インプット・アウトプットの橋渡し。就活で意識すべき "スループット" 論とは

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最終更新日:2023年10月24日

インプット・アウトプットの橋渡し。就活で意識すべき "スループット" 論とは

小中高大と学校に通い、学位記を手に入れ、企業に就職する。そんな(少なくとも今では)一般的な流れの中で、 多くの人にとって避けては通れない、受験勉強・就職活動。

「部活と勉強」「受験と就活」といった経験者が多いものについては、その共通点や比較がしばしばなされます。

例えば、「受験に答えはあるが、就活には答えがない」。本当にそうでしょうか?こういった複数の事象から共通項を導き出すことは、自身の見識を広げるうえで重要な思考法です。

以上を踏まえ今回は、就職活動と受験勉強を軸に置きながら、「スループット」という言葉をキーワードに、就職活動で意識すべき「学び方」について精査していきます。

本選考とインターンの締め切り情報

インプット・スループット・アウトプットの語義と関係性 

就活生に限らず、「インプット」「アウトプット」という言葉は多くの方が認知し、使用したことがあるでしょう。

両者の語義は「入力」「出力」であり、主に情報処理の分野での試験(ホワイトボックス・ブラックボックステストのような話です)に関連して用いられています。今では同分野に限らず、

・何らかの情報を得ることを「インプット」
・何らかの情報を(ある成果物として)出すことを「アウトプット」

のような形で一般的に定義されてます。

「インプット」→(したものを)→「アウトプット」する。
一見単純な図式に思われますが、最近ではこの間を繋ぐ言葉として「スループット」という概念が注目されています。

 

この図のように、スループットとは「インプットしたものを自分の脳内で咀嚼し、効果的なアウトプットに繋げるための過程」と定義づけることができます。

よく「アウトプットを前提としたインプットをしなさい」という指摘がありますが、この場合のインプットとは、スループットの概念も含むものということが読み取れるでしょう。

自己分析では、インプットと同程度にアウトプットも大事です。インターンの面接はアウトプットの場として最適であった上に、面接の振り返りをすることで自己理解も深められると考えました。インプットはアウトプットを想定して行うべき、とよく言われますが、まさにその通りで、実際に面接で深掘りされ、答えに窮した質問に関しては、面接後に考え直すということを繰り返し行うことで、自己分析に関しても深まっていったと考えています。

余談ですが、このスループットについても、元は情報処理の分野に起源があるとされています(情報の「処理」自体がこれに近しいものになります)。皆さんが月末になると携帯電話の通信制限に焦慮するのも、実はデータ処理上のスループットに問題があることが要因の一つになります。

※以下では、この「インプット」「アウトプット」「スループット」の3つを合わせて、便宜上 "3プット(スリープット)"と呼ぶことにします。

受験勉強・就職活動における ”3プット” とは

就職活動におけるインプットと言えば、自己分析・業界研究、就活テクニックの習得で、アウトプットと言えば、OB訪問で自分の意見を述べる、エントリーシートを書いて添削してもらう、模擬を含めた面接を受けるなどです。

例えばWebテストでも書籍を用いた学習はインプットですし、"捨て駒"の企業のアカウントで実際に受験しにいくのはアウトプットに当たります。先ほど紹介した「【20卒必見】19卒内定者が教えるアウトプットを前提とした自己分析法|「結果」より「過程」重視の自己分析を」にもあったように、一見典型的なインプットに思われる自己分析も、アウトプットを通してその効果を高めることが必要です。

すなわち、基本的に一つのフェーズではインプット・アウトプット双方の側面があり、就職活動はこの両者をかけ合わせて進めていくことになります。

一方受験勉強についてはしばしばインプットの世界と言われますが、実際にはこちらもインプットとアウトプットのかけ合わせで成果を出していくものと言えるでしょう。

例えば数学では公式を覚えれば覚えた分だけ点数が取れるわけではなく、演習問題を解くというアウトプットの過程を通して、他の問題でも活用しうる知識として変換していく過程が必要になります。このように、「わかる」と「できる」の間を埋めることがスループットと言えるのかもしれません。

エントリーシート(ES)を「パクる」ために必要なスループット

評価された先人たちがなぜ評価されたのか参考にする中で、自分なりのアレンジを加えてより良いものを志向してもらいたいと思います。

上記エントリーでも述べましたが、評価されるESを書き上げるうえではまず過去に実際評価されたESを読み込むことを出発点とするのが効果的です。その際、出来るだけ自分に近いスペック(=あなたを構成する外的要因全て。この場合は特に学歴や学生時代の経験等)の内定者のものを参考にするとよいでしょう。

では、過去の内定者のESを「読め」ばそれでいいのか。「読め」ば「書け」、それが評価されるものに仕上がるのか。

・【インプット】過去の内定者のESを読み込む

・【スループット】「読む」「書く」の橋渡しとしての

・【アウトプット】企業に評価されるESが書ける

この両者の乖離を埋める過程こそがスループットに当たります。

すなわち、「内定者ESに共通する要素は何か」「なぜそれらが当該企業で評価されたのか」「現状の自分のESには何が足りないのか」...

こういった部分を考え、解を導くことで初めて効果的なアウトプットに結びつくことを認識していただければと思います。

就職活動で有意義な3プットをするためのステップ

ここまでの内容から、インプット→アウトプットの流れの中でスループットがどのように機能しているか・なぜスループットが必要になるのかは理解していただけたかと思います。

以降は、就職活動においてこの3プットをどのように意識し、内定獲得へ結び付けていけばよいかを簡単にご説明します。

3ステップ|その1:インプット

先ほど触れた「大学の勉強ばかりしても就職活動で評価されない理由 :インプット重視の学生とアウトプット重視のビジネス」の記事にもあったように、インプットは「インプットしかしてない」状況が批判されがちなことから、何となくこれに注力するのがよろしくないかのような風潮が少なからずあると思っています。インプットは順番的にも初期の段階であるため、英単語帳の学習をしていたりWebテストの勉強をしているのが何となく遅れていてダサいと感じる声も耳にしたことがあります。

しかし、あくまで意味がないのはインプット「しか」していない場合の話であり、3プットの出発点としてインプットの立ち位置を正しく把握するべきだと思っています。

「Googleがあるからインプットに差はつかない」は本当か

この手の話をすると、
「今やGoogleを始めとした検索サイト・Webサイトの存在によって、誰もが平等に多くの情報を得ることができる時代になっている。これだけ情報がオープンな時代において、知識を得るインプットでは差がつくことがない」
といった考え方をしばしば耳にします。果たしてこれは正しいと言えるでしょうか。

確かに、一般人でも触れることができる情報量がここ十数年で飛躍的に増したことは紛れもない事実でしょう。しかしこの場合、情報量だけでなく「情報の種類・質」、すなわち「どんな情報をインプットするのか」によりインプットの成果に十分差がつくものだと思っています。

