【7大総合商社中間決算ランキング2019年最新版】三菱商事が首位陥落。勢力図に変化あり?

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最終更新日:2023年10月27日

【7大総合商社中間決算ランキング2019年最新版】三菱商事が首位陥落。勢力図に変化あり?

例年、就活生から絶大な人気を集めている総合商社。

11月に入り、各社の2019年度第2四半期決算が揃いました。

昨年(2018年度)は7社中6社が過去最高の純利益を達成するなど好調だった総合商社業界ですが、今年の上半期は大きな変動のある期となりました。

そこで今回は、各社の決算資料やIR情報をもとに、"7大総合商社各社の2019年度第2四半期決算"をまとめました。

IR情報と聞くと、「なんだか難しそう」、「読んでも理解できない」と感じる就活生もいるかと思いますが、今回は会計知識の乏しい就活生でも理解できるように執筆してありますので、ぜひ最後までご覧ください。

総合商社は各社ともビジネスモデルに大きな違いはないため、「各社の得意領域はどこなのか?、全体の利益はどのように構成されているのか?」という観点を理解することが"志望度のアピール"に繋がりますので、その観点も踏まえて読み進めていただればと思います。

※本記事は決算に関する情報を取り扱っているため、専門的な用語を知らない方は以下で用語の意味を確認してから記事を読み進めてください。

◆「純利益」とは

→「売上金額からすべての費用を差し引いたあと、最終的に企業の手元に残るもうけ金」を指します。つまり、企業がその期間に稼ぎ出した「最終的な利益」のことです。

◆「連結純利益」とは

→「企業のグループ全体の純利益」を指します。すなわち、「親会社本体の純利益に、その企業の子会社・関連会社の純利益を加算(連結)したもの」のことです。

◆「第2四半期決算」とは
→1Q(4~6月)と2Q(7~9月)の決算を累計したものを指します。「中間(連結)決算・上半期決算」とも表記されますが、本記事では「第2四半期決算」で統一して表記しています。

 

◆「通期決算」とは
→1年間を通した企業の決算を指します。通期決算は途中で修正することもあり、「上方修正・下方修正」の2種類があります。

※「純利益・決算」のより詳細な解説を確認したい方は、以下の記事をご覧ください。
【総合商社・決算速報!】2018年3月期・第3Q決算を解説!純利益レース実況中継【三菱商事・伊藤忠商事・三井物産・住友商事・丸紅】

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昨年度(2018年度決算)の振り返り

過去4カ年の総合商社の通期決算(連結純利益)

今年度(2019年度)の決算を確認する前に、まずは7大総合商社の過去4カ年(2015年度~2018年度)の通期決算(連結純利益)を確認しておきます。

上記のグラフを見ると、近年は業界全体として業績が好調に推移していることが読み取ることができると思います。

また、2018年度に関しては三井物産を除く6社の最終利益が過去最高を更新しました。

以下、2018年度の各社のトピックスと決算との関連性を簡単にまとめましたので、確認してみてください。

  • 三菱商事
    →千代田化工建設絡みの損失による影響が響いたが、2位の伊藤忠商事とは大きな差をつけた。2017年度に引き続き、2年連続の最高益達成。
  • 伊藤忠商事
    →ユニー・ファミリーマートホールディングスの子会社化による影響もあり、初めて5,000億円の大台突破。
  • 三井物産
    →7大総合商社の中で唯一、過去最高の最終利益を更新できず。米子会社の火災事故による損失計上などが響いた。
  • 住友商事
    →米国タイヤ事業関連の変化はあったが、2017年度に引き続き2年連続の最高益達成。
  • 丸紅
    →収益に関しては7大総合商社の中で唯一マイナスを計上。パルプ事業などが牽引し、最終利益に関しては過去最高を更新。
  • 豊田通商
    →自動車関連の事業が好調であり、2年連続で最高益を達成。
  • 双日
    →資源・エネルギー事業の好調が影響し、最高益を達成。ただ、同じ7大総合商社の豊田通商の連結純利益と比較すると、1/2程度の数値となっている。

このデータを見れば、「今年度(2019年度)も好調に推移していくだろう」と考える方も多いのではないでしょうか。

では実際はどうだったのか、2019年度第2四半期決算をみていきましょう。

【2019年度第2四半期決算】7大総合商社各社の連結純利益

過去4カ年の総合商社の第2四半期決算(連結純利益)

上記のグラフは過去4カ年の第2四半期決算(連結純利益)になります。

こちらに関しては参考程度に見ていただければと思いますが、"首位が入れ替わっていること"が読み取れると思います。

そこで、今年(2019年度)だけにフォーカスしてみると以下のような結果となっています。

  • 三菱商事:2,424億円(前年同期比21%の減益)
  • 伊藤忠商事:2,891億円(前年同期比12%の増益)
  • 三井物産:2,342億円(前年同期比5%の増益)
  • 住友商事:1,524億円(前年同期比15%の減益)
  • 丸紅:1,118億円(前年同期比26%の減益)
  • 豊田通商:791億円(前年同期比1%の増益)
  • 双日:295億円(前年同期比21%の減益)

上述した通り、三菱商事と入れ替わり伊藤忠商事が首位に躍り出たことが分かると思いますが、前年同期比を見ても伊藤忠商事が大幅に純利益を伸ばしていることが読み取れます。

また、7社中4社が前年同期比で減益、それも4社とも二桁(パーセンテージ)の減益となっているように、業界全体としてかなり苦しんだ2019年上半期だったようです。

7社合計の純利益に関しても約1兆1384億円となり、前年同期比で8%減という結果となりました。

2019年度上半期の総合商社業界全体のトピックスに関しては以下のようになります。

トピックス

◆業界全体として不調傾向となった主な要因は以下の3点
→アメリカと中国の貿易摩擦などを背景とした世界経済の減速

→石炭などの資源価格の下落
→自動車関連の分野や化学品の取り引きの減少

それでは、ここからは7大総合商社各社の今年(2019年度)の第2四半期決算を順番に確認していきます。

【三菱商事】3年ぶりに首位陥落。原料炭価格下落と石油の不正取引による損失が大きく影響か?

三菱商事

三菱商事の2019年度第2四半期決算は、かなり苦しい結果となりました。

2018年度第2四半期決算が3,093億円だったのに対し、今年度(2019年度第2四半期決算)は2,424億円と、前年同期比で"約21%の減益"という結果が出ています。

その影響により、2019年度第2四半期決算では3年ぶりに伊藤忠商事に首位の座を明け渡し、3位の三井物産にも肉薄される状況となっています。

三菱商事の2019年度第2四半期決算(セグメント別の純利益)

"金属資源分野に強い三菱商事"というだけあり、全体の純利益の1/3以上を金属資源分野が稼いでいます。

ただ、前年同期比と比較してみると、「1,312億円→896億円」と約32%の減益という結果になっています。

この背景には、原料炭価格の下落や生産コストの上昇による影響があるのですが、この金属資源分野の不調が全体の純利益に大きな影響を与えたことは間違いないでしょう。

また、昨年(2018年度第2四半期決算)は229億円の純利益を創出していた石油・化学分野が、今年は一転して221億円の損失となってしまいました。

この背景には、「シンガポールの原油・石油製品トレーディング会社における原油デリバティブ取引関連の損失」が大きく影響しています。

金属資源分野と石油・化学分野の不調とは逆に、前年から大きく利益を伸ばしたのが産業インフラ分野になります。

昨年の326億円の損失に対し、今年は259億円の利益まで戻すことができています。金属資源分野と石油・化学分野の不調を、産業インフラ分野が穴埋めした格好ということができるでしょう。

※ただ、昨年は千代田化工建設絡みの損失による影響が大きかったため、「産業インフラ分野が好調」とは一概には言えないかもしれません。

第2四半期決算の不調を受け、2019年度通期決算の予想も5,200億円と下方修正されています。

4年連続の通期決算首位の座を死守できるかは、下半期の動向に掛かっているでしょう。

三菱商事の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

【伊藤忠商事】業界が不調の中、一人勝ち状態で首位を奪還。通期決算でも4年ぶりの首位を狙う!

