【大手ES例文6選】ガクチカで学業の差別化できる書き方を解説!

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最終更新日:2024年01月18日

【大手ES例文6選】ガクチカで学業の差別化できる書き方を解説!

本記事では、ESや面接で必ず聞かれるガクチカ学業をアピールした例文を紹介し、ガクチカの書き方企業がガクチカを聞く意図などを解説していきたいと思います。

unistyle特製自己分析シート
 

本選考とインターンの締め切り情報

学業をアピールしたガクチカ例文

まず最初に大手企業選考通過者から6つ厳選したESを掲載しています。ぜひ参考にしてみてください。

学業をアピールしたガクチカ例文①【研究活動】:味の素

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学業をアピールしたガクチカ例文②【ゼミ活動】:明治安田生命

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学業をアピールしたガクチカ例文③【授業】:TOPPANホールディングス

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学業をアピールしたガクチカ例文④【文系】:野村総合研究所

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学業をアピールしたガクチカ例文⑤【成績優秀者】:三井不動産

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学業をアピールしたガクチカ例文⑥【GPA】:三井住友カード

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学業をエピソードとしたガクチカの書き方

ガクチカの書き方

続いては「ガクチカの書き方」を解説していきます。

ガクチカは基本的に上記のフレームワークに沿って書くと論理的な文章になると言われています。

このフレームワークを基に、「学業をエピソードにしたガクチカの書き方」を紹介していきます。

今回は、下記のガクチカを具体例として解説していきます。

※下記でそれぞれ解説しているフレームワークの6つの要素に関しては、「全ての要素を必ず盛り込まなければならない」というわけではありません。ESの設問形式や指定文字数を考慮しながら、構成を調整していただければと思います。

(1)結論
考察力という長所を活かして「●●技術の開発」に取り組み、学会での発表を目指した。
 ⇩
(2)動機
学部■年次に、自己成長の観点から従来とは異なる分野の研究室への配属を志望し、実験的なテーマを選択した。
 ⇩
(3)目標・困難
学会での発表を目指して開発に取り組む中で難しかったのが、問題に直面した際にその真因の特定および解決が困難だったことである。マイナーなテーマであるがゆえに先行研究が少なく、論文による調査が難しかった。
 ⇩
(4)取組み・工夫とその結果
そこで私は以下の2点において創意工夫を凝らした。1点目は「真因の特定に対して原因と考えられるものを洗い出し、検証実験によって真因を絞り込むことで効率を高めたこと」である。2点目は「真因の解決に対して、実験面だけでなく解析面からもアプローチを試み、多角的な視点から捉えることで実現可能性を高めた」ことである。この工夫により真因を特定して解決することができ、●●技術の開発に成功した。その結果、国内外の学会に参加して口頭発表を行う機会を得ることもできた。
 ⇩
(5)人柄
失敗も多くあったが地道な作業を繰り返したことが開発の成功に繋がった。
 ⇩
(6)学び
学生時代の研究内容、そして高い考察力という自身の長所を活かし、▲▲職として御社の成長に貢献していきたい。

フレームワークの各項目の具体的なポイントは、以下に記載した記事からご覧ください。

【参考記事】
ガクチカの書き方とは-6ステップで書けるESテンプレを基に解説-
→フレームワーク含め、「ガクチカの書き方」について網羅的に解説している記事になります。「ガクチカをうまく書けない」と悩んでいる就活生にとっては必読の記事になります。

企業がガクチカを聞く意図

企業がガクチカを聞く理由・意図

冒頭でも少し触れましたが、多くの企業の選考(ES・面接など)でガクチカを問われます。

そしてもちろん、それだけ多くの企業がこの質問をするということは、"この質問を通じて、選考の合否の判断"をしていると言えます。

そこでまずは、「企業側がガクチカを質問する理由・意図」を紹介します。理由・意図に関しては、大きく分けて2つあると考えられています。

  • 経験自体のレベル・スペックを把握するため
  • 自社に合う・マッチする人材かを知るため

経験自体のレベル・スペックの把握

「経験自体のレベル・スペックの把握」は、簡単に言うと"どれだけすごい経験をしているか"、すなわち”経験そのもののレベルの高さ”を評価しています。

つまり、学生時代から「並の学生では取り組めないような経験・輝かしい実績」を残していることは、当然それ自体が評価の対象となります。

レベルの高い経験をしている学生は、「その背景にある努力・チャレンジしようとした気概」を感じ取ることができます。何となく過ごしていても、ともすれば卒業できてしまう学生生活を自ら意欲的に行動している時点で、"優秀である可能性が高い"と判断されやすいでしょう。

自社に合う・マッチする人材か知るため 

1つ目の「経験自体のレベル・スペックの把握」に関しては、基本的に "優秀さ" という判断基準に基づいています。

一方で、"自社に合う人材か・一緒に働きたいと思う人材か"という優秀さ以外の観点も、「重要な判断基準」になります。

特に、「未だに終身雇用制度が根強い・勤続年数が長い」傾向の強い日系企業では、こういった観点が重要視されると言われています。

経団連が、経団連全会員企業に対して、「企業の求める人材像」などについてアンケートを実施しました

 

「企業からどのような資質が求められているのか」を正しく認識したうえで、ガクチカでアピールしたい強みを伝えるようにしましょう。
 

【参考】採用と大学改革への期待に関するアンケート結果:一般社団法人日本経済団体連合会

企業が学生に求める人物像の傾向

ガクチカで学業の内容を書く際の悩み・疑問【unistyle独自調査】

ガクチカで学業をアピールする際の悩み・疑問

ここまで、学業に関するエピソードを用いたガクチカの書き方・大手企業内定者のES例文を紹介してきました。

これまで紹介してきた内容を踏まえ、就活生の皆さんからよく聞かれる悩み・疑問への回答を掲載していきたいと思います。

本記事では下記の2点を取り上げていますので、参考にしてみてください。

  • そもそも学業をアピールするのはNGなのか
  • 文系でもアピールできるのか

そもそも学業をアピールするのはNGなのか【unistyle独自調査】

結論として学業をアピールするのはNGではありません。

ガクチカといえば、サークルやアルバイトが有名ですが学業をアピールしている就活生も多くいます。

それを表したグラフが以下になります。

このグラフはガクチカではどのエピソードが多く使われていて、どのエピソードが使われていないのか、unistyleに寄稿頂いた22卒、23卒の本選考ES200名分のガクチカ欄を調査し、ガクチカのエピソードの割合を掲載しています。

ガクチカを考える際の参考にしてみてください。

対象期間:22卒・23卒のES
対象のES:unistyle上にある本選考ES(200人)のガクチカ欄
対象業界:全業界(公務員を除く)
分類方法:学業、サークル、留学、長期インターン、部活、アルバイト、学園祭実行委員、その他で分類

このグラフからわかるように学業は4番目に多くガクチカとして利用されています。

対象期間である22卒、23卒は大学在学期間中にコロナ禍となってしまったため、アルバイトの割合が高くなっているのではないかと思われます。

学業(研究やゼミ活動)の割合が比較的多いのも、同様の理由が考えられます。

また、ガクチカはエピソードそのものが評価されるのではなく、ガクチカの評価基準で評価されるので基本的にどんなエピソードでも良いと思います。

そのエピソードの中で自分の人柄が一番表れていることや、強みが活かされているものをガクチカとしてアピールすることが重要です。

ガクチカはエピソードよりも内容が重要になってきますので、上記のガクチカの書き方を参考に内容を深めていきましょう。

ガクチカの評価基準について解説してる記事がありますので参考にしてみてください。

文系でも学業をアピールできるのか

基本的には影響はないです。

文系学生でもゼミ活動を中心に学業をアピールしている就活生は多いと思います。

ゼミ活動は個人ではなくチームで取り組む場合が多いと思うので、組織の中でどのような立場でどんな行動をしてきたのかをアピールすることができます。

以下はガクチカでゼミ活動をアピールしたい人に向けて書いた記事になりますので参考にしてみてください。

実際の体験談を基にしたガクチカで学業をアピールする際のアドバイス

以下では本選考通過者から実際の体験談を基にした学業のガクチカをアピールする際のアドバイスを掲載します。

ユニスタイル上に掲載されている選考レポートから厳選していますので参考にしてみてください。

実際の体験談を基にしたガクチカで学業をアピールする際のアドバイス
①三井住友海上火災保険

本選考において評価されたと感じたポイントや選考において重視されていたと思う点についてお答えください。(100文字以上)

ガクチカや高校時代の話、学業の話をする際に毎回目標を持って取り組んでいた事をしっかり伝えられた事が好印象であったと感じる。また面接時にただ質問に答えているのではなく、面接官との会話のキャッチボールが出来ているかが重視されていたと感じる。

選考通過者本選考レポート:20卒三井住友海上火災保険(エリア総合職)
三井住友海上火災保険(内定者ES・選考レポート・選考対策記事)はこちら

実際の体験談を基にしたガクチカで学業をアピールする際のアドバイス
②ENEOS

面接・GDなど各選考フローにおいて心がけていたことをお答えください。(100文字以上)

面接官の質問に対して一貫性を持たせて応えることを心がけていた。研究発表、ガクチカ、志望動機すべてに関して、自分が胸の内で持っている意志を一貫して貫けているかを意識しながら、自分の本心を正直に述べることを意識した。

選考通過者本選考レポート:23卒ENEOS(技術職)
ENEOS(内定者ES・選考レポート・選考対策記事)はこちら

最後に

本記事では、ガクチカで学業の内容を書こうと考えている就活生に向けて例文・疑問点などを解説しました。

「学業」は全ての就活生に共通の活動であり、だからこそ"他の就活生と差別化したアピール"が必要になります。

本記事の内容を参考にしていただき、自身の"ガクチカ"の精度を高めていただければと思います。

また、学業のガクチカを作りたい人や、困っている人は就職エージェントneoがおすすめです。

アドバイザーから、過去のエピソードやガクチカを書く方法についてアドバイスがもらえます。

少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。学業のガクチカの作り方がわからない人は就職エージェント

最後に、「ガクチカ」に関するunistyleの記事を載せておきますので、こちらも併せてご覧ください。

ガクチカ完全攻略記事一覧
1.そもそもガクチカって何?
2.ガクチカがない人の対処法
3.ガクチカの書き方を徹底解説
4.ガクチカの例文を紹介
(1)ガクチカでゼミ活動をアピールするには
(2)ガクチカでサークル活動をアピールするには
(3)ガクチカで留学経験をアピールするには
(4)ガクチカで長期インターンシップをアピールするには
(5)ガクチカでボランティアをアピールするには
(6)ガクチカで研究(研究室)をアピールするには【理系学生向け】
(7)ガクチカで体育会系部活動をアピールするには
(8)ガクチカで資格・TOEICをアピールするには
(9)ガクチカで趣味をアピールするには
(10)ガクチカでアルバイトをアピールするには
ガクチカでカフェアルバイトをアピールするには
ガクチカで塾講師アルバイトをアピールするには
ガクチカで飲食店アルバイト(居酒屋・焼き肉・レストラン)をアピールするには
ガクチカでカラオケアルバイトをアピールするには
5.面接でのガクチカ対策と頻出質問10選

