新卒に1000万円、急激な人材市場の変化に就活生はどう向きあえばいいのか。

17,963 views

最終更新日:2023年10月30日

新卒に1000万円、急激な人材市場の変化に就活生はどう向きあえばいいのか。

自己分析

NECは、新卒であっても学生時代に著名な学会での論文発表などの実績があれば1000万円を超える報酬を支給する報酬制度を発表しました。

その背景としてNEC社長の新野隆氏はこう語っています。

「グローバルでの競争を戦うには、国内の制度を変えていく必要がある」

この発言は、人工知能(AI)などに精通した優秀な人材の獲得を巡る世界的な競争に対する危機感を表しています。

世界的に加熱する人材の獲得競争の波は日本にも波及し、NECをはじめとした日本企業の給与体制に大きな影響を与えています。

そこで本記事では、NECのように給与水準の引き上げを行なった日本企業の年収や求められるスキルなどを具体的に紹介していきます。

また米国など海外との比較を通じて、日本の給与制度や雇用制度の問題点を解説するとともに、このような環境の変化に対して就活生がどう向き合っていけば良いのかを考察します。

本選考とインターンの締め切り情報

新卒年収1000万円の背景

新卒年収1000万円の背景として、既存の人事制度への問題意識をNEC社長の新野隆氏は指摘してます。

世界との競争に勝ち抜くためには優秀な人材の確保が欠かせません。しかしながら、日本社会の根底にある「終身雇用と年功序列」の制度では、十分に優秀な人材を確保ができない現状があります。

海外では一般社員に対して給与の上限は設けられておらず、本人のスキルや実力によって給与が上下する実力主義の給与体制が一般的です。

そのため優秀であればあるほどその人材は日本企業よりもいい待遇を海外企業で得ることできます。こうした背景から、優秀な人材が国外に流出してしまうと考えられます。

NECは、「研究者を除く社員には既存の制度を続けるが、ゆくゆくは世界の制度に寄っていくだろう」との考えを示しました。

トヨタ自動車の豊田章男社長が「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と述べたように、日本の労働環境は変革期に入ってきているのではないでしょうか。

その変革の1つとして、特にIT人材の不足からこの分野での給与水準が引き上げられたと考えられます。

新卒年収引き上げを発表した企業例

それでは、NEC以外に新卒の給与水準を引き上げた企業を紹介していきたいと思います。

またそれぞれの企業は、どのような人材を求めているのでしょうか。

ソニー

ソニーは、人工知能などの領域で高い能力を持つ新卒社員の給与を引き上げ最高で730万円と、現在の約560万円から3割程度給与を上げることを発表しました。

デジタル分野での人材の獲得競争が世界的に激しくなっていることが背景にあるとしています。

ヤフー

ヤフーは、エンジニアとして優れた実績を持つ人に、初年度から年収650万円以上を提示しています。

入社時に18歳以上30歳以下で就業経験のない人が対象で、初年度の年収が650万円以上となるのは「エンジニアスペシャリストコース」で、以下のいずれかの条件を満たすと応募することができます。

  • エンジニアリングに付随する起業経験
  • 技術書の執筆経験
  • 自身が開発したアプリのDL数100万以上
  • Kaggleにおいて、単独参加でコンテストTOP10%入賞経験
  • 競技プログラミングレート保持者
  • トップカンファレンスでの論文発表経験

これらの条件を満たすのは難しく、逆にこのレベルの条件を満たし年収650万円は少ないという声もあるようです。

ファーストリテイリング

「ユニクロ(UNIQLO)」などを展開するファーストリテイリングが、一部の職種の初任給を4万5千円引き上げると発表しました。

対象となるのは国内外の転勤が含まれるグローバルリーダー職のみで、変更後の初任給は現在の21万円から25万5,000円となります。

また優秀な若手を確保するために、入社後最短3年で子会社の幹部などに抜てきし、年収は1000万円を超え、欧米勤務では最大3000万円程度とする人事制度を発表しました。

くら寿司

くら寿司は2020年春の新卒採用で、入社1年目から年収1000万円の幹部候補生を募集しました。

条件としては、26歳以下(就業経験者、卒業後に1年以上ブランクがある者は対象外)という年齢制限に加え、TOEIC800点以上、簿記3級以上といった資格が必要で募集人数は10名でした。

実例を踏まえた考察

上記の改革を踏まえて考察してみると、市場価値が向上している人材はIT関連の専門知識を備えた人材語学力やマネジメント力に優れ、将来は管理職として期待されている人材の2つタイプに分けられると考えられます。

就活生の立場から考えると、自身の市場価値を上げるためにこれらのスキルを身につけることが出来る環境で働く、という考え方も企業選択における1つの基準になり得ると思います。

しかし、市場価値を高めて何がしたいのか・自分が成し遂げたいことは何か、まで掘り下げて企業を選択することができれば、心から納得のいく就職活動にすることができるのではないでしょうか。

IT人材の年収、日本はアメリカの半分以下

それでは、こうした日本企業の取り組みは海外企業と比べてどうなのでしょうか。

日本企業の給与水準では、特にIT人材の評価がグローバルスタンダードに達していないとされています。

経済産業省によると、IT人材とはAI、IoT、ビッグデータ等に携わる人材や情報セキュリティに精通した人材を指すようです。

以下の表は経済産業省が発表した各国のIT人材の年収分布を示した表です。

上記の表から、IT人材の年収が日本はアメリカの半分以下の水準であることがわかります。

経産省によると、日本のIT人材は年収500万円前後が多いですが、米国では1000万円~2000万円が多いとされています。

また、産業界で続く大型のIT関連投資や、情報セキュリティ等へのニーズ増大により、IT人材の不足が深刻な問題になっていくでしょう。

人材不足は今後さらに深刻化し、2020年にはIT人材が29.3万人(うちAI人材は約4.7万人不足)する見込みです。さらに2030年には、約59万人程度まで人材が不足すると推計されています。

以上のような背景から、日本企業はより優秀な人材や人手不足となるIT人材を確保することが困難になるでしょう。

そしてその困難を乗り越えるためには、既存の「年功序列・終身雇用制度」の見直しが必要であり、優秀な人材に対する待遇の改善が進んでいくと思われます。

就活生はどう向き合うべきか

本記事を読んで就活生の皆さんはどう感じたでしょうか。年収1000万円を稼ぐために必要なスキルを身に付けようと奮起したでしょうか。はたまた、年収に重きを置くのではなく自分がやりがいを感じる仕事をしたいと思ったでしょうか。

仕事は人生において大きな時間を占める重要な要素です。そして就活生の皆さんはその仕事を通じて、金銭、達成感、人間関係など得ることで人生を豊かにし「幸せになりたい」と考えていると思います。

幸せとはなにか

それでは「幸せ」とはなんでしょうか。この問いに対する1つの答えを示す著書として「幸福の資本論」という著書があります。

そしてその著書において、幸せとは「金融資産」「人的資本」「社会資本」の3つの条件から成り立っているとあります。

簡単に説明すると「お金・自己実現・人とのつながり」の3つから幸せは成り立っているという解釈です。

もちろん、この3つ全ての要素を高いレベルで実現することが理想ですが、それぞれが絶妙なバランスで成り立っており、全てを高いレベルで実現することは相当難しいでしょう。

