【大手自動車メーカー中間決算分析2019】100年に一度の変革期に各社はどう立ち向かっていくのか!?

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最終更新日:2023年10月30日

【大手自動車メーカー中間決算分析2019】100年に一度の変革期に各社はどう立ち向かっていくのか!?

企業研究

就活生の皆さんは、"各社の決算"に目を向けたことはあるでしょうか。

unistyleでは以前、決算に関して以下のような記事を執筆致しました。

上記の「7大総合商社の決算に関する記事」への反響が大きく、それならば異なる業界の決算も分析してみようと考え、本記事では"大手自動車メーカー7社の2020年3月期第2四半期決算"を分析していこうと思います。

言わずと知れた日本を代表する企業である「トヨタ自動車」を始め、自動車業界は国内産業の中でも大きな影響力を持っており、就活生からの人気も高い業界になります。

IR情報と聞くと、「なんだか難しそう」、「読んでも理解できない」と感じる就活生もいるかと思いますが、今回は会計知識の乏しい就活生でも理解できるように執筆してありますので、ぜひ最後までご覧ください。

また、決算の分析に加え、本記事では「各社の特徴・業界内での立ち位置」なども解説しています。

「各社はどの地域に力を入れているのか?、今後の経営計画に違いはあるのか?」などの観点を理解することが"志望度のアピール"にも繋がりますので、その観点も踏まえて読み進めていただければと思います。

※本記事は決算に関する情報を取り扱っているため、専門的な用語を知らない方は以下で用語の意味を確認してから記事を読み進めてください。

◆「売上高」とは
→企業が商品を販売したりサービスを提供することにより、得られた売上の合計額を指します。つまり、「企業が主たる営業活動によって得た金額の総額」のことです。

◆「営業利益」とは
→企業が本業で稼いだ利益を指します。「売上総利益から販売費および一般管理費(販管費)を差し引いたもの」のことです。

◆「売上高営業利益率」とは
→営業利益の売上高に対する割合を指します。つまり、「営業利益÷売上高×100(%)」で計算することができ、本業でどのくらい効率的に儲けたかを知ることができます。

◆「第2四半期決算」とは
→1Q(4~6月)と2Q(7~9月)の決算を累計したものを指します。「中間(連結)決算・上半期決算」とも表記されますが、本記事では「第2四半期決算」で統一して表記しています。

 

◆「通期決算」とは
→1年間を通した企業の決算を指します。通期決算は途中で修正することもあり、「上方修正・下方修正」の2種類があります。

※「売上高・営業利益・決算」のより詳細な解説を確認したい方は、以下の記事をご覧ください。
【総合商社・決算速報!】2018年3月期・第3Q決算を解説!純利益レース実況中継【三菱商事・伊藤忠商事・三井物産・住友商事・丸紅】

直近5カ年(2015年3月期~2019年3月期)の通期決算の推移

今期(2020年3月期/2019年度)の決算を確認する前に、まずは大手自動車メーカー7社の直近5カ年(2015年3月期~2019年3月期)の通期決算を確認しておきます。

【期間の見方】
2015年3月期:2014年4月1日~2015年3月31日
2016年3月期:2015年4月1日~2016年3月31日
2017年3月期:2016年4月1日~2017年3月31日
2018年3月期:2017年4月1日~2018年3月31日
2019年3月期:2018年4月1日~2019年3月31日

本選考とインターンの締め切り情報

直近5カ年の通期決算:連結売上高

グラフを見てみると、直近5カ年では大きな変化はないことが読み取れます。

「スズキ・マツダ・SUBARU(旧:富士重工業)」の3社は、年度によって順位が入れ替わったりはしていますが、それ以外は特筆すべきところはありません。

また、2019年3月期の通期決算にて、トヨタ自動車の年間売上高が30兆円を突破しましたが、これは日本企業として初めてのことです。

最新の日本企業全体の売上高ランキングを見ても、「トヨタ自動車が1位、ホンダ(本田技研工業)が3位、日産自動車が7位」ですので、国内企業における自動車メーカーの影響力を改めて実感することができます。

【日本経済新聞】売上高ランキング
※なお、上述した売上高ランキングは現時点(2019年12月27日時点)での結果となっています。ランキングは随時更新されていきますので、参考程度にご覧ください

直近5カ年の通期決算:連結営業利益

大きな変化の見られなかった売上高と異なり、営業利益に関しては一点気になる点が見れらます。

それは「2017年3月期決算にて三菱自動車が大幅な減益となっている」ことです。

この点に関しては"燃費不正問題"が大きく影響しているようです。

三菱自動車は、2015年11月に発覚した燃費不正問題関連の費用を、特別損失として約1600億円を計上しました。

そのため、業績不振による損失というよりは一過性のものという見方をして問題ないでしょう。(翌年の決算で982億円の営業利益を挙げていることからも、業績が不調という訳ではないことが読み取ることができると思います)

直近5カ年の通期決算:売上高営業利益率

売上高営業利益率に関しては、「他社に比べてSUBARUの営業利益率が高いこと」が特徴と言えるでしょう。

その理由としては主に以下の4点の理由が挙げられます。

SUBARUの営業利益率が高い要因

◆軽自動車など、儲けの少ない車を製造・販売しない方向へシフトしたから
◆販売地域が、比較的儲けやすい北米地域が中心となっているから
◆販売促進費用を抑えるなど、他社に比べて販売コストを節約しているから

◆車種の数を抑えて派生車種で品揃えを整えることで、効率性が優れるように構造化しているから

 上記のような要因があるため、SUBARUの利益率は他社に比べて高いという結果となっています。

より詳細な内容に関しては、以下に掲載した参考リンクから確認していただければと思います。

SUBARUは競合他社との差別化を明確にすることができており、大手自動車メーカーの中でも"少し異色の存在"とも言えるでしょう。

直近5カ年の通期決算の推移を確認したところで、本記事の主題である"今期(2020年3月期)の第2四半期決算"を見ていきます。

今期(2020年3月期)の第2四半期決算の結果

各社の決算短信をもとに、大手自動車メーカー7社の今期(2020年3月期)の第2四半期決算をまとめました。

直近5カ年の推移と同様、「売上高・営業利益・売上高営業利益率」の3つの観点から前年同期比も併せて紹介しています。

【期間の見方】
2019年3月期第2四半期決算:2018年4月1日~2018年9月30日
2020年3月期第2四半期決算:2019年4月1日~2019年9月30日

第2四半期決算:連結売上高

昨期(2019年3月期)と今期(2020年3月期)で順位に変動はありませんでしたが、業績の調子には各社濃淡が見られます。

7社中トヨタ自動車とSUBARUの2社だけが前年同期比で増益、ホンダと日産自動車が10%近くの大幅な減益という結果になりました。

業界全体の動向や各社のトピックに関しては後ほど解説するため、ここでは割愛させていただきますが、「企業間で業績に濃淡が見られる」ということを覚えておいていただければと思います。

