未来から逆算したキャリアを描け!新しい時代の就活とは。

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最終更新日:2023年09月28日

未来から逆算したキャリアを描け!新しい時代の就活とは。
本記事はパーソルキャリアのPR記事になります。

「あなたは2050年、どんな人間になっていますか?」

30年先の未来では、多くの物事が変わっているでしょう。

急激に変化する時代の流れの中では、未来の変化を捉えてキャリアを構築しなければなりません。

今回は、そのような時代を背景に「あるべき就活の姿」について、パーソルホールディングス株式会社にて新卒採用統括責任者や、パーソルキャリア株式会社にてはたらクリエイティブディレクターとして若者のはたらくに対するワクワクや期待を作り出す活動をする佐藤 裕さんに、お話を聞きました。

これまで15万人以上の学生と接点を持ち、年間200本の講演・講義を実施。現在の活動はアジア各国での外国人学生の日本就職支援にまで広がり、文部科学省の留学支援プログラム「CAMPUS Asia Program」の外部評価委員に選出され、グローバルでも多くの活動を行っている。

また、パーソルキャリア株式会社では若者にはたらくの本質や楽しさを伝えるエバンジェリスト、パーソルホールディングス株式会社ではグループ新卒採用統括責任者、株式会社ベネッセi-キャリア特任研究員、株式会社パーソル総合研究所客員研究員、関西学院大学フェロー、デジタルハリウッド大学の非常勤講師としての肩書きや、2019年3月にはハーバート大学で特別講師として講演を実施した経験を持つ。
 

2020年1月に自身初の著書『新しい就活 自己分析はやめる! 15万人にキャリア指導してきたプロが伝授する内定獲得メソッド』を河出新社より刊行。


◆佐藤裕さんのTwitterはこちらから
パーソルホールディングス株式会社HP

データから読み解く日本の就活事情

新入社員の8割が持つリアリティ・ショックとは

若年層向けキャリア教育支援プロジェクト「CAMP」とパーソル総合研究所が合同で行った調査では、入社後にリアリティ・ショックを感じた社会人は約8割いるというデータがあります。

長い人では約2年という期間を就活に費やしているのにも関わらず、このような事実になってしまっていることに就活生はまず注目してほしいと思っています。

リアリティ・ショックとは
アメリカの組織心理学者のEC・ヒューズによって提唱された概念で、「理想と現実の違いに衝撃を受けること」と定義されている。

リアリティ・ショックの中身は、仕事内容福利厚生やり甲斐職場環境など多岐に渡り、入社前に想像していたことと入社してから実感することに生じるギャップです。しかしそのどれもが、早い段階で気づける内容のものばかりです。

これは、企業が嘘をついているということではありません。就活生にとってそう見えてしまっているということなんです。

リアリティ・ショックを感じると、隣の芝が青く見えていまい、少しずつ入社前に抱いてた気持ちが変わっていきます。そうなると、早期離職などを引き起こすリスクとなってしまいます。

3年で3割が離職してまっている実態

新卒で入社した人が、3年以内に全体の約3割が離職してしまっている現状をご存知でしょうか。

この結果は、前述したリアリティ・ショックと価値観のコンフリクトによって引き起こされていると考えています。

価値観のコンフリクトとは、自己分析で確立した過去の価値観と社会に出て新たに生まれた価値観とのコンフリクトを指します。

自己分析によって確立した価値観や考え方などで未来を決めてしまう就活生も多いです。例えば、人が好きだから人材業界を志望する就活生などが該当します。

しかし、社会に出ると価値観は当然変わるものです。価値観が変わった結果、昔の価値観とぶつかってしまうことになります。

これらの価値観のコンフリクトとリアリティ・ショックによって、新卒社員が3年以内に35%が辞めていくという結果に繋がっていると私は考えています。

そして、この離職率は30年程変わっていません。

社会人の4割が自分の就活に後悔

このような背景の中で就活をしているので、「CAMP」が行った調査で10年目までの社会人の約4割が自分の就活に後悔しているというデータもあります。

そもそもの就活を間違えてしまっているので、転職してリスタートを切ったとしてもジョブホッパーになってしまったり、うまく転職先を見つけられなかったりする人なども出てきます。

その結果、10年経って30歳を超えても、社会人の約40%が「もっと10年後を見据えて就活をすれば良かった」「実際に働いてる人の話をちゃんと聞かなかった」といったように後悔することになります。これも異常な数値です。

この事実を、学生に自分ごととして捉えて欲しい。

10年経っても、学生時代の就活を後悔している人がいるということを自分ごととして捉えて、今の就活は何か違うな、ということに気づいて欲しいと思っています。

日本ではたらくを楽しめている人口は、たった6%

就活に後悔していることに起因していると私は考えているのですが、日本で熱意を持って働くことができている、つまりは働くことを楽しめているのはたったの6%というデータがあり、これは139ヶ国中132位と、世界的に見ても非常に低い水準です。

まずこの事実を就活生に知ってほしいと思っています。

はたらく前に、学生たちは就活などで社会人から「社会は楽しいぞ」というインプットされます。

しかし実際は、94%は働くことに意欲がないと感じている国なのです。

だから私は、学生に対して「朝のラッシュの電車に乗ってみなさい」と言っています。朝からワクワクしてる人はほとんど見かけることがありません、みんな下を向いています。

このような数値としての事実をしっかりと認識することが重要だと思っています。

未来志向の人材が求められる〜未来から逆算したキャリアプラン〜

このような日本の就活の現状を引き起こしたのは、間違った自己分析や面接のテクニックなどに重きを置き、内定をゴールとした従来のマニュアル通りともいえる古い就活です。

この現状を打破するために必要なのが、新しい就活であり、未来志向のキャリアプランです。

未来志向のキャリアプランとは

未来志向のキャリアプランとは、未来の情報から逆算して意思決定することです。

例えば1つ質問をします。あなたがもし、

「来月からロシアに行って来い」

と政府から断ることのできない命令を受けたらどうしますか。少し考えてみてください。

多くの人はロシア語を学ぼうとすると思います。未来志向のキャリアとはそういうことです。

このような命令を受けると、具体的に未来を想像します。想像した未来から逆算して考え、言語を学ぶという選択しました。

このように、今やりたいことや変わりやすいものを軸に就活をするのでなはく、未来志向で必要となるスキルや経験を逆算し何を身に付けるべきか明確にすること。

未来の情報から逆算して意思決定することが、未来志向を元にキャリアプランを設計するということです。

実際に、シリコンバレーの学生で、今必死に機械学習を学んでいる人もいます。これは未来においては機械学習に関する知識がないと取り残されるという危機感を持っているためです。つまりは、未来志向でキャリアを考えているということです。

