「自由な服装でお越しください」って結局スーツと私服どちらが正解なのか?

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最終更新日:2024年01月18日

「自由な服装でお越しください」って結局スーツと私服どちらが正解なのか?

本記事では、就活生の悩みのタネ(?)の一つである「服装は自由です」について掘り下げてみました。

本選考とインターンの締め切り情報

「自由な服装でお越しください」の意図

自由な服装=スーツ?

では早速「自由な服装でお越しください」の意図について考えていきましょう。

大学では体育会の学生が学ランやスーツの着用を指定されていますが、それ以外の大学生は特に大学側から服装は指定されておらず自由な場合がほとんどでしょう。髪色も指定はされていないことが殆どで、茶髪や金髪など色とりどり(?)な学生が春には溢れかえります。

一方、一度就職活動が始まると、染めていた髪を黒くしスーツを身にまといます。それが良いか悪いかの是非はここでは問いませんが、スーツが就活におけるオフィシャルウェアであってスポーツにおけるユニフォームのような感覚であることは間違いないです。

そして、面接やインターンシップの連絡の注意書きとして、企業によって様々な服装指定があります。

「選考時はネクタイ、ジャケットは必要ありません」
「私服でお越しください」
「自由な服装でお越しください」
「あなたらしい服装でお越しください」

中でも筆者が最も困ったのが「自由な服装でお越しください」の文言です。

筆者が参加した日系IT企業のインターンシップは”服装自由”でしたが、いざ参加してみると実に約30人中たった1人だけ私服(ビジネスカジュアル)でした。私服だった人はめちゃくちゃ気まずい思いをしたと思います。同調圧力って怖いですね。

心理学的に人は選択肢を与えられると選びやすいですが、まさにその逆。

「ご飯何食べたい?」
「何でもいいよ。」
「え、何でもいいが一番困るよ!」

あるあるですよね。心当たりある方もいると思います。「自由」とは一見親切なようで、実は一番不親切だったりします。それでも企業はなぜ、「自由な服装でお越しください」と指定するのでしょうか。

自由な服装の意図とは?

企業側は何らかの意図があって服装を自由に設定していると思われます。

リクナビの調査によると、約4割の企業が『服装自由』と指定したことがあるようです(面接・会社説明会を「服装自由」「私服でお越しください」とする人事の意図は?どんな私服で行く?)。自由な服装には以下のような意図があると考えられます。

自由な服装の意図

●個性を出して欲しい
●見た目(外見)よりも中身を見ている
●リラックスして選考を受けて欲しい
●最低限のTPOを守れるかを見ている

個性を出して欲しい

パンテーン(P&G)の『自由な髪型で内定式に出席したら、内定取り消しになりますか?』が注目を浴びていましたが、このパンテーンの問いかけは、就活における無個性な髪型や服装に向けて一石を投じているようにも思われます。

スーツに指定をした場合、画一的な服装に同じような髪型の中で(外見の面で)個性を出すとするならば、ネクタイの色程度でしょう。

企業側は学生の個性を見たいのであり、それは面接の内容だけではなく服装など外の部分にも向けられるならばスーツは阻害要因のひとつになりうるかもしれません。

 

見た目(外見)よりも中身を見ている

何やら恋愛で言われたいランキングの上位にランクインしそうな言葉ですが、こちらは服装で『個性を出して欲しい』とは反対に、外見よりも面接の中身を重視してると考えられます。先ほどとは間逆ですね。

服装やノックの回数・ネクタイの色etc...などの小さな『型』を気にするのではなく、面接の中身を磨いてくれという意図が込められているのではないでしょうか。

リラックスして受けて欲しい

ネクタイを締めていざジャケットを羽織ると気持ちが引き締まると同時に緊張しますよね。ただでさえ緊張するのが面接です。なるべく普段と同じ格好でストレスなく面接に望んでほしいという企業側からの配慮なのかもしれません。

最低限のTPOを守れる存在か見ている

服装指定がないからといって、袴に下駄を履いていくのは明らかに間違いでしょう。明るすぎる服装・ふりふりの可愛い服や派手なアクセサリーも同様に間違いでしょう。

社会に出る前に最低限のTPOが備わっているのか、その判断をする上で服装は企業にとって測りやすい指標なのかもしれません。

企業側の考える自由な服装とは?

それでもスーツで行くべきなのではないか…結局のところ企業側は『自由な服装』と銘打って何を意識しているのでしょうか。

企業の考える自由な服装とは?

①オフィスカジュアル(63.5%)
②その人らしさが伝わる普段着(35.6%)
③スーツ(31.4%)
④特にこだわらない(4.2%)
⑤その他(0.8%)

引用:面接・会社説明会を「服装自由」「私服でお越しください」とする人事の意図は?どんな私服で行く?