伊藤忠商事

伊藤忠商事の2019年度第2四半期決算は、「7社の中で一人勝ち」とも言える結果となりました。

7社中4社が前年同期比で減益しているのに対し、「2,580億円→2,891億円」と前年同期比"約12%の成長"を見せ、三菱商事を抜いて3年ぶりに首位(第2四半期決算)を奪還しました。

伊藤忠商事の2019年度第2四半期決算(セグメント別の純利益)

上記のグラフを確認すると「金属分野」が最も大きな割合を占めていますが、この金属分野が前年同期比222億円の増益と好調だったのが、全体の純利益に大きな影響を及ぼしたと読み取ることができるでしょう。

金属分野に関しては石炭価格の下落はあったものの、「鉄鉱石価格の上昇」などの恩恵を受けたことで大きな増益となったようです。

また、"非資源分野に強い伊藤忠商事"と言われているだけあり、今年度の決算に関してもその強みは大きく発揮されたようです。

業界が不調傾向にあった最も大きな要因が「世界的な景気の減速、それに伴う資源価格の下落」にあったのですが、伊藤忠商事の今年の決算における資源分野の割合は約22%と他社よりも低く、且つ国内事業にも強みを持っているため、他社に比べて影響を受けなかったといえるでしょう。

また、元々強みを持っていた「食料や繊維分野」に関しては、今年の第2四半期決算でも引き続き強さを見せつけた格好となっています。

2019年度第2四半期決算では首位に立った伊藤忠商事ですが、通期決算の予想は「5,000億円」と三菱商事を下回る予想となっています。

ただ、上半期の調子を維持すれば通期決算でも伊藤忠商事が首位に立つ可能性は充分あり、熾烈な首位争いが繰り広げられることが予想されるでしょう。

今後の方針に関しては、まずは"伊藤忠商事が強みを持っている既存事業への投資を優先し、次世代投資に関しては事業性を見極めながらポイントを絞って投資を進める"ことで、さらなる成長を目指していくようです。

伊藤忠商事の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

【三井物産】資源分野の強さを示し、増益を確保。中核分野の強化でさらなる増益を目指す!

三井物産

三井物産の2019年度第2四半期決算は前年同期比で増益となり、まずまずの結果と言えるでしょう。

伊藤忠商事ほど増益幅は大きくないですが、「2,229億円→2,342億円」と"113億円の増益"を確保することができました。

昨年(2018年度)の通期決算では7大総合商社の中で唯一減益となってしまった三井物産ですが、今年(2019年度)の巻き返しに期待を持てる結果となりました。

三井物産の2019年度第2四半期決算(セグメント別の純利益)

"資源分野に強みを持っている三井物産"は、2019年度第2四半期決算を見ても、全体の純利益の70%以上を「金属資源・エネルギー分野」が占めています。

そしてこの2つの分野がそれぞれ、前年同期比で大幅な増益を確保することに成功しました。

増益の要因としては、「(1)鉄鉱石価格の堅調な推移(2)重油・LNGトレーディングの好調」などが大きく影響しているようです。

※記事内で「資源分野が業界全体として不調」という説明がありますが、資源分野の中でも鉄鉱石は好調であり、原料炭・非鉄といった資源が不調となっています。

一方で「化学品・鉄鋼製品・生活産業」といった分野は芳しくない業績となっています。

この要因としては、「景気減速等に伴い、事業会社の収益が減少したこと」が大きく影響しているようです。

今年(2019年度)の第2四半期決算に関しては、「非資源分野の減益を資源分野の増益でカバーした」という格好になっており、良くも悪くも"全体の純利益は資源分野の業績に掛かっている"と言えるでしょう。

2019年度通期決算に関しては、当初の計画から据え置きの「4,500億円」となっています。

今後のプランとしては、既存事業の基盤強化に加え、その周辺事業の拡大・横展開を通しさらなる成長を目指していくようです。

三井物産の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

【住友商事】全体的に低調な結果の上半期。既存事業強化と新規ビジネス創出で今後の躍進を狙う!

住友商事

住友商事の2019年度第2四半期決算は、かなり苦しい結果となりました。

2018年度第2四半期決算が1,793億円だったのに対し、今年度(2019年度第2四半期決算)は1,524億円と、前年同期比で"約15%の減益"という結果が出ています。

業界4位の座は引き続き確保している住友商事ですが、業界TOP3(三菱商事・伊藤忠商事・三井物産)とは差を広げられてしまった格好になっています。

住友商事の2019年度第2四半期決算(セグメント別の純利益)

住友商事は他の総合商社に比べ、"(1)生活・不動産(2)メディア・デジタル分野"に強みを持っていると言われています。

ただ、この2つの分野に限らず、ほとんどの分野が前年同期比で減益という結果になってしまいました。

特に、昨年の第2四半期決算で最も大きな割合を占めていた「資源・化学品分野」が前年同期比132億円の減益となってしまったのが、全体の純利益に大きな影響を与えたようです。

トピックスに目を向けてみると、「(1)北米で鋼管の需要回復が遅れたことによる化学品の取引の減少(2)石炭価格の下落(3)マダガスカルのニッケル鉱山の不振」などが減益の要因として挙げられます。

一方で、減益にならなかったのは7分野中2分野だけであり、生活・不動産分野が前年同期比1億円の増益(微増)、インフラ分野が前年同期比167億円の増益(大幅増加)でした。

第2四半期決算の不調を受け、2019年度通期決算の予想も「3,400億円→3,000億円」へと下方修正されています。

ただ、住友商事は近年「新規事業(次世代新規ビジネスなど)向けの投資」を進めています。

今後は"(1)テクノロジー×イノベーション(2)ヘルスケア(3)社会インフラ"といった成長分野に注力していくなど、この投資関連の事業が今後の躍進・業績拡大の一手となるかもしれません。

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【丸紅】穀物分野の不調で大幅な減益に。3年連続通期決算最高益を目指して巻き返しを図る!

丸紅

丸紅の2019年度第2四半期決算は、かなり苦しい結果となりました。

2018年度第2四半期決算が1,520億円だったのに対し、今年度(2019年度第2四半期決算)は1,118億円と、前年同期比で"約26%の減益"という結果が出ています。

この26%の減益という結果は、7大総合商社の中で最も下がり幅の大きい数値となってしまいました。

丸紅の2019年度第2四半期決算(セグメント別の純利益)

"電力・穀物・生活産業分野"に強みを持っていると言われている丸紅。

ただ、丸紅の強みである「穀物分野」に関し、傘下の米穀物大手ガビロンの不適切会計の処理(米国の穀物事業の採算が悪化)が響いたようです。

また、紙パルプの市況が悪化したことも全体の純利益にマイナスの影響を及ぼしていると考えられます。

一方で、前年同期比で大幅な増益となったのが「金属分野」になります。

これは業界全体に共通することなのですが、「豪州鉄鉱石事業の好調による増益」が最も大きな要因とされています。

2019年度第2四半期決算は減益となってしまいましたが、通期決算に関しては当初の計画から据え置きの「2,400億円」となっています。

通期決算で3年連続(2017年度、2018年度と最高益を更新している)の最高益を達成するためには、下半期の巻き返しが鍵となると考えられます。

また、「中期経営戦略(2019~2021年度)」を確認してみると"既存事業・領域の充実を優先させ、新たな領域・ビジネスに参入していく計画"という記載があったため、下半期はこのあたりの戦略にも注目ではないでしょうか。

丸紅の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

【豊田通商】安定した業績で増益を確保。次の戦略はアフリカ分野の強みを活かしたシナジー創出!

豊田通商

業界全体が不調傾向にあった中、2019年度第2四半期決算において豊田通商は安定した業績を収めました。

前年同期比では「786億円→791億円」と、"僅かながら増益"という結果で上半期を終えることができました。

豊田通商の2019年度第2四半期決算(セグメント別の純利益)

豊田通商の特徴は、"アフリカ分野に強みを持っている(アフリカビジネスで先行している)"ことでしょう。(IR資料にもアフリカという分野が設けられています)

その強みを持っているアフリカ分野ですが、前年同期比で収益は微増(64億円→68億円)となっています。

豊田通商の今年(2019年度)の第2四半期決算で最も好調だったのが「機械・エネルギー・プラントプロジェクト分野」になり、前年同期比で「120億円→277億円」と200%以上の成長率を見せました。

この背景には、「電力事業における関連会社株式売却益等による増益」があったようです。

ただ一方で、金属分野は大幅な減益となっており、これには「金属資源事業における減損」が背景としてあるようです。

そして2019年度通期決算に関しては、当初の計画から据え置きの「1,500億円」となっています。

アフリカ分野はもちろんですが、今後は「ネクストモビリティー・再生可能エネルギー分野」にも注力していくと言われており、業界の中でも独自の立ち位置を築いていくのはないでしょうか。

豊田通商の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

【双日】主力事業が軒並み不調で全体にも影響。成長の継続には下半期の業績が鍵となるか?