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アクセンチュア社員が語る、外資系SIerのエンジニアの良い点と悪い点 アクセンチュア社員が語る、外資系SIerのエンジニアの良い点と悪い点 始めまして。私は17卒の就活生で、IT業界のエンジニアを志望しています。私が実際に志望する業界としては、Web業界やSIerが挙げられるのですが、今回はアクセンチュアでソリューションエンジニアを担当している若手の社員さんにOB訪問してきました。今回の私のOB訪問の目的はもちろんSIerで働くことのやりがいや醍醐味について現場で働いている社員さんに伺うことが目的ですが、説明会では聞けないようなSIerのエンジニアの仕事における辛い点や退屈な点をより明確化することも1つの目的でした。非常に聞きずらい質問だったのですが、今回は幸いにもエンジニア業務の悪い点に関する質問に対しても丁寧に回答していただけたので、どのような情報を得たのかについて以下に紹介したいと思います。外資系SIerだからこその国際プロジェクトに取り組む醍醐味OBから説明していただいた仕事のやりがいや醍醐味について紹介する前に、実際にアクセンチュアがどのようなプロジェクトを行っているかを以下に紹介したいと思います。(引用)事例紹介:旭化成株式会社eコマースの波が化学業界全体にも押し寄せるなか、日本における先進企業である旭化成は、「AKchem.com」を立ち上げました。同サイトは、「価格競争に陥ることのない付加価値をもつeコマースサイト」というコンセプトのもとわずか半年で構築されました。このサイト立ち上げの原動力となったのは、アクセンチュアとのチームワークによる徹底的な戦略構築作業でした。(中略)戦略構築に引き続きシステム構築が開始された。この間、アクセンチュアはプロジェクトの品質を管理するために、第三者による客観的なチェックを3ヵ月ごとに実施した。eコマースと化学業界に精通したエキスパートが1週間かけて改善点などをアドバイスするもので、アクセンチュア独特のシステムである。約3ヵ月の戦略構築、約半年のシステム構築を経て、AKchem.comは始動したのである。(中略)アクセンチュアは、世界中のグローバル企業とともに革新的なビジネスを構築してきました。なかでもeコマースは、近年最も実践的に力をいれてきた領域です。市場を取り巻く環境の総合的・科学的な分析、最新のIT技術を駆使してグローバルに通用するサプライチェーンを構築、新しいビジネスモデル創出のサポートなど、投資を伴うネット事業の支援サービスも積極的に手がけています。最近の例では、ダウ、デュポン社など世界有数の化学企業が設立した“エレミカ”というマーケットプレイスの構築にも協力しました。こうした実績が、「eコマースならアクセンチュア」という定評につながっています。SIerのプロジェクトは、まず戦略立案を行うことから始まります。実際にコンサルタントがお客様の課題をヒアリングし、それをベースに戦略立案、そしてそれに引き続いてシステム構築を行うことが一般的な流れです。このシステム構築を担当するのが皆さんが思い描くSEの仕事であり、「要件定義」というシステムが満たすべき機能や性能を明確にする作業からスタートしていきます。今回OB訪問させていただいた社員さんの担当フィールドのも機械メーカーであり、実際に企業が持つ工場に駐在して業務を推進するようなプロジェクトを長い間担当していたようです。いわゆる大手のSIerの企業の1つの魅力としては、やはり大きな市場規模があるプロジェクトに関われることだとおっしゃっていました。具体的に言うと、プロジェクトの金額は数千万から数百億円までに及びます。かつ、プロジェクトメンバーには国籍を問わない様々な人材が参加していて、そのような多様性があるもとでチームを巻き込みながらプロジェクトを促進することはアクセンチュアだからこそ出来ることだとのことです。そして、アサインされるようなプロジェクトに関しても、ある程度自分の希望が通るような風土があるとのこと。この社員さんは語学力を活かしながら自分に専門性が付くような、市場価値が高まるような仕事がしたいという思いでアクセンチュアを選んだらしく、実際に関わっている案件は外資系企業や、日系企業の海外進出に関わるものが多いとのことです。SIerのエンジニアが抱える業務での問題点しかし、今回のOB訪問では、なかなか説明会などでは聞けないようなSIerエンジニアが抱える仕事に対するフラストレーションや問題点についても教えていただくことができました。SIerなどを志望する学生の多くはほとんどがご存知だと思いますが、システム開発の業務の流れは簡単に分けると企画→要件定義→開発→保守・運用という一連の流れがあります。そして、一般的に要件定義や企画の段階を「上流工程」と呼び、そして開発を行う工程を「下流工程」と呼ぶことが多いです。ソリューションエンジニアの業務はこの中でも企画以外の要件定義から保守・運用までを担当しています。実際にエンジニアがどの段階を担当するかについてはそのエンジニアのスキルや描いているキャリアパス、そして開発チームのメンバーによって大きく変わってくるようです。今回OB訪問させていただいた社員さんが特に指摘していたエンジニア業務の退屈な点としては、この工程の中での「保守・運用」業務のつまらなさです。保守・運用の工程は設計したシステムの規模が大きければ大きいほど長期にわたることが多いですが、この業務はどうしても退屈に感じてしまうとのこと。お客様に安心してシステムを利用してもらうためにも保守運用を徹底することは非常に重要であることは間違いないのですが、やはり「やりがいがある面白い仕事」とは言えないみたいです。また、近年の傾向として、アクセンチュアは非常にチャレンジングな案件を受注することが多く、プロジェクトが繁忙期の時は残業時間が非常に長くなるそうです。「入社前から業務が長く残業が多いのは知っていたのである程度は覚悟はしていたが、正直想像以上だった」とのこと。かなりのタフさが求められることは覚悟したほうがいいことはやはり間違いないそうです。さらに、プロジェクトによっても残業代をつけることができるかどうかは変わってくるので、「残業代が勤務した時間だけ正確に出ない可能性もあることは注意したほうが良い」とも脅されてしまいました。もちろん、給与形態については企業によって変わってくるとは思いますが、そのような所にもしっかりと目を向けることは大事でしょう。また、今回のOBだけでなく、以前私が話したことのある現在Web系ITベンチャーに勤務している元外資系SIerの社員さんも非常に似通った問題点に言及していました。よって、今回紹介したSIerの業務の問題点は、一般的にも言えることなのかもしれません。この方は、構築・保守運用のプロセスだけでなく、サービスやシステムの企画・立案も含めて全ての工程を担当したいという思いでSIer業界からWeb業界へと転職を決意したそうです。最後に今回は外資系SIerのソリューションエンジニアにOB訪問をし、その業務が持つ良し悪しについて大きく2つに分けて説明しました。一般的に多くの企業は、説明会において業務の魅力や醍醐味などの「良い点」にしか触れないことから、しっかりした企業選びを行うために「ネガティブなことも聞いてみるOB訪問」を行ってみましたが、いかがでしたでしょうか。私としては、エンジニアで働くフィールドとしてWeb業界とSI業界、どちらが自分の思い描くキャリアパスとして適しているのかについてかなり長い期間悩み続けてきましたが、今回のOB訪問でWeb業界に対する志望度が高まったというのが正直な感想です。もちろん、SIerのエンジニアにしか味わえない大きなやりがいがあるのも理解はしているので、今回のOB訪問で得た情報をしっかりと受け止め、後悔しないような就職活動をしたいと思っております。また、今回のOB訪問で私は知った情報はあくまで1人のSIerエンジニアの主観であるので、全てのエンジニアには絶対に当てはまりません。ぜひみなさんも、実際に現場で働く社員さんに直接会って、業界の事情や仕事のネガティブな点を理解した上で後悔しないような企業選びをしてほしいと思います。photobyIvetteDiaz 31,432 views
GMARCHから大手企業はたったの2割⁉狭き門を突破するコツを内定者が解説!【unistyle24卒インターン生就活体験談vol.3】 GMARCHから大手企業はたったの2割⁉狭き門を突破するコツを内定者が解説!【unistyle24卒インターン生就活体験談vol.3】 こんにちは。24卒のインターン生です。GMARCHの文系です。私は中学時代からの夢であったテレビ業界を目指し、マスコミ系予備校にも通うほど熱心に就活に取り組んでいました。中でも大手企業に興味があり、GMARCHの学歴とそれなりの努力があれば就活は苦労しないだろうと思い込んでいました。しかし、テレビ業界(キー局)のインターン&本選考は全落ち。その後紆余曲折あり、志望業界を製薬業界に変更し、大手製薬会社から内定を獲得しました。就活生の皆さんの中にも「大手企業に就職したい」と考えている方は多いのではないでしょうか。そこで本記事では私と同じ学歴であるGMARCHの就活生に向けて、大手企業に挑戦する難しさや、狭き門を通過・内定する方法を解説します。関連記事本記事の構成筆者のプロフィールGMARCHでも大手企業に内定できる人はごくわずか!?24卒GMARCH生の就活体験談・GMARCHでも学歴フィルターに引っかかってしまう場合がある・志望者に対する採用人数が少なすぎる・倍率が高い・選考のレベルが高い就活を経て分かったGMARCHから大手企業に内定するコツ・内定に必要なマインド・具体的な対策24卒GMARCH就活生の選考結果最後に筆者のプロフィール筆者のプロフィールは以下の通りです。◆性別:女性◆大学:GMARCH(文系)◆所属ゼミ:割とゆるめのゼミ◆サークル:文化系×1、運動系×1◆アルバイト:長期インターン、飲食店◆性格超が付くほど神経質、努力家、強みは協調性日頃から周囲を気にしがちで、迷ったら人気・王道・定番を選ぶ◆志望業界変更前:マスコミ・広告(特にキー局)変更後:製薬・消費財メーカー◆現在大学4年生、大手製薬会社に2024年4月入社予定◆特徴中学時代からキー局を志し、就活開始と同時にマスコミ系予備校に通うも最終的には志望業界を変更。就活をしていた期間は累計1年2ヶ月。持ちネタはサークル、飲食店アルバイトといった超平凡学生。GMARCHでも大手企業に内定できる人はごくわずか!?まず、結論から申し上げると「GMARCH就活生が大手企業への内定を目指すのは難易度の高い挑戦である」と言えます。理由としては、GMARCH以上の学歴を持つ就活生(GMARCHの他、早慶上智、旧帝大など)の人数に対し、大手企業の採用人数の方がはるかに少ないからです。GMARCHは大学受験の世界では上の方に位置し、一般的に「高学歴」と呼ばれることも多いと思います。しかし、就活の世界では必ずしも上の方に位置し、選考で有利になるとは限りません。一部の大手企業は「学歴フィルター」を設けています。もしそのような企業にGMARCH就活生がエントリーしても、「学歴」という理由で早慶上智や旧帝大の就活生に負けてしまい、採用枠を取られてしまう場合があります。筆者は就活をする中で、GMARCHから大手企業に就職できる割合は10人に2~3人という説を耳にしました。また実際に青山学院大学の22卒で、東証プライム上場企業に就職したのは全体の27.4%というデータも見たことがあります。これらの情報を踏まえると、GMARCHから大手企業に就職するのはとても難しいことであると言えます。