【大手自動車メーカー中間決算分析2019】100年に一度の変革期に各社はどう立ち向かっていくのか!?

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最終更新日:2023年10月30日

【大手自動車メーカー中間決算分析2019】100年に一度の変革期に各社はどう立ち向かっていくのか!?

企業研究

就活生の皆さんは、"各社の決算"に目を向けたことはあるでしょうか。

unistyleでは以前、決算に関して以下のような記事を執筆致しました。

上記の「7大総合商社の決算に関する記事」への反響が大きく、それならば異なる業界の決算も分析してみようと考え、本記事では"大手自動車メーカー7社の2020年3月期第2四半期決算"を分析していこうと思います。

言わずと知れた日本を代表する企業である「トヨタ自動車」を始め、自動車業界は国内産業の中でも大きな影響力を持っており、就活生からの人気も高い業界になります。

IR情報と聞くと、「なんだか難しそう」、「読んでも理解できない」と感じる就活生もいるかと思いますが、今回は会計知識の乏しい就活生でも理解できるように執筆してありますので、ぜひ最後までご覧ください。

また、決算の分析に加え、本記事では「各社の特徴・業界内での立ち位置」なども解説しています。

「各社はどの地域に力を入れているのか?、今後の経営計画に違いはあるのか?」などの観点を理解することが"志望度のアピール"にも繋がりますので、その観点も踏まえて読み進めていただければと思います。

※本記事は決算に関する情報を取り扱っているため、専門的な用語を知らない方は以下で用語の意味を確認してから記事を読み進めてください。

◆「売上高」とは
→企業が商品を販売したりサービスを提供することにより、得られた売上の合計額を指します。つまり、「企業が主たる営業活動によって得た金額の総額」のことです。

◆「営業利益」とは
→企業が本業で稼いだ利益を指します。「売上総利益から販売費および一般管理費(販管費)を差し引いたもの」のことです。

◆「売上高営業利益率」とは
→営業利益の売上高に対する割合を指します。つまり、「営業利益÷売上高×100(%)」で計算することができ、本業でどのくらい効率的に儲けたかを知ることができます。

◆「第2四半期決算」とは
→1Q(4~6月)と2Q(7~9月)の決算を累計したものを指します。「中間(連結)決算・上半期決算」とも表記されますが、本記事では「第2四半期決算」で統一して表記しています。

 

◆「通期決算」とは
→1年間を通した企業の決算を指します。通期決算は途中で修正することもあり、「上方修正・下方修正」の2種類があります。

※「売上高・営業利益・決算」のより詳細な解説を確認したい方は、以下の記事をご覧ください。
【総合商社・決算速報!】2018年3月期・第3Q決算を解説!純利益レース実況中継【三菱商事・伊藤忠商事・三井物産・住友商事・丸紅】

直近5カ年(2015年3月期~2019年3月期)の通期決算の推移

今期(2020年3月期/2019年度)の決算を確認する前に、まずは大手自動車メーカー7社の直近5カ年(2015年3月期~2019年3月期)の通期決算を確認しておきます。

【期間の見方】
2015年3月期:2014年4月1日~2015年3月31日
2016年3月期:2015年4月1日~2016年3月31日
2017年3月期:2016年4月1日~2017年3月31日
2018年3月期:2017年4月1日~2018年3月31日
2019年3月期:2018年4月1日~2019年3月31日

本選考とインターンの締め切り情報

直近5カ年の通期決算:連結売上高

グラフを見てみると、直近5カ年では大きな変化はないことが読み取れます。

「スズキ・マツダ・SUBARU(旧:富士重工業)」の3社は、年度によって順位が入れ替わったりはしていますが、それ以外は特筆すべきところはありません。

また、2019年3月期の通期決算にて、トヨタ自動車の年間売上高が30兆円を突破しましたが、これは日本企業として初めてのことです。

最新の日本企業全体の売上高ランキングを見ても、「トヨタ自動車が1位、ホンダ(本田技研工業)が3位、日産自動車が7位」ですので、国内企業における自動車メーカーの影響力を改めて実感することができます。

【日本経済新聞】売上高ランキング
※なお、上述した売上高ランキングは現時点(2019年12月27日時点)での結果となっています。ランキングは随時更新されていきますので、参考程度にご覧ください

直近5カ年の通期決算:連結営業利益

大きな変化の見られなかった売上高と異なり、営業利益に関しては一点気になる点が見れらます。

それは「2017年3月期決算にて三菱自動車が大幅な減益となっている」ことです。

この点に関しては"燃費不正問題"が大きく影響しているようです。

三菱自動車は、2015年11月に発覚した燃費不正問題関連の費用を、特別損失として約1600億円を計上しました。

そのため、業績不振による損失というよりは一過性のものという見方をして問題ないでしょう。(翌年の決算で982億円の営業利益を挙げていることからも、業績が不調という訳ではないことが読み取ることができると思います)

直近5カ年の通期決算:売上高営業利益率

売上高営業利益率に関しては、「他社に比べてSUBARUの営業利益率が高いこと」が特徴と言えるでしょう。

その理由としては主に以下の4点の理由が挙げられます。

SUBARUの営業利益率が高い要因

◆軽自動車など、儲けの少ない車を製造・販売しない方向へシフトしたから
◆販売地域が、比較的儲けやすい北米地域が中心となっているから
◆販売促進費用を抑えるなど、他社に比べて販売コストを節約しているから

◆車種の数を抑えて派生車種で品揃えを整えることで、効率性が優れるように構造化しているから

 上記のような要因があるため、SUBARUの利益率は他社に比べて高いという結果となっています。

より詳細な内容に関しては、以下に掲載した参考リンクから確認していただければと思います。

SUBARUは競合他社との差別化を明確にすることができており、大手自動車メーカーの中でも"少し異色の存在"とも言えるでしょう。

直近5カ年の通期決算の推移を確認したところで、本記事の主題である"今期(2020年3月期)の第2四半期決算"を見ていきます。

今期(2020年3月期)の第2四半期決算の結果

各社の決算短信をもとに、大手自動車メーカー7社の今期(2020年3月期)の第2四半期決算をまとめました。

直近5カ年の推移と同様、「売上高・営業利益・売上高営業利益率」の3つの観点から前年同期比も併せて紹介しています。

【期間の見方】
2019年3月期第2四半期決算:2018年4月1日~2018年9月30日
2020年3月期第2四半期決算:2019年4月1日~2019年9月30日

第2四半期決算:連結売上高

昨期(2019年3月期)と今期(2020年3月期)で順位に変動はありませんでしたが、業績の調子には各社濃淡が見られます。

7社中トヨタ自動車とSUBARUの2社だけが前年同期比で増益、ホンダと日産自動車が10%近くの大幅な減益という結果になりました。

業界全体の動向や各社のトピックに関しては後ほど解説するため、ここでは割愛させていただきますが、「企業間で業績に濃淡が見られる」ということを覚えておいていただければと思います。

第2四半期決算:連結営業利益

先ほど紹介した売上高と上記の営業利益の数値を見比べてみると、やはりトヨタ自動車とSUBARUの業績が好調であることが読み取れます。

一方で、先ほど紹介した売上高に比べ、営業利益の方が企業間での数値の差が大きいことが分かるでしょう。

一例として取り上げると、「日産自動車が前年同期比で85.0%の減益、三菱自動車が前年同期比で82.1%の減益、SUBARUが前年同期比で68.1%の増益」となっています。

順位が大きく入れ替わっていることももちろんですが、売上高が一桁(パーセンテージ)の変化しかなかったのに比べ、営業利益は大幅に数値が変化しています。

第2四半期決算:売上高営業利益率

売上高営業利益率に関しては、上記のグラフの通りとなっています。

先ほど紹介した売上高・営業利益と紐付いているため、詳細な解説などは割愛させていただきますが、「各社の業績の調子」を見る際の参考にしていただければと思います。

この変化の要因を分析するため、続いては「近年の自動車業界全体のトピックや動向」を探っていきます。

近年の自動車業界全体のトピックや動向

各社の今期決算(2020年3月期第2四半期決算)を確認する前に、"近年の自動車業界全体のトピックや動向"に軽く触れておきます。

近年の自動車業界に関し、触れておく必要がある内容としては以下の2点が挙げられます。(なお、本記事は決算の分析が主題となりますので、業界全体のトピックや動向に関しては詳細には解説しません。ご了承ください。)

  • 100年に一度の変革期
  • CASE

100年に一度の変革期

「自動車業界は100年に一度の変革期にある」という文言は、トヨタ自動車の豊田章男社長が提言したものになりますが、近年の各社の取り組みや施策と照らし合わせてみてもその片鱗は見て取れます。

"CASEやモビリティ化"など、トヨタ自動車に限らず各社が「自動車を開発・製造・販売するだけのメーカーからの脱皮」を推し進めているようです。

CASE

CASEとは、「Connected:コネクティッド化」「Autonomous:自動運転化」「Shared/Service:シェア/サービス化」「Electric:電動化」の4つの頭文字をとったものです。

このCASEという言葉は、2016年のパリモーターショーにて、独ダイムラーのディエター・チェッチェCEOが発表した中長期戦略の中で用いたのが始まりです。

CASEに関しては、unistyleの以下の記事で詳細に解説していますので、こちらをご確認いただければと思います。

それでは、「近年の自動車業界全体のトピックや動向」を軽く紹介したところで、"各社の今期(2020年3月期)の第2四半期決算の結果"を見ていきましょう。

単純に自身の志望企業の解説だけを見るのではなく、他社との違いを見比べながら読み進めていただければと思います。

なお、各社の紹介する順番に関しては「2019年3月期通期決算の連結売上高が高い順」となっています。

【トヨタ自動車】売上高・営業利益ともに増益を達成。王者として独走態勢を築く!