双日

双日の2019年度第2四半期決算は、かなり苦しい結果となりました。

2018年度第2四半期決算が371億円だったのに対し、今年度(2019年度第2四半期決算)は295億円と、前年同期比で"約21%の減益"という結果が出ています。

双日の2019年度第2四半期決算(セグメント別の純利益)

日商岩井とニチメンが統合して誕生した双日は、"航空産業・自動車分野"に強みを持っていると言われています。

ただ、この強みを持っている2分野が前年同期比で減益となっています。

また、セグメント別の純利益で最も大きな割合を占めている「金属・資源分野」に関しても、前年同期比で「162億円→98億円」と減益となり、このあたりが全体の純利益に大きく影響したのではないかと読み取ることができます。

この要因としては、「世界経済の減速・資源価格の下落」が大きいと考えられます。

そして今年(2019年度)の通期決算に関してですが、当初の計画から据え置きの「720億円」となっています。

上半期の減益をカバーし、通期決算720億円を達成するため、「徹底的なコストの見直し・実行済み投融資からの収益貢献」を中心に着実な成長に繋げていくようです。

双日の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら

まとめ

本記事では、各社の決算資料やIR情報をもとに、"7大総合商社各社の2019年度第2四半期決算"をまとめてみました。

様々な変化・トピックスが見受けられた「総合商社業界の2019年度上半期」となりましたので、総合商社志望の就活生の方は、本記事に記載した情報・知識をしっかりと把握しておくことが望ましいでしょう。

ただ、本記事で解説した内容はあくまでも「第2四半期決算という短期的な業績」に過ぎません。

上述した過去4カ年の決算の推移を見ても分かる通り、各社の業績は年々変動がありますので、あくまでも参考程度に本記事の内容を理解していただければと思います。

※また、本記事では「2019年度第2四半期決算」にフォーカスした内容となっています。今後の経営方針などを確認したい方は、各社の企業HP上で掲載している「中期経営計画」をご覧ください。