関連記事24卒GMARCH生の就活体験談冒頭でも触れましたが、まずは筆者の就活体験について簡単に説明します。就活は1年2ヶ月にも及びました。24卒GMARCH生の就活就活開始前:マスコミ業界と広告業界に興味を持つ3年の4月:就活開始&マスコミ系予備校に通い始める3年の夏:キー局を始め様々な大手企業のインターンに出すも、奮わない結果3年の秋:厳しい現実を知り、考えが変わり始める3年の冬:徐々に志望業界を製薬・消費財メーカーへ変更4年の6月:大手製薬会社に内定し、就活の幕を閉じる志望業界を変更した理由は、人の心身の健康に貢献したいと思ったからです。無理なスケジュールで臨んだハードな就活に疲弊し、体調を崩して休んでいた時に、人の幸せの全ては心身の健康の上に成り立っていると感じました。ここまで何度も「大手企業への内定は難しい」と申し上げてきましたが、大手企業の選考に関して難しいと感じたポイントについて具体的に紹介します。GMARCHでも学歴フィルターに引っかかってしまう場合がある志望者に対する採用人数が少なすぎる・倍率が高い選考のレベルが高いGMARCHでも学歴フィルターに引っかかってしまう場合がある先ほども同じ話をしましたが、大手企業ではインターン選考・本選考ともに、何度も学歴フィルターに引っかかってしまうことがありました。完全に筆者の持論ですが、就活をする中で特に高学歴が求められると感じた業界は以下の通りです。総合商社不動産(特に総合デベロッパー)メガバンク(特に法人営業)広告代理店キー局もちろん企業や職種によって例外もあるので、これが全てという訳ではありません。関連記事志望者に対する採用人数が少なすぎる・倍率が高い大手企業の中には志望者に対する採用人数が少ないため、毎年非常に高倍率になる業界・企業も存在します。そしてこれは特に人気業界に見られる傾向です。こちらも筆者の持論ですが、就活をする中でこの傾向は以下の業界・職種で強く見られると感じました。なお、筆者は「若者のテレビ離れ」を真に受けていたため、お恥ずかしながら「キー局を目指す就活生は自分くらいしかいないだろう」と勘違いしていました。食品・化粧品メーカー(特にマーケティング職)テレビ局(特にキー局)3大出版社エンタメ業界(特に映画・音楽)総合商社(特に一般職)事務職・コーポレート職関連記事選考のレベルが高い先ほどの学歴フィルターの話とも少し被りますが、大手企業を目指す就活生の中には、レベルの高い学生が多い印象があります。特に大手企業のインターンに参加した際には他の学生と関わる機会も多かったのですが、参加していたライバルたちは皆、有名国公立・早慶上智・関関同立など、一般的に高学歴と呼ばれる大学の学生ばかりでした。また、ライバルたちの多くはコミュニケーション能力や高い志も兼ね備えていました。全員が本選考に参加するとは限りませんが、本選考には相当レベルの高い学生が集まるのではないかと思います。また、レベルが高いのはライバルたちだけではありません。ESやWebテストに対しても、レベルが高いと感じたことが度々ありました。例えばESは設問数が多く、書いても書いても終わらないと感じた企業がいくつもありました。また自己分析をしていないと書けないような難しい設問を出されたことが何度もありました。Webテストに関しては、ボーダーがとても高く、Webテストに自信があるような人でないと通過できない企業もありました。就活を経て分かったGMARCHから大手企業に内定するコツ大手企業への内定を目指す上で難しいポイントが分かったところで、ここからはGMARCHから大手企業に内定するコツについて紹介します。主に以下の2つに分けて紹介します。内定に必要なマインド具体的な対策内定に必要なマインドまずは、内定に必要なマインドについて紹介します。大きく2点あります。100%学歴のせいにしない対策は人一倍必要・100%学歴のせいにしないこれまでGMARCHの就活生は学歴の関係上、選考で不利になることもあるという話をしました。しかし、実際にGMARCHから大手企業に内定した先輩がこれまでに一定数いるのも事実です。そのため、就活で上手くいかないことを全て学歴のせいにするのは良くありません。また、大手企業であるにもかかわらず学歴フィルターを設けていない企業も存在しますし、ESや面接の出来などによっては自分次第で結果を変えられる部分もあります。・対策は人一倍必要続いて対策についてですが、ES・Webテスト・面接など全ての対策が人一倍必要になると思った方が良いと思います。高校・大学受験やTOEICなどをイメージしてください。目指すレベルが上がれば上がるほど対策が必要になります。それは就活でも同じです。また「就活の早期化」は多くの就活生が知っていることでしょう。インターン経由での早期内定を目指す就活生は、周囲がまだ就活モードになっていなかったとしても、人一倍早く就活を始めなくてはなりません。一方、大手企業の中には未だに「3月に情報解禁」「6月に内々定解禁」のスタンスを取っているところも数多くあります。そのため周りの友人たちが早々に就活を終わらせ、遊んでいたとしても自分だけ就活を続けなければならないという、苦しい場面もあるでしょう。それでも、投げ出さずに頑張り続ける必要があります。話は変わりますが、ここで実際に筆者が行っていた、ESと面接に関する工夫について紹介します。筆者が実践していたESと面接における工夫ES:他人(就活サイト)の真似をせず、自分の言葉で書く面接:実績・成果・役職アピールではなく、人柄をアピールする・ESについて自分の言葉で書くことを意識していました。就活を始めた当初は就活サイトに掲載されている例文を見て、真似をしていました。しかし全然インターンに通過しなかったので、途中から真似をやめました。そして1から自力でオリジナルの文章を書くようにしました。すると段々と通過率が上がるようになりました。・面接について事実や実績よりも人柄をアピールする作戦で臨みました。リーダー経験や大会優勝などの実績が特になかったので、その分人間性のアピールに力を入れました。また他者との差別化を図りたいと思い、リーダーではない役職や気質をアピールしました。さらに、盛りに盛った話・嘘の話・就活用に作り上げた話はせず、今の自分を形成している幼少期の話や、素朴な日常の話などをしていました。具体的な対策具体的な対策については沢山あるのですが、ここでは中でも特に重要な2点を紹介します。業界を選ぶ多くの企業にエントリーする・業界を選ぶまず業界選びについてですが、GMARCHの学歴でも大手に内定できそうな業界・企業を選ぶことが必要になっります。自分の大学のホームページなどで「進路・就職状況データ」を調べ、自分の大学の先輩たちはどのような企業へ就職したのかを見てみましょう。また、気になる企業の「採用大学」についても調べ、過去に自分の大学からその企業へ内定した人がいるのかについても確認してみましょう。GMARCHの就活生がこれらを一切気にせずに、先ほど挙げたような「人気業界・高学歴が求められる業界×大手企業」に絞って就活をすると、場合によっては全落ちしてしまう可能性があります。そのため事前にデータを調べ、その情報も加味した上で業界・企業選びができると、内定に近づくと思います。・多くの企業にエントリーする続いて企業へのエントリーについてですが、どちらかというと少数精鋭というよりは多くの企業にエントリーする方がメリットが多いのでないかと思います。筆者が感じた、多くの企業にエントリーするメリット・デメリットは以下の通りです。多くの企業にエントリーするメリット・デメリットメリット:全落ちを回避できる・持ち駒が多いことによる安心感がある・グループディスカッション(GD)や面接の経験を積めるデメリット:全体的に対策に費やす時間がかかる・1社あたりの対策が疎かになるもちろん自身の実力不足が大きいとは思いますが、筆者はインターン・本選考ともに大手企業の選考に落ちることが数多くありました。しかも大半はESやWebテスト、1次面接といった序盤の段階でした。そのため改善に努めることに加え、序盤で落ちることを念頭に置き、沢山の企業にエントリーする必要がありました。結局筆者の場合は早期選考やベンチャーも含め、100社近くもエントリーしました。さすがに100社というのはやりすぎだと今では思いますが、全落ちを回避することはできました。また、選考を受ける中でどんどん面接やグループディスカッション(GD)に慣れていき、最後の方はほとんど緊張することがなくなりました。「就活はマッチング」とも言われるように、相性が悪ければどんなに高学歴で優秀な学生や自信のある学生でも、当たり前のように選考に落ちてしまうことがあります。そのためあまり考えたくないとは思いますが、落ちることも視野に入れ、多くの企業にエントリーするための準備の時間を作れると良いと思います。関連記事24卒GMARCH就活生の選考結果上記のようなマインドと戦略で就活に臨んだ結果、ベンチャー・大手合わせ3社から内定を獲得することができました。結果として1番最後に内定した大手製薬会社を選択し、同時に1年2ヶ月にも及んだ就活を終わらせることにしました。当初の志望業界とは全く違う結果になったこともあり、結果に100%満足できている訳ではありません。また、貴重な学生時代の多くの時間を就活に捧げてしまったという後悔も少しあります。ただ知名度の高い企業ということもあり、報告した時に家族や親戚が皆喜んでくれたので「この企業に内定できて良かった」とは思っています。また現在、就職先及び春からの新生活については前向きに捉えています。最後に本記事では「GMARCHから大手企業への内定」に関する難しいポイントや、選考の対策などについて解説してきました。内容を簡単にまとめると以下の通りです。GMARCHから大手企業に内定するのは狭き門である内定に必要なマインドを持つことが重要情報収集を積極的に行い、人一倍選考対策をすることが重要GMARCHの就活生が大手企業を目指すのはいばらの道とも言えます。人によっては上手くいかないことも多いのではないでしょうか。それでも大手企業に内定できれば、大手企業ならではの様々な恩恵を享受できると思います。また就活体験談の部分でも少し触れましたが「人一倍の努力が必要!」と言って無理なスケジュールを実行すると、かえって筆者のように体調を崩してしまうと思います。努力も重要ですが、適度に休憩することも重要です。末筆ながら、本記事を参考にし、1人でも多くの就活生が自分の望む企業に内定できることを願っています。 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【大手自動車メーカー中間決算分析2019】100年に一度の変革期に各社はどう立ち向かっていくのか!? 【大手自動車メーカー中間決算分析2019】100年に一度の変革期に各社はどう立ち向かっていくのか!? 就活生の皆さんは、"各社の決算"に目を向けたことはあるでしょうか。unistyleでは以前、決算に関して以下のような記事を執筆致しました。上記の「7大総合商社の決算に関する記事」への反響が大きく、それならば異なる業界の決算も分析してみようと考え、本記事では"大手自動車メーカー7社の2020年3月期第2四半期決算"を分析していこうと思います。言わずと知れた日本を代表する企業である「トヨタ自動車」を始め、自動車業界は国内産業の中でも大きな影響力を持っており、就活生からの人気も高い業界になります。IR情報と聞くと、「なんだか難しそう」、「読んでも理解できない」と感じる就活生もいるかと思いますが、今回は会計知識の乏しい就活生でも理解できるように執筆してありますので、ぜひ最後までご覧ください。また、決算の分析に加え、本記事では「各社の特徴・業界内での立ち位置」なども解説しています。