また、そもそもGoogleのような検索サイトの存在があっても、近年の学生は「ググり力」に欠ける方が多い印象があります。例えば、商社の企業研究しようと思っていても、どのように検索すればいいかわからず、「商社 企業研究」の検索で止まってしまい、「商社 ビジネスモデル」「商社 仕事内容」と派生してググることができないケースが多々あります。テクノロジーの発展に伴い、ググらなくても、欲しい情報が自分のもとに手に入ってしまう時代になってしまったためです。

就職活動で欲しい情報に対して、適切な検索ワードからあるべき情報を導けるか。そして、そもそもそれらの情報は正しいものと言えるのか。誰もそれを保証してくれはしません。

就職活動の情報を提供するWebメディアの一つであるunistyleでは、1,300以上の記事・23,000以上のES・選考レポートで皆さんに有用なテクニックや考え方をご提示しています。まずは以下のまとめを参照することで効率的なインプットの入り口として活用いただければと思います。

▼「まずは読むべき」記事についてはこちら▼
参考:就活の始め方【読まずには始めたらもったいない!unistyle就活記事33選】

3ステップ|その2:スループット 

さて、次にインプットして得た情報を脳内で咀嚼するわけですが、この際意識しておくべきは、「咀嚼の論点」です。

就職活動におけるスループットの重要な論点の一つに「抽象化」があります。

この記事に書かれている通り、実体験→抽象化→他への還元といった流れで進むのが就職活動で整理しておくべき思考の流れになります。すなわち、具体→抽象→具体で応用性を高めることが肝心です。 

留学中にインターンシップをしたことがある。理由は、「地球人として世界で活躍したい」と思っていたからだ。しかし現地は外国人に求人はなかった。日本進出に精力的な企業があると知った時、そこで働く機会を得るために自分は何が出来るか必死に考えた。そして、アイデアを考えて、「どうしてもお話したい事があるので時間をもらえないか」とオーナーの元を訪れ、自らプレゼンテーションした。その結果、提案内容と英語でのコミュニケーション力が決め手に採用が決まり、インターンシップの機会を創るという目標を達成した。従って私は、何事にも自ら行動を起こして、新しいステップを切り開くよう努めている。

参考:富士通 【内定】エントリーシート(wishコース)(営業)

例えば、こちらの富士通内定者の学生時代頑張ったことから、どのような人柄・素養が読み取れるでしょうか。何が評価されて内定に結びついたのでしょうか。

・留学先で適切なコミュニケーションが取れるほどの英語力
・海外でインターンに参加したという事実
・インターンの採用に結びつけたプレゼンテーション力

このように、エントリーシートに書かれた文言をそのまま抽出し、それが評価されたと判断するだけでは、インプット=事実の抽出止まりで効果的なアウトプットへ繋げることはできていません。

抽象化が全くできていないと、極論「海外でインターンシップをするためにオーナーにプレゼンテーションして参加を勝ち取った」という同一の経験をしていないと参考材料にならないことになります。

今回の場合、
・「これまで経験したことのないような環境下でも臆せず現状を打破できる程の行動力」
・「価値観や立場の異なる人に対しても自らの考えを共有し、周囲を巻き込める力」
辺りが評価されたとスループットによって考えることができるでしょう。

こうすることで、例えば「価値観や立場の異なる人」について「国籍」に限らず「上級生と下級生」「競技者とイベンター」「正社員とアルバイト」といった形で、ゼミ・サークル・アルバイトのような身近な経験の場合でも応用することができます。

まとめると、「何を知り」の次の「何を考え」の部分として抽象化を行い、自分自身の就活に還元することが、3ステップの2段階目になります。

3ステップ|その3:アウトプット

本記事はスループットをテーマにしたコラムになりますので、アウトプットの詳しい手法やテクニックについては過去記事に譲りますが、就職活動における一番のアウトプットは実際に企業の選考を受けてみることであるとunistyleでは何度もお伝えしています。

●ESのアウトプット
当然ですが、ESはGD・面接とは異なり「選考に参加したときのフィードバック」をその場で得ることはできません(参加したとき=ESを書いているときとしています)。

今やunistyleを始めとした各種メディアでインターン・本選考の過去ESを自由に閲覧することができる時代。実際に選考会場に行かずとも練習できるフローであるため、先輩からの添削やOB訪問で社員から意見を求めるなどして適宜アウトプットできる点は他にはない大きな特徴でしょう。

添削をするのであれば添削者と依頼者の間で目的意識を共有させること・OB訪問では事前に後の選考に結びつく質問を用意しておくことなど、効果を発揮するために最低限守るべき事項については認識すべきです。


●面接のアウトプット
一方面接は、キャリアセンターや友人同士などで模擬面接を実施することはできるにせよ、基本的には実際に選考会場へ足を運んで受験することが基本となります。

面接選考に向けての大前提として、
①考えてないことは書けも話せもしない
②書けないことは話せない
③面接は ESの内容を基にして進行することが多い


の 3 点は抑えておくべきでしょう。

上記記事でも述べましたが、面接は面接官の問いに回答する口頭試問試験などではなく、面接官ー就活生のコミュニケーションの場です。

よく、「面接は慣れだよ」と単純に場数を踏むことをよしとするアドバイスは多い気がしていますが、「慣れ」の効果には
①面接という”雰囲気”に慣れる
②自身の深堀りされるパターンを知ることが出来る

の2点があります。①は結局「緊張が抑えられる」みたいな話であり、②の演習効果の方がよっぽど重要です。

面接経験を数多く積んだ学生からは、「以前受けた別企業の面接とほとんど同じ内容で面接が進んだ」「話の展開でだいたい次にくる質問が予想できるようになった」など、ある種の境地に達したとも言える報告が度々なされています。

質問を予想することに本質があるわけではありませんが、ESを執筆・添削の段階で思考を整理→実際の面接選考で深堀りパターンを知るという形が、アウトプットとして効果的なサイクルです。

面接に「慣れ」ることは今後どういった「準備」をすべきかを考えるうえで参考になることも多いため、アウトプットを次のインプット/スループットに還元するという意味でも、業界問わず積極的に企業の選考に参加する気概を持っていただければと思います。

スループットはこれからますます求められる時代になってくる

さて、ここまでの内容で就職活動におけるスループットの重要性について把握していただけたかと思いますが、何もスループットは内定獲得のためのツールやテクニックのためだけに存在するものではありません。

スループットは内定獲得に効力を発揮するだけでなく、実際に社会に出て働くことになっても役に立つ考え方だと思っています。

「予測不能」の時代。そこで価値を生み出す "スループット"