ここで、私が皆さんに伝えたいことは「働いている自分をどれだけ具体的にイメージできているか」ということです。

「自分のやりたいことで、年収1000万を稼ぎ、友人や家族との時間も大切にする。」

このような理想をイメージしたのならば、なぜ年収1000万円必要なのか、その職種はプライベートの時間をしっかり確保出来るのか、どのように自分の成し遂げたいことにつながっているのか、をしっかり説明できるようになりましょう。

また、現実的に年収1000万円を稼ぎつつプライベートの時間を確保することが難しいのであれば、理想年収を下げる、プライベートの時間を減らすなどの選択が必要です。

年収は欠かせない要素の1つですが、逆に言えば1つの要素でしかありません。

要はバランスが重要で、自分自身が理想とするバランスをどれだけ具体的にイメージすることができるかが重要です。

そしてその理想は人それぞれ異なってあたりまえです。他者のわかりやすい理想に安易に迎合するのではなく、自分自身が考え抜いて理想の状態をイメージしましょう。

そうすれば、面接で深掘りされた際にも筋道を立てて面接官が納得する回答をすることができるでしょう。

また、より具体的に年収1000万円の生活水準を知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

さらに、より自分自身のことを知り、理想の状況をどの企業で実現することができるのかを把握することが大切です。

以下に自己分析や業界研究に関する関連記事を紹介していますのでぜひ活用し、この変化の時代を乗り越えていって欲しいと願っています。

おすすめコラム 4 件

「ビジネスではなく、公的機関だからこそできる国創りを」現役職員3名が語る国際協力機構(JICA)の仕事とやりがい 「ビジネスではなく、公的機関だからこそできる国創りを」現役職員3名が語る国際協力機構(JICA)の仕事とやりがい 国際協力機構(以下JICA)は、日本の政府開発援助(ODA)の実施機関として、開発途上国への支援を行っています。世界には200を超える国が存在していますが、そのうち150カ国が開発途上国です。開発途上国が抱える紛争や貧困、社会インフラの未整備といった課題に対し、JICAは技術協力や資金協力といった手段を用いて解決に取り組んでいます。今回の記事では、経歴や勤続年数の異なる3名のJICA職員の話をまとめています。それぞれの職員がどのような思いを持ちながら働いているのか、またこの記事を読んでいる皆さま自身の持つ経験とつながる部分はないのか、考えながら読んでいっていただければと思います。若手女性職員の苦労とやりがい【職員プロフィール】・新卒入社2年目/女性/理系国立大学院卒・JICAへの志望動機:世界中のひとりでも多くの人を笑顔にしたい、日本人代表として途上国に貢献したい、活躍する人を繋ぐ人になりたい。携わっている業務現在は無償資金協力で実施されるプロジェクトの実施監理を担う部門に所属しています。無償資金協力は、開発途上国の中でも所得水準が低い国を主な対象として、給水施設、学校、病院、道路・橋梁など、経済・社会発展に必要となる、基礎的な社会基盤などを整えるためのJICAの協力手法の一つです。プロジェクト開始前の調査や協力の枠組み作りは、JICA内の別の部署が中心になって行うのですが、現在所属している部署では、施設建設等を行う民間企業との契約やそれに伴う交渉、プロジェクト開始後のモニタリングなどを行っています。開発途上国で実施するプロジェクトは、一筋縄ではいかないことも多く発生します。例えば、無償資金協力によって橋を建設するプロジェクトがあるとします。橋の建設のためには橋の根元に大きな土地が必要で、土地は途上国側で準備することになりますが、着工のタイミングで土地の確保が間に合っていない、という状況が発生することもあります。土地の準備が間に合わないと、着工が遅れ、当初想定していたよりも大きな費用が発生してしまうことにもつながります。予定している費用を超過してしまうと、「プロジェクトを完遂できない」という判断を下さざるを得ない状況にも繋がってしまうため、途上国側に対して、交渉や申し入れをしていくことも必要になります。この時交渉のフロントに立つのが私たちです。タフな粘り強い交渉が求められることもあります。大変さの中で感じるやりがい一方で、未然に上記のようなことを防ぐということも私たちの業務の一つです。着工前にボトルネックになりそうなことがらを抽出し、事前に排除します。上記の橋の建設工事の例であれば、①いつまでに土地を確保するのかという情報を確定し、②それまでにとるべきワークフローを策定し、③実際にスケジュール通りに行うよう促しながら実施監理する、といった内容を想像してもらえればと思います。自分がいることで未然にトラブルをなくプロジェクトが進み、現地国・JICA・そして日本のいずれにとってもよい関係を構築することができた時は、大きなやりがいを感じます。総合商社からJICAへの転職をした職員が語る、総合商社とJICAとの違い【職員プロフィール】・中途入社2年目/男性/総合商社金属部門より転職・JICAへの志望動機:ビジネス(インフラ整備、雇用創出等)を通して途上国開発に貢献したいと考えて総合商社に入社したが、途上国の政策形成の部分から人材育成、インフラ整備など、より幅広い援助手法を駆使し、途上国支援を行いたいと考えてJICAへ転職した。なぜ総合商社からJICAへ転職をしたのかもともと総合商社へは、ビジネスを通して途上国開発を支援するという思いを持って入社しました。総合商社はその思いを実現させることができる環境でしたが、どうしてもビジネス上の利益が出なければ事業の継続ができません(当たり前ではあるのですが)。徐々に総合商社としての途上国支援に限界を感じるようになり、利益的な側面だけではなく、公的機関としての立場から、技術支援や資金援助、政策の策定などの様々な手法を駆使することができるJICAへの転職を決めました。総合商社とJICAのどちらが良い悪いというものではありませんが、皆さんには自分がどういうスタンスで途上国支援に携わりたいのかを考えてキャリアを選んでいって欲しいと思います。JICAで感じる総合商社との共通点/異なる点JICAと総合商社で共通しているのは、プロジェクトを組み立てていくオーガナイザーであるという点です。組織内部に多くの専門家を抱えているということではなく、深い技術的な面については外部の組織や専門家と協力・調整して実施することも多くあります。逆に異なる点は、ビジネスなのかそうでないのかということ以外にも、国づくりの政策的な側面から関わりやすいのがJICAだと思っています。ある国の交通インフラ整備について考えてみましょう。JICAであれば、都市交通の調査を実施、交通網整備のための大きな計画策定(マスタープラン)から実施することも多くあります。そして、例えば結果として地下鉄の敷設がよいとなった際に、円借款による資金協力等につなげていきます一方で商社は、上記の例であれば、地下鉄敷設が決まった際に「うちに取り仕切らせて欲しい」と受注するイメージが近いと思います。これはあくまで一例で、近年は官民連携も進んでおり、民間企業とJICAで協力して事業を形成・実施している例も増えてきています。ただ繰り返しになりますが、JICAと商社のどちらが優れているということではなく、あくまでスタンスの違いによるものと理解して欲しいと思います。