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地方大学生の就職活動〜重工メーカー内定者の場合〜
最終更新日:2022年03月29日
こんにちは。筆者は重工メーカー14卒の事務系内定者で地方国立大学に通っている者です。
最近まで関東・関西に通いつめ、必死に就職活動に励んでおりました。
テレビや新聞で就職活動が取り上げられ、合同企業説明会や各大学のキャリアセンターにおける取り組みなどをよく目にします。
しかしながらその大半は関東・関西圏のものや、地方でもUターン就職やIターン就職を積極的に実施する企業についてのもので、地方大学生をとりあげたものは総じて少ないように思います。
そこで今日は少しでも「地方学生の就職活動」について、皆さんに知っていただければと思います。
地方学生の生活
地方学生といっても一概にまとめることはできません。ここではその定義として、「主要都市以外の大学生」とすることにします。
私は文系なので、文系の生活についてですが、基本的に大学に行かずとも単位が取れる講義が総じて多いように感じます。そのため、中には学校に行かない人もでてきます。
また、地方大学というのはその多くが田舎にあり、学生のほとんどが下宿生です。つまり大学があるその一帯が学園都市と化し、閉鎖的な環境を生み出しています。大人と関わる機会はアルバイト先の従業員の方か大学の教授や講師の方、なんてことも珍しくありません。このような環境下では下宿している友達と特にだらだらと何もせずに過ごし、アルバイトやサークル、部活動に明け暮れて気づけば就職活動。というのが大体の学生のように思います。つまり、みんな同じような経験をして過ごしてしまう、’学生の均一化’が起こるのです。
地方学生ならではの就職活動での悩み
『開始時期が遅いのではないか』
何をもって就職活動開始かは定かではありませんが、首都圏の学生と比べて、遅いように感じます。私の友達は2年生の時からすでに何らかの活動をしていました。インターンシップ等であれば1年生からでも行って損はないでしょう。
『情報量に差があるのではないか?』
情報の質に変わりはありませんが、量という面では圧倒的に劣るのではないかと感じます。地方まで来て説明会をしてくれるのであればいいのですが、その来る来ないも大学の採用実績によります。そのため、地方まで電車や新幹線、夜行バス、飛行機などお金と時間をかけて首都圏まで赴く必要があります。電車で300円程度の移動ではないため、得られる情報量にも格差が出てくると思います。ここでの問題はやはり費用という点のため、あらかじめ預金しておく必要があります。概ね30万程度は必要になるかと。
上記に付け足してですが、費用と時間が限られている地方学生はある程度、企業の説明会を選別する必要があります。だからこそ都市部の学生に比べて、早めに就職活動を開始し、興味のある業界をピックアップする必要があるかもしれません。また、すべての就活生に言えることですが、当然ながらスケジュール管理は大変重要になってきます。
地方学生でトップ企業に就職を目指している方へ
『地方大生はトップ企業に就職しづらいのではないか?』
もしこの疑問を抱いている方がいらっしゃれば、私の意見を少しでも参考にしていただければと思います。なぜなら、これこそ私がこのコラムを通じて伝えたいことだといっても過言ではありません。
結論から申し上げますと、そんなことは全くもってないということです。
私は学生時代、セミナーを一回開催したものの、それ以外はほとんどバイトをして過ごしました。文章の冒頭で、‘学生の均一化’という言葉を使いましたが、私もまさにその一人でした。しかし、最終的には光栄なことに、重工メーカー2社のほかに、大手都市銀行、大手通信会社、信託銀行などから良いお話を頂きました。あくまで私の考えですが、その理由として、大きく2点あげられると分析しました。
それは、「抽象化能力」と「考え方」です。この2つこそがトップ企業に就職するための鍵ではないか、ということです。
「抽象化能力」とは、その業界または企業がどのようにして社会に貢献しているのか、ということです。例えば、損害保険会社であれば、主に損害保険を売って利益を上げています。これを抽象化すると、「損害保険を売ることで、社会に対して、挑戦できる環境を提供している」というように言い換えることができます。これは簡単な例ですが、このように抽象化することで、自分の立場からより近い視点でとらえることができます。