決算・IR情報に関する記事はこちら

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NTT対策の総まとめ。ーインターン攻略から内定まで主要10社を完全網羅ー NTT対策の総まとめ。ーインターン攻略から内定まで主要10社を完全網羅ー 最近ではこの日に限らず労働環境の是正に向けた取り組みが注目を集めています。そんないわゆる働き方改革の一環として、以下の記事が話題に挙がりました。参考:正社員の待遇下げ、格差是正日本郵政が異例の手当廃止(朝日新聞)元々は、非正規労働者の待遇改善を主な目的に提唱された、"同一労働同一賃金"。その状況を、非正規者の待遇を高めるのではなく、正規労働者の待遇を下げることで格差是正を図ったものとして、非難や反発の声が多く挙がりました。この話の良し悪しは別として、対比のような形でメーデーの翌日に取り上げられたのが以下の記事になります。参考:NTT、非正社員も同じ福利厚生健康診断項目も増える(朝日新聞)元々福利厚生関連の諸制度が充実していることで知られ、世間一般が思い描くホワイト企業として名高いNTTグループ。このようなトピックスの存在もあり、良好な労働環境・待遇が受けられるものとして、例年一定の注目を集める企業グループとなっています。特にこれから本格的にインターン期を迎える20卒の間では、来たる2020年東京オリンピックに関連してより注目度が増すことも想定されます。参考:TowardandBeyondNTT「ホワイト企業に何となく関心が高い」「国内外の通信インフラをより発展させたい」「東京オリンピックに何らかの事業活動で携わってみたい」以上より、今回はこのような考えを少しでも抱いている就活生へ向けて、ホワイト企業群"NTTグループ"から内定を獲得するためのストラテジーとして、各社のインターンから内定を獲得するためのストラテジーをご提案します。各社同一年度で複数種類のインターンを開催していますが、今回取り上げるのは、①選考がある②文系・事務系志望の学生が参加可能③複数日開催(1dayではない)以上3つの条件を満たすものとなっています。まずは"NTTグループ"とは何かを知るunistyleでは過去にNTTグループ各社の社員へOB訪問をした就活生が執筆した記事で、NTTグループの概要について説明しています。(この記事の主旨はNTTグループの業界・企業研究ではなく、「グループ他社企業の社員へOB訪問をする意義」になります)参考:要点をまとめると、・連結子会社900社超。近年では通信とは全く関係のない分野まで幅広く事業を展開・新卒就活では毎年一定の人気を集めるものの、最上位とまではいかないレベルまずはこの2点を認識しておけば十分です。次に、主要企業について個別に見ていきます。今回紹介するのは全て、各項目の筆者が実際にインターン選考に参加し合格・もしくは本選考で内定を獲得した企業として実体験も含めた記述になります。(記載内容は18卒・19卒の内容に基づくものであり、20卒以降にも必ずしもこれが当てはまるとは言えません。)なお、グループ内における主要企業は、一般に以下のように分類されます。[主要5社]東日本電信電話(NTT東日本)・西日本電信電話(NTT西日本)・NTTドコモ・NTTコミュニケーションズ・NTTデータ[主要8社](主要5社に加え、)日本電信電話(持株)・NTTコムウェア・NTTファシリティーズ[主要10社](主要8社に加え、)NTT都市開発・NTTファイナンスこのうち日本電信電話(持株)については、例年ほぼ理系学生のみの採用となっているため今回は割愛します。なお、NTTグループを志望する就活生には就職エージェントneoの利用がオススメです。アドバイザーから、NTTグループを志望する理由を基に、ほかに受けるべき企業に関するアドバイスなどが受けられます。少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。NTT東日本:内容も優遇もオーソドックス。GD慣れがインターン攻略のカギ固定電話やフレッツ光を始め世間的な知名度も高いNTT東日本。※NTT西日本志望者もこちらを参照してください。◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES+Webテスト→GD→参加[本選考]ES+Webテスト→個人面接(3回程度)→内定【インターンES】(19卒)(1)ご自身の『強み』について、そう思う具体的な経験や取組みを踏まえて教えてください。※具体的な経験や取組みは、学業や課外活動等、どのような内容でも結構です。(300文字以下)(2)NTT東日本のインターンシップに応募する目的と、参加するにあたっての目標について教えてください。(300文字以下)【本選考ES】(19卒)(1)大学時代において、「これだけは誰にも負けない」と自負できる取り組みは何ですか?(100字以内)(2)上記取り組みにおいて、ご自身の主体的な行動や、工夫・苦労などについて教えてください。※主体的に行動したものであればどのような内容、結果でも結構です。またその結果は、成功でも失敗でも構いません。(300字以内)(3)NTT東日本というフィールドで、何を実現したいですか?(200字以内)インターン選考では、書類選考通過後に実施されるGDが最大の関門になります。インターン情報解禁から半年近く経過した時期に実施されるため、既に選考慣れが出来ている学生も多く、ある程度質の高い議論が要求されていると言えるでしょう。他社の選考や以下の記事にあるような能力向上に向けた取り組みをすることが、インターン参加に向けても求められます。参考:◎インターン内容近年の事務系のインターンは、ウインターの時期に4日間のプログラムが設けられています。インターン当日には、通信業界に紐づいた新規事業立案という、インターンではよくあるテーマが組み込まれていました。なお、3月には"5日目"と称して同タームの参加学生と再び交流する機会が設定されています。ウインターの時期に連続では無くあえて本選考解禁後に接触することで、学生のロイヤリティ―を高める意図が感じられます。◎本選考への優遇NTT東日本では、例年広報活動解禁日(18・19卒は3月1日)にプレエントリーするとリクルーターがつくことで知られています。インターンに参加していると、本選考のマイページをそのまま引き継げるほか、自動的にリクルーターがつくため有利に働くことが推測されます。一方、基本的に内定出しは選考活動解禁日(18卒・19卒は6月1日)以降になるため、インターンに参加していても面接が開始するまでしばらく待つ必要が出てきます。ちなみに、19卒ではインターン中に個別に1対1で社員からフィードバックを受ける機会があり、インターン中の取り組みはかなりチェックされていることを感じました。本選考対策に関しては以下の記事も参考にしてください。参考:NTTデータ:インターンルートでもかなり差がつく。学歴重視?国内最大手SIerとして、NTTグループ内でも抜群の人気度を誇るNTTデータ。◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES→Webテスト→参加[本選考]ES+Webテスト→GD→個人面接(2回程度)→内定【インターンES】(19卒)(1)NTTデータのインターンシップに応募した理由を教えてください。(200字以内)(2)今までの経験の中で、一番やりがいを感じた経験を教えてください。(200字以内)(3)あなたがチームで最も高い成果を上げた経験、役割とチームへ及ぼした影響を教えてください。(200字以内)(4)日常でおかしいと感じていることは何ですか?その内容を理由とともに教えてください。(200文字以内)【本選考ES】(19卒)(1)-1NTTデータでは求める人財像として、次の3つを定義しています。この中でご自身にもっとも当てはまるものを選択してください。(考導力・変革力・共創力)(1)-2上記設問で回答した内容を元に、NTTデータを志望した理由を記入してください。(全角200文字以内)(2)選択いただいたコースで、入社後チャレンジしたいことを述べてください。(全角200文字以内)(3)-1あなたがチームで最も高い成果を上げた経験について、選択してください。(3)-2上記で選択された経験について、そのときのあなたの役割とチームへ及ぼした影響も含めて具体的に記入してください。(全角300文字以内)(4)-1今までの人生の中で一番苦労したことについて、選択してください。(4)-2上記で選択された苦労したことに対して、どのように乗り越え、そこから何を学んだか記入してください。(全角300文字以内)NTTデータのESではインターン・本選考共通して"経験"、すなわち学生時代頑張ったことが複数尋ねられる点が特徴です。インターン参加者を見ても、学生時代に自身を持って取り組んだ何かを持っている学生が多く揃っていた印象がありました。特にインターンではGD・面接なしで書類のみでの選考となるため、各設問短い字数の中で他の学生よりも一歩抜けた回答を創り上げないと通過は難しいと考えられます。また、WebテストはESと同時では無く、ES通過者のみが受験可能となる点に注意が必要です。ES通過者でもこのWebテストで落ちている人は周囲に多い印象でした。本選考では過半数が学校推薦で採用され、インターンでも全体的に上位校の学生が多く集まっていたことから、学歴のスクリーニング要素が高い企業という推測も出来るでしょう。◎インターン内容上記フローを選考で辿うサマーインターンでは、課題解決を軸とした事業立案系のワークということで、内容自体はこれと言って特徴は感じられませんでした。先ほどのNTT東日本では、通信が絡んでいれば基本的に何でもOKに近いテーマでしたが、NTTデータでは同社の事例やビジネスモデルとの関連が比較的重視されている印象がありました。とは言えSIerやNTTデータに関する業務については初日に説明があり、テクニカルな知識についても参加において全く無くても問題ありません。◎本選考への優遇今回紹介した書類選考のみのインターンでは、参加者の中から選抜されて後日限定のイベントに招待されることがあります。こちらに参加出来れば高く評価されていることが想定され、本選考でも優位に働く可能性が高いと考えられます。限定イベントに参加出来なかった場合でも、学生によって早期選考に呼ばれる場合もあれば一般学生と全く同じスケジュールを組まれる場合もあるなど、優遇にはかなり差がつく企業と言えます。タームを多数(19卒ではサマーだけで6つ)設け、インターン参加者自体は数多く存在することから、採用側からすれば出来るだけ多くの学生と接点を持ち、インターンの現場で優秀な学生を発見し囲い込もうという意図が感じられました。そのため、こちらも参加出来ればそれでよしでは無く、インターン=選考の場と考え、レベルの高い学生の中で目をつけてもらえるような取り組みが求められると言えるでしょう。