「各社はどの地域に力を入れているのか?、今後の経営計画に違いはあるのか?」などの観点を理解することが"志望度のアピール"にも繋がりますので、その観点も踏まえて読み進めていただければと思います。※本記事は決算に関する情報を取り扱っているため、専門的な用語を知らない方は以下で用語の意味を確認してから記事を読み進めてください。◆「売上高」とは→企業が商品を販売したりサービスを提供することにより、得られた売上の合計額を指します。つまり、「企業が主たる営業活動によって得た金額の総額」のことです。◆「営業利益」とは→企業が本業で稼いだ利益を指します。「売上総利益から販売費および一般管理費(販管費)を差し引いたもの」のことです。◆「売上高営業利益率」とは→営業利益の売上高に対する割合を指します。つまり、「営業利益÷売上高×100(%)」で計算することができ、本業でどのくらい効率的に儲けたかを知ることができます。◆「第2四半期決算」とは→1Q(4~6月)と2Q(7~9月)の決算を累計したものを指します。「中間(連結)決算・上半期決算」とも表記されますが、本記事では「第2四半期決算」で統一して表記しています。◆「通期決算」とは→1年間を通した企業の決算を指します。通期決算は途中で修正することもあり、「上方修正・下方修正」の2種類があります。※「売上高・営業利益・決算」のより詳細な解説を確認したい方は、以下の記事をご覧ください。本記事の構成直近5カ年(2015年3月期~2019年3月期)の通期決算の推移今期(2020年3月期)の第2四半期決算の結果近年の自動車業界全体のトピックや動向【トヨタ自動車】売上高・営業利益ともに増益を達成。王者として独走態勢を築く!【ホンダ(本田技研工業)】停滞気味の上半期。インド市場の景気減速が響いたか?【日産自動車】昨今の様々な問題による影響を挽回できず。自動車メーカー御三家としての再建はいかに?【スズキ】低調な結果となった上半期。強みであるインド市場の回復が今後の鍵となるか?【マツダ】ほぼ全ての地域で業績が減速。効果的な投資戦略で回復を目指す!【SUBARU(旧:富士重工業)】売上高・販売台数ともに絶好調。米国の好調を維持してさらなる成長を目指す!【三菱自動車】営業利益が大幅な減益に。アセアン地域を核にした持続的な成長が今後の鍵となるか?まとめ自動車業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介直近5カ年(2015年3月期~2019年3月期)の通期決算の推移今期(2020年3月期/2019年度)の決算を確認する前に、まずは大手自動車メーカー7社の直近5カ年(2015年3月期~2019年3月期)の通期決算を確認しておきます。【期間の見方】2015年3月期:2014年4月1日~2015年3月31日2016年3月期:2015年4月1日~2016年3月31日2017年3月期:2016年4月1日~2017年3月31日2018年3月期:2017年4月1日~2018年3月31日2019年3月期:2018年4月1日~2019年3月31日直近5カ年の通期決算:連結売上高グラフを見てみると、直近5カ年では大きな変化はないことが読み取れます。「スズキ・マツダ・SUBARU(旧:富士重工業)」の3社は、年度によって順位が入れ替わったりはしていますが、それ以外は特筆すべきところはありません。また、2019年3月期の通期決算にて、トヨタ自動車の年間売上高が30兆円を突破しましたが、これは日本企業として初めてのことです。最新の日本企業全体の売上高ランキングを見ても、「トヨタ自動車が1位、ホンダ(本田技研工業)が3位、日産自動車が7位」ですので、国内企業における自動車メーカーの影響力を改めて実感することができます。【日本経済新聞】売上高ランキング※なお、上述した売上高ランキングは現時点(2019年12月27日時点)での結果となっています。ランキングは随時更新されていきますので、参考程度にご覧ください直近5カ年の通期決算:連結営業利益大きな変化の見られなかった売上高と異なり、営業利益に関しては一点気になる点が見れらます。それは「2017年3月期決算にて三菱自動車が大幅な減益となっている」ことです。この点に関しては"燃費不正問題"が大きく影響しているようです。三菱自動車は、2015年11月に発覚した燃費不正問題関連の費用を、特別損失として約1600億円を計上しました。そのため、業績不振による損失というよりは一過性のものという見方をして問題ないでしょう。(翌年の決算で982億円の営業利益を挙げていることからも、業績が不調という訳ではないことが読み取ることができると思います)【財経新聞】三菱自動車が約2000億円の赤字決算を発表、燃費不正の影響直近5カ年の通期決算:売上高営業利益率売上高営業利益率に関しては、「他社に比べてSUBARUの営業利益率が高いこと」が特徴と言えるでしょう。その理由としては主に以下の4点の理由が挙げられます。SUBARUの営業利益率が高い要因◆軽自動車など、儲けの少ない車を製造・販売しない方向へシフトしたから◆販売地域が、比較的儲けやすい北米地域が中心となっているから◆販売促進費用を抑えるなど、他社に比べて販売コストを節約しているから◆車種の数を抑えて派生車種で品揃えを整えることで、効率性が優れるように構造化しているから上記のような要因があるため、SUBARUの利益率は他社に比べて高いという結果となっています。より詳細な内容に関しては、以下に掲載した参考リンクから確認していただければと思います。SUBARUは競合他社との差別化を明確にすることができており、大手自動車メーカーの中でも"少し異色の存在"とも言えるでしょう。【参考】ベストカーWeb:スバルに”台数”は必要なし!?スバルの利益率が国内ナンバーワンの理由ベストカーWeb:スバルの利益率はなぜ高いのか?【日本の自動車メーカーでは異例の10%超の常連】直近5カ年の通期決算の推移を確認したところで、本記事の主題である"今期(2020年3月期)の第2四半期決算"を見ていきます。今期(2020年3月期)の第2四半期決算の結果各社の決算短信をもとに、大手自動車メーカー7社の今期(2020年3月期)の第2四半期決算をまとめました。直近5カ年の推移と同様、「売上高・営業利益・売上高営業利益率」の3つの観点から前年同期比も併せて紹介しています。【期間の見方】2019年3月期第2四半期決算:2018年4月1日~2018年9月30日2020年3月期第2四半期決算:2019年4月1日~2019年9月30日第2四半期決算:連結売上高昨期(2019年3月期)と今期(2020年3月期)で順位に変動はありませんでしたが、業績の調子には各社濃淡が見られます。7社中トヨタ自動車とSUBARUの2社だけが前年同期比で増益、ホンダと日産自動車が10%近くの大幅な減益という結果になりました。業界全体の動向や各社のトピックに関しては後ほど解説するため、ここでは割愛させていただきますが、「企業間で業績に濃淡が見られる」ということを覚えておいていただければと思います。第2四半期決算:連結営業利益先ほど紹介した売上高と上記の営業利益の数値を見比べてみると、やはりトヨタ自動車とSUBARUの業績が好調であることが読み取れます。一方で、先ほど紹介した売上高に比べ、営業利益の方が企業間での数値の差が大きいことが分かるでしょう。一例として取り上げると、「日産自動車が前年同期比で85.0%の減益、三菱自動車が前年同期比で82.1%の減益、SUBARUが前年同期比で68.1%の増益」となっています。順位が大きく入れ替わっていることももちろんですが、売上高が一桁(パーセンテージ)の変化しかなかったのに比べ、営業利益は大幅に数値が変化しています。第2四半期決算:売上高営業利益率売上高営業利益率に関しては、上記のグラフの通りとなっています。先ほど紹介した売上高・営業利益と紐付いているため、詳細な解説などは割愛させていただきますが、「各社の業績の調子」を見る際の参考にしていただければと思います。この変化の要因を分析するため、続いては「近年の自動車業界全体のトピックや動向」を探っていきます。近年の自動車業界全体のトピックや動向各社の今期決算(2020年3月期第2四半期決算)を確認する前に、"近年の自動車業界全体のトピックや動向"に軽く触れておきます。近年の自動車業界に関し、触れておく必要がある内容としては以下の2点が挙げられます。(なお、本記事は決算の分析が主題となりますので、業界全体のトピックや動向に関しては詳細には解説しません。ご了承ください。)100年に一度の変革期CASE100年に一度の変革期「自動車業界は100年に一度の変革期にある」という文言は、トヨタ自動車の豊田章男社長が提言したものになりますが、近年の各社の取り組みや施策と照らし合わせてみてもその片鱗は見て取れます。"CASEやモビリティ化"など、トヨタ自動車に限らず各社が「自動車を開発・製造・販売するだけのメーカーからの脱皮」を推し進めているようです。【参考】プレジデントオンライン:小さな自動車会社が生き残るのはもう無理か?自動車業界"100年に一度の変革期"CASECASEとは、「Connected:コネクティッド化」「Autonomous:自動運転化」「Shared/Service:シェア/サービス化」「Electric:電動化」の4つの頭文字をとったものです。このCASEという言葉は、2016年のパリモーターショーにて、独ダイムラーのディエター・チェッチェCEOが発表した中長期戦略の中で用いたのが始まりです。CASEに関しては、unistyleの以下の記事で詳細に解説していますので、こちらをご確認いただければと思います。【関連】【参考】日経ビジネス:クルマを一変させる「CASE」って何だ?それでは、「近年の自動車業界全体のトピックや動向」を軽く紹介したところで、"各社の今期(2020年3月期)の第2四半期決算の結果"を見ていきましょう。単純に自身の志望企業の解説だけを見るのではなく、他社との違いを見比べながら読み進めていただければと思います。なお、各社の紹介する順番に関しては「2019年3月期通期決算の連結売上高が高い順」となっています。【トヨタ自動車】売上高・営業利益ともに増益を達成。王者として独走態勢を築く!トヨタ自動車の今期の第2四半期決算は"好調"と言えます。売上高・営業利益ともに前年同期比で増益となり、業界1位の座を不動のものにしていることは間違いないでしょう。地域別販売台数割合上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。総販売台数に関しては「442万台→464万台」と前年同期比+5.0%となっています。地域別の販売台数を確認してみても、グラフに記載されている5つの地域全てが前年同期比で増加しており、それゆえに販売台数割合に関しても大きな変化は見られません。2019年度上半期(2019年4月1日~9月30日)のトピックとしては、「(1)8月にスズキと資本提携に関する合意書を締結(2)9月に米国テキサス工場への4億ドルの投資を発表(3)9月にSUBARUと新たな業務資本提携に合意」などがありました。トヨタ自動車は業界のリーディングカンパニーとして、競争力強化に向けた取り組みを進めています。今期の通期決算の見通しに関しては、「売上高:29兆5,000億円」、「営業利益:2兆4,000億円」と修正はありませんでした。ただ、売上高・営業利益ともに前年同期比で微減という見通しになっています。【参考】トヨタ自動車:2020年3月期第2四半期決算報告プレゼンテーション資料今後の経営計画・取り組みに関してトヨタ自動車は、「自動車をつくる会社」から、「モビリティカンパニー」へのモデルチェンジを進めています。