このような未来志向のキャリアプランこそが新しい就活の考え方です。

"わからない"ことを認識しよう

就活をする上では、偏見などを無くしたゼロポジションにいることが、リアリティ・ショックを無くすためにも重要です。

例えば、よく学生に 「ガイアナ共和国って知ってますか?そこで日常生活をすることを頭の中で思い浮かべてください」 という質問しているのですが、少し考えてみてください。

実は、想像したところで結局のところわかりません。

これが正しい位置だと思っており、ゼロポジションにいるということです。

20年間ほど生きていると、国名や国旗などからなんとなく、アフリカ圏で、黒人がいて、市場があって、と想像すると思うのですが、結局のところはよくわからないに落ち着くことになると思います。

学生にとって、行ったことがなくて情報がないという意味では、ガイアナ共和国と社会は同じです。

それにも関わらず就活生は、社会はこうであると想像やイメージなどから決めつけてしまっています。その怖さを知ることはとても大切です。

つまり、「社会のことはわからないんだよ」と認めること、「ゼロポジションからスタートして、想像やイメージなどに惑わされないようにしよう」と伝えています。

人生の分岐点を学べ

新しい就活を始める就活生に準備運動として強くお勧めしているのが、人生の分岐点を勉強するということです。

これは「何かを成し遂げてきた人や、社会で活躍している人が、どうように今の人生を切り拓いてきたのか」に着目するということです。

現に、多くの就活生が陥る罠として、「即席の興味関心」によって受ける業界や企業を決めてしまうことがあります。

このような考え方は、リアリティ・ショックや早期離職に繋がる恐れがあります。 そこで、社会人、著名人などで、人生で幸せになっている人に、人生の分岐点を聞くことが有効です。

ここで言う分岐点とは3つしかなく、「出会い」「言葉」「きっかけ」だけです。 たまたま誰かが言われたことに強く共感して、それが人生の分岐点になることもあります。

しかし、人生の分岐点を意識していない人であれば、その言葉を聞き逃してしまう。 そういう意味でも人生の分岐点を学んで、そのチャンスを掴むことが大切です。

就活生へのメッセージ

就活にモチベーションなんて関係ない

「やりたいことから仕事を見つけるのではなく、未来から逆算してキャリアプランを考えるとモチベーションが沸かなくないですか?」という質問を頂きます。

これに関しては2つの回答があります。

1つ目は目線を変えることです。

就活をしているとどうしても周りの目が気になってしまうことがあると思います。「有名な会社なのか」とか、「大手なのか」「貰える給与が多いかどうか」などこれらは重要な要素と感じることは確かです。

でも、これが最優先されることではないですし、入社した時に持つ名刺によってモテるかどうかが大切なのではありません。

そうではなくて、25・26歳を1つのマイルストーンとして置くことが大切です。

今の世の中、20代中頃で経験やキャリアに差がついてしまいます。今までは3年間は修行の期間でした。今は1年で仕事の素地が作れて、後は自走して他の人とは違う経験を積むこともできるので、お金や地位、キャリアなども25・26歳で差が出てしまいます。

この点を考えると、新卒で入社してからの3年間は大きな勝負のポイントです。入社3年後をマイルストーンとして、自分の楽しみとしておくこと。その差で人生が変わるということを就活生には伝えたいですね。

これを知ることで、就活に対する意識も変わります。

また、2つ目は少し厳しく言うと「就活にモチベーションなんかいらない」ということです。

そもそも、私は仕事にモチベーションなんてありません。モチベーションはあるから下がると思っています。なかったらそもそも上げ下げなどないでしょう。

例えば、プロ野球選手が家で奥さんと喧嘩したから試合で打てません、なんてことはないですよね。要はプロとして絶対にやるべきことは当たり前にやるということです。

就活とは、人生を生きていく上で、次のステップに進めるために必要となるものです。なので、モチベーションに左右されて活動するのでは時間がもったいないと思っています。加えて、モチベーションが下がった状態が続いていると、自分の人生を削っているだけなので、それを理解してほしいです。

就活は、自分のためでもありますし、私は本気でやらなくて後悔する若者を沢山見てきているので、本当に25・26歳を1つのマイルストーンとしたときに、そのために今何ができるかを就活生には考えて欲しいと思っています。

受験勉強をやってきた人にはこの感覚が分かるでしょう。 どこに目標をおいてどこまで頑張れるかという点では、就活と受験勉強は同じな気がします。

"好き"の因数分解をしよう

講演などで就活生に最近やってもらうのが"好きの因数分解"です。

これは、古い就活は間違いであるということに気づいてもらうためのワークです。

例えば、スポーツが好きだとします。

まず、「スポーツが好きならどんな仕事に結びつくかな」と考えてもらいます。

そうするとスポーツメーカーなどが出てきます。

次に、「ここでスポーツが好きってことを因数分解してみよう」と投げかけます。

そうするとスポーツが好きなこと自体にあまり重きは置いていなくて、実はその中にある、チームみんなで活動するプロセスに魅力を感じる、目標を達成することが楽しい、ということがわかってきます。

最後に、「この因数分解をしたものはスポーツメーカーに当てはまりますか?」と質問すると、当てはまらないということが多くあります。

ここでようやくスポーツが好き=スポーツメーカーに就活じゃないんだ、と気づくことができます。

では、この因数分解のポイントがどのような業界に結びつくかと考えると、就活生はわからないというのが大半だと思います。

ここで初めて、自分の興味なかった分野や業界を調べ始めます。

固定概念を崩し興味の範囲を広げるという意味で、好きを因数分解する、というワークをやってもらっています。

就活成功のカギは古い就活からのシフトチェンジ

古い就活は、数字上間違いであることがわかったと思います。

そこで重要なのが未来志向です。また、未来がどう変わるのかを理解し、新しい就活へのシフトチェンジすることも大切です。

令和という時代に突入し、これからは「いかに自分らしいキャリアを形成し、キャリアを生き続けることができるか」ということがますます強まっていきます。

ぜひ「自分らしくはたらく」ということを意識した「新しい就活」を心がけてください。

SNSで直接、ご相談にも乗っているので、迷っている就活生がいたら気軽にこちらからご相談ください。

最後に

今回は、「あるべき就活の姿」ついて、パーソルホールディングス株式会社にて新卒採用の責任者を務め、パーソルキャリア株式会社でもはたらクリエイティブディレクターとして活動をする佐藤 裕さんに、お話をお聞きしました。

「新しい就活」における自己分析やESの書き方、面接必勝法などをさらに詳しく知りたい方は以下佐藤 裕さんの著書『新しい就活 自己分析はやめる! 15万人にキャリア指導してきたプロが伝授する内定獲得メソッド』を参考にしてみてください。



目次
はじめに 就活を“やめる”ことから始めよう!―従来の就活に潜む落とし穴
1 古い就活がもたらす未来―データで読み解く内定後の末路
2 古い就活から新しい就活へのシフトチェンジ
3 新しい就活の面接必勝法
4 新しい就活に必要な「未来志向」
5 これからの時代にあったキャリアデザイン
6 新しい就活の基本攻略Q&A
おわりに 就活の成功は「自分らしくはたらく」。それが人生の成功へと繋がる!