トヨタ自動車2020年3月期第二四半期決算分析

トヨタ自動車の今期の第2四半期決算は"好調"と言えます。

売上高・営業利益ともに前年同期比で増益となり、業界1位の座を不動のものにしていることは間違いないでしょう。

地域別販売台数割合

上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。

総販売台数に関しては「442万台→464万台」と前年同期比+5.0%となっています。

地域別の販売台数を確認してみても、グラフに記載されている5つの地域全てが前年同期比で増加しており、それゆえに販売台数割合に関しても大きな変化は見られません。

2019年度上半期(2019年4月1日~9月30日)のトピックとしては、「(1)8月にスズキと資本提携に関する合意書を締結(2)9月に米国テキサス工場への4億ドルの投資を発表(3)9月にSUBARUと新たな業務資本提携に合意」などがありました。

トヨタ自動車は業界のリーディングカンパニーとして、競争力強化に向けた取り組みを進めています。

今期の通期決算の見通しに関しては、「売上高:29兆5,000億円」、「営業利益:2兆4,000億円」と修正はありませんでした。ただ、売上高・営業利益ともに前年同期比で微減という見通しになっています。

今後の経営計画・取り組みに関して

トヨタ自動車は、「自動車をつくる会社」から、「モビリティカンパニー」へのモデルチェンジを進めています。そして、その先にある「モビリティ社会の実現」に向け、自動車業界を引っ張っていくことを目指しています。

それに付随し、2018年8月に「Uberとの協業拡大」を発表、さらに同年「ソフトバンクと新たなモビリティサービスの構築に向けた新会社MONET Technologies(モネ テクノロジーズ)を設立し、2018年度内をめどに共同事業を開始する」と発表しました。

また、直近の取り組みとしては、電動車普及に向けたチャレンジを進めていくようです。

アニュアルレポート2018によると、「2020年からEV(Electric Vehicle:電気自動車)を本格的に展開→2030年に販売台数の内のEV比率を50%以上→2050年に新車CO2ゼロチャレンジを実現」というマイルストーンを設定しています。

トヨタ自動車は国内に限らず、世界中でも絶大な影響力を持っているがゆえに、今後もその施策や発表の一挙手一投足に注目が集まります。

トヨタ自動車の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

【ホンダ(本田技研工業)】停滞気味の上半期。インド市場の景気減速が響いたか?

ホンダ(本田技研工業)2020年3月期第二四半期決算分析

ホンダの今期の第2四半期決算は"やや不調"と言えます。

業界2位の座はキープしていますが、売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、増益を果たした1位トヨタ自動車に差を広げられる形となりました。

地域別販売台数割合:二輪事業

地域別販売台数割合:四輪事業

地域別販売台数割合:ライフクリエーション事業

上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。

ホンダは、「(1)二輪事業(2)四輪事業(3)ライフクリエーション事業」の3事業でそれぞれ販売台数が記載されていたため、グラフも分類させていただきました。

ライフクリエーション事業とは
→農機用汎用エンジンを皮切りに、耕うん機、発電機、除雪機、船外機、芝刈機など、世界中の人々の手助けやライフラインとなる製品を生み出し続けてきた事業

【参考】Honda新卒採用サイト:事業領域

販売台数の前年同期比は、二輪事業が「1,067万台→1,002万台」で-6.1%、四輪事業が「255万台→256万台」で+0.4%、ライフクリエーション事業が「260万台→244万台」で-6.5%となっており、四輪事業の健闘が見られる結果となっています。

また、二輪事業の販売台数が前年同期比で約65万台も減少しているのですが、アジア地域だけで約71万台も減少しています。全体の89%を占めるアジア地域の不振が二輪事業の販売台数全体にも大きな影響を及ぼしたと読み取ることができるでしょう。

そして、その最大の要因は「インド市場の減速影響を受けたこと(融資引き締め継続・景気悪化による個人消費の減速)」にあるようです。ただ、この影響は自動車業界全体にも及ぼすものであるため、ホンダに限った事象ではないことを理解していただければと思います。

今期の通期決算の見通しに関しては、主要3事業全ての販売台数が下方修正されています。

販売台数の影響もあり、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:15兆500億円(昨期は15兆8,886億円)」、「営業利益6,900億円(昨期は7,263億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。

今後の経営計画・取り組みに関して

2017年3月期のアニュアルレポート(現時点での最新版)にて、ホンダは"2030年ビジョン"を掲げています。

2030年ビジョン

【ビジョンステートメント】
すべての人に"生活の可能性が拡がる喜び"を提供する

【企業姿勢】
質の追求による成長

【ビジョン実現に向けた取り組みの方向性】
喜びの創造:「移動」と「暮らし」の価値創造
喜びの拡大:多様な社会・個人への対応
喜びを次世代へ:クリーンで安全・安心な社会へ

【成長の為の事業基盤強化】
経営資源の有効活用

「自動車業界は100年に一度の変革期にある」と言われている現代、国内・世界の自動車産業界で大きな影響力を及ぼしているホンダも、新たな取り組みを続々と進めていくようです。

「(1)二輪車・四輪車・パワープロダクツという多岐に渡るモノづくりの力(2)世界中の顧客・市場基盤」とい既存の強みに、「コトづくりを含むソリューション創出力」を加え、新たなシナジーを生み出していくのではないでしょうか。

ホンダ(本田技研工業)の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

【日産自動車】昨今の様々な問題による影響を挽回できず。自動車メーカー御三家としての再建はいかに?

日産自動車2020年3月期第二四半期決算分析

日産自動車の今期の第2四半期決算は"不調"と言えます。

売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、特に営業利益に関しては「2,103億円→316億円」と前年同期比-85.0%という結果になっています。

地域別販売台数割合

上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。

総販売台数に関しては「268万台→250万台」と前年同期比-6.8%となっています。

地域別の販売台数を見てみても、上記グラフで取り上げている5つの地域全てがマイナスとなっており、特に欧州が「33万台→27万台(前年同期比-19.7%)」とかなり数字が落ち込みました。

この欧州での不振を受け、「英国とスペインにある2工場の売却を検討している」というニュースも報道されてしまうという事態にもなっています。

今期の通期決算の見通しに関しては、総販売台数が「554万台→524万台」と下方修正されています。

それに付随し、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:10兆6,000億円(昨期は11兆5,742億円)」、「営業利益1,500億円(昨期は3,182億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。

2017年の不正検査問題や2018年のカルロス・ゴーン元会長の逮捕など、近年様々な問題に揺れた日産自動車ではありますが、自動車業界に限らず日本を代表する企業であることは間違いありません。

自動車メーカーの御三家(トヨタ自動車・ホンダ・日産自動車)として、今後はどのような取り組み・改革を進めていくのか、以下で紹介します。

今後の経営計画・取り組みに関して

日産自動車は、2017年度に6か年計画(中期計画)「Nissan M.O.V.E. to 2022」を発表しています。

その計画によると、「技術の日産」と呼ばれるその技術力を活かし、"自動車産業の技術・ビジネスの進化をリードしていくこと"を目指していくようです。

具体例としては、「電気自動車、自動運転、コネクテッド・カー、新たなモビリティ・サービス」などが挙げられ、"今後の自動車産業の核となるであろう分野での競争優位性の獲得"に取り組んでいくと見られています。

ただ、近年の業績不振を受け、この計画に関する目標の一部が2019年5月に見直されています。

カルロス・ゴーン退任後の「仏ルノーとの協力関係」、「ルノー・日産自動車・三菱自動車の3社連合」なども先行きが不透明な部分もあるため、この計画通りに進むどうかは今後の動向を注視するべきでしょう。

日産自動車の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

【スズキ】低調な結果となった上半期。強みであるインド市場の回復が今後の鍵となるか?

スズキ2020年3月期第二四半期決算分析

スズキの今期の第2四半期決算は"不調"と言えます。

売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、特に営業利益に関しては「1,985億円→1,186億円」と前年同期比-40.3%という結果になっています。

地域別販売台数割合:四輪車

地域別販売台数割合:ニ輪車

上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。

スズキは、「(1)四輪車(2)二輪車」でそれぞれ販売台数が記載されていたため、グラフも分類させていただきました。

販売台数の前年同期比は、四輪車が「170万台→141万台」で-17.2%、二輪車が「86万台→88万台」で+2.1%となっており、四輪車の不振が「売上高・営業利益の減益」に影響したのではないかと読み取ることができます。

四輪車に関しては、「日本・インド」の販売台数が大幅に前年割れしてしまったことが影響しているようです。スズキの四輪車は、インドと日本で全体の販売台数割合の70%を占めており(上記グラフを参照)、この主要地域の不振はかなり痛手だったと考えられます。

二輪車に関しては、四輪車とは異なる状況となっています。

上記グラフの通り、スズキの二輪車販売台数割合の80%以上をアジア地域が占めているのですが、そのアジア地域の50%近くがインド市場になります。(つまり、全体の約40%がインド市場となります)

そのインドでの販売台数が前年同期比+15%となっているため、全体でも増益という結果を得られたと読み取ることができます。

スズキは四輪車・二輪車ともにインドの占める割合が高く、そのインド市場の調子が今期の好不調にダイレクトに影響しました。現時点では、良くも悪くも"全体の業績はインド市場の動向に掛かっている"と言うことができるでしょう。