NTTドコモ:インターンの選考フローが特徴的。求める人材が明確NTTグループの中でも圧倒的な収益力を誇り、携帯端末で国内No.1の契約者数を誇るNTTドコモ。◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES+Webテスト→GDまたはプレゼン→参加[本選考]ES+Webテスト→(GD)→個人面接(2回程度)→内定【インターンES】(19卒)(1)ドコモに限らず、インターンシップに参加しようと考えた理由を教えてください。(150文字以内)(2)あなたの個性・長所を「漢字1文字」で自由に表現してください。(400文字以内)【本選考ES】(19卒)(1)学生時代にチャレンジしたエピソードを語ってください(成功・失敗問わず)(400字以内)(2)ドコモで叶えたい夢を教えてください(300字以内)「」でも述べた通り、NTTドコモではインターン選考のプレゼンテーションが特徴的なフローになっています。詳細については同記事を参照してください。過去の関連記事でも再三触れていますが、同社では毎年「挑戦心」「行動力」という採用キーワードを掲げており、各選考におけるアピールポイントが明確になっている点でやりやすさを感じるという意見もあるようです。この2つのキーワードを深く解釈し、もう一つの採用キーワードである「個性」をいかに示せるかがポイントになるでしょう。また、エントリーシートについては、少し前までは「ドコモはまだまだつまらない。あなたならどう面白くしますか?」「桃太郎の家来に4匹目がいるとしたら(などといったテーマから一つ選択)」など奇抜な内容が同社の特徴でしたが、18卒以降は上記のような比較的オーソドックスな内容に落ち着いています。◎インターン内容NTTドコモが今後注力するべき新規事業立案をするという、これまたよくあるビジコン形式の内容です。"個性"が採用キーワードになっていたり、プレゼンテーション等で自分を売り込む力に長けた学生が多く集まることから、活発な議論のもと他の学生に埋もれることなく、社員からの評価を得ることが肝心になります。◎本選考への優遇インターンの選考フローにGDが組み込まれていることもあり、参加者は本選考でGDが免除されます。また、インターン中のメンターの評価は本選考の優遇度にも影響するようで、NTTデータと同様に選考時期や面接の雰囲気(深堀りの難易度)は参加者内でも差がついているようでした。NTTコミュニケーションズ:志望動機が勝敗を分ける。最もボリュームのあるインターン◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES+Webテスト→個人面接→参加[本選考]ES→(GD)→個人面接(2回程度)→内定【インターンES】(19卒)(1)本インターンシップに参加する理由(400文字以下)(2)そのフィールドを選択する理由、そのフィールドに関わりのある経験がある場合はその内容も伏せて(400文字以下)(3)あなたがもっとも自分らしいと思う内容で自己PR(400文字以下)【本選考ES】(19卒)(1)学生時代に特に頑張った経験について、最も力を入れた内容をご記入ください。(200文字以下)(2)当グループで挑戦したいことや夢/目標をご記入ください。(400文字以下)(3)その夢/目標を自分が実現できると思う理由をご記入ください。(400文字以下)NTTコミュニケーションズのESの特徴として、全体的に志望動機に関する設問が多いことが挙げられます。国際・長距離通信事業が主軸と言われても総合的な事業内容を理解するのがやや難しい企業であり、企業研究を深く行っている志望度の高い学生に受験して欲しいという考えが、ES設問・インターン日程から感じ取ることが出来ます。◎インターン内容本選考解禁前に例年多くのセミナーを開催しているNTTコミュニケーションズですが、メインとなるのは2月に「職場体験型インターン」と称して2週間近くに渡って実施されるインターンです。2月はウインターインターンの最盛期として他社も多く開催している時期であるため、このインターンに参加するということはそれなりの志望度がある学生がほとんどだと思われます。(企業側にも長期間拘束することで他社との関わりを減らし、志望度を高めてもらおうという意図が少なからずあると考えます)これまで紹介した各企業ではグループワーク形式の事業立案がほとんどでしたが、NTTコミュニケーションズではミーティングへの参加・提案資料の作成といった実務に近いプログラムが組み込まれていました。"机上の空論"では無く、実際の仕事内容を知るという意味でインターンに目的意識を持っている方には最も推奨したいインターンになっています。◎本選考への優遇二週間という長期間のインターンになりますが、参加したら即内定ということは無いようです。参加者は基本的に本選考のGDが免除、学生によっては面接の回数もカットになることもありました。志望度を重視する企業であるため、本選考に関連したイベントや面談には二つ返事で参加した方がいいでしょう。NTTコムウェア:インターン満足度No.1。フローの割に本選考への優遇が大きいNTTグループ向けのシステム開発を主な生業とするNTTコムウェア。◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES+Webテスト→参加[本選考]ES+Webテスト+テストセンター→リク面→(GD)→個人面接(2回)→内定【インターンES】(19卒)(1)NTTコムウェアを知ったきっかけとインターンシップに応募した理由を、あなたがインターンシップを通して得たいことを含めて、400字以内で記述してください。【本選考ES】(19卒)(1)当社を志望する理由と、当社で挑戦したいと考えていることを教えてください(400文字以内)(2)学生時代に一番こだわりを持って取り組んだ経験を記述してください(200文字以内)(3)好きなテーマを以下から選択し、そのテーマについて記述してください(200文字以内)事業内容が重なることからNTTデータと比較して見られることが多いNTTコムウェアですが、インターンのフローはESと"同時に"Webテストが課されるというタイミングこそ異なるものの、書類選考のみで参加可否が決定されるという点では共通しています。ESの内容は志望動機ですが、インターンのESで志望動機のみを尋ねてくる企業は珍しい印象です。本選考では19卒から設問が大きく変更され、自己PRが問われなくなった一方志望動機の比重が高まりました。◎インターン内容上記フローによる5dayのインターンは、夏に3日間・秋に2日間という形で分割されています。NTTデータと同様、SIerの業務に関連した事業立案がメインのグループワークになっています。「また同じか」という声も聞こえてきそうですが、同社のインターンは17卒の楽天みん就「インターンシップ参加学生が支持したランキング」で1位を獲得するなど、コンテンツの満足度がかなり高いインターンになっています。その要因の一つが、PM(プロジェクトマネージャー)と呼ばれるメンター社員のサポートにあると感じました。単純にサポートが「手厚い」というだけでは無く、報告の形式やそもそもの立ち位置など、学生によって有意義なものにするための工夫が随所に散りばめられている、参加価値が高いインターンだと感じました。◎本選考への優遇このインターンに参加すると、全員一律で本選考のGDが免除になるというかなり大きな優遇を受けることが出来ます。選考時期も一般学生と比較して早いスケジュールが組まれます。インターン中の取り組みの評価はそこまで持ち越されること無く、他社と比較すると一律の優遇度に近い印象がありました。さらに、ウインターの時期に開催される1dayのインターンに選考無しで参加できる点もメリットと言えます。しかしこれは、インターンに参加すれば(本来の)GDのフローまで自動的に進めるという意味では無く、インターン生の中でもES落ちしたというケースも報告されてはいます。いずれにせよ、インターン選考でGD・面接が無いのにも関わらず、本選考でGDがカットになるというのは非常に優遇度が高い企業と言えるでしょう。NTTファシリティーズ:優遇なし?「イベント」という名の選考に注意。◎選考概要【選考フロー】[インターン]GD→参加[本選考]ES+Webテスト→GD→個人面接(2回程度)→内定【本選考ES】(19卒)(1)当社を志望する理由と、当社でやりたいことを具体的に記入ください。(400字以内)(2)あなたの性格を自己分析し、その特徴を学校生活(勉強)や課外活動での具体的経験に基づいて説明してください。(400字以内)NTTファシリティーズのインターンでは、「プレイベント」と称して説明選考会の形でGDが課されます。(具体的に「GDを行う」ことは予告されませんでしたが、ここ2年は両方GDが課されました。)唯一のフローであるGDでは、積極性が求められると考えます。この項目の筆者の場合は、議論をリードする力が認められインターン参加に繋がりました。また1次面接の前に採用担当の方と話した際に、本選考のGDでも同様の力を認められたことを伝えられました。また、インターン当日においても積極的に発言する人が少なかったことから、積極的に議論をリードする姿勢が高く評価されると想定できます。(例えばデータやドコモと比較すると発言力に長けた学生が少なかったため、グループの中心的な立ち位置を確保するのはそれほど難しくない印象です。)◎インターン内容3日間のインターンで、1日目はNTTファシリティーズに関する説明・アイスブレイクを兼ねたポスター作り・翌日からのグループワークのためのインプットで、2・3日目がグループワークでした。グループワークはまちづくりを軸とした事業立案系のワークで、実在する地域を舞台としてNTTファシリティーズが実際に持っている技術を使って提案をする点が特徴的でした。◎本選考への優遇インターンの選考フローがGDのみということもあってか、インターン参加者と一般組で選考時期・選考フローで差も付きにくく、優遇はほぼないと考えられます。19卒ではインターン参加者は広報活動解禁前に座談会に招待されました。しかし、1時間半で企業の説明+座談会という簡単なもので、これ以外に特に接触はなく、インターン後の接触機会の少なさからも本選考への優遇はほぼないと考えられます。NTT都市開発:インターン選考のフローの多さと実務との"近さ"が特徴。◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES→GD→個人面接→参加[本選考]ES→個人面接(3回程度)→内定【インターンES】(19卒)(1)あなたがNTT都市開発のインターンシップに参加したいと思う理由をご記入ください。(300文字以下)(2)あなたがアピールしたいことを具体的な経験を交えてご記入ください。(300文字以下)【本選考ES】(19卒)(1)当社を志望する理由と、当社で挑戦したいと考えていることを教えてください。