第2四半期決算:連結営業利益

先ほど紹介した売上高と上記の営業利益の数値を見比べてみると、やはりトヨタ自動車とSUBARUの業績が好調であることが読み取れます。

一方で、先ほど紹介した売上高に比べ、営業利益の方が企業間での数値の差が大きいことが分かるでしょう。

一例として取り上げると、「日産自動車が前年同期比で85.0%の減益、三菱自動車が前年同期比で82.1%の減益、SUBARUが前年同期比で68.1%の増益」となっています。

順位が大きく入れ替わっていることももちろんですが、売上高が一桁(パーセンテージ)の変化しかなかったのに比べ、営業利益は大幅に数値が変化しています。

第2四半期決算:売上高営業利益率

売上高営業利益率に関しては、上記のグラフの通りとなっています。

先ほど紹介した売上高・営業利益と紐付いているため、詳細な解説などは割愛させていただきますが、「各社の業績の調子」を見る際の参考にしていただければと思います。

この変化の要因を分析するため、続いては「近年の自動車業界全体のトピックや動向」を探っていきます。

近年の自動車業界全体のトピックや動向

各社の今期決算(2020年3月期第2四半期決算)を確認する前に、"近年の自動車業界全体のトピックや動向"に軽く触れておきます。

近年の自動車業界に関し、触れておく必要がある内容としては以下の2点が挙げられます。(なお、本記事は決算の分析が主題となりますので、業界全体のトピックや動向に関しては詳細には解説しません。ご了承ください。)

  • 100年に一度の変革期
  • CASE

100年に一度の変革期

「自動車業界は100年に一度の変革期にある」という文言は、トヨタ自動車の豊田章男社長が提言したものになりますが、近年の各社の取り組みや施策と照らし合わせてみてもその片鱗は見て取れます。

"CASEやモビリティ化"など、トヨタ自動車に限らず各社が「自動車を開発・製造・販売するだけのメーカーからの脱皮」を推し進めているようです。

CASE

CASEとは、「Connected:コネクティッド化」「Autonomous:自動運転化」「Shared/Service:シェア/サービス化」「Electric:電動化」の4つの頭文字をとったものです。

このCASEという言葉は、2016年のパリモーターショーにて、独ダイムラーのディエター・チェッチェCEOが発表した中長期戦略の中で用いたのが始まりです。

CASEに関しては、unistyleの以下の記事で詳細に解説していますので、こちらをご確認いただければと思います。

それでは、「近年の自動車業界全体のトピックや動向」を軽く紹介したところで、"各社の今期(2020年3月期)の第2四半期決算の結果"を見ていきましょう。

単純に自身の志望企業の解説だけを見るのではなく、他社との違いを見比べながら読み進めていただければと思います。

なお、各社の紹介する順番に関しては「2019年3月期通期決算の連結売上高が高い順」となっています。

【トヨタ自動車】売上高・営業利益ともに増益を達成。王者として独走態勢を築く!

トヨタ自動車2020年3月期第二四半期決算分析

トヨタ自動車の今期の第2四半期決算は"好調"と言えます。

売上高・営業利益ともに前年同期比で増益となり、業界1位の座を不動のものにしていることは間違いないでしょう。

地域別販売台数割合

上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。

総販売台数に関しては「442万台→464万台」と前年同期比+5.0%となっています。

地域別の販売台数を確認してみても、グラフに記載されている5つの地域全てが前年同期比で増加しており、それゆえに販売台数割合に関しても大きな変化は見られません。

2019年度上半期(2019年4月1日~9月30日)のトピックとしては、「(1)8月にスズキと資本提携に関する合意書を締結(2)9月に米国テキサス工場への4億ドルの投資を発表(3)9月にSUBARUと新たな業務資本提携に合意」などがありました。

トヨタ自動車は業界のリーディングカンパニーとして、競争力強化に向けた取り組みを進めています。

今期の通期決算の見通しに関しては、「売上高:29兆5,000億円」、「営業利益:2兆4,000億円」と修正はありませんでした。ただ、売上高・営業利益ともに前年同期比で微減という見通しになっています。

今後の経営計画・取り組みに関して

トヨタ自動車は、「自動車をつくる会社」から、「モビリティカンパニー」へのモデルチェンジを進めています。そして、その先にある「モビリティ社会の実現」に向け、自動車業界を引っ張っていくことを目指しています。

それに付随し、2018年8月に「Uberとの協業拡大」を発表、さらに同年「ソフトバンクと新たなモビリティサービスの構築に向けた新会社MONET Technologies(モネ テクノロジーズ)を設立し、2018年度内をめどに共同事業を開始する」と発表しました。

また、直近の取り組みとしては、電動車普及に向けたチャレンジを進めていくようです。

アニュアルレポート2018によると、「2020年からEV(Electric Vehicle:電気自動車)を本格的に展開→2030年に販売台数の内のEV比率を50%以上→2050年に新車CO2ゼロチャレンジを実現」というマイルストーンを設定しています。

トヨタ自動車は国内に限らず、世界中でも絶大な影響力を持っているがゆえに、今後もその施策や発表の一挙手一投足に注目が集まります。

トヨタ自動車の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

【ホンダ(本田技研工業)】停滞気味の上半期。インド市場の景気減速が響いたか?

ホンダ(本田技研工業)2020年3月期第二四半期決算分析

ホンダの今期の第2四半期決算は"やや不調"と言えます。

業界2位の座はキープしていますが、売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、増益を果たした1位トヨタ自動車に差を広げられる形となりました。

地域別販売台数割合:二輪事業

地域別販売台数割合:四輪事業

地域別販売台数割合:ライフクリエーション事業

上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。

ホンダは、「(1)二輪事業(2)四輪事業(3)ライフクリエーション事業」の3事業でそれぞれ販売台数が記載されていたため、グラフも分類させていただきました。

ライフクリエーション事業とは
→農機用汎用エンジンを皮切りに、耕うん機、発電機、除雪機、船外機、芝刈機など、世界中の人々の手助けやライフラインとなる製品を生み出し続けてきた事業

【参考】Honda新卒採用サイト:事業領域

販売台数の前年同期比は、二輪事業が「1,067万台→1,002万台」で-6.1%、四輪事業が「255万台→256万台」で+0.4%、ライフクリエーション事業が「260万台→244万台」で-6.5%となっており、四輪事業の健闘が見られる結果となっています。

また、二輪事業の販売台数が前年同期比で約65万台も減少しているのですが、アジア地域だけで約71万台も減少しています。全体の89%を占めるアジア地域の不振が二輪事業の販売台数全体にも大きな影響を及ぼしたと読み取ることができるでしょう。

そして、その最大の要因は「インド市場の減速影響を受けたこと(融資引き締め継続・景気悪化による個人消費の減速)」にあるようです。ただ、この影響は自動車業界全体にも及ぼすものであるため、ホンダに限った事象ではないことを理解していただければと思います。

今期の通期決算の見通しに関しては、主要3事業全ての販売台数が下方修正されています。

販売台数の影響もあり、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:15兆500億円(昨期は15兆8,886億円)」、「営業利益6,900億円(昨期は7,263億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。