商社によるビジネスとしての支援が結果的に自社の利益に大きく寄与し、末長い経済発展に結びつくということもあります。生え抜き11年目の職員が携わるリアルなプロジェクト【職員プロフィール】・新卒入社11年目/男性/理系私立大学院卒・JICAへの志望動機:安全な水を世界の人々に届けたい。専門性のあるJICA職員になり、より質の高い事業を行いたい。自分が中心となって進めた貧困解消のプロジェクト学生のみなさんからは「JICA職員がどのような仕事をしているのか分からない」という声をよく聞きます。JICAでは多くの場合、1人で複数の案件を担当します。JICA職員の仕事のイメージを持っていいただくために、パキスタン事務所に駐在していたときに担当として携わったパキスタンの「高付加価値果樹産品振興プロジェクト」の案件形成の事例を紹介します。パキスタンの北部地域は、パキスタンの中でも最貧困地区であり、産業の中心は農業、その中でも果物が非常に大きなウェイトを占めていました。プロジェクト開始にあたり、貧困の根本的な原因を考え、解決すべき問題を定めることから始めました。そこで見えてきたのが、現地の特産品であるアプリコットのポテンシャルを生かせておらず、また生産やマーケティング体制の未熟さのために生産したうち約40%を廃棄しているという現状でした。その状況に関して、①市場のニーズ、②品質改善ポテンシャル、③そして持続的な生産可能性、について分析しました。私は農業の知識やノウハウを持ち合わせていなかったため、日本のアプリコットの生産地である長野県千曲市を訪問し、日本としてどのような優位性を持って現地を支援することができるのか考えました。そして、農業を専門とするJICAの部署のアドバイスや、コンサルタントの力を借りながら、生産、加工、マーケティングなどの分野の専門家からなるプロジェクトチームを組成しました。パキスタンが持続的に技術普及をしていけるように、専門家の方に実際にパキスタンに来ていただき、現地農業局や住民組織などへの技術指導を通じて、プロジェクトを遂行していきました。その結果として、現地で生産できた品質の高いドライアプリコットは、一部、渋谷のヒカリエなどで、販売されるようになるまでに至りました。まだまだ、安定的な供給や販売を続けていくには課題がある状況だと理解していますが、自分が中心となって進めたプロジェクトが実を結び地域の貧困解消に一役買ったこの経験は、深く心に残っています。最後にJICAは、総合商社を見ている方にとってはオーガナイザーとしての役割が共通している点や、ビジネスか非ビジネスかの対比などから考えていくと、双方の役割がより分かりやすくなるのではと思います。加えて、貧困解消プロジェクトの事例の中にあるように、解決するべきイシューの見定めや打ち手の立案など、コンサルティングファームと共通する部分もあると言えます。JICAは社会貢献性の高さから例年一定数のファンがいるように感じていますが、この記事を読んで新たにJICAに興味を持つ方が出てくれば幸いです。 22,732 views
【20卒体験談】憧れの航空会社から内定を勝ち取った”志望度の高さ”をアピールする方法とは 【20卒体験談】憧れの航空会社から内定を勝ち取った”志望度の高さ”をアピールする方法とは 航空業界完全攻略記事一覧1.航空業界の仕組みや職種、最新動向まで一挙大公開2.【業界研究】志望者必見!航空業界の職種と仕事内容3.【企業研究】航空業界の大手企業一覧4.【業界研究】航空業界の最新ニュースや動向分析〜2020年に向けて〜5.【業界研究】航空業界で役立つ用語まとめ6.【業界研究】航空業界に有利な資格まとめ7.【業界研究】航空業界のおすすめ本まとめこんにちは、私は国立大学に通う20卒です。初めは長いように感じた就職活動も終わってみればあっと言う間で、あの頃は毎日がエネルギー全開の日々を送っていたなあと振り返っています。結果としては、第一志望であった大手航空会社から内定を頂き、その会社に来年から勤める予定です。この記事では主に、高校時代から航空会社で働くことが夢であった私が、「なぜ航空会社を目指したのか」、「航空会社から内定をもらうために何をしたのか」について、お話したいと思います。特に、航空会社への就職に興味がある方、よかったら参考にしてみてください。なぜ航空会社を志望することになったのかそもそも、なぜ私が航空会社で働きたいと考えたかについてお話したいと思います。率直にいうと、子供の頃から旅行や帰省などで飛行機に乗るときに感じる、何ともいえない非日常のワクワク感が好きでした。はじめは、こうした単なる思いに過ぎませんでしたが、あることをきっかけに、航空会社で働きたいという強い想いに変わりました。もともと、私は世界各地の自然や文化を紹介するようなテレビ番組が好きな少年でした。そのため、海外の自然や文化に対して強い興味を持っていました。変化のきっかけとなったのは、中学生の時に学校のプログラムでオーストラリアに一ヶ月の間ホームステイしたことです。初めての海外体験となったオーストラリアで、実際に外国の文化や自然に触れるなど、日本では出来ない様々な経験を通して、自身の成長を実感するとともに未知の場所に訪れることの素晴らしさを知りました。「もっと多くの人に海外を訪れてほしい」ホームステイの経験を通して持った、この想いを実現することが出来るのは、国際線を運航している航空会社しかないという発想になり、航空会社で働きたいと思うようになりました。航空会社を中心にした就職活動航空会社といえば、文系の就職人気企業ランキングの中で、日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)といった大手2社が、毎年のように上位にランクインしているのを見たことがあるかと思います。実際、私が就職活動している中でも、説明会の参加者などが他の業界と比べてかなり多かったです。私の就職活動は、そうした航空業界を第一志望に設定し、鉄道や海運などの航空以外のインフラ、航空機部品を製造している重工メーカーなどを併願企業としていました。しかし、幼いころからの憧れであった航空会社にどうしても行きたかった私は、まさに航空会社から内定をもらうことに全力を尽くした就職活動をしていました。先述したように、航空会社が就活市場において人気であることは重々承知していたので、高い倍率の中で内定をもらうために、就活生としてどうしたら差別化が出来るかということを常に考えて行動していました。具体的には、「志望度の高さ」で差別化しようとしました。志望度の高さをアピールするために私が「志望度の高さ」で差別化を図った理由。それは、就活において航空会社を選択肢の一つと考える人がたくさんいる中で、航空会社が第一志望であるということを上手く伝えることが内定を得るための近道だと考えたからです。志望度の高さを示すために、重要だと考えたのが“業界研究”と“自分なりのビジョンを語れるようになること”です。具体的に取り組んだことを以下で紹介します。インターンを通して業界研究:2社の違いを知る私は航空業界に関して専門知識や最新の情報まで得るために、就活本やインターネットの就活サイトを見るだけはで終わらせないということを心がけていました。そうしたこともあり、冬には大手航空会社2社のインターンシップに応募。無事に選考を通過し、参加することが出来ました。