(400文字以内)(2)学生時代に一番こだわりを持って取り組んだ経験を記述してください。(200文字以内)(3)好きなテーマを以下から選択し、そのテーマについて記述してください。(200文字以内)NTT都市開発のインターン選考ではGDと面接が両方課され、今回紹介する企業の中では最も突破すべきフローの数が多い企業となっています。特にGDが鬼門のようで、周囲の学生の多くがここで落とされていました。また、そもそもの実施時期が2月ということもあり、GDや面接経験を積んでいる学生の割合も増えてきているため、何となくのデベロッパー志望の学生が受験しても全く勝負できずに終わることになるでしょう。◎インターン内容インターン参加者は、事業テーマごとに5つ程度の配属部署に分けられます。この部署はエントリーの段階で希望を出し、面接でも「なぜその部署を志望したか」について問われることになります。内容自体はその部署のプロジェクトに関連したグループワークですが、大教室に多くの学生が詰め込まれる他社のインターンとは異なり、実際に社員が働いているフロアでワークを進めることになります。そのため、疑問点があればすぐに現場社員へ質問するなどして、常に実際の業務との繋がりを考えながら取り組める点が大きな特徴になっています。実際に部署で関わる学生も各6名程度と非常に少ない中で多くの社員と交流をはかれるため、企業説明会や採用HPで得られるような情報のインプットに終始することなく、「デベロッパー業界で働くとはどういうことか」について現場視点で理解を深めることが出来ます。この点、充実したコンテンツが組み込まれたインターンだと他社と比較しても感じました。◎本選考への優遇内定直結には至らないものの、人数が少ないこともありインターン参加者には早期選考スケジュールが組まれています。インターンの段階でかなり絞り込まれるとは言え、本選考の採用人数も毎年30名程度とグループ10社では最も少ないため、自己分析等の精度はもう一段階高めておくべきでしょう。NTTファイナンス:昨年度からGDが追加。基準不明の「招待枠」の存在ありNTTグループの金融事業従事者として、ビリング・リース・カードなど幅広い事業を展開するNTTファイナンス◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES+Webテスト→GD→参加※招待枠あり[本選考]ES+(テストセンター)→(GD)→集団面接→個人面接(2回程度)→内定【インターンES】(19卒)(1)学生時代に注力したことをご記入ください。(300字以内)(2)今回のインターンシップで活かしたい自分の強みをご記入ください。(150字以内)【本選考ES】(19卒)(1)ご自身の長所をご記入下さい。(30字以内)(2)ご自身の短所をご記入下さい。(30字以内)(3)志望動機をご記入ください。(200字以内)(4)学生時代に注力したことをご記入ください。(400字以内)NTTファイナンスでは19卒からインターン・本選考共にGDのフローが追加されました。選考自体にこれと言った特徴はありませんが、上記フローに加え「招待」という形で実質的な選考が無いまま参加出来るというタームが一つ用意されていました。本項目の筆者は大学近くのカフェで開催されていた交流会に参加したことが招待に寄与したようですが、そうで無くても招待案内が来た同じ大学の友人はおり、選考基準は全くの不明です。企業と接点する機会を見つけたら参加してみると、選考なしでインターン参加の座を掴めるかもしれません。◎インターン内容3日間のインターンで、1日目がリース業界やNTTファイナンスの変遷に関するインプット中心、2・3日目がグループワークでした。グループワークの内容は「NTTファイナンスが取り組む海外新規事業を考える」という事業立案系のワークで、各班に1人メンターがつく以外は特に変わったことはありませんでした。ワークの途中にグループファイナンス部門とグローバル部門の方の講演があり、各部門の理解を深めることができます。総じて「グループワークでリースについて知ってもらい、その他のコンテンツでNTTファイナンスを知ってもらう」という内容のインターンとまとめられます。◎本選考への優遇インターンに参加していると、一般組と比べて選考時期が1か月程度早くなることに加えてGDが免除され、かなり有利に働きます。また、インターン選考の際に提出したWebテスティングサービスの結果をそのまま使い回せ、実質テストセンターを受験する必要が無くなることもメリットと言えるでしょう。インターン後の接触も多く、インターン中の取り組みについてフィードバックを受けるフィードバック面談や、現場で働く職員の方と1対1や1対2(学生2人)で会話することができる社員質問会に招待されます。また、説明会もインターン参加者限定のものに招待されます。おまけ:「ホワイト企業だから」を軸とした"NTTローラー"はアリか?ここまでの内容を総括すると、NTT主要10社では全体的にインターンに参加することで本選考で有利に働く企業が多いことがわかると思いますNTTグループを志望する学生には「ホワイト企業」という軸を設定している人も多く、「NTTグループ主要企業をひたすら受けてホワイト企業から内定を貰おう」という”NTTローラー”を実施する人も一定数いる気がしています。この姿勢には、良い面・悪い面両方があると考えています。NTTローラーのメリット:「チームNTT」の自覚と事業領域の共通性今回取り上げたようなグループ企業は、それぞれあくまで別の法人である以上、各企業はそれぞれにとっての利益を追求することになります。しかし一方で、社員の多くが自分の所属企業だけでなく、「NTTグループの」社員としての自覚を持ちながら業務に励んでいることも事実だと思っています。実際、NTTコムウェアからNTTファイナンスへ異動した社員は冒頭で触れた記事で以下のように述べています。この方曰く、グループへの貢献の仕方が変わっただけであり、他へ移ったとしても自分がグループの一員であることには変わりなく、逆に違った角度からに携わることができて働くうえでもプラスになったとのことでした。参考:例えばファイナンスの近年の代表的な取り組みであるおまとめ請求。ドコモの携帯・東西の固定電話・コミュニケーションズのインターネットなどの請求を一括化するビリングサービスですが、これはファイナンス自体の利益よりも、NTTグループ全体としての業務効率化・コスト削減に寄与した面が大きかったと言われています。出向先であるコムウェアが多くを請け負うグループ内の取引は、コムウェアの売上=東西を始めとした他社のコストとなり、連結会計的には資産の移動に過ぎません。それでも「意味がない」で片づけることなく、というグループを支えている自覚が多くの社員にはあると、これまで多くの方から話を伺い感じてきました。こういった中、グループ内で多くの企業に目を向けることはグループを包括的に捉えることに繋がり、選考にプラスに働くことも多いと思っています。また、近年グループでは多くの企業で””がキーワードになっており、事業内容も重なる点が多くなってきている印象があります。例えば同じ「働き方改革」というキーワードを取ってみても、各社さまざまな切り口から近しい事例を展開していることが読み取れるでしょう。参考:生産性向上で「働き方改革」(東日本)NTT高解像データを扱う建設、製造、医療業界などの働き方改革を支援(データ)NTTドコモと実現する「働き方改革」コムウェアの働き方改革NTT「働き方改革」のヒントはスマートビルディングにあった(ファシリティーズ)NTTこのように、東西=固定電話・ドコモ=携帯電話のような完全な住み分けはなされず共通性が高まった昨今において、複数のグループ他社の選考を受けることは一定の効果を発揮すると言えるでしょう。NTTローラーの注意点:「ホワイト企業」の定義とリスク回避思考の甘さ一方、「ホワイト企業」を軸に企業を選定する場合は、自分なりの”ホワイト”の定義についてしっかりと向き合っておくべきだと考えています。例えば、「若手の意見でも筋が通っていれば採用される風通しの良い社風」をホワイト企業の条件とみなした場合、典型的な大企業で一社時代のベテラン層も抱えるグループ各社においては、それが満たされない可能性は十分あると思われます。また、創業者樋口が取り上げていた記事の通り、「ホワイト企業に入りたい」という考え方の多くは「ブラック企業は嫌だ」というリスク回避的な思考に基づき、結果的にホワイト企業からの内定を勝ち取ることが出来ないケースに繋がりやすいという考え方も存在しています。これ非常に面白かった。ブラック企業に入社してしまう人の傾向として、①リスク回避型である、②自己肯定感が低い、③一方で自尊心は強いという傾向がありそうとのこと。リターンの最大化よりもリスクの最小化を志向した結果、皮肉なことにブラック企業に入ってしまう。https://t.co/VNQRvrOmoB—KotaroHiguchi(@happytarou0228)2018年5月10日また、そもそもホワイト云々の待遇の話は企業から「与えられるもの」に過ぎず、「自社の利益に貢献できる人材」を選定する採用側からすれば、ホワイトな環境目当てでエントリーしてくる学生は好ましくは思わないでしょう。ホワイトかどうかはあくまで自分の心の中の一つの軸として、採用側にも納得感を示せるような経験に紐づく筋の通った軸を設定しないと、結果として自らの満足のいく内定先を確保できない可能性が高まります。両者より、「NTTローラーは選考上プラスに働く面も大きいが、『ホワイトそうだから』という一辺倒の考え方は、内定獲得を遠ざける」とまとめることが出来ます。是非、今後インターンや本選考でエントリーをする際の一つの参考にしていただければと思います。「ローラーは選考上プラスに働く面も大きいが、『ホワイトそうだから』という一辺倒の考え方は、内定獲得を遠ざける」最後に「就活は情報戦」という言葉をしばしば耳にしますが、今回の「本選考へ優遇があるか」といった話は今後のインターン選びにおいても特に重要な情報となります。unistyleでは今後も就職活動生の皆さんに有益な情報を数多く提供していきますので、是非アンテナ高く活用してご自身の就職活動に役立てていただければと思います。 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最短4年で課長!?実は全然社風が違うリクルートの実態! 最短4年で課長!?実は全然社風が違うリクルートの実態! こんにちは。16卒の慶應生です。先日リクルート某社の方にOB訪問をしてきました。2012年に分社化し、昨年上場して話題を呼んだリクルート。巷では様々な講演会に「リクルート出身」という肩書きの人が出てきたりするのをよく目にします。ただ、そういったイメージは強いものの、実際どんな会社なの?というよりなんかリクルート◯◯っていっぱいあるけどどれがなにしてるの?というのが多くの学生の印象かと思います。