今後の経営計画・取り組みに関して

2017年3月期のアニュアルレポート(現時点での最新版)にて、ホンダは"2030年ビジョン"を掲げています。

2030年ビジョン

【ビジョンステートメント】
すべての人に"生活の可能性が拡がる喜び"を提供する

【企業姿勢】
質の追求による成長

【ビジョン実現に向けた取り組みの方向性】
喜びの創造:「移動」と「暮らし」の価値創造
喜びの拡大:多様な社会・個人への対応
喜びを次世代へ:クリーンで安全・安心な社会へ

【成長の為の事業基盤強化】
経営資源の有効活用

「自動車業界は100年に一度の変革期にある」と言われている現代、国内・世界の自動車産業界で大きな影響力を及ぼしているホンダも、新たな取り組みを続々と進めていくようです。

「(1)二輪車・四輪車・パワープロダクツという多岐に渡るモノづくりの力(2)世界中の顧客・市場基盤」とい既存の強みに、「コトづくりを含むソリューション創出力」を加え、新たなシナジーを生み出していくのではないでしょうか。

ホンダ(本田技研工業)の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

【日産自動車】昨今の様々な問題による影響を挽回できず。自動車メーカー御三家としての再建はいかに?

日産自動車2020年3月期第二四半期決算分析

日産自動車の今期の第2四半期決算は"不調"と言えます。

売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、特に営業利益に関しては「2,103億円→316億円」と前年同期比-85.0%という結果になっています。

地域別販売台数割合

上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。

総販売台数に関しては「268万台→250万台」と前年同期比-6.8%となっています。

地域別の販売台数を見てみても、上記グラフで取り上げている5つの地域全てがマイナスとなっており、特に欧州が「33万台→27万台(前年同期比-19.7%)」とかなり数字が落ち込みました。

この欧州での不振を受け、「英国とスペインにある2工場の売却を検討している」というニュースも報道されてしまうという事態にもなっています。

今期の通期決算の見通しに関しては、総販売台数が「554万台→524万台」と下方修正されています。

それに付随し、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:10兆6,000億円(昨期は11兆5,742億円)」、「営業利益1,500億円(昨期は3,182億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。

2017年の不正検査問題や2018年のカルロス・ゴーン元会長の逮捕など、近年様々な問題に揺れた日産自動車ではありますが、自動車業界に限らず日本を代表する企業であることは間違いありません。

自動車メーカーの御三家(トヨタ自動車・ホンダ・日産自動車)として、今後はどのような取り組み・改革を進めていくのか、以下で紹介します。

今後の経営計画・取り組みに関して

日産自動車は、2017年度に6か年計画(中期計画)「Nissan M.O.V.E. to 2022」を発表しています。

その計画によると、「技術の日産」と呼ばれるその技術力を活かし、"自動車産業の技術・ビジネスの進化をリードしていくこと"を目指していくようです。

具体例としては、「電気自動車、自動運転、コネクテッド・カー、新たなモビリティ・サービス」などが挙げられ、"今後の自動車産業の核となるであろう分野での競争優位性の獲得"に取り組んでいくと見られています。

ただ、近年の業績不振を受け、この計画に関する目標の一部が2019年5月に見直されています。

カルロス・ゴーン退任後の「仏ルノーとの協力関係」、「ルノー・日産自動車・三菱自動車の3社連合」なども先行きが不透明な部分もあるため、この計画通りに進むどうかは今後の動向を注視するべきでしょう。

日産自動車の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

【スズキ】低調な結果となった上半期。強みであるインド市場の回復が今後の鍵となるか?

スズキ2020年3月期第二四半期決算分析

スズキの今期の第2四半期決算は"不調"と言えます。

売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、特に営業利益に関しては「1,985億円→1,186億円」と前年同期比-40.3%という結果になっています。

地域別販売台数割合:四輪車

地域別販売台数割合:ニ輪車

上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。

スズキは、「(1)四輪車(2)二輪車」でそれぞれ販売台数が記載されていたため、グラフも分類させていただきました。

販売台数の前年同期比は、四輪車が「170万台→141万台」で-17.2%、二輪車が「86万台→88万台」で+2.1%となっており、四輪車の不振が「売上高・営業利益の減益」に影響したのではないかと読み取ることができます。

四輪車に関しては、「日本・インド」の販売台数が大幅に前年割れしてしまったことが影響しているようです。スズキの四輪車は、インドと日本で全体の販売台数割合の70%を占めており(上記グラフを参照)、この主要地域の不振はかなり痛手だったと考えられます。

二輪車に関しては、四輪車とは異なる状況となっています。

上記グラフの通り、スズキの二輪車販売台数割合の80%以上をアジア地域が占めているのですが、そのアジア地域の50%近くがインド市場になります。(つまり、全体の約40%がインド市場となります)

そのインドでの販売台数が前年同期比+15%となっているため、全体でも増益という結果を得られたと読み取ることができます。

スズキは四輪車・二輪車ともにインドの占める割合が高く、そのインド市場の調子が今期の好不調にダイレクトに影響しました。現時点では、良くも悪くも"全体の業績はインド市場の動向に掛かっている"と言うことができるでしょう。

今期の通期決算の見通しに関しては、四輪車・二輪車ともに販売台数が下方修正されています。

販売台数の影響もあり、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:3兆5,000億円(昨期は3兆8,715億円)」、「営業利益2,000億円(昨期は3,244億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。

今後の経営計画・取り組みに関して

上記でも少し触れましたが、スズキの強みは"インドで圧倒的なシェア率を誇っていること"です。そのシェア率はなんと50%と言われています。

インドの市場規模は今後も拡大することが予想されており、現状のシェア率を保持し続ければ、スズキは今後の大きな成長を見込むことができるでしょう。

そのため、まずはインド市場を充実させることに注力し、その上で世界中の地域へ展開・拡大させていくのではないかと予想されています。

また、スズキは2015年6月に「新中期経営計画(2015~2019年度)SUZUKI NEXT 100」を発表しています。(2015年に発表した計画ですが、現時点での最新のものになります)

資料には様々な情報が記載されているのですが、その中でも以下の2つを気になる点としてピックアップしました。

  • 二輪事業の赤字体質からの脱却
  • 日本、インドに次ぐ柱の育成

今期は2019年度であり、上記の中期経営計画の最終年度に該当します。

この中期経営計画と実際の動向を比較してしまうと長くなってしまうため、本記事では割愛させていただきますが、興味のある就活生の方は下記のリンクから確認していていただければと思います。

また、来期には新たな中期経営計画が発表されるかと思いますので、発表され次第そちらも確認していただくのが望ましいかと思います。

スズキの「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

【マツダ】ほぼ全ての地域で業績が減速。効果的な投資戦略で回復を目指す!

