書評:『<就活> 廃止論』| "就活ルール" の未来

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最終更新日:2023年11月06日

書評:『<就活> 廃止論』| "就活ルール" の未来

日本の新卒採用は大きな転換期を迎えています。


中でも直近のメイントピックは、今年9月頭にニュースとなった、 "就活ルール" と呼ばれる採用スケジュールの廃止でしょう。

各種メディアでもこの手の話は多く取り上げられていますが、重要なのは
・アンテナ高く正確な情報を追うこと
・基本的にやるべきことは何も変わらないと認識すること

の2つに限ると思っています。

今回は、そんな現代の新卒就活の潮流に紐づいた書籍『<就活> 廃止論』についてご紹介し、現在の新卒就活の特徴や課題について見ていきたいと思います。

※本記事では、特に断りがない場合、「同書」という記述は全て『<就活>廃止論』を指します。

<就活>廃止論 

『<就活> 廃止論』の全体像

本書の内容を一言で言えば、「日本の新卒採用の問題点とそれを克服するための提言」について書かれている書籍になっています。

~『<就活> 廃止論』の章構成~
第1章:「就活」の時代は終わった
第2章:「就活」の<ステップ0>
第3章:なぜ学生は就職できないのか
第4章:出現率5%の優秀人材になる方法
第5章:できる人材は自分で作れ~採用への提言~
第6章:就職活動への提言
第7章:次世代へのアクション

筆者である佐藤孝治氏は、新卒でアクセンチュアに入社し、現在では就活コミュニティーサイト「Jobweb」の代表取締役会長に従事されている方です。

発刊は2010年と今ではやや昔のものになっていますが、"就活ルール" が話題となっている現在だからこそ読んでおいて損はない内容がいくつも存在しています。

『<就活> 廃止論』は、これから就活本番を迎える学生にとって、非常に示唆深い書籍であると言えるためです。

"就活ルール" のその後

冒頭で、「アンテナ高く正確な情報を追うこと」が重要である旨を述べましたが、皆さんは世間で話題になっている "就活ルールの廃止" がどのような "ルール変更" であるか正しく説明できますでしょうか。

「21卒からは就活スケジュールが廃止になる。すなわち、3年生の3月に広報活動・4年生の6月に選考活動が解禁という現状のスケジュールは、20卒で終了となる。」

上記のような認識の方は、もう少し情報に対する向き合い方を考えた方がいいかもしれません。

”経団連が”ルールの設定をしなくなるだけ

”就活ルール" 廃止と言われると、就活ルールが21卒から無くなるかのように聞こえるかもしれません。しかし、以下の記事に書かれている観点は認識しておくべきでしょう。

経団連は10月、大手企業の採用面接の解禁日などを定めた指針の作成を2021年春入社分から廃止することを決定。政府がこの議論を引き取り、新たな就活ルールについて検討することになった。

出典:日本経済新聞 就活ルールだけが問題ではない

この記事のポイントは、「政府がこの議論を引き取り」というところです。

すなわち、経団連が就活ルールを「無くすことを決めた」のではなく、経団連が就活ルールを「決めることを辞めた」という意味になります。

では、議論の舵を握ることになった政府は一体どのような判断を下すのか。

これについても政府は既に大枠の方針を提示しています。

政府は26日、学生の就職活動ルールについて、現在の大学1年生に当たる2022年卒業以降の学生についても、当面は現行日程を維持する方針を固めた。政府は新卒一括採用の見直しについても議論を始めているが、雇用制度の抜本的な改革には時間がかかるとみている。学生の混乱を回避するため、当面は日程を維持すべきだと判断した。
 

出典:毎日新聞 就活ルール 22卒以降も現行日程 政府方針

上記は毎日新聞の10月26日付の記事です。

経団連の発表から約50日後。政府は引き取った議論の焦点である「21卒以降の就活ルール」について、「当面は変更しない」。すなわち、21卒以降も3年生の3月に広報活動・4年生の6月に選考活動が解禁という現状のスケジュールはしばらく継続するという結論になります。

22卒以降では毎年度改変の要否が判断されていく中で、今後将来的に廃止の方向性へ向かうことにはなるでしょうが、少なくとも直前になって急に変更といった直近の就活生への影響はないとほぼ言い切っていいでしょう。

『<就活> 廃止論』が語る日本的雇用慣行の問題点

就活ルールの廃止|これからの就活。(1・2年生、21卒以降の学生がやるべきこと)』でも少し触れましたが、就活ルール廃止には、年功序列・終身雇用・新卒一括採用といった高度経済成長期から続くいわゆる日本的雇用慣行からの脱却が根幹にあります。

個人と会社の関係は、「一対一」の対応関係から、お互いが多数の選択肢を持つ関係へと変化している。

出典:『<就活>廃止論』p37

この部分で何が言いたいかといえば、大学を卒業した直後の4月に企業に就職し、その1社で定年まで勤め上げるという日本的雇用慣行は衰退している。すなわち、企業に入るタイミング・出るタイミングが人それぞれの時代へと変化しているということです。

最初の勤め先で人生は決まらない〜納得のいく就職活動を行うために〜』 でも述べた通り、一昔前に比べれば日本でも転職というものが一般的になりつつあり、新卒で入社した企業を定年まで勤めあげる人の割合は減少傾向にあります。

では、今回のような新卒ルールの変化(=入るタイミングの変化)は、このような日本的雇用慣行の根底を揺るがすものになるのか。

結論、現状それだけでは現代の雇用システムを大きく変えることはまだ難しいでしょう。

同書にも指摘がありますが、就活ルールという入るタイミングだけが変化しても、結局その分出口にも変化がなされなければ抜本的な変化には繋がりません。日系企業は諸外国と比較して解雇規制が強く、仕事で成果が上がらなくても余程のトラブルでも起こさない限り強制解雇をされることはないという特徴があります。

雇用の流動化を高めていかない限り、いくら入口が変化しても日本的雇用慣行がいきなり廃止されるといったことはないでしょう。

本件に関しては、unistyle創業者の樋口も近しい指摘をしています。

『<就活>廃止論』とunistyleに共通する考え方  

先述した通り、『<就活> 廃止論』は2010年発刊の書籍ながら、8年経った現在の就活生にとっても示唆深い内容になっています。

そのため、2011年にサービスを開始したunistyleとも共通する考え方が多く、両者の内容を補完する意味でも読んでおいて損はない内容がいくつも書かれています。

共通点1:企業が求める人材像はある程度共通している

多くの学生が勘違いしているのだが、学生が就職活動に苦戦している理由は、新卒学生に対する求人が少ないからではない。企業が採りたいと思う学生が少ないからである。

 