数値を見ると、”自由な服装=オフィスカジュアルと”考えている企業が多いようです。自由な服装で30%程がスーツと考えているのが意外な結果でした。更に混乱を招く結果になってしまってますね。

どうやら、最適な服装は業界や企業ごとに異なることがわかりました。果たして、どういうことでしょうか?

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業界によってはスーツが不要な業界も!?

顧客に合わせた服装をしよう

銀行員のスーツ着用は義務?

『半沢直樹』の影響からなのか、銀行員に対して「カッチリしている」「真面目」のようなイメージを抱いている人が多いようです。そのような影響(?)も合わさって「銀行員=スーツ」という印象が学生の間で確立されているように思われます。

他にも、「面接に来た子の服装・カバンはよく見ている」「面接にリュックで来ると噂される」等々銀行業界の服装の厳しさに纏わる話は、数え上げればキリがありません。

実際、筆者が参加した某金融のインターンでは服装に関する文言がなかったにも関わらず、全員がスーツにネクタイの格好で来ていたのには、「やっぱりな」と妙に納得してしまいました。

ベンチャー系やIT企業はスーツを着ない?

ベンチャー系やIT企業などに焦点を移すと違った解答が得られます。楽天やマイクロソフトなどをベンチャーと呼ぶのは些か間違っている気もしますが、外資系やIT・ベンチャー企業等などでは服装規定がない・服装規定が緩いことがほとんどです。

「クリエイティブな発想にスーツは邪魔」「スーツで仕事はダサい」など一昔前と比べると、非スーツへの抵抗感も薄くなってきている気がします。

筆者の友人でベンチャー企業で長期インターンをしている人たちも「服装は自由」と言っており、スーツで出勤している人は一人もいないとのことです。

結論:企業顧客にとってベストな服装をしている

銀行とベンチャー企業の両極端の2つの企業を例に服装について考えてみました。ここから服装について次のようなことが導き出すことができます。

企業は顧客にとってベストな服装をしている

どういうことなのか。銀行業界を例に解説します。

銀行といえば、取引相手にとってとても大切な「お金」を扱う業界です。取引は我々一般ユーザーだけでなく企業の経営層を相手にすることもあり、顧客にとっては「信頼できる銀行なのか」が重要な指標になります。

そのような銀行員の服装が「Tシャツ・Gパン」などのカジュアルな格好だとどうでしょうか?なんとなく、お金を預けるのは怖いですよね。つまり、TPOに反していることになります。

一方、グーグルのように、服装が自由な企業も存在しています。なぜなのでしょうか?結論としては、実際に顧客と物理的に接することが(ほとんど)ないため、顧客からの心象よりも大切なことがあります。

例えば、グーグルは「生産性が下がる」という理由で、服装指定がありません。これはつまり、グーグルというプロダクトの質を上げ、顧客満足度を上げることが本質的な価値であり、そのためには社員の生産性を上げることの方が服装をスーツにするより重要度が高いためです。

このように、企業の目的によって最適な服装は異なるということが言えます。

「自由な服装でお越しください」最低限押さえておきたいポイント

就活における自由な服装とは?

私服と言われたら普段着をイメージする就活生もいるかもしれませんが、就活では私服・服装自由=オフィスカジュアルと考えましょう。

しかしいまいち何を着れば良いかわからない就活生も中にはいると思うので、以下では私服で参加する際に押さえておきたいポイントを紹介します。

男性編

●靴は革靴

オフィスカジュアルでも、靴はスーツ同様革靴が基本です。スニーカーはNGですが、ローファーも企業によって評価が分かれてしまうので、避けた方が無難です。

●かばんやベルトも革で統一

スーツや靴以外の小物も実は見られているポイントです。できるだけシンプルなものを選び、派手にならないように注意しましょう。革靴を履いている場合は、革で揃えると統一感が出て良いと思います。

女性編

●ヒールは高すぎないようにする

就活時の靴はパンプスが基本となり、ヒールの高さは一般的に約3~5センチが良いと言われています。ヒールは高すぎず、低すぎずということがポイントです。

男女共通

●ジャケットとパンツが基本

男性の場合は、黒やグレーなどの落ち着いている色味のものを選ぶようにしましょう。中のシャツもできるだけ控えめのものを揃えるようにしてください。

女性の場合は男性より自由度が高いですが、男性と同じように色味は控えめなものを選ぶようにしましょう。女性はパンツでなくてもスカートでも大丈夫です。しかしスカートを着用する際は丈に注意してください。膝丈くらいのものが望ましいと思います。

