”長時間労働=ブラック(?)”〜何を基準にブラック企業とするのか〜

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最終更新日:2023年10月31日

”長時間労働=ブラック(?)”〜何を基準にブラック企業とするのか〜

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「この企業ってブラック企業なのかな?」

企業研究を進めていく中で「ブラック企業なのかホワイト企業なのか」は就活生にとって大きな関心の的の一つではないかと思われます。私自身も友人と就活トークをする中で必ずと言っていいほど話題に上がります。

加えて、先日参加したインターンで企業側から「ウチは世間一般から見ればホワイトだよ」と言われたことから、企業側としても「ホワイトかブラックか」は関心の的である事が伺われます。中でも「ブラック」は「ホワイト」よりも関心の的であるように思われます。

「働き方改革の一環で就労時間が〜」というフレーズはインターンに参加したことある方は一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

その一方、多くの学生が「ブラック(ホワイト)の定義」が曖昧なようにも思われます。

本記事ではブラック(ホワイト)企業とはそもそもどのようなものなのか、またそのような情報との正しい付き合い方について考察を深めます。

本選考とインターンの締め切り情報

そもそもブラック(ホワイト)企業とは?

そもそもブラック企業の定義とははどのようなものでしょうか。「ブラック企業 定義」で検索すると多くの定義がヒットするので、代表して厚生労働省HPの労働条件のコラムから引用します。

厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。

参考:厚生労働省 労働条件 「ブラック企業」ってどんな会社なの?

如何でしょうか。おおよそ多くの学生が「ブラック=長時間労働」と捉えているのではないでしょうか。他にも「上からのパワハラ」なども多く耳にしており、定義に比較的近い考えをしているようにも思われます。

ブラックバイトとブラック企業

加えて、アルバイトに関する”ブラック”もよく耳にします。「飲食はブラック」「塾講師はブラック」などに始まり、アルバイトを選ぶ際に”ブラック”は重要な基準の一つになっていることかと思われます。

では同様にブラックアルバイトの定義を見てみます。

ブラック企業になぞらえ、2013年(平成25年)に、中京大学国際教養学部の大内裕和教授が提唱した。これは、学生・生徒の労働法規に無知なのを捉えて残業代そのものの不払いや割増賃金不払い、休憩時間を与えない、不合理な罰金の請求など、労働基準法に違反して学生や生徒に、違法な長時間労働をさせたり、契約内容と違った業務をさせたり、厳しいノルマを課したり、高校や大学の試験期間であっても休ませてくれないなど、扱いが酷いアルバイトのことである。

参考:Wikipedia ブラックバイト

ブラックバイトを英訳するとexploitative part-time jobs(搾取的なアルバイト)となり、よりイメージが湧きやすいと思われます。

「テスト期間中なのにシフトがある」「休憩がない」などは確かにブラックアルバイトの定義に沿っていることが伺えます。

この点を踏まえて改めて、ブラック企業とアルバイトとの共通点を洗い出すと、2点の共通項を見出すことができます。

ブラック企業(アルバイト)の共通点
①(不当な)長時間労働
②上からの不当な扱い(パワーハラスメント)

厳密には異なりますが、『ブラック企業の定義=ブラックアルバイトの定義』で間違いないと思われます。就活生が、企業に思い描くブラックはおおよそアルバイトに対して持っていた考えと同義であると言えるでしょう。

しかし、疑問が1点残ります。②のパワーハラスメントは昨今急激に注目されており、ニュースやSNSで企業のパワハラを毎週のように耳にしているので、想像に難くありません。

一方で不当な長時間労働とはどの程度のことを指しているのでしょうか。「夜通し24時間働く」「有給がとれない」などの極端な例はブラックだと言い切れます。

”ブラック”=個人の価値観×先入観(?)

