「社会に貢献したい」「コミュニケーション能力がある」実は面接官から評判が良くない面接用語集

39,596 views

最終更新日:2023年11月15日

「社会に貢献したい」「コミュニケーション能力がある」実は面接官から評判が良くない面接用語集

「社会に貢献したい」「コミュニケーション能力がある」面接でこのような表現を使っていませんか?

多くの就活生は面接官に少しでも良く聞こえる言葉を選択し面接に挑んでいると思います。

しかし上記で述べた「社会に貢献したい」「コミュニケーション能力がある」などの言葉は、実は面接官からの評価を下げてしまっている可能性があります。

今回は面接官にマイナスなイメージを持たれないようにするためにも、面接で言ってはいけない言葉を「志望動機」「自己PR」「逆質問」の3つに焦点を当てて紹介していきたいと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

面接で言ってはいけない言葉~志望動機編~

御社の将来性に惹かれて

一見、聞こえよく感じるかもしれませんが、企業が志望動機を聞く理由は、「自社への志望度を知りたい」「入社の際のモチベーションを知りたい」の2つです。

そのため、「御社の将来性に惹かれて…」では、モチベーションを伝えることができていないため、良い評価を得ることは難しいでしょう。

企業の魅力を述べるのは構いませんが、それに加えて入社の際のモチベーションについて伝えることも忘れないようにしてください。

福利厚生が良いから

上記も先程の「御社の将来性に惹かれて」と同様で、その人のモチベーションや志望度が伝わりません。福利厚生は働く上で重要なものですが、志望度やモチベーションを伝える場で福利厚生について話すのは適切ではないでしょう。

企業の制度についてではなく、入社したら何をしたいか(目標)、なぜそのような目標を設定したのかなどといった仕事面での志望動機を書くようにしましょう。

成長させてくれるから

成長というワード自体は悪くありません。ここでのNGポイントは「させてくれる」です。

「させてくれる」と言ってしまうと主体性がないと思われてしまう可能性が高いです。

志望動機では、どんなことを企業で成し遂げたいか、働く上ではどんなことをしたいのかをしっかりと伝えることが重要となるため、受け身の言葉ではなく、「〇〇をしたい」など、自発的な言葉で伝えるようにしましょう。

御社のサービスや製品が昔から好きで応募しました

上記は、お客様目線を持つことができているため企業側も業務上メリットがあります。

しかし志望する理由が「商品が好きだから」だけはNGです。

なぜならば、「利用する側」と「提供する側」の立場は異なるからです。いつまでも利用する側の立場から切り替えられない人材は企業にとって必要ありません。

そのため志望動機を作成する上では、提供者側の視点から入社後企業にどのような貢献ができるのかをプラスで伝える必要があります。

○○の仕事で一から学びたいと思いました

上記だけでは企業からすると物足りません。学ぶ姿勢は大切ですが、企業が求めていることが企業に貢献してくれる人材であるため、「学びたい」で終わるのではなく、貢献できるという点もしっかりアピールするようにしましょう。

キャリアアドバイザーに紹介されて応募しました

上記は自分の意志が伝わりにくいです。企業側からしても本当に志望しているのか分かりにくく、マイナスなイメージを持たれてしまう可能性があります。

たとえキャリアアドバイザーを通していたとしても、その会社を選ぶにあたって興味を持ったきっかけや理由はあるはずなので、自分の考えをしっかりと伝えるようにしましょう。

日本の存在感を高めたい

志望動機は実体験に基づいていないと評価されるのは難しいです。

例えば「〇〇により日本の影響力が世界で下がっている。~~。そのためこのような事態を解決するような仕事がしたい。」

一見上記のような文章は論理的かもしれませんが、これには実体験が一切含まれていないため、あまり良い文章とは言えません。

実際、「日本の存在感を高めたい」という志望動機で内定する人は多いのですが、この志望動機で内定を得ている人は、留学や海外経験、研究など実体験をもとに語っているため評価されているということを忘れてはいけません。

社会に貢献したい

上記は志望動機でよく使われるワードではないでしょうか。しかしこれもあまりオススメできません。

なぜなら、社会に貢献したいということだけでは、全ての仕事が当てはまってしまうからです。

志望動機で「社会に貢献したい」と書く際は、どんな顧客に対しどのように貢献したいのかより具体的に伝えることを意識するようにしましょう。

まとめ

志望動機でアピールすべきことは以下の2点です。
●企業への志望度
●入社の際のモチベーション


上記2つを論理的に伝えることで、面接官に「だから弊社を志望しているのか」と思ってもらうことが重要です。

参考:【例文6選】エントリーシート(ES)の志望動機の書き方!独自調査を基に人気業界ごとに解説

面接で言ってはいけない言葉~自己PR編~

コミュニケーション能力には自信があります

そもそも、面接自体がコミュニケーション能力を測っている場であり、わざわざ言わなくても面接を通して確認できる能力になります。

そのため、面接官の質問に対する回答でコミュニケーション能力をアピールするようにしましょう。

短所はありません

面接官が短所を聞く理由は「自分の短所を客観的に判断できているか」です。

ここで短所を答えられないと、自己分析がしっかりと行えていないと判断されてしまうことがあります。

また短所がないということは改善しようとする意志が見られないため、成長欲求がないと判断されます。

面接官は短所を聞くことで「短所をどのように改善しようとしているか」を見ているため、自分の短所を踏まえた上で意識していることを答えられるようにしておきましょう。

いろいろorさまざま

これらは非常に便利で意識していなければつい言ってしまう言葉ですが、面接官からすると何も伝わってきません。

面接官としては、その「いろいろ」「さまざま」について具体的に聞きたいと思っています。

そういった表現を使ってしまうと、「論理的ではない」「表現力がない」「魅力が分からない」といった印象を面接官に持たれ、マイナスな評価をされてしまう可能性があります。