そして、その先にある「モビリティ社会の実現」に向け、自動車業界を引っ張っていくことを目指しています。それに付随し、2018年8月に「Uberとの協業拡大」を発表、さらに同年「ソフトバンクと新たなモビリティサービスの構築に向けた新会社MONETTechnologies(モネテクノロジーズ)を設立し、2018年度内をめどに共同事業を開始する」と発表しました。また、直近の取り組みとしては、電動車普及に向けたチャレンジを進めていくようです。アニュアルレポート2018によると、「2020年からEV(ElectricVehicle:電気自動車)を本格的に展開→2030年に販売台数の内のEV比率を50%以上→2050年に新車CO2ゼロチャレンジを実現」というマイルストーンを設定しています。トヨタ自動車は国内に限らず、世界中でも絶大な影響力を持っているがゆえに、今後もその施策や発表の一挙手一投足に注目が集まります。【参考】トヨタ自動車:アニュアルレポート2018トヨタ自動車の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら【ホンダ(本田技研工業)】停滞気味の上半期。インド市場の景気減速が響いたか?ホンダの今期の第2四半期決算は"やや不調"と言えます。業界2位の座はキープしていますが、売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、増益を果たした1位トヨタ自動車に差を広げられる形となりました。地域別販売台数割合:二輪事業地域別販売台数割合:四輪事業地域別販売台数割合:ライフクリエーション事業上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。ホンダは、「(1)二輪事業(2)四輪事業(3)ライフクリエーション事業」の3事業でそれぞれ販売台数が記載されていたため、グラフも分類させていただきました。ライフクリエーション事業とは→農機用汎用エンジンを皮切りに、耕うん機、発電機、除雪機、船外機、芝刈機など、世界中の人々の手助けやライフラインとなる製品を生み出し続けてきた事業【参考】Honda新卒採用サイト:事業領域販売台数の前年同期比は、二輪事業が「1,067万台→1,002万台」で-6.1%、四輪事業が「255万台→256万台」で+0.4%、ライフクリエーション事業が「260万台→244万台」で-6.5%となっており、四輪事業の健闘が見られる結果となっています。また、二輪事業の販売台数が前年同期比で約65万台も減少しているのですが、アジア地域だけで約71万台も減少しています。全体の89%を占めるアジア地域の不振が二輪事業の販売台数全体にも大きな影響を及ぼしたと読み取ることができるでしょう。そして、その最大の要因は「インド市場の減速影響を受けたこと(融資引き締め継続・景気悪化による個人消費の減速)」にあるようです。ただ、この影響は自動車業界全体にも及ぼすものであるため、ホンダに限った事象ではないことを理解していただければと思います。今期の通期決算の見通しに関しては、主要3事業全ての販売台数が下方修正されています。販売台数の影響もあり、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:15兆500億円(昨期は15兆8,886億円)」、「営業利益6,900億円(昨期は7,263億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。【参考】ホンダ:2019年度第2四半期決算説明会資料今後の経営計画・取り組みに関して2017年3月期のアニュアルレポート(現時点での最新版)にて、ホンダは"2030年ビジョン"を掲げています。2030年ビジョン【ビジョンステートメント】すべての人に"生活の可能性が拡がる喜び"を提供する【企業姿勢】質の追求による成長【ビジョン実現に向けた取り組みの方向性】喜びの創造:「移動」と「暮らし」の価値創造喜びの拡大:多様な社会・個人への対応喜びを次世代へ:クリーンで安全・安心な社会へ【成長の為の事業基盤強化】経営資源の有効活用「自動車業界は100年に一度の変革期にある」と言われている現代、国内・世界の自動車産業界で大きな影響力を及ぼしているホンダも、新たな取り組みを続々と進めていくようです。「(1)二輪車・四輪車・パワープロダクツという多岐に渡るモノづくりの力(2)世界中の顧客・市場基盤」とい既存の強みに、「コトづくりを含むソリューション創出力」を加え、新たなシナジーを生み出していくのではないでしょうか。【参考】ホンダ:アニュアルレポート2017ホンダ(本田技研工業)の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら【日産自動車】昨今の様々な問題による影響を挽回できず。自動車メーカー御三家としての再建はいかに?日産自動車の今期の第2四半期決算は"不調"と言えます。売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、特に営業利益に関しては「2,103億円→316億円」と前年同期比-85.0%という結果になっています。地域別販売台数割合上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。総販売台数に関しては「268万台→250万台」と前年同期比-6.8%となっています。地域別の販売台数を見てみても、上記グラフで取り上げている5つの地域全てがマイナスとなっており、特に欧州が「33万台→27万台(前年同期比-19.7%)」とかなり数字が落ち込みました。この欧州での不振を受け、「英国とスペインにある2工場の売却を検討している」というニュースも報道されてしまうという事態にもなっています。【参考】産経ニュース:日産、欧州2工場売却と報道販売不振で今期の通期決算の見通しに関しては、総販売台数が「554万台→524万台」と下方修正されています。それに付随し、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:10兆6,000億円(昨期は11兆5,742億円)」、「営業利益1,500億円(昨期は3,182億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。【参考】日産自動車:2019年度上期決算プレゼンテーション資料2017年の不正検査問題や2018年のカルロス・ゴーン元会長の逮捕など、近年様々な問題に揺れた日産自動車ではありますが、自動車業界に限らず日本を代表する企業であることは間違いありません。自動車メーカーの御三家(トヨタ自動車・ホンダ・日産自動車)として、今後はどのような取り組み・改革を進めていくのか、以下で紹介します。今後の経営計画・取り組みに関して日産自動車は、2017年度に6か年計画(中期計画)「NissanM.O.V.E.to2022」を発表しています。その計画によると、「技術の日産」と呼ばれるその技術力を活かし、"自動車産業の技術・ビジネスの進化をリードしていくこと"を目指していくようです。具体例としては、「電気自動車、自動運転、コネクテッド・カー、新たなモビリティ・サービス」などが挙げられ、"今後の自動車産業の核となるであろう分野での競争優位性の獲得"に取り組んでいくと見られています。ただ、近年の業績不振を受け、この計画に関する目標の一部が2019年5月に見直されています。カルロス・ゴーン退任後の「仏ルノーとの協力関係」、「ルノー・日産自動車・三菱自動車の3社連合」なども先行きが不透明な部分もあるため、この計画通りに進むどうかは今後の動向を注視するべきでしょう。【参考】日産自動車:中期計画朝日新聞デジタル:日産、中期計画を下方修正へゴーン氏去って戦略見直し日本経済新聞:ゴーン後の日産・ルノー、静かに進む提携解消【関連】日産自動車:アニュアルレポート2019日産自動車の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら【スズキ】低調な結果となった上半期。強みであるインド市場の回復が今後の鍵となるか?スズキの今期の第2四半期決算は"不調"と言えます。売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、特に営業利益に関しては「1,985億円→1,186億円」と前年同期比-40.3%という結果になっています。地域別販売台数割合:四輪車地域別販売台数割合:ニ輪車上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。スズキは、「(1)四輪車(2)二輪車」でそれぞれ販売台数が記載されていたため、グラフも分類させていただきました。販売台数の前年同期比は、四輪車が「170万台→141万台」で-17.2%、二輪車が「86万台→88万台」で+2.1%となっており、四輪車の不振が「売上高・営業利益の減益」に影響したのではないかと読み取ることができます。四輪車に関しては、「日本・インド」の販売台数が大幅に前年割れしてしまったことが影響しているようです。スズキの四輪車は、インドと日本で全体の販売台数割合の70%を占めており(上記グラフを参照)、この主要地域の不振はかなり痛手だったと考えられます。二輪車に関しては、四輪車とは異なる状況となっています。上記グラフの通り、スズキの二輪車販売台数割合の80%以上をアジア地域が占めているのですが、そのアジア地域の50%近くがインド市場になります。(つまり、全体の約40%がインド市場となります)そのインドでの販売台数が前年同期比+15%となっているため、全体でも増益という結果を得られたと読み取ることができます。スズキは四輪車・二輪車ともにインドの占める割合が高く、そのインド市場の調子が今期の好不調にダイレクトに影響しました。現時点では、良くも悪くも"全体の業績はインド市場の動向に掛かっている"と言うことができるでしょう。今期の通期決算の見通しに関しては、四輪車・二輪車ともに販売台数が下方修正されています。販売台数の影響もあり、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:3兆5,000億円(昨期は3兆8,715億円)」、「営業利益2,000億円(昨期は3,244億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。【参考】スズキ:2020年3月期第2四半期決算説明会資料今後の経営計画・取り組みに関して上記でも少し触れましたが、スズキの強みは"インドで圧倒的なシェア率を誇っていること"です。そのシェア率はなんと50%と言われています。インドの市場規模は今後も拡大することが予想されており、現状のシェア率を保持し続ければ、スズキは今後の大きな成長を見込むことができるでしょう。そのため、まずはインド市場を充実させることに注力し、その上で世界中の地域へ展開・拡大させていくのではないかと予想されています。【参考】スズキ:アニュアルレポート2019また、スズキは2015年6月に「新中期経営計画(2015~2019年度)SUZUKINEXT100」を発表しています。(2015年に発表した計画ですが、現時点での最新のものになります)資料には様々な情報が記載されているのですが、その中でも以下の2つを気になる点としてピックアップしました。二輪事業の赤字体質からの脱却日本、インドに次ぐ柱の育成今期は2019年度であり、上記の中期経営計画の最終年度に該当します。