームには何となく憧れを抱いており、駅伝のメンバーやエース格のサークルの同期といった仲の良い友人と一緒に"四銃士"なり"六銃士"といった形で勝手に命名したりもしていました。例えば各メンバーが色分けされた戦隊モノのヒーローなんかもn銃士的な考えが一部根底にある印象もあります。「助け合い」「誰1人として欠けてはいけない」「みんながいたから乗り越えられた」といったようなチームは理屈抜きで美しく・格好良く感じるもので、組織の理想的な姿として好印象を持つ方は私に限らず多いものだと勝手ながら思っています。冒頭から触れている嵐についても、典型的なn銃士をベースとしたグループと言えるのかもしれません。考えて欲しいこと:"n銃士"とは「誰にとって」いい組織なのかさて、ここまでの内容では「個々人がそれぞれの役割を果たしながらお互いの足りないスキルや知見を補い合いながら協力できる組織」こそがいい組織なのだという結論に至りそうな形になっています。そんな中で、一つの考え方を提示する一曲を提示します。力を合わせりゃどんな困難も怖くない皆で一緒にいこうぜ!ヨーロッパ丸かじり(Hey!)出典:スタメンKiDS『スタメン七銃士』作詞:kenmochihidefumi(水曜日のカンパネラ)こちらは小学生男子メンバーによる7人組ユニットスタメンKiDSの楽曲である『スタメン七銃士』の一節になります。唐突に嵐と関係のないグループの話になりましたが、就職活動に絡めるためにビジネスにおける組織について両者を踏まえながら考察していきます。組織のメンバーが欠けることはそれなりにある嵐は「一人でも欠けたらそれは嵐ではない」という信念(=嵐の定理)から活動休止の道を選びました。当然ですが、ビジネスの現場では「〇〇さんが退職されたからこの事業部は撤退する」という決断は勝手にできるものではなく、基本的にはメンバーが欠けても全社方針に沿って事業を継続していく必要があります。メンバーシップ型の日系大企業では、本人やチームの本意/不本意に限らず突然の異動というのが発生する可能性はいつでも考えられます。そんな中で、「誰1人でも欠けてはいけない」という状況は継続的な組織運営の観点では好ましくないものであり、知識やノウハウの共有を日常的にするなどして「〇〇が欠けてはいけない」という状況からは少しでも離れた方がリスクは小さいでしょう。(近年の働き方改革の観点でも、業務量的な話で「多少誰かが休んでも仕事が回るような余裕を持った人的資源配分をすべき」という論調を耳にすることは多くなっています)みんな「で」において、やるのは「誰」か?先ほどのスタメンKiDSの楽曲の一節には「皆で一緒にいこうぜ」という言葉がありました。では、この場合の「皆で」とは誰を指すのか。これは(恐らくメンバー)"全員で"という意味でしょう。「みんなで頑張ろう」「チーム一丸となって勝ちに行こう」といった”全員主義”とも言える方針は日本人好みの考え方だと言われることがあります。個人が入学試験会場で合格点を取るかどうかで合否が分かれる大学受験ですら、「受験は団体戦」という言葉で団体意識も求められたことがあるという方もいるでしょう。しかし、個人的な意見ではありますが、この「みんな『で』」という意識と「みんな『が』」という意識には乖離があると思っています。「みんな『で』」一丸となって成果を上げるには個々人の行動が当然不可欠です。しかし、これは見方によっては「個々人がどう活躍するのかは問題ではなく、組織全体がうまくいけばいいもの」として、「みんなのうち誰かがやってくれるだろう」という当事者意識に欠けた集団になる可能性を含むものだと考えています。もちろん、ビジネスモデルによって個々人の成果が見えにくい働き方というのは多数存在していますが、「評価されにくい=行動・努力をしなくてもよい」というわけには当然いきません。「みんな『で』一丸となる」意識は必ずしも必要ではなく、個々人が「自分『が』この案件を成功させるのだ」・「自分『が』この問題を解決するのだ」という強い当事者意識から主体的に行動出来る個人の集まり。これこそが真の「組織として成果を上げることが出来るいい組織」という見方も出来るのでは無いでしょうか。馴れ合いではなく、誰かが補ってくれるだろうでもなく、誤解を恐れずに言えば「自分の力でなんとかしてしまおう」ぐらいの気概を持った個人の集合体は強固に見えます。個人で出来る仕事は個人で済ませてしまった方が意識違いといった障害や稼働を削減する効果もあり、何でもかんでも「みんな『で』取り組もう」とする姿勢は結果的に組織の成果を阻害することも考えられるでしょう。「リーダーシップは全員に」の意味リーダーシップとは、リーダーだけ必要とされる能力ではなく、チームの誰もが持っているべきものだと言えます。出典:上記記事を始めとして、unistyleでは何度も「リーダーシップとはリーダーだけが持つべき素養ではなく、メンバー全員が持つことでより良いチームとなる」という旨を述べてきましたが、ここまで本記事を読み進めた方はその意味が明らかになってきたのではないでしょうか。先述した「自分『が』」という意識・態度は、信頼関係構築や周囲を巻き込むといったリーダーシップを生み出す一因になるということを認識いただければと思います。