今期の通期決算の見通しに関しては、四輪車・二輪車ともに販売台数が下方修正されています。

販売台数の影響もあり、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:3兆5,000億円(昨期は3兆8,715億円)」、「営業利益2,000億円(昨期は3,244億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。

今後の経営計画・取り組みに関して

上記でも少し触れましたが、スズキの強みは"インドで圧倒的なシェア率を誇っていること"です。そのシェア率はなんと50%と言われています。

インドの市場規模は今後も拡大することが予想されており、現状のシェア率を保持し続ければ、スズキは今後の大きな成長を見込むことができるでしょう。

そのため、まずはインド市場を充実させることに注力し、その上で世界中の地域へ展開・拡大させていくのではないかと予想されています。

また、スズキは2015年6月に「新中期経営計画(2015~2019年度)SUZUKI NEXT 100」を発表しています。(2015年に発表した計画ですが、現時点での最新のものになります)

資料には様々な情報が記載されているのですが、その中でも以下の2つを気になる点としてピックアップしました。

  • 二輪事業の赤字体質からの脱却
  • 日本、インドに次ぐ柱の育成

今期は2019年度であり、上記の中期経営計画の最終年度に該当します。

この中期経営計画と実際の動向を比較してしまうと長くなってしまうため、本記事では割愛させていただきますが、興味のある就活生の方は下記のリンクから確認していていただければと思います。

また、来期には新たな中期経営計画が発表されるかと思いますので、発表され次第そちらも確認していただくのが望ましいかと思います。

スズキの「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

【マツダ】ほぼ全ての地域で業績が減速。効果的な投資戦略で回復を目指す!

マツダ2020年3月期第二四半期決算分析

マツダの今期の第2四半期決算は"やや不調"と言えます。

売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、特に営業利益に関しては「298億円→258億円」と前年同期比-13.4%という結果になっています。

地域別販売台数割合

上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。

総販売台数に関しては「80万台→73万台」と前年同期比-8.0%となっています。

そして、その中でも特に下がり幅の大きかった地域が中国になります。「13万台→11万台(前年同期比-18.0%)」となり、販売台数・パーセンテージともに最も下がり幅が大きい地域となっています。

とはいえ、欧州以外の地域は全て前年同期比でマイナスとなっているため、全体を通じて苦しい上半期だったと言えるでしょう。

今期の通期決算の見通しに関しては、総販売台数が「162万台→155万台」と下方修正されています。

それに付随し、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:3兆5,000億円(昨期は3兆5,642億円)」、「営業利益600億円(昨期は823億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。

今後の経営計画・取り組みに関して

マツダは2019年11月1日に中期経営計画を発表しています。その資料の中身を要約すると、以下のようになります。

中期経営計画

【中期経営方針】
◆独自の商品・顧客体験への投資
→ブランド価値向上への投資

◆ブランド価値を低下させる支出の抑制
(1)変動・固定販促費面の抑制
(2)品質面の抑制

◆遅れている領域への投資
(1)インフラへの投資
(2)仲間づくりへの投資
(3)環境・安全への投資

上記は、今後5カ年(2020年3月期~2025年3月期)の経営計画の要点をまとめたものになります。

まずは重点的に経営資源の配分を行い、その上で上記の「取り組むべき3つの領域」に注力していくようです。

また、中期経営計画内の「市場別販売比率」を確認してみたところ、現時点でも最も大きい割合を占めている"北米地域"の比率をさらに高めていくようです。

「米国新工場の立ち上げによる現地生産開始と、販売ネットワーク強化の確実な遂行の両輪でさらなる成長を目指す」との記載があったため、北米地域を基盤として事業を進めていくのではないでしょうか。

マツダの「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

【SUBARU(旧:富士重工業)】売上高・販売台数ともに絶好調。米国の好調を維持してさらなる成長を目指す!

SUBARU2020年3月期第二四半期決算分析

SUBARUの今期の第2四半期決算は"絶好調"と言えます。

売上高・営業利益ともに前年同期比で増益となっており、その上がり幅も全7社で最も大きくなっています。特に営業利益に関しては「564億円→948億円」と前年同期比+68.1%という結果になっています。

地域別販売台数割合

上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。

総販売台数に関しては「48万台→50万台」と前年同期比+4.1%となっています。

上記のグラフを見て分かる通り、米国が総販売台数の約2/3を占めているのですが、今期はこの米国の販売台数が好調でした。

「30.2万台→33.6万台(前年同期比+11.3%)」と大きな成長を見せており、この米国地域の好調が全体の販売台数に大きな影響を及ぼしたと読み取ることができます。

この好調の要因としては、以下のような事柄が挙げられます。

米国市場が好調である要因

◆「フォレスター、クロストレック(日本名:スバルXV)」といった車種が高い人気を誇っていること
◆「安全性と信頼性」を高く評価されていること
◆2007年より開始した北米スバル独自の『LOVEキャンベーン』という広告展開が影響していること

今回取り上げた7社の中で最も業績が好調だったSUBARUですが、今期の通期決算の総販売台数の見通しは当初から据え置きとなっています。また、売上高も据え置き、営業利益に至っては「2,600億円→2,200億円」と下方修正がされています。

ただ、昨年同月比で見ると、売上高が「3兆1,562億円→3兆3,100億円」、営業利益が「1,817億円→2,200億円」と増益を見込んでいます。

「自動車業界は100年に一度の変革期にある」と言われている中、比較的苦しんでいる企業が多いのですが、SUBARUはその逆風に立ち向かうことができていると言えるでしょう。

今後の経営計画・取り組みに関して

SUBARUは2018年7月に"新中期経営ビジョン「STEP」"を発表しています。

この資料を確認したところ、大きな強みを持っている米国地域のさらなるシェア拡大を目指していくことを読み取ることができます。

「まずは米国での成長を維持しつつ、その上で各市場(地域)の持続的な成長」に取り組んでいくようです。

また、2019年9月には「トヨタ自動車とのアライアンスとして、新たな資本提携に合意した」と発表されました。

この資本提携を受け、今後は「EV(Electric Vehicle:電気自動車)や自動運転といった新たな技術への積極的な取り組み」、「モビリティ社会全体の変革への対応」などを進めていくと考えられます。

SUBARU(旧:富士重工業)の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

【三菱自動車】営業利益が大幅な減益に。アセアン地域を核にした持続的な成長が今後の鍵となるか?

三菱自動車2020年3月期第二四半期決算分析

三菱自動車の今期の第2四半期決算は"不調"と言えます。

売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、特に営業利益に関しては「569億円→102億円」と前年同期比-82.1%という結果になっています。

この-82.1%という数値を見るからに、相当苦しんだ2019年度上半期だったと言えるでしょう。

地域別販売台数割合

上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。

総販売台数に関しては「59.4万台→59.2万台」と、前年同期比で微減という結果になっています。

地域別の販売台数を確認してみても、グラフに記載されている全ての地域が「前年同期比-10.0%~+10.0%」の範囲内に収まっているため、それゆえに販売台数割合に関しても大きな変化は見られません。

地域別販売台数割合に関する三菱自動車の特徴としては、「アセアン・欧州地域」に強みを持っていることが挙げられます。

この特徴に関しては後述で再度説明しますが、「他社と異なる部分」として理解していただければと思います。

今期の通期決算の見通しに関しては、総販売台数が「130.5万台→127.4万台」と下方修正されています。

それに付随し、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:2兆4,500億円(昨期は2兆5,146億円)」、「営業利益300億円(昨期は1,118億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。

ちなみに記事の冒頭で、今期の三菱自動車の売上高と営業利益が大幅な減益となったことを紹介しましたが、「販売台数は微減なのに、なぜ営業利益が82.1%もマイナスになっているの?」と疑問を持った方もいたのではないでしょうか。

この要因としては、"(1)為替変動(2)例年に比べて研究開発費や間接員労務費が嵩んだ(かさんだ)こと"などが影響していると言われていますので、そのように認識していただければと思います。

今後の経営計画・取り組みに関して

三菱自動車は「アセアン地域」に大きな強みを持っていることが特徴です。

全販売台数の1/4程度をアセアン市場が占めていることももちろんですが(上記グラフを参照)、生産能力に関しても約40%がアセアンに集中しているようです。

アセアン地域の中でも、タイ事業を「三菱自動車を支える屋台骨として強化する」、ベトナム事業を「アセアン第四の拠点とする」との記載があるため、この2つの地域が特に重要な拠点になるのではないでしょうか。

また、アニュアルレポート2019を確認したところ、三菱自動車のコンセプトである「Small But Beautiful」のもと、"(1)強みを持つ地域に注力(2)強みに特化した商品の投入(3)身の丈にあった持続的成長に向けた基盤作り"を進めていくようです。

三菱自動車は競合他社に比べて比較的規模が小さいため、何か革新的な施策に取り組むというよりも、「独自の強みを活かして現在の市場を拡大・成長させていく」という方針だと読み取ることができます。

中期経営計画に関しては、2017年10月に「DRIVE FOR GROWTH」が発表されていますが、これは2017年度(2018年3月期)~2019年度(2020年3月期)の計画になります。

来期には新たな中期経営計画が発表されるかと思いますので、発表され次第、新たな計画を確認していただくのが望ましいかと思います。

三菱自動車の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

まとめ

本記事では、「各社の決算資料・IR情報・経営計画」をもとに"大手自動車メーカー7社の2020年3月期第2四半期決算"をまとめてみました。

「自動車業界は100年に一度の変革期にある」と叫ばれている中、単純に「自動車の開発・製造・販売」をするだけでなく、各社とも様々な取り組みを行っています。

そのため、業績(売上高・営業利益・販売台数)だけでなく、「各社は業界内でどのような強みを持っているのか?今後はどのような事業分野・地域に注力してくのか?」といった観点を理解しておくことも重要となります。