「さまざま」「いろいろ」といった表現ではなく、具体的な内容を伝えられるようにしましょう。

〇〇性があります

上記の〇〇性とは例を挙げると「社交性」や「協調性」になります。

なぜ社交性や協調性といったような〇〇性がNGなのか、それは人によって理解に差が生まれやすいためです。

面接では、短時間で面接官に自分のことを知ってもらわなければならないため、こういった抽象度が高いワードを使ってしまうと、うまく伝わらない可能性があります。

しかし絶対に使うなというわけではありません。面接官にも伝わるように、エピソードをしっかりと固めて話せば問題ないと思います。

まとめ

正しい自己PRをするために大切なことは以下の2点になります。
●企業のビジネスモデルを理解する
●企業がどんな強みを求めているか明らかにする


自己PRでは「企業にとって採用しなかったら損をする人材である」ということをアピールする必要があります。

参考:魅力的な自己PRの書き方と面接での効果的な伝え方|ES例文付

面接で言ってはいけない言葉~逆質問編~

質問は、特にありません

これは絶対にNGです。質問がないということは志望意欲が低い、深掘りができていないと評価されてしまう可能性があります。

逆質問では、企業に興味がある姿勢を示すべきであるため、何らかの質問はするようにしましょう。

逆質問は事前に考えておくことが必要です。それでも逆質問が浮かばないという学生は、面接内容を振り返って考えてみるのも一つの手段であると言えます。

どんな研修が受けられますか

上記の質問では、主体性がある印象を持たれることは難しいと思います。

企業に頼りたい、手取り足取り教えてほしいなどといった主体性に欠ける質問をすることは逆効果になってしまう可能性もあるため、注意が必要です。

先程も述べたように、逆質問では志望度が高いことを面接官にアピールしましょう。

今日の面接の評価はどうでしたでしょうか

この質問はできるだけ控えた方が良いでしょう。

なぜなら、企業側には面接結果を伝える義務がないからです。

自分の評価を求めるよりも、最後の最後まで自分を最大限アピールする方がより効果的だと思います。

どのような事業展開をしていますか

上記のようなHPを見れば誰でも分かる質問をしてしまうのはあまり良くありません。このような質問をすることによって、企業研究ができていないと評価されてしまう可能性が高いです。

企業研究ができていないということは、企業への関心が低いと捉えられてしまい、マイナスなイメージを持たれてしまうこともあるため、注意しましょう。

仕事内容について聞きたい時は、事業内容ではなく、もっと具体的な業務について聞くようにしましょう。

福利厚生や給料について教えてください

上記の質問をしてしまうと、仕事を条件だけで選んでいると思われてしまうリスクがあります。そうなるともちろん志望度も低く見られてしまいます。

また、福利厚生や給料についてはHPなどの募集要項に記載されているため、逆質問で聞くのではなく自分で調べるようにしましょう。

目標が達成できないとどうなりますか

目標達成に関して聞くことは悪くありませんが、このような聞き方はあまり良くありません。

この聞き方では、「初めから目標達成できないと諦めている」「ネガティブ」などといったマイナスの評価をされてしまうこともあります。

目標達成に関して質問したい場合は、前向きな印象も持たれるような聞き方を心がけましょう。

まとめ

企業が逆質問を通して見ているポイントは以下の2つです。
●企業への志望度
●基礎的なコミュニケーション力


つまり、逆質問では場の雰囲気や面接官の役職等から、今ここで何を質問するのが適切なのか見極められるか否かを見られていると言えます。

参考:【逆質問】面接でよく聞かれる逆質問の例文集

まとめ

本記事では面接で言ってはいけない言葉を紹介しました。

「これ良くないんだ」「このワード使ってた」など、意外とあまり良くない表現だと知られていなかった言葉もあったと思います。

今回紹介した面接で言ってはいけない言葉は絶対ではありませんが、なるべく使わないほうが良いでしょう。せっかく進んだ面接で、面接官にマイナスな印象を持たれてしまうのはとても勿体ないことだと思います。