 

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海運業界|商船三井と日本郵船の違い 海運業界|商船三井と日本郵船の違い 商船三井の企業研究ページはこちら日本郵船の企業研究ページはこちらこんにちは、17卒の早慶の大学生です。来年度から、業界大手の海運会社で勤務させていただきます。就職活動では、専ら海運業界大手三社を中心に、五大商社・一部グローバルメーカーを中心に受けさせていただきました。海運業は就活を始める前までは中々目につく業界ではありませんが、「グローバル」、「歴史が長い」、「日本には不可欠」、「高給」などの話から就活市場では総合商社に並ぶ人気業界であり、採用人数の少なさ故、難関企業に名を連ねています。今回は私が就職活動で感じた、海運会社の二大巨塔である商船三井と日本郵船の違いについて説明させていただきます。参考:「商社よりも絶対、海運!」商社内定を辞退した商船三井社員が語るその理由本記事のコンテンツ・そもそも、海運業とは・一般的に言われる商船三井と日本郵船の違い・説明会から感じた二社の違い・OB訪問から感じ取った違い・面接から感じ取った違い・最後に・海運業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介そもそも、海運業とは島国である日本の総貿易量を重量ベースで換算して99.7%は海運業によって賄われています。特に日本では、日本郵船・商船三井・川崎汽船が大手三社として知られています。三社とも採用人数が非常に少なく、それぞれ30名弱、25名弱、15名弱と言われており、入るのが難しい業界のうちのひとつです。また、世界に展開するほぼ全ての会社に海運業は関わるため、地球を舞台とするグローバル企業であるとも言えます。商社やグローバルメーカーと併願する就活生も多いです(私もその一人です)。一般的に言われる商船三井と日本郵船の違い日本郵船・ゆったりとした社風商船三井・穏やかだが仕事にシビア日本郵船日本郵船は総合物流企業と謳い、陸・海・空にまたがる物流網を提供しており、グローバル企業の課題解決を目指して様々な分野に投資を行っています。本社は丸の内の郵船ビルにオフィスを構えています。一般的に社員は穏やかであり、ゆったりとした社風であると言われます。また、三菱系企業の源流企業である日本郵船は日本で初めての株式会社であり、伝統ある企業です。商船三井一方、商船三井は総合海運企業と謳い、海運業特化型のポートフォリオを形成しています。特に、船隊規模に関しては業界最高レベルの規模を誇ります。こと海運分野のノウハウに関しては日本郵船を凌ぐ勢いです。本社は虎ノ門にある商船三井ビルにオフィスを構えています。一般的に社員は穏やかであるが、仕事に対してはシビアであり、ガツガツしている部分もあると言われます。(仕事での個々の裁量が大きい)説明会から感じた二社の違い日本郵船・組織としてまとまりを重視商船三井・個人個人で結果を出していく日本郵船の説明会・三菱系らしく与えられた仕事に対して誠心誠意取り組む真面目さ・自分たちが世界に積荷を運ぶうえで、陸海空を含む物流網を展開し、顧客の課題解決に向き合う⇒物流網を形成しているため、すべて社内で完結させられる(委託側としては一社で済むのでありがたい)・世界各地に拠点があり、伝統的に海外で高い知名度を誇ることからの自社へのプライドがある・人事の説明担当の方は海運業に携わったことがないからか(日本郵船では新卒の採用担当が説明会で登壇)海運という仕事の魅力を感じにくかった・説明会では採用チームの面々がチームで登場することにも、組織としてのまとまりを重視する社風を感じたこれらのことから、組織やグループ全体の方向性を理解しながら、自分がその枝葉として活躍していくという気概を持っている人物は日本郵船に合うのでは、と感じました。商船三井の説明会・担当者一人で全て説明会を担当することからもわかる、個々人が仕事を任され、大きな裁量を持って仕事ができる企業の懐の深さ・現場経験のある採用担当者から直に聞く、世界最大級の船隊規模を持つ商船三井における海運業のダイナミズム・オペレーション・集荷・船隊整備・配船等の業務の詳しい説明から、仕事を心から楽しむ社員の様子・全体的に穏やかなイメージはあるが、型にはまらない個性的な社員が多く、「人の三井」らしさを感じた。これらのことから、海運業の業務を心から楽しみ、バリバリ働いて個々人で結果を出していくことによって社会、チームに貢献していきたいと考える人間は商船三井に合っていると感じました。OB訪問から感じ取った違い日本郵船・自分の仕事に熱い想いを持っている商船三井・「自分は何をしたいのか」日本郵船日本郵船の社員は穏やかであるということは良く言われることですが、自らの仕事に対して熱い想いを持っている人が多いと感じました。自分たちの仕事によって、社会がより豊かになるということに喜びを感じるというお話を聞かせていただきました。また、日本郵船では20年以上もの間、3〜4年で必ずジョブローテを行うため、中堅社員になっても後輩の方が業務上では先輩ということがしばしばあるようで常に新しい発見があり、社員との仲も深まるようです。また、定期的にクリスマスパーティや社内レガッタなど、イベントが多数あるようで、チームで和気あいあいという雰囲気がありました。特に業務に関しては、10年目・20年目の先輩方は、海運だけでなく港の整備や、倉庫の管理、客船の担当など、幅広い業務を担当していたようでした。面接でお会いした役員の方も、海運業に携わる人間としては、幅広い分野に関して知見を深め、4年先の市況を読めるようになることを目指すべきだとおっしゃっていました。ちなみに頻繁にローテする理由は、世界で色々なことを学ぶことによって3万人の連結従業員を引っ張るリーダーシップ、気概、教養全てを身につけてほしいと願う会社の方針のようです。商船三井一方、商船三井の社員はフランクであると良く言われますが、私は社員ひとりひとりを大事にする風潮があると感じました。大学OBにお会いした際に、君はどういう人間で何をしたいのかということを聞いていただき、若手であってもその人の感じることを大事にしてくれる会社であると感じました。人数が少ないがゆえ、社員全員の顔と名前は頭に入っているようで、社内でもグループや同期でしばしばBBQやスキーなどイベントを企画するようでした。実際に、OB訪問をさせていただいた際にも自分の携わっている仕事について長々と説明する方は一人もおらず、全員が「君は何がしてみたいのか」と聞いてくださりました。OBから話を伺う中でも、採用人数が少ないが故、全員が経営を担える人材になるよう教育する体制が整っていると聞きました。日本郵船と比較して、業務を任される段階が早いので、失敗から学ばせるという傾向が強いようにも感じました。(商船三井でも同じようなスパンでジョブローテがあります。)二社を比較して社員の育て方に違いはあれど、会社として将来経営を担うことを期待される若手社員に期待されることは似ているのかもしれません。