これからの時代、活躍できる人材とは。|パーソルキャリア 佐藤裕|unistyleインタビュー」でも紹介しましたが、あらゆる科学技術が急速に発達し「予測不能」の時代とも言われる昨今。上司から言われた仕事を言われた通りにこなすだけでは個人も企業も生き残ることは難しいと常々指摘されています。(もちろん指示通りに動くこと自体簡単な話ではなく、特に新人のうちはまずはこのレベルに至ることが求められるわけですが)

・レベル1:言われたこと・守るべきことをこなす 
・レベル2:与えられた枠組みの中で成果を出す 
・レベル3:既存の枠組みを超えて組織や会社のための提案を実現する 

参考:ビジネスマンの3段階のレベルから考える自己PRで伝えるべきこと

すなわち、これまでの経験や既存の考え方で通用しない事柄が増加するため、この記事の言う「何かを生み出せる人」が活躍する世の中へと推移していくことが想定されているわけです。

「何かを生み出す」と言えば、多くの方が思い浮かべるのが自ら事業を興す「起業」でしょう。起業と言われると、何だか意識が高いイメージや常人にはない並外れた発想力から事業を生み出しているイメージを持たれる方は多い気がしています。

しかし、何も起業とは自分以外がアクセスできないようなオリジナル情報を手に入れ(=インプットし)ることでなされるものではありません。先述した「グーグルで何でも情報収集できる時代」である以上、元々インプットするのは基本的にそれらの「既にある」情報に過ぎず、それらを精査し、掛け合わせることで「何か」は生み出される性質が強いと言えます。

この、「既にある情報の精査と掛け合わせ」こそが正にスループットであり、これからの時代に求められる素養の一つに含まれることは納得できるでしょう。

 

"主体性" は確かに重要だが、ある種前提に過ぎないのかもしれない 

これからの時代、活躍できる人材とは。|パーソルキャリア 佐藤裕|unistyleインタビュー」の記事では「何かを生み出すため」のベースの一つとして "主体性" がキーワードとして挙げられていました。

今後求められる人材として、

・(意欲的なという意味での)主体性
・(やり抜く力としての)主体性
の2点をキーワードとして上げました。

参考:”VUCA”からみる、これから求められる人材像とは?

一方、 "VUCA" という概念について述べたこちらの記事でも、企業が求める人物像として主体性が挙げられるという記述がなされています。

しかし、上記定義をそのまま読み取れば、「モチベーション高く働く」「最後までやり抜く」というのはビジネスパーソンとしてはある程度当たり前(ダラダラ働いていたり途中で投げ出す方が逆に問題)にクリアすべきレベルではないでしょうか。

※この場合の「モチベーション高く」とは、「仕事自体を楽しめているか」といった意味ではなく、(仕事を仕事として割り切ったとしても)、生産性高く・或いは高い成果が上がるよう行動しているかという意味を差します。

主体性はあくまで「意欲的」「あきらめない」といったマインドの問題だけではなく、「当事者意識を持ち、自らで考え、行動する」という行動の形でアウトプットまでが求められる素養です。

そのアウトプットをより効果的にするために、スループットが存在していること。あくまでやる気は前提に、「主体性」や「スループット」とは何か・それがなぜ求められているのか。unistyleではそのヒントとなるコンテンツを数多く掲載しています。

自分の身近な組織とも照らし合わせながら、  「あなたなりの『なに』『なぜ』」をスループットで導きだし、今後の選考にも活かしていただければ思います。

 

 

 

最後に

本記事の内容を一文でまとめると以下のようになります。

「インプット→スループット→アウトプットのサイクルを正しく回すことは、就職活動・あるいはその先のビジネスの現場でも効果が期待できる。

最後までスループット論についてあれこれ述べてきましたが、本記事は何か特別な新しい考え方を身につけるべきといった話ではなく、スループットはあくまで皆さんの日常でも少なからず実行されているものだと思っています。

まずは就職活動やビジネスの現場といった難しい話ではなく、皆さんの日常や所属するコミュニティーで、スループットの考え方がどう活用され得るのかについて思案してみるといいかもしれません。