出典:『<就活>廃止論』p81

unistyleでも何度もお伝えしている通り、総合職に求められる人物像というのは各企業である程度共通しています。端的に言えば、自社の利益に貢献できる人材がそれに該当します。

企業からすれば、自社の採用基準を満たしていれば内定を出し、満たしていなければ内定は出さない。それだけの話です(もちろん最低限の採用人数を確保するためにある程度仕方なく採用するというケースはゼロではないでしょうが)。

売り手市場・就活氷河期といった市場動向を気にする方は多いですが、最上位の学生にとってはいつの時代でも企業から引く手数多の存在であり続けます。また、業界や企業規模等によってその年の傾向は大きく異なり、売り手/買い手というのはあくまで平均値に過ぎないということは認識しておくべきでしょう。

 共通点2:「早期化」にはメリットも多い

大学と企業社会をまったく特異な、断絶したものと考えるという習慣から抜けきれないから、「就職活動の早期化」を問題視する見方が出てくる。「早期化」、大いに結構ではないか。
 

出典:『<就活>廃止論』p55

今では主に3年生の6月から一般的になった企業のインターンシップ活動。それが本格化したのはついここ5年ぐらいの印象があります。

【緊急掲載】経団連、就活ルール廃止を検討|学生への影響は?』では「超早期化」となることをデメリットの一つとして挙げてはいますが、企業と早い段階から接点を持てることはプラスに働く面も多いと思っています。

特に「3年で3割が辞める時代」と言われる昨今、学生と企業の間の情報の非対称性・ミスマッチを低減するという意味で、インターンシップを始めとした就職活動の早期化には一定の効果が見込まれます。

よく、早期化のデメリットとして学業への影響を真っ先に挙げる論調は多いのですが、本書では「むしろ逆に将来に対する学生の意識の高まりが、「学ぶ」ことへの興味・関心を高め、学業にもプラスに働く面が強いと考える(同書:p53)」と述べています。

すなわち、早期化したことで発生した期間で主に行うインターンへの参加・自己分析といった活動は、学業と相反するものではないというのが筆者の主張です。

また、就活が無ければその時間を勉学の時間に本当に当てようとしている学生が実際問題どれだけいるのかという疑問も感じています。学生が学業に時間を割くようになるためには、就活に要する時間を減らすこと以前に、そもそもの学業に対する向き合い方を変えないとそれほど効果はないのかもしれません。

「学業に悪影響が出るから早期化はダメだ」と短絡的に考えるのではなく、メリット/デメリット双方の考え方を吸収し、フラットに考えることの重要性を再認識させてくれるトピックと言えるでしょう。

共通点3:自己PRに求められるのは、 "再現性"

人事担当者としては偶然性を排除しないと、人を採用する際のリスクになります。
その判断ポイントは「自分のルール」を持っているかどうか。「自分のルール」をしっかりと持っていれば、成功の再現性は高いと判断してほぼ間違いないのです。

出典:『<就活>廃止論』p116

 『自己PRは複数エピソードで語れ|ない人も高校時代で代用可能!』でも述べた通り、自身の強みを伝える自己PRでは複数エピソードを語ることで再現性を高めることが肝心です。

当然ですが、サークル活動で新たなイベントを企画し何らかの成果を上げた人が企業でも新規事業を立案し収益向上に貢献できるとは限りませんし、アルバイトで周囲を巻き込みチームで成果を出した経験を持つ学生が企業でもリーダーシップを発揮できるとは限りません。採用担当もそれは織り込み済みです。

しかし、そんな中で「自社に入ってからも活躍するだろう」というある種の期待感や確からしさを元に選考通過者を選別していくのが新卒就活です。

「確からしさ」というのが、本書での「偶然性の排除」に該当し、それを高めるための複数エピソード・再現性だという関係性は把握しておくべきでしょう。

『<就活>廃止論』への疑問  

上記のように、『<就活> 廃止論』にはunistyleと共通する考え方がある一方、現在の就職活動に合致するかどうか疑問を感じる点もいくつか存在しています。

疑問点1:「新卒 "だけ" がキャリアの入口ではない」は確かだが...

昔、終身雇用が全盛の時代であれば新卒で入社して短期間で辞めた人には、強いマイナスイメージがつきまとったが、現在ではそうしたネガティブな語感はほとんどない。
 

出典:『<就活>廃止論』p36

年功序列・終身雇用・新卒一括採用といった日本的雇用慣行が、従来よりも薄れてきていることは事実です。「新卒で入った企業で定年まで勤め上げる」人の割合は今後も減少していくことが想定されるでしょう。

しかし一方で、現在でも日本社会でファーストキャリアが重要であることは事実であり、いわゆる「新卒カード」が優遇されている現状は認識しておくべきです。

特に多くの大手企業では、集合研修やOJTを始め新卒に対し多大な費用をかけ育成をするなど、自身の市場価値を高めるうえで恵まれた環境が新卒採用者には整っています。

本書では、「早期離職者にネガティブなイメージはほとんどない」と述べていますが、採用担当者からすれば「自社に来てもまたすぐに辞めてしまうのでは」というマイナスイメージは少なからず抱くはずです。企業に入ってもすぐ辞めるような大して能力が身についてないような人を採用するぐらいなら、新卒の学生を一から育成していった方がいいと考えるのは容易に想像できるでしょう。

もちろん、本当に不当な労働条件下で働かされたといった "仕方がない" 事情もあり得るでしょうが、採用担当者からすればどんな理由であれ「すぐ辞めた人」というレッテルは貼ることになります。

「第二新卒でもネガティブなイメージはないからいいや」と逃げや言い訳に使うのではなく、新卒就活は最大のチャンスとして真剣に取り組むべき、という考えをもっていただきたいと思っています。

 疑問点2:「学歴フィルター」に対する考え方

今どき上位校を出たからといって、いわゆる人気企業に必ず入れるなどということは全然ない。東大の学生でも有名企業をすべて落ちる人はたくさんいる。本当である。
 

出典:『<就活>廃止論』p89

上記は全くもってその通りの記述であり、東大=上位企業に内定という図式は必ずしも当てはまるわけではありません。

しかし、「有名企業をすべて落ちる」というのは、そもそも上位学生は受ける企業のレベルが相対的に高いというバイアスがかかっています。わずか(ルール上では)3カ月程度で勝負が決まる短期決戦の現在の新卒就活において、「MARCH以上」といった学歴フィルターをスクリーニングとして採用の効率性を高める企業はいくつも存在しています。

大切なのは、「学歴なんてほとんど関係ないから、入学偏差値が低くても上位学生と同じ土俵で勝負できる」と捉えるのではなく、学歴フィルターは「ある」と割り切って、採用基準を満たすための取り組みに注力することです。

 疑問点3:「学生団体」は変革人材の集合体?