面接から感じ取った違い日本郵船・準備の通用しない質問から、企業との相性を見られる商船三井・オーソドックスな質問から、入社後に成果を出せるかを見られる日本郵船日本郵船の面接は人柄重視であるということは、志望する学生なら聞いたことはあると思います。実際に私が面接を受けて感じたのは、「肩書が通用しない」ということでした。ES、一次面接で学生時代に取り組んだことを一通り見られてからは、その後に見られている大事なことは熱意と人間性です。日本郵船の面接ではその場で考えるようなトリッキーな質問が出てきますが、ここで質問に準備してきた内容を重ねるのではなく、自分の想いをはっきり述べることが大事でしょう。日本郵船では成果というより、「この学生はうちと合うのか」という観点を重視しているように感じました。例えば、「〜というニュースに関して〜君の見解はどうでしょう」、「趣味に読書と記載されていますが、誰の作品でどのような内容ですか」など大学生活だけでなく今までの人生をどう生きてきたのかということを知ろうとしている印象を受けました。商船三井一方で商船三井では、入社後に成果を出すことができるのかという観点を重視して面接しているように感じました。聞かれる質問は極めてオーソドックスで、「学生時代に力をいれたこと」「志望動機」の深堀がほぼ全てです。これらから学生の熱意や能力を図っているように感じました。実際にトリッキーな質問で学生の素がわかる部分もありますが、オーソドックスな質問から学生の良さをうまく引き出そうとする点は、受ける中でも非常に好印象でした。特に、目をみてはっきりと伝えられるか、本物の熱意があるか、会社で待ち受ける困難に耐え切れるのかということをオーソドックスな質問や、表情、姿勢など細かな部分から探ろうとしている印象を受けました。最後に海運業界の最大手二社で自分がどちらの社風に合うのかを感じていただけたでしょうか。どちらも穏やかな社風ながら、組織としての和を大事にしながら、仕事に熱量を持った社員が多い日本郵船、個人への裁量が広く、個人でドンドン成果を出していく商船三井というような違いがありました。ご存知かとも思いますが、海運業界は業界大手全体でも70名程度しか採用されません。どの企業も少数精鋭を謳っており、巷で言う就職難易度も高いと言えるでしょう。しかし、そこで学生の皆さんには諦めず挑戦して頂きたいです。私の就職活動の際にも大学OBから、海運を第一志望とするならば三社全てに全力で挑めとご助言を賜りました。結果的に無事第一志望の企業に就職する事が出来、この記事を執筆する次第となりました。この記事が今後、就職活動に臨まれる皆さんのお役に立てれば幸いです。商船三井の企業研究ページはこちら日本郵船の企業研究ページはこちら海運業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別の就活用LINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際に海運業界志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。 84,998 views
【内定辞退】本当に直接出向かないとダメ?適切な対応方法を解説 【内定辞退】本当に直接出向かないとダメ?適切な対応方法を解説 「内定辞退しないといけないけど、直接会って伝えるか、電話で伝えるか、メールで伝えるか、どうするのが正しいんだろう」「内定承諾書を提出したら、他の企業の選考は受けられないのかな」内定を獲得し、就活も終わりに近づくこの時期。誰しも一度は上記のような思いをしたことがあるのではないでしょうか。先日、日経新聞で「内定辞退をする際は、直接企業に出向き感謝を伝えるべきだ」という記事が出ました。参考:日経新聞[内定辞退の正しい伝え方、「直接会って、まず感謝」を]2019/05/15付その後、この記事に関して様々な意見が飛び交っています。例えば、YAHOO!ニュースでは、「直接出向くのはやりすぎ、メール、もしくは電話の方が良いのではないか」という意見が挙げられました。参考:内定辞退「直接会って、まず感謝」記事が賛否両論~正しい方法は?この様に日経新聞の記事に対して賛否両論がありますが、結局何が正しいのでしょうか。結論から述べるとunistyleとしては、就活生にとってはメールがベストだと考えています。(もちろん状況にもよりますが。後ほど詳しく解説します。)そこで本記事では、メール・電話・直接会うことのメリット・デメリットを整理しどの方法が最も良いのかを考察し、正しい内定辞退の方法についてまとめます。日経新聞で取り上げられた記事の主張それではまず、日経新聞で取り上げられた記事の主張がどのようなものなのかを見てみましょう。内定辞退の正しい伝え方、「直接会って、まず感謝」を売り手市場である現在、就活生にとって内定を複数獲得することは難しくない時代です。この時期複数内定を獲得している就活生にとって、深刻なテーマとして挙げられているのが「内定辞退」についてです。これについて日経新聞で取り上げられた「内定獲得後のマナーセミナー」では、下記のように述べています。■内定は得たが他に本命があり、就活を続ける場合「本命に落ちたときに入社する意志があるのであれば保持しても良いが、就職活動を継続したいという旨は、内定先企業に伝えたほうが良い。」■実際に本命から内定をもらった場合「速やかに、先に内定していた企業の人事担当者に連絡を取り『進路について相談したいので伺いたい』と告げるべき。企業に足を運ぶことが重要」参考:日経新聞[内定辞退の正しい伝え方、「直接会って、まず感謝」を]2019/05/15付まとめると、日経新聞の主張は、内定を辞退する場合、直接出向き感謝を伝えるべきと言うことです。理由は、企業にとって内定を出すことは重要な経営判断であるからだそうです。果たして”企業にとっての重要な経営判断だから”という企業都合の理由は、就活生が”直接企業に出向かなければならない理由”になるのでしょうか。人事と就活生の本音日経新聞の記事では上記のように述べられていますが、これに対して実際人事や就活生はどのように思っているのか調べてみました。人事の声内定辞退は悲しいけど仕方ないよね。そもそも直接会ったら引き止めるだけだし、本当に辞退したいならメールや電話で充分ですよ。引きとめられて変わるくらいの決意なは辞退しないで欲しいし、自分の人生を自分の責任で決める人に文句なんてないです。ただ、入社式当日の辞退。テメーはダメだ。https://t.co/EWZ7kWCZnU—takki@人事(@TsukasaTakki)2019年5月15日たまに「直接オフィスに伺って謝罪を…」と言ってくる内定辞退者はいるけど全部断っとぞい。お互いの時間を拘束するだけだし。お気持ちだけ受け取って。https://t.co/ymPADKCKdk—さいまる@労働戦士(戦闘力6729)(@saimaru999)2019年5月15日就活生の声unistyleでインターンをしている就活生にも話を聞いてみました。