マツダ2020年3月期第二四半期決算分析

マツダの今期の第2四半期決算は"やや不調"と言えます。

売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、特に営業利益に関しては「298億円→258億円」と前年同期比-13.4%という結果になっています。

地域別販売台数割合

上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。

総販売台数に関しては「80万台→73万台」と前年同期比-8.0%となっています。

そして、その中でも特に下がり幅の大きかった地域が中国になります。「13万台→11万台(前年同期比-18.0%)」となり、販売台数・パーセンテージともに最も下がり幅が大きい地域となっています。

とはいえ、欧州以外の地域は全て前年同期比でマイナスとなっているため、全体を通じて苦しい上半期だったと言えるでしょう。

今期の通期決算の見通しに関しては、総販売台数が「162万台→155万台」と下方修正されています。

それに付随し、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:3兆5,000億円(昨期は3兆5,642億円)」、「営業利益600億円(昨期は823億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。

今後の経営計画・取り組みに関して

マツダは2019年11月1日に中期経営計画を発表しています。その資料の中身を要約すると、以下のようになります。

中期経営計画

【中期経営方針】
◆独自の商品・顧客体験への投資
→ブランド価値向上への投資

◆ブランド価値を低下させる支出の抑制
(1)変動・固定販促費面の抑制
(2)品質面の抑制

◆遅れている領域への投資
(1)インフラへの投資
(2)仲間づくりへの投資
(3)環境・安全への投資

上記は、今後5カ年(2020年3月期~2025年3月期)の経営計画の要点をまとめたものになります。

まずは重点的に経営資源の配分を行い、その上で上記の「取り組むべき3つの領域」に注力していくようです。

また、中期経営計画内の「市場別販売比率」を確認してみたところ、現時点でも最も大きい割合を占めている"北米地域"の比率をさらに高めていくようです。

「米国新工場の立ち上げによる現地生産開始と、販売ネットワーク強化の確実な遂行の両輪でさらなる成長を目指す」との記載があったため、北米地域を基盤として事業を進めていくのではないでしょうか。

マツダの「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

【SUBARU(旧:富士重工業)】売上高・販売台数ともに絶好調。米国の好調を維持してさらなる成長を目指す!

SUBARU2020年3月期第二四半期決算分析

SUBARUの今期の第2四半期決算は"絶好調"と言えます。

売上高・営業利益ともに前年同期比で増益となっており、その上がり幅も全7社で最も大きくなっています。特に営業利益に関しては「564億円→948億円」と前年同期比+68.1%という結果になっています。

地域別販売台数割合

上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。

総販売台数に関しては「48万台→50万台」と前年同期比+4.1%となっています。

上記のグラフを見て分かる通り、米国が総販売台数の約2/3を占めているのですが、今期はこの米国の販売台数が好調でした。

「30.2万台→33.6万台(前年同期比+11.3%)」と大きな成長を見せており、この米国地域の好調が全体の販売台数に大きな影響を及ぼしたと読み取ることができます。

この好調の要因としては、以下のような事柄が挙げられます。

米国市場が好調である要因

◆「フォレスター、クロストレック(日本名:スバルXV)」といった車種が高い人気を誇っていること
◆「安全性と信頼性」を高く評価されていること
◆2007年より開始した北米スバル独自の『LOVEキャンベーン』という広告展開が影響していること

今回取り上げた7社の中で最も業績が好調だったSUBARUですが、今期の通期決算の総販売台数の見通しは当初から据え置きとなっています。また、売上高も据え置き、営業利益に至っては「2,600億円→2,200億円」と下方修正がされています。

ただ、昨年同月比で見ると、売上高が「3兆1,562億円→3兆3,100億円」、営業利益が「1,817億円→2,200億円」と増益を見込んでいます。

「自動車業界は100年に一度の変革期にある」と言われている中、比較的苦しんでいる企業が多いのですが、SUBARUはその逆風に立ち向かうことができていると言えるでしょう。

今後の経営計画・取り組みに関して

SUBARUは2018年7月に"新中期経営ビジョン「STEP」"を発表しています。

この資料を確認したところ、大きな強みを持っている米国地域のさらなるシェア拡大を目指していくことを読み取ることができます。

「まずは米国での成長を維持しつつ、その上で各市場(地域)の持続的な成長」に取り組んでいくようです。

また、2019年9月には「トヨタ自動車とのアライアンスとして、新たな資本提携に合意した」と発表されました。

この資本提携を受け、今後は「EV(Electric Vehicle:電気自動車)や自動運転といった新たな技術への積極的な取り組み」、「モビリティ社会全体の変革への対応」などを進めていくと考えられます。

SUBARU(旧:富士重工業)の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

【三菱自動車】営業利益が大幅な減益に。アセアン地域を核にした持続的な成長が今後の鍵となるか?

三菱自動車2020年3月期第二四半期決算分析

三菱自動車の今期の第2四半期決算は"不調"と言えます。

売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、特に営業利益に関しては「569億円→102億円」と前年同期比-82.1%という結果になっています。

この-82.1%という数値を見るからに、相当苦しんだ2019年度上半期だったと言えるでしょう。

地域別販売台数割合

上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。

総販売台数に関しては「59.4万台→59.2万台」と、前年同期比で微減という結果になっています。

地域別の販売台数を確認してみても、グラフに記載されている全ての地域が「前年同期比-10.0%~+10.0%」の範囲内に収まっているため、それゆえに販売台数割合に関しても大きな変化は見られません。

地域別販売台数割合に関する三菱自動車の特徴としては、「アセアン・欧州地域」に強みを持っていることが挙げられます。

この特徴に関しては後述で再度説明しますが、「他社と異なる部分」として理解していただければと思います。

今期の通期決算の見通しに関しては、総販売台数が「130.5万台→127.4万台」と下方修正されています。

それに付随し、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:2兆4,500億円(昨期は2兆5,146億円)」、「営業利益300億円(昨期は1,118億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。

ちなみに記事の冒頭で、今期の三菱自動車の売上高と営業利益が大幅な減益となったことを紹介しましたが、「販売台数は微減なのに、なぜ営業利益が82.1%もマイナスになっているの?」と疑問を持った方もいたのではないでしょうか。

この要因としては、"(1)為替変動(2)例年に比べて研究開発費や間接員労務費が嵩んだ(かさんだ)こと"などが影響していると言われていますので、そのように認識していただければと思います。

今後の経営計画・取り組みに関して

三菱自動車は「アセアン地域」に大きな強みを持っていることが特徴です。

全販売台数の1/4程度をアセアン市場が占めていることももちろんですが(上記グラフを参照)、生産能力に関しても約40%がアセアンに集中しているようです。

アセアン地域の中でも、タイ事業を「三菱自動車を支える屋台骨として強化する」、ベトナム事業を「アセアン第四の拠点とする」との記載があるため、この2つの地域が特に重要な拠点になるのではないでしょうか。

また、アニュアルレポート2019を確認したところ、三菱自動車のコンセプトである「Small But Beautiful」のもと、"(1)強みを持つ地域に注力(2)強みに特化した商品の投入(3)身の丈にあった持続的成長に向けた基盤作り"を進めていくようです。

三菱自動車は競合他社に比べて比較的規模が小さいため、何か革新的な施策に取り組むというよりも、「独自の強みを活かして現在の市場を拡大・成長させていく」という方針だと読み取ることができます。

中期経営計画に関しては、2017年10月に「DRIVE FOR GROWTH」が発表されていますが、これは2017年度(2018年3月期)~2019年度(2020年3月期)の計画になります。