顕在化してわかりやすい変革人材クラスターが「学生団体」と言われる集団だ。
学生団体は、自分たちの理想やビジョンを掲げ、大学の枠を超えて社会へ飛び出し、社会的に意義のある活動をしている学生の集団で、多くの団体で複数の大学横断的な学生から構成されている。

出典:『<就活>廃止論』p176

本書では "変革人材" の特徴として、目的意識・行動力・自己理解・環境選択・長期的視点・戦略思考といった要素を挙げています。

今の時代Facebookを始めとしたSNSを中心に様々な学生団体の活動を見ることが出来ますが、それらの多くが上記のような変革人材の集合体であるかどうかは疑問に感じます。

学生団体の多くは「自分たちの理想やビジョンを掲げ」ているでしょうが、それに沿って「社会的に意義がある活動」をしている団体がどれだけあるでしょうか。とりあえず集まった学生同士の馴れ合いで終わっている団体の方が多い印象がありますが。

もちろん、何を持って「社会に意義がある」と判断するのかは個人の価値観に紐づくため正解があるわけではありませんが、少なくとも採用担当者にとって学生団体と接点を持つことが変革人材の効果的な採用繋がるケースがどれだけあるかは疑問に感じます。

ちなみに、以下のエントリーは若干の極論も含みますが、ある意味的を得ているような気もしています。

 最後に

『<就活> 廃止論』は就職活動そのものの廃止を主張している書籍ではないため、その点を批判する意見も多いようですが、"就活ルール" で騒がれる今だからこそ有益な情報がいくつも含まれていると感じます。

就活本と言われると自己分析本やWebテスト対策本といった選考突破のノウハウを得るためのものと考える方は多いと思われますが、時には就職活動の全体像を知るという意味で、このような書籍も活用してみてください。