面接対策をする際はぜひこの記事を参考にし、言葉選びをしてみてください。

こちらの動画では面接の全体像についてわかりやすく解説しています。

おすすめコラム 4 件

就活塾に対する疑問を就活塾経営者にぶつけてみた 就活塾に対する疑問を就活塾経営者にぶつけてみた 先輩や社会人、就活本、Webサイトなど就職活動のためのツールは複数あります。そうした中、その実態が分かりにくいものの一つが「就活塾」ではないでしょうか。就活本の購入などであれば数千円の費用で済みますが、就活塾では安くても数万円以上かかり相対的には高額となっています。大学受験の予備校代に比べればはるかに安い価格ではありますが、受験の点数のような定量的な指標が無いのが就職活動。利用に及び腰になるのも仕方ないのかもしれません。今回は、そんな就活塾について気になることを、これまで5年以上にわたり1,000名を超える学生に就活コーチングを実施してきた就活コーチ代表の廣瀬泰幸氏にうかがってきました。就活塾と聞くと「内容がよくわからない」「就活本に書いてあることを教えているだけで役に立たないのでは?」「本当に役に立つのか?」といったイメージを抱いている人もいるのが現実です。イメージの元となっている良くない就活塾が存在するのも事実なのでしょうか?—残念ながら役に立たない就活塾も存在していると思います。現在、関東圏だけで50以上の就活塾があります。学生さん相手の仕事のため参入障壁が低く、ノウハウの乏しい就活塾が生まれてしまうというケースが見られます。また、「ESの書き方」「グループディスカッションの仕方」「面接の受け方」など、ありきたりのテクニックを学生に教えるだけで、就活本を読めば十分といった就活塾もあります。併せて、よく広告に用いられる「内定率◯◯%」「トップ企業△△へ内定者輩出」という情報に関してですが、安易にそれを鵜呑みにすることは危険だと思っています。(1)受講生が何名いて、そのうち何人が内定を獲得したのか。→「内定率=内定数÷受講生数」として算出している場合、少数の学生が複数内定を得ているだけかもしれません。(2)いつの受講生の内定実績なのか。→何年も前の内定実績をあたかも直近の情報であるかのように掲載している場合もあります。それでは就活塾の良し悪しは、どのような観点から判断するのがよいのでしょうか?—まずは塾の歴史の長短です。3年未満は運営が軌道に乗っていない場合が多く、サービスの質にムラがあったり、いきなり事業をクローズするということもありえます。ノウハウの蓄積にも不安がありますね。次に、経営者の略歴とポリシーです。就活塾の経営母体は、現在のところ100%中堅・中小企業か個人経営です。従って、経営者の略歴やポリシーが明示されていない塾は要注意と言えます。それからやはり、講師の質です。講師の経歴の記載がぞんざいなところは悪い就活塾だと思っていただいて構いません。併せて、カリキュラムの質です。筆記試験対策など、そもそも対面指導の必要性が薄いものに無駄に注力していたりはしないか。論理性があるか。受講生1人1人に対して親身に対応する体制がとれているか。はとても大切なことだと思います。最後に、利用者の声です。就活塾サイドのメッセージは極端に言えば、何とでも書けるし言えます。本当に大切なことは、今までの受講生の感想です。利用者の声がないのは、論外だと思います。また、受講者の声が掲載されていても、元々優秀な受講生の声しか掲載されていなかったとすれば、要注意だと思っていただくのが賢明だと思います。正直なところ、就活塾にも向いている人と向いていない人がいるのではないかと考えています。どのような人が就活塾を利用することに向いているのでしょうか?—たしかに就活塾を利用するのにも向いている人と向いていない人がいるのも事実です。これまでの経験から、向いている人と向いていない人の違いは以下のようにあると考えています。(1)就活塾に向いている人まずは、学歴などのスペックはあっても、特筆すべき実績の無い学生さんは向いていると思います。「大学時代はゆるいサークルで友人とつるんでいたけど、どう自己PRすればいいのかわからない。そもそも就活って何をどう頑張ればいいの?」といった学生さんは、就活塾で努力の方向性を示されれば化ける可能性は大きいと思います。次に、勉強はよくやってきたけど、それをどう面接などでアウトプットすればいいのかわからない学生さんです。就活塾で場数を踏み、伝え方を学べば内定出来る可能性は高くなります。そして、自分がどういった業界や企業に適性があるのかよくわかっていない学生さんは、社会や企業をよく知っている講師が的確に導いてくれる可能性が高いですね。併せて、そもそも、自分に自信のない学生さんは、個人をよくみることができる講師が、その人が持っているいい点を気づかせ、伸ばしてくれると思います。(2)就活塾に向いていない人逆に向いていない学生さんは、「就活塾を利用する→内定獲得」と考えている学生さんです。「就活塾を利用する→本人が努力する→内定獲得」が正しい図式です。大学受験予備校でも、ただ何となく周囲が通っているから自分も、というタイプの人は良い結果を得られていないのではないでしょうか。また、元々素晴らしい経験をしていたり、地頭が優秀な学生でかつ、説得力を持って伝える力がある人は自力で十分良い結果が得られると思います。しかし、このタイプの学生さんは少数かもしれませんね。採用する側の企業から見た場合、就活塾などが面接ウケを良くするための小手先のテクニックや付け焼き刃的なスキルを指導することで、学生本来の資質や能力などを見えづらくしてしまい、本当に企業が求めている人材を獲得する妨げになってしまうという危険性はないでしょうか。—もちろん模擬面接などを通して、実際に内定を獲得できるように指導しています。顧客である学生さんや親御さんからお金をいただいている以上、顧客の成果にコミットするのは当然のことです。しかし、就活塾の本来のミッションは、学生さんのレベルを企業側の求める水準まで高めることだと考えています。現状、企業サイドからの視点に欠け、独りよがりの自己PR/志望動機を展開し、採用に至らないという就活生が多く見られることは、とても残念なことです。他方で、就職活動をサポートする側においては、小手先の就活テクニック指導に偏重していることも多いと言えます。しかし付け焼刃のスキルで通用する程、企業側が求めていることは浅くはありません。これらのミスマッチを解消させるべく尽力することこそ、就活塾の存在意義だと考えています。今回の話をまとめますと、一口に就活塾と言っても質にはばらつきがあるのが現状です。就活塾利用に向いている学生さんとそうでない人もいると思っています。塾の見極め及び自分自身の利用適性の見極めには無料相談を使うのがいいですね。支払うコストに見合ったリターンが見込めそうか、まずは一度相談してから判断してみてください。