来期には新たな中期経営計画が発表されるかと思いますので、発表され次第、新たな計画を確認していただくのが望ましいかと思います。

三菱自動車の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

まとめ

本記事では、「各社の決算資料・IR情報・経営計画」をもとに"大手自動車メーカー7社の2020年3月期第2四半期決算"をまとめてみました。

「自動車業界は100年に一度の変革期にある」と叫ばれている中、単純に「自動車の開発・製造・販売」をするだけでなく、各社とも様々な取り組みを行っています。

そのため、業績(売上高・営業利益・販売台数)だけでなく、「各社は業界内でどのような強みを持っているのか?今後はどのような事業分野・地域に注力してくのか?」といった観点を理解しておくことも重要となります。

また、本記事で解説した内容はあくまでも「今期の第2四半期決算という短期的な業績」に過ぎません。

上述した直近5カ年の決算の推移を見ても分かる通り、各社の業績は年々変動がありますので、あくまでも参考程度に本記事の内容を理解していただければと思います。

また、動画を通じて自動車業界を知りたいという方は下記の動画も参考にしてください。

決算・IR情報に関する記事はこちら

自動車メーカーの業界研究に関する記事はこちら

大手自動車メーカー7社の企業研究ページはこちら

◆トヨタ自動車の企業研究はこちら
◆ホンダ(本田技研工業)の企業研究はこちら
◆日産自動車の企業研究はこちら
◆スズキの企業研究はこちら
◆マツダの企業研究はこちら
◆SUBARU(旧:富士重工業)の企業研究はこちら
◆三菱自動車の企業研究はこちら

