ベンチャーとは何か?就活生が知りたい基本情報を一挙に解説

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最終更新日:2023年10月27日

ベンチャーとは何か?就活生が知りたい基本情報を一挙に解説

近年、就活生の間で存在感を増しているベンチャー企業。もともとベンチャー志向の方から、早期に始まる選考で成長したい方まで、選考を受ける予定の学生は多いと思います。

とはいえ、一口に「ベンチャー企業」と言っても、ベンチャー企業は星の数ほど存在しており、展開する事業内容も様々です。「興味はあるけれども、いまいちイメージが掴めない」「結局、どの企業の選考を受ければ良いのか知りたい」といった学生も多いのではないでしょうか?

そのような学生に向けて、この記事では自分にあったベンチャー企業を見つけるための切り口を紹介します。また、ベンチャー企業の選考やインターンに参加するメリットの紹介もしているのでご参照ください。

※本記事は2018年9月に公開された記事になっており、掲載している内容は記事公開時点での情報を参考にしています。

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ベンチャー企業とは何か?

まず初めに、ベンチャー企業の定義を確認してみましょう。

実はベンチャー企業の定義は曖昧で、統一された明確な定義は存在しません。事業の規模感・従業員の数・提供するサービスの内容など、ベンチャー企業の判断基準も人によって異なります。

実際に調べてみても、以下のように様々な定義が掲載されています。

産業構造の転換期には、産業の主役が交代し、最先端の分野でそれまでなかった新しいビジネスが生まれ、そして新しい市場が作り出される。そんな時代のニーズを背景に、独自の技術や製品で急成長していく企業を「ベンチャー企業」と呼んでいる。

参考:株式公開用語辞典
新技術や高度な知識を軸に,大企業では実施しにくい創造的・革新的な経営を展開する小企業。

参考:三省堂 大辞林

そもそも「ベンチャー」という言葉は、「投機的事業」「リスクを伴う試み」といった意味合いを持つ英語の ” venture ” という単語に由来しています。そのため、この記事ではベンチャー企業とは、「革新的な技術や創意工夫を武器に、大企業の隙間を埋める新しいビジネスを展開する企業」であると考えます。

一般的なベンチャー企業の特徴としては、「裁量の大きさ」「意思決定の速さ」などが挙げられることが多いです。

また、ベンチャーの中には、複数の企業が共同出資により新規事業を立ち上げたジョイントベンチャー、大企業の下で新規事業の創出に独立して取り組む社内ベンチャー、といったような形態も存在していますが、今回の記事では扱いませんのでご了承下さい。

ベンチャー企業の分類方法①:成長ステージ

ここからは、自分に合ったベンチャー企業を見つける際に役立つ、2つの分類方法を紹介していきます。

1つ目の分類方法は、企業の成長ステージです。

ベンチャー企業には、「シード」「アーリー」「ミドル」「レイター」の4つの成長のステージが存在しています。それぞれの成長ステージに応じて、社内での働き方や身につくスキルが大きく変化します。

「どのような経験をしたいのか」「どのようなスキルを身に着けたいのか」について考えながら、自分に合ったステージを見つけていただければ幸いです。

なお、企業によっては事業内容ごとに成長ステージが異なるケースもあります。

必ずしも「会社の大きさ」が「事業のフェーズ」に直結している訳ではないのでご注意ください。

以下の説明文は、あくまでも目安としてご活用ください。

シードステージ:新しい事業を立ち上げる準備期間

シードステージとは、事業を立ち上げる準備を行うステージです。まだ事業の仕組みが完成しておらず、「どこで」「誰に対して」「どのような」サービスを提供するのかについて検討や、必要な資金の調達をしている段階です。

まだ事業計画の段階であり、企業としての収益がないので、新卒採用を実施しているケースはほとんどありません。

シードステージのベンチャーでは、会社の事業を立ち上げる経験を通じて「新しいビジネスを0から創り出す能力」を身につけることが出来ます。

また、即戦力となる社員が求められるため、他の成長フェーズに比べて責任や裁量の大きな仕事を任されやすいとされていますが、人材育成の仕組みがまだ出来上がっていないため、研修を通じて体系的なビジネススキルを身につけることが難しいです。