この中期経営計画と実際の動向を比較してしまうと長くなってしまうため、本記事では割愛させていただきますが、興味のある就活生の方は下記のリンクから確認していていただければと思います。また、来期には新たな中期経営計画が発表されるかと思いますので、発表され次第そちらも確認していただくのが望ましいかと思います。【参考】スズキ:新中期経営計画(2015~2019年度)SUZUKINEXT100スズキの「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら【マツダ】ほぼ全ての地域で業績が減速。効果的な投資戦略で回復を目指す!マツダの今期の第2四半期決算は"やや不調"と言えます。売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、特に営業利益に関しては「298億円→258億円」と前年同期比-13.4%という結果になっています。地域別販売台数割合上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。総販売台数に関しては「80万台→73万台」と前年同期比-8.0%となっています。そして、その中でも特に下がり幅の大きかった地域が中国になります。「13万台→11万台(前年同期比-18.0%)」となり、販売台数・パーセンテージともに最も下がり幅が大きい地域となっています。とはいえ、欧州以外の地域は全て前年同期比でマイナスとなっているため、全体を通じて苦しい上半期だったと言えるでしょう。今期の通期決算の見通しに関しては、総販売台数が「162万台→155万台」と下方修正されています。それに付随し、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:3兆5,000億円(昨期は3兆5,642億円)」、「営業利益600億円(昨期は823億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。【参考】マツダ:2020年3月期第2四半期決算プレゼンテーション資料今後の経営計画・取り組みに関してマツダは2019年11月1日に中期経営計画を発表しています。その資料の中身を要約すると、以下のようになります。中期経営計画【中期経営方針】◆独自の商品・顧客体験への投資→ブランド価値向上への投資◆ブランド価値を低下させる支出の抑制(1)変動・固定販促費面の抑制(2)品質面の抑制◆遅れている領域への投資(1)インフラへの投資(2)仲間づくりへの投資(3)環境・安全への投資上記は、今後5カ年(2020年3月期~2025年3月期)の経営計画の要点をまとめたものになります。まずは重点的に経営資源の配分を行い、その上で上記の「取り組むべき3つの領域」に注力していくようです。また、中期経営計画内の「市場別販売比率」を確認してみたところ、現時点でも最も大きい割合を占めている"北米地域"の比率をさらに高めていくようです。「米国新工場の立ち上げによる現地生産開始と、販売ネットワーク強化の確実な遂行の両輪でさらなる成長を目指す」との記載があったため、北米地域を基盤として事業を進めていくのではないでしょうか。【参考】マツダ:中期経営計画【関連】マツダ:アニュアルレポート2019マツダの「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら【SUBARU(旧:富士重工業)】売上高・販売台数ともに絶好調。米国の好調を維持してさらなる成長を目指す!SUBARUの今期の第2四半期決算は"絶好調"と言えます。売上高・営業利益ともに前年同期比で増益となっており、その上がり幅も全7社で最も大きくなっています。特に営業利益に関しては「564億円→948億円」と前年同期比+68.1%という結果になっています。地域別販売台数割合上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。総販売台数に関しては「48万台→50万台」と前年同期比+4.1%となっています。上記のグラフを見て分かる通り、米国が総販売台数の約2/3を占めているのですが、今期はこの米国の販売台数が好調でした。「30.2万台→33.6万台(前年同期比+11.3%)」と大きな成長を見せており、この米国地域の好調が全体の販売台数に大きな影響を及ぼしたと読み取ることができます。この好調の要因としては、以下のような事柄が挙げられます。米国市場が好調である要因◆「フォレスター、クロストレック(日本名:スバルXV)」といった車種が高い人気を誇っていること◆「安全性と信頼性」を高く評価されていること◆2007年より開始した北米スバル独自の『LOVEキャンベーン』という広告展開が影響していること【参考】モーターファン:スバル、北米で好調を維持。クロストレック(SUBARUXV)は新記録達成東洋経済オンライン:スバル車がアメリカで売れ続ける「2つの要因」今回取り上げた7社の中で最も業績が好調だったSUBARUですが、今期の通期決算の総販売台数の見通しは当初から据え置きとなっています。また、売上高も据え置き、営業利益に至っては「2,600億円→2,200億円」と下方修正がされています。ただ、昨年同月比で見ると、売上高が「3兆1,562億円→3兆3,100億円」、営業利益が「1,817億円→2,200億円」と増益を見込んでいます。「自動車業界は100年に一度の変革期にある」と言われている中、比較的苦しんでいる企業が多いのですが、SUBARUはその逆風に立ち向かうことができていると言えるでしょう。【参考】SUBARU:2020年3月期第2四半期決算説明会資料今後の経営計画・取り組みに関してSUBARUは2018年7月に"新中期経営ビジョン「STEP」"を発表しています。この資料を確認したところ、大きな強みを持っている米国地域のさらなるシェア拡大を目指していくことを読み取ることができます。「まずは米国での成長を維持しつつ、その上で各市場(地域)の持続的な成長」に取り組んでいくようです。また、2019年9月には「トヨタ自動車とのアライアンスとして、新たな資本提携に合意した」と発表されました。この資本提携を受け、今後は「EV(ElectricVehicle:電気自動車)や自動運転といった新たな技術への積極的な取り組み」、「モビリティ社会全体の変革への対応」などを進めていくと考えられます。【参考】SUBARU:新中期経営ビジョン「STEP(2018-2025)」【関連】SUBARU:アニュアルレポート2019SUBARU(旧:富士重工業)の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら【三菱自動車】営業利益が大幅な減益に。アセアン地域を核にした持続的な成長が今後の鍵となるか?三菱自動車の今期の第2四半期決算は"不調"と言えます。売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、特に営業利益に関しては「569億円→102億円」と前年同期比-82.1%という結果になっています。この-82.1%という数値を見るからに、相当苦しんだ2019年度上半期だったと言えるでしょう。地域別販売台数割合上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。総販売台数に関しては「59.4万台→59.2万台」と、前年同期比で微減という結果になっています。地域別の販売台数を確認してみても、グラフに記載されている全ての地域が「前年同期比-10.0%~+10.0%」の範囲内に収まっているため、それゆえに販売台数割合に関しても大きな変化は見られません。地域別販売台数割合に関する三菱自動車の特徴としては、「アセアン・欧州地域」に強みを持っていることが挙げられます。この特徴に関しては後述で再度説明しますが、「他社と異なる部分」として理解していただければと思います。今期の通期決算の見通しに関しては、総販売台数が「130.5万台→127.4万台」と下方修正されています。それに付随し、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:2兆4,500億円(昨期は2兆5,146億円)」、「営業利益300億円(昨期は1,118億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。ちなみに記事の冒頭で、今期の三菱自動車の売上高と営業利益が大幅な減益となったことを紹介しましたが、「販売台数は微減なのに、なぜ営業利益が82.1%もマイナスになっているの?」と疑問を持った方もいたのではないでしょうか。この要因としては、"(1)為替変動(2)例年に比べて研究開発費や間接員労務費が嵩んだ(かさんだ)こと"などが影響していると言われていますので、そのように認識していただければと思います。【参考】三菱自動車:2019年度第2四半期プレゼンテーション資料MONEYTIMES:三菱自動車が利益95%減!海外での販売台数も最大8%減!今後の経営計画・取り組みに関して三菱自動車は「アセアン地域」に大きな強みを持っていることが特徴です。全販売台数の1/4程度をアセアン市場が占めていることももちろんですが(上記グラフを参照)、生産能力に関しても約40%がアセアンに集中しているようです。アセアン地域の中でも、タイ事業を「三菱自動車を支える屋台骨として強化する」、ベトナム事業を「アセアン第四の拠点とする」との記載があるため、この2つの地域が特に重要な拠点になるのではないでしょうか。また、アニュアルレポート2019を確認したところ、三菱自動車のコンセプトである「SmallButBeautiful」のもと、"(1)強みを持つ地域に注力(2)強みに特化した商品の投入(3)身の丈にあった持続的成長に向けた基盤作り"を進めていくようです。三菱自動車は競合他社に比べて比較的規模が小さいため、何か革新的な施策に取り組むというよりも、「独自の強みを活かして現在の市場を拡大・成長させていく」という方針だと読み取ることができます。【参考】三菱自動車:アニュアルレポート2019中期経営計画に関しては、2017年10月に「DRIVEFORGROWTH」が発表されていますが、これは2017年度(2018年3月期)~2019年度(2020年3月期)の計画になります。来期には新たな中期経営計画が発表されるかと思いますので、発表され次第、新たな計画を確認していただくのが望ましいかと思います。【関連】三菱自動車:中期経営計画「DRIVEFORGROWTH」三菱自動車の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちらまとめ本記事では、「各社の決算資料・IR情報・経営計画」をもとに"大手自動車メーカー7社の2020年3月期第2四半期決算"をまとめてみました。「自動車業界は100年に一度の変革期にある」と叫ばれている中、単純に「自動車の開発・製造・販売」をするだけでなく、各社とも様々な取り組みを行っています。そのため、業績(売上高・営業利益・販売台数)だけでなく、「各社は業界内でどのような強みを持っているのか?今後はどのような事業分野・地域に注力してくのか?」といった観点を理解しておくことも重要となります。また、本記事で解説した内容はあくまでも「今期の第2四半期決算という短期的な業績」に過ぎません。上述した直近5カ年の決算の推移を見ても分かる通り、各社の業績は年々変動がありますので、あくまでも参考程度に本記事の内容を理解していただければと思います。また、動画を通じて自動車業界を知りたいという方は下記の動画も参考にしてください。