また、本記事で解説した内容はあくまでも「今期の第2四半期決算という短期的な業績」に過ぎません。

上述した直近5カ年の決算の推移を見ても分かる通り、各社の業績は年々変動がありますので、あくまでも参考程度に本記事の内容を理解していただければと思います。

また、動画を通じて自動車業界を知りたいという方は下記の動画も参考にしてください。

決算・IR情報に関する記事はこちら

自動車メーカーの業界研究に関する記事はこちら

大手自動車メーカー7社の企業研究ページはこちら

◆トヨタ自動車の企業研究はこちら
◆ホンダ(本田技研工業)の企業研究はこちら
◆日産自動車の企業研究はこちら
◆スズキの企業研究はこちら
◆マツダの企業研究はこちら
◆SUBARU(旧:富士重工業)の企業研究はこちら
◆三菱自動車の企業研究はこちら

自動車業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介

自動車業界のオープンチャット

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実際に自動車業界志望者向けグループでも選考や企業に関するトークが活発に交わされています。

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おすすめコラム 4 件

一般有利、AO不利!?選考では大学への入試形態も見られるかも 一般有利、AO不利!?選考では大学への入試形態も見られるかも こんにちは。16卒の慶應生です。就職活動中は様々な「フィルター」を感じました。例えば大学限定のセミナー、体育会限定のセミナー、留学生限定のセミナー等、様々な「フィルター」を通して学生を選別しているように思えます。その中でも、ある上場企業の面接官の方が「入試形態はある程度見ている。」という風におっしゃっていたことが印象に残っています。参照:上場企業本部長が語るエリートの中で唯一英語もできない牛丼屋のアルバイトを採用した理由確かに某総合商社、ゼネコン等では一般入試、内部進学、AO入試、指定校推薦とエントリーシートの欄にチェックを入れる項目があったように覚えています。本日は、その方の話を元に入試形態によって学生がどのように評価される可能性があるのか、そしてどのように選考に臨めばいいのか、ということについて考えてみたいと思います。その方の中での序列一般入試=指定校推薦>>AO入試その方はこのような印象としてみているようです。一つ付け加えると、面接のマニュアルの中にこのような文言があるわけでは決してないようです。この方の主観的な印象であることは承知ください。理由を伺うと「コツコツ勉強出来ない社員が多いから」ということだそうです。実際に社員の方にも多くいらっしゃるようですが、コミュニケーション等は非常にうまいけれども、コツコツと製品のことを勉強する、上司に教えを請うという姿勢は弱い人が多い、ということが印象だそうです。面接官が抱くであろう入試形態による印象その方の話を聞いていると、面接の前に渡されたES等を読み込むことで、その人の人物像を想像しているようです。それはESの内容からはもちろん、出身地、年齢、中高名、大学、資格等の基本情報から「次の学生はこういう学生なのかな?そうなるとこういうところは強いかもしれないけど、こういうところにはネックがあるかもしれないな。」という風な仮説を立てた上で、面接に臨まれているようです。そういった視点で考えると入試形態はその人を想像する一助として扱っているように感じます。具体的には下記のような想像を膨らませるでしょう。一般入試基本的な学力に問題はなく要領の良さ、地頭の良さはある程度担保されている。しかしながらそれは答えがある受験という一面だけなので、実際の面接で答えのない問題に対して自分なりに問題意識を持っているのか、乗り越えているのか、ということは検証する必要がある。指定校推薦定期テストでしっかりと成績をとるに加えて、学校から推薦されるということで真面目な人柄が伺える。しかしながら、真面目にコツコツやってきて挫折や困難を味わっていない場合があるので、そこは検証する必要がある。AO入試コミュニケーション能力、企画力等は非常に高い傾向がある。しかしながら、その能力を発揮する上での土台である基礎学力、並びに粘り強く学習する能力は担保されていないので、筆記試験や大学の成績等でその能力を測りたい。AO入試の学生が不利になってしまう2つの理由大きく分けて2つあるように思えます。①採用権を持っている方々の時代になかった制度のため想像がつかない面接官の方はAO入試が無かった時代の方が多いことは確かです。とは言っても、学力テストはほぼなしに面接やグループワーク、論文等で実施される入試形態という形式はインプットされているようですが、そこから「小手先のテクニックだけで入社したんじゃないか」という風に考えられてしまっているように感じます。②就職活動において現状学力を測ることがむずかしい企業の選考ではSPI等のテストが導入されていることが多いが、巷で出回る問題集や対策をすれば1ヶ月もあれば高得点を取ることができます。また現状では学歴フィルターという形である程度の線引きをしているが故に、企業側もテストをいくつも投入することはコスト増となり割に合わないように思えます。AO入試で重視されているコミュニケーション能力、プレゼン能力等は企業の実際の選考で行われる、複数回の面接で、面接官自身の目で詳細に見ることができます。だからこそ、担保されていない粘り強く学習する姿勢や基礎学力に対して疑念を抱く面接官が多いのでしょう。自分の客観的な印象を念頭に置いた就活を!上記のような理由で面接官の中でもAO入試に対して疑念を抱く方がいらっしゃるようです。先にも述べましたが、その入試形態の人にも一長一短があります。また面接官の方はさまざまな想像を膨らませた上で、学生と対話し、違和感、懸念材料を解消していくようです。自分自身の基本情報等を変えることはできません。だからこそ、自分が面接官にどのような印象を持たれるのか、そしてその中でネックとなりそうな部分は何か、そのネックを面接でどのようなことを伝えて解消するのか、ということを考えて頂ければ、相手に納得感を持って選考してもらえるように思えます。photobyMartinThomas 41,116 views
【20卒上智理工学部】デニナギくんの就活体験記|2018.7 interview 【20卒上智理工学部】デニナギくんの就活体験記|2018.7 interview 6月から大手就職サイトがインターンシップサイトという形でオープンされたことを皮切りに、20卒の皆さんも少しずつ「就職活動」をはじめているのではないでしょうか。今回は上智大学理工学部のデニナギくんに2018年7月にインタビューした内容を掲載します。本記事で同じ20卒の就活生が、今何をしていて、何に悩み、今後何をしようとしているのかが伝わり、少しでも皆さんの就活の役に立てればと思います。上智大学デニナギくんの履歴書デニナギくんの履歴書◆性別└男性◆大学└上智大学理工学部に現役入学。◆趣味└サッカー(小学4年から現在まで)。ポジションはボランチ。プレーするだけでなく観戦するのも好き。◆サークル└サッカーサークル。週3回の活動や大会合宿にも積極的に参加している。◆アルバイト└飲食チェーン店で大学1年生から働いている。主にホールを担当、たまに調理も行う。2018年2月からベンチャー企業のインターンをしている。◆留学└なし。海外経験もないが、海外で働くことに対して漠然とした憧れはある。◆資格└特になし。TOEICも受けたことがないが、今後受けようと考えている。◆就活をはじめた時期└2018年6月頃◆志望業界└現段階では定まっていない状況。何に興味があるかも分からないため、インターンを通して探そうと考えている。◆希望職種└こちらも明確に定まっていない。ただ、自身の適性を鑑みて、営業は向いていないと感じている。本インタビューはunistyle編集部のむたか(@mutaka_unistyle)とくらもん(@esquestion)にて行っております。大学入学までデニナギくんの高校生活「はじめまして。今回は密着型インタビュー企画に協力いただき、ありがとうございます。早速質問していこうと思うのですが、デニナギくんはどのような高校生活を送っていましたか?」「地元でも有数の偏差値の高い高校に入学したこともあって、高校1年生の頃から予備校に入って勉強はしていました。サッカー部に所属していたので、1、2年生の時は、そこでの活動に力を入れていました。仲の良い友達もサッカー部がメインでしたね。3年になって部活を引退すると、2つの予備校通って大学受験のために勉強に打ち込みました。」なぜ今の大学に入学したのか「大学受験に向けてかなり勉強を頑張ったみたいだけど、そもそもなぜ上智に入学しようと思ったの?」「上智に入った理由は他の大学に落ちたからという消極的な理由ですね。もともとは、東工大の機械系の学部が第一志望だったのですが、落ちてしまいました。他には早慶の理工学部と千葉大の後期を受けていたのですが、それらも落ちてしまったので現役で上智に行くことにしました。」・高校では、サッカーに打ち込む。勉強に関しても疎かにすることなく、全体の真ん中くらいの位置をキープ。・第一志望の東工大に落ち、一度は浪人を考えるも特段東工大に対するこだわりはなく、かつ浪人して私立には行きたくなかったため、安全策を取り上智大学を選ぶ。大学入学~これまで取り組んでいる学業「理系ということですが、大学ではどんなこと勉強してる?ゼミとか研究室には入ってるの?」「ゼミは4年から本格的に始まるので、今はまだですね。大学の授業も何かに特化して勉強するというよりは、C言語やJavaのプログラミングといった情報系の勉強や、通信系、数学、化学等々幅広く勉強しています。狭く深くというよりは広く浅く勉強しているので、専門性といった観点でいうとそこまでないかもしれません。4年次に何を専攻するかを決めてそこから深く勉強していくみたいです。」「文系と比較して、理系は授業だったりテストだったりが大変なイメージだけれど、そこらへんはどう?単位に関してもどんな感じかな?」「3年の今に関して言うと、週に4日学校に行って一日3コマ程度を受けているような感じです。