さて、本記事をインプットした皆さんは、これをどうスループット・アウトプットしていくのでしょうか。

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度に、日本への信頼の大きさを実感したことから、この夢を抱いた。信頼を特に大切にする三菱商事でこそ、成し遂げたい夢である。中でも、カンボジア旅行中に途上国の選択肢の無い生活の貧しさを知ってから、途上国の生活を根源的に豊かにできるインフラビジネスに携わりたいと考えている。参考:【内定】エントリーシートこの方は本記事でも取り上げた(3)「エネルギーやインフラなど無くてはならないものを扱いたい」という志望動機を述べています。根拠として東南アジアへの留学経験を挙げており、自身の経験に基づいた夢であると示せているため企業側にも納得感を抱かせる事が出来るでしょう。しかし、本記事でも挙げた懸念点である「エネルギー業界やインフラ業界でなく総合商社でなくてはいけない理由」が明確には示されていません。文字数の関係上、仕方ありませんが面接の場ではしっかり回答出来るようにする必要があるでしょう。三井物産を志望する理由を記述して下さい。(150文字以内)カナダの服飾店でアルバイトをした経験から、異なる価値観を持つ人と信頼関係を築き、目標を目指すことに魅力を感じ、世界の舞台で目標に挑戦し続ける総合商社を志望している。また、貴社の社員を見て、仕事への「誇りと使命感」を感じ、そのような方と切磋琢磨しながら、仕事をしたいと感じたため、貴社を志望している。参考:【内定】エントリーシートこの方も海外での経験を根っこに志望動機を作り上げています。しかし、この方は「したい事がある」から総合商社を志望した上記の内定者とは違い「出来る事がある」から総合商社を志望しています。この志望動機は「」の(2)価値観の異なる様々なメンバーと一つの目標を達成したいに当てはまっています。海外をビジネスの主戦場とする総合商社では当然言語や宗教などが異なる人々だけではなく、現地の民間企業や公共機関、政府など様々な立場の人々と働く事になるでしょう。そのため、この志望動機は的を得て良い志望動機であると言えます。この方のように自身の強みを根拠に志望動機を述べるアプローチもありますので是非参考にしてみて下さい。 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ビジネスマンの3段階のレベルから考える自己PRで伝えるべきこと ビジネスマンの3段階のレベルから考える自己PRで伝えるべきこと ビジネスマンには3段階のレベルが存在するという話を聞いたことがあるでしょうか。社会人でも意識している人はあまり多くないかもしれませんが、このことを理解しておくと就職活動に直接プラスになるだけでなく入社後にもプラスになると思いますのでご紹介します。本記事のコンテンツ・レベル1:言われたこと・守るべきことをこなす・レベル2:与えられた枠組みの中で成果を出す・レベル3:既存の枠組みを超えて組織や会社のための提案を実現する・学生の所属する組織でも同様に3つのレベルが存在している・ビジネスマンと学生時代の経験の共通点から自己PRで話すべきことを考える・最後にレベル1:言われたこと・守るべきことをこなすレベル1の段階は言われたことや守るべきことをしっかりとこなすというレベルです。例えば、コピーをして書類をまとめる、遅刻をしない、会社のルールを覚えて守るといったことが当てはまります。時期としては新入社員のうち、遅くとも2年目には脱しておきたいレベルではあるが、実際にはこのレベルを突破することができずに足切りされてしまう人も少なくありません。日本の雇用環境ではこのレベルで脱落してしまう人でもクビにすることはできないので、3年目以後はできない人として放置されてしまうことも少なくありません。レベル2:与えられた枠組みの中で成果を出すレベル2の段階は与えられた枠組みの中で実績を出すというレベルです。例えば、営業成績で上位の成績を取る、参加したプロジェクトの中で周囲に評価されるような仕事をして認められるなどがあげられます。与えられた枠組みの中で高いレベルで成果を上げる段階です。証券会社、銀行、不動産営業など営業色の強い会社では1年目からこのレベルが求められる傾向にあります。時期としては遅くとも10年目までにこのレベルで実績を残しておこないと大企業の部長、役員などの上のポジションにつくのは難しいかもしれません。一方で実績を残すことができず、このレベルから脱することができない人も多いのが現実で、多くのビジネスマンは与えられた枠組み、ルールの中でどう成果を出すか悩んでいるというのが実態でしょう。レベル3:既存の枠組みを超えて組織や会社のための提案を実現するレベル3の段階は、与えられた枠組みを超えて組織や会社のために提案するだけでなく、実際に自らの手で実現するところまで担うレベルです。例えば、新規事業の部署を自ら提案し立ち上げる、これまで取引のなかった企業と新規提携を行う、業務改善の提案を行い実際に導入するなどがあたります。このレベルに到達するにはレベル2での実績が不可欠です。与えられた枠組みの中で成果を出した人間でなければ、いくら会社のためになる提案だとしても残念ながら受け入れられることは少ないでしょう。それは会社の融通が利かないからという話ではなく、単純に与えられた枠組みで成果が出せない人が既存の枠組みを超えた提案を実現するのは難しいと考えられているからだと思われます。何の実績もない人に重要な仕事は残念ながら回ってこないのです。実際にはレベル2の段階で四苦八苦している人が多いため、レベル3の段階に到達できるビジネスマンは少なく、意識すらしたことがない人が少なくありません。一方で大企業の中で役員になっている人はレベル2の実績だけでなくレベル3段階での実績を伴う人が多いでしょう。学生の所属する組織でも同様に3つのレベルが存在しているさてここまでビジネスマンの3段階のレベルについて見てきましたが、これは学生が所属する組織でも同様に当てはまります。例えば体育会系の部活であれば、レベル1の段階は新人として言われたことを守る・役割をこなす段階で、レベル2はレギュラーや選手として成果をあげる段階、レベル3は幹部として部活全体のための提案を実現する段階だといえます。同様にゼミ活動でも、レベル1の段階はゼミ生として言われたことを守り、課題をこなす、レベル2の段階は課題や共同論文の執筆において高い評価を得る、レベル3はゼミ全体のためになる提案を実現する段階だといえます。体育会でもゼミでも、レベル3の段階に到達するためにはレベル2の段階での評価や実績は重要で、レベル2の段階で組織に貢献できていないとレベル3に到達するのは難しいかもしれません。実績が1番ではなくても誰よりも組織のことを考えて、レベル2の段階でも努力し周囲に認められている必要があります。ビジネスマンと学生時代の経験の共通点から自己PRで話すべきことを考えるここまで見てきたようにビジネスマンの3段階のレベルは学生時代の経験にも当てはまります。この共通点を理解しておくと自己PRで話すべきことは明確に見えてくるのではないでしょうか。レベル1の段階のことを必死にアピールしようとしてなかなか評価されないと落ち込む学生がいる一方で、人気企業内定者の多くがレベル2での実績だけでなく、レベル3の実績も準備した上で、面接の中では両方の強みを伝えています。このことを理解しておくと、学生時代頑張ったことで、他者との関わりがないTOEICや受験勉強を頑張った話があまり評価されない理由も理解できるでしょう。下記の動画においても、評価される自己PRのポイントを解説しているので参考にしてください。最後に実際には社会人には3つの求められるレベルがあるということを理解している社会人はそこまで多くないかもしれません。一方でこのことを学生時代の経験からも体感的に理解できている人は社会人になってからも応用しやすくレベル3のことを早い段階から意識することができます。これを読んでまだ学生時代の経験でレベル3のことができていないと感じるのであれば今からでも遅くないので、所属する組織のために自分自身は何ができるのか考えて行動に移してほしいと思います。photobypeturr 20,504 views