■正直、直接出向くのはめんどくさい■関係性が良ければ電話や直接でも構わないが、そうでもない企業に行くのは気が引ける人事としては、『辞退するのは仕方がない、お互い時間的に拘束されるため直接出向く必要はなく、メールや電話で十分である』と考えているようです。(これと似たような意見がYAHOO!ニュースでも取り上げられていました。)また、就活生としても直接出向くことに対して、関係構築できているならまだしも、抵抗を感じていたり、直接出向くことに対して良いイメージを持たない人が多いようです。ということは、人事も就活生も「直接会って話す」ことにあまりメリットを感じていないのではないでしょうか。内定辞退方法(メール・電話・直接)のメリットとデメリットそこで内定を辞退する方法のメリット・デメリットを改めてまとめてみたところ、「時間・緊急度・精神面・人事と就活生の関係性」の4つの軸が浮かび上がってきました。それを元に内定辞退するそれぞれの方法について考察していきます。メールの場合電話の場合直接会う場合上記のようにまとめ、先程あげた4つの判断軸を基準に考えると、就活生にとってはメールがベストな方法ではないでしょうか。電話で伝える場合、メールよりも直接話して伝えることができるため誠意は伝わりやすいといったメリットはあります。直接会いに行くほど時間もかかりませんし、最も早く確実に伝えることができる手段でしょう。しかし、人事担当は就活が盛んな時期が最も忙しいため、繋がらない可能性が高くなります。折り返しの電話のタイミングが合わず、なかなか辞退を伝えられないこともあります。また直接ほどではないものの、人事と話すことには緊張を伴うため、自分のタイミングで掛けられないことが、精神的に負担になる可能性も出てきます。直接会う場合、やはり時間が一番のネックポイントになりそうです。就活生としては移動と面談の時間で相当な時間を拘束されますし、交通費もかかります。また辞退を伝えに行くわけですから、ある程度の心構えも必要です。人事目線から考えても、相談するために会いに行くならまだしも、辞退する意思が揺らぎないものである場合は、敢えて人事の時間を抑える必要はなさそうです。メールで伝える場合、関係性ができている企業や人事には、そっけない印象を与える可能性があります。ただ、短時間で作成し送ることができるメールは、相手と直接言葉を交わす必要もないため、精神面に余計な負担を掛けずに済みます。採用活動で忙しい人事目線で考えても、電話に出たり直接会ったりする時間を抑える必要なく、確認できるタイミングでメールを見ることができるため人事の負担も少なくて済みます。そのため、就活生にとってはメールがベストな方法になるのではないでしょうか。メールがベストだが電話や直接会う方が良い場合もある上記のことから、冒頭でも述べたとおりunistyleでは「メール」で伝えることがベストだと考えますが、場合によっては電話や直接伝えるほうが良い場合もあります。それがこれから述べる4つのパターンです。電話の方が良い場合■企業や人事の人との関係性が良い場合中小企業の場合や、インターンや選考を通してある程度関係性が出来ている場合は、メールだけで済ませると相手に淡白な印象を与える可能性があります。せっかくお互い良い印象だったにも関わらず、辞退後どちらも気まずい思いをしないためにも、できれば電話で伝えましょう。■緊急度が高い場合例えば、ある日の午後に内定先Aの人事と面談が入っていました。しかし、その日の午前中に第一希望の企業Bから内定通知が届きました。自分は企業Bへの就職を希望しているため、内定先Aは辞退することになります。午後の面談も行く必要がなくなるため、すぐにその旨を伝えなければなりません。メールでは人事がすぐに確認できない可能性があるため、この場合は早く確実に繋がる電話での連絡が望ましいでしょう。直接出向く方が良い場合■企業や人事との関係性が良い場合電話の場合と同様、関係性の良い企業や人事には直接会って話す方がお互い印象の良いまま、内定を辞退することができます。■人事が引き止めたい場合人事としては優秀な人材を手放したいとは思いません。そのため辞退連絡を電話で行った際、人事から会おうと言われる場合もあります。この場合、少しも悩んでいないのであれば断ってOKですが、もし本当は辞退するか否か悩んでいるのであれば、人事からアドバイスを貰えるかもしれないので、直接会ってみるのも良いかもしれません。まとめると、電話や直接会う方が場合にポイントとなるのが「緊急度」と「企業との関係性」です。緊急度が高い場合、セミナーや内定式等のイベントへの参加・不参加の関係から、企業に迷惑がかかることが考えられます。また企業との関係性においては、自分が気まずくならないようにといった、就活生側の倫理観の問題になってくるため判断はお任せします。会いたければ会う、そうでなければ会わないという選択をしても良いと思います。ただし電話で伝える場合、電話を掛ける時間帯や人事の都合を考慮する必要があります。直接会うとなればそれはなおさらです。その場合はきちんと時間や相手の都合を考えて行動するようにしましょう。正しい内定辞退の方法上記を踏まえた上でunistyleが推奨する正しい内定辞退方法をお伝えします。ただでさえ不安がつきまとうのが就活期です。安心して就職活動を行うために、複数内定をもらった状態で選考を受け続けることは良いと考えています。とはいえ、入社できる企業は1社だけなので、内定を辞退する時が来ます。その時のために、ここから内定辞退の方法について詳しくご紹介していきます。内定承諾後の辞退は可能か否か結論可能です。内定承諾書を提出したとしても、会社側が就活生に入社を強制するのは法的に難しいというのが一般的な見解としてあります。参考:入社承諾書提出後の内定辞退は可能か企業側は、辞退して欲しくないため、内定承諾書を書かせるなど様々な手段を取ります。しかし、承諾したからと言って、他の企業の選考を受けてはならないという決まりはないので、安心して就活を行ってください。unistyleではメールを推奨していますが、電話・メール・直接、どの手段を取るにしても、重要なポイントは「簡潔に述べること」「結論から述べること」の2点です。メールで伝える場合メールで伝える場合、直接会ったり、電話で伝えるよりも感謝の気持ちが伝わりにくいので、内定へのお礼と謝罪の言葉をきちんと丁寧に述べることを心がけましょう。▼こちらはメールのテンプレートになります。メール作成をする際には参考にしてみてください。(テンプレ)件名:内定辞退の連絡(○○大学氏名)本文:○○株式会社人事部人事部長○○様いつもお世話になっております。○○大学○○学部の(氏名)です。先日は内定の通知をいただき、誠にありがとうございました。誠に恐縮なのですが、貴社の内定を辞退させていただきたく連絡を差し上げております。(理由)最後まで悩みましたが、自分の適性や今後目指していく道などを考慮した結果、他社への入社を決意したからです。