長時間労働について考察を深めるためにまずは労働時間に対する基本知識を復習します。

労働条件に関する基本知識
●法定労働時間は8h/日・40h/週
●36協定(労働基準法36条)により、時間外労働を課す場合は労働基準監督署に届け出をしなければならない
●1年間の時間外労働の上限は360時間とする

上記を参考にすると、時間外労働時間は一ヶ月あたり30時間までということになります。

一ヶ月20日働くと考えた場合、一日あたり1.5時間までということになります。朝9時から勤務が始まると仮定すると18時半には帰宅できるという計算です(休憩時間は除いています)。

加えて、面白いことにOECDによると日本の労働時間の平均値は2280h/年(世界22位)と比較的低い数値になっています(1位はメキシコの2257h/年)。OECDの記載については下記に提示しております。

この結果だけ見ると、”日本人=働き過ぎ”は間違った認識かもしれません。もちろん平均値であり、長く残業の多い企業から全く残業のない企業まであるでしょう。

注意しなければならないのは、日本の労働ランキングは正規雇用に加えて、非正規雇用・短期労働などのパートタイムワーカーを含んだ値であるので、平均値として低く計上されている可能性も否めない点です。非正規雇用の割合は年々増加しており、平成29年度の非正規雇用の割合は37.3%と高い数値を示しています

OECDは「Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構」の略で、本部はフランスのパリに置かれています。

第二次大戦後、米国のマーシャル国務長官は経済的に混乱状態にあった欧州各国を救済すべきとの提案を行い、「マーシャルプラン」を発表しましたが、これを契機として、1948年4月、欧州16か国でOEEC(欧州経済協力機構)が発足しました。これがOECDの前身にあたります。その後、欧州経済の復興に伴い1961年9月、OEEC加盟国に米国及びカナダが加わり新たにOECD(経済協力開発機構)が発足しました。我が国は1964年にOECD加盟国となりました。

参考:経済産業省 OECDとは

長時間労働はブラックなのか

先日参加したインターン先2社から改めてブラック企業について考えさせられました。

▶A社(日系IT)
・勤務時間は9:00〜17:00
・残業は部署と月によるが、夜通し行うようなことはない

▶B社(外資系金融)
・勤務時間は7:30〜17:00(マーケットの開閉が関係するため)
・繁忙期には夜通し働くことも(通常期でも平日飲み会はできないほど忙しいと仰っていました)

先にA社に参加していた私は、B社のインターンに参加した際にあまりの労働時間と激務に驚き「噂通り外資はキツくてブラック要素が大きいのかな」と感じてしまいました。一方でA社もB社の社員も(特にB社の社員は)自分の仕事内容について楽しそうに話してくださり、キャリアプランや自身の趣味について熱く語ってくれました。

確かに、労働時間をブラック企業の基準にするならば、B社はA社と比較して労働時間がはるかに長くブラック企業ということになります。

この経験から、”労働時間が長い=ブラック”と安直に考えていた自分を反省すると同時に改めてブラック企業について考えさせられることとなりました。

ブラックは個人の価値観に左右される?

B社の例を通して労働時間が単純にブラック企業を決める要因にはならないことにご理解頂けたかと思います。就活生側のブラックの基準として個人の価値観と先入観が強く影響を与えているように思われます。

▶よくあるイメージ・噂の例
・商社は体育会が多く飲み会も多い
・外資系は実力主義で人間関係もドライ
・「30代で家が建ち、40代で墓が立つ」と言われる某企業
・民間の面接で公務員志望と答えると落とされる

以上は就職活動を通してよく聞く”ウワサ”の一例です。

上記はあくまで噂の範疇であり、実態は実際に務めている人から聞いたり、インターンシップを経験しないと見えてこないと思われます。

『百聞は一見にしかず』という諺を誰もが知っている反面、”噂”に左右される面が大きいように感じられます。上述したB社は外資系でしたが、とてもドライな雰囲気とはかけ離れており、むしろ参加したインターン企業の中で一番フレンドリーな印象でした。

ここから、ブラック企業を決める定義も個々人の価値観と先入観に左右されていると思われます。

何時間働きたいとか給与はこれぐらい欲しいなど、個々人の満足する点・重要視する点は異なっており、ある基準点を超えなかった場合(あるいは超えた場合)ブラックと決めつけているのではないでしょうか。