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総合商社志望者が併願するべきエネルギー業界のリーダー『INPEX(旧:国際石油開発帝石)』 総合商社志望者が併願するべきエネルギー業界のリーダー『INPEX(旧:国際石油開発帝石)』 こんにちは。16卒の総合商社内定者です。私は元々総合商社を志望していましたが、総合商社の多岐に渡るビジネスを理解するためにも様々な業界を受けていました。下記のコラムでは私自身が実際に受けた企業を抜粋して紹介しています。参考:絶対にブレない軸を持つ総合商社内定者が受けた企業33選さて今回はその中でも私が選考を受けていて、なぜそこまで人気がないのか不思議であったエネルギー業界のリーダー・国際石油開発帝石(以下:INPEX)に関して綴りたいと思います。資源価格が下落し、三菱商事や三井物産をはじめとする総合商社がその打撃を受け、純利益を落としているとはいえ、総合商社を志望する学生にはエネルギー部門への人気が根強く残っていると思います。総合商社とINPEXで総合商社の資源開発プロジェクトへの関わり方には差があるのでそこも踏まえて解説したいと思います。エネルギー業界の序列まずは世界全体のエネルギー業界の序列を整理しましょう。(参考:INPEXHP)上記のURLを見ると世界のエネルギー業界にはエクソンモービルやBPなどの石油メジャーと呼ばれる大巨人とそれを追うインディペンデントと呼ばれる中堅の独立系石油ガス企業がいることがわかります。INPEXは生産量で見るとインディペンデントの5位に位置しており、世界全体でみると13位です。ちなみに現在のINPEXの原油生産量は日量40万バレル程度です。1位のエクソンモービルの生産量が日量400万バレル程度であることを考えるといかに差が大きいか理解できると思います。ただ、日本のエネルギー業界で見るとダントツで最大の埋蔵量・生産量を誇るのがINPEXです。純利益は2014年度こそ778億円と落ちたものの、2013年度においては1,836億円となっております。総合商社のエネルギー部門の2014年度における純利益を見ると、三菱商事のエネルギー事業グループが823億円、三井物産のエネルギー本部が1,197億円の純利益となっているのでINPEXと総合商社のエネルギー部門を比較するとINPEXの方が例年は上回っているといえると思います。オペレータープロジェクト「イクシス」と「アバディ」「イクシス」はINPEXが日本企業として初の大型LNGプロジェクトのオペレーターを獲得した案件です。イクシスのププロジェクトは豪州の北西沖で行われています。「アバディ」はインドネシアの南海沖で行っている大型プロジェクトであり、INPEXが公開入札においてオペレーターを獲得した案件です。INPEXはこのオペレーター案件二つを通じて2019年には日量70万バレル、2020年代前半には日量100万バレルを目指しており、これが実現するとインディペンデントでトップに躍り出ます。参考:イクシス特設ページ(INPEXHP)商社を志望する人がなぜエネルギー業界?総合商社のエネルギー部門では投資の要素が強いため、INPEXのようにエネルギー開発の段階から入札に関わったり、オペレーターとして投資銀行やオイルメジャーを巻き込んでプロジェクトを主導することはまずありません。とはいっても求める人物像は似通っており、プロジェクトマネージャーとして異なる価値観を持つメンバーに対してリーダーシップを発揮して成果を上げていく力が求められています。下記のコラムにて実際のES設問の解説などを通じてさらに細かく解説しているのでぜひご参照下さい。参考:国際石油開発帝石(INPEX)のESと採用HPから考えるINPEXの求める人材私自身は商社に入ってもエネルギー部門を志望してはいませんでした。しかしINPEXの説明会に何回か足を運ぶことで商社とは異なるエネルギー開発への携わり方を知り興味が湧き、選考が進んでいく中で非常に志望度が高まりました。総合商社には配属リスクがあり、エネルギー部門を志望していたとしても希望通りに配属されるとは限りません。しかし、INPEXにおいては必ずエネルギー開発に携わることができるのでエネルギーに興味がある学生には一押しです。最後に就職人気ランキング上位の総合商社を志望する学生の中でエネルギー部門を志望する学生は多いのにも関わらず、INPEXの存在を知らないまま就活を終えることを非常にもったいなく感じます。この記事を読んでINPEXに興味を持った人はぜひともチャレンジして下さい。photobyMartinThomas 27,861 views
インプット・アウトプットの橋渡し。就活で意識すべき "スループット" 論とは インプット・アウトプットの橋渡し。就活で意識すべき "スループット" 論とは 小中高大と学校に通い、学位記を手に入れ、企業に就職する。そんな(少なくとも今では)一般的な流れの中で、多くの人にとって避けては通れない、受験勉強・就職活動。「部活と勉強」「受験と就活」といった経験者が多いものについては、その共通点や比較がしばしばなされます。例えば、「受験に答えはあるが、就活には答えがない」。本当にそうでしょうか?こういった複数の事象から共通項を導き出すことは、自身の見識を広げるうえで重要な思考法です。以上を踏まえ今回は、就職活動と受験勉強を軸に置きながら、「スループット」という言葉をキーワードに、就職活動で意識すべき「学び方」について精査していきます。【本記事のアウトライン】▶インプット・スループット・アウトプットの語義と関係性▶受験勉強・就職活動における”3プット(スリープット)”とは▶就職活動で有意義な3プットをするために▶スループットはこれからますます求められる時代になってくる▶最後にインプット・スループット・アウトプットの語義と関係性就活生に限らず、「インプット」「アウトプット」という言葉は多くの方が認知し、使用したことがあるでしょう。両者の語義は「入力」「出力」であり、主に情報処理の分野での試験(ホワイトボックス・ブラックボックステストのような話です)に関連して用いられています。今では同分野に限らず、・何らかの情報を得ることを「インプット」・何らかの情報を(ある成果物として)出すことを「アウトプット」のような形で一般的に定義されてます。「インプット」→(したものを)→「アウトプット」する。一見単純な図式に思われますが、最近ではこの間を繋ぐ言葉として「スループット」という概念が注目されています。この図のように、スループットとは「インプットしたものを自分の脳内で咀嚼し、効果的なアウトプットに繋げるための過程」と定義づけることができます。よく「アウトプットを前提としたインプットをしなさい」という指摘がありますが、この場合のインプットとは、スループットの概念も含むものということが読み取れるでしょう。自己分析では、インプットと同程度にアウトプットも大事です。インターンの面接はアウトプットの場として最適であった上に、面接の振り返りをすることで自己理解も深められると考えました。インプットはアウトプットを想定して行うべき、とよく言われますが、まさにその通りで、実際に面接で深掘りされ、答えに窮した質問に関しては、面接後に考え直すということを繰り返し行うことで、自己分析に関しても深まっていったと考えています。参考:【20卒必見】19卒内定者が教えるアウトプットを前提とした自己分析法|「結果」より「過程」重視の自己分析を余談ですが、このスループットについても、元は情報処理の分野に起源があるとされています(情報の「処理」自体がこれに近しいものになります)。