○○様をはじめ、採用に関わってくださった関係者の皆様には、心より感謝しております。最後になりますが、貴社の益々の発展を心より申し上げます。(署名)氏名大学名連絡先メールアドレス電話で伝える場合電話で伝える場合、人事部に直通の番号に掛けます。もし直通の番号がない場合は企業の代表電話に掛け、人事部(採用部)に取り次いでもらいましょう。※早朝や夜遅く、お昼の時間帯は避けるのがベストです。▼こちらはトークの一例です。これ通りに話すのではなく、人事と会話することを忘れないでください。(受付)お世話になっております。私、○○大学の(氏名)と申します。お忙しいところ恐縮なのですが、人事部の方(※分かれば担当者名)お願いします。(人事担当に繋がった)お世話になっております。私、○○大学の(氏名)です。○○様(担当者名)、ただいまお時間よろしいでしょうか。先日は、内定のご通知をいただきましてありがとうございました。内定をいただきながら、本当に勝手で申し訳ないのですが、本日は御社の内定を辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。(理由を聞かれた場合)並行して選考が進んでいた会社から内定を頂きました。最後まで悩みましたが、自分のやりたいことや適性を含め考えた結果、その会社とご縁を感じたため、このような決断になりました。本来ならば、直接お詫びに伺うべきところですが、取り急ぎお電話でご連絡差し上げました。申し訳ありません。ありがとうございます。貴重なお時間をいただきながらこのような形となり、大変ご迷惑をおかけしました。失礼いたします。直接出向いて伝える場合直接出向いて伝える場合、人事の方も忙しい中時間を割いてくださっているので、簡潔に結論から述べるようにしましょう。話す内容は電話で伝える場合と同じで構いません。最後に冒頭で日経新聞、YAHOO!ニュース、そしてunistyleで三者三様の意見があるとお伝えしました。「どれも言ってること違うじゃないか!どれが正しいんだ!」と思った方もいるかもしれません。これは誰の視点から考えるかによって異なってきます。例えば大学のキャリアセンターからの視点で考えてみましょう。大学としては今就職活動をしている人だけではなく、来年、再来年就職活動をする学生のことを考えなければなりません。自分の大学の学生の就職活動サポートのために企業との関係を保ち、これから就職活動を行う学生に影響が出ないようにしなければなりません。そのため最も誠意の伝わる方法として、「直接会って、まず感謝」という方法を選択しました。人事からの視点で考えると、直接会う時間を作るのは厳しいけれど、メールでは本人確認できないといこともあります。そのため確実性を取り、電話の方がありがたいという意見になります。そして就活生目線からの視点で考えると、最も精神的負担も少なく、時間的拘束も少ないメールで内定辞退を行うのがベストだという結論になります。unistyleは、皆さんに納得のいく就職活動を行って欲しいと思っています。それを叶えるためにも、時間の使い方やメンタルケアはとても重要です。志望度の低い企業よりも、志望度の高い企業に時間を費やし就活に臨んでください。関連記事・・・・ 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【ケース】BCGインターン参加者によるケース問題面接実況中継 【ケース】BCGインターン参加者によるケース問題面接実況中継 外資コンサル業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】外資コンサルの仕組み・大手企業ランキング・選考対策まで一挙大公開!2.【業界研究|コンサルティング】コンサルティングとは?から選考対策までを徹底解説3.【業界研究】外資コンサル大手企業一覧まとめ4.【業界研究】外資コンサルの年収ランキングを大公開!今回は、外資系コンサルティング会社における特殊な選考方法である「ケース面接」について、ボストン・コンサルティング・グループのインターン参加者より寄稿いただき、実際に面接官とのどのようなやり取りをしたのかについてお伝えしたいと思います。尚、ボストン・コンサルティング・グループでは、インターン面接の前に、論述形式でのケース問題の出題があります。それでは早速ですが、インターン参加者の実際のやり取りについて見ていきましょう。1.ケース面接における実際のやり取り(入室から着席までは特筆すべきことはないので省略します)面「うーんっと(ESや履歴書を見ながら)、○○学研究科。。。どんな研究しているの?」※いわゆる「自己紹介をお願いします」などはありませんでした私「研究は、〜を〜する研究をしています」面「え、それって・・・ってこと?」私「はい、まさしくその通りです!」面「ふーん。・・・(ニヤリ)じゃあ今からケース面接をします。お題は、・・・そうだなー、年間の東海道新幹線の利用者数を計算してみて。」(あ、研究関係ないんだ。)私「利用者数というのは新幹線の乗り降りした人の数ということでよろしいでしょうか。」面「そうだね。」私「東海道新幹線の利用者数ということは、東京駅だけではなく新大阪駅や名古屋駅からの乗降者も含みますよね。」面「もちろんです。」私「分かりました。新幹線といってものぞみ、こだま、ひかりありますよね。。。うーん、全ての駅で考えるのは複雑なので、ひとまずのぞみの利用者数を考えて、そこから定数倍するという方向でよろしいでしょうか。」面「うーん、まぁそれでいいでしょう」(やばい、あまり反応が良くない。)私「うーん、えーと、少し時間を頂いてよろしいでしょうか?」面「分かりました。(時計を見ながら)では1分時間をあげましょう。」私「ありがとうございます。」(年間の東京駅(or新大阪駅)のぞみ利用者数=運行時間/発車間隔×定員×乗車率×365という式を書く)※東京駅からなので「到着」は考えません面「では、お願いします。」私「はい。まず2つ仮定します。1つは、東京駅から新大阪駅の間の駅(品川、新横浜、名古屋、京都)で降りる人数と、それらの駅から乗ってくる人の数を等しいとします。」面「、、、いいでしょう。」(ってかそもそものぞみがどこで停まるかという確認してなかったな、まぁいっか。)私「また東京駅から新大阪駅間の駅(品川、新横浜、名古屋、京都)で降りる人数は、東京駅から乗ってくる人の半分とします。」面「はい。」私「そうすると、年間の東京駅からののぞみ利用者数×1.5×2(新大阪駅からも同様なので)つまり3倍が東海道新幹線ののぞみ利用者数となると思います。」面「、、、なるほど。いいでしょう。」私「では、東京駅からののぞみ利用者数を計算していきます。計算式は、年間の東京駅(or新大阪駅)のぞみ利用者数=運行時間/発車間隔(1日の本数)×定員×乗車率×365、という式になると思います。」面「うん。」私「まず第一項から計算します。運行時間はのぞみの場合始発は6時前、終電は22時前なので6-22時の16時間とします。