ゴリゴリ理系化学部→広告代理店へ|理系就活を辞めたワケ【unistyle24卒インターン生就活体験談vol.6】 ゴリゴリ理系化学部→広告代理店へ|理系就活を辞めたワケ【unistyle24卒インターン生就活体験談vol.6】 こんにちは。24卒のインターン生です。突然ですが、皆さんはスキルや専門性など、これまでの延長線上で就活しなければならないと思ってはいませんか?もちろん、自分のなかで納得できているならそのままでいいですし、やりたいことから逆算してスキル・専門性を磨いている方は、素晴らしいと思うのでこれからも励んでいただければと思います。ただ、「何となく違和感はあるけど、これまでやってきたことがもったいない気がする、、」「特にやりたいこともないから、このままの延長線で就活すればいいや、、」そう感じてる方はいませんか?僕は、理系オブ理系(化学系・応用化学専攻)から、全くの異分野である広告代理店に就職を決めた身として、上記のように感じてる就活生に対し「本当にそれでいいの?」と問いたくて、この記事を書いてみました。少しでも心あたりのある方は当記事を読んで、一緒に自分の将来について考えていきましょう!関連記事本記事の構成筆者のプロフィール理系に進んだ背景・化学部はこんなことやってます・学部選びの背景・実際に大学で学んでどうだったか就活時に考えたこと・強烈に違和感を感じたエピソード・「就社活動」はしたくない・自分の好きなこと・嫌いなことはなんだろう・これまでの延長線上で仕事をしないといけないのかなぜ理系から広告代理店へ文系就職した?・マーケティングの仕事がしたい・事業会社vs支援会社最後に・自分が感じた違和感を大切にしてほしい・キャリアを考える際におすすめな本筆者のプロフィール僕のプロフィールは以下の通りです。◆性別:男性◆大学:MARCH◆アルバイト:長期インターン・カフェ・デリバリー・スーパー◆志望業界志望変遷:メーカー→IT(SaaS)→広告(デジタルマーケティング)◆性格好奇心旺盛で興味範囲が広く、色んなものを知りたい欲が強い単純作業やじっとしていることが幼少期から苦手◆現在大学4年生、大手インターネット広告代理店へ入社予定理系に進んだ背景・化学部はこんなことやってますまず、そもそもなんで理系に進んだのか、大学で実際にどんな勉強をしていたのかを簡単に紹介します!学部選びの背景「理系に進んで将来こんなことがしたい」なんてものはなく、一言でいうと「なんとなく」理系に進みました。というのも、中学から理科が好きで、成績も他の科目はだいたいオール3だけど、理科だけ5を連発といった感じでした。その中でも特に化学が好きで得意だったので、高校も化学の成績だけやたらと高い。親に理系へ行くことを勧められ、当時心理学に興味があって文系のほうがいいなと薄々感じてたものの、化学が好きだし、他の理数科目も嫌いじゃないし、理系のほうが潰しが効く。将来のことを大して考えてなかった当時の自分は親の意向に流されるままに、自己決定感のない選択をしました。実際に大学で学んでどうだったかでは実際にどんな学生生活だったか、各学年ごとのカリキュラムとともに紹介します!1年生:化学・物理・数学について基礎的な内容で高校の続きを学ぶ感じ、後期から毎週の実験が必修になり3年後期まで続く、ちなみに必修の実験レポートは1つでも出しそびれると一発留年。2年生:てんこ盛りの必修授業とテストで前期はフルコマ状態、オンラインじゃなきゃ死んでました。3年生:1,2年でちゃんと単位とってた人は少し暇になり、やっと遊べると思いきや就活が始まる。1,2年でちゃんと単位を取れなかった人はちらほら留年します。後期から研究室単位のゼミが始まる。4年生:1年間の卒業研究。無機材料(化粧品や半導体の原料)の研究をしていました。なにかと理由をつけてサボったけど週4稼働。夜まで居残りすることはあまりなかったので、これでもホワイトなほう。ざっくりですが、こんな感じでした!ちなみに、他大の化学・生物系の人の話を聞いていると、これでもまだ楽なほうかと思います笑(卒業研究で週5フルタイムはザラにある)やってみて、「思ってたのと違う」が一番感じたことでした。まず考え方の部分でいうと具体的には、想像<論理の世界で、考える視点が高校化学と比較して非常にミクロ。扱う化学現象そのものや社会の影響イメージがイマイチピンとこないということです。高校までは、化学現象を頭で想像しながら、それを数式やデータを用いて考えていく、例えるなら「右脳と左脳を往復しながら考える」ことが好きだし得意だったと、大学で気づきました。単純に勉強不足では?と言われたらそれまでですが、僕はこれがあと2年も増えると考えると院進しようと思えなかったし、研究職につくのはなおさら無理だと感じました。今振り返ると文系就職をした一番最初のきっかけはここからだと思います。また忙しさの面でも、僕と同じようになんとなく理系に進んだ人は意外と多くて、文系の友達を見て後悔する学生もちらほらいました。ちなみに男ばっかりなイメージはあるかもしれませんが、化学系は理系の中で女子は多めで、男女半々くらいだったのが不幸中の幸いといったところです笑就活時に考えたこと・強烈に違和感を感じたエピソードそんなこんなで理系就職に違和感を感じ始めていた僕が、就活を進める中で考えたことや感じた違和感について以下でお伝えしていきます。「就社活動」はしたくない今でも鮮明に覚えている、就活時に強烈に違和感を感じた出来事がありました。それは、とある企業の説明会におけるキャリアセミナーのパートの冒頭で「新卒就活は結婚活動と同じです」というフレーズを聞いたときでした。オンラインでの説明会でしたが「え、違うでしょ、、」と思わず声に出てしまいました。まるで新卒入社の会社を一生添い遂げるパートナーとして捉えるような考え方。「それって恋愛したことないのに結婚相手決めろって言ってるのと同じじゃない?」と違和感のあまり、説明会を途中退出しました。この考え方を完全否定するつもりはありませんが、好奇心旺盛で色んな環境に触れてみたい自分にとって、明らかに不適合なものでした。加えて変化の激しい今の時代、会社がずっと面倒をみてくれるわけもなく、ベテラン社員の退職勧奨も現に行われているという状況です。結果的に定年まで勤め上げることができたとしても1つの会社に依存する状態って精神的にかなり苦しいのではないかと思います。このような経験もあって、自分が会社に依存しない状態を実現しやすい業界・企業に就職することを、優先度高く設定して就活を進めていくことにしました。自分の好きなこと・嫌いなことはなんだろう「会社に依存したくない」これを自分がこれから働く上でのキーワードのひとつとして就活を進めていこうと決心した僕は、「それで、何がやりたいんだっけ」と次なる壁にぶちあたります。やりたいことなんて明確にありませんでした。きっと多くの就活生もそうなんじゃないかなと思います。僕ももれなくその一人。なのでやりたいことは考えてもわかるものじゃないと思った僕は、今後もおそらく変わらないであろう「好き・嫌いなこと」から考えることにしました。やりたいことは明確じゃないけど、好き嫌いは明確にある。好きなことが、やりたいことや得意なことに繋がりやすいのではないか、そう考えました。これはある本を読んだのをきっかけに思い至ったのですが、それは最後に紹介します。好きなことは「こと」とあるように動詞で考えます。