●清潔感を意識する

せっかく良い服を着ていても、例えばシャツがしわしわであったり、毛玉がついていたりしてしまうと清潔感がないという判断をされてしまう可能性があるため、細かいところまでしっかりと確認をするように心がけてください。

●おしゃれアイテムは控える

アクセサリー自体はNGではありませんが、大きさやデザインには気をつけましょう。大きすぎないか、派手すぎないかしっかりと考えて、シンプルなものを着用するようにしてください。ダテメガネや帽子などはNGです。

最後に

不安になるくらいならスーツで行くべき

自由な服装の最適解は企業によって異なります。「自由な服装でお越しくださいの意図」のところでも説明しましたが、63.5%の人事が「自由な服装=オフィスカジュアル」と認識している一方で、31%の人事が「自由な服装=スーツ」と捉えています。そのため少しでも迷った場合は、スーツにすると良いでしょう。

服装自由という指定があったにも関わらず、スーツを着たからといって不採用になることはありません。「必ず私服で来てください」などのよほどの指定がない限り、スーツが最も無難でしょう。

企業の服装に関する規定はホームページなどを見れば分かる他、実際に働いている先輩方などに聞いてみるのも一つの手かもしれません。

採用の可否という視点で考えれば、服装は大きく合否に影響を与えることはありません。本質を見失わずに、就活をしていきましょう。

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参加倍率20倍の人気インターン 外資系コンサル・投資銀行、総合商社で活躍するための登竜門『GROw』とは 参加倍率20倍の人気インターン 外資系コンサル・投資銀行、総合商社で活躍するための登竜門『GROw』とは 本記事はフロムスクラッチのPR記事になります。16年卒の学生達が本格的に就職活動を行っていますが、既に17年卒の学生向けサマーインターンシップも募集が始まっています。16年卒の学生のインターンシップの参加率は50%を超え、17年卒の学生についてもさらに参加率は上昇する傾向にあると言われています。業種業界問わず多くの企業がインターンシップに力を注いでおり、学生はその中で本当に参加すべきインターンシップを見極めることが必要となりました。インターンシップに参加する理由としては「内定獲得」や「企業研究」、「人脈構築」など様々な理由が考えられます。その中でも今回は2015年の夏、同期に比べて『圧倒的に成長したい』と願う学生が参加すべきフロムスクラッチ主催のインターンシップ『GROw』の魅力について去年実際に参加した16年卒の内定者から紹介をします。会社TOPも登壇!選考なしで自分の実力を試すことが出来る『1DayJob』フロムスクラッチのインターンシップGROwは選考のファーストステップが1DayJobとなっています。多くの企業がインターンシップの入り口をエントリーシートやウェブテストとしている中で、GROwの場合は選考なしで1DayJobに参加することができます。なぜ選考がないかというと、それはどこの大学のどんな学生であっても『圧倒的成長』を経験してほしいというフロムスクラッチの考えがある為です。1DayJobでは会社経営を疑似体験できるグループワークをコンテンツの中心に据え、ビジネスに必要な能力を試す、習得することができます。来年3月の就活解禁の1年近く前という早い時期からチームでの成果を求められるグループワークに参加することで、今後他社のインターンシップや本選考に参加する際にも活きる、貴重な経験を積むことができます。特に選考が日系企業に比べると早い外資系企業やベンチャー企業ではインターンシップなどでどれだけ実際のビジネスに近い経験を積み、成長してきたかが重視される傾向にあります。GROwはまさに外資系企業やベンチャー企業等の成長できる環境に進みたい学生向けのインターンと言えるでしょう。また、当日はフロムスクラッチの創業者でありCEOを務める安部の講演が予定されています。将来起業をしたいと考えている学生だけでなく、キャリアを迷っている学生にとって、創業5年で億単位の資金調達を実現し、メディア・マーケットからの注目が集まる起業家・会社経営者の生の声を聴くことが出来るのは貴重な経験となると思います。是非この機会に急成長中のベンチャー企業の経営者の講演を聴き、価値観と視野をグッと広げて欲しいと思います。高難易度ワークと豪華なアドバイザーが参加!!『GROwFinal』1DayJobを通過した学生はInterview(面接)に進むことができ、さらに通過した学生だけがGROwFinalという1泊2日の合宿形式のインターンシップに参加することができます。例年外資系コンサルティングファームや外資系投資銀行、日系大手企業などの内定を獲得するハイレベルな参加者と共に、『圧倒的成長』を約束する超高難易度のグループワークに挑戦できます。