授業も実験や必修が多いので出席だけするとかはあまり出来なくて、結構忙しいです。ただ後期になるとゼミと研究室だけになるので、学校に行くのも週に2、3回程度になりますね。課題についてはあんまり多くないので前日にちょっとやれば十分なんですが、テストが少し重めなのでしっかり勉強しないとヤバイかもしれません。単位に関してはあと40単位くらいなので余裕です。」「授業にもしっかり出てるってことだけど、就活との両立ってできそう?教授によってはあまり就活行かせてくれないみたいなことも耳にするけど。あと、4年になって研究室に入ると思うんだけど、院進とかは考えてないの?」「それは教授によりけりなのでなんとも言えませんね。院進に関しても考えたことはあるんですが、特にこれを勉強したいというものもないので積極的には考えていません。もし就職できないみたいなことがあれば考えるかもしれませんが。」サークル・部活動・アルバイト「所属しているサッカーサークルでは何か役職には付いてる?活動頻度やサークルの規模感についても教えてください。」「書類管理係のようなことはしているのですが、特にこれといった役職はありません。サークルの規模感については、70人くらいでそのうち25人程度が積極的に参加しているような感じです。活動頻度は週に3日で、年に4、5回大会合宿があります。僕自身サークルに関しては積極的に参加していますね。」「サークルの他にアルバイトも大学1年生からやっているみたいだけれど、そこではどんなことしてるの?」「飲食店のアルバイトでは、主にホールをやっています。ただそろそろやめようかなと考えていて、今はちょうどプログラミングのインターンを探している最中です。」「プログラミングっていうのは、やっぱり専攻が関係してるの?」「そうですね、学部の勉強を活かしたいというのが大きいですね。実際に授業でプログラミングをやってみて適性もあるかもしれないと感じています。将来的に専門性をつけられたらいいなというのもあるので、やってみようと考えています。・大学では、勉強の他に飲食店のアルバイトとサッカーサークルの活動に取り組んでおり、現段階ではこの2つがガクチカになるかと思われる。(ガクチカはサークルでサッカーを教えたエピソードを書いている。)・大学でサッカー部に入ることも一度は考えたが、アルバイトの時間や遊ぶ時間が取れないと思い断念。・今現在、志望業界ややりたいことは決まっていないものの、学部の勉強と関係のあるプログラミングのインターンを検討しており、自身の専門性を磨きつつ就活に臨もうとしていることが伺える。就活を意識しはじめた時期と出来事就活をはじめたキッカケ「就活に関して質問していきたいのですが、就活をはじめたキッカケはなんですか?時期だからというのもあると思うけど、それ以外に理由や背景があれば教えてください。」「時期が来たからというのが大きな理由ではあるのですが、それ以外だと親がうるさいっていうのもありますね。」「そうなんだ。親御さんはどういうことを言ってくるの?」「就活が早期化しているから早めに動いた方が良いってことはよく言われます。他には、インターンに言ったほうが良いとかそういうことですね。」「なるほど〜。就活が早期化しているのはよく新聞等でも言われているし、インターンが選考に直結していることも少なくないから、親御さんがそう言うのも分からなくはないなあ。ところで、周囲の友達は就活に対して意識高く動いてる?」「それはあまり感じませんね。みんな今インターンのESを出し始めたような感じです。なので周囲を見てても特に自分が遅れているという意識はありません。ただ、自分が何をやりたいのかが明確になっていないので、その点については少し焦りを感じています。」・自身で能動的に就活を始めたと言うよりも、親や友達等周囲の影響が大きい。・周りと比較して焦っているというより、今現在やりたいことがないことがないことに焦っている。デニナギくんの企業選びの軸「就活をしていく中で今後よく問われることになると思うけど、企業選びの軸ってある?」「それが全然イメージできてなくて、、、、。今自分が何をやりたいかも明確になっていないような状況です。正直なところ、何もやりたいことがないので、軸も何もという感じです。焦りは若干感じてます。」「なるほど。でも、就活を始める前からこれをやりたいっていうことがある人の方が少ないと思うし、それも当然なことのような気がするけどね。多くの人は自分がやりたいこととか興味を持てることを探すためにまず動いてみるという感じだと思うよ。だからデニナギくんの今の状況も全然ネガティブに捉える必要はないと個人的には思うけど。ただ、やりたいことがないにしても、漠然とでもいいから将来こうなりたいみたいなイメージは持ってる?」「本当にざっくりで恥ずかしいのですが、給料と人に関しては大切にしたいなと考えています。毎日ハーゲンダッツを食べられるくらい稼げれば良いなとは思ってます(笑)。」「ハーゲンダッツを毎日食べられるくらいね(笑)。給料と人に関してはそれぞれ具体的に何歳までにいくら欲しいとかこういう人と働きたいとかっていうのは固まってるのかな?」「給料は日常生活を不自由なく送ることができて、たまに贅沢ができれば良いと考えているので具体的な数字にまでは落とし込めていません。人よりちょっと多いくらいあればいいかなとは考えています。人に関しては、言い方はあれですが変な人がいないところが良いです(笑)。意識高い人が多い企業や営業バリバリやるぞみたいな人が多い企業は苦手だなと思ってます。」「聞いているとまだまだ具体的に落とし込んだり、言語化できていないような段階だね。今やりたいことを見つけたり、自分の軸を言語化したりするために何か意識的にやっていることとかはあるかな?」「やりたいことを見つけるために、長期のプログラミングのインターンを始めたり、企業の短期インターンに参加したりしようと考えています。自分一人で考えていても何も生まれなさそうなので、実際に行動してみようとは思っています。」・将来やりたいことは定まっておらず、同様に軸に関しても固まっていない。・漠然と将来こうなりたいというイメージはあるもののそれを本当に重視しているのかは疑問。給与に関してもそこまで強いこだわりがあるとの印象は受けなかった。・就活の軸を明確化させるためにもまずは動いてみるしかないと考えている。やり取りからも本人の焦りや不安というのが伝わってきた。7月現在、志望している業界や職種志望業界「これまでいろいろと話を聞く限り、志望業界に関してはまだまだ定まっていなさそうな印象を受けたんだけど、実際のところどんな感じかな?」「その通りです。まだ志望業界に関してもまだ何も決まっていないような状況です。まず、業界に関しても知識不足だと感じているので、業界を知るところから始める必要があると感じています。」志望職種「じゃあ、志望職種に関してもまだ決まっていないと思うけど、どういう働き方をしたいとかそういうのは現段階である?」「転勤はしたくないですね。高校まで首都圏で暮らしてきたので、就職でも東京を離れたくはないです。職種に関して言うと、先程も申し上げたように営業はやりたくないし、適性もないと思ってます。大学での専門性を活かすことができるプログラミング系の仕事もいいなとは考えています。あと、転職とかも全く考えていないので、年功序列で定年まで安泰な企業に就職したいというのはあります。」・志望業界に関しても定まっていない。そもそもどのような業界があるのかについてもまだ把握できていない。・職種に関しても同様に決まっていないが、漠然とではあるが専門性を活かした働き方ができれば良いと考えている。7月にやろうと思っていること「7月には何をやろうと思ってる?聞いてきた限りだとインターン選考への参加が主な動きになってきそうだけれど。もしそうであれば、具体的にどんな企業を受けているのか選考状況も併せて教えてくれるかな?」「はい、インターンのES提出や面接がメインになってくると思います。インターンのESに関しては、現段階で6社提出しました。企業名を出すと、三菱電機、ソニー、NTTドコモ、NTTデータ、ADK(アサツーディ・ケイ)、野村総合研究所です。選考状況に関して言うと、三菱電機とソニーはES落ちしてしまいました。NTTドコモは次がGDで、その他はESの結果待ちというところです。あと、これから楽天、博報堂、キヤノンについてはESを出す予定です。」「あまり業界に一貫性を感じないけれど、どういう基準で提出してるのかな?」「幅広い業界を見るために業界に縛られることなく幅広くESは提出しています。正直なところ、知っている企業を締め切り順に出していっているような感じです。」・インターン提出企業は業界で絞るということはせずに幅広く提出しているが、とりあえず聞いたことのある企業に提出するという、業界研究という観点からするとやや非効率とも思えるやり方を取っている。・その企業に興味があって出しているというよりも、今やるべきことが定まっていないがためにとりあえずESを提出しているような状況。今就活で悩んでいること「これからインターン選考が本格化してくると思うけど、就活で何か悩んでいることはある?」「何に悩んでいるのかも分からないというのが今の状態です。何かしなければいけないという焦りがあるのですが、何から手をつければ良いか分からないといったところです。」「確かに、話を聞いていてそれは感じたな〜。時期が来たから就活を始めてはみたものの、何をやれば良いのか、自分が今どのような状況にあるのか等々、就活の全体感や自分の状況について理解できていないような状況だよね。」「はい。ガクチカは何をどのように書けば良いのか、業界研究のやり方はどうやるのか、面接やGDの対策の仕方等々就活に関しては分からないことだらけです。そもそも就活が今後どのようなスケジュールで進んでいくのかについても把握しきれていません。」・就活に際して何から手を付ければ良いのか分かっていない状況。若干の焦りは感じている。・今の悩みを解消するために、どのような媒体を使えば良いかや誰に聞けば良いか等々、そもそも問題解決の方法から把握できていない。unistyle編集部よりデニナギくんへのフィードバック就活に関しては、まだまだこれからとの印象を受けます。周囲に流されてとりあえず始めてはみたものの、今何をすべきなのか、就活がどのようなスケジュール感で進んでいくのか等々、全てにおいて未だ理解が不十分な状態であるといえるでしょう。