冬インターンは本選考よりも倍率が高いとよく言われますが、冬インターンの選考は本選考よりも準備という部分に関して言えば差がつくと思います。私自身、3年生の秋までに航空業界の専門書やビジネス雑誌、航空業界に関する最新のニュース記事などを参考にしながら詳しい所まで業界研究を行っていたこと、コンサルティングなど選考の早い業界を実際に受けていたことが、選考に挑む上での自信に繋がったと思っています。2社のインターンを通して感じた率直な感想としては、大手航空会社2社は事業内容こそ似ているものの、会社としてのカラーは大きく違っており、世の中の多くが持っているイメージとも多少異なっている。ということでした。例えば、JALにはお堅い会社のイメージがあり、ANAは体育会系の人が多いイメージがあるといわれることがあると思います。しかしながら、私が見てきた限りでは、若い社員の間にそうしたイメージを感じることはありませんでした。(むしろ逆の印象を持つことも時にありました。)こうした会社のカラーに関しては、是非、就活生の皆さんの自分の目で確かめてほしいと思います。インターンの内容に関しては、ここでは書くことはできませんが、どちらのインターンも航空業界について深く知ることが出来る、とても充実した数日間でした。冬インターンに参加した最大の意義としては、実際の選考の際に、なぜ、A社ではなくB社で働きたいのかという問いに対して、自分なりに説得力ある説明が出来るようになったことです。やはり当然のことですが、メディアで得た情報よりも、自分で見て確かめた情報の方がより説得力があると思います。OBOG訪問でビジョンを明確化自分なりのビジョンを語れるようにするという部分に関しては、OBOG訪問に力を入れたことが非常に役立ちました。航空会社を目指す就活において、OBOG訪問は必ずしも当たり前ではないと思います。しかし、少しでも航空会社の仕事のイメージを明確にしたかった私は、大手2社それぞれ5人ずつのOBOGの方のお話を聞きました。自分が通う大学OBOGの方が地方や海外で勤務されていることも少なくなかったため、他大学出身の方を紹介してもらうこともありました。今思い返すと、空港を案内してくださった機会などもあり、毎回お話を聞きに行くのを楽しみにしていたのを覚えています。私がOBOG訪問をする中で、特に意識していたことがあります。それは、社員の方が一人一人どのような想いを持っていらっしゃって、どういうキャリアパスをイメージしているかについて詳しく聞くことでした。航空会社の仕事というのは、数年単位でのジョブローテーションが基本であり、オペレーション、ビジネス、コーポレートの部門をまたがって、様々な部署で経験を積むことになります。数百通りものキャリアパスがある中で、「将来的に何を実現したいのか」、「そのためにどういう経験をしたいのか」ということを自分なりに明確化するために、まずはどういう道があるのかということを直接聞くことが重要だと考えていました。そうして、ある程度、自分なりのキャリアパスのイメージがついたら、それを一度言語化して、再度OBOG訪問した際に添削してもらい、自分なりのビジョンをブラッシュアップしていきました。こうしてOBOG訪問で完成させた自分なりのキャリアパスが、ESや面接での回答にそのまま繋がりました。実際に、航空会社の選考では将来のビジョンを聞かれることが多かったです。そういう意味では、私にとってOBOG訪問は欠かせないものでした。情報収集は日常的にインターンにも参加し、OBOG訪問もこなしていたとはいえ、私自身、そうした就活対策をするだけではいつも不安だらけだったので、常に何か出来ないかと考えていました。その一環として、日常生活や旅行の中でも、常に航空に関するイベントや場所について、アンテナを張りめぐらせていました。空港はもちろんのこと、意外に調べてみると航空関係の見学施設やイベントがあったりします。そうしたイベントや場所に訪れることも、仕事のイメージを膨らませるうえで役立つかと思います。それに関して、私自身もっとも印象的だった出来事は、他の目的で海外を訪れていた際に、世界中から航空会社の関係者が集まるビジネス見本市を見学する機会があったことです。海外航空会社の社員の方の講演を実際に聞くことが出来て、世界には数多くの航空会社があって顧客獲得のために工夫をこらしながら競争しているということを肌で実感する貴重な機会となりました。最後に改めて、志望度の高さで差別化するために私がやったことをまとめると下記のようになります。志望度の高さをアピールする方法・業界研究の一環として、インターンに参加することで、企業ごとの違いを知る・OBOG訪問を通して、キャリアビジョンを明確にする・航空業界に関する専門的かつ最新の情報を日常的に収集する航空会社には、総合職と運航乗務職(パイロット)と客室乗務職(キャビンアテンダント職)があり、大手2社どちらも複数の職種を併願することが出来ます。私自身も総合職と運航乗務職を併願していました。残念ながら運航乗務職のほうは身体検査落ちとなってしまいましたが、選考を通してパイロットとしてご活躍されている方々のお話を聞く機会が何度かあり、飛行機を安全に飛ばすためのチームワークを勉強させていただくことが出来ました。私のように、どうしても飛行機に携わる仕事をしたいという方は是非、複数の職種にチャレンジすることをおすすめします。最後になりますが、この記事を読んでいただいた方と航空会社で一緒に働けることを楽しみにしています。最後まで読んでいただきありがとうございました。【関連記事】・・・・・・・航空業界完全攻略記事一覧1.航空業界の仕組みや職種、最新動向まで一挙大公開2.【業界研究】志望者必見!航空業界の職種と仕事内容3.【企業研究】航空業界の大手企業一覧4.【業界研究】航空業界の最新ニュースや動向分析〜2020年に向けて〜5.【業界研究】航空業界で役立つ用語まとめ6.【業界研究】航空業界に有利な資格まとめ7.【業界研究】航空業界のおすすめ本まとめ 14,972 views
「裁量が大きい」「風通しのいい」会社とは何か?就活界の5つのマジックワードを徹底解説 「裁量が大きい」「風通しのいい」会社とは何か?就活界の5つのマジックワードを徹底解説 本記事では、誰でも言えるマジックワードを意味もなくただただ並べる量産型就活生になることを避けるために、代表的な5つの言葉に注目してその意味を探っていきたいと思います。◆本記事で扱うマジックワード・「ホワイト企業」・「裁量が大きい」・「風通しのいい会社」・「部署による」・「トータルソリューション」そもそも、「マジックワード」とは何か「就活で一番大切なのは自己分析だよ」「弊社は大変風通しのよい会社です!」「最近はホワイト企業を志望する若者が...」就職活動をしていれば一度は耳にすることも多い上記のような言葉。それを聞いたとき、あなたはどのように感じ、どのように考えるでしょうか。何となく、「そういうものだ」で終わらせていないでしょうか。例えば、一番上の言葉。そもそも「就活」とは何か。「自己分析」はなぜ大切なのか。▼「就職活動」「自己分析」という言葉の意味についてはこちら▼参考:参考:就活界では、このように誰もが言うような言葉の数々が"マジックワード"として蔓延っています。人をあたかも魔法のように思うように動かすことができるキーワード。主に意味が曖昧で、使う側の思想によって便利に扱うことが出来る言葉や幅広い意味を持つ呼称(特に蔑称)を指して呼ばれている。