では、実際の選考では組織論をどう活用していくべきかここまでは個人と組織の関係を一貫して考えていきました。この内容をエントリーシートや面接といった選考フローでどう活用するかは皆さん次第ではありますが、一つ例を挙げながらもう少しヒントを加えます。「チームプレー」と「チームワーク」私事ではありますが、筆者は大学時代陸上競技とダーツという二つのサークルを掛け持ちしていました。身体的な活動量が大きく異なる両者ですが、共通して言えるのがどちらも典型的な個人スポーツだというところです。(ダーツが「スポーツ」かという話は置いておいて下さい)どちらも、複数人数で戦う競技は存在します。陸上競技なら、リレーや駅伝・ダーツならダブルスやトリオスといった団体戦がそれに該当します。しかし、結局のところ団体戦とは言え、その結果はほぼ個人のタイムやスコアを積み重ねたものに過ぎません。「1+1+1」をどう高めるかよりも、1自体を高めないとチームの結果には結びつきません。かと言って、自分1人の力でどうにかなるわけでもありません。何だか個人競技なのか団体競技なのか線引きが難しいような話になりましたが、これを言語化するうえで一つのヒントとなるのが以下の言葉です。『我々の間にチームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。あるとすればスタンドプレーから生じるチームワークだけだ。』出典:ITmediaエンタープライズ荒巻課長は電脳部下の夢を見るか――攻殻機動隊にみるHumanResourceManagementこちらは士郎正宗氏原作の漫画『攻殻機動隊』の有名な一節です。私自身作品自体をあまり深く知っているわけではないですが、この言葉の意味に関して様々な意見が飛び交っていること自体は認識していました。"チームプレー"とは文字通り、「チーム『で』プレーすること」です。先述したお互いが自らの役割を認識し足りないスキルや知見を補い合いながら協力していくn銃士的な側面が大きいと言えます。しかし、作中でこの言葉を残した荒巻課長は、このチームプレーを"言い訳"と表現しています。この部分が「『誰かが何とかしてくれるだろう』という当事者意識に欠けた状態」に近しいものがあると言えます。「データベース回り」といった過度な役割化は、その領域から外れたときに自分ゴトとして捉えられず、荒巻課長の言う”言い訳”に繋がります。(GDで役割決めが本質的ではないとする理由もこれに近いものがあります)チームワークとは、「チームワークを発揮しよう」という直接的な意識から生じるものではなく、個々人のスタンドプレーから結果的に生じるものという意味があると考えられます。陸上競技もダーツも、プレー中は誰かが助けてくれるわけでもなく、結局は自分の力で目の前にある道は切り開いていかなければなりません。それでも、その多くにはチームワークが存在しています。皆さんが持つ、就活ではアピールしにくいと考えがちな、「個人としての経験」。それは確かに直接的なチームプレーではないかもしれません。では、メンバー・サークル全体・バイト先の店舗といった各組織の成果に、一体どのような形で貢献しているのか。本記事を起点に、あなたなりの個人と組織の関係論を導き出していただければと思います。最後にー個人と組織は不可分。だからこそ常に向き合い続けよう最近、「いかがでしたか?」で締めを開始するような中身の無いキュレーション記事乱立の問題点が指摘されています。それらを見ても物事を解決できないことが上記では問題視されています。中身の無い内容を乱立されるメディアは価値が高いものとは言えないでしょう。一方、Webサイトに記載されている内容で解決出来る物事が限られているというのは以前からわかっていた話であり、過度にそこに解を求めるべきではありません。今回も、「こうやって個人の経験を伝えれば内定が獲得出来る」という解を提示したのではなく、個人と組織の考え方について示唆を与えたものに過ぎません。(そもそも、「〇〇すれば内定」みたいなあり得ないテクニックを語ることは適当ではないと思っています)嵐が「5-1=0」を選んだのなら、今度は1人欠けてもグループ活動を続ける道を選んだ関ジャニ∞と対比して捉えてみてもいいかもしれません。途中で述べた、役職決め・メンバー決めといったテーマで学生時代頑張ったことを書き上げてみてもいいかもしれません。unistyleは、「一人ひとりの納得したキャリア選択のための考え方を提示するメディア」であるという意味を、本記事を通して感じ取っていただければ幸いです。話が逸れましたが、個人と組織は不可分です。「個人でも稼げる時代」と言われながら、GAFAを始めとした莫大なデータを持つ組織が世界をも支配するのではという指摘もある、混沌とした時代。「個人『でも』」稼げる時代でも、「個人で稼げるような人材」の組織化は今後も続いていくでしょう。また、今回はどちらというと“n銃士”の弱点側にフォーカスして記述しましたが、あくまでそれはビジネス上の観点に過ぎません。