廣瀬さん、貴重なお話をありがとうございました。就活コーチ代表廣瀬泰幸氏慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、株式会社リクルート入社。大企業からベンチャー企業まで1000社を超える企業の採用と人材育成を支援。その後、一部上場企業の人事部採用責任者として年間500名の採用と人材育成を行う。2004年より、株式会社リンクアンドモチベーションの講師として、主として大企業の10,000人を超える社員に教育研修を実施。2010年株式会社オールウェイズを設立し、「就活コーチ」を主催。以降1,000名を超える学生に就活コーチングを自ら実施している。日本で初めて就活に誰もが成功するために「新卒採用基準の公式」(200点満点)をわかりやすく、具体的に定義。新卒採用基準=【「有能感」+「仕事力」×「表現力」×「就活スキル」+α。】「就活コーチ」のHPから、誰もが現在の自分の基準を自己診断できる。就活コーチへの就活無料相談はこちらからphotobyPhilRoeder 20,516 views
企業が奨学金を免除!?背景と注意点、導入企業を解説 企業が奨学金を免除!?背景と注意点、導入企業を解説 本記事では奨学金を利用して大学に通う学生が社会に出てから困ることがないよう、耳寄りな情報をお伝えします。本記事の構成奨学金について奨学金返済の支援が注目されている背景(学生側視点)奨学金返済の支援が注目されている背景(企業側視点)「奨学金返済支援制度」利用の際の注意点「奨学金返済支援制度」導入企業一覧(一部抜粋)さいごに奨学金について自分自身、もしくは周りの友達で奨学金を利用している学生はいませんか?独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)による調査では、大学(昼間部)に通う学生のうち、49.6%が奨学金を利用しています。しかし、それに伴い奨学金の返済に苦しんでいる人が多く出てくるようになりました。こうした中で、奨学金を肩代わりする企業が増えてきていることを知っていましたか?例えば、誰もが知っているトヨタグループでは、奨学金を実質無利息で支援する制度もあります。奨学金とは、国や地域、民間の団体が金銭面からサポートしてくれる仕組みです。奨学金には、大きく分けて2つの種類があります。返済義務のない給付型と、返済が必要となる貸与型です。本来、奨学金とは返済の必要のない給付型の援助のことです。しかし、現在は国の政策により、多くの奨学金の制度は貸与型となっています。現在、給付型は一部に限られ、9割が返済が必要な貸与型となっています。貸与型の場合、就職後の返済が条件となっており、学生は就職後、数年あるいは数十年かけて返済していかなければなりません。奨学金返済の支援が注目されている背景(学生側視点)最近、奨学金の返済への支援が学生と企業双方に注目されています。この支援が注目されている背景には様々な要素があります。その背景を学生側からお伝えします。学生側視点においては3つの要素があります。奨学金利用者の増加9割が返済必要な貸与型返済困難な実情奨学金利用者の増加奨学金返済支援が注目されている背景の一つに、年々、奨学金利用者が増えていることが挙げられます。奨学金利用者推移1996年5%↓2014年20%↓2016年50%1996年の奨学金利用者は大学生の5%でしたが、2016年には約50%にまで増加しています。つまり、大学生の2人に1人は奨学金を利用しているということになります。奨学金利用者が増えている理由として、中間層の所得が減少し、家計基準などの奨学金を利用する際の制限が緩やかになっているため、奨学金が身近なものになっていることが考えられます。9割が返済必要な貸与型奨学金利用者が増えていますが、一方で、返済が必須となる奨学金が増えているという現状があります。奨学金にはそもそも、大きく分けて2つの種類があります。返済義務のない給付型と、返済が必要となる貸与型です。本来、奨学金とは返済の必要のない給付型の援助のことです。しかし、現在は国の政策により、多くの奨学金の制度は貸与型となっています。現在、給付型は一部に限られ、9割が返済が必要な貸与型となっています。貸与型の場合、就職後の返済が条件となっており、学生は就職後、数年あるいは数十年かけて返済していかなければなりません。返済例Aさんの場合・貸与総額:384万円(月8万円で貸与)・貸与期間:2018年4月~2022年3月(48カ月)・貸与利率:0.23%→総額:393万円・返済期間:2022年10月~2042年9月(20年間)・返済額(月払いの場合):1万6千円/月計240回上記のような返済のイメージができていましたか?例えば初任給20万円で、手取りが17万円だった場合、家賃や光熱費で9万円、食費、通信費、日用消耗品費で約6万円、つまり月に使える自由なお金は2万円となります。2万円のうち、1万6千円が奨学金返済に使うとなると、恐ろしいですよね。参考:【初任給20万円の一人暮らしガイド】目安にすべき家賃の平均・必要経費・自由に使えるお金を徹底紹介もし、返済が滞ると滞納金の5%が遅延金として上乗せされ、3カ月滞納が続くとブラックリストに登録されてしまいます。ブラックリストに登録されると、返済後5年間はリストに名前が残り、ローンが組めない、クレジットカードが作れないなど、社会生活に支障をきたすため注意が必要です。返済困難な実情奨学金利用者が増え、返済必須の貸与型奨学金が増えていることと同時に、奨学金の返済に苦しむ若者が増えています。奨学金を借りている大学生は今や2人に1人。しかし、奨学金を借りても返せない人が増加、自己破産にまで追い込まれるケースが累計1万件以上にのぼっている。引用:“奨学金破産”の連鎖で一家破産!?上記の記事のように、奨学金返済に苦しみ、自己破産にまで陥っているケースも出てきています。返済が困難な若者が増えている理由として、学費の高騰と、無利子奨学金から有利子奨学金の激増の2つ挙げられます。まず、学費の高騰です。私立大学の授業料(平均)は1990年57万円から2016年81万円と約7割の上昇となっています。また、国立大学の授業料(平均)は、1990年の34万円から2016年54万円へと約6割上昇しています。国立大学でさえも、このように大きく学費が上がっており、安い学費で進学するのは不可能となってきています。参考:国立大学と私立大学の授業料等の推移文部科学省2つ目に、有利子奨学金の激増です。先ほど述べたように、貸与型の奨学金が9割を占めるようになっています。そして貸与型奨学金の中でも、無利子奨学金と有利子奨学金があります。以前は無利子奨学金が当たり前でしたが、国の政策によって有利子奨学金が激増し、2003年には有利子奨学金を借りる学生の人数が無利子奨学金を逆転しました。