グループワークを通じて、ハイレベルなビジネスパーソンとして活躍するために必要となる思考力やコミュニケーション能力、プレゼンテーションのスキル等を身につけると同時に、マーケティング領域を事業ドメインとするフロムスクラッチだからこそ伝えられる「マーケティングの本質」を体感できる2日間となっています。また、GROwFinalでは参加学生のアウトプットに対して弊社CEOの安部を始め、弊社経営陣による直接のフィードバックを予定しております。ベンチャー企業のインターンシップで豪華なフィードバック謳うものが多いですが、中でもGROwでは過去の参加者が参加して良かったポイントとしてフィードバック陣の真剣さ・厳しいフィードバックから得られた学びを上げており、群を抜いたクオリティのものとなっています。難関企業・大手企業の内定辞退者多数!フロムスクラッチの魅力とは?ここまでインターンシップ・GROwについての説明をしましたが、「フロムスクラッチ」という聞き慣れないであろう会社の紹介を少しだけします。フロムスクラッチは2010年に現CEOの安部によって設立された今年で6年目の非常に若いベンチャー企業です。現在の主力事業は独自のコンサルティングフレーム「5S-BOX」やプライベートマーケティングプラットフォーム「B→Dash」を用いたマーケティング戦略立案・実行支援です。「B→Dash」というIT製品が高く評価され、5月には約3億円の資金調達を実施するなど、マーケットからの注目度も急上昇中の会社です。そんなフロムスクラッチの16年卒内定者は難関企業・大手企業からの内定を断り入社を決意した者がほとんどです。筆者自身も大手金融機関の内定を持っておりその企業も自分に合っていると感じていたため、フロムスクラッチと迷い、なかなか決めきれずにいました。そういった状態の中で、最終的にフロムスクラッチ入社の決め手となったのはフロムスクラッチには仕事に対する絶対的に高い基準があったことです。「成長したい」という思いで様々なサマーインターンに参加し、「自己成長」という軸で企業を見ていた私にとって、その「仕事に対する基準の高さ」は必要不可欠なものでした。私はその基準を去年参加したGROwのフィードバックにおいて肌で感じました。もちろん入社理由には様々あり私の体験は一例に過ぎませんが、この夏で成長したいと考えている学生にとっては『GROw』に参加し、最高峰の基準に触れることは非常に貴重な体験になると思います。以上でフロムスクラッチのインターンシップ『GROw』と簡単な会社の紹介を終わります。以下がGROwの開催日程です。【GROw開催概要】◆GROwFinal開催日8/22(土)~8/23(日)8/29(土)~8/30(日)9/12(土)~9/13(日)※1泊2日の合宿形式・東京開催(遠方の学生には交通費支給)◆GROw1DayJob開催日程7月4日(土)13:00~7月5日(日)13:00~7月11日(土)13:00~※関西開催7月18日(土)13:00~※5時間程度の開催となります▼『GROw』エントリーはこちらから※現在はエントリーは締め切りましたphotobyMaxandDeeBernt 33,324 views
Smart Mobilityの実現へ。事業を支えるNTTコミュニケーションズ社員の仕事・素顔とは|unistyleインタビュー Smart Mobilityの実現へ。事業を支えるNTTコミュニケーションズ社員の仕事・素顔とは|unistyleインタビュー 本記事はNTTコミュニケーションズのPR記事になります。本記事では、SmartMobilityに携わる3名の社員の具体的な業務内容や役割、「仕事で大切にしていること」など、NTTコミュニケーションズ社員の素顔に迫ります。『』の記事では、同社が現在注力しているSmartWorld、その7つの重点領域の中のSmartMobilityに迫っていますので、こちらも併せてご覧ください。本記事の構成成宮さんへのインタビュー:1年目に感じた苦労とやりがい、入社して感じた自社の魅力とは船引さんへのインタビュー:多くの仕事に携わってきた中、なぜSmartMobilityへの挑戦を決めたのか吉富さんへのインタビュー:仕事に対する想い、そして今後のビジョンと実現させたい未来終わりに※上記の写真:左から吉富さん、成宮さん、船引さん成宮さんへのインタビュー:1年目に感じた苦労とやりがい、入社して感じた自社の魅力とは成宮惇史さん2021年NTTコミュニケーションズに入社。スマートモビリティ推進室に所属。入社1年目からエンジニアとして、大手自動車メーカーとの研究開発や車・その他IoTデバイスのデータの収集・管理を行うサービスの提案活動に携わる。__就活生時代の話をお聞かせください。また大学時代はどのようなことをされていましたか?出身学部は経済学部ですが、IT系のゼミに入っていたため、アプリやWebサイトの制作などを行っていました。就活時は、IT系の業界や金融業界など幅広く見ていました。さまざまな業界や会社を見る中で、沢山の検討要素はありましたが、最後は自分が楽しいと思える仕事ができる会社に行きたいと思いました。