参考:マジックワードとは-はてなキーワードマジックワード(magicword)とは、直訳すると文字通り「魔法の言葉」です。魔法といってもいわゆる呪文・おまじないのような話ではありません。ここではマジックワードを、「本来その言葉が持つ意味が形骸化され、汎用性が高く逆に意味がありそう(だがよくわからない)に捉えられる、魔法のように用いられる悪い意味で利便性が高い言葉」と定義付けることにします。マジックワードは、「とりあえずその言葉を使っておけばいいだろう」ぐらいに認識され、思考停止状態で用いられることが多い点に問題があります。この性質から、例えば後輩から「就活って何をやればいいですか?」と尋ねられたときに、「とりあえず自己分析だよ」と意味もわからず返すようなやり取りがしばしば発生しているのだと思われます。特に就職活動では面接で「深堀り」と呼ばれる言葉の背景や意味を探る問いかけがなされるため、マジックワードを並べることには問題が多いものだと考えています。以下では、その代表的なものを紹介します。就活界のマジックワード1:「ホワイト企業」近年、有名企業の若手社員の過労死問題・政府の働き方改革の推進・業務効率化のノウハウの普及などにより、社員を酷使するブラック企業への反発やワークライフバランスへの関心が高まってきているように感じます。これより、ブラック企業=悪・ホワイト企業=善といったような風潮が生み出され、就活生の間でも"ホワイトさ"を軸として企業選びをしている層が一定数存在しています。もちろん、従業員を酷使して過労死に追いやったり、法令に違反するような労務管理をしている企業は、当然絶対的な悪として判断していいものでしょう。では、逆に「ホワイト企業」とはどういった企業を指すのでしょうか?・給料が高い・適正な人事評価・休みが多い・人間関係が良好・定時で帰れる・やりがいのある仕事ができるこれらの例に共感できる人もいれば、「それは違うのでは」と否定的な項目がある人もいるでしょう。一般に、ホワイト企業はワークライフバランスと紐づいて語られがちであり、残業の少なさや有休消化率といった労働時間を基準としたイメージを持つ方が多いと思っています。全ての社員にとってホワイトな企業なんて無いんだってよく分かったよ。無能は無能らしい就職をしろってね。参考:ホワイト企業だったら良いですね。一方、定時帰りや有休消化率100%といった誰もがうらやむような労働環境の企業であっても、この文が示唆するように、それが「自分にとって」ホワイトであると結論づけられるかは定かではありません。この動画の主人公のように、基幹職から外れたことを「会社の中心から外された」と悲観的に考える方もいるでしょうし、温い職場環境をホワイトなものとして好意的に考える方もいるでしょう。また、仕事内容云々よりも定時退社ばかりに目を向けているようでは、実際に働いた際のやりがいの欠如や、貴重な若手のうちにスキルが身につきにくくなり、結果的に一企業に依存する。すなわち、「つまらない」仕事をする「使えない人材」として、長期的に見ればワークライフバランスの取れた生活から外れてしまうという推測もできるでしょう。企業側もアピールを進める"ホワイト感"今や採用HPや就職四季報に限らず、転職サイトや掲示板等でも(真偽は別として)労働環境に関する情報はあらゆるところで入手することができます。こうした学生の関心の高さも相まって、最近では合同説明会や個別説明会でも自社の平均残業時間といったデータを開示し、自社の"ホワイトさ"をアピールしてくる企業は増えている印象があります。就活界のマジックワード2:「裁量が大きい」「若いうちから大きな仕事を任されたい」という考え方を持つ就活生は毎年一定数いると思っています。恐らく多くの方が「裁量が大きい」という言葉をこのような意味で用いているのではないでしょうか。特にベンチャー気質のある企業においてこの言葉はマジックワードとして用いられることが多い印象を受けます。では、「大きな」仕事とはこの場合何を指すのでしょうか。スケールの大きい仕事。ではスケールとは何で図られるのか...「裁量が大きい」という言葉は、先ほどの「ホワイト企業」と似たように、大きいことが良しとされ、小さいと「自分の意見や考えが反映されにくく責任のある仕事を任せてもらえない」といったように語られることが多い気がしています。参考:この記事でも述べたように、例えば「裁量」を「扱う金額の大きさ」と定義すれば、ベンチャーよりも大手企業の方が満たされる可能性が高いわけであり、裁量権が大きい=ベンチャーという短絡的な考え方は改めるべきでしょう。「若いうちから大きな仕事を任されたい」は何もベンチャー志望者だけが考える言葉ではない一方、日系大手企業の場合でも、「若いうちから任せられる」という言葉を採用メッセージとしてアピールしている企業も一定数存在しています。自分は学生時代の経験にやりがいがあり、その経験に繋がる軸を用意していました。「1点目は若手から大きな仕事を任される企業です。2点目は様々な人々と関われる企業です。3点目はグローバルな環境の企業です。」というように答えたところ、1点目の軸に対して面接官からは「若手って何年目までのこと?」「大きな仕事って具体的には何?」「若手の時に1人で中くらいの仕事をするのか、中堅の時に大きな仕事をするのかでも前者が良いの?」「大きな仕事が任されないと嫌なの?」というような質問が返ってきました。参考:例えば某日系大手素材メーカーであるA社ですが、上記のようにESで短い文言で記載した企業選びの軸について面接で厳しく深堀りがなされるようです。このように、裁量権や若いうちから任せられるという言葉について考えるべきなのは何もベンチャー志望者だけではありません。中長期的なキャリアパスを描くことが多い日系企業の場合は、「若いうちから」というだけで無く、その後中堅・ベテラン社員になったときについても自分がどういった働き方をしたいと考えているのかを整理しておくべきでしょう。就活界のマジックワード3:「風通しのいい会社」「風通しのいい会社」という言葉も、先ほどの「裁量が大きい」と並んでしばしば"いい会社"の特徴として用いられることがあります。こちらも人によって定義が分かれますが、一般には「自分の意見を発信できること」が条件となることが多い気がしています。特に新卒就活の場では「若手の意見も積極的に採用してもらえる」という意味を含むことも出て来るでしょう。また、もう少し広い意味で「人間環境が良好な職場」というイメージを持たれるケースもそれなりに多いと思っています。「風通し」については、二項対立では無く「いい」という表現であることに問題があるのかもこれまで見た2つのマジックワードは、ホワイト⇔ブラック・大きい⇔小さいといったような二項対立の言葉を含む一方、「風通し」については「いい」⇔「悪い」という優劣的な文言である点は一部問題なような気もしています。先ほどのA社の深堀りのように、企業選びの軸を選定する際は二項対立で判断することが有効です。参考:「風通し」という何だか爽やかな文言が「いい」のであれば「いい方がいいに決まっている」わけであり、漠然とした好意的なイメージからマジックワードと化してしまっているのかもしれません。しかし、意見を述べるにも評価するにもやり取りが発生する中で、「とりあえず意見を言えば聞いてあげる」といったような姿勢はコスト的に無駄になることもあるでしょう。