自動車業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介

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おすすめコラム 4 件

日系大手志望者がベンチャー企業を受けるべき3つの理由 日系大手志望者がベンチャー企業を受けるべき3つの理由 こんにちは、16卒就活生です。就活するにあたってもともと大手志向が強かった私ですが、ふとしたきっかけで「ベンチャー企業」に触れ、その魅力に大きく心動かされつつあります。数社に内定を頂いたものの、最終的な決断を未だに下せないでいますが、一つ言えるのは「ベンチャー」という世界、一度も触れないままに食わず嫌いしてしまうのはあまりにももったいない、ということです。ぜひ一度「試食」してみてはいかがでしょうか。「ベンチャー」というと、給料が低い・仕事がしんどい・不安定...といったネガティヴイメージから食わず嫌いしてしまう就活生が多いのではないでしょうか。私自身も大手志向が強く、ベンチャーに対して興味を持ったのは「選考慣れのために受けてみるか」といった失礼な理由からでした。しかし、実際に受けてみると得るものの多いこと。今回はその内容を3つにまとめました。大手志望者がベンチャー企業の選考を受けるべき3つの理由【1】選考過程に慣れる面接やグループディスカッションは「経験」が結果に直結します。自分の本命企業を受ける前にできるだけ多くの場数を踏んで慣れておきたい、と考えている就活生は多いのではないでしょうか。ベンチャーの新卒採用は「説明会&一次選考会」「筆記試験無し」と、スピード感のある選考が多く、時間・手間の負担が非常に少ないです。かつ、選考を進めば部長や社長といった役職の高い社会人との面接を経験することができます。例を挙げると、「レバレジーズ」という企業の面接では自分が今まで取り組んだことに対して、なぜそれに取り組んだのか、という点から始まり、取り組みのゴール、そのゴールを設定した理由、達成できた、あるいはできなかった理由、現在であればどのように改善するか、なぜ他の手段ではダメだったのか、と徹底的に質問されました。この選考をきっかけに自身の「学生時代頑張ったこと」をあらゆる角度から徹底的に検証する癖がつき、以降の面接でも自らの考えを明確に伝えることができるようになりました。【2】ビジネスの「基礎知識」を得る市場動向を正確に把握できるかどうかがベンチャーの生命線。説明会では100%「これからの日本の市場動向」を解説します。少子高齢化、ITの台頭、アジアの新興国の成長…それによって今後拡大する、縮小する業界…私の場合は「Adways」という広告ベンチャーで知った「広告業界のビジネスモデルの変化」は目から鱗で、その内容を知ることでWebが関係する業界(今やほぼすべての業界ですね)に対する業界研究を一段階深くできたと感じています。また、彼らから得られる情報は、大企業にチャレンジする皆さんが最低限押さえておくべき「基礎知識」とも言えます。激変する現代の市場環境に関して「まったく無知」でいることに不安を覚える方、とはいえ日経新聞読んでもいまいちわからない…と悩んでいる方にとっては、ベンチャーの説明会へ参加して、市場の最前線で働く人々の声を聴くことが「基礎知識」を獲得する一番の近道であると感じています。【3】視野を拡げる私はこれまで自身の将来について真剣に考えたことがなく、漠然と「良い会社に入って就職して、年をとって、幸せになる。」気でいました。しかしその対極にあるベンチャーという生き方。リスクをかけ、自らの道を選び全力で取り組むという生き方に触れた今、「若いうちからチャレンジしたい、将来経営者になりたい」といった欲望が自分の中にもあることに気づくことができました。新卒ベンチャーという選択はもちろん、大手の中でもどういった社風の大手を選択するか、あるいは大手→ベンチャーといった転職も含めて、今後自身のキャリアを考え抜くきっかけを得ることができました。このように、ベンチャーに進む「理由」、リスクをとる「勇気」をもった人々に実際に触れれば、自身のキャリアに関する考えが変わるかもしれません。志望動機を作り込む必要はない志望動機に関しては「若いうちから成長できる環境であること」を中心に組み立てるとはまりやすいかと考えます。筆者の場合は「経営者になりたい」→「ビジネスの経験がない自分にとっては分社化が理想」→「若いうちから新規事業に関わって成長したい」を一連の軸として、自分の経験に結びつけて帰結させました。「裁量がほしいだけなら、他のベンチャーでもいいんじゃない?」という質問を必ず受けますが、その際は事業内容に落とし込むか、企業理念への共感(社長の魅力)を挙げるとよいかと思います。筆者は後者でしたが、特にしつこく掘られることもありませんでした。また、事業内容に関しては「特に拘わらずに色々なベンチャーを見ている」と正直に答えていました。変化の激しくメンバー自体が比較的小規模である世界なだけに、事業の内容というよりもむしろ、企業理念、社風への共感が重視される傾向にある、と感じました。終わりに大手志向の就活生もベンチャーの選考からは必ず多くの収穫を得ることができると思います。ES等の合間を縫ってぜひ選考に参加してみてください! 31,190 views
総合商社志望者であれば銀行、メーカー、専門商社を見ておくべき 総合商社志望者であれば銀行、メーカー、専門商社を見ておくべき こんにちは。16卒の総合商社内定者です。17卒においては6月1日から面接が解禁されることが正式に決まりました。総合商社の面接は6月1日から始まりますが、もうすでにインターンの応募が始まっています。総合商社志望者は今からでも遅くないのでインターンのエントリーシートを書き始めましょう。さて今回は総合商社を志望する学生であれば早い段階から銀行、メーカーおよび専門商社を見ておくべきだということを伝えたいと思います。総合商社のビジネスは多岐に渡りますし、内定後にある程度の希望は出せるものの、どこの部署に配属されるかはわかりません。また総合商社のビジネスモデルとして「トレーディング」と「事業投資」が挙げられますが、入社してからどちらの業務に従事するかはわかりません。人によってはローテーションでどちらにも従事する人もいますが。以上のように考えた私は総合商社を理解する上で実際に銀行、メーカー、専門商社に関しては本選考も受けていましたし、インターンも行っていました。専門商社では長期インターンでもお世話になっていました。それでは、それぞれの業界ごとに総合商社志望者が受けるべき理由を書いていきたいと思います。銀行を受けるべき理由・銀行の融資と総合商社の事業投資の違いを学ぶ総合商社のビジネスモデルには「事業投資」があると述べましたが、これはいわゆる投資ファンドのようなものというよりかは経営に参画してその事業そのものを活性化させていくというスタンスをとっています。例えば出向先の関連会社の役員に本社の社員を送り、経営に参画させます。経営を通じてその事業自体を活性化させて今後の取引をよくしたり、本社として活性化したその事業に再び投資をしていくという良い循環が生まれます。銀行ではそのような形で経営に参画することは少なく、融資をすることで企業を成長させ、その利ざやを抜いて利益を得ていきます。融資をする企業は総合商社と比べて幅広く、一人の担当者が100社以上の中小企業の担当を持つことはざらにあります。総合商社が自社の事業に関係のある会社に対して投資を行うのに対して、銀行はありとあらゆる業界、企業に対して融資を行うといえるでしょう。私自身銀行の面接で、商社は自分達の利益を最優先に考え事業投資を行っているが、銀行は公共性も考え融資を行っているがそれについてはどう思っているかの意見を求められたことがあります。このような違いがあることを理解しておくことは重要です。・財務的な面で企業を支援することを学ぶ日本の企業が海外に進出したいという時に商社は物流をはじめとして様々な情報やノウハウを駆使してプランを組みますが、銀行はあくまで財務的な支援がメインです。上記では簡単に記述しましたが、実際に企業説明会やOB訪問など社員から直接話を聞くことが重要です。商社の面接でもなぜ銀行ではなく商社を志望しているのかを訊かれます。その際に実際に銀行を見ていると商社との違いが話せて良いでしょう。メーカーを受けるべき理由・商社の一番の得意先であるためメーカーは総合商社の一番の得意先です。トヨタ自動車や新日鐵住金のような日本を代表する企業であっても世界で戦っていくには商社の力を借りる必要があります。また総合商社に入社した場合、メーカーと関わる機会は非常に多いです。そういう意味でもメーカーに説明会やOB訪問を通じて商社との関わり方に関して知っておくことは他の就活生と一線を画すのに良いでしょう。またメーカーの選考は比較的早く始まるので5月中に内々定を出す企業も出てくると思います。メーカーは自社の製品をこよなく愛し、情熱に溢れている人が多いように感じました。特に私が選考を受けたメーカーでは社員が非常によく話を聞いてくれて、良い印象を受けました。専門商社を受けるべき理由・トレーディングが収益の大半を占める専門商社は総合商社と比べると手を出している事業領域が狭く、事業投資に手を出せない会社が多いです。