皆さんが月末になると携帯電話の通信制限に焦慮するのも、実はデータ処理上のスループットに問題があることが要因の一つになります。※以下では、この「インプット」「アウトプット」「スループット」の3つを合わせて、便宜上"3プット(スリープット)"と呼ぶことにします。受験勉強・就職活動における”3プット”とは就職活動におけるインプットと言えば、自己分析・業界研究、就活テクニックの習得で、アウトプットと言えば、OB訪問で自分の意見を述べる、エントリーシートを書いて添削してもらう、模擬を含めた面接を受けるなどです。参考:大学の勉強ばかりしても就職活動で評価されない理由:インプット重視の学生とアウトプット重視のビジネス例えばWebテストでも書籍を用いた学習はインプットですし、"捨て駒"の企業のアカウントで実際に受験しにいくのはアウトプットに当たります。先ほど紹介した「【20卒必見】19卒内定者が教えるアウトプットを前提とした自己分析法|「結果」より「過程」重視の自己分析を」にもあったように、一見典型的なインプットに思われる自己分析も、アウトプットを通してその効果を高めることが必要です。すなわち、基本的に一つのフェーズではインプット・アウトプット双方の側面があり、就職活動はこの両者をかけ合わせて進めていくことになります。一方受験勉強についてはしばしばインプットの世界と言われますが、実際にはこちらもインプットとアウトプットのかけ合わせで成果を出していくものと言えるでしょう。例えば数学では公式を覚えれば覚えた分だけ点数が取れるわけではなく、演習問題を解くというアウトプットの過程を通して、他の問題でも活用しうる知識として変換していく過程が必要になります。このように、「わかる」と「できる」の間を埋めることがスループットと言えるのかもしれません。エントリーシート(ES)を「パクる」ために必要なスループット評価された先人たちがなぜ評価されたのか参考にする中で、自分なりのアレンジを加えてより良いものを志向してもらいたいと思います。参考:先輩のESは絶対に参考にすべき!自己PR・志望動機における守破離とは上記エントリーでも述べましたが、評価されるESを書き上げるうえではまず過去に実際評価されたESを読み込むことを出発点とするのが効果的です。その際、出来るだけ自分に近いスペック(=あなたを構成する外的要因全て。この場合は特に学歴や学生時代の経験等)の内定者のものを参考にするとよいでしょう。では、過去の内定者のESを「読め」ばそれでいいのか。「読め」ば「書け」、それが評価されるものに仕上がるのか。・【インプット】過去の内定者のESを読み込む▼・【スループット】「読む」「書く」の橋渡しとしての▼・【アウトプット】企業に評価されるESが書けるこの両者の乖離を埋める過程こそがスループットに当たります。すなわち、「内定者ESに共通する要素は何か」「なぜそれらが当該企業で評価されたのか」「現状の自分のESには何が足りないのか」...こういった部分を考え、解を導くことで初めて効果的なアウトプットに結びつくことを認識していただければと思います。就職活動で有意義な3プットをするためのステップここまでの内容から、インプット→アウトプットの流れの中でスループットがどのように機能しているか・なぜスループットが必要になるのかは理解していただけたかと思います。以降は、就職活動においてこの3プットをどのように意識し、内定獲得へ結び付けていけばよいかを簡単にご説明します。3ステップ|その1:インプット先ほど触れた「大学の勉強ばかりしても就職活動で評価されない理由:インプット重視の学生とアウトプット重視のビジネス」の記事にもあったように、インプットは「インプットしかしてない」状況が批判されがちなことから、何となくこれに注力するのがよろしくないかのような風潮が少なからずあると思っています。インプットは順番的にも初期の段階であるため、英単語帳の学習をしていたりWebテストの勉強をしているのが何となく遅れていてダサいと感じる声も耳にしたことがあります。しかし、あくまで意味がないのはインプット「しか」していない場合の話であり、3プットの出発点としてインプットの立ち位置を正しく把握するべきだと思っています。「Googleがあるからインプットに差はつかない」は本当かこの手の話をすると、「今やGoogleを始めとした検索サイト・Webサイトの存在によって、誰もが平等に多くの情報を得ることができる時代になっている。これだけ情報がオープンな時代において、知識を得るインプットでは差がつくことがない」といった考え方をしばしば耳にします。果たしてこれは正しいと言えるでしょうか。確かに、一般人でも触れることができる情報量がここ十数年で飛躍的に増したことは紛れもない事実でしょう。しかしこの場合、情報量だけでなく「情報の種類・質」、すなわち「どんな情報をインプットするのか」によりインプットの成果に十分差がつくものだと思っています。また、そもそもGoogleのような検索サイトの存在があっても、近年の学生は「ググり力」に欠ける方が多い印象があります。例えば、商社の企業研究しようと思っていても、どのように検索すればいいかわからず、「商社企業研究」の検索で止まってしまい、「商社ビジネスモデル」「商社仕事内容」と派生してググることができないケースが多々あります。テクノロジーの発展に伴い、ググらなくても、欲しい情報が自分のもとに手に入ってしまう時代になってしまったためです。就職活動で欲しい情報に対して、適切な検索ワードからあるべき情報を導けるか。そして、そもそもそれらの情報は正しいものと言えるのか。誰もそれを保証してくれはしません。就職活動の情報を提供するWebメディアの一つであるunistyleでは、1,300以上の記事・23,000以上のES・選考レポートで皆さんに有用なテクニックや考え方をご提示しています。まずは以下のまとめを参照することで効率的なインプットの入り口として活用いただければと思います。▼「まずは読むべき」記事についてはこちら▼参考:就活の始め方【読まずには始めたらもったいない!unistyle就活記事33選】3ステップ|その2:スループットさて、次にインプットして得た情報を脳内で咀嚼するわけですが、この際意識しておくべきは、「咀嚼の論点」です。就職活動におけるスループットの重要な論点の一つに「抽象化」があります。参考:「考え抜くこと」で総合商社を勝ち取った普通の学生体験記ー思考の抽出化で道を切り開くーこの記事に書かれている通り、実体験→抽象化→他への還元といった流れで進むのが就職活動で整理しておくべき思考の流れになります。すなわち、具体→抽象→具体で応用性を高めることが肝心です。留学中にインターンシップをしたことがある。理由は、「地球人として世界で活躍したい」と思っていたからだ。しかし現地は外国人に求人はなかった。日本進出に精力的な企業があると知った時、そこで働く機会を得るために自分は何が出来るか必死に考えた。そして、アイデアを考えて、「どうしてもお話したい事があるので時間をもらえないか」とオーナーの元を訪れ、自らプレゼンテーションした。その結果、提案内容と英語でのコミュニケーション力が決め手に採用が決まり、インターンシップの機会を創るという目標を達成した。従って私は、何事にも自ら行動を起こして、新しいステップを切り開くよう努めている。参考:富士通【内定】エントリーシート(wishコース)(営業)例えば、こちらの富士通内定者の学生時代頑張ったことから、どのような人柄・素養が読み取れるでしょうか。