なので本日は、OB訪問で伺った話を元にリクルートの実態に迫っていこうと思います。そもそもリクルートってどんな会社?将来を考えて意思決定する大きな「イベント」と、日常の中にある小さな選択と意思決定を支援する。これがリクルート各社に共通する事業内容です。ここでいう大きなイベントとは、住宅、結婚、就職、転職等、小さな選択とは旅行、飲食、美容院等のことを指します。かといって消費者に対して直接営業をする、というような手法ではありません。基本的には企業を顧客として、どうやって顧客の製品と消費者を繋げていくかを考えて提案していく、ある意味コンサルタントに近いビジネスモデルを取っています。また元々は1つの会社だったのですが、2012年に3つの機能別に分社化されました。人材関連事業会社:リクルートキャリアリクルートジョブズリクルートスタッフィング販売促進事業会社:リクルート住まいカンパニーリクルートマーケティングパートナーズリクルートライフスタイル機能会社:リクルートアドミニストレーションリクルートコミュニケーションリクルートテクノロジー加えてグループ全体の中長期経営戦略・グローバル展開の戦略策定をするリクルートホールディングスがあります。参考:リクルートジョブズ2016卒webテストレビューリクルート間の共通する社風どのカンパニーの人も大きく分けると①成長欲求がものすごく高い人②成長を強いられる環境に耐えられる人以上の2つに分けられるそうです。これには共通する社風からくるものがあるのかな、と考えています。リクルートでは1年目で他の会社で3〜5年目に任される仕事もやりながら、最短だと4年目にマネージャー、つまり課長職に就く人もいるとのことです。実際各社説明会でも社員の平均年齢は32歳程度と聞いており、厳しい環境で自分自身の力を磨き、新しいステージに出て行く人が多いようです。実は全く違う雰囲気先に共通する社風を書きましたが、社内の雰囲気は全く違うとのことです。今回はわかりやすい販売促進事業会社3社を例にとりたいと思います。ちなみに3社の代表的なサービスは住まいカンパニー:suumoライフスタイル:HotPepperじゃらんマーケティングパートナーズ:受験サプリゼクシイカーセンサーです。まずは住まいカンパニー。特徴は真面目な人が多いようです。顧客は住宅メーカー等であり、販売促進事業会社の中でも扱う額も大きいため、リクルートの中では人当たりが良く真面目で慎重な人が多いとのことです。所謂世間一般でイメージされているようなリクルートっぽさはそこまでないかもしれません。次にライフスタイル。ここはアツい小綺麗な人が多い様です。顧客は美容院、飲食店、旅館等であり、他のカンパニーと比べて扱う額少額で、流行等に乗る必要があるためスピード感のある人が多いとのことです。悪く言うと少し大雑把とも言えるかもしれません。特に美容院担当の人になると、パーマをかけ、小綺麗な格好をしており社内で見ると一目でわかるくらい特徴的なようです。最後にマーケティングパートナーズ。ここのスピード感はライフスタイルと住まいカンパニーの間くらいのようです。ただし、結婚、受験、中古車と扱う商材が雑多なカンパニーであるからこそ、結婚担当は女性ばかり、中古車担当者は硬派な男性ばかり、受験は高学歴集団と1つのカンパニーの中で雰囲気が若干異なるようです。異なった社風から見るリクルート各社の説明会にてどのカンパニーのどの社員の方も言ってたことがありました。「顧客の立場に立って問題を解決していく。」ということです。実際に私自身もリクルート各社説明会で、このカンパニーはなんとなく自分っぽいな、だとか、自分とは合わなそうだな、と感じることがあります。だからこそ、成長するフィールドというベースに合う人物である上で、顧客の雰囲気にあった学生を採用しているのかな、と感じました。会社説明会では事業内容等はわかりますが、会社内部の雰囲気まではわかりません。OB訪問をすることで現場の雰囲気が自分自身とマッチするかを肌で感じ、志望動機にも熱が増すように思えます。説明会で自分なりに考えた疑問をOB訪問にて解消していく、というような方法をとっていくのがいいのかな、と考えています。参考:就活解禁から1ヶ月間就職活動をして今後何をすべきか悩んでいる就職活動生が今すべきことphotobyMaxandDeeBernt 45,763 views
体力測定・心拍数計測!独特すぎるパイロット選考の実態 体力測定・心拍数計測!独特すぎるパイロット選考の実態 ※本記事は2015年8月に公開された記事になります。子供の時に飛行機に乗ったら誰もが憧れる職業、これがパイロットだと思います。普通のおじさんのはずなのに手を振られたら振り返してしまう程の不思議なパワーを持っています。今回はその不思議な職業の独特すぎる選考の実態にフォーカスしました。1次選考:集団面接、ロールシャッハ・テスト、内田クレペリン検査パイロットの選考は全行程で3〜5ヶ月程かかります。一つ一つの選考も長くなっており、その長い選考に耐え切れるだけの心構えだけは持っておいた方が良いでしょう。さて、1次選考ですがオーソドックスな集団面接と二つの筆記試験が行われます。面接に関しては、学生時代頑張った事や自己PR、目指すパイロット像などを訊かれます。二つの筆記試験はロールシャッハ・テストと内田クレペリン検査です。ロールシャッハ・テストはインクの染みのような絵を見て何を想像するかを選択肢の中から選ぶものです。これに関しては余程ネガティブなものを選ばない限りは問題ないでしょう。内田クレペリン検査では簡単な足し算を永遠にも思えるような時間をかけて解いていきます。この検査はJR各社、三菱重工、本田技研工業などで使われています。【参考】内田クレペリン検査ロールシャッハテスト2次選考:個人面接、心理適性検査個人面接は社員3人に対して行います。相手は30代前半から40代後半ぐらいの社員の為、結構な威圧感です。ここでも聞かれる事はオーソドックスで学生時代に頑張った事、志望動機、強みと弱みなどです。心理適性検査は400問ぐらいの性格検査を筆記形式で行います。3次選考:飛行適性、英会話面接、集団討論ここからついにパイロットの選考らしくなります。ちなみに3次選考は一日中かかります。飛行適性ではパソコンに向き合い、操縦桿のようなスティックを握りながら画面内の飛行機を操縦していきます。またそれ以外にもマルチタスクといわれる、画面内で起きている3つの現象を同時に処理するものや、英語や数学のテストなどが行われます。ちなみに説明文や流れてくる音声は全て英語です。英語が苦手な人は英語のラジオや洋楽を聴いて慣れておく事をオススメしておきます。英会話面接は個人面接となっており、日系アジア人の面接官複数人を相手にします。訊かれる事に関しては事前に準備する事は難しく、世間話のような面接になります。集団討論では8人で50分程議論し、全員でプレゼンを行います。内容は何かに対してチームとして優先順位を決めるものとなります。全員がプレゼンに関わらなければならないというところが特異性のあるポイントです。4次選考:身体検査、小論文、テストセンターここまで来たら頂上が見えてきます。身体検査、これこそがパイロットの選考において一番の難関であり、どんなに想いが強くてもあっさりと切られます。航空身体検査といって、身体測定、血液検査、脳波測定、斜位測定、心電図、深視力、視野、精神内科の問診など通常の身体検査では体験できない項目を課されます。ちなみに喫煙者やお酒大好きの人は1週間前からの禁酒・禁煙を義務付けられます。コンタクト常用者も同様に1週間レンズに使用を禁止されます。かくいう筆者もお酒は大好きですが、1ヶ月前から禁酒しました。ほとんどの学生が脳波、深視力、血液検査で引っかかり、2,3週間後に再検査を実施します。再検査なしに落ちていく学生ももちろんいます。小論文は身体検査の休み時間に課されます。これは時事問題などではなく、パイロットになる上での心構えのようなものを書きます。A4用紙2枚ぐらいの分量です。役員面接の時に用いられるものです。テストセンターは言語、非言語、英語、性格です。身体検査の数日前までに提出します。基準点はそこまで高くありません。参考程度でしょう。最終選考:役員面接筆者は身体検査にて落ちてしまったので、ここから先は内定した友人に聞いた話ですが、役員面接では意思確認のような面接になると思いきや、1次、2次と変わらないようなオーソドックスな面接だったそうです。ここまでの選考をパスしているので面接で落とすのはもったいないと考えているようです。しかし、ウチの会社をどうしたいの?であったり、理系の学生であれば飛行機の部品の細かい部分まで突っ込まれる質問もあるそうです。役員は60歳前後の方々で、まさに重鎮です。筆記試験対策は何をすれば良い?筆記試験は非常に多くあります。内田クレペリン検査、ロールシャッハ・テスト、心理適性検査、テストセンター、小論文など多岐に渡ります。内田クレペリン検査とロールシャッハテストは初見の人が多いと思うので、参考書に目を通しておきましょう。テストセンターに関しては下記のコラムを参考にして下さい。【参考記事】内田クレペリン検査参考書内田クレペリン検査―就職適性試験完全理解マニュアルロールシャッハ・テスト参考書ロールシャッハ・テストワークブックなぜこのような選考プロセスを課すのか?求める人物像は?パイロットは人の命を預かる職業です。選考を通して、内面と外面をくまなく検査されている気分になりました。体が資本の職業であるから当たり前なのかもしれませんが、この長い選考に耐えられるだけの意欲とガッツは必要不可欠でしょう。求める人物像はまさしく人の命を預けるのに値する人物です。面接は普通ですが自己分析をできているかどうかが重要です。自分の分析ができていない人に空の分析はできませんよね。最後にパイロットの選考は誰にでも受験資格があることを知らない学生が多いです。視力が良い必要はありませんし、理系や体育会である必要もありません。選考も早くから始まるので、ぜひみなさんにはチャレンジしてもらいたいと思います。【関連記事】 77,281 views