では、無利子奨学金と有利子奨学金の返済額の違いはどのくらいあるのでしょうか。例えば、貸与総額144万円の場合、有利子奨学金の返還総額は176万円(利子3%)となり、30万円以上返済額の差が生まれます。有利子奨学金は、年間約2万5千円多く払うこととなります。このように学費の高騰や、有利子奨学金の激増により、返済に対する負担が大きくなっていることで、返済が困難になっている若者が多くなっています。参考奨学金返済を肩代わりします…企業が人材確保へアピール奨学金を受けている学生の割合はどれくらい?第17回税制調査会奨学金が地獄と化しているのは昔の奨学金とは違うから大学・返還例ーJASSO奨学金返済の支援が注目されている背景(企業側視点)奨学金返済への支援が学生側で注目されている背景は多くありましたが、企業側もこの支援に関して注目しています。その背景として、大きく2つの要素があります。売り手市場による学生の集客難奨学金返済の支援に企業が注目する背景の1つ目に売り手市場が挙げられます。そのため、多くの企業は学生を集めることが困難となっています。そういった状況の中で、奨学金を肩代わりする制度によって学生を集められるようになっている企業が出てきています。例えば、株式会社クロスキャットが「奨学金返済支援制度」を今年発表しました。その結果、会社説明会の様子が一変したようです。「去年は回によっては10人も来ない日があり、しかも無連絡欠席もそれなりにありましたし。しかし、今年は満席表示が続いていますし、無連絡欠席は数人程度しか出ていません」引用:「奨学金返済」肩代わりする企業残高100万円まで出すところも今まで売り手市場により学生の集客が難しかった企業が、奨学金を肩代わりする制度によって、大きく変化することが分かります。転職率増加に伴う離職率増加への懸念売り手市場とともに奨学金返済の支援が注目されている背景に、転職率増加があります。転職率増加に伴い、企業が懸念していることは離職率です。しかし、奨学金を肩代わりする制度により、離職率を低下させることが可能となっています。仮に、奨学金の返済で苦慮する若手職員がいるとするなら、一定期間、奨学金の返済をサポートすることで、生活の質を向上させられます。そして、若手職員は月々の奨学金の返済を考えず日常業務に専念できるようになり、モチベーションや帰属意識が高まります。例えば、株式会社ノバレーゼでは、奨学金の返済支援制度を導入すると、支援対象者から支援制度がモチベーションになっているという声があがっています。「会社がこれだけ自分たちの事を思って、この制度を作ってくれたのであれば、会社に対しても貢献していきたいなっていうのは思いましたし、とても自分自身のモチベーションにはなりました」引用:増える企業の奨学金返済支援そのメリット・デメリットとは?このように、奨学金を肩代わりする制度は社員のモチベーション向上につながり、転職率増加という時代の中で、離職率低下に貢献しているのです。「奨学金返済支援制度」利用の際の注意点奨学金返済の支援が注目されていることもあり、奨学金を利用している学生にとって、企業が奨学金を肩代わりする制度は、目が向く制度だと思います。しかし、注意してほしいことが2点あります。在籍の縛り企業が奨学金を肩代わりしてくれる分、数年間の在籍を求めてくる場合があります。在籍への記載や説明がない場合は、人事に確認を取りましょう。給料からの天引きもしかしたら、支援制度と言いつつ、給料から天引きされる場合もあるかもしれません。給料から天引きされないか、確認しましょう。上記の2点について注意しながら、各企業の制度について、ぜひ調べてみてください。参考:奨学金を肩代わりしてくれる企業『奨学金返済支援制度』を導入している会社一覧「奨学金返済支援制度」導入企業一覧(一部抜粋)ここまで、奨学金返済の支援が注目されている背景や、奨学金返済の制度における注意点をお伝えしました。そもそも、奨学金支援制度とは、奨学金返済の経済的・心理的負担を軽くし、安心して仕事に専念してもらうための制度です。ここでは、導入している企業についてお伝えします。以下は、奨学金を肩代わりしてくれる企業「奨学金返済支援制度」を導入している企業一覧です。※一部抜粋大和証券グループ(証券)UTテクノロジー(IT)クロスキャット(IT)トヨタグループ(製造)ニフコ(エンジニアリングプラスチック製品)オンデーズ(眼鏡、製造販売)イズミ(衣料品、住居関連品、食料品等販売)ゆで太郎システム(飲食)ノバレーゼ(ブライダル)遠鉄グループ(鉄道)コヤマドライビングスクール(自動車教習所運営)サザビーリーグ(衣食住ブランド運営)現在、上記の企業が奨学金返済の支援制度を導入しています。では、上記の企業はどのような支援制度をおこなっているのでしょうか。いくつか制度の詳細をお伝えします。大和証券グループ大和証券グループは奨学金の返済義務がある社員を対象に、返済資金を無利子で貸し付けする制度を導入しています。返済の開始は、入社6年目からとなり、中田誠司社長は、制度を通じて若手社員の負担を和らげることで、「集中して業務に取り組んでもらいたい」と述べています。参考:若手社員の奨学金、立て替え払い大和証券が新制度トヨタグループトヨタグループは、理系女子学生対象の奨学金制度として「トヨタ女性技術者育成基金」を創設しました。トヨタ自動車ほかグループ企業10社のいずれかに入社すると全額、他の製造業なら半額を同基金が肩代わりして返済しています。参考:奨学給付プログラム|トヨタ女性技術者育成基金ノバレーゼウエディングプロデュースやレストラン運営などのブライダル関連の事業を手がける、東証一部上場企業のノバレーゼ。奨学金返済制度は、奨学金残高のある勤続5年と10年の社員を対象に、それぞれの節目に最大100万円、計200万円を支給しています。参考:福利厚生|ノバレーゼ新卒採用情報このように、企業によって奨学金返済の支援制度の内容は様々です。企業選びの一つの指標として、ぜひ調べて比較してみてください。参考奨学金を肩代わりしてくれる企業『奨学金返済支援制度』を導入している会社一覧奨学金返済を肩代わりします…企業が人材確保へアピール「奨学金」肩代わりが増加中企業、自治体が人手不足解消に導入さいごに奨学金を利用している学生のみなさん。卒業後、奨学金の返済はすぐに迫ってきます。就職活動の時期から、返済を視野に入れていく必要もあるかもしれません。今後も奨学金を肩代わりする制度を導入する企業が増えることが予想されています。このような視点も含めて、ぜひ就職活動してみてください。なお、就職活動に不安があるという方には就職エージェントneoがおすすめです。アドバイザーからは、自分の就活の軸に合った企業選びを手伝ってもらえるだけでなく、その企業のエントリーシート・面接といった選考対策のサポートを受けることができます。少しでも興味のあるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。参考記事 78,145 views