そして発車間隔は10分くらいなので、16×60/10=96なので1日約100本のぞみ新幹線が発車するします。」面「うん。」私「次に定員ですが、定員=1車両ごとの定員×車両数=1行の座席数×行数×車両数と分解でき、新幹線は1行、ええっと、2、3、2で約7人なので、」面「いや、新幹線は2、3の5だよ(笑)それ飛行機じゃん。」私「あ、たしかに(恥)ありがとうございます。朝乗ってきたのに勘違いしてました。行数はうーん、だいたい15くらいですかね。(※実際は17でした)あと車両数は14くらいあったと思うので、定員は5×15×14で、・・・800くらいですかね?(しょうもない計算ミスをする)」面「え、75×14でしょ?」私「あれ?えっと」面「1050だね。」私「そうですね(汗)ありがとうございます。では1000とします。」(こんな簡単なかけ算を間違えてしまった、、しまった。)私「次に乗車率ですけれども、平日と休日に分けて考えます。平日は50%、休日は結構込んでるので80%とすると、期待値は、えっと(計算しだす)」面「だいたい60%くらいだね。」(ここは真面目に計算するとこではなかったな。)私「(焦る)、あ、そうですね、ありがとうございます。そうすると、100×1000×60%×365で、6万×400弱なので2000万人くらいですね。これに×3すれば6000万人ということになります」面「それでひかり、こだまも考えたら、うーん、まぁそれくらいだろうね。じゃあさ、もしJR東海から利用者数を増やしてと言われたらどうする?」(ここまででおそらく15分くらい経っています。フェルミに時間がかかりすぎたのでやばいと思いました)私「そうですねー、(10秒ほど考えて)やはり乗車率だと思います。新幹線の本数を増やしたり、定員を増やすだけでは結局乗車率が下がってしまい利用者数は変化しないので。方法としては大きくプロダクトとサービスに分けられると思います。プロダクトというのは新幹線のスピードや駅の場所、駅の数などです。サービスはチケット代、乗務員の質や料理、飲み物の価格・質などですね。」面「じゃあその中で1つ提案するとしたらどうする?」私「乗車券の価格を時期や時間によって変動させることを提案します。現在も時期によって価格は若干違いますが、数百円程度しかありません。もっと繁忙期、閑散期の価格差を20%ほどにすれば、全体の乗車率は増加し、利用者の増加によって若干の売上増加にも貢献できると思います。大阪東京間では競合となる新幹線利用者からの流入も期待できるかもしれません。」(平凡な意見に終始してしまった。。。)面「なるほどねー。ちょっともう時間がないからここで終わるね。最後に何か質問ある?」私「はい、(省略)」(質問を1つして終了。自分の意見を述べた上で質問すると、最初に面接官に共感いただきました)2.寄稿者よりいかがだったでしょう。結構普通ですよね。フェルミでは「2つの仮定(×1,5)」が肝だったかもしれません。利用者増加のケースについては、時間的にあまり深い議論はできませんので構造的な思考、MECE感を失わないことよりも、クリエイティビティが見られていたのかもしれません(いずれにしても評価は高くなかったと思います)。ちなみに面接は2回あり、2回目の方が感触は良かったです。そちらはフェルミでも売上増加ケースでもなく、私の研究と趣味を掛け合わせて何か生み出す、というまったく予期していない形式でした。両者(研究内容と趣味)の特徴や性質を洗い出し、できるだけ議論を発散させて新しく面白いアイデアを作る。最近は仕事でもこのようなことをしている、ということを教えていただきました。評価が高かったと思うのは、キレる発言をしたというわけではなく、単純に「心地よく、リズムよく、楽しく議論できた」からです。相性と言えるかもしれません。また2人目の面接官への質問の際も、自分の意見に共感いただきました。そこも評価の対象になっていた可能性はあります。コンサルティングファームであっても、いわゆる「地頭」や「賢さ」がすべてではないと感じさせてくれた面接でした。3.最後にケース面接の参考書など読んでいると、非常に綺麗に整理されて理路整然と話しており、自分にはできないと諦めてしまいがちですが、上記を見てわかる通り、実際のインターン参加者でも全てを理路整然と答えられるわけではありません。寄稿者が語るように、「地頭」や「賢さ」だけでなく、その人の人柄・一緒に働きたいかと思わせるかといった面接の基本中の基本も同時に評価されているようです。フェルミ推定・ケース問題は実際のビジネスシーンでも役に立つものであり、また近年では総合商社のグループディスカッションにおいても出題されることがあるなど、その重要性が高まってきているように感じます。外資系コンサルティング会社が第一志望でない方も一度、下記の本は読んでみると社会に出てからも活用できる知識として残ると思いますので、是非手に取って見て下さい。【ケース問題を解く上で必読の3冊】東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート――「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!過去問で鍛える地頭力外資系コンサルの面接試験問題【余裕があったら読んでおきたい+2冊】戦略コンサルティング・ファームの面接試験―難関突破のための傾向と対策ビル・ゲイツの面接試験―富士山をどう動かしますか?photocredit:AlexOsterwalderviaFindCC外資コンサル業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】外資コンサルの仕組み・大手企業ランキング・選考対策まで一挙大公開!2.【業界研究|コンサルティング】コンサルティングとは?から選考対策までを徹底解説3.【業界研究】外資コンサル大手企業一覧まとめ4.【業界研究】外資コンサルの年収ランキングを大公開! 30,287 views
総合商社の配属リスクと総合商社におけるタテヨコ議論 総合商社の配属リスクと総合商社におけるタテヨコ議論 総合商社には「配属リスク」があるという話は聞いたことがあるかもしれません。「ラーメンからミサイルまで」というキャッチフレーズは総合商社を志望する人は一度が聞いたことがあるのではないでしょうか。商材の範囲の広さを表現したものですが、確かに幅広い商材を扱っておりそれがゆえに総合商社の事業内容を理解するのが難しいと感じている就活生の方も多いかと思います。一方で、事業内容の幅広さに惹かれて総合商社志望しようと思ったら、「総合商社は一度配属された部門で過ごすことが多いため、配属リスクが高いよ」といったOBの言葉に迷ってしまうなんて方もいるでしょう。今回は総合商社における配属リスクについてと、総合商社の内部でたびたび議論されている人材育成の「タテヨコ議論」について紹介しようと思います。総合商社では一度配属された部門から異動できない?