志望業界や職種に関しても定まってはおらず、業界に関しては絞り込む前にそもそもどのような業界があるのかを知る必要があると言えます。業界を知らずして、受ける企業を決めていくのはまず不可能でしょう。デニナギくんは業界や企業に関する情報が欠如しているために、インターン提出企業についても自身の知っている企業、聞いたことのある企業にとりあえず片っ端から出していくというような形になってしまっています。このやり方が必ずしも悪いという訳ではありませんが、就活におけるゴールを「内定獲得」であると考えたときには、非効率的なやり方と言えるでしょう。この時期から動き出し、インターン選考に積極的に参加している点は良いと思いますが、本選考を見据えて戦略的に動くことができるとインターン参加もより意義のあるものとなるでしょう。そこで、まずデニナギくんには、以下のunistyleの記事に目を通すことを勧めたいと思います。「何から取り組めば良いかわからない」方が読むべき記事3選はこちら【1】【2】【3】何から始めれば良いか分からない方は、まずは就活全体のスケジュール感を掴むところから始めましょう。その上で、就活におけるゴールは何なのかを考えて、就活における目標設定をする必要があるでしょう。就活におけるゴールは内定獲得であったとしても、中長期的な視野で見たときに内定獲得はゴールではないと考えています。就活に臨むにあたっては、自分自身の経験と向き合い価値観や志向を明らかにした上で、後悔のない企業選びをすることが重要です。次回(8月)までになにをすべきかこのインタビューでは、デニナギくんが「自身の適性や志向を正しく理解・把握した上で志望企業を設定し、当該企業から内定を獲得すること」をゴールと置いています。彼が現段階で行うべきは以下の3つでしょう。◆次回までにすべきこと1.就活スケジュールの把握2.自己分析・業界研究・企業研究3.インターン選考への参加就活スケジュールの把握については上記でも述べました。2の自己分析、業界研究等についてはまずは大まかにやってみることが大事です。細かいところまでやり込もうとすると、途中で諦めてしまうことになりかねないので、始めはさらっと全体をさらうようなイメージで気負わずやってみてください。その上で、アウトプットの場としてインターン選考を利用しましょう。自分の自己分析や業界研究は十分だったのか、反対にそこまで時間をかける必要があったのか等々の振り返りをすることが大事です。夏のインターン選考では、ESや面接で落ちることも多々あるでしょう。ただ落ちることを怖がって、選考に参加しないということだけは控えましょう。何度も落ちて、自分自身を見つめ直したり、志望動機をブラッシュアップしたりということを繰り返していくことこそが、最終的に内定獲得に繋がります。インターン選考参加に当たっては完璧な準備をしようなどとは考えず、現状の力試しで受けてみるくらいの心持ちで良いかもしれません。●その他の20卒就活生のリアルタイム就活体験記は以下よりご覧いただけます。● 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「通信・IT業界」が人気業界ランキング首位を獲得!~20卒対象就活アンケート調査結果まとめ~ 「通信・IT業界」が人気業界ランキング首位を獲得!~20卒対象就活アンケート調査結果まとめ~ 5/23(木)~5/30(木)にかけ、unistyleで募集していた「20卒の皆さんの就活状況に関するアンケート」の結果を紹介します。約1週間という短い期間ながら、273名もの皆さんに回答していただきました。ご協力ありがとうございました。メールにも明記しましたが、アンケートに回答していただいた先着100名の方には「Amazonギフト券500円分」を提供します。(配布時期に関しては6月末頃を目処に、記載していただいたメールアドレス宛に送らせていただきます。)全ての方の回答をしっかりと集計させていただきましたので、ぜひご覧ください。アンケート調査の概要は以下の通りです。●アンケート回答期間:5/23(木)19:00~5/30(木)12:00●対象学生:unistyleに会員登録している20卒学生●調査方法:オンライン上にて回答を収集●回答者数:273名本記事の構成は以下の通りです。本記事の構成●大学ランク別割合●学部別割合●性別●志望業界●志望企業●現状の内定の有無(5/23~5/30の期間時点)●獲得した内定の個数(既に内定辞退をした分を含む)●現在の就活状況(「現在、内定を持っている」と答えた方のみ回答)●企業選択の意思決定軸●就活において参考になったunistyleの記事●最後に大学ランク別割合アンケート回答者273名の大学内訳は以下の図の通りとなっています。※旧帝大:北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学(東京大学と京都大学は「東京一工」に含まれるため除く。)※その他難関国公立:横浜国立大学、首都大学東京、神戸大学、金沢大学、千葉大学、筑波大学、津田塾大学、東京外国語大学、東京農業大学、大阪市立大学、大阪府立大学学部別割合アンケート回答者273名の学部内訳は以下の図の通りとなっています。性別アンケート回答者273名の男女比は以下の図の通りとなっています。志望業界第一志望業界第二志望業界志望業界志望業界に関する設問では、第一条件・第二条件の両方で「通信・IT」が1位を獲得し、通信・IT業界の人気の高さが伺えました。また、第一・第二・第三志望含め「メーカー」が上位に名を連ねました。メーカー希望者は同時に「他業種のメーカー」を志望したり、第一・第二・第三志望全てメーカーに票を入れている人も多いため、全体的に上位にランクインする結果になったのではないかと推測されます。また、第二志望と第三志望では「特になし」が上位にランクインし、業界を絞って就活を行う学生もかなり多くいることが分かりました。志望企業志望企業に関しては「第一、第二、第三志望」まで、そして「内定の有無・選考への参加有無は考慮しない」という条件で記述していただきました。今回はそれぞれ3票以上の票を集め、「特に人気の高かった」企業をまとめました。第一志望第二志望第三志望第一・第二・第三志望含め、総合商社が多くランクインし、業界全体としての人気の高さを伺うことができました。また、アンケートの回答期間が5月末だったため、6月1日から面接が解禁される「総合商社」を志望している学生が多かったのではないかと推測しています。そして志望業界で圧倒的な人気を誇った「IT・通信」では、ソフトバンクやNTTドコモといった「インフラ企業」しか上位にランクインしませんでした。なぜ「志望業界では圧倒的に通信・IT業界が人気だったのに、志望企業では総合商社が上位を占めることになったのか」、以下の2つの要因が考えられます。①業界内の企業母体数の違い→総合商社は「五大総合商社」が大部分の票を占めているが、「通信・IT業界」は様々な企業に票が分散されたから。②ITコンサル志望者が「通信・IT業界」に多く票を入れているから。→アクセンチュアや野村総合研究所といった人気企業志望者が、「通信・IT業界」にも多く票を入れていたため、「通信・IT業界」の順位が上がった。現状の内定の有無(5/23~5/30の期間時点)獲得した内定の個数(既に内定辞退をした分を含む)現在の就活状況(「現在、内定を持っている」と答えた方のみ回答)こちらの設問に関しては、「現在、内定を持っている」と答えていただいた195名の方の状況となっています。上記のグラフを見ていただければ分かる通り、「内定を持っているのにも関わらず就活を継続している学生」が"60%"もいることが分かりました。この要因としては、以下の3つの要因が推測されます。①内定は持っているがその内定先に満足しておらず、就活を継続している。②内定は持っているが、6月から選考が本格解禁される「日系大手企業・総合商社」を志望している。③複数個内定を持っており、最終的な就職先を決めきれていない。そのため、日系大手の選考が大方終了し、多くの企業の内定承諾期間が迫ってくる"6月中旬頃"には、この「終了している」割合が増加すると考えています。企業選択の意思決定軸第一条件企業選択の意思決定軸に関しては、「選択式」で回答していただきました。選択肢の詳細は以下の9通りとなっています。●会社基盤:財政基盤などの安定性や、ブランド力があること●企業理念:企業としてのミッションに共感できること●経営戦略:企業としての成長戦略・経営戦略に共感できること●事業内容:事業分野や内容に興味関心が持てること●組織風土:自分の思考と組織の風土が一致していること●人的魅力:魅力ある人と一緒に働けること●施設環境:オフィス環境や店舗など、働く環境が快適であること●制度待遇:評価制度や待遇に納得感があること●その他また、その他の項目では以下のような回答がありました。●実家から通勤可能であること●自分がやりたい職種であること●休みがしっかり取れること●語学力が活かせること●自己成長できる環境であること●挑戦的風土で実力主義であること●自分が描くキャリアの実現ができること●自分のモチベーションの源泉が職種と近いこと●会社に頼らず、1人で生きていけるスキルを身に着けることができる環境であること第二条件また、その他の項目では以下のような回答がありました。●ワークライフバランスがあること第三条件また、その他の項目では以下のような回答がありました。●自分の興味と業務内容が一致していること●成長環境と負荷のかかる環境があること●自分のやりたい仕事ができること●転職市場で3年後に価値のある人間になれる環境であること●希望した職種に就くことができること第一・第二・第三条件併せて「187名」もの方が"事業内容"に票を入れました。つまり、約70%の人が「自分のやりたい仕事・興味のある事業」を軸に企業選択をしていることが分かりました。また、第一・第二志望では票数は多くなかったのですが、第三志望では"制度待遇"が最も多くの票を集めました。これは、最優先条件ではないが「制度待遇」も少なからず気になっていることが読み取れます。そして「その他の回答」に関しても集計したところ、「自己成長できる環境であること・挑戦的風土で実力主義であること」といったような回答がありました。