unistyleの記事をひたすら読み込んだ私が面接で無双した話 unistyleの記事をひたすら読み込んだ私が面接で無双した話 就活は情報戦、という言葉があります。内定者の選考体験・実際に働く社員へOB訪問・合同説明会への参加・Web上で検索したES設問・インターンを通した企業理解....。情報化社会と言われて久しい昨今、検索一つで得られるものから実際に足を運ばないと体感できないものまで、就職活動においてもあらゆる情報が飛び交っています。unistyleでも過去に以下のような記事で様々な情報源のパターンを紹介しています。参考:就活は情報戦!有名企業内定者が実践していた効率的な選考対策とは?当然ですが、それらの情報はすべてが正確なものとは言えません。"指針"と言われ就活生なら誰もが知る情報である経団連の「就活スケジュール」でさえ、形骸化し結局のところ(一応経団連としては)廃止の方向性にまとまっています。本記事は、「やっぱりリアルな社員の声が聞けるOB訪問って大事だよね」といったような、よくある教訓を提示するものではありません。就活生の皆さん、unistyleの記事を読み込みましょう。【本記事のアウトライン】▶就活における2つの情報▶「リアルな情報こそ至高」は本当か?▶unistyleの記事を読み込んだ私の体験談▶質を語るには、まずは量をこなすことから▶最後に就活における2つの情報冒頭で述べた通り、就職活動ではあらゆるソースから様々な情報を得ることになります。ここでは、そんな数ある情報を二つに分類して整理します。情報①:業界/企業に関する情報一つ目は、特定の業界・企業のみに適用される情報です。例としては、OB訪問先の社員の話・過去のES設問・インターン参加による本選考優遇有無・有価証券報告書等が挙げられます。こちらはもちろんIR情報のような企業HPを見ればわかるような情報もある一方、基本的には実際に社員の話を聞いたりインターンに取り組むなど自分で足を運んで手に入れるものも多いのが特徴です。情報②:特定の業界/企業に依存しない情報一方二つ目は、業界・企業に関係なく広く用いられる情報です。代表的には、冒頭で挙げた就活スケジュール・就活テクニック・人材系イベントの開催情報・テストセンター対策本等が挙げられます。これらの情報は、先輩からの声といった個人的なアドバイスに基づくものもありますが、基本的には公開情報で(真偽は別として)ネット環境さえあれば誰もがアクセスできるものが多いのが前者との違いになります。「リアルな情報こそ至高」は本当か?現在の情報化社会の波は就職活動にも少なからず影響しています。リクナビ/マイナビをはじめとしたWebサイトで企業の情報を知ることができるほか、情報②で示したような就活テクニックやインターン/選考情報についても誰でも自由に閲覧できる時代になりましたそんな時代でも、情報戦と言われる就職活動で、手に入れる「情報」自体で差をつけようと、インターネットで検索しても入手できない"限定情報"をいかにして手に入れるかに躍起になっている就活生を数多く見てきています。珍しい情報=役に立つ情報とは限らない先述した"限定情報"は、一部の人間しかアクセスできないものであるため、当然情報の希少性・珍しさは高いものと言えます。しかし、珍しい情報が必ずしも自分にとって有益な情報になるとは限りません。例えば当該企業について「年収」という情報を手に入れたいのであれば、社員にOB訪問のアポを取り、わざわざその場で一人だけに尋ねるぐらいならば、転職サイトを参照しざっと相場観を把握した方がよっぽど効果的でしょう。そのため、頭ごなしに何でも「とにかく自分で足を運んで情報を掴め」「OB訪問でリアルな社員の声を拾うことが大切」といったアドバイスをするのは的外れな気がしています。それより大切なのは、情報を「取捨選択」する力リクナビ/マイナビといった就活サイトの存在に代表される、現在の新卒就活のシステム。大量エントリー・学歴フィルターなど様々な問題点が指摘されている中で、企業から個別に資料を請求し手書きの履歴書を面接会場に持参していくといったような時代は終わりを迎えました。そんな時代の中で、自分しか知り得ないような情報を手に入れて差をつけようというのはあまり合理的でないような気がしています。重要なのは、「いかにして他の人がアクセスできないような情報を得るか」ではなく、「数ある公開情報の中から、自分にとって有益なものを取捨選択する力」なのではないでしょうか。そして、それをもとに実際に選考で優位になるような行動を取ることができるか。この観点についても意識すべきだと思っています。unistyleの記事をひたすら読み込んでみた上記のような背景から、就活生のとき、私はunistyleの記事を斜め読みしていました。本記事を執筆時点でも、1,300以上の記事・23,000以上のES・選考レポートという莫大なコンテンツを含むunistyleですが、記事については以下のようなリンクが設定されています。unistyleinc.com/techniques/(数字)unistyleinc.com/columns/(数字)これを、数字を順番に読み込むことで網羅性を高めました。よく、受験生が電車内等の隙間時間に英単語帳を眺めている姿を見かけるかと思いますが、私の場合も「今日はテクニックの363~371ぐらいまで読んでみるか」と単語帳感覚で斜め読みをしていました。もちろんこれも「ただ読め」ば就活がうまくいくというわけではなく、自分なりに工夫することで効果を高めていました。工夫点1:気になった記事は要約して番号を控える多くの記事を読み進めていくと、「この記事は『使える』な」と自分の就職活動に役立てられそうな記事が徐々に見つかってきます。例えば、自身と近しいスペックの先輩就活生の体験記や、自分の中で言語化できていなかったものにうまい表現を見つけた記事などがこれにあたります。こういった記事については、URLの末尾番号と共に記事の内容や役に立った点について一言でまとめておくと、後でESを書いたり面接前に見返すなどする際に便利です。この、「『使える』な」と思える感覚こそが、先述した情報の取捨選択する力の一要素になります。以下の記事で言う"就活視点"を養ううえでも、典型的な公開情報である記事の読み込みは効果的だと考えます。また、この就活視点は、日常だけでなく就活中にも常に持てているとより良いと考えます。例えば会社説明会でも何となく人事の話を聞いたりパワーポイントのメモを取るのではなく、「今の話は自分の企業選びの軸と合致しているから面接でも使えそうだな」「今の話って自分の〜〜という経験とうまく結び付けられるのでは?」