その楽しいと思える仕事が、SmartWorldのプロジェクトに代表される、未来を作るようなプロジェクトです。このことが弊社への入社の決め手にもなりました。__文系出身ということですが、エンジニアになる際に特に苦労された点について教えてください。アプリやWebサイトの制作などの経験が少しあったとはいえ、ほぼゼロからのスタートでしたので、今まさに苦労しています。例えば、「監視ツールのインストール方法」を調べていると、調べた先でまた分からないことが出てきて、追加で調べる、というような形で次々と分からないことが出てきます。そのため、調べる時間に制限を設けることと、調べた結果を自分の言葉でまとめることを意識しています。時間内に調べて理解できた場合は理解したことを自分の言葉でまとめ、時間内に理解できなかった場合はチャットなどで先輩方に聞いています。聞く際は「ここまでは自分で理解できたが、この先が分からない」や「こうだと思うが正しいか」という聞き方をするように意識しています。このことにより、メリハリをつけて調べることができるのと、調べた内容の定着につながります。__現在の役割や業務内容について教えてください。現在は大きく分けて2つの業務を行っています。1つめは開発です。大手自動車メーカーと行っている研究開発に関わっています。具体的には、実証実験で利用するサーバーへのモニタリングツールの導入やサーバー構築の自動化開発に取り組んでいます。2つめは提案です。車やその他IoTデバイスのデータ収集や管理を行うサービスの提案を行っています。__仕事をするうえで意識していることや大切にしている点について教えてください。まずは自分で仮説を持っておくことを意識しています。分からないことがあった際に聞くのではなく、自分で一度考えるように心がけています。ただ今後、どういったことを大切にしたいかを働く中で探していきたいと思っています。__2021年に入社されたということで、就活生に最も近い立場だと思います。入社して感じる御社の魅力について教えてください。もちろんすべての希望が叶うわけではありませんが、自分のやりたいことができる環境があることだと思います。私はスマートモビリティ推進室で働きたいということを入社前に話していて、実際に配属もされました。また、配属された後は「どういった仕事をしたいか」を聞いてもらい、希望を伝えるとそれに合った仕事にアサインしてもらえました。__御社が推進しているSmartMobilityに対して、ご自身のビジョンと携わりたいことや実現したいことについて教えてください。入社の決め手にも関連しますが、時代を創るような新しいモノを作りたいと思っています。そのため、新しい取り組みや10年先に当たり前になっているようなモノを作ることに携わりたいと考えています。そして、それはこのスマートモビリティ推進室で行っていることでもあるので、自分ができることを増やしていき、新たなモビリティ社会の実現に寄与したいです。船引さんへのインタビュー:多くの仕事に携わってきた中、なぜSmartMobilityへの挑戦を決めたのか船引魁人さん2017年NTTコミュニケーションズに入社。関連企業にて、約3年半にわたってネットワークの運用から構築、ソフトウェアの内製開発などを行う。2020年7月よりスマートモビリティ推進室にてコネクティッドカーの協業を主に担当。__就活生時代のお話をお聞かせください。就活時は、出身が情報学研究科ということで通信系の会社や機械系メーカーを見ていました。情報学での学びを通じてネットワークの分野に技術的な興味を持ち、それを実際に自分の手で開発したり運用したりしてみたいという想いが強く、それを実現できると感じたのがNTTコミュニケーションズでした。__現在のスマートモビリティ推進室にて、1つめの部署での経験がどのように活かされているのかについて教えてください。ネットワークやサーバー、アプリケーションといった幅広い技術領域に触れた経験が活きていると感じています。協業の取り組みでは主にコネクティッドカーを支えるNW基盤の検討や検証を行っているのですが、関連する技術分野が多岐に渡るため、着任当初は取り組んでいる内容をキャッチアップすることに非常に苦労しました。しかし、前部署での経験があったこともあり、比較的スムーズに内容を理解し、社内外のエンジニアとの議論に参画することができたと思います。また、スマートモビリティ推進室では実証実験のための検証環境を独自で持っており、その環境の構築や運用についても前部署での経験を活かすことができています。__船引さんはジェネラリスト寄りだと思いますが、御社ではどのようなキャリアプランを歩まれる方が多いのかについて教えてください。おっしゃる通り、私のこれまでの経験からするとジェネラリスト的なキャリアに進み始めている印象を持たれるかなと思いますが、入社当初からジェネラリストを志望していたわけではありません。まずはとにかくさまざまな経験をしてみたい、とお伝えしたところ、人事に汲み取ってもらい現在に至る、というイメージです。社内のエンジニアの方々を見ていると本当にさまざまなキャリアプランがあるのだな、と感じます。