新卒の離職率とブラック

マリッジブルーならぬ内定ブルーという言葉が示している通りなのか、”新卒の3割が3年で辞める”と耳にしています。転職や中途採用数の増加が近年の社会現象になりつつある中、新卒の3割が3年で辞めるのは30年前から変わらない問題だそうです。

では、何故転職を行うのか、その理由を示したのが以下です。

初めて勤務した会社を辞めた理由(トップ4)
①労働条件・休日・休暇の条件がよくなかった(22.2%
②人間関係がよくなかった(19.6%
③仕事が自分に合わない(18.8%
④賃金の条件がよくなかった(18.0%

参考:厚生労働省 平成25年若者雇用実態調査の概況

もちろん企業がブラックだったからという項目はありませんでしたが、退職の理由として労働条件や職場環境が原因として伺えます。

結果を見ている中で「〜よくなかった」という形で回答を受け付けている点が引っかかりました。「〜よくなかった」ということは、当初自分が期待していた水準とのギャップとの差が影響を与えていると考えることができます。

もちろん択一式の回答方法なので、「よくなかった条件」にバラつきがあることは否定できませんが、理想とのギャップが退職の一因となっており、決してブラックだったから退職というわけではないように思われます。

情報にどのように向き合うべきか

ある企業について詳しく知るには、実際に勤めている人の話を聞くとかインターンシップに参加するに越したことはありません。もちろん全ての企業のインターンに参加したり、話を聞くのが理想ですが、ある程度は情報に頼らなければならない場面も生じてきます。

バイアスがあると割り切る

知人などと「◯◯のインターンどうだった?」とやり取りする場面であってもある程度の話者のバイアスがかかっていると割り切るべきでしょう。例えば先ほど提示したA社のインターンでも筆者と知人との間で認識の相違がありました。

A社インターン

私(筆者)
・社員からのフィードバックが手厚かった
・開催期間は少し長く感じた
・志望度が上がった
知人
・フィドバックは思ったより少なかった
・開催期間が長すぎた
・志望度は少し下がった

同じ日程・場所で参加したインターンシップでさえ感想がこれほど異なりました。同様のことがインターネットなどで拾ってくる情報にもいえるでしょう。ここから、自身の価値観を優先しつつ、「〜(の価値観では)ブラック企業なんだね」程度に情報を捉えるのがベストではないでしょうか。

サンプルが増えると誤差がなくなる

統計学を学習したことがある方はもちろんのこと、経験がない方でも「サンプルの数≒信頼度」のイメージはあるのではないでしょうか。

先ほど、言伝の内容には大小ある程度バイアスがかかっている事を認識していただきました。先ほどA社を例に感想の相違を示しましたが、あくまでサンプル数(n=2)である事に注視していただきたいです。これはあくまで2人だけの感想であり、フィードバック・開催期間などの感想も、参加した全インターン生の意見を聞かない限り、より普遍的な意見を導き出すことはできません。

同様にある企業について調べていく中で、より多くの情報に触れることで共通項なるものを見出すこともできると考えることができます。

まとめ

本記事では、ブラック企業を決める要因とは何であるのか、またそのような情報との付き合い方について考察を深めました。

本記事のまとめ
●ブラックの定義は学生のイメージとマッチしている
●個人の価値観がブラックの基準になっている
●見聞きした情報にはバイアスがあり絶対の基準ではない

SNSの発達から個人の意見がより世間一般に広まるようになった影響からか、多くの企業が”ブラック企業”の風評に気を遣うようになってきているように思われます。

加えて、働き方改革の推進も合わさって、より企業の透明化が進行しているようにも感じられます。”ブラック企業”否かは就活生にとって今も昔も関心の的であることには変わりがないでしょう。