また、業務内容が「人」に依存しているため、成長スピードが個人の素質や企業との相性に大きく左右されてしまうというデメリットもあります。

加えて、資金調達が上手く進まずに、計画が頓挫してしまうというリスクも存在しています。

アーリーステージ:事業を軌道に乗せるまでの正念場

アーリーステージとは、実際に立ち上げた事業を収益化させ、軌道に乗せるまでのステージです。

「スタートアップ」とも呼ばれており、こちらの言葉の方が馴染みのある方も多いかもしれません。

アーリーステージのベンチャーでは、従業員の数が少なく、会社としての規模もまだ小さいので、経営者に近い立場から「事業を収益化する経験」を積むことができます。

また、専門性を持った人材よりも幅広い業務をこなすことができる人材が好まれる傾向があるため、本人の意識次第で幅広い職能を身につける機会が多いですが、シードステージと同様に、業務内容が非常に属人的であるため、体系的なビジネススキルを身につけることが難しいです。そして、資金を十分に調達することが出来ずに倒産してしまう企業が多いことも事実です。

アメリカ合衆国労働統計局のデータによると、アメリカのスタートアップ企業の生存率は、創業から1年で約8割、2年で約7割、3年で約6割まで低下しています。

【企業例】
・RPAホールディングス
・リアライブ
・ワンスター
・ECマーケティング

ミドルステージ:ベンチャーの成長・拡大期

ミドルステージとは、安定的に収益を得ることが可能になったことで、これから事業を拡大させていくステージです。

急速な事業の成長による人材不足が引き起こされ、従業員の採用人数を増やすことが多く、事業が軌道に乗ったことで、倒産のリスクも少なくなり、社会的信用も得やすくなります。

ミドルステージのベンチャーでは、会社の成長にあわせて「事業を拡大させる経験」を積むことができます。事業の拡大につれて新しいポジションが増え続けているため、本人の実力次第で会社の中核的なポジションを任され、若くして「マネジメント能力」を身につけられる可能性もあります。

また、人材育成制度が徐々に確立されつつあり、研修制度が充実している企業も出てきますが、会社として収益を確保する仕組みが出来上がっているため、徐々に一人一人社員の役割が固定化されつつあります。

部署異動を経験しなければ、シードステージ・アーリーステージのように幅広い職能を身につけることが困難になり、新しい事業を0から創り出す経験をする機会が減少していきます。

【企業例】
・メルカリ
・Leverages
・Speee
・ネオキャリア
・LINE
・GREEE

レイターステージ:メガベンチャーへの飛躍

レイターステージとは、会社としての基盤を固めるために管理部門の強化や事業の多角化に取り組み始めるステージです。

この段階に入ると株式市場へ上場し、メガベンチャーとなる企業も出てきます。社会的にも広く認知されるようになり、企業としての社風やブランドか確立されるようになります。

レイターステージの企業では、業務内容や人材育成の制度が整ってきており、若手社員にとっても比較的活躍しやすい環境であると言えます。

ここでは主に、「プロジェクトを運用する能力」「現在の業務を効率化させる能力」を身につけることができます。

また、社内では幅広い事業を展開しており、多種多様な社員が存在するため、社内の豊富な人材・情報リソースを活用することができるというメリットもありますが、企業としての体質が大手企業に近づきつつあります。そのため、新しい事業を0から創り出す経験をする機会は他のステージのベンチャー企業に比べて少ないです。

また、上位のポジションが次第に詰まりつつあるため、若手のうちから「マネジメント能力」を身につける機会が減少しつつあります。

【企業例】
・楽天
・DeNA
・GREE
・サイバーエージェント
・Softbank
・Yahoo

ベンチャー企業の分類方法②:業界

2つ目の分類方法は、業界です。

先ほど確認した通り、ベンチャー企業とは「革新的な技術や創意工夫を武器に、大企業の隙間を埋める新しいビジネスを展開する企業」という意味であり、特定の業界の企業を指す言葉ではありません。

ベンチャー企業というとIT業界をイメージする方が多いと思いますが、それ以外にも様々なビジネスを展開する企業が存在しています。同じベンチャー企業と言えども、業界に応じて、展開する事業や身につく知識が変化します。

IT・Web業界

ベンチャー企業の中で最も企業数の多い業界がIT・Web業界です。近年では、”IT×金融” ”IT×不動産"など、ITと既存の産業を掛け合わせた様々なサービスを提供するベンチャー企業が現れています。

また、現在では、社会のあらゆるモノをインターネットにつなげて情報を収集する「IoT(Internet of Things)」、大量のデータを収集・分析し、新たな価値として利用する「ビッグデータ」、人間の知的作業をコンピュータで模倣した「人工知能(AI)」などのキーワードがトレンドになっています。

【企業例】
・楽天
・Softbank
・Yahoo
・LINE
・メルカリ
・Speee
・RPAホールディングス

広告・マーケティング業界

近年ではデジタルマーケティングが一般的なものとなり、広告・マーケティングの仕組みが大きく変化しました。

デジタルマーケティングとは、「デジタル」と「マーケティング」を組み合わせた用語で、スマートフォンなどのデジタルデバイスやデジタルテクノロジーを活用したマーケティングを意味しています。