何が評価されて内定に結びついたのでしょうか。・留学先で適切なコミュニケーションが取れるほどの英語力・海外でインターンに参加したという事実・インターンの採用に結びつけたプレゼンテーション力このように、エントリーシートに書かれた文言をそのまま抽出し、それが評価されたと判断するだけでは、インプット=事実の抽出止まりで効果的なアウトプットへ繋げることはできていません。抽象化が全くできていないと、極論「海外でインターンシップをするためにオーナーにプレゼンテーションして参加を勝ち取った」という同一の経験をしていないと参考材料にならないことになります。今回の場合、・「これまで経験したことのないような環境下でも臆せず現状を打破できる程の行動力」・「価値観や立場の異なる人に対しても自らの考えを共有し、周囲を巻き込める力」辺りが評価されたとスループットによって考えることができるでしょう。こうすることで、例えば「価値観や立場の異なる人」について「国籍」に限らず「上級生と下級生」「競技者とイベンター」「正社員とアルバイト」といった形で、ゼミ・サークル・アルバイトのような身近な経験の場合でも応用することができます。まとめると、「何を知り」の次の「何を考え」の部分として抽象化を行い、自分自身の就活に還元することが、3ステップの2段階目になります。3ステップ|その3:アウトプット本記事はスループットをテーマにしたコラムになりますので、アウトプットの詳しい手法やテクニックについては過去記事に譲りますが、就職活動における一番のアウトプットは実際に企業の選考を受けてみることであるとunistyleでは何度もお伝えしています。●ESのアウトプット当然ですが、ESはGD・面接とは異なり「選考に参加したときのフィードバック」をその場で得ることはできません(参加したとき=ESを書いているときとしています)。今やunistyleを始めとした各種メディアでインターン・本選考の過去ESを自由に閲覧することができる時代。実際に選考会場に行かずとも練習できるフローであるため、先輩からの添削やOB訪問で社員から意見を求めるなどして適宜アウトプットできる点は他にはない大きな特徴でしょう。添削をするのであれば添削者と依頼者の間で目的意識を共有させること・OB訪問では事前に後の選考に結びつく質問を用意しておくことなど、効果を発揮するために最低限守るべき事項については認識すべきです。▼「ES添削」「OB訪問総論」について理解を深めるにはこちら▼参考:①「ES添削してください!」と依頼されたときに。聞く側・見る側双方に役に立つ、エントリーシート添削論②OB訪問やり方大全!OB訪問の目的から時期・質問内容まで徹底解説●面接のアウトプット一方面接は、キャリアセンターや友人同士などで模擬面接を実施することはできるにせよ、基本的には実際に選考会場へ足を運んで受験することが基本となります。面接選考に向けての大前提として、①考えてないことは書けも話せもしない②書けないことは話せない③面接はESの内容を基にして進行することが多いの3点は抑えておくべきでしょう。参考:面接で問われているのは瞬発力ではなく、普段から物事を考える力上記記事でも述べましたが、面接は面接官の問いに回答する口頭試問試験などではなく、面接官ー就活生のコミュニケーションの場です。よく、「面接は慣れだよ」と単純に場数を踏むことをよしとするアドバイスは多い気がしていますが、「慣れ」の効果には①面接という”雰囲気”に慣れる②自身の深堀りされるパターンを知ることが出来るの2点があります。①は結局「緊張が抑えられる」みたいな話であり、②の演習効果の方がよっぽど重要です。面接経験を数多く積んだ学生からは、「以前受けた別企業の面接とほとんど同じ内容で面接が進んだ」「話の展開でだいたい次にくる質問が予想できるようになった」など、ある種の境地に達したとも言える報告が度々なされています。質問を予想することに本質があるわけではありませんが、ESを執筆・添削の段階で思考を整理→実際の面接選考で深堀りパターンを知るという形が、アウトプットとして効果的なサイクルです。面接に「慣れ」ることは今後どういった「準備」をすべきかを考えるうえで参考になることも多いため、アウトプットを次のインプット/スループットに還元するという意味でも、業界問わず積極的に企業の選考に参加する気概を持っていただければと思います。スループットはこれからますます求められる時代になってくるさて、ここまでの内容で就職活動におけるスループットの重要性について把握していただけたかと思いますが、何もスループットは内定獲得のためのツールやテクニックのためだけに存在するものではありません。スループットは内定獲得に効力を発揮するだけでなく、実際に社会に出て働くことになっても役に立つ考え方だと思っています。「予測不能」の時代。そこで価値を生み出す"スループット"「これからの時代、活躍できる人材とは。|パーソルキャリア佐藤裕|unistyleインタビュー」でも紹介しましたが、あらゆる科学技術が急速に発達し「予測不能」の時代とも言われる昨今。上司から言われた仕事を言われた通りにこなすだけでは個人も企業も生き残ることは難しいと常々指摘されています。(もちろん指示通りに動くこと自体簡単な話ではなく、特に新人のうちはまずはこのレベルに至ることが求められるわけですが)・レベル1:言われたこと・守るべきことをこなす・レベル2:与えられた枠組みの中で成果を出す・レベル3:既存の枠組みを超えて組織や会社のための提案を実現する参考:ビジネスマンの3段階のレベルから考える自己PRで伝えるべきことすなわち、これまでの経験や既存の考え方で通用しない事柄が増加するため、この記事の言う「何かを生み出せる人」が活躍する世の中へと推移していくことが想定されているわけです。「何かを生み出す」と言えば、多くの方が思い浮かべるのが自ら事業を興す「起業」でしょう。起業と言われると、何だか意識が高いイメージや常人にはない並外れた発想力から事業を生み出しているイメージを持たれる方は多い気がしています。しかし、何も起業とは自分以外がアクセスできないようなオリジナル情報を手に入れ(=インプットし)ることでなされるものではありません。先述した「グーグルで何でも情報収集できる時代」である以上、元々インプットするのは基本的にそれらの「既にある」情報に過ぎず、それらを精査し、掛け合わせることで「何か」は生み出される性質が強いと言えます。この、「既にある情報の精査と掛け合わせ」こそが正にスループットであり、これからの時代に求められる素養の一つに含まれることは納得できるでしょう。新しいサービスを考える時に「既にあるから」って考えるのを辞めちゃう人も多くてもったいない。「既にある」ならそのサービスの不満点や差別化できる部分は何か考えて提供すればOK。facebookも最初のSNSだったわけではなく、Googleも最初の検索エンジンじゃなかったし。—KotaroHiguchi(@happytarou0228)2017年9月9日"主体性"は確かに重要だが、ある種前提に過ぎないのかもしれない「これからの時代、活躍できる人材とは。|パーソルキャリア佐藤裕|unistyleインタビュー」の記事では「何かを生み出すため」のベースの一つとして"主体性"がキーワードとして挙げられていました。今後求められる人材として、・(意欲的なという意味での)主体性・(やり抜く力としての)主体性の2点をキーワードとして上げました。参考:”VUCA”からみる、これから求められる人材像とは?一方、"VUCA"という概念について述べたこちらの記事でも、企業が求める人物像として主体性が挙げられるという記述がなされています。