しかし、主観が大きく影響を与えていることを念頭に置いておけば、それほど難しく考える必要はないかもしれません。

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HPを制するものは就活を制す!志望動機・業界研究における企業HP活用のススメ HPを制するものは就活を制す!志望動機・業界研究における企業HP活用のススメ こんにちは、16卒の慶應生です。私自身は広告、メーカー、総合商社、人材、ゼネコン、テレビ局など幅広く就職活動を行っていました。そこで一番大変だったのが「業界研究」「志望動機」の作成です。恐らくどの就活生も「正直会社ごとの違いなんて分からないし…」と思っているのではないでしょうか。もちろんOB訪問を受ける会社全てこなして、違いを完璧に理解した上で面接に行く、という状態が理想であることは間違いありませんが、現実的にはツテもそこまでなければ、時間も限られています。私自身も第一志望の会社には25人ほどOB訪問をしましたがそれ以外の会社はしても2〜3人程度しかしていません、というより出来ませんでした。そこで本記事では、家でも学校でも電車の中でも見ることができるHPを使ってできる業界・会社研究並びに志望動機の作り方について考えてみたいと思います。そもそも志望動機とは【参考】志望動機というものを理解する上で、まず上の3つの記事を参考にするといいでしょう。そもそも業界研究とはなんのためにするのか、それは評価される志望動機を書くためだと思います。評価される志望動機は、「自分自身の経験に根ざした軸が企業にマッチしているか」ということだと思います。ただ口では綺麗事をいうことは非常に簡単です。しかしながらその背景に自分自身の経験があればオリジナリティが出て高い評価を得られるでしょう。こう言った視点で見ると、ただHPに書いてある基本情報、理念等をさらって、取ってつけたようにエントリーシートに書くということはあまり意味がありません。また、社員の方のインタビュー等をみて、「働いてる社員の方に共感を持ちました」とただ口で伝えることも意味がないでしょう。調べていることをアピールすることはできるかもしれませんが、他の受験者と比べていい評価を得ることはできないと考えています。上記から考えるHPの使い方【参照】「志望動機=自分自身の経験に根ざした軸が企業の働き方、向かっている方向性にマッチしているか」という風に考えた上で、上記エントリーを参考にすると、軸というのは(1)どんな価値を提供したいのか(2)その価値をどのように提供したいか(3)提供した価値の対価に何を得たいのかという方向性で考えるといいでしょう。私自身はこのような軸をHPにある事業内容、社員インタビューを見て一つ一つ検証していました。例えばゼネコンの営業職にフォーカスして上の3つの方向性に照らし合わせると(1)人々の生活を支える土台となる建物を(2)どのようなビジョンを持って建物を作りたいか顧客にヒアリングし、社外社内問わず様々なステークホルダーをまとめることで実現し(3)自分自身が0から何億円にもなるものを形にするやりがいを得られる。という風にHPを読んだ上で定義していました。そして1つ1つの軸を自分自身の経験から裏付けしていました。具体的には(1)震災に弱い地域出身かつ途上国への留学経験(2)(3)予備校で生徒、保護者、スタッフなど異なるステークホルダーをまとめて売り上げアップを図った経験というように話していました。多くの受験者は「HPの〜〜さんの仕事へのやりがいに感銘を受けました。」等、ただ上辺をさらっただけのような視点でしか見られていません。実際よく読んでみると、1日の仕事の流れやプロジェクト内での関わり方、そしてその果てにあるやりがいなどが多くの社員の方にパターンで書いてあります。そこにあるいくつかのパターンから上記の3つの軸を自分なりに定義し、経験に基づいて論証する、そしてその上でわからないことはOB訪問や面接等で質問しながら解消していくことで効率良く志望動機を作成することができると思います。最後にいかがでしたでしょうか。一般的な就活のパターンだと「自己分析→やりたいことを見つける→業界を絞って志望動機を作成する」という風なパターンが多いかと思います。しかしながら、「興味のある仕事を分解する→それを論証するための経験を自分なりに考える」という方法の方が多くの会社にエントリーできますし、結果としてフラットに業界の比較をすることができるため強固な志望動機を作ることができるように思っています。是非とも、「自分は絶対にこの会社なんだ!」であるとか「OB訪問してないから志望動機もかけない…」と思うのではなく、肩に力を入れず幅広い業界に触れてもらえればいいかと思います。 23,704 views