次に、「考え方」です。上記で抽象化した業界・企業と自分の経験を結びつけるもの、というイメージです。例えば、アルバイト先の居酒屋で、売り上げアップのための声掛け実施などの施策を試みたが、やはり自分のアルバイトの時間帯以外に浸透させることは難しく、売り上げアップにもつながらなかった。そこで、全員が率先して施策を実施するような環境を作るために店舗内でのイベントや話し合いを積極的に行った。その結果、自分の時間帯以外でも客単価が増え、最終的に売り上げアップにつなげることができた。という経験があるとします。これは、『自ら挑戦していくことで、全員が主体性を持って行動できる環境を作り上げた経験』であると言い換えることができます。
その業界の仕事を抽象化し、考え方次第で自分の経験と結びつけること。私自身もっとも大切にしていたことです。また、その業界の中でもなぜその企業なのか、という点に関しては社風や理念、その会社独自の強みなど限られた要素からしか話しませんでした。
ここまでは少し志望動機の作り方みたいになってしまったので、ここからは私が感じたトップ企業の地方での採用活動について書いてみたいと思います。
『大学に個別説明会に来る企業には採用枠がある可能性が大きい』
就職活動が解禁されると、合同企業説明会や個別企業説明会が各地で開催されます。
その中でも、大学がある都道府県に企業が説明会に来ることや、大学の近くや大学まで来てくれる企業が出てきます。このような企業にはその大学の採用枠がある可能性が高いでしょう。
説明会のために社員を派遣してくる企業というのは、当然、交通費や宿泊費などコストをかけています。また、ある企業の採用担当の方は、採用実績が多くなければわざわざ出向かない、と話していました。周囲を見ても近くまで説明会に来てくれた企業の内定者はやはり多いです。大学の近くまで説明会に来ない企業であれば当然戦うのは全国の学生ですが、上記のような企業を受ける際、トップ企業といっても自分が戦うのは全国の学生ではなく、同じ大学の学生というおかしな現象が起きます。しかし、それが私が経験した現実でした。この点からすると、多くの大学がひしめく首都圏よりも、もしかしたら大学の限られる地方のほうが、大手企業から内定を貰いやすいかもしれません。
『地方でも国立なんだから地銀ぐらい楽勝で内定取れるでしょ、と考える人がいる。』
あくまで私が感じたことですが、地方でも国立のおかしなプライドを持つ人が中にはいます。そのような人は、「大手企業は無理だけど、地方銀行や地方の中堅企業なら楽勝だろう」と考えています。これは大きな間違いです。地方の企業もUターン就職の学生を多くねらっています。東京の合同説明会でも多くの企業の方が地方から来ていました。
これはある地方銀行の話ですが、先に大阪や東京で採用活動を行い、そののち地方での採用活動を行っていました。半数以上はその地方出身の関西・関東の大学の学生で3〜4割しか地方大学の学生はいないそうです。ただでさえ採用人数が少ない地方銀行や中堅企業ではこのようなことが起きており、必然的に楽勝で入れる企業ではなくなってしまいます。大手企業に就職したいという人と地方の企業に就職したいという人は価値観が違うだけで、同じように頑張る必要があると思います。現状を正しく認識していなければ、待っているのは厳しい就職活動です。
おわりに
偉そうなことを長々と述べてきましたが、あくまで私が一回しか体験したことのない就職活動についてのものなので、参考程度にとどめていただければ幸いです。ただ、この記事を読んで少しでも多くの方が、本気で就職について考えよう、と少しでも思っていただけたなら嬉しい限りです。
人によって違うかもしれませんが、就職活動は決して楽なものではありません。本気で自分に向き合い、真剣に将来について考え、死ぬ気で就職活動に取り組めば、つらいことも、しんどいことも当然あります。しかし、広い視野と強い信念を持ち続ければ必ず納得できる就職活動になるはずです。皆さんの就職活動がうまくいくことを心より願っております。最後までご精読ありがとうございました。
photo by Haldean Brown
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