つまり専門商社のメインビジネスは「トレーディング」です。商社の「トレーディング」を理解する上で専門商社を見ておくことは良い経験となるでしょう。・その商材を扱っている社員の雰囲気を掴める専門商社の場合、扱っている商材が総合商社でいうと一つの事業本部もしくは部署のような規模であることが多いと思います。総合商社はよく社内でも部署によってまるで違うカルチャーが存在するといわれますが、このカルチャーは取引先に依存するものが大きいです。専門商社の社員と関わることでその商材を扱っている総合商社の部署に近い雰囲気を掴むことができるでしょう。私自身がインターンを行っていた専門商社と同じような商材を扱っている総合商社の社員にOB訪問した際も同じような雰囲気を感じました。内々定をたくさんもらっておくこと6月1日の総合商社の面接が始まる頃にはメーカーや専門商社の内々定を数社もらっておくことが商社の面接を優位に進めていく上では大事です。またメガバンクは早いと6月1日に内々定を出すので、そこでメガバンク三行のいずれかから内々定をもらっておくことが重要でしょう。また内々定をたくさんもらっておくことは今後の選考においても自信につながります。内々定をもらうことで業界の比較を行うことができるだけでなく、面接での立ち振る舞いにも磨きをかけることができます。最後に他の業界を見ずに総合商社が第一志望であるという言葉には矛盾を感じます。なぜなら総合商社では様々な商材を扱っており、志望した部署に配属されるかどうかはわからないからです。また商社はメーカーのように自社で製品を持っていなければ、保険会社のように商品パッケージがありません。私自身は人生を通して一つの製品にこだわっていく生き方をイメージすることができなかったので、様々な可能性のある総合商社をファーストキャリアとして選びました。そして様々なタイプの専門商社の面接を受けることで業界の知識をつけることができ、総合商社の面接により優位な状況で挑むことができるでしょう。私自身、専門商社でインターンしていたことや銀行から内定を頂いていたことを総合商社の面接では話し、その上で総合商社を志望しているという話をしていました。この方が面接官に対する説得力が増します。総合商社を志望する学生はぜひ視野を狭く持たずに、銀行やメーカー、専門商社のインターンや本選考にチャレンジして下さい。photobyGeorgiePauwels 26,309 views
総合商社内定を蹴ってエネルギー業界に就職をした理由と納得できる志望動機 総合商社内定を蹴ってエネルギー業界に就職をした理由と納得できる志望動機 こんにちは。エネルギー業界に内定した大学院生(14卒・国立理系)です。もともと文系職の総合商社や金融系を第一志望群として考えており、内定もいくつか頂いたのですが正反対の理系職である現業界に決めました。今回はその辺りの心境の変化について書かせていただきます。志望動機・会社選びの軸皆さんの中で、自己PRは得意でも志望動機が苦手な方が多いのではないでしょうか。私も例に漏れずその一人でした。志望動機には2パターンの種類があると思っています。ウソ(表面上)とホントの志望動機です。この2つがイコールならば就職活動を有利に進められると思いますが、残念ながら私はそうではありませんでした。そして当時の私の志望動機は以下のようなものでした。・モテたい(イケてるか)・おもしろい社員と仕事がしたい(OB訪問で波長が合うか)・内定先のブランド力を誇示したい(内定が取りにくいか)この3点から、総合商社やメガバン・損保を第一志望群に絞ったというありがちな就職活動でした。当時は、「どんなタイプの仕事でも自分ならものに出来るし、その中でやりがいも見つけられるから問題ない。バブル期で就活してない面接官なんて表面上の志望動機で余裕でしょ」という生意気な考えを持っていました。そして、「理系職なんかイケてないから却下。イケてる同期とモテる文系職の会社で働いて他人に羨ましがられたい」という欲望のまま志望業界を決めました。転機4月中旬、運良く第一志望群から内定も頂いたのですが、何となく自分の就職活動が腑に落ちていませんでした。当時は、「表面上の志望動機と盛り上げた自己PRを自信満々に面接官に話す」というウンザリする行為を、大人へ進む階段と思い込むようにしていました。笑しかし、4月末に自身の研究内容から面白半分でエネルギー業界を受けたとき考え方が変わりました。「理系企業は競争相手が雑魚だから面接対策なんていらない」と調子づいていた私ですが、根が真面目なので前日は志望動機を考えました。そこで、今まで苦労していた志望動機が自分でも驚くくらい早く思いつき、面接本番でも自分でいった志望動機に自分が納得できる状態でした。この面接での自分でいった志望動機に自分が納得できる状態が忘れられずに、周りの反対を押し切り最初の志望業界・業種とは真反対のエネルギー業界へと就職を決めました。最後に私の自己満コラムに付き合っていただきありがとうございました。志望動機・会社選びの軸を決める際に迷っている学生は本当に多いと思います。私の場合は運良く、表面上の志望動機とホントの志望動機がイコールとなるような会社をみつけられましたが、過半数の内定者は何となく自分を納得させる形で会社を決めた人が多いと思います。これは悪いことではなく当然なことであると思いますが(事実、私は運動会に所属しており、就職活動に割ける時間は少なかったですが先輩や同期は就職してから楽しそうにやっています。)、日本人は大義名分を大事にする人種なので、ブレないホントの志望動機を見つけて入社できればそれをモチベーションに働いていけると思います。是非、就職活動中のOB訪問や自己分析の機会に自分が納得できるホントの志望動機を見つけてください。photobyMarcoVerch 56,380 views
【総合商社・決算速報!】2018年3月期・第3Q決算を解説!純利益レース実況中継【三菱商事・伊藤忠商事・三井物産・住友商事・丸紅】 【総合商社・決算速報!】2018年3月期・第3Q決算を解説!純利益レース実況中継【三菱商事・伊藤忠商事・三井物産・住友商事・丸紅】 早いもので、2018年も2月に入りました。日系大手の選考情報解禁(3月1日〜)が数週間後に迫り、2019年卒の皆さんのなかには、焦りや危機感を感じている方も多いかもしれません。そんななか、各企業も2018年3月期・第3Q(第3四半期:2017年4月〜12月)の決算情報をリリースしています。就活生は投資家ではありませんので、各社の決算内容について詳しく理解しておく必要はありません。むしろ、各企業の短期的な業績にばかり左右されてしまうことは、望ましいキャリア選択に必ずしも結びつかないとも考えています。なぜなら、皆さんが就職活動で目指すべきは、「直近の業績が好調な会社」ではなく、「皆さん自身のキャリア観にマッチした会社」であるからです。とはいえ、志望度が高い企業の業績については、最低限の知識は持っておくべきです。その企業が「どうやって、いくら儲けているのか」をまったく知らないままで、「御社が第一志望です!」と豪語するのは無理があるでしょう。本記事では、2018年2月2日〜8日にかけてリリースされた総合商社(上位5社=三菱商事・伊藤忠商事・三井物産・住友商事・丸紅)の第3Q(2017年4月〜12月)決算について、就活生が知っておくべき内容だけをピックアップしてお伝えします。総合商社の直近の業績については、本記事を読むだけで十分です。わかりやすい解説と図解を加え、会計知識のない学生でも理解しやすい内容に仕上げましたので、ぜひ最後までご覧ください。※本記事が紹介する決算情報は、すべて各社のIR資料から抜粋しています。【本記事の構成】◆そもそも「連結純利益」とは何か◆昨年度(2017年3月期)の振りかえり◆【2018年3月期・第3Q】総合商社の連結純利益◆【2018年3月期・第3Q】各社の収益分析◆総合商社の純利益レースに大した意味はない?そもそも「連結純利益」とは何か近年、総合商社の業績を分析・比較するときには、一般的に「連結純利益」という数字が用いられるケースが多いです(本記事もこの数字をベースに考察を進めます)。実際に総合商社の決算情報を見ていくまえに、この「連結純利益」という概念について、カンタンに確認しておきましょう。「純利益」とは何かまず「純利益」とは、「売上金額からすべての費用を差し引いたあと、最終的に企業の手元に残るもうけ金」のことを指します。つまり、企業がその期間に稼ぎ出した「最終的な利益」のことです。「連結純利益」とは何か「連結純利益」とは、企業グループ全体の純利益のことを指します。すなわち、親会社本体の純利益に、その企業の子会社・関連会社の純利益を加算(”連結”)したもの*のことです。多くの子会社や関連会社を保有している大企業にとっては、自社単体での業績よりも、グループ全体の業績のほうが重要です。したがって、そうした大企業の決算内容を分析するときには、とくに「連結純利益」が重要な数字として注目されることになります。現在の総合商社は、「トレード」から「事業投資」へとビジネスモデルの軸足を移行しつつあるため、自社グループ企業からの取込利益(子会社や関連会社の純利益のうち、親会社の利益として認識する取り分)が大きな収益源になっています。このようにグループ経営を行う総合商社においては、連結純利益がとくに重要な決算事項として注目されることになります。