これまで業務に関わらせていただいたある先輩社員の方は多岐にわたる技術領域について非常に豊富な知識を持っておられて驚かされました。他にも特定分野のスペシャリストとして社外的にも有名なエンジニアの方も社内にいます。当然キャリアプランは人によって異なると思いますが、それぞれの希望を叶えられる場所が弊社にはあると思っています。__仕事をするうえで大切にしている点について教えてください。コミュニケーションを大切にしています。一人でできることは当然限られていますし、会社で仕事をする上では必ずチームとして動かなくてはなりません。その根幹となるのがコミュニケーションだと思います。コロナ禍の影響もあり、弊社でもリモートワークの割合がかなり多くなっています。そういった新しい職場環境に合わせて、コミュニケーションの取り方も変化させていく必要があると強く感じています。その取り組みの一つとして、スマートモビリティ推進室では「Nework」を使ってリアルタイムに会話ができる仕組みを取り入れています。__やりがいを感じる時について教えてください。あるゴールに対して自分が分からないことやできないことを少しずつ理解し、できるようになっていく過程が楽しいですし、その結果としてゴールを達成できた時がエンジニアとしてすごくやりがいを感じます。もう少し広い範囲で言えば、チームとして連携し目標を達成し、お客さまに感謝される時にもやりがいを感じます。__御社が推進しているSmartMobilityに対して、ご自身のビジョンと携わりたいことや実現したいことについて教えてください。コネクティッドカー協業を推し進め、SmartMobilityの実現に貢献したいです。その中で、自身の強みである幅広い技術への理解といった点を活かしつつ、NTTコミュニケーションズでコネクティッドカーといえばこの人、と認知されるようなエンジニアになりたいです。また、ネットワークやサーバーといったインフラだけではなく、アプリケーション開発の面も対外的にアピールしてNTTコミュニケーションズの新たな一面を世間に発信し続けたいと思います。吉富さんへのインタビュー:仕事に対する想い、そして今後のビジョンと実現させたい未来吉富文香さん2009年NTTコミュニケーションズに入社。社内システムの開発管理を行う部署にて、申込処理の電子化に関するシステム開発に携わった後、法人向けのSI(システムインテグレーション)を行う部署に異動し、主に金融系の業務システム開発を行う。2021年4月より、スマートモビリティ推進室のコネクティッドカーチームにて、マネジメント業務などを中心に幅広く活動している。__就活生時代のお話をお聞かせください。当時、さまざまな社会課題を新しい技術で解決するという点で情報システム系の仕事に興味を持ち、SIer(SystemIntegrator)と呼ばれていた業界の企業を中心に就職活動をしていました。入社の決め手は、「レイヤーの幅広さ」と「社員の方の印象」の2つです。さまざまなSIerの方から説明会などで業務内容を聞いた中で、NTTコミュニケーションズが一番対応レイヤーが広いのではないかと感じました。具体的にはデータセンターや物理的な回線のレイヤーから業務アプリケーションのレイヤーまで、すべてを対応範囲としており、「さまざまなことが経験できそうだな」と思いました。また、先輩社員とお話する機会があったのですが、楽しそうに仕事の話をされているのと、学生の私にも分かるように丁寧に対応していただき、職場の雰囲気も良いのだろうなと感じたのも決め手になったと思います。__仕事をするうえで大切にしている点について教えてください。私の業務では、社内だけでなくNTTグループ内外の協力会社、お客さまなど、さまざまな方と一緒に仕事をさせていただいています。そのため、仕事をするうえでは「相手の立場になって考える」ということを大切にしています。あたり前のことですが、文化やミッションの異なる方と一緒に仕事をする上では非常に重要なことで、とても難しいことだと思っています。__やりがいを感じる時について教えてください。法人のお客さまの業務システムに携わらせていただくことが多かったので、一連の開発プロジェクトが完了し、サービスを開始できた時に一番やりがいを感じます。__一緒に働きたいと思う人物像について教えてください。主体性を持って考え、コミュニケーションを取ろうとしてくれる方と一緒に仕事をしたいと思います。SmartWorldのような新しいビジネスを考える上では、自分で考え、情報を発信し、さまざまな人とコミュニケーションをとり、人を巻き込んでいくことが大切です。考えの正確さや年齢などに関係なく、自分の考えをしっかり伝えようとしてくれる方は魅力的に感じます。また、リモートワークになり、対面でのコミュニケーションが難しくなったこともあり、自ら発信しコミュニケーションをとることが今までより重要になってきたと思います。__御社が推進しているSmartMobilityに対して、ご自身のビジョンと携わりたいことや実現したいことについて教えてください。