「風通しがいい」環境においては、「全く理にかなっていない意見」「背景を全く鑑みていない意見」といったようなものもとりあえず発言しようという考えが生じ、建設的な議論を阻害する一因となる可能性も考えられます。(もちろん、「何を言ったか」よりも「誰が言ったか」ばかりが重視される環境はそれもまた問題でしょうが)「風通し」の場合でも、結局のところ「いい方がいいか」についてはその定義付けや職場での活用のされ方に依存するものであり、絶対的な価値としてマジックワードとして用いることは(企業側も学生側も)賢明な判断とは言えないでしょう。就活界のマジックワード4:「部署による」さて、ここまでは企業側が出す採用メッセージや学生の軸に関するマジックワードが並びましたが、4つ目はやや登場のシチュエーションが異なる言葉になります。ここまでのマジックワードを採用担当、もしくはOB訪問や座談会で現場社員に尋ねたとき、「ここの会社って残業多いって本当ですか?」(ホワイト企業)「若手でも任せてもらえる社風ですか?」(裁量が大きい)「職場の皆さんで飲みに行かれたりしますか?」(風通しのいい会社)(これらの質問が適切かどうかは別として、)恐らく多くの社員は答えるでしょう。「うーん、まあ部署によるかな」。YesともNoとも答えない、学生側からしたら歯切れが悪いとも捉えられる回答。とりあえずこう言っておけばいいだろうぐらいな回答とも感じうるため、面談界のマジックワードとして機能している言葉という考えも生じると思います。「部署による」のはだいたいが"正解"では、なぜ多くの社員の方は学生からの質問を「部署による」で済ませるのか。答えは簡単で、会社全体の傾向を問う質問は、本当に部署によって回答が異なることが多いためです。新卒採用において、総合職の一括ポテンシャル採用をすることが多い日系大手企業。メガバンクのコース採用や伊藤忠商事の先決め採用といった例もあるものの、基本的には入社するまで自分が実際にどのような業務に携わるのかはわからないものです。そこでは、部署・勤務地・職種などが異なれば同じ一企業内でも組織風土が異なることから、「部署による」という回答はだいたいの企業で当てはまるある種妥当なものと言えるでしょう。大方の人が「他の銀行で働いたことがないからわからない」といって答えが終了するので、実は無意味な質問の一つとのことです。みずほFG人事部採用総括次長のインタビューでもそのように語られています。ちなみにですが、質問の仕方を変えて、「なぜ今の銀行を選んだのか」だと、ある程度的を得た答えが返ってくることが多かったです。参考:結局、人事であろうとOB訪問先の社員であろうとあなたの先に入社した先輩に過ぎず、自分が実業務で携わったところ以外のことを聞かれても正直わからないものです。まして上記のように同業と言えども社外のこととなれば尚更でしょう。社員は企業のことを何でも知っているわけではないことを認識することが、質問力向上のための第一歩として重要であり、何よりそれがお互いのためでもあることは認識しておいてもらえたらなと思います。企業理念にも敏感で、企業理念の素晴らしさを面接で語ってしまったりします。実際に中で働いている人が自社の企業理念を知っているかというと必ずしも知っているとは言えなかったりするんですが、ガンジー就活生は企業理念を全ての社員が胸に刻んで働いていると考えてしまいがちです。参考:OB訪問をする際は「部署による」ことを前提とした準備をすべき「」でも述べた通り、OB訪問を学生・OB双方にとって有意義なものにするためには「仮説を持つ」ことが重要です。本記事ではこの仮説=志望動機・学生時代頑張ったこと・自己PRについて自分なりの答えを用意することであると書かれています。そしてその仮説をもとにOBへ質問をする際も、相手の所属部署といった経歴に沿って検証がしやすい問い方をすることが必要になるでしょう。「相手の立場に立つ」というのは就活界でも学生側がしばしば語る文言ですが、実際にそれが行動として出来る人は案外少ないものです。(ある種これもマジックワードかもしれません)相手意識を保つことはビジネスパーソンとして求められる基本的な素養でもあり、明らかに「部署による」で終わってしまうような質問を避けることはその一要素になり得ると考えます。就活界のマジックワード5:「トータルソリューション」就職活動への意識が高い学生が目指す典型的な業界として挙げられる外資系コンサル・外資系投資銀行。特に前者の中でもBCG・マッキンゼーといった戦略コンサルと呼ばれる立ち位置の企業は採用数も非常に少なく、最上位の学生のみが内定を勝ち取る企業群とされています。しかし、この"戦略コンサル"という言葉について、近年変化が生じてきているようです。参考:「パワーポイントで奇麗にまとめた提案資料をクライアントに発表する」といったいわゆるコンサルタントとして思い描かれがちなイメージとは離れ、近年はその実行部分まで携わるビジネスモデルに戦略コンサルと呼ばれる企業も移行しつつあることが指摘されています。これまでの戦略コンサルのビジネスでは、"机上の空論"として世の中のニーズからはずれていっているのかもしれません。そんな戦略策定部分にしか携わらない従来型の戦略コンサルと比較して、実行まで一気通貫で携わることを「トータルソリューション」と呼ぶことがあります。システム開発において、自社は要件定義・外部設計といった上流工程のみ行い、コーディングを始めとした製造部分の多くは協力会社にほぼ丸投げする。こういったありがちな産業構造とは逆の考え方にあたるのがこのトータルソリューションになります。「何でもやります」こそが最高だという風潮このように、案件に一部分しか携わらないよりもフルラインで携わることこそが善であり、「自社で何でもやる」という姿勢が正しいような風潮は少なからずあると思っています。例えば、高い技術力からクライアントへ多様なソリューションを提供できるといったことは強みとして示すには妥当性があるでしょう。IBMは世界最大手のIT企業として約170カ国にわたるグローバルネットワークを有し、さらに長年蓄積されてきたノウハウや製品を保持しています。そのため、顧客の課題を解決する「武器」を多く揃えており、コンサルタントからすればクライアントに提案できる解決策の幅が広くとてもありがたいことだと思います。参考:しかし、近年の業界の流れを見ていると、必ずしも携わるフェーズが多ければ多いほどよいというわけにはいかなくなってきているように感じます。システム開発においては今や利便性の高いパッケージが数多く存在しており、ハードの手配云々から始めるオーダーメイドの提案が効率性に欠けることは想像に難くないでしょう。世界的な技術力の進歩などにより業界として競合性が増す昨今。顧客が求めるものも当然変化しており、オーダーメイドかつ高品質なサービスというよりは、コスト削減や一部分に限定したピンポイントな機能へのニーズが高まってきている傾向にあるとも指摘されています。三菱商事がひとつに連なったバリューチェーン構築(例:「飼料の生産→鶏肉の生産→鶏肉の加工→ケンタッキーなど小売流通」の流れをすべて支配する)に長けるのに対して、伊藤忠商事は既存事業とのシナジーが見込める優良ビジネスをピンポイントで「点的支配」している(例:傘下にファミリーマートを持っている→レジ決済を強化するために決済サービス会社を買収する)、という指摘です。