「もの(名詞)」ではありません。「好きなもの」はその時その時で変わりやすいものだと思うからです。そしてもっといえば、好きなことの中でも勝手にやってしまうことが、今後も変わらず好きなことであり、やりたいことや得意なことへ、より繋がっていくのではないかと自分なりに考えました。これまでの延長線上で仕事をしないといけないのかここまでの「会社に依存したくない」価値観や自分の好き嫌いについて考えていった結果、やはり研究職やメーカー(マーケ職は別)にも、あまり就職したいと思っていない自分に気づきました。でも、まだ迷っていました。理系なので専門性を活かして就職。が、いわゆる定石です。実際に半分以上が院へいくし、確かに院に行けば6年間専門性を磨いてることになり、食いっぱぐれることはよほどないです。でも安定にそこまで魅力を感じないし、やりたくないことのためにやりたくないことをやるのは、しんどいです。学部卒でメーカー就職しても院卒ほどではないがある程度は有利です。でも正直就職したいと思っていないし、学部選びのとき以上の後悔(自己決定感のない選択)をしそうだと感じました。そこで「化学系だからメーカー就職しないといけないんだっけ?」「そもそも過去の延長線上で仕事しないといけないんだっけ?」と思い至りました。理系の素養も抽象化すれば、他の領域でも活かせるはず。これは理系に限った話ではなく、あらゆる領域でいえることだと思います。例えば、データをもとに定量的に考える力、論理的思考力、定数と変数(変えられるものと変えられないもの)を分けて考える力、仮説検証の考え方、これら等が挙げられます。このように思い至った結果、僕は理系の専門性を活かした就活を辞めました。なぜ理系から広告代理店へ文系就職した?まさか広告代理店へ就職するなんて、正直言うと就活を始めた頃には1ミリも考えていませんでした。「広告なんて鬱陶しいから、ないほうがいい」とさえ思っていました。そんな僕が、なぜ広告業界を志望したか、理系で培った素養をどう活そうと考えたか、簡単ですがお伝えしたいと思います。マーケティングの仕事がしたい元々「広告なんかないほうがいい」なんて思ってたほどなので、もちろん広告を作りたいという動機では志望していません。志望した一番の理由は、マーケティングの仕事がしたいからです。きっかけは長期インターンの経験でした。マーケティングの仕事をしたいと思ったのは、主に以下の3つのポイントです。①考え方がおもしろい②理系の素養を活かしやすい③業界の成長性(デジタル領域)①考え方がおもしろい広告はかなりクリエイティブなイメージを持たれるかもしれませんが、実際は意外とロジカルです。人の感情・行動を想像する右脳的な側面と、想像とデータをもとに論理的に施策等を考える左脳的な側面がマーケティングにはあって、この2つの側面を往復していくその考え方が僕はおもしろいと感じました。②理系の素養を活かしやすい先程の「右脳と左脳の往復思考」はまさに僕がこれまで学んできた化学の考え方と似ています。(科学現象を想像し、理論や数式に当てはめて考える)加えて前パートでも述べた、定量的に考える力、論理的思考力、定数と変数を分けて考える力は文系職全般に応用が効くと思いますが、特にマーケティングの考え方において、これらの力は真価を発揮できると僕は考えています。③業界の成長性・変化の速さ(デジタル領域)これは特にデジタル領域の話になります。インターネットが浸透してデジタル化が進むことは不可逆な流れなので、今後も成長性は高いと考えています。高い成長性=場数やチャンスが巡ってきやすい環境であるといえるし、なにより好奇心旺盛な自分にとって業界の変化スピードが速いことは魅力的でした。事業会社vs支援会社とはいえ、マーケティングの仕事は事業会社のマーケティング部でもできます。新卒でどちらから始めるか悩みました。なぜ広告代理店という支援会社の立場を選んだのか、ポイントは以下の3つです。①好奇心旺盛&視野を広げたい②特定の関わりたい製品やサービスがまだない③新卒での枠が狭い①好奇心旺盛&視野を広げたい自社の商品にひたすら向きあう事業会社とは異なり、支援会社ならば様々な業界やプロジェクトに関わることができます。好奇心旺盛な性格で、特に20代は様々な業界・プロジェクトを通して視野を広げていきたい自分にとってピッタリだと思いました。②特定の関わりたい製品やサービスがまだない様々な業界・プロジェクトに関わりたいとはいえ、自分が本当に世の中に広めたいものであれば、それにひたすら向きあう仕事もしてみたいと思っています。ただそのような単なる「好きなもの」を超えたものが、自分の中でまだ見つかっていません。③新卒での枠が狭いこれは、これから事業会社マーケ志望の就活生にも一度は考えてほしい観点です。ほとんどの事業会社のマーケ職における新卒採用枠は毎年若干名程度、そもそも新卒で募集していない企業も多いです。新卒で募集していない企業は、一般的に営業職などを経てから社内異動することによって職務に就きます。企業の方針にもよりますが、そこまでに早くても3~5年は掛かったりするので、新卒からマーケティングに携わりたいのであれば僕は支援会社という選択をおすすめします。関連記事最後に自分が感じた違和感を大切にしてほしい僕がこの記事で最も伝えたかったことは、自分が感じた違和感を大切にしてほしいということです。「せっかく理系出たのにもったいない」と言われたこともありますが、はっきり言って「違和感感じてるのに進むほうが今後の人生も踏まえてもっともったいない」です。今まで自分がかけた労力や時間を否定するように感じるかもしれませんが、それは思い込みです。加えてこれまでにお伝えしたように、抽象化すれば何かしらに活かすことはできるので、今までの労力は無駄にはなりません。キャリアを考える際におすすめな本僕が大学生から始めて最も良かったと思うものが読書です。おまけですが、本記事に関連する3つのおすすめ本を紹介します。RANGE(レンジ)知識の「幅」が最強の武器になる:知識・経験の幅広さの重要性を説く本。自分の気質に近い人やアイデアを仕事にしたい人におすすめです。DarkHorse(ダークホース)「好きなことだけで生きる人」が成功する時代:好きを仕事にしたい、キャリアや人生って逆算して考えないといけないの?と感じてる人におすすめです。苦しかったときの話をしようかビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」:先述した好きな「こと」で自己分析するきっかけとなった本です。シンプルに就活のやる気でるのでおすすめです。関連記事 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グローバルに活躍するコンサルティング集団、三井化学の仕事とは グローバルに活躍するコンサルティング集団、三井化学の仕事とは 本記事は三井化学のPR記事になります。三井化学をはじめとした化学メーカーは商材が目立たないこともあり、最終製品を扱うメーカーなどに比べると、特に文系学生からはまだまだ縁遠いと思われがちな業界だと感じています。以前実施したunistyle就職活動意識調査においても、上位校の文系学生約700名の中で三井化学を就職検討先として挙げている方は49名という結果でした。(ちなみにトヨタ自動車は125名となっています)しかしながら、化学メーカーは特定の素材の分野で世界的に大きなシェアを持ち、グローバル進出も盛んな優良企業が揃っています。三井化学も海外売上が全体の45%にのぼり、社員の3人に1人が海外に在籍しています。世界を舞台に活躍したいと考えている学生には、まず見て損のない企業だと思っています。この記事では三井化学を例にとり、化学メーカーの仕事や働き方を紹介いたします。