SmartMobilityはこれから発展していく分野であり、提供する価値や市場性、提供のスピード感が重要になります。今までは法人の業務システムということで、QCD(品質・コスト・納期)を意識する業務が多かったですが、今後は新しい価値の創出やスピード感を持った市場提供へ意識を向け、現在取り組んでいるコネクティッドカーアーキテクチャの商用化を推進していきたいと思っています。また、SmartMobilityではMaaS(MobilityasaService)などの新しいサービスの検討も行っており、新しい価値や生活スタイルの提供など、さまざまなことに取り組んでいきたいと思います。終わりにいかがでしたでしょうか。今回のNTTコミュニケーションズの社員の方々へのインタビューを通じ、各社員の仕事内容や価値観などについて理解いただけたかと思います。以下の記事は、同社が注力しているSmartMobilityに関する記事となっていますので、こちらも是非ご覧ください。また、以下の記事は、NTTコミュニケーションズが注力している「SmartCity」のインタビュー記事となっています。本記事と併せてご覧ください。 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J2町田ゼルビア買収から考察するサイバーエージェントの企業戦略 J2町田ゼルビア買収から考察するサイバーエージェントの企業戦略 10月1日にサイバーエージェントがJ2(サッカーJリーグ2部)のFC町田ゼルビアを買収し、子会社化したことを発表しました。過去には楽天が同じJリーグのヴィッセル神戸を買収したり、プロ野球でもDeNAが横浜ベイスターズを買収するなどIT業界大手企業のスポーツクラブ経営が目立っています。今回はサイバーエージェントのJリーグチーム買収の背景を絡めながら、サイバーエージェントという会社について考察します。【本記事のアウトライン】▶町田ゼルビア買収の概要▶サイバーエージェントという会社について▶サイバーエージェントの今後の動向▶最後に町田ゼルビア買収の概要スポンサー契約でなくチーム自体の買収IT業界大手であるサイバーエージェントが11億4800万円でFC町田ゼルビアの株式80%を買収しました。これによりサイバーエージェントは町田ゼルビアを子会社とし、クラブの経営に携わることとなります。サッカーや野球などのスポーツチームには企業がスポンサーとして付き、ユニフォームに企業のロゴが載せられることはよくありますが、スポンサー契約はチームの経営には関わることができず、その点で買収とは異なります。またサイバーエージェントは過去に、東京ヴェルディ(現J2)の2位株主となり経営に関わっていましたが、チームの成績不振により2年で撤退することとなっています。当時は日テレが筆頭株主であったこともあり思うように経営に携わることができませんでしたが、今回は80%の株式を買収したことにより経営に大きく関わることができるようになります。Jリーグクラブを買収した他の企業企業の認知度を上げる広告としてのスポンサー契約とは異なり、今回の契約はクラブ自体の買収になります。サポーターの誘致や選手の移籍などの人事、スタジアムの設立などといった経営全般に関わることになります。近年のJリーグチームにおいては、楽天がヴィッセル神戸、フィットネスクラブRIZAPで知られるRIZAPグループが湘南ベルマーレ、ジャパネットホールディングスがVファーレン長崎などといった買収の例があります。ヴィッセル神戸では楽天の三木谷社長がスペイン代表でワールドカップ優勝経験もあるアンドレス・イニエスタ選手と直接交渉して移籍を実現させたことや、ジャパネットホールディングスが経営に携わったVファーレン長崎は今期からクラブ史上初のJ1昇格を実現させるなどといったことが企業のJリーグチーム経営として話題となっています。サイバーエージェントという会社について株式会社サイバーエージェントは、現在も社長を務める藤田晋氏が1998年に創業しました。当時は広告代理店として事業を展開しており、現在は広告だけでなく、アメブロやAbemaTVといったメディア事業、ゲーム関連事業などインターネットに関わる様々な事業を展開しています。「21世紀を代表する会社を創る」という企業理念の元、ベンチャー企業としての創業から約20年ほどで急成長してきた企業です。事業ごとの業績サイバーエージェントの主要事業は広告、メディア、ゲームとなっています。特に広告(インターネット広告)での売上が大きく、電通、博報堂についで広告業界3位の売上を誇っています。近年スマートフォン広告が好調となっており、それもあって広告事業は右肩上がりとなっています。広告事業と共に高い売り上げを誇るのがゲーム事業です。いくつかの子会社を運営しており、その内の一つであるCygamesは「グランブルーファンタジー」、「神撃のバハムート」などのヒット作を生み出しています。もう一つのメディア事業ではアメブロやAbemaTVなどで知名度は高いですが、実際にはそこまで売り上げを出していません。