決算・IR情報に関する記事はこちら自動車メーカーの業界研究に関する記事はこちら大手自動車メーカー7社の企業研究ページはこちら◆トヨタ自動車の企業研究はこちら◆ホンダ(本田技研工業)の企業研究はこちら◆日産自動車の企業研究はこちら◆スズキの企業研究はこちら◆マツダの企業研究はこちら◆SUBARU(旧:富士重工業)の企業研究はこちら◆三菱自動車の企業研究はこちら自動車業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unist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ESで「書くことがない」と感じる就活生必見!就活で使える”ネタ”の作り方 ESで「書くことがない」と感じる就活生必見!就活で使える”ネタ”の作り方 こんにちは、18卒就活生です。大手インフラ・化学メーカー・SIerなど数多くの内定を獲得し就職活動を終了しました。インターンや本選考において最初に待ち受ける関門がES(エントリーシート)であると思います。私自身、選考があって参加したインターンでは7社全て、本選考では22社中21社でESが課されていました。外資系企業と比較して選考期間が短く、学生1人あたりに割ける時間も短い日系企業の採用においては特に初期の効率的な選考のためにESが用いられている傾向にあると考えています。その中で、インターン選考のESで最頻出の設問が「学生時代頑張ったこと」ではないでしょうか。「学生時代にあなたが主体的に働きかけ成果を出した経験を述べてください」「あなたがこれまでに何かをやり遂げたと感じた経験についてご記入ください」などこの手の設問にはあらゆるパターンがありますが、いずれもインターン・本選考共に頻出です。そんな背景で学生時代頑張ったことを書こうとした際に、皆さんの中には「大学で頑張ったことなんてそんなにないよ」≒経験の量不足「そんなすごい経験なんて自分はしてないよ」≒経験の質不足といった懸念が浮上してなかなか提出まで至らなかったという方もいるのではないでしょうか。特にインターンではES選考のみという企業もあり、本選考以上にES通過率が低い企業が多いこと、そもそもESを書く経験が少ないことからこの傾向が強まりやすい印象があります。今回は就職活動において切っても切り離せない事項である「経験」「エピソード」という言葉について、unistyleの過去の記事や筆者自身の就活経験を踏まえて考えていきたいと思います。本記事のコンテンツ・ありがちな経験でも受かるガクチカは作れる・経験とは学生時代頑張ったことを述べるためだけのものか?・特別な経験がないと考える学生に向けた二つのストラテジー・日常エピソードから根拠となる経験を述べる3つの意義・最後にありがちな経験でも受かるガクチカは作れる先ほど学生時代頑張ったことが書けない要因の一つとして、「自分はそんなにすごい経験をしてきていない」という考えを持っている学生の存在を挙げました。このような思考に至ってしまう原因として、就職活動における「経験」を「スペック」と読み替えていることがあるのではないかと考えています。これについては、unistyleが考える学生時代頑張ったことの評価基準から妥当性を考察していきましょう。①実績自体のインパクトは十分か②企業で求められている能力をアピールできているか③書いていることから思考力、考えの深さ、人柄を示すことができているか④社会でも通用する学びや考え方を示すことができているか参考:多くの学生が考える「スペック」とは恐らく上記の①に該当するのではないでしょうか。学生時代にどれだけすごい(=並の学生では残せない)実績を残せているかがスペックであり、このレベルの高さが学生時代頑張ったことの評価であると考えているのでしょう。しかし、あくまで実績自体のインパクトは評価基準の「ひとつ」に過ぎず、実際はほとんどの学生がサークル・ゼミ・アルバイトといった「ありがち」な経験でも②〜④を高めることで学生時代頑張ったことの精度を高めることが可能になっています。もちろん、有名体育会・ビジネスコンテスト・起業経験等で輝かしい実績を残すことはそれ自体で評価の対象となり、現にそういったスペックを持った学生を好む企業が存在していることも事実ではあります。いずれにせよ、スペックに高低に固執して卑屈になりすぎることよりも、ある程度それを客観視したあとは、それを就職活動の場で「どう伝えるか」について思考を深めた方が適策であると言えるでしょう。参考:経験とは学生時代頑張ったことを述べるためだけのものか?さて続いて、就職活動で述べる「経験」の位置づけについて考えていきたいと思います。「経験」と聞いて、多くの学生がまず思い浮かべるのが「学生時代頑張ったこと」でしょう。しかし、学生時代頑張ったことのように直接尋ねられている場合以外でも、就職活動の場では経験を述べる必要が出てきます。志望動機でも経験が必要志望動機とは、学生がこの企業でモチベーション高く働いてくれる人材であるかどうかを採用側が見極めるために尋ねる設問形態です。インターン選考の場合では「インターン面接でよく聞かれる質問事例4選」にもあるように、「企業とあなたを結びつけるポイント」を知りたいという採用側の意図が込められています。だた闇雲にエントリーした学生よりも、自社に興味・関心を持って志望した学生の方に参加してほしいという考えに基いた姿勢であると言えるでしょう。そんな志望動機では以下の点が評価項目になるとunistyleでは考えています。①「成し遂げたいこと=志=企業選びの軸」は業界に合致したものか②「成し遂げたいこと=志=企業選びの軸」を自分自身の経験から語ることができているか③「成し遂げたいこと=志=企業選びの軸」に基づき、業界をシンプルに比較しているか④業界の中でもなぜその会社なのかを伝えることができているか参考:このうち④についてはそこまで重要ではないと考えています。特にリーディングカンパニーでない場合は「同業の◯◯社ではなくてなぜうちなのか」をしつこく聞いてくる企業も現に存在していますが、同業他社を複数受けるというのは就活生としては自然な行為であり、「」を参考にある程度パターン化するぐらいの対策で割り切ることも大切なのではと考えています。また、実際に就職する企業は一社ですが、インターンの場合は同業でも複数社参加が可能であり、内定辞退のリスクに比べ参加辞退のリスクは大幅に低いものであるから、一般にそこまで深掘りされることはありません。一方、多くの学生が忘れがちなのが②であり、ここで「経験」という言葉が用いられています。志望動機では、人気記事「」でも項目として設定されているように、当該企業で成し遂げたいと述べた内容について経験に基づいたきっかけを示すことが必要となります。「世界における日本の存在感を高めたい。少子高齢化、GDP3位への転落、ジャパンバッシングなど近年、日本の影響力の低下が事あるごとに取り上げられ、アジアの中でもシンガポール、中国の存在感が高まっています。私は一人の日本人としてこのような事態を憂慮し、解決するための仕事がしたいと思い、御社を志望しています。」参考:このように経験との結びつきのない志望動機は、言ってしまえば内定者の内容をコピペしてしまえば作成できてしまうものであり、説得力のない内容になってしまいます。仮にこのような内容でES選考を通過したとしても、経験とセットで考えないと、面接の場で「なぜそれを成し遂げたいと考えるようになったのか」などと深掘りをされたときに対応することは難しいでしょう。インターン選考で「企業とあなたを結びつけるポイント」を示すうえでも、自身の経験に基づく理由付けをすることが他者との差別化を図るうえで(あなたしか書けない志望動機を書くうえで)必要になってきます。以上より、志望動機を述べるうえでも経験が重要であると導くことができます。自己PRでも経験が必要自己PRとは端的に言えば「あなたの強み」を述べるものであり、学生がこの企業で活躍できる素質を持った人材か採用側が見極めるために尋ねる設問形態です。自己PRは先ほど学生時代頑張ったことと並んで評価項目を示したため察した方も多いかもしれませんが、自己PRにおいても経験は重要な要素になります。「」を参照すると、③具体的エピソードを盛り込む必要があることが読み取れます。例えば、ただ単純に「私にはリーダーシップがあります!」と述べても、それが具体的にこれまでの経験でどのように活かされたのかを示さないと、本当にその素質を持っているのか採用側にとっては疑わしく感じてしまうことでしょう。また、具体的なエピソードは「」にもあるように、強みの再現性を高める上では複数用意しておく必要があります。この場合の経験も先ほどの項目と同様「すごい経験」で理由付けしていかなければならないというわけではなく、以下の記事にもあるように特別な経験がなくても伝え方を工夫することで評価される内容に仕上げることができます。参考:このように、経験とは学生時代頑張ったことを直接述べるための手段だけでなく、志望動機の説得力や自己PRの再現性を高めるうえで重要な要素であるとまとめることができます。なお、この傾向は特に日系企業の選考で該当するものであり、外資系企業の選考ではインターンも含め一概に当てはまらない場合があると考えています。日系と外資系の選考スタンスの違いについては以下の記事を参考にしていただければと思います。参考:特別な経験がないと考える学生に向けた二つのストラテジーここまでの内容をまとめると、「まず学生時代頑張ったことを語るために一つ経験が必要だ。自己PRは〜〜だからそれを根拠付ける経験が、あ、これは複数必要なのか。そうしたら今度は志望動機とセットとなる経験も用意しなきゃいけないし...」と、就職活動で語るべき経験が多岐にわたることが読み取れるでしょう。そうなってくると、冒頭で述べたESが進まない要因のうちの前者である、「大学で頑張ったことなんてそんなにないよ」=経験の量的な面での懸念が浮かんでくるのではないでしょうか。すなわち、自分が「エピソードのネタ不足」という状態に陥ってしまっていると考え、ES提出が進まない。ES提出が進まないから選考経験が不足し、せっかく出したESも通らないという悪循環にはまってしまう場合が考えられると言えるでしょう。これに対しての解決策は二つあると考えられます。解決策1:今から語れるエピソードを作る1つ目は、今からでも就活で語れるようなエピソードを作りにいくというアプローチです。例えば有名体育会での輝かしい実績・長期留学などの期間を要するものについては今から取り組もうとしてもなかなか難しいものがありますが、以下の記事にあるような経験であれば今から動き出すことで作り出すことが可能でしょう。先述の通り、エピソードはスペックに準ずるインパクトの強さだけで評価が決まるものではありません。確かに1年時から本気で何かに取り組んでいる人にはエピソードの質の面で劣るかもしれませんが、あくまで評価項目の一要素であるインパクトを気にしすぎて結局何もせずにいるよりは、今からでも行動を起こすことの方が正しい選択と言えるのではないでしょうか。参考:解決策2:過去の経験の伝え方を再考する2つ目は、これまでの経験で何か使えるものはないか再考してみるアプローチです。エピソードと聞いて多くの学生がまず顧みるのはサークル・ゼミ・アルバイトといった大学時代の経験になるでしょう。例えば、「」の記事にあるように、「」の②強みの原点を語るうえでは自身の生い立ちを語ることが有効です。複数エピソードを挙げる場合は、大学入学以前の経験を語るアプローチも有効です。また、東京海上日動のようにインターンの面接の段階から幼少期から自身の価値観をひたすら深掘りするという選考を実施している企業も一定数存在しています。