外資系企業の就活スケジュール|ある内定者の記録 外資系企業の就活スケジュール|ある内定者の記録 大学3年生の皆さんはどのようにお過ごしでしょうか。「就活なんてまだまだこれから」そう考えている方が大半かと思います。今回のコラムは、15卒外資系金融内定者の方から寄稿頂きました。ちょうど去年の今頃から準備をスタートし、見事内定を獲得した方の行動記録です。是非全てに目を通して、今後の就職活動の参考にしてみて下さい。本記事のコンテンツ・6月〜7月:エントリー・インターン準備・8月〜9月:サマーインターン参加・10月〜11月:説明会・本選考(ES、筆記試験)・12月:本選考(面接)・最後に6月〜7月:エントリー・インターン準備私が就職活動を始めたのは6月でした。漠然とUnistyleや外資就活ドットコムで夏のインターンを募集している企業を調べて、締め切り内にESを出すようにしていました。私は12社ほどエントリーしましたが、出せる人は出せるだけ出すべきだと思います。理由は以下の3点が挙げられます。①面接の練習になる言うまでもなく面接をこなすことは非常に重要です。私は夏のインターン時の面接と本選考の時の面接とでは言っていることが全然変わっていました。面接官に何を言ったら響くのかを考える作業が、本選考から就職活動を始めた人よりも長かったことが理由だと思います。②ジョブの練習になるこれは特にコンサルティングファームや投資銀行部門を目指している方に言えることですが、こういったところの多くでは、本選考の際に面接が進むに連れてジョブが課せられます。大体はグループを組んで何かを発表するものですが、一人でやらされるものもあります。本選考の際のジョブではこの夏のインターンを経験したかどうかが非常に大きいです。知識は問わないとか多くの企業は言いますが、最低限の考え方は見ているし、興味があるかも見ています。夏のインターンに参加して、課題への取り組み方を学び、業界に興味があることを伝える口実を作っておきましょう。③本選考が楽になる多くのインターンに合格すると、日程が被ってしまうこともあります。断ってしまうと、本選考で不利になるなどと私も考えていたことがあります。確かにそういう企業もあるかもしれませんが、多くの企業が本選考に呼んでくれて、不利だとは一切感じませんでした。やはりインターンの合格を出したにも関わらずインターンで見られなかった人材は、もう一度しっかり見たいという企業側の心理が働いているのだと思います。また、インターンに応募しすぎて、沢山落ちることも不安になりますよね。私も多くの企業に実際に落ち、本選考で不利になると思いました。確かにインターンに落ちた数社は本選考のESで切られましたが、ある外資系投資銀行からは内定を頂けました。こればっかりはご縁ですが、本選考にとっておくメリットよりも夏のインターンに挑戦するメリットの方が遥かに大きいと思います。6月中旬あたりにESの提出を締め切る企業が多く、7月に面接のラッシュが始まると思います。私は、31日間のうち、18日間面接が入っていました。気をつけていたこととしては、面接で聞かれたことと答えたことをメモするようにしていました。友達との情報交換にもなるし、うまく答えられなかった質問・面接官に響かなかった質問への答えを改めて考える良い機会になります。8月〜9月:サマーインターン参加8,9月は合格したインターンが始まります。私は7社のインターンに参加しました。遊ぶ時間は減ってしまいましたが、こればっかりは我慢するしかありません。旅行に行きたい人などはインターンの時期を固めるといいかもしれません。長期のインターンに参加するのもいいとは思いますが、面接でこの業界ではこう感じたなどと話せるネタにもなるので私は多くの業界・企業のインターンに参加できるように最長でも5日間のインターンに参加するようにしていました。夏休みの過ごし方としてやっておくべきことを挙げておきます。①友達作り夏のインターンに参加している人は優秀な人が多いです。彼らが外資や日系の本選考の内定を取っていく人達なので、情報交換にも有意義ですし、飲み友達も増えます。少々面倒くさいと思いますが、なるべく壁を張らずにフランクに交流することで自分にその益は返ってくると思います。②フェルミ推定と問題解決の本をやるこれはコンサルティングファームを受けようとしている人に特に言いたいのですが、フェルミ推定と問題解決の対策はすべきだと思います。10月から本格的にコンサルティングファームの筆記試験が始まりますが、一部の天才を除いては対策したかどうかが大きなカギを握ります。10月になってしまってからでは、あまり時間もないしダラダラしてしまうものなので、面倒なことは早めにやってしまいましょう。テストセンターなどもやれれば最高だと思います。③新聞を読む癖をつける新聞を読んでいると、偶然読んだ記事が面接で生きることが何度もありました。特にアベノミクスや消費税についてなどは、新聞のコラムに書いてあったことをあたかも自分の意見のように言えますし、グループディスカッションでも『日本人観光客を増やすには』などのお題の時、以前に『中国からの観光客を増やそう』というコラムを読んでいたので効果は抜群でした。いつか活きるかもしれないことを信じて新聞は読みましょう。絶対に活きます。④いっぱい遊ぶずっと真面目なことばかりしていても、飽きてしまうし長続きもしないので息抜きも大切です。私はインターンの無い日は、夜は基本的に大学の友達と飲みに行ったり、家でダラダラしていました。そんなにいつも勉強していたりする必要がないので、受験の時とかより自由に使える時間は全然あります。10月〜11月:説明会・本選考(ES、筆記試験)10月は外資系企業の説明会のオンパレードです。暇なら全部行けばいいし、授業や研究や筆記試験の対策で忙しい人は業界で2社ずつぐらい行けばいいでしょう。正直どの会社もやっていることはさして変わらず、うちの会社の人が一番ですと言っているのが実際の中身なので、業務内容を一通り言えるようにしたら十分でしょう。私は、10月はあまり就職活動をやらなかった記憶があります。息抜きも大切です。注意すべきこととしては、説明会に申し込んだのなら行くか、しっかりとキャンセルしましょう。無断で行かなかったりするとそのデータが残ることも多いのでオススメしません。11月は外資系投資銀行のESの締め切りが多く、コンサルティングファームはもう面接が始まります。注意点を少し挙げておきます。①Webテストや筆記試験の出来は非常に重要Webテストや筆記試験の成績というものは内定が出るまでずっと関わってきます。皆さんのひとまずのゴールは筆記試験を通過することではなく、内定を取ることのはずです。(勿論これが究極的なゴールであってダメなのですが)一次面接などで面接の評価が全く同じだった二人の学生がいたとして、上に行ける枠が一個しかないとすると、上に進めるのは筆記試験の成績が良い学生の方です。初めて自分と会う面接官が履歴書で、まず最初に見る場所は筆記試験の点数らしいです。くだらないと思いますが、文字ばっかり書いてある紙に数字があるとそこを最初に見てしまうものらしいので、そういうものだと割り切って、筆記試験で良い成績を取れるように頑張りましょう。②英語は文法ミスなどに注意英語の設問がある会社もあると思います。英語が苦手な方は帰国子女などに書いてもらいましょう。ここでひどい英語を書いてしまうと、面接の際に突っ込まれてしまいます。自分の予想していない箇所で突っ込まれるのは極力避けたいものです。さて、ESの提出も終わって12月を迎えると外資系は本格的な面接ラッシュです。ひどい時は一日4社の面接が入ることもありました。また、日系の説明会なども解禁されるため12月は本当に忙しい方も多いでしょう。これに研究などが加わると地獄です。勿論、外資系の内定も欲しいところですが、万が一のことを考えて外資系の面接が入っていない時は日系の説明会やOB訪問も入れておきましょう。日系の内定に近づくのは勿論ですが、外資の面接の時になぜ日系ではダメなのかを言う際のヒントになります。※4月から日系の就活が解禁になるので、外資系と被らなくなるかもしれません。そうすれば外資系の選考に集中しましょう。外資系も遅らせてきた場合は、ここに書いたように日系と外資系の同時進行の就職活動をおススメ致します。12月:本選考(面接)12月の面接に入ってからは、毎日一喜一憂する日々が続くと思います。一次で落ちたりする会社もあると思いますが、ご縁だと割り切る気持ちも大切です。外資系の内定を複数貰う優秀な学生でもどこかの会社では一次やESで落ちているといったケースも沢山あります。例えば米系のトップティアから複数内定を貰った人なども、欧州系で業績的に苦しい会社の一次で落ちたケースもありました。これといった正解は面接にはありません。全く同じことを言っても、面接官が変わると受け取られ方が当然ですが異なります。少しでも面接官の心に響くことが言えるように沢山夏から練習を繰り返し、ダメだった場所はなぜダメだったのかを考え、改善したものを次の面接に生かして下さい。そうすれば、少しずつですが上のステップに行ける確率を上げることが出来ると思います。自分なりのやり方を見つけるしかないので、あまりテクニック的なアドバイスはするべきではないと考えていますが二つだけ。①英語でも今まで聞かれた質問に応えられるようにする今までメモしてきた質問に日本語で自分なりの納得のいく答えを言えるようにしておくことは勿論ですが、それを英語でも言えるようにしておきましょう。面接でのパフォーマンスが上がることも勿論ですが、英語が来ても大丈夫だという自信になります。その自信が面接のパフォーマンスに関係してくるはずです。②面接官の名前を覚える最初に面接官の方が自己紹介をされると思います。その際に相手の名前を覚えましょう。名前を覚えるのが苦手な人は、『○○です。』と言われたら、『○○さん、宜しくお願い致します。』と言って覚えましょう。名前を覚えられて嫌な人はいません。逆質問の際などに、わざと名前を覚えているアピールをして、『△△について○○さんはどうお考えですか。』などと聞くと、しっかりコミュニケーションの基本である相手の名前を覚えられる人だとアピールできます。また、一日に何人もの方とお会いする面接だと、『○○さんと会った?』などと聞かれるので、その際にしっかりと何を話したかまで答えられるので、他の学生と差別化できます。私は12月から毎日のように面接が入っていて、説明会もなるべく行くようにしていたので週6日スーツを着ていました。多い時は、13日間連続で面接が入る日もありました。周りからはやりすぎだと言われましたが、毎日やっていると面接で全く緊張しなくなるので私にとってはあまり苦ではなかったです。これを苦だと感じる方もいると思いますが、毎日面接を経験する方が、パフォーマンスは上がると思います。私は12月から1月までの2ヶ月間、週6日スーツを着る生活を繰り返し、無事に外資系の複数社から内定を貰えました。しかし、私より何倍も優秀な人が外資系の会社からは一社からも貰えなかった事実もみてきたので、運が良かったと思います。やはり就職活動には少なからず受験よりもずっと運の要素が必要になってくるので、落ちたからといって自分がダメだとか思う必要は全くないです。私よりも何倍も優秀で私よりもずっと努力していたその学生は、結果的に大手総合商社の複数社から内定を貰っていましたし、運が絡むといっても、努力をすればどこかからは声がかかるものです。最後にいかがでしたでしょうか。いい結果を得るためには入念な準備が必要であり、本記事のようにスケジュールを事前に立てて計画的に準備をすることが大切になっていきます。時期が遅くなればなるほど、やらなければならないことが増えていき、一つ一つの準備が満足にすることができなくなってしまいます。後になって後悔しないためにも、夏のインターンから就職活動を始めて、受かる確率を少しずつ上げていってください。頑張ってください。 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