しかし、上記定義をそのまま読み取れば、「モチベーション高く働く」「最後までやり抜く」というのはビジネスパーソンとしてはある程度当たり前(ダラダラ働いていたり途中で投げ出す方が逆に問題)にクリアすべきレベルではないでしょうか。※この場合の「モチベーション高く」とは、「仕事自体を楽しめているか」といった意味ではなく、(仕事を仕事として割り切ったとしても)、生産性高く・或いは高い成果が上がるよう行動しているかという意味を差します。主体性はあくまで「意欲的」「あきらめない」といったマインドの問題だけではなく、「当事者意識を持ち、自らで考え、行動する」という行動の形でアウトプットまでが求められる素養です。そのアウトプットをより効果的にするために、スループットが存在していること。あくまでやる気は前提に、「主体性」や「スループット」とは何か・それがなぜ求められているのか。unistyleではそのヒントとなるコンテンツを数多く掲載しています。自分の身近な組織とも照らし合わせながら、「あなたなりの『なに』『なぜ』」をスループットで導きだし、今後の選考にも活かしていただければ思います。タブーな気がして言えなかったけど、企業の求める"主体性の実態”って✖︎自ら意志と責任を持ち行動する力◯指示される範囲内で自主的に行動する力って感じだよな。用意された柵の中での活躍を期待しているような。就活生は”社員の主体性に関するエピソード”を聞いて見極める必要がありそう。—むたか/就活サイトunistyle(@mutaka_unistyle)2018年9月19日最後に本記事の内容を一文でまとめると以下のようになります。「インプット→スループット→アウトプットのサイクルを正しく回すことは、就職活動・あるいはその先のビジネスの現場でも効果が期待できる。最後までスループット論についてあれこれ述べてきましたが、本記事は何か特別な新しい考え方を身につけるべきといった話ではなく、スループットはあくまで皆さんの日常でも少なからず実行されているものだと思っています。まずは就職活動やビジネスの現場といった難しい話ではなく、皆さんの日常や所属するコミュニティーで、スループットの考え方がどう活用され得るのかについて思案してみるといいかもしれません。さて、本記事をインプットした皆さんは、これをどうスループット・アウトプットしていくのでしょうか。 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総合商社を辞めて起業したUnistyle株式会社を売却しました 総合商社を辞めて起業したUnistyle株式会社を売却しました Unistyle株式会社の樋口です。2016年10月3日にリリースが出ましたが、経営陣および社員が保有するUnistyle株式会社の全株式を株式会社ネオキャリアに売却しました。今回は、株式を売却する以前から伊藤忠商事を退職してから起業に至るまでの経緯を様々な人によく聞かれていたので、一区切りの意味も込めて就職してから起業するに至るまでの軌跡を僕の視点から振り返りたいと思います。本記事のコンテンツ・起業も視野に入れてたけど自分に実力がないのは理解してたので伊藤忠商事に入社・配属は希望通りの金融部門・入社1年目は全然仕事ができず現実を思い知ることに・カード会社のオリコに出向、勉強のためにアフィリエイトを始める・金融部門の縮小と生活資材部門への異動、転職活動開始・どの分野で起業するか、なんのために起業をするのか・最後に起業も視野に入れてたけど自分に実力がないのは理解してたので伊藤忠商事に入社就職するときには既に、もしかしたらサラリーマンとしてずっと続けていくのは向いていない可能性もあるなと漠然と思っていました。なので入社するときには本当に漠然とではありますが、「将来的には起業するかもしれない、けれど今の自分だと何も出来ないので、仕事の基本を学ぶためにも就職はしよう」と思っていました。また将来的に起業するかは別として、自分自身がルールを作る側として、事業を生み出すということに興味はあったので就職先としても「事業を生み出すことに関わる」ということを企業選びの軸に幅広く受けていました。起業しなくても会社の中でルールを作る側として、事業を生み出せて、それが楽しいのであればそれもOKと考えていました。ちなみに第一志望は電通、博報堂、ADKなどの広告代理店を志望していました。特に大手の広告代理店であれば、様々な業界の製品コンセプト策定から関わることができると聞いていたため、「事業を生み出す」というものにも近いのではと考えていました。またプロダクトを生み出してからマーケティングするのはどんな商品でも必要なプロセスであり、そこを学べると感じたのも志望した理由の一つでした。もちろん慶應生特有のミーハー意識もあったでしょうし、山梨の高校時代の英語の先生が「電通はすごいぞ」と言っていたので何となく憧れていたのもあります。残念ながら広告代理店にはまったく縁がなく、上位3社どころか、東急エージェンシーなどの企業も落ちてしまったので強制的に諦めることになりました。伊藤忠に入社後に、「ADKと伊藤忠両方に内定をもらったら相当悩んでいたと思います」と仲のいい先輩にも話したぐらいです。また広告やインターネット関連のベンチャー企業もいくつか受けていました。当時受けた企業のいくつかは後に上場したりしていたので、今思うと、そちらに入社して成長期のベンチャー企業の空気を経験していてもよかったかなとも思います。内定はいくつかいただいたのですが、最終的に伊藤忠商事という会社を選択した理由は、「伊藤忠で社内起業でIPOした事例が豊富だったから」というものになります。僕が入社する前に、カブドットコム証券とイー・ギャランティが上場しており、僕が入社した2008年にはFXプライムが社内起業を経てIPOしていました。実際にカブドットコム証券の立ち上げに関わった人に話を聞いたことで部門としても金融部門もしくは情報産業部門を志望しようと思うようになりました。大企業の中でリスクも低いまま、起業ができるならこんなにいいことはないと思い、広告代理店の内定をもらえなかったこともあり、入社を決めました。配属は希望通りの金融部門総合商社といえば配属によって、かなり働き方が違い、総合商社の内定者や受ける学生も配属リスクを意識しています。僕自身も前述の通り、「事業を生み出すことに関わる」という企業選びの軸があったので、出来る限り、フットワークが軽く新規事業に関わることのできる部署を志望していました。当時の配属希望では、社内起業ができそうでIPOの実績もある金融部門が第一志望、情報産業部門を第二志望としていました。第三志望、第四志望は上位2つに比べると志望度が低く、あまり覚えてはいないのですが、繊維や食糧などC向けのビジネスが近い産業を志望していたように思います。一方でバックオフィスや金属などトレードや大規模プロジェクトが主体のカンパニーは避けて志望していました。当時の伊藤忠商事ではクリスマスに配属先通知を送りるという「粋」なことをしていたのですが、無事、第一志望の金融部門の所属するカンパニーに配属されてうれしかったのを覚えています。今考えると、2007〜08年前後は、資源価格が高騰したことにより、エネルギー部門が花形部署であり、また昔ながらのプラント事業などが人気だったこともあり、金融部門はそこまで人気がなかったんだろうなとも思います。入社1年目は全然仕事ができず現実を思い知ることに入社後は国内外のクレジットカード、消費者金融事業に投資する部署に配属され、新人は必ずやらされる予決算にひーひー言いながら仕事をしていました。