現役行員が語るメガバンクの2年目行員の特徴 現役行員が語るメガバンクの2年目行員の特徴 こんにちは、16卒の都内メガバンクに勤務している者です。就職活動生に(なぜか)人気のある銀行業界ですが、メガバンクで勤務する人間が日頃どんな業務に従事しているのか、周りの同期の働きぶりはどうなのか、気になったりすることはありませんか?「OB訪問しているからそんなことは知っている」という方もいらっしゃるかもしれませんが、1学年で500人近くいる銀行員に数時間インタビューしてわかることはたかが知れているという考え方もあると思っています。そこで今回は、メガバンク2年目の行員の実態をレポートしてみたいと思います。仕事が楽しいと公言している同期は2割もいない500人同期がいれば色々な人がいるわけで、既に1割以上辞めました。ちなみに、仕事が楽しいと公言していたり、日々の仕事ぶりをいきいきと語る同期は肌感覚で2割もいないかなというのが印象です。研修で近況報告し合ったりすると、支店でのきつい仕事ぶりに「早く本部にいきたい」と泣き言を言っている始末。日々の業務に忙殺され、就職活動の時の勇ましさや夢はどこにいったのかという人が多いという印象を受けます。余談ですが、支店削減の時代の潮流から、以前よりも本部への希望を出すと通りやすい傾向にあるようです(きつい仕事から逃げた方が本部の仕事で結果を出せるのかは疑問ではありますが)。2年目までにFP2級必達など、各年次で絶対に取らなければならない資格やテストがあるのですが、1年目終わり頃から先頭集団に離される人達が現れ始めます。テストが悪くても営業成績が良ければ問題ないじゃないかと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、銀行の場合テストや資格で良い成績を修められる実力があって初めて実績を残せる場合が多いので、その点誤解はされないほうが良いと思います。参考:ひたすらノルマ達成のためにつめられるどのメガバンク、支店もそうだと思いますがノルマ達成に対する上司のこだわりが半端じゃないです。「数字が上がるまで帰ってくるな」とか平然と言われたりします。すごく凹んでいる机や壁があったりする支店もあります(なぜそうなっているのかは想像におまかせします)。実績はグラフで掲示される支店もあるので、数字が上がっていない人は居心地が非常に悪くなってしまうという事態も発生します。そんなわけで、鬱で辞めていく人も一定数います。ちなみに、ノルマを達成しても褒められたりせず、というかやって当たり前という雰囲気すらあるので、「自分は何のためにこんなに頑張っているのか」と目的を見失ってしまう若手もいます。新規営業をしている2年目が多い貸出や運用提案など基礎的な研修は1年目に受講し終わるので、2年目の行員は支店周辺の会社の飛び込み営業をしているケースが多い印象です。既存取引先もケアするのですが、現在のトレンドとして企業は内部留保を溜め込む傾向にあるので、恒常的に資金需要があるわけではありません。新規営業は30社回ってその中で1社でも担当者と会えれば運がいいと言われるので、ここでも心を折られる若手が出現します。昔は夜11時頃まで働いていた時代もあったようですが、現在は三六協定の遵守が求められるので、1ヶ月の残業時間は45時間以内(=1日多くても2時間程度しか残業はできない)となります。限られた時間の中でどれだけ多くの会社を回れるかが肝要になっています。結婚した同期など各諸比率生き急いでいる同期はごく少数で、同期550人のうち結婚した同期2%、子どもが生まれた同期1%程度です。結婚内定だと2割くらいな印象です。支店では定期的にゴルフコンペがあるので、ゴルフを嗜む同期は9割程度と圧倒的です。取引先と接待ゴルフに行くケースもあるので、上に上がれば上がるほどゴルフの腕を上げる必要があるとも言い換えられます。最後に筆者としてはノルマ達成のためにどう行動するか考えるのは苦ではないので、銀行の仕事はやりがいがあると感じています。それ故に、同期の話を聞いたりすると違和感を感じたりもします。そのような事態を生じさせる根本的な要因の一つは、就職活動時代に銀行の仕事を見極めきれなかったことではないかと思います。楽な仕事では決してないですし、辛い局面も頻繁にやってきます。だからこそ得られるやりがいも大きいと思います。これから銀行業界を目指す就職活動生の皆様はその点を認識したうえで、今後の活動に励んでいただければと思います。photobyKevinGill 28,240 views