と、常にESや面接を意識した行動を取ることが選考通過率を上げる一因となるのではないでしょうか。参考:ESで「書くことがない」と感じる就活生必見!就活で使える”ネタ”の作り方ちなみに余談ですが、この作業を友人同士で極めていくと、「あー、その軸だったらテクニック351を参考にすればいいよね」といったように番号で会話ができるレベルにまで到達したりもします。(番号を覚えること自体に本質があるわけではありませんが)工夫点2:複数の記事から共通項を導き出すこれまで多くの就活記事を読んできた方ならわかると思いますが、Webメディアでは同じようなことを述べている記事は案外複数存在することが多く、unistyleもその例外ではありません。国語の評論などでも「筆者が繰り返し述べている点は重要であることが多い」と言われるように、以前読んだ内容と近しい内容を含む記事を発見した場合は、就活生として覚えておいて損はない情報である可能性が高いかもしれません。~共通項の例①~「自身の夢・成し遂げたいことを語る際には実体験に紐づいた記述が求められる」という内容を含む記事参考:①あなたの志望動機が共感されないのは自分の経験に根ざしていないから?②就活になると急増する「ガンジー就活生」からの脱却が内定への第一歩③【志望動機がかけない人必見】|業界研究前にすべきこと~共通項の例②~「就職活動に絶対的な正解はなく、あくまで自分のモノサシで考えることが大切」という内容を含む記事参考:①キャリアにおける「鶏口牛後」〜あえて難易度が低い企業を選ぶという選択〜②「就活に正解はない」は正しい。だからこそやり続ける必要がある③「やりたいこと」ができなくてもうちの会社に入社したいのかという意地悪な質問に対する二通りの答え方再び余談かつ宣伝のようになってしまい恐縮ですが、unistyleには他の就活メディアにはなかなか無いような鋭い指摘や着眼点を含むものが多いと感じています。(一方、特にコラムについてはソートが不十分で、欲しい情報をピンポイントに得るのには若干不向きな気もしていますが、網羅的に読み込む分には良いメディアだと感じます)unistyleの記事をひたすら読み込んでみたら、面接で無双したさて、先述したような工夫をしながらunistyleの記事を読み込んだ結果、実際に選考の場でも効果が発揮されるようになりました。例えば集団面接の際、「はいはい、この学生はコラム369にあった『相手の立場に立つ』だけ」の就活生で面接官の反応も悪そう。だったらもう少し自分は信頼関係構築の方法論をいつもより丁寧に説明して差をつけておくか...」といったように、これまでインプットしてきた記事から得た教訓が自然と面接でアウトプットできるレベルにまで到達していました。参考:「相手の立場で考える」だけではNG?企業が納得する自己PRとはこのような話をすると、「小手先のテクニックで合否に影響してしまうから今の就活システムはダメなんだ」といったような批判もあるかとは思います。しかし、テクニックに関する情報を取捨選択し自分のものにするのはそれはそれで努力の一つです。また、意外に世の中の就活生は多くの記事に書かれているようなことすらわかっていない・もしくはわかっていても実行しないレベルで終わってしまっています。記事を読んでいる時に「なるほどな」と思っていても、その内容を実際に選考の場で発揮出来るようになるのとは話が違います。『自分のものにする』ためには、量を読み込むことを前提に、以下の記事でも述べた”スループット”の考え方を身につけておくことが肝心になります。参考:インプット・アウトプットの橋渡し。就活で意識すべき"スループット"論とは本記事に書かれている「抽象化」「掛け合わせ」といったキーワードは、その材料となるインプットの量が確保されて初めて実際に作用するようになります。この意味でも、「まずはとりあえず読み込め」という一見乱暴に見えるやり方にも一定の意義があると考えています。質を語るには、まずは量をこなすことから先述した「とにかく記事を読み込め」という指摘は、「情報の取捨選択が大切」という先に述べた内容に一見矛盾しているように思われるかもしれません。unistyleの場合ですと、片っ端から読んでいくぐらいなら、自分のためになる記事をピックアップして拾い読みをしていく方が効率的だという考え方もあるでしょう。確かにそれはそうなのですが、そもそも「自分のためになる」「効率的」といった判断軸を汲み取るためには、ある程度の量を読み込むことは必須だと考えます。量質転化の法則という言葉があるように、作業の質を高めるためにはまずは一定の量をこなすことが肝心です。量を確保して初めて、「~~はやってもあまり成果が出ないな」「〇〇と××はまとめて行った方が効率的だな」といった質を語ることができるのではないでしょうか。そもそも、「人生の夏休み」とも呼ばれる大学生活において、"効率性"を語るほど時間が無い人がどれだけいるのか疑問であり、重要なファーストキャリアを決定する就職活動に圧倒的に時間をかける選択が間違っているとは考えにくいでしょう。結局のところ就活ルールが存続しようが廃止しようが、「早く動き出すに越したことは無い」というポイントは変わりません。早く動け出せばそれだけ多くの時間を確保できるわけですから、是非自身の就活力を強化する入口として、今すぐ記事の読み込みを始めていただければと思います。最後に本記事で皆さんにお伝えしたいことはただ一つです。unistyleの記事を今すぐ読み込むべし。本記事を読んだだけでも、皆さんの就職活動に少なからず活かせる面があったかと思います。あとは、これを「読んで終わり」にするのか。それとも「読んで行動」するのか。その一歩踏み出せるかどうかで、皆さんの就職活動結果は大きく変わるかもしれません。 14,457 views