この回答は、"終身雇用が崩壊しかけ、ジョブ型雇用などの新たな雇用システムに移り変わっている"という風潮を読み取ることができます。2019年5月にトヨタ自動車社長が「終身雇用を守るのが難しい」と発言したように、大手企業もそれは例外ではありません。そのため、"若い内からスキル・経験を重ねることができる環境"を求めている就活生も増えてきていることが推測されます。まだ最終的な就職先を決めていない20卒就活生、これから企業選択を始めていく21卒就活生の方は、このアンケート結果を参考にし、"納得のいく企業選択"をしていただければと思います。就活において参考になったunistyleの記事多くの記事を回答していただきましたが、その中でも特に以下の記事が多くの票数を獲得しました。企業が知りたい6つのチェックポイントで構成されたフレームワークにより、選考官から評価される志望動機の作り方を提示します。評価される学生時代頑張ったことの書き方はもちろん、面接にどう繋げるか・内定者の回答例・エピソードが浮かばないときの対処法など、学生時代頑張ったことを書く上での全体像を解説しています。そもそも企業選びの軸とは何か、定めることでどのようなメリットがあるのかについての説明を行いながら、実際の内定者の回答を基に解説していきます。都内(渋谷、新宿、恵比寿、中目黒、丸の内)でwifiや電源が繋がるカフェをまとめました。就活は時間との勝負。空き時間を有効活用するために、ぜひご活用ください。今回はSPIの言語で出題される問題の出題形式をおさらいしながら、テスト直前に見返してほしい頻出語彙をまとめています。就職活動における自己評価、果たしてそれは高くあるべきなのか、低くあるべきなのか。新元号を機に自己を振り返る意味で今一度この論点について考察していきしょう。今回は面接の基礎知識、及び頻繁に聞かれる質問をまとめてお伝えします。それぞれに対策方法がありますので、今後面接を控えている方は本記事を参考にして、万全の準備をして臨んでください。最後に今回は「志望業界や企業選択の意思決定軸」など、大きく10個の設問に分類して結果をまとめました。まだ企業選択に悩んでいる20卒就活生の方、そしてこれから企業選択を行っていく21卒就活生の方など、この結果を参考にして、"自身が納得のいく企業選択"をしていただければと思います。そして改めてにはなりますが、今回のアンケートに協力していただいた273名の皆さん、本当にありがとうございました。これからもunistyleは"就活生に寄り添い、就活生の役に立つメディア"を目指していきますので、今後もよろしくお願いします。 11,302 views
トヨタ王国を支える重臣”トヨタ御三家(デンソー・アイシン精機・豊田自動織機)”を徹底解剖します トヨタ王国を支える重臣”トヨタ御三家(デンソー・アイシン精機・豊田自動織機)”を徹底解剖します こんにちは、20卒の慶應生です。唐突ですが、以前トヨタ自動車と愛知県の就職活動ということで、次のようなコラム記事を書かせていただきました。筆者は高校時代までの18年間を愛知県で過ごし、大学生になるにあたって東京に引っ越してくることになった経緯を経ています。(中略)本記事では私の体験した愛知県の不思議なトヨタ神話を少し掘り下げてみようと思います参考:毎日赤味噌を食べていかないと生きていけないくらいの生粋の愛知県民である筆者は、もちろん就職活動ではトヨタ系列を受験し内々定を獲得することもできました。前回の記事では、主にトヨタ自動車とそれにまつわるキーワードを紹介させていただきました。そこで、第二弾である本記事では、トヨタ王国の当主であるトヨタ自動車を支えるサプライヤーに着目して話を進めていきたいと思います。余談にはなりますが、これほどトヨタに煩い筆者ですが、最終的には進路をIT企業へと進めています。そこら辺の経緯は以下の記事にまとめましたので、ぜひご一読していただけたらと思います。本記事の構成やっぱりトヨタは最強だったTier1(トヨタ御三家)を徹底解剖する三◯商事?住◯商事?世界の中心はトヨタでしょさいごにやっぱりトヨタは最強だった2020年度の3月期上半期の決算は、米中貿易摩擦、円高の影響などの向かい風の影響もあり、国内製造業へ大きなダメージを与えました。しかし、国内の製造業が苦しんでいる中で、トヨタ自動車は前年同期比4.2%増の売上・2.6%増の当期純利益を叩き出していました。なぜ、国内製造業が疲弊する中でトヨタは黒字を叩きだすことができたのでしょうか。トヨタ王国を支えるトヨタ系列企業に、その鍵が隠されています。Tier1,Tier2Tier1(ティアワン)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ティア1とは(Tier1)とは、一次請けという意味があり、自動車業界では完成車メーカーに直接部品を供給するメーカーのことを指します参考:ELITENetworkもっと端的に説明すると、完成車に部品を納入するサプライヤーのことを”Tier”と表現します。完成車メーカーをトップに据えると、一次下請けがTier1、二次下請けがTier2、3次下請けがTier3といった階層構造になります。次の図をイメージしていただけたらと思います。ドイツのボッシュやコンチネンタルなどが世界的サプライヤーとして有名ですが、トヨタはTier1,Tier2の企業を主に自社グループを中心としたサプライヤーから構成しています。そうしたトヨタを中心とした自社グループの事を”トヨタグループ”と言います。参考に、トヨタグループの主なサプライヤーを下にまとめてみました(これでもまだグループのごく一部の企業です)。【トヨタグループ概要】・(株)豊田自動織機:紡績機会・自動車物流事業など・愛知製鋼(株):鋼材・電磁品の製造など・ジェイテクト(株):工作機械・自動車用部品の製造・販売など・トヨタ車体(株):乗用車・商用車・特殊車のボディーの製造・アイシン精機(株):自動車部品・住宅整備機器・エネルギー機器・福祉機器の製造販売・(株)デンソー:各種自動車用品・電装用品・空調設備・電気機械器具の製造販売など・トヨタ紡織(株):自動車用内装製品・紡績製品などの製造販売など・(株)豊田中央研究所:総合技術の開発など・豊田合成(株):ゴム・プラスチック・ウレタン製品・半導体・その他製造販売参考:同一グループの強みを考えるボッシュやコンチネンタルなどの外部サプライヤーに頼らず、グループ内サプライヤーを利用するのはグループ内サプライヤーを利用した方がトヨタにとってなんらかのメリットがあるからでしょう。※トヨタは100%グループ会社から部品を調達しているわけではありませんグループ内サプライヤーを利用するメリットは、大きく分けて2つあると考えられます。自社グループサプライヤーの強み①:取引コストの削減②:グループとしての一体感①:取引コストの削減取引コストとは経済取引を行うときに発生するコストである。参考:Wikipedia経済系の学部生にとってはお馴染みの単語であると思われる”取引コスト”。特定の会社と取引をするための交渉コストや、約束を破らないかを監視する監査コスト、そもそもの取引相手を探すための探索コストをまとめて『取引コスト』といいます。トヨタの場合、サプライヤーの殆どがグループ企業ですから、探索コストや裏切りを危惧して監査コストをかける必要もありません(万が一にでも、トヨタを裏切るなんて行為は恐らく誰もできないでしょう)。納入する部品にはもちろんそれらの取引コストが上乗せされた金額で取引されます。トヨタはグループ内で取引をすることで取引コストなど、可能な限り余分なコストをカットし、その分利益を出す事ができます。②:グループとしての一体感Softbankの孫正義会長がITをキーワードにした『SoftbankVisionFund』を掲げ、共に情報革命を目指すグループ作りに力を入れていますが、トヨタグループも「社会・地球の持続可能な発展への貢献」というトヨタ基本理念の基、経営しています。スケールが全然違いますが、皆さんもサークルやゼミ、もっと遡れば部活動や体育祭などでグループとして一体感を持つメリットというのは体感したことがあると思います。今回のトヨタの黒字も、サプライヤーには負担が掛かりますが徹底的に原価を削減することによって乗り切ったのではないかと言われています。原価を削減するということはもちろんですが、サプライヤーの売上にとってはマイナスになってしまいます。それでも、トヨタが潰れてしまった場合には、一番の取引先がなくなってしまい自社の倒産の危険性も生じてしまいます。もちろん、トヨタが好機の場合は同様にサプライヤーも儲かるシステムになっているので、多少身を削ってでもグループの大黒柱のトヨタ本社は守るといった形をとっているのでしょう。Tier1(トヨタ御三家)を徹底解剖するトヨタの下請け(というと怒られるので関連会社と言いましょう)の凄い所は、1つのグループ会社であることに加えて、サプライヤー単体で世界No.1を取れる企業であるということです。unistyleでは、NTTや総合商社の会社毎の違いを紹介する記事はありますが、トヨタグループのTier1を紹介する凝った記事は他社含めなかなか目にすることはないと思います。そこで、今回はTier1の主要3社に絞り各企業の詳細、及び社風などを紹介していきたいと思います。(社風などに関してはあくまでOB訪問や選考を通した主観になりますのでご了承ください)なお、今回紹介するデンソー、アイシン精機、豊田自動織機の3社はあわせてトヨタ御三家と呼ばれています。デンソーアイシン精機豊田自動織機デンソートヨタが潰れてもデンソーは潰れないと言われているほど、トヨタグループ内でも異色の存在がデンソーになります。デンソーの基本プロフィール【正式名称】株式会社デンソー【主力製品】熱機器関連、電気機器、電子機器、QRコード【売上に占めるトヨタ率】46.3%(2019年度)【企業HP】デンソー株式会社HPデンソーはもともとトヨタ自動車の赤字部署であった電装部が独立し、「日本電装株式会社」としてスタートしました。不動のトヨタNo.2の企業ですが、トヨタ〇〇といったトヨタの名前は付していません(設立時にはまだ社会的信頼がなく、トヨタの信頼を潰させないためトヨタの名前を与えなかったとも言われています)。参考:デンソー2019年度3月期決算資料売上に占めるトヨタの割合が45%とトヨタグループ内で比較的低いため、グループ内では独立系と称されています。