現在AbemaTVに積極的に投資をしており、昨年度は200億円を投資しました。今後もしばらくはAbemaTVへの投資期にする予定であるとHPでも述べられていました。メディア事業だけを見れば良い業績とは言えませんが、広告やゲーム事業での売り上げが大きいため会社全体としての業績は好調となっています。社風・カルチャー社風としては「イケイケ」なイメージを持たれることが多いです。その要因としては、平均年齢が低いことや、顔採用の疑惑が出るほど綺麗な方が多いことなどが理由にあると思われます。実際、藤田社長は創業したての頃は「キラキラ女子」の採用を意図していたとも語っています。現在も顔採用がされているかはわかりませんが、そのような採用をしていた過去があったこともイケイケだと思われる理由の一つかもしれません。参考:「キラキラ女子」集結の謎、藤田晋社長が戦略語る(日本経済新聞)キラキラな印象の一方で、仕事に対しての意識が高いという社風もあります。採用HPでも「挑戦できる環境」というカルチャーを掲げており、会社として若い内から挑戦をさせる風土があるようです。実際、新卒入社後数年の社員や内定者までもが子会社の社長を務めるということもあり、若手でも積極的に手をあげることで仕事を任せてもらえる環境があると言えます。参考:新卒社長が目指す未来(サイバーエージェントHP)サイバーエージェントの今後の動向楽天のようにグローバル展開する?同じIT業界の企業の一つである楽天は、Jリーグのヴィッセル神戸だけでなくスペインのFCバルセロナともスポンサー契約をしています。FCバルセロナはスペインの名門クラブとして世界的に有名であり、そのスポンサーとしてユニフォームに「Rakuten」のロゴが入ったことで楽天は世界的に知名度を広めることができています。楽天は以前からグローバル展開を狙っており、現在ではまだ好調であるとは言えませんが、バルセロナとの契約により海外での知名度向上に大きく効果があったと言えます。実際、海外での商談の際に知名度の高さが役に立ったいう話もあります。サイバーエージェントも、楽天ほど海外展開はしていませんが、今後海外展開を目指そうとしていることは間違いありません。2017年にニューヨークオフィスを立ち上げるなど、現在まで海外に7つの支社を開設しており、インターネット広告事業の海外展開に力を入れ始めています。また事業とは関係ありませんが、子会社であるCygamesはイタリアの名門サッカーチームであるユヴェントスとスポンサー契約をしています。現在はそこまで海外での知名度が高いとは言えませんが、海外のクラブのスポンサーになっていることからも海外展開を目指していると考えて良いと思います。楽天のように海外クラブとのスポンサー契約を機に海外での知名度向上を図り、ビジネスに活かすという動きも今後あるかもしれません。町田ゼルビアの2020年J1昇格を目指す現在町田ゼルビアはJ2で3位という成績であり、2位以上でリーグ戦を終えればJ1への自動昇格圏内になります。しかしJ1のライセンスがまだ獲得できていないため、仮に昇格圏内でリーグ戦を終えても今年のJ1昇格は実現できません。J1のライセンス獲得には、ホームスタジアム、クラブハウスや専用グラウンドなどに条件があります。現在町田ゼルビアはスタジアムの収容人数がJ1の基準を満たしていないために今期でのJ1昇格ができないこととなっています。今回の買収によりサイバーエージェントが資金提供できるようになったため、新スタジアムの建設に取り掛かると思われます。しかしスタジアムの建設にも時間がかかるため、早くてもJ1昇格は2020年となるようです。J1昇格がすぐには実現できないことにより短期的な成果はありませんが、長期的な利益を見込んでの投資だったのではないかと思われます。町田ゼルビアが今後J1昇格などにより好成績を収めるようになれば、AbemaTVでのスポーツチャンネルや親会社として知られることによる会社の宣伝などに効果が見込まれると思います。最後に今回は近年就活生から人気のあるサイバーエージェントという会社について探っていきました。Jリーグチームの買収ということで、サッカーに馴染みの無い方にとってはそこまで興味のない内容だったかもしれません。しかし買収の意図や経緯などを探ることによって会社の方向性などを知るきっかけになると思います。また、サイバーエージェントのようなIT業界で近年急成長している企業は特に変化の激しい企業だと言えます。このような企業を志望している方は、どのような変化が起こりそうなのかといったことには敏感になっておいた方が良いでしょう。面接で何を話すかといったことも考える必要がありますが、それだけでなくこういった会社としての動きにも気を遣い、自分の志望する会社の今後の動向についても考えておけると良いと思います。参考:サイバーエージェントの企業研究はこちらから 7,097 views

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