「売上2倍」系GDの背後に見える、表面的ディスカッション力の横行 「売上2倍」系GDの背後に見える、表面的ディスカッション力の横行 現役コンサルタントが、コンサル業界についてぶっちゃけます今回から全4回にわたって、日系コンサルティングファームである株式会社コーポレイトディレクション(CDI)の現役コンサルタントの方からご寄稿をいただきます。学生が持ってしまいがちなコンサルティング業界のイメージを丁寧にぶった切ってくれていますので、クールでスマートな「コンサルタント」という響きに憧れている方などには特に読んでいただきたいと思います。◆CDIのホームページはこちら学生のみなさんにとって、戦略コンサルタントとはどのような仕事に見えるでしょうか?フレームワークを使いこなす頭脳集団でしょうか?働く時間は長いけれど、やりがいもお給料も高い仕事でしょうか?守秘義務が厳しい業界なので情報がなかなか出てこないのは当然とはいえ、良いことも悪いことも言われ、しかもひとつひとつが抽象的なので、結局のところどういう仕事なのかよくわからない、という印象の方が多いのではないかと感じています。本連載では、わかりにくい業界だからこそ、外側から見た「イメージ」(良い物も悪い物も)を払拭した現役コンサルタントから見える姿を、多少なりともお伝えできればと思っています。最初に少しだけ自己紹介をしますと、私はコーポレイトディレクション(CDI)の佐藤沙弥と申します。2011年に京都大学経済学部を卒業し、新卒で入社しています。経営戦略を学んでいたことで戦略コンサルに興味を持つきっかけにはなったものの、当時は勉強よりもサークル活動に打ち込んでいましたし、就活生としてもいわゆる「意識が高い」タイプではありませんでした。今回の連載は学生の方向けではありますが、私自身は就活生当時にこういった内容に思い至ることなど全くありませんでした(笑)。ですが、「コンサルって結局のところ何が一番の価値なのだろう」「コンサルに限らず、仕事や会社ってどう選べばいいのだろう」といった、根本的な疑問は持っていたように記憶しています。こういった疑問にお答えできるように、「自分が学生のときにこんなことを言ってくれる人がいたらよかったな」、という思いで、書かせていただきたいと思っています。「解答例が模範解答である」という誤解さて、第一回のテーマは、コンサルで特徴的な選考のひとつであるグループディスカッション(以下、GD)についてです。コンサルのGDを受けられたことのある方の中には、何を評価しているのか/何が理由で受かったのか・落ちたのか、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。戦略コンサルの他社さんが同じことを考えているかはわかりませんが、少なくともCDIはGDを通してどういう人を採用したいと思っているかについて、お伝えしたいと思います。最近では、本やネットでGDの問題や解答例が広く出回るようになってきていますし、学生さん同士の練習会なども開催されています。しかし残念ながら、現役コンサルタントの目から見ると、見当はずれな議論の道筋が示されていることも多い印象です。一例として、食品などの身近な商品について、「売上を2倍にするには」といったお題でフェルミ推定(注1)のやり方やフレームワークを当てはめた議論の進め方の解説がよく出回っていると思いますが、これは現役コンサルタントからすると非常に不思議な状況です。なぜなら、これではコンサルタントが求めるディスカッション力を測るには不充分だからです。まずフェルミ推定ですが、コンサルタントとしては当然必要な能力です。しかし、これはディスカッションの前提として定量感を把握する力であり、ディスカッション力そのものではありません。個々人がぱっとできれば良いだけのことです。ディスカッション能力に付随してフェルミ推定の能力を見るという話ならわかりますが、フェルミ推定ができること自体はディスカッションの前提にすぎません。また、フレームワークもそれ自身が悪いということでは全くありませんが、学生さんで使いこなせることははっきり言って稀です。切り分けて整理して終わりになってしまうことが多い。整理することは起点に過ぎず、そこから先のディスカッションは全く別の能力です。