また、名前が電装であることからも、電子部品関連に強く、近年ではMaaSやIoT事業にも特に力を入れています。独立系であり、かつ、次世代を担うIoTやMaaSに力を入れている点などが、トヨタは潰れてもデンソーは潰れないと言われる所以なのかもしれません。社風(OB訪問人数4人)・新卒1年目〜10年目程トヨタのNo.2であることもありグループ内でも一目置かれている存在ですが、実際にお会いする社員の方々も相当の切れ者の集まりでした。というのも、デンソーは比較的若手の内から世界の名だたる自動車メーカーを相手にしなければならないことが多いため、日々成長していかなければならないからということでした。「ウチは国内シェア1位とか側から見れば凄い企業かもしれなけど、それがずっと続く事はなくて、だからこそ『どう生き残って行くのか』、デンソーにできることを常に考えていかなくちゃいけないんだよね」との言葉が印象的でした。そのため、トヨタグループの御三家の一角としてのデンソーよりも、ボッシュやコンチネンタルなどのようにあくまで一つの世界的メーカーであるという印象を受けました。アイシン精機アイシン精機よりもグループ会社のアイシンAWの方が目にすることが多いかもしれません。なお、2021年にアイシン精機本体とアイシンAWの吸収合併が発表されています。アイシン精機の基本プロフィール【正式名称】アイシン精機株式会社【主力製品】ブレーキシステム、トランスミッション、GPSカーナビゲーションなど【売上に占めるトヨタの割合】56%(2019年度)【企業HP】アイシン精機HP自動車部品以外にも広く商品展開をしており、意外かもしれませんが、シャワートイレやベッドのASLEEP、ミシンなどのテレビでお馴染みの商品もアイシン精機の商品になります(車好きな方にはFR10速オートマチックトランスミッションを製造している会社というイメージかもしれませんね)。アイシン精機は、各事業部が成長し独立できると判断した場合、分社化するという特徴があるため、トヨタグループとは別に、アイシングループを構成しています。参考:アイシン精機アイシングループ主要13社参考:アイシン精機2019年度3月期決算資料売上構成比の50%近くがトヨタ自動車関連であることから、比較的トヨタへの依存度が高い企業であると判断することができます。トヨタ以外のメーカーだと、日産・ホンダ・マツダ、海外のメーカーだとフォード・GM・ルノーを始めとした世界的企業に商品を納入しています。単純な部品だけのサプライヤーは多く存在しますが、生活用品やエネルギー関連など広く商品を提供している点がアイシン精機の強みの一つと言えるでしょう。社風(OB訪問人数1人)・5年目(位の社員でした)「うちはトヨタグループとしての意識もあるけど『アイシングループとしての意識』の方が強いかな?」担当していただいた方が経理部出身であり、グループ全体の財務を管理していた経験からかもしれませんが、トヨタグループとしてのアイシン精機よりも、アイシングループとしてのアイシン精機という意識に驚かされました。確かに、インターンシップでもトヨタグループを担う一角であるという説明こそありましたが、アイシングループとしてどのような経営を行なっているのか、グループとしての展望などに注力していました。そのため、デンソー同様、トヨタグループの1角であることに加えアイシングループの筆頭としての顔も持っている企業として認知しておくべきでしょう。豊田自動織機トヨタ自動車の源流とも言える企業が豊田自動織機です。もともと、トヨタ自動車はこの豊田自動織機の自動車部門が分社独立したものとなっています。名前に織機とあるように、今でも自動車部品だけではなく繊維機械を製造しているメーカーでもあります。豊田自動織機のプロフィール【正式名称】株式会社豊田自動織機【主力製品】自動車車両、エンジン、産業車両、繊維機械など【トヨタ自動車株保有率】8.28%(銀行を除いた筆頭株主)【企業HP】豊田自動織機HPトヨタ自動車に対する売上の割合が公表されていませんでしたので、代わりに株式の保有率を提示しました。トヨタの源流であるが故でしょうか、銀行を除いた中では筆頭株主として君臨しています。参考:豊田自動織機部門別売上高の推移他の御三家との大きな違いは完成車を製造している点でしょう。トヨタのクロスオーバーSUVとして人気を博しているRAV4の製造は豊田自動織機が担っています。また、売上の60%強を占める産業車両の製品の1つであるフォークリフトは、トヨタL&Fの名で世界No.1シェアを獲得しています。(ちなみにL&Fに配属が決まった場合、フォークリフトの免許を取らされるようです)社風(OB訪問4人)・5年目〜20年目やはりトヨタの源流であるだけあり、どこか固いイメージを抱いてしまいますが、決してそういった訳ではなく、面接、OB訪問含め非常に温かい人が多い印象でした。とはいえ、デンソーが独立系としてのプライド、アイシンがアイシングループとしての繋がりに重きを置いている反面、一番『トヨタ』の名前と切っても切れない関係にあると感じたのも自動織機の特徴です。トヨタブランドの完成車・フォークリフトを製造していたり、何より企業名に『トヨタ』というブランドを付している分、他の2社と比較すると一番トヨタとの繋がりを重んじているように感じられました。そう聞いてしまうと保守的な企業という印象を持ってしまいそうになりますが、世界シェアNo.1の製品を3つ自社ブランドとして持ち、フォーブスの「世界で最も賞賛される企業」の自動車部門で1位を獲得したりと、自動車業界での『豊田自動織機』というブランドは、確固たる地位を築いています。三○商事?住○商事?世界の中心はトヨタでしょ?2015年はトップがトヨタ自動車で、次いで航空会社が占めていました。しかし、2019年になると、圏外であった公務員がトップ2を占めました。トヨタ自動車は公務員に次いで3位となっています。参考:結婚したい人の勤め先ランキングの結果では、トヨタ自動車は下がりはしましたが、変わらず高い人気を誇っています。とはいえ、この調査のボリューム層が40代なので、「トヨタに勤めている人が素敵!」の様なロマンチックさよりかは「トヨタなら安定じゃね?」のような現実感を感じますが…そうはいってもやはり、就活でも恋愛市場(?)でも世間一般でもトヨタの人気・信頼度は絶大です。それはトヨタ自動車に限らずデンソー・アイシン精機・豊田自動織機などトヨタ系列でも同様のことが言えます。(一説によると、トヨタ系列に勤めているだけでローンが組みやすくなったり、家が借りやすくなったりとか…それだけ信頼度が高いのですね)トヨタ・公務員・金融私の所属する慶應義塾大学では『総合商社・外コン・金融』が高い人気を誇っており、そこに内定する人=勝ち組といった構図が成り立っています。何が勝ち組とかいった議論は正解がないので今回はあまり深く述べませんが、多くの学生が『総合商社・外コン・金融』に対してプラスのイメージを持っていることは間違いないでしょう。それが愛知県の場合、『トヨタ(系列含む)・公務員・金融』へと構造を変えます。人によっては総合商社の名前はつゆ知らず、少し大げさですがトヨタこそ世界の中心と信じている人もいます。また、この場合のトヨタは大本のトヨタ自動車だけでなく、御三家を含めたトヨタ系列企業全てを指して”トヨタ”と言っています。なんでそっちなの?×2上記の記事の最後に触れさせていただきましたが、私自身、御三家の1つとIT企業との間で悩み、最後はIT企業を選択しました。私のこの進路選択についての他者評価は両極端になっており、東京の友人の「まぁ妥当な選択だよね」に対し、地元の友人は「なんで⁉️知名度とか福利厚生とか的にも絶対〇〇(御三家の1つ)でしょ⁉なんで⁉️(2回目)」となっていました。とはいえ、もし御三家を選ぶ選択をしていたのであれば、東京の友人に逆に「なんで⁉知名度とか福利厚生とか的にも△△(IT企業)でしょ⁉」と言われていたと思います。何度地元の友人には考え直せって言われたかわかりませんが、この一件を通して改めて愛知県内での”トヨタブランド”の絶大的な人気・信頼度を垣間見ることができました。トヨタは全国区なので納得ですが、グループ企業の愛知県内での信頼・人気は愛知県ならではでしょう。内定先のIT企業は結婚したいランキングには入ってこないので少し後悔してたりしてなかったり・・・。さいごに以前の記事では、トヨタ自動車と愛知県の関係性について論じ、本記事ではトヨタ王国を形成する御三家の紹介をさせていただきました。メーカーを見ていると、どうしてもトヨタや日産などの完成車メーカーばかりに目がいってしまいがちです。確かに、デンソー・アイシン精機・豊田自動織機の名前はトヨタ自動車のネームバリューと比較したら劣ってしまう部分もあるかもしれません。ですが、上記3社はサプライヤーとしてだけでなく1つのメーカーとして世界を渡り合っていける程の力を有している大企業になります。またサプライヤーは、完成車メーカーの価値を決めることができる唯一の業界でもあります。本記事を通してもし御三家やトヨタグループに興味を持った方はぜひ受けてみてるのはいかがでしょうか。なお、志望する業界や企業をどのように決めた良いか悩んでいるという就活生には就職エージェントneoがおすすめです。アドバイザーからは、選考対策だけでなく業界選びなど一人一人に合った就活全般のアドバイスを受けることができます。少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。【選考対策】・トヨタ自動車の選考対策(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから・デンソーの選考対策(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから・アイシン精機の選考対策(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから・豊田自動織機の選考対策(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから【参考】・・・・ 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