参考:また、この話は何もSIerに限ったものではなく、上記のように例えば総合商社の間でも業界内で「どこまで携わるか」によって立ち位置が異なることなるという指摘もあります(「何でも(全部)やります」の三菱商事・「これだけやります」の伊藤忠商事といったところでしょうか)。これを見ても、「一連の流れに携わる三菱商事は善だが、一点に集中して携わる伊藤忠商事は悪」という考え方にはまずならないでしょう。富士通やNECに代表されるような、自社でハードの製造とシステム開発も行い合わせて販売するようなビジネススタイルは、今後も落ち込んでいくという指摘が広くなされています。クライアント側も情報化社会の波やシステム回りの発注選択肢が広がっていてきていることを受け、「とりあえず富士通に全部任せておけば安心」といったような考えには至らなくなってきているのが市場の流れとして指摘できるでしょう。コスト削減や納入までのスピード感が高まっていけば、アジャイルやプロトタイプモデルといったクライアントからの要望変更に対応しやすい開発手法の割合も高まる可能性も考えられます。SIer志望者の方は、以下のようにトータルソリューションを志望理由の一つとして挙げる際にも、「なぜ自分がトータルソリューションがいいと考えたのか」について、先述したデメリットも考慮しつつ考えておくべきでしょう。私がビジネスコンサルタント職を志望する理由は二点あります。一点は戦略から実行までというトータルソリューションを提供できるという点です。私は戦略だけに留まらず、クライアントの課題解決に最後まで立ち会うことこそコンサルタントの在るべき姿と考えます。もう一点は幅広い業界と関わることで課題に対して多角的な視点を得られるという点です。クライアントに最適解を提供するためには幅広い知識が必要であると考えます。参考:アクセンチュア【内定】エントリーシート(ビジネスコンサルタント)今回のようなコンサルタントやSIerに限らず、世の中の動きやクライアントからのニーズが変われば求められるビジネスモデルも当然変化していくことになります。「『良し』と言われているから良し」ではなく、自身の価値観や市場動向などと照らし合わせながら、「良しの理由」について気づきを得るきっかけとしていただければと思います。おまけ:就職後もつきまとうマジックワード上司:「自分で考えて」顧客:「認識の相違が...」今回は就職活動にまつわるマジックワードについて紹介していきましたが、実際にはビジネスの世界でもマジックワードが蔓延っている組織というものは存在しています。「自分で考えて」と言っておけば、とりあえず自分ボールの状況を脱せるほか、相手方の当事者意識の欠如を指摘するといった教育的側面も「ありそう」(だが実際は自分がわかっていないだけ)というような話です。また、最近ではよくメディア上でもネタ話として取り上げられていますが、本来日本語でも表現できる言葉を横文字で表現することで、あたかも凄そう/賢そうな雰囲気を出すこともあります。コンセンサス・ビジョン・プライオリティ・アグリー・イニシアティブ辺りがその典型でしょうか。最後に「」でも述べたように、エントリーシートの書き方を習得するには、まずは先輩たちの中で評価されたものを真似るような形で記述してみることが有効と考えています。とは言え、なぜそれが評価されているのかを理解しないまま思考停止で何となく写すだけでは意味がありません。これはマジックワードを用いる際にも近しいことが言えると思っています。本来"魔法の言葉"だったものが、気づいたときには空虚な言葉になっていた。そんなことがないように、「正しい」とされる事柄に疑いを持つように。魔法ではない、地に足のついた言葉で自分の魅力を伝えられる就活生になる第一歩として、本記事をご活用いただければと思います。なお、就職活動に不安があるという方には就職エージェントneoがおすすめです。アドバイザーからは、自分の就活の軸に合った企業選びを手伝ってもらえるだけでなく、その企業のエントリーシート・面接といった選考対策のサポートを受けることができます。少しでも興味のあるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。 53,426 views
就活サイトunistyle(ユニスタイル)の使い方を徹底解説。日系大手内定に近づく5つのサービスの特徴を紹介 就活サイトunistyle(ユニスタイル)の使い方を徹底解説。日系大手内定に近づく5つのサービスの特徴を紹介 本記事では就活サイトunistyle(ユニスタイル)の特徴や便利なサービスを紹介します。就職活動に役立つサービスばかりですので、ぜひ最後までご覧いただき、uniatyleを最大限ご活用ください。本記事の構成就活サイトunistyleとはunistyleの特徴を紹介先輩就活生のESを参考にしたいあなたへ。内定者のES約7万件が読み放題└使い方└就活が終わったらESを投稿してお小遣い稼ぎも就活はスケジュール管理が大切!大手企業約1000社の締切情報一覧└使い方リアルタイムに情報交換!累計24万人の就活生が利用するオープンチャット└オープンチャット一覧はこちらから「魅力的な自己PRの書き方」など就活対策記事1500以上が読み放題└使い方:テクニック記事└使い方:コラム記事スマホでより便利に就活!unistyleアプリ最後に就活サイトunistyleとはunistyleでは就活生を対象に先輩のESや締切情報といった就職活動に役立つコンテンツを提供している就活情報提供メディアです。そんなunistyleは年間約10~11万人の就活生、2023年度就活生の約5人に1人が登録しており、HR総研と楽天みん就が2022年卒学生を対象に行った調査では学生が利用した就活サイトのランキングにて9位にランクインしました。HR総研×楽天みん就:2022年卒学生の就職活動動向調査(6月)結果報告【就職活動編】unistyleの特徴を紹介ここからはunistyleが提供するサービス別にunistyleの特徴を紹介していきます。サービスの特徴だけでなく使い方も紹介しているので、「先輩のESが見られるのは知っているけど、効率的な調べ方が知りたい」といった方は是非参考にしてください。注意本記事で紹介しているサービスの利用にはunistyleの無料会員登録が必要となります。まだお済みではない方は以下から会員登録をお願いします。会員登録はこちら先輩就活生のESを参考にしたいあなたへ。内定者のES約7万件が読み放題ES・選考レポートは上記画像をクリック(会員登録が必要です)まずは「ES・選考レポート」です。先輩就活生が投稿してくれた実際のESや体験談を読むことができるサービスです。選考通過したESをご自身のES作成時に参考にしたり、自分と似たような経験について書いているESを読んで文章構成の参考にしたり、と選考に活用できます。就職活動ではインターンから本選考までたくさんのESを作成することになるため、unistyleのES・選考レポートは効率的なES作成に一役買うでしょう。現在たくさんの就活生に投稿していただき、約7万件を読むことができます。投稿されているのは「ES」「選考レポート」「インターンレポート」の3書類です。ES選考通過したエントリーシートが読めます。選考レポート面接やグループディスカッションなど、企業の選考で聞かれたことや雰囲気を就活生目線でまとめています。※内定者あるいは最終選考到達者のみが投稿できます。インターンレポート企業のインターンの様子を実際に参加した就活生がまとめています。