GDの面接をしていて学生さんがSWOT(注2)やファイブフォース(注3)などと言い出したら、それ自体が悪いことでは全くありませんが、結果的に極めて微妙な結果に終わることが多いので、私達も身構えてしまいます。フレームワークは使いどころがわかって初めて効果が出る、あくまで道具のひとつです。私達がフレームワークを使うときは、漏れている要素が無いかのチェックや、クライアントにプレゼンテーションするときにわかりやすい形で見せるときの表現手法として使うことがあります。しかし、ディスカッションの起点として機械的にフレームワークを使うことはしません。そもそも「売上2倍」系のお題自体が「いけていない」かもしれない少し話は逸れますが、上述のような「食品の売上2倍にしましょう問題」においてよくある解答例として、SWOT系のフレームワークで自社の強みを定義した上で、その強みを訴求しやすい顧客セグメントを特定していくというものがあります。顧客のセグメンテーションの方法は、年齢×性別といったものが多いでしょう。しかし、このように顧客のセグメンテーションありきでそれぞれの顧客層に対する個別戦略を考えましょう、という流れでは、顧客セグメンテーション以前の話が漏れてしまうという大きな欠陥が出てきてしまいます。例えば、広告費を集中投下しましょうとか、小売店にたくさん置いてもらうための営業を強化しましょうとか、中学生でも思いつきそうなことが出てこない(ちなみに、セグメントの特定がターゲティングの話、ここで挙げたのはマーケティングの話です)。さらに、こういった打ち手が出てきた後の評価は、当然コストと効果の見合いで行わなければなりませんが、「売上2倍」が命題である限り、コストの議論はしなくて良いことになってしまいます。ここまで考えると、お題自体がいけていないという話になってきます。解決までの道筋が確立されている課題は存在しない話を戻すと、こういった「お題」設定そのもの、そして出回っている解答例の背後には、「確立されたメソッドを勉強しそれを適用して話し合いを進めることがディスカッション力である」、という大きな誤解があるように思います。少なくともCDIが見たいと思っているのは、本で勉強して何とかなる力というよりも、問題を前にしてその場で考え議論する力です(コンサルタントにとってこの能力がいかに大切かについては、今後の連載で詳しく触れたいと思います)。その場で考え議論するための力というのは、表面的なメソッドではなく、もっと根源的な素養です。このような思想に照らし合わせると、「お題」も、一見すると考える取っ掛かりが見つけにくいものや、ノウハウ本で見たことが無いようなものを出す方が理にかなっているということになります。ここだけの話でぶっちゃけてしまうと、CDIでは単純な「売上2倍」系を出すことはありません。ネット上で「ここだけの話」と言うことの意味は無いですが(笑)。それでは実際に何をどう評価しているのか、次回はより具体的なお話をしていきたいと思います。シリーズ一覧▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎【筆者紹介】佐藤沙弥(さとうさや)京都大学経済学部卒業後、株式会社コーポレイトディレクション(CDI)に入社。IT事業会社の新規事業開発支援、食品会社のマーケティング戦略立案、サービス事業会社の店舗網再構築のアドバイザリーなど、消費者向けサービス提供会社のプロジェクトを中心に経験。CDIの新卒採用活動にも携わる。◆CDIのホームページはこちら(注1)フェルミ推定:実際に調査するのが難しいような数量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算すること。例:「日本国内にあるサッカーボールの個数は?」など(注2)SWOT:ビジネスなどの意思決定において、外部環境や内部環境を強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の4つのカテゴリーで要因分析し、事業環境変化に対応した経営資源の最適活用を図る経営戦略策定方法の一つ。(注3)ファイブフォース:業界の収益性を決定する5つの競争要因から、業界の構造分析を行う手法。「供給企業の交渉力」「買い手の交渉力」「競争企業間の敵対関係」という3つの内的要因と、「新規参入業者の脅威」「代替品の脅威」の2つの外的要因、計5つの要因から業界全体の魅力度を測る。 53,339 views

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