総合商社の背番号制について多くの総合商社においては、「背番号制」という一度配属された部門が自分自身の背番号となり、食糧部門に配属されたら例外がない限りずっと食糧部門で会社人生を進んでいくことになります。社内公募により、手をあげて他の部署に進むことも出来なくはないのですが、数としてはかなり少数です。そのため、例年、ファッション関連の部署に行きたかったのに食糧部門に配属された、エネルギー関連の部署に行きたかったのに総本社の経理部に配属されたと涙する新入社員が一定数出ることになります。こういった配属リスクや背番号制を知らないまま、総合商社は様々な商材を扱っているから様々なビジネスに関われるのだろうと勘違いをして志望動機を構成してしまう就活生がかなり多く存在しています。総合商社は中小企業の寄せ集め!?出世も異動も部門の中で行われる総合商社というと大企業だと多くの人が思っていますが、中で働いてみると、大企業であることは間違いないものの、中小企業の寄せ集めであると感じる人が多いように思います。総合商社の一つの部門に所属する社員数は実はそこまで多くなく200名~500名程度です。部門の中でも部が明確に分かれており、部の間の異動も少ない場合は、100人ぐらいの部で、出世も異動も行われるため、一緒に働く人のことがかなりよくわかる環境であると言えます。銀行などの金融機関の営業職になると、全国にある支店への転勤や本社営業部などへの異動もありえるため、かなり幅広い人と関わることがわかるかと思います。総合商社はこのように中小企業の寄せ集め的な側面があるため、部署ごとにかなり雰囲気やライフスタイルが異なります。毎日のように接待、飲み会があるような部署もあれば、飲み会だけではなく業務によって夜遅くまで残る部署もあれば、仕事は時間内にさっと終わらせてワークライフバランスを重視するような部署も存在しています。働き方という観点からも総合商社には配属リスクがひそんでいると言えるかもしれません。総合商社におけるタテヨコ議論とはこのように総合商社では背番号制という一つの部門にずっと縛られる人材制度となっていますが、一方でせっかく様々な事業を展開しているのだからその特性を活かして様々な事業に精通した人材を育成すべきではないかという意見が総合商社の中でも起きたりします。人材をヨコ(様々な事業領域)に広く経験させることで後半な知識を持った人材を育てた方が様々な事業に投資を行う総合商社にとってよいのではないかという意見です。このヨコの意見に対して、総合商社が相手にするのは食糧部門であれば食品メーカーに20年勤めたその道のプロフェッショナルであり、その道のプロに対して説得力のある意見や提案を行うことを考えると、一つの部門(タテ)の中でその事業についての知見を深めなければ太刀打ちできないというタテの意見も存在します。どちらの意見も説得力がある程度あり、どちらの意見が正しいとは言えないという状況で、総合商社の中にいる人でも意見は割れており、三井物産はどちらかというとヨコの意見に傾いており、人材のローテーションを実施しようと考えているようです。ヨコの意見も広がりながらも、まだタテの育成が総合商社の中では主流なことを考えると、その事業領域のプロフェッショナルを育てることが、投資の際の目利きや事業育成には重要なのかもしれません。もちろん5年後、10年後には総合商社において様々な事業を経験させるヨコの育成が主流になることは否定できないでしょう。最後に総合商社を志望している就活生の方は、早めに「総合商社だから何でもできる」という勘違いから脱してほしいと思います。そして上記のようなリスクがありながらも、なぜ総合商社を志望するのかを考えることができると、配属リスクあるけどそれでも総合商社に入りたいの?といった総合商社の面接で頻出の質問にも答えやすくなるでしょう。総合商社のブランドや現在の人気だけでなく、悪い点やデメリットにも目を向けた上で志望してほしいと思います。【参考】三井物産内定者のES回答「志望理由」『日本の強みを活かし、日本・世界を豊かにすること』が私の夢です。この想いはこれまで40カ国訪れた海外経験が起因しています。訪れた先々で自分が日本人である事を誇りに思い、日本・世界の豊かさに貢献したいと思いました。日本・世界を豊かにすること、内需と外需の両方に携わり、かつその規模が大きい総合商社を志望しています。その中でもOB訪問を通じて感じた仕事への強い責任感と誇りに共感し、貴社を志望しています。【参考】丸紅内定者のES回答「丸紅での仕事を通じて成し遂げたい夢(300文字以内)」将来日本を始め、世界中の豊かさに繋がるような新規ビジネスを創出することが私の夢です。特に食料事業等、消費者より近い分野に興味があります。大学のアメフト部では、其々異なる体格やスキルを持った選手達を巻き込んで新たなプレイを考案してきました。その経験から得た、1)周りを巻き込む力、2)提案し実行する力を生かし、総合商社において幅広い分野の企業や人をつなぎ合わせ、時代のニーズに合わせた新たな価値を社会に提供し、夢の実現に挑戦しようと考えます。非資源分野において攻めの姿勢を持ち、さらに若手から大きな裁量を持ち仕事に取り組めると感じた出来た貴社で、永く会社の柱となる事業を生み出したいと考えます。【参考】総合商社内定者のES回答「あなたが仕事を通して成し遂げたい目標は何ですか。今までの経験やご自身の考えをふまえて、そのように考える理由と併せて教えてください。(250文字以内)」日本の優れた技術やモノを海外に発信することで「強い日本」を取り戻したい。外交官である父が日本の魅力を伝えるのを見て海外で育ち、日本を人一倍意識してきたことから、今日の日本が悲観されている現状に強く悔しさを感じている。そしてIMF世銀総会ボランティアでの企業の最先端技術の紹介を通じ、日本が依然世界に通用することを交わした幾度もの握手から実感することができた。時代の変化に柔軟に対応し、新たなビジネスの場を創出し続ける総合商社において、低迷する日本企業が世界で活躍できるような仕組みづくりに携わりたい。【参考】三菱商事内定者のES回答「あなたが三菱商事で挑戦したいこと、実現したい夢について教えてください。その際、特に興味のある分野や職種があれば、具体的に触れて頂いても構いません。(全角250文字以内)」世界中の仲間を巻き込み新たな価値を創造すること、これが貴社で実現したい夢です。中でも水インフラ事業に携わり、途上国の生活基盤を支えたいと考えます。幼少期の11年をフィリピンで過ごし、日本とフィリピンを比較する中で、水インフラこそが国の経済状況や人々の生活基盤を支える役割を果たす事を強く痛感しております。豊富な経験と実績を持ち、今後インフラ事業に注力をする貴社だからこそ、幅広い事業に挑戦する環境が整っていると考えます。水需要が高まる途上国へ新たな価値を創造し、大きな達成感を味わいたいと考えます。(249文字)総合商社の業界・企業研究に役立つunistyleの記事 50,171 views

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