*子会社・関連会社の純利益は、必ずしもすべてが連結決算に反映されるわけではありません。親会社からの出資比率に応じて、連結決算への算入額が決定されます(例:子会社Bへの出資比率が30%の場合、子会社Bの純利益のうち30%を親会社Aの連結純利益に加算する)。昨年度(2017年3月期)の振りかえり上記の解説を踏まえたうえで、まずは総合商社各社の昨年度(2017年3月期)決算を振りかえっておきましょう。2017年3月期の各社の最終連結純利益は、以下の通りでした。資源分野でV字回復を果たした三菱商事が4,402億円の連結純利益を稼ぎ出し、伊藤忠商事から業界首位を奪還。食料分野などで安定収益を稼いだ伊藤忠商事も、3,522億円を稼いで同社の史上最高益を更新しました。三井物産も3,061億円の連結純利益を達成するなど、各社とも前年度から大幅増益を達成しており、2017年3月期は業界全体として好調な年度であったと評価できます。【2018年3月期・第3Q】総合商社の連結純利益さて、ここからが本題です。総合商社の2018年3月期・第3Q決算*。各社の第3Qの連結純利益は以下のとおりでした。*現時点で明らかになっている部分(2017年4月〜12月=1年間の4分の3)までを暫定的に集計した中間報告。三菱商事が業界トップをキープしており、これに三井物産、伊藤忠商事と続いています。9か月ぶんの暫定決算であるにもかかわらず、三菱商事以外の4社は昨年度(2017年3月期)1年間での連結純利益をすでに上回っており、総合商社業界全体として好調をキープしていると言えます。【2018年3月期・第3Q】各社の収益分析以下では、各社の収益構造を事業セグメントごとに分析します。各総合商社がどのような事業バランスで収益をあげているか、ざっくり把握しておきましょう。【三菱商事】王者の貫禄。金属などで圧倒的な収益今期、圧倒的なボリュームの純利益を稼ぎ出している三菱商事。今回の第3Qの決算発表にともない、2018年度3月期・通期での連結純利益予想も引き上げ、これまでの史上最高益(4,712億円:2008年3月期)を大きく上回る5,400億円の最終純利益を見込んでいます。第3Qまでは、市況が大きく上昇した金属分野が絶好調。金属分野単独で、連結純利益全体の半分近くに相当する1,787億円を稼ぎ出しています。また、自動車事業の持ち分利益が拡大した機械分野、昨年度に連結子会社化したコンビニエンスストア・ローソンが引き続き貢献した生活産業分野なども堅実に推移。三菱商事・増一行CFOも「事業系も市況系も好調を維持しており勢いのある決算となった」と自評しています。■三菱商事投資家情報■三菱商の今期、純利益23%増に上方修正過去最高、金属事業が好調(日本経済新聞)【三井物産】ついに巻き返し!資源の強さをふたたび示す連結純利益ベースで伊藤忠商事を逆転した三井物産。もともと圧倒的な強みを持っていた資源分野を中核に据え、大きな収益をあげています。ご覧のとおり、純利益全体の約60%を金属資源分野だけで稼いでいます。資源価格の上昇によって各地の権益から得られる収益が大幅に向上し、資源分野のインパクトの大きさをあらためて証明した決算になりました。しかし、三井物産といえば、2016年3月期に資源分野で大きな減損を出したばかり。市況変動リスクの小さい非資源分野の強化を掲げているものの、今回の決算でも生活産業分野において267億円の赤字を残すなど、非資源事業の収益化にはもう少し時間がかかるようです。「資源の三井」の強大さを示した一方で、資産ポートフォリオの最適化(=資源依存からの脱却)にはやや課題が残る決算内容だと評価できます。■三井物産投資家情報IR資料室【伊藤忠商事】今期も絶好調!非資源の安定収益と整ったバランス純利益ベースでは三菱商事・三井物産の後塵を拝すものの、今期も非資源分野の強みを活かして突き進む伊藤忠商事。昨年度の連結純利益(3,522億円)も同社の史上最高益となりましたが、今年度はこれを第3Qの時点ですでに上回っており、足元の業績はまさに絶好調と言えます。稼ぎ頭は、コンビニ・ファミリーマートや青果メジャーDoleなど、優良事業を多く抱える食料分野。さらには、住生活や機械、情報・金融などの非資源分野を中心に、各事業分野がバランスよく収益をあげていると評価できます。先日は社長交代のニュースで話題を呼んだ伊藤忠商事。同社が強みとする非資源事業は資源事業に比べると市況変動の影響を受けにくく、資源分野の事業よりも安定的な収益が見込めると言えます。鈴木新社長のもと、既存事業をうまく成長させつつ、あらゆる分野で有望な新規事業をつくっていくことができれば、今後も順調な成長を続けることができそうです。■■伊藤忠商事IR(投資家情報)【住友商事】資源のリカバリー、そしてメディア・不動産の安定成長住友商事も好調。今期第3Qでは、前年同期比126%増となる2,528億円の連結純利益を稼ぎました。赤字が続いていた資源・化学品分野で431億円の黒字を計上。また、ジュピターテレコム(J:COM)などのメディア事業、不動産事業などを中心に非資源分野できっちりと収益を出しており、昨年度までから大きくジャンプアップした決算となりました。■住友商事IR(投資家情報)【丸紅】大幅増益!しかし遠のく、他社の背中穀物や電力・プラントなどの分野で、独自の知見と強みをもつ丸紅。ここ数年の業績は芳しくありませんでしたが、今期は大きな増益を達成し、通期の最終連結純利益の予想も2,000億円へと上方修正しています。生活産業や電力・プラントなど、得意とする領域でしっかり稼いでいます。また、昨年度は赤字分野であったエネルギー・金属分野も、石炭や銅価格の上昇によって黒字へと改善しています。しかし、決算資料の中身をよく見てみると、今回の増益の主要因は米国の減税政策にあるようです。純利益ベースで他社から引き離されつつあるなか、確実に収益化できる事業をつくるべく、積極的なアプローチを続けていかなければならないでしょう。■丸紅IR投資家情報最後に:総合商社の純利益レースは無意味?ここまで、総合商社の2018年3月期決算について比較・考察してきました。各社の連結純利益の推移や収益構造については、就職活動をすすめていくうえでの基礎的な業界知識として、本記事でご紹介した程度の内容は把握しておくべきでしょう。しかし一方で、本記事の冒頭でも指摘したとおり、短期的な業績に気を取られすぎるのも好ましくありません。その業績推移がいつまで続くかも分かりませんし、そもそも皆さんが選ぶべきは「直近の業績が好調な会社」ではなく「皆さん自身のキャリア観にマッチした会社」であるはずです。また、そもそも総合商社どうしの「連結純利益レース」自体、(単にメディアが煽っているだけで)実際には大した意味を持っていないという指摘もあります。実際、各社の社長もそれぞれ以下のようなコメントを出しています。◆三菱商事・垣内社長(2017年、純利益ベースで総合商社首位を奪還したことについて)「これも誤解を招くんですが、商社という集団の勝者になる、ということは私のイメージにまったくないんです。ですから、首位を奪還ということはあまり意識したことがない」出典:「商社の枠を飛び出す」三菱商事社長が描く未来像(NIKKEISTYLE)◆三井物産・安永社長「(純利益の)目標数値は必達だが、何位になるかはあまり興味がない」「一騎当千のつわものが自由に飛び回り、新しいビジネスを作り出す集団でなければならない」出典:三井物社長:最強自負する資源で投資継続、市況低迷でも競争力発揮へ(Bloomberg)◆伊藤忠商事・岡藤社長(2018年4月1日以降は会長CEO)「損益計算書(PL)上の数値競争が過熱しており、このままでは商社業界全体がマーケットから信頼を失う。(18年4月から始まる)次の中期経営計画では、単なるPLの数値で競争するのはやめなあかん」「社員が誇りを持てる、自分の子どもを入社させたいと思う、仕事も家族の生活も大事にする等、誰もが憧れる会社を目指す」出典:伊藤忠が利益で首位陥落、数値競争からの離脱を目指す(DIAMONDOnline)以上を踏まえたうえで、unistyleが総合商社を志望する皆さんにお伝えしたいことは、「ファーストキャリアとして総合商社を選ぶうえで、本当に深く検討すべきは直近の連結純利益ではない」ということです。直近の結果に過ぎない連結純利益に惑わされず、あなた自身の価値観やキャリアビジョンにマッチした総合商社(ひいては企業)に入社することこそが、長期的にみて幸福なキャリアに繋がっているはずです。あなた自身の志向性を定めたら、早いうちから3つの論点(自己PR・学生時代頑張ったこと・志望動機)を磨きあげ、内定獲得に向けて戦略的・計画的に行動しましょう。総合商社業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別の就活用LINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際に総合商社志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。▼unistyleに掲載している総合商社の本選考対策はこちらから■■■ 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