日常生活で何が何でも組織の成果を基準に良し悪しを判断するのは息苦しいことですし、互いが互いを補い合うn銃士は理屈抜きで美しく感じます。私自身、n銃士的なチームにはこれまでの人生で何度も助けられて来ました。明確な役割は無く、チームへの貢献意識すらない中でも、直感的にいいチームだと思える所に所属出来ることは喜ばしいことだと思っています。学生時代の出会いは、社会に出てからと比べれば損得無しに付き合えるものばかりであり、長期的に見ても貴重な存在です。それでは最後になりますが、七銃士とは別かつ私の好きなスタメンKiDSの曲の一節をお借りして、本記事の末筆とさせていただきます。強がって意地張っていきがってみたって蓋を開ければ皆んな同じつまんないことにくよくよするそんな暇なんてないないなーい出典:スタメンKiDS『まつりBAYASHI!!』作詞:kenmochihidefumi(水曜日のカンパネラ)就職活動という場において、就活生の皆さんはスーパーマンや聖人君子である必要はありません。強がって意地張っていきがったところで自分は自分であり、時には周囲に助けを求め、助け合い、補い合うことは社会に出てからも大切になっていきます。是非前向きな気持ちを崩すこと無く、残りの就職活動を全力で駆け抜けていって下さい。皆さんの学生生活・社会人生活がより充実したものになりますように。 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情報収集に役立つ!?企業の人事・採用担当SNSアカウントまとめ 情報収集に役立つ!?企業の人事・採用担当SNSアカウントまとめ 就活においてSNSは、利用の仕方によりプラスにもマイナスにもなり得ます。SNSの誤った使い方によって内定を取り消されてしまう場合もあれば、SNSで情報収集をすることによって就活を有利に進めることも可能になります。そこで本記事ではSNSの有効活用の一例として、企業の採用担当のSNSを活用する方法について解説していきます。企業の採用担当のSNSアカウントを見る際のポイントSNSの活用方法として、企業の採用担当のSNSから情報を得るという方法があります。SNSアカウントを見ることにより、企業や採用担当が求めている人材などといった情報を得ることができます。しかしそれはどういった投稿から判断することができるのでしょうか。以下で詳しく解説していきます。関西20内定者の@Pnta_rの仕事に密着した記事。良いなと思ったのが「内定者バイトだけど、内定者バイトだと思って働かない」という視点。地方スタートアップ組織だからこそ、こういう視点で自らマーケットつくりにいくことが本当に大事。応援!https://t.co/kRsmeK4loO—木村祥子@サイバーエージェント人事(@shouko1115)August7,2019例えば、上記の記事はサイバーエージェントの内定者アルバイトをしている学生へのインタビュー記事となっています。インタビューにおいてサイバーエージェントの内定者は次のように述べています。内定者アルバイトだと思って働かないことですね。CyberACEの大阪支社立ち上げの一員であり、これからの会社の未来を創っていくんだという気持ちを大切にしています。それに対し、サイバーエージェントの人事は「地方スタートアップ組織だからこそ、こういう視点で自らマーケットつくりにいくことが本当に大事」と投稿しています。このことから、サイバーエージェントの人事側は、"主体的に動ける""当事者意識を持っている"人材を求めていることがわかります。このような観点で人事や採用担当者の投稿を見ることで、求めている人材像を割り出すことができ、高評価に繋がる自己PRを考えることができるのではないでしょうか。採用担当SNSアカウントまとめunistyleで調べた各企業の採用担当のSNSアカウントを、以下に一部抜粋しました。気になる企業があった就活生はぜひフォローしてみてください。採用担当アカウント一覧●サイバーエージェント新卒採用人事●DeNA新卒採用●テレビ東京採用担当●ビズリーチ新卒採用●パーソルグループ公式●テレビ朝日新卒採用●Honda新卒採用情報●エイベックス採用●フジテレビ人事部●ソニーミュージック採用情報※他にもSNSアカウントがあれば本記事に追加しますのでこちらにご連絡ください。最後に本記事では、企業の採用担当のSNSアカウントと、アカウントを見る際のポイントを紹介しました。今や各企業の人事や採用担当もSNSアカウントを持っている人が多く、就活生のアカウントをチェックしている企業も多いため、SNSでの投稿が原因で内定を取り消されたなどの事例もあります。しかし、SNSをうまく活用して情報収集をすることにより、就活を有利に進めることも可能となります。そのため、情報収集の手段としてSNSを利用する際は、投稿内容に注意しつつ活用することが大切です。注意する点に関しては以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。【関連記事】 10,858 views

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