選考内容、インターンの内容や雰囲気、その後の本選考への影響など参加しないと分からないような情報もチェックできます。使い方※以下ではスマホの画面で使用方法を案内します。まず、unistyleのトップページからES・選考レポートのページに移動します。検索画面では業界、ESの種類、キーワードの3つから求めるESを絞ることができます。キーワードではESやレポートに使用されている文言を検索できるので、自分の求めるESをピンポイントに見つけられます。検索結果は上記のように一覧で表示されます。投稿者の卒業年度、性別、職種、内定したかどうか、も分かるので、参考にするESを詳細に吟味することができます。就活が終わったらESを投稿してお小遣い稼ぎも上記で紹介した先輩就活生のESは誰でも投稿できます。投稿したES・選考レポートの謝礼として最大1000分のAmazonギフト券をお渡ししているので、就職活動後のお小遣い稼ぎの1つとしてもご利用いただけます。皆様が作成したES・選考レポートを未来の就活生の道しるべ、そして頑張ったあなたへのご褒美に代えてください。以下の記事ではunistyleにES・選考レポートを投稿する手順を解説しています。気になった方は是非ご一読ください。参考記事就活はスケジュール管理が大切!大手企業約1000社の締切情報一覧締切選考情報一覧は上記画像をクリック(会員登録が必要です)続いては締切・選考情報一覧です。大手企業のインターン・本選考の締切情報が一覧でまとまっているため、一社毎に調べることなく効率的にエントリーする企業を増やせます。就職活動は短い期間でたくさんの企業にエントリーするため、スケジュール管理が肝心です。締切・選考情報一覧を使うことで締切情報を効率的に手に入れ、スケジュールを管理できます。また、一覧でみることが新たな企業との出会いのきっかけにもなります。就職活動では知っている企業や業界を中心に受ける人が多いため、締切を過ぎてから優良企業の存在を知る、ということもあります。締切・選考情報一覧を使うことで締切に間に合う企業との出会いを広げられます。使い方まず、unistyleのトップページから締切・選考情報一覧のページに移動します。検索画面では対象卒業年、カテゴリ、業界から条件を絞ることができます。カテゴリでは本選考、インターン、説明会・イベント、合同説明会・イベントから選ぶことができるので、自分の興味のある募集を選べます。検索結果は上記のように一覧で表示されます。上記では締切順に並べていますが、新着順に並べることも出来ます。一覧を見て興味を持った募集はタップして詳細を見ることができます。詳細情報では開催日時やインターンの内容、開催場所など企業が発表している情報を見ることができます。「エントリーする」を押せば企業サイトに移動できるので、直接エントリーが可能です。効率的なエントリーに是非お役立てください。リアルタイムに情報交換!累計24万人の就活生が利用するオープンチャットunistyleのオープンチャット一覧は上記画像をクリック次に紹介するのはunistyleが運営する就活生向けLINEオープンチャットです。LINEオープンチャットとはLINE株式会社が運営しているサービスであり、匿名で参加できるチャットサービスです。unistyleでは就活生向けに志望企業別、大学別など600以上の様々なグループを開設しています。面接の設問などの選考情報や、OB訪問をして得た企業情報など、グループごとに他では得られない様々な情報をリアルタイムに知ることができます。就活仲間を作るもよし、情報収集に用いるもよし、共通点のある匿名の就活生同士だからこそできる会話ができるのはここだけです。是非用途に合わせたグループに参加してみてください。オープンチャット一覧はこちらから以下にはオープンチャットの参加用URLが一覧で表示されているページを掲載しています。オープンチャット一覧はこちら志望業界、大学別、職種別などのLINEオープンチャット一覧をご覧になりたい就活生はこちらから志望企業別グループ①はこちら志望企業別のLINEオープンチャット一覧をご覧になりたい就活生はこちらから┗コンサル・商社・金融・不動産・インフラなど志望企業別グループ②はこちら志望企業別のLINEオープンチャット一覧をご覧になりたい就活生はこちらから┗メーカー・広告・マスコミなど「魅力的な自己PRの書き方」など就活対策記事1500以上が読み放題テクニック記事を読む方はこちらコラム記事を読む方はこちら続いて紹介するのは就活対策記事です。業界・企業研究、ESの書き方、面接の受け答え…就職活動では頭に入れなくてはいけないことがたくさんあります。unistyleの就活対策記事では「魅力的な自己PRとは」のような選考対策、「広告業界大手3社を徹底比較」といった企業研究に役立つ記事から、「自由な服装でお越しくださいって結局スーツと私服どちらが正解なのか?」のような就活にまつわるコラム記事、企業の方へのインタビュー記事など2500以上の記事があります。ESの設問に困ったときなどはもちろん、就活の合間の読み物としても利用してみてください。使い方:テクニック記事unistyleの記事は就職活動のノウハウやテクニックを紹介する「テクニック記事」と、企業の方へのインタビューや実体験に基づいた就活の情報などをお伝えする「コラム記事」の2種類があります。以下ではテクニック記事について紹介します。まず、トップページからテクニック記事のページに移動します。テクニック記事は「自己分析」「エントリーシート」のように記事がカテゴリ分けされています。このカテゴリから自分の興味のある記事を探すことができます。以下ではカテゴリごとのおすすめ記事を紹介しています。是非読んでご自身の就職活動に活かしてください。就活スケジュール(カテゴリ一覧はこちら)おすすめ記事:自己分析(カテゴリ一覧はこちら)おすすめ記事:企業研究(カテゴリ一覧はこちら)おすすめ記事:OB訪問・リクルーター(カテゴリ一覧はこちら)おすすめ記事:エントリーシート(カテゴリ一覧はこちら)おすすめ記事:Webテスト・筆記試験(カテゴリ一覧はこちら)おすすめ記事:グループディスカッション(カテゴリ一覧はこちら)おすすめ記事:面接(カテゴリ一覧はこちら)おすすめ記事:内定から入社まで(カテゴリ一覧はこちら)おすすめ記事:働き方・キャリアを考える(カテゴリ一覧はこちら)おすすめ記事:使い方:コラム記事次にコラム記事の使い方を紹介します。まず、トップページからコラム記事のページに移動します。検索画面では自分の知りたいキーワードを入力すると該当する記事が一覧で表示されます。スマホでより便利に就活!unistyleアプリアプリのインストールは上記画像をクリックunistyleでは上記で紹介したブラウザ版だけでなく、アプリ版もご用意しています。アプリ版では上記のサービスがすべて使えるのはもちろん、気になった記事やESを保存していつでも確認できます。また、お気に入り機能を使えば企業の情報にも素早くアクセスできます。最後に本記事では就活サイトunistyle(ユニスタイル)の使い方や特徴を解説しました。是非、unistyleを最大限活用し、ご自身の就職活動に活かしていただければ幸いです。参考記事 15,130 views

現在ES掲載数

77,622

すべて見れる

上に戻る

会員登録・ログインして全てのコンテンツを見る

無料会員登録