イケてない自己PRの改善法|パターン②:努力・苦労自慢 イケてない自己PRの改善法|パターン②:努力・苦労自慢 さて前回に引き続き、今回もイケテない自己PRの実例を紹介することで、企業の求めていることと学生がESで書くことのギャップが少しでも埋まればと思います。今回取り上げるイケてない自己PRのパターンは「努力・苦労自慢」です。このタイプの自己PRは多くの就活生が一度は書いてしまうもので、実際このタイプの自己PRでも実績が伴っている場合、内定してしまうこともあります。但し、多くの学生がイケてない苦労・努力自慢に終止してしまっているので、考えるきっかけとして読んでもらえればと思います。本記事のコンテンツ・1.イケてない自己PRの実例:「努力・苦労自慢」・2.努力・苦労自慢経験の対処方法・3.個人の努力が最大限求められる業界もある1.イケてない自己PRの実例:「努力・苦労自慢」【イケてない自己PR実例】私の強みは諦めずに努力し続けることです。学生時代は初心者として強豪のテニスサークルに所属し、レギュラーメンバーになることを目標に努力を続けました。しかし強豪テニスサークルであり、レギュラーメンバーのほとんどを経験者がしめる中で、初心者から初めてレギュラーになることは非常に難しい状況でした。初心者としてもできることを示したい、絶対に諦めたくないという信念から、①練習会に加えて、週4日以上、一日3時間以上自主的に練習、②信頼できるコーチに個別レッスンを受ける、③学んだ知識を後輩に伝えるの三つを3年間実践してきました。結果として、3年生の大会からレギュラーとして出場できるようになり、最後の大会ではサークルの対抗戦での団体優勝に貢献することができました。仕事においても諦めずに取り組むことで結果に繋げていきたいと思います。上記も中々、悪くない自己PRではあります。この状態でも内定することはできるかもしれませんが、もう一歩レベルアップする意味でも、イケてないポイントを指摘したいと思います。①努力・苦労自慢をした瞬間に「実績」で評価されてしまう一番の問題点はこれだと考えています。努力ができる・苦労を乗り越えられるというだけの話だと、その結果である「実績」が評価対象となってしまいます。具体的には、上記と同じ様な自己PRであれば、サークルではなく体育会で初心者から始めてレギュラーになった人を評価したくなってしまうでしょうし、初心者から始めて全国大会で入賞した人を評価してしまいたくなるでしょう。どれだけ苦労してきたのか、努力を重ねてきたのかは一言「初心者から始めて強豪のテニスサークルでレギュラーを獲得」という実績を伝えれば十分に伝わります。企業がESや面接を通して知りたいのは、「あなたはどのような人間か、組織内でどのような役割を果たせるのか」ということです。どれだけ個人的に努力を重ねてきたのかに言葉を使うのではなく、自分は周囲にどのような影響を与えることができるのかについても、焦点を当てて書いて欲しいと思います。②企業が知りたいのはどれだけ努力ができるかではなく、「企業の利益に貢献できるか」こういった自己PRの背景にあるのは、企業は努力ができる人材が欲しいという誤解だと思います。もちろん努力できる人材は必要ではありますが、必要充分条件ではなく、企業の利益に貢献するための一要素に過ぎません。企業活動においては、個人で努力することも求められますが、チームのメンバーや取引先とのコミュニケーションの中で、問題を一つ一つ解決していくことがほとんどです。イケてない自己PRの実例と対処法~パターン①でもご紹介しましたが、「企業は他人を巻き込み、既存のあるものを更にいいものに変える、もしくはまったく新しいモノを生み出していくことのできる可能性を持った人材」を求めています。どれだけ努力できるかではなく、その努力は集団に対してどのようなプラスを生んだのか、そのためにどう他人と協力をしてきたのか。集団の中でのコミュニケーションや、集団に対して利益を生む努力ができるかといった能力があるかどうかを伝えることが、本来の自己PRがすべきことです。参考:目標と困難における評価ポイントと内定者の回答例→ガクチカの一項目でもある目標や困難の評価項目や、回答例を示しています。2.努力・苦労自慢経験の対処方法【イケてない自己PR改善例】私の強みは決して諦めない姿勢により、周囲の協力を引き出せることです。大学時代は初心者から始めた強豪のテニスサークルでレギュラーを獲得することに尽力するとともに、サークル初の初心者向け練習会を定例の練習として導入しました。強豪のテニスサークルであるために、試合は経験者中心、初心者は飲み会の幹事やイベントの際にしか参加しないといった両者の溝に疑問を感じたことが行動のきっかけです。具体的には仲のよい後輩に個人的な指導を行い、小さな実績を積み重ねる⇒人数が集まった段階で、経験者を呼び、指導してもらう⇒定期的になったところで正式に幹部会に練習会として提案という流れで行動してきました。練習会が認められたのも、日頃から誰よりも熱心に練習し、後輩の指導にも熱心であるなどの地道な貢献が信頼に繋がったためだと考えています。仕事においても成果を諦めずに追求することで周囲の協力を引き出していきたいと思います。さて先ほどの自己PRと比べてどうでしょうか。努力ができる人であることを伝えるとともに、周囲に向けて積極的に働きかける人であることも伝えることができています。個人でどれだけ努力してきたかについては実績とともにさらりと書き、その上で周囲にどのような影響を与えることができる人間なのかを中心に書くことでより魅力的な人材であることを伝えることができているでしょう。多くの自己PRが先ほどの自己PRのように、努力・苦労に焦点が当たりすぎており、尚かつ実績が伴わないものも数多く散見されます。是非、一度自分の努力や苦労が周囲にどのような影響を与えたのか考えてみましょう。企業が欲しいのはあくまで、「企業の利益に貢献できる人」であり、「努力できる人」ではないことを再認識して下さい。3.個人の努力が最大限求められる業界もある上記のように書いたものの、周囲に対する影響以上に個人の努力が求められる業界もあります。個人営業として実績が求められる業界においては、チーム意識以上に個人の努力が求められ、その場合にどれだけ努力できたかという話の方が共感されることがあります。そのため、努力・苦労に焦点を当てた話も周囲に影響を与えた話もどちらの切り口からでも話せるように準備をしておき、面接官の反応を見ながら話題を変えることができるのがベストです。基本はあくまで、企業・業界のビジネスモデルから求められる能力を考え、それが自分にはあることを示すことです。このコラム、先輩やOBのアドバイスの裏にある「なぜそのようなアドバイスになるのか」を突き詰めて考えて、情報の取捨選択をしてもらいたいと思います。参考:内定する志望動機は業界比較をしっかりしている→業界ごとのメリット・デメリットをしっかり把握することが、説得力のある志望動機作成のために重要です。上記記事では、業界比較も一部載せていますので是非参考にしてみて下さい。最後にいかがでしたでしょうか?一見悪くないようにみえる自己PRも、実は伝えたい内容と企業が欲しい人物像とがかみ合っていないケースがあります。同じ体験を基に書いたのに、伝えたいことの選択を間違えたり、伝え方が違ったりして合否を分けてはもったいないです。OB訪問等も利用して、是非自己PRをブラッシュアップしてみて下さい。動画を通じて自己PRの書き方を確認したいという方は、下記も参考にしてもらえればと思います。photobyYuyaSaito 104,636 views

現在ES掲載数

77,482

すべて見れる

上に戻る

会員登録・ログインして全てのコンテンツを見る

無料会員登録