1年目はエクセル、パワポも満足に使えないダメダメ社員で、そんなやつが将来起業するって言っても誰も信じないだろうなという状況でした。能動的に仕事をするようになったのは、投資先であるオリエントコーポレーションの減損会計の仕事に関わるようになった1年目の終わり頃からだと思います。当時の先輩も自分自身も減損会計は初めてで、手探りでチームで仕事を進めていました。自分自身もお荷物ではなく、能動的に価値を発揮しないと乗り越えられない仕事だったことで大きく成長することができたと思います。この時期は会計知識や減損について部内の誰よりも詳しくなろうと思い、様々な本を休みの時も仕事終わりにも読んで業務上必要な知識を身に着けていきました。社内ルールや減損会計については部内でもかなりわかる方という認識をされて、初めて仕事で評価されたなーと感じたのは一年目の終わりのこの頃でした。カード会社のオリコに出向、勉強のためにアフィリエイトを始める一方で予決算の管理という仕事はどうしても新しいこともなく、ある種ルーティンワークの季節労働者的な働き方のため飽きてしまいます。特に金融部門や情報産業部門では営業することがなく、本社では投資先の管理と予決算管理がメインの仕事になりがちです。僕自身も正直なところ、2年目になると余裕がでて少しだれてしまったように思います。そんな状況を察してくれたのか、2年目の2010年1月からオリエントコーポレーションに出向することになりました。オリエントコーポレーションではカード部門の新規事業を取り扱う部署に、先輩の後任として配属されました。ここでオリコモールというカード会員向けのポイントサイトの運営をメインで扱うことになります。このサイトはカード会員がこのサイトを経由してAmazonや提携先のECサイトで買い物を行うと通常よりも高いポイントが付与されるというもので、アフィリエイトのシステムを利用したものになっています。これまでまったくアフィリエイトというものに縁がなかったので勉強も兼ねて、実際に自分でブログを使ってアフィリエイトをやってみることにしました。これが後々のUnistyle株式会社の創業に繋がります。金融部門の縮小と生活資材部門への異動、転職活動開始オリコでは、オリコモールの運営をしながらその後、異動してオリコの全国の支店に対してカード促進の施策を企画して伝える部署で働きました。オリコモールの運営では総合商社の中にいてはなかなか見えてこない消費者向けのサービスの成り立ちと運営方法について学ぶことができました。またカード促進の施策を企画する部署では全国の営業の方に動いてもらうために必要なことは何かという企画力について学べたように思います。事業を立ち上げるために学びたいと思っていたことが学べ、オリコで学んだことをベースに仲の良かった先輩とは海外や国内で新規事業を立ち上げられたらいいなという話を良くしていたことを覚えています。順調に進んでいたオリコでの勤務ですが、突如、金融関連部門の成績不振からカンパニーの再編があるという噂を聞きます。更にその上で、金融部門に所属する若手のほとんどは別カンパニーに移されるのではと話されていました。個人的には自分自身2年間という期間でオリコに出向しているのだから今のタイミングで別カンパニーに移されることはないだろうと高をくくっていたのですが、あっさりと生活資材部門への異動を言い渡されました。同様に他の会社に出向していた先輩も異動になり、同期10人程度いた中で金融部門に残ったのは1人だけ、先輩たちも軒並み異動という大異動となりました。そのときに生活資材部門がどんなところかわからないものの、いい機会だから転職活動をすることを決意しました。転職活動は外資系コンサルやその後上場することになるベンチャー企業2社を受けたのですが、特にベンチャー企業を受ける中で、どうせ3年以内に辞めて起業するのであればいま起業してもいいのでは、今面接をしてくれている社長さんたちの元で働きたいというよりは、向こう側の立場に元々なりたかったんだと考えるようになりました。そういうわけでほぼ起業することを決意しながら、2011年4月から生活資材部門での勤務が始まりました。どの分野で起業するか、なんのために起業をするのかときは遡って2011年4月頃、オリコに出向してアフィリエイトの勉強を始めて、何のアフィリエイトをするのか考えたのですが、当時の僕が人よりも多少詳しかった物事が就職活動とFX・株式投資でした。就職活動については色々受けてOB訪問で相談を受けたりしていたので結構詳しい自信がありました。またFX・株式投資については金融部門に配属が決まったときから勉強も兼ねてやっていたこと、少ない手持ちながらも試算を4倍まで増やしたことがあったため、書けるんじゃないかと思いました。結局アフィリエイトは、どちらに決めるということもなく両方のブログを始めましたが、続いたのは就職活動関連のブログでした。FX・株式投資については調子がいいときは筆が進むものの、調子が悪くなり損失を被るととたんに更新しなくなるという形でした。一方で就職活動についてブログを見てくれるユーザーと交流するようになり、更新頻度も多いときには1日に2記事〜3記事行っていました。更新頻度が高まり、アクセスも増えた結果としてアフィリエイトの収益も高まるという好循環が生まれていきました。アフィリエイトの収益はピーク時には月に10万円ほどの売上がありました。また実際にリアルではどの程度の集客力があるのか試すために、就職活動セミナーを開催したのですが、結果として短い告知期間にも関わらず100名程度の学生が集まってくれました。このセミナーをきっかけに参入障壁の低い新卒事業はありかもしれないなと共同創業者の杉山と話すようになりました。今では就職活動関連のインターネットサービスはかなりの数がありますが、当時はunistyleのような就職活動関連のメディアサービスは多かったわけではなく、多くの就職活動生が就活ブログを読んでいるような状況でした。そのような状況だったため、僕が書いたブログにもアクセスが集まったのかなと思います。このセミナーで結果が出る前から、共同創業者の杉山とは定期的に起業しようという話をしていたものの、少子高齢化社会だから、老人向けの新規事業を考えようとか、お互い金融に興味があるから金融関連の事業でいこうなど、雲をつかむような話しかしていませんでした。しかし就職活動関連のブログを地道に更新した結果、アフィリエイトでも収益が出る、リアルでも集客力があることがわかったので、取り敢えず起業したいという気持ちの強かった二人だったのでこの分野で起業することを決めました。起業を決めてからの準備については結構淡々としていて、住居兼オフィスを探して一緒に住み始めて、引き継ぎ期間も考えて3ヶ月前には課長に退職する旨を伝えて、Webサイトの外注先を探して、コンテンツを粛々と集めてといった感じで進んでいきました。最後にここまでが皆によく聞かれる、伊藤忠に入社することを決めてから、退職して新卒採用分野で起業をすることになった僕のストーリーになります。起業してからもサイト公開日になって、サイトのデータが全て吹っ飛んだり、思ったように売上が上がらず給料を10万円に引き下げたり、外注だと思うようにいかず一念発起プログラミングを学びサイト運営したけどしょっちゅうエラーを起こしたり、5年間経営してきて色々あったなと今更ながら思います。このあたりはまた機会があれば聞いていただければと思います。photobySteveJurvetson 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