こちらを読めばおおよその業界研究・企業研究ができるようなボリュームとなっていまして、皆さまのキャリア選択の幅を広げる一助となれば幸いです。化学メーカーの仕事と、三井化学における「事業部」の役割この段落では、三井化学の社員インタビューから、化学メーカーの仕事内容を見ていきます。事業部で若手に任される仕事は大きく分けて4つ。1つ目はお客様を訪問して価格や数量を交渉し、納入スケジュールなどを決める営業業務。2つ目は市場の需要や当社のマテリアルバランス(製品の生産状況)を勘案しながら行う生産計画の立案や生産管理。3つ目は年次・月次で実施される収益計画の策定や収益結果の管理(いわゆるアカウンティング)。そして4つ目は他社との提携による大型プロジェクトに製品担当として参画することです。プロジェクトでは工場や経営企画、法務、経理など各分野のスペシャリストからなるチームをまとめながら決断を下し、工程を進めていく、プロジェクトリーダーに近い役割を担います。(三井化学採用ホームページより)実は三井化学に「営業部」という部門は存在せず、文系職は「事業部」となっています。上記のインタビューにもある通り、事業部の社員は営業も行いますが、それは業務の一部に過ぎず、戦略立案、マーケティング、製造・販売の統括などその業務は多岐にわたります。日本国内のメーカーを担当している場合であっても、メーカーは世界中に生産拠点を構えて事業展開しており、例えばある地域の生産拠点が地震や洪水などに見舞われて製品の製造計画に変動が生じた際には、材料の供給もそこに合わせる必要があります。メーカーの生産ラインを高品質の材料を安定的に供給するためには、常に海外の動向にアンテナを張るグローバルな視座が求められます。また、製品開発については、クライアントのメーカーとともに「何を作るのか」という段階から企画して提案していくことが求められます。単に完成品を売るのではなく、自社の素材を用いてどのような製品が開発可能かをクライアントや自社の研究部門とやり取りしながら開発を進めるため、提案の幅も広くコンサルティング的な側面が多いと言えます。「1年目でも数億円規模のビジネスを担当」三井化学事業部社員の働き方三井化学の事業部社員の採用数は例年20名程度と少なく、若い年次であっても幅広い分野の大きな仕事を任されるため成長の機会に恵まれています。以下の社員の話からも、若手のうちに大規模なビジネスや海外との取引に関われることが読み取れます。・1年目から億円単位のデリバリーを担当PTA(高純度テレフタル酸)は、繊維やペットボトルなど幅広い製品の原料であるポリエステルのさらに上流に位置する基本原料。三井化学でも50年以上の歴史を持つ製品であり、世界中のポリエステルメーカーを顧客としてビジネスを展開しています。事業規模は社内でもトップでありながら、少人数のチームで運営しているため、一人一人が扱う量も金額も大スケール。私も1年目から国内外合わせて100万トン規模のデリバリーを任され、成約金額が数億円という案件もあるなど、エキサイティングな日々を送っています。(三井化学採用ホームページより)こちらの社員は数億円単位のバルクでの原料供給を任されたとのことです。また、クライアントからの値下げ要求への対応なども合わせて行うため、自社の利益と顧客との関係性とを考慮して妥結点を模索する交渉の前線に1年目から立たされることになります。・1年目から連続出張海外出張も多く、韓国・中国に1週間ずつ連続出張したこともあります。その間も国内案件を並行して進めなければならず、モバイルツールをフル活用してお客様や社内の関連部署と連絡をとり続けました。世界中どこにいても仕事ができる便利な時代だけに、忙しさもかなりのものですが、ダイナミックに仕事を進めていけるのが楽しさでもあります。(三井化学採用ホームページより)上記のインタビューの通り、海外と仕事をする機会も多く、1年目であっても現地とのやり取りや海外出張を任されます。「グローバルな働き方」をふわっとしたイメージで捉えている学生もいるように感じますが、おおよそ以下のように分類されると思っています。①日本国内から、海外の顧客や関係会社相手に電話やメールなどでコミュニケーションを取る仕事②勤務地は日本国内で、海外出張を繰り返して顧客と面談しながら進める仕事③海外に駐在して現地の関係者と一緒に取り組む仕事①と②については入社後早々に携われるのが三井化学の事業部社員だと言えるでしょう。また、経験を積んで評価されれば、③の海外赴任し現地で新規ビジネス開発に従事するなど、チャレンジの機会にも恵まれています。三井化学では、優秀な人材が集まるとともに上記のように成長環境が整っていることもあってか、中には同業の外資系化学メーカーや、それ以外にも外資系コンサルティングファームなどからのヘッドハンティングを受ける社員もいるようです。競合は総合商社・コンサルティングファーム。三井化学の求める人材ここまで説明した通り、三井化学の事業部社員は、自社の技術を用いてメーカーに開発提案を行い、新たな製品を生み出すビジネス創出が可能です。また、社会情勢、人口動態、法規制など様々な変数を考慮して自社素材の成長戦略を立案、商品提案、製造・販売の統括までを担います。上記に加えてグローバルに活躍できる機会も多いため、総合商社や外資系コンサルと合わせて志望する学生もいます。(逆に、商社、コンサル志望であれば化学メーカーも受けるべきだと思っています)三井化学では同業界の他企業に先駆けて「グローバル×コンサルティング」志向の学生を明確に採用ターゲットに据えており、インターンシップのコンテンツも、実際に社員が使用する膨大な資料をもとに自社素材のグローバル成長戦略を立案するというものになっています。また、自社の説明はほとんど行わないのも三井化学インターンの特徴の一つであり、純粋に学生のキャリア選択のためになるコンテンツを用意しています。老舗日系大手企業のインターンシップとは思えない内容ですが、現場の新卒採用担当者の発案で大幅な方針転換を行い、現在の形での実施に至ったとのことです。企業の未来を決める新卒採用において、現場担当者の意見を通して変革がなされたという事実から、うわべだけでない「風通しのよさ」を感じます。(もちろん、発案者が社内での十分な信頼を得ていないのであれば提案も通りづらいと思っていますが、それはどの企業においても共通していると言えるでしょう)三井化学を選んだ学生・選ばなかった学生ここで、実際に三井化学のインターンシップに参加した2017年卒の学生からのインタビューを紹介いたします。複数内定の上で三井化学への入社を決めた学生と、結果として他社へ進む学生の両方からのインタビュー内容を掲載しているので、フラットな企業選びの参考にしていただければと思います。※なお、三井化学のインターンシップ説明会はunistyle経由で事前応募が可能です。◼︎三井化学:5daysインターンシップ事前体感ワークショップ付き説明会①三井化学に入社予定の学生【内定先】外資系コンサルティングファームなど【三井化学インターンシップ応募動機】昨年、ゼミの先輩が三井化学のインターンシップ「GlobalLeader」に参加していて勧められたため。また、アルバイト先の同期が応募しており興味を持った。【三井化学インターンシップでの学び】◼︎第1セッション:商材の成長戦略については、大きく2つの学びがあった。①FactFindingの難しさインターンシップ当日は膨大な資料が用意されており、馴染みのない化学業界(および対象事業)のビジネスモデルを理解するのに苦労した。また、Factをどのような形式で纏めるのかという点も工夫が必要であり、フレームワークやOAスキルの重要性を再実感した。②スケジュール管理チームメンバーは6名(内女性2名)で優秀な学生が多く、議論の方法や質に関しては苦労を感じることはなかった。