このように、高校時代の部活動・文化祭の運営・生まれ育った環境といった”経験”ですらも、就職活動の場においてはエピソードのストックとして機能しうるものであることは認識しておくべき内容でしょう。大学3年時ではゼミ活動の経験が増えたというケースが多いかと思われますが、そのゼミ活動や就職活動等で多くの時間が割かれることから、サークルを引退or幹部学年でなくなり活動頻度が減る・アルバイトのシフトが減るなどでエピソードが作りにくくなる学年であるという捉え方もできるのではないかと考えています。すなわち、「無いものを作る」という一つ目のアプローチと同時に、「有るものをうまく活用する」二つ目のアプローチも並行して行っていけるといいのではないでしょうか。参考:ここまでが、unistyleに共通する基本的な考え方になります。筆者はこれだけでなく、就職活動で使うエピソードは顧みずとも日常生活で常に生み出されているのではないかと考えています。朝起きて大学に行き授業に出席する・休みの日に友人と遊びにいくといった何気ない行動の積み重ねにこそ、「あなたらしさ」と呼ばれるようなものは存在しており、企業側も学生のそういった面を知りたいと考えているという見方もできるのではと考えています。参考:参考:日常エピソードから根拠となる経験を述べる3つの意義とは言いつつ、いきなり「日常生活からエピソードを導こう」と言われても何を語っていいのか見当がつかないという方も多いかと思います。例えば、「毎朝時間通りに起きて休むことなく毎回授業に出席した」ことを単体で学生時代頑張ったことについて挙げるのでは企業に評価されにくいことは何となくでもいいので皆さん理解されていることだと思います。日常エピソードはそれ単体をアピールするのではなく、志望動機の説得力や自己PRの再現性を高める策として有効であると考えています。ここでは、そんな日常エピソードから就職活動の経験を語っていく意義とその具体的な事例について考察していきたいと思います。理由1:単純にエピソードの絶対数が増えるこちらはこれまでの内容を一読していれば既に理解されていることでしょう。志望動機・学生時代頑張ったこと・自己PRとあらゆる場面で必要なエピソードについて、その語れるエピソード数は多いに越したことはありません。特に日系の一流企業では一つの経験に対する深掘りだけでなく、「学生時代注力したことを2つ挙げてください」「ゼミ・サークル・アルバイト以外の経験について教えてください」といった形で経験項目の指定や直接的に複数挙げるよう求めてくるケースが目立っています。全体としてNTTドコモでは複数エピソードを求める質問が並んでいることが特徴だと言えます。一般に「持ちネタ」とする学生時代の経験は一つだけだと不十分であると考えられます。そもそも面接官が経験について深掘りを重ねるのは、そのエピソードを知ることで、学生がどのような価値観を持った人物なのか、どのような強みを持った人物なのかを知り、本当に企業に貢献できる素質を持った人材なのかを見極めるためです。面接官は複数の経験について聞くことでそれらについてより深く知ることができるため、このような質問が並んでいるのだと考えられます。参考:例えばこの記事にもあるように、就活生の間でも人気の企業であるNTTドコモでは、上記で指摘した複数エピソードから量(経験を複数聞くこと)・質(一つの経験を深掘りすること)の2面からの深掘りがなされているようです。様々な切り口から様々な経験について聞くことで学生の素質や価値観を把握し、自社が求める人材との間にミスマッチが生じていないのかを考えるのは、長期雇用を前提に多大な採用コストをかける多くの日系企業にとっては妥当なアプローチと言えるのではないでしょうか。理由2:"作られた"エピソードから脱却できる(正直な印象を与えられる)この記事のタイトルにもありますが、学生時代頑張ったことを中心に就活で語る経験は一般に"ネタ"という言葉を用いて「持ちネタ」や「学力(ガクチカ)ネタ」という形で呼ばれることが多いように感じています。多くの就活生は就職活動開始時に「自己分析」という名目でこれまでの経験の中からESで書ける・面接で話せるネタを探し出して、それをうまく活用した者が就職活動を優位に進めるという認識でいることでしょう。これ自体は直接それが間違っているというわけではありませんが、果たして採用側はそのアプローチを学生側に求めていると言えるのでしょうか?特に日系の新卒採用の場では、自社とマッチングする人材が欲しい・その人自身のことをもっと知りたいという意図で面接選考を実施しているケースが大半であり、エピソードを"作る"もしくは"用意する"ことを、少なくとも是非やってほしいとは考えていないでしょう。ましてや話しを盛る・捏造するといった行為はその人自身を知るうえでは障害となり、特に無い話をでっちあげる嘘は学生側にとってもデメリットが大きいと考えています。参考:例えば「塾講師のアルバイトで作業マニュアルを作成した」「サークルの代表として意見の衝突があった中で話し合いの場を設けた」のようなエピソードはあまりに多くの学生が用いるため、たとえそれが本当に実行された話だとしても、面接官からしても「またこれか」と何となく疑わしく感じることもあるかもしれません。一方、日常生活からエピソードを述べるというアプローチは多くの学生が取らないため、採用側にとっても意外性を感じ話を聞いてもらえる、もしくは正直な印象を与えることができるのではないでしょうか。理由3:思考力が身につく(対応力が向上する)個人的にはこれが一番大きいのではないかと考えています。日常生活で話せるエピソードを用意するということは、その行動を取ったときに、就職活動の場で使えるものであることを認識する必要があります。「今のこの行動は就活の場でも使えそうだ」と振り返りながら「日常から常に就活視点(特にES・面接視点)を持つこと」は自分自身を見つめ直すきっかけとなるだけでなく、面接において重要な思考力の向上に繋がると考えています。参考:例えば私は周囲を巻き込むうえで「」では⑤にあたる方法論として、「行動で示すことで事前に成果を出す」という自分なりの考えを持っていました。「主体的に働きかける」という言葉は就職活動で頻出ワードといってもいいありがちな回答でありますが、「行動」と「成果」という2つの言葉がポイントになっています。行動については、いわゆる「密なコミュニケーションで信頼を得る」といったありがちなものとは逆のアプローチであり、「(周囲からの協力や共感を得られなくても)行動から入る」という意味になります。その行動で何らかの成果を出したのであれば、自分の働きかけが意味のあるものだと認識され周囲からの協力も得られるようになることに繋がるというのが私の考えでした(もちろん自分が始めた行動でなかなか成果が出なかったらどうするかといった深掘りにも答えられるようにしていました)。例えば、「売上NO.1」「東大合格者◯◯人」といった「成果」を見て、「何となく実績があるからここの商材を選ぼう」と考えたことがある方も多いのではないでしょうか。上記はこれと近い理論だと考えています。この方法論を、日常生活のエピソードを基に補完していきましょう。突然ですが皆さんは以下のようなシチュエーションに遭遇したことはないでしょうか?【シチュエーション】あなたはサークルの大会の帰りに友人6人と打ち上げとして焼肉を食べに行くことにしました。試合で疲れているため出来れば待ち時間なく店にありつきたいと考えています。普段全員が来ない街であるため取りあえずスマートフォンで検索して近くにお店を1軒見つけましたが、グルメサイトの評価が高く、日曜日という日程や7人という中途半端な人数から席が空いていないのではという意見が出ました。そこまで焼肉にこだわりがあるわけでもないので他の店を検索して再び店選びをしようという流れでありますが、あなたならこの時どう行動するでしょうか?特に正解があるわけではありませんし、答え方も人それぞれ異なる質問だと思います。私はこれに「まずは最初に出てきた店に電話して空席の有無を確認する」と回答しました。そもそもグルメサイト云々の話はあくまで推測でしかなく、恐らく友人たちは「電話して確認する」という行為を何となく障壁を感じており、電話するぐらいならサイト上で済ませてしまいたいという意識がこのシチュエーションから感じることができるためです。実は上記のシチュエーションは私が実際に体験したものであり、回答内容も私が実際にとった行動です(結果的に空席がありその店で打ち上げを行いました)。私はこの経験をしたときに、「今のは就活で使えるな」と自身の就活視点から閃く瞬間がありました。もともと先述した方法論自体は長期インターンの経験から導いていたのですが、面接官からしたら、「その方法で本当にうまくいくの?」と懐疑的に取られていた面があったのだと思います。そこで複数エピソードを挙げることで内容を補完していくことになるのですが、この時に上記の焼肉でのエピソードと共通点があるのではと考えました。両者は「同意がなくても(=他の友人が確認を取ろうとしなくても)行動から入る(=とりあえず自分で電話してみる)」「結果を出す(=実際に予約が取れた)」という形で対応関係にあり、自身の強みを発揮する方法論の補完として役割を果たすという考え方をすることができます。このように、複数エピソードを挙げるときにサークル・ゼミ・アルバイトのようなベタな経験から無理やり捻り出すよりも、上記のような何気ない日常行動から導く方が正直な回答となり、理由2にあるように採用側にも正直な印象を与えることができるでしょう。そして、その既に「持っている」エピソードと日常エピソードの繋がりを考えることが、理由3の思考力の向上と関連していると考えています。この思考力が、面接で想定していない質問にも回答できる対応力に結びつくと言えるのではないでしょうか。また、この就活視点は、日常だけでなく就活中にも常に持てているとより良いと考えます。例えば会社説明会でも何となく人事の話を聞いたりパワーポイントのメモを取るのではなく、「今の話は自分の企業選びの軸と合致しているから面接でも使えそうだな」「今の話って自分の〜〜という経験とうまく結び付けられるのでは?」と、常にESや面接を意識した行動を取ることが選考通過率を上げる一因となるのではないでしょうか。最後に就職活動では高学歴・有名体育会・長期留学といったハイスペックの学生から順番に上位企業の内定を取っていくものだと考えてしまうと考えてしまっている方も少なくなく、「経験がない」「書くことがない」という意識で行動量が減ってしまうのは非常にもったいない行為であると考えています。特に多くの方が企業に評価されるという経験を積んでいないこの時期から自分で勝手に自己評価を下げてしまうことは、「」の記事にあるように就職活動の結果にすら悪影響を与えてしまうかもしれません。今回は日常エピソードと就活エピソードの共通項を類推(アナロジー)して考えていきましたが、何もこの考え方は就職活動に始まったわけではないのではと考えています。例えば高校時代に学んだ数学でも、「この問題を解くときに用いた考え方を単元が異なる一見全く関係のない問題にも応用させる」ことが「応用力」という形で重要視されたでしょうし、社会に出てからも(ビジネスにおけるアナロジーはこれよりもっと奥が深いにせよ)この考え方は活かされる面があるではないでしょうか。就職活動に「これ」という正解はありません。だからこそしっかりと考え、行動し続ける必要があります。そしてこの記事を「ESが書けない」とエントリーを躊躇してしまっている方への就職活動のヒントとして少しでも役立てていただければ幸いです。参考: 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