しかし、議論が白熱すればするほど、検討項目が出てきて優先順位の設定が必須となり、それに伴うスケジュール管理に苦労した。まずは納期内に完成させることの大切さと、Factに基づくシナリオを事前に準備する必要性を学んだ。◼︎第2セッション:自己内省については以下の1点に尽きる。「キャリアはすべて自分次第で創りだすことが出来る」ということ。第2セッションは自己内省と現在の自分の位置づけを知るためのワークがメインであり、ワークの後に人事部社員から常に発信されたのが、「なりたい自分」をまず持つこと、そして「現在の自分」を知ること。なりたい自分を体現するにはActするしかなく、それを愚直に続けることが成功の近道であると改めて認識した。【なぜ外資コンサルではなく三井化学?】コンサルティングファームに興味を持った理由としては、色々な会社の戦略課題に触れることができて、それを解決することによって自己成長ができるのではないかと思った。しかし、ある企業にOB・OG訪問をした際、コンサルティングファームは結局部分的な問題解決しかできず、根本的な問題解決をすることは出来ないというコメントをいただき、その業界での働き方に懐疑的になった。一方、三井化学は製造業(素材)であり、製品(モノ)を基軸に社会課題を解決する業界である。また、三井化学の事業部での働き方は、製造・販売・研究を統括し、自分が担当するセグメント・地域の戦略立案から実行、マネジメントをすることができるということに魅力を感じて入社を決意した。この学生は、課題解決やそれに伴う自己成長を望んでコンサル業界を見ていたようですが、結局戦略コンサルでは一定期間しか課題と向き合えず、事業の当事者として結果責任を負うところまで関わりたいと考えたときに三井化学の方が魅力的だと感じたとのことです。上記の通り、コンサルはあくまでクライアントのサポートであり、実際の実行や最終的な課題解決まで手がけないのですが、一方で三井化学のような事業会社と比較すると①純粋にアイディアを評価される、②短期間のサイクルで多様な業界に携われる、といった特徴があります。自分がどちらにより興味があるのか、皆さまにも考えてみて欲しいと思います。②他社に入社予定の学生【入社予定企業】5大総合商社【三井化学インターンシップ応募動機】就活情報サイトのSNS投稿をきっかけに認知し、グローバルに影響を与えられる人材になりたいと考えていたために応募した。【三井化学インターンシップでの学び】◼︎第1セッション:商材の成長戦略については、「チームで合意形成を都度取り進めること」の重要性を学んだ。ワークの形式としては、800頁ほどの配布資料から現状分析を行い、次の打ち手を考える戦略立案というものであった。しかし、初日のPMから最終日(3日目)の15時までしか時間はなく、圧倒的に時間が足りない。議論を進めていく際に、やっぱりここはもう少し議論すべきでは等、戻って議論をするシーンが何度もあった。アウトプット向上のために振り返って議論することは重要であるが、それは時間にゆとりがある状態であり、まずはターゲットを絞った提案を完成させることが先決。余力があればそれを肉付けるための議論をすべきであった。その際、必要だったのが、都度合意形成を取り、定点毎に土台を固めて議論すること。その重要性をこの第1セッションでは学んだ。コンサルティングファームやベンチャー、総合商社等のインターンシップに多く参加したが、中でも三井化学は実資料や思考を凝らしたコンテンツが充実しており、難易度・満足度ともに最も高いと感じた。◼︎第2セッション:自己内省については、「自分自身と本気で向き合い・考える」重要性を学んだ。コンテンツとしてはグループワークを通しての自己内省および他者と比較した自分の理解、それから、キャリア形成の方法および考え方であった。今まで自己分析を行ったことが殆どなく、うわべだけでの回答で面接等は乗り切ってきた。しかし、グループワークのベース資料として、過去から現在に至るまでの原体験を赤裸々に語る必要があり、蓋をしたい自分の見たくない点にも向き合う必要があった。人事部社員から「まず自分を肯定することが大事で、そこからどう動くかが一番のポイント」という言葉に支えられ、自分自身と本気で向き合い・考える機会となり、その後、自信を持つことができた。【なぜ三井化学ではなく総合商社?】就職活動の軸として、自分が創り出す影響を最大化することで他者を幸福にすることを挙げていた。この軸であればどの業界・どの職種であっても可能だが、中でも総合商社を選択した理由としては2点ある。①モノを持たない代わりにどの顧客にどの供給者のモノを提供しても問題はなく、ニーズを有する顧客に最適なモノを提供するようコーディネートすることが可能である。自分のコーディネーション次第で最大の良い影響が与えることが可能である。②商社は今や投資銀行やファンドと変わらない「Invest」がメインになりつつある。しかし、商社の歴史は「Trading」であり、持つ者とそれを必要とする持たざる者を繋ぎ合わせることが本分である。就職予定の総合商社は同業界の他商社と比較して、最もTradingに重きを置いており、今後も生粋の商人であり続けるというポートフォリオを掲げている。上記より就職する企業を選択したが、その選択を後押ししてくれたのは三井化学の人事部社員である。企業人としてのしがらみ等に囚われることなく、一個人としての可能性を最大化してくれたこのインターンシップに参加して本当に良かった。こちらの学生の話の中では、まず第2セッションの自己内省についてのコメントを取り上げます。この回答者のように頭の回る学生であれば、表面的な回答を事前に用意しておけば面接でもある程度の評価を得ることは可能だと思っています。自分の弱みについても、強みの裏返しなどを無難に答えれば問題ないことも多いでしょう。しかしながら、社会に出ると自分の弱みを痛いほど実感するだけでなく、強みだと思っていた部分すら通用しないといった場面にも遭遇します。自己分析に長い時間をかけることはあまりおすすめしませんが、三井化学のインターンシップのような機会に一度深く自身と向き合ってみるのはよいことだと思います。独りで机に向かってシートを埋めて自己の内面を掘り下げたつもりにならず、掘り下げた内容を他者と共有するといったアウトプットと両面での自己分析を行ってみてください。また、企業選びのポイントについて、この学生はモノに縛られずに価値提供できる面がよいと感じて総合商社を志望したとのことです。三井化学のような化学メーカーは最終製品の手前の「素材」を扱っていることから、製品メーカーと比べるとモノに縛られる要素が少なく、その意味で製品メーカーと総合商社の中間のポジションと言えるかもしれません。一点、総合商社志望の方に向けて注意を付け加えるとすれば、「総合=なんでもやれる」と思いきや、いち個人目線では背番号制のために特定の業界にしか関われないことも多いと言えます。最後に三井グループ所属かつ創業100年超の老舗企業ということで旧態依然としたトップダウンの固いイメージを持たれがちな三井化学ですが、ここまで説明した通り、事業部社員一人ひとりの裁量も大きく、また、採用面でも優秀層の人材確保に向けてエッジの利いた取り組みを人事担当者発案で行うなど、ボトムアップの社風を持つ企業だと言えます。待遇も総合商社やコンサルに引けを取らないので、文系学生ももっと目を向けてみるべきだと思っています。なお、三井化学のインターンシップ説明会も現在先行申込を受け付けています。官公庁、商社、投資銀行、現地法人などを巻き込んだ三井化学のグローバルプロジェクトを体感できるコンテンツを用意しているので、今からお申し込みいただければと思います。◼︎三井化学:5daysインターンシップ事前体感ワークショップ付き説明会 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