デジタルマーケティングでは、Webページの閲覧数、商品購買履歴などのデータを収集、分析することにより、1人1人の顧客のニーズに寄り添ったマーケティングを実施することを可能にしています。

【企業例】
・サイバーエージェント
・デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム
・電通デジタル
・マクロミル
・インテージ
・ワンスター
・ECマーケティング

コンサルティング業界

コンサルティング業界のベンチャーには、大手コンサルティング企業出身者が立ち上げた企業が多いです。

例えば、ドリームインキュベータはボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の日本代表であった堀紘一氏によって設立されています。

コンサルティング会社だけでなくベンチャーキャピタルとしての側面を持つ企業や、成果報酬型のコンサルティング業務を提供する企業など、それぞれの企業がユニークな特徴を持っています。

【企業例】
・ドリーム・インキュベータ
・経営共創基盤
・シグマクシス
・ベイカレント・コンサルティング
・エル・ティー・エス
・リブ・コンサルティング

人材・教育業界

人材業界では、人材紹介・派遣、求人メディア、採用コンサルティングなどの様々な領域で、新しいサービスを提供するベンチャー企業が生まれています。

現在、労働人口の減少により、日本の人材業界の市場規模は縮小傾向にあります。しかし、この事実を逆に考えると、多くの企業にとっての人材採用の重要性が高まっていることを意味しています。

人材ベンチャーでは、新卒採用の段階から優秀な学生を企業に紹介するエージェントサービス、オンライン上で企業が個人に仕事を直接発注することができるクラウドソーシングサービスなど、これまでになかった人材紹介サービスを提供しています。

【企業例】
・リクルート
・パーソル
・ネオキャリア
・ビズリーチ
・Leverages
・エン・ジャパン
・クラウドワークス
・LITALICO
・Schoo
・リアライブ

※創業から50年以上が経過しているリクルートをベンチャー企業と見なすか否かについては個人差があると思いますが、「革新的な技術や創意工夫を武器に、新しいビジネスを展開する企業」という今回の定義には当てはまっているものとして扱います。

金融業界

現在の金融業界では”Fintech”が台頭しつつあります。”Fintech”とは、金融を意味する”Finance”と技術を意味する”Technology”を組み合わせた造語であり、IT技術を活用した新たな金融サービスを意味しています。

Fintechを活用した代表的なサービスとして、スマートフォンを活用したオンライン決済サービスや、自動で家計簿をつけることができるクラウド家計簿アプリなどが挙げられます。

【企業例】
・ライフネット生命
・マネーフォワード
・freee
・Coiney
・ネットプロテクションズ
・キャンプファイア

ゲーム・エンターテイメント業界

スマートフォン向けソーシャルゲーム、音楽のストリーミングサービス、定額制の動画配信サービスなど、常に新たなサービスが発生しつつあるゲーム・エンターテイメント業界のことを指します。

国内大手ゲーム企業である任天堂と提携したDeNA・Cygames、サイバーエージェントとエイベックス・デジタルの共同出資によって設立されたAWAなど、独自のコンテンツを持つ既存プレーヤーとの協業を柔軟を行う企業が多いのも特徴です。

【企業例】
・DeNA
・GREE
・U-NEXT
・ドリコム
・コロプラ
・Cygames
・AWA
・アカツキ

医療・ヘルスケア業界

日本国内の高齢化の進展に合わせて、医療・ヘルスケア業界に対する成長分野としての注目が高まっています。現在でも、ベンチャー企業を中心に、新しいサービスや事業が次々に誕生しています。

具体的な例としては、医療関係者が情報を交換するプラットフォームや、個人の健康状態をに合わせて生活習慣の改善に向けたアドバイスを行うサービスなどが挙げられます。

【企業例】
・RIZAP
・エス・エム・エス
・エムスリー
・メドレー
・MTG

この記事で例として挙げた企業を成長ステージ・業界ごとに整理すると、以下の表のようになります。

ベンチャー一覧表

今回は各社の主要事業で業界の分類を決めさせていただきましたが、ゲーム以外にもスポーツ・ヘルスケアなどの事業を展開しているDeNAのように、多角的な事業を展開している企業も多数含まれているのでご注意ください。

また、このマップに掲載した企業以外にも業界を代表する企業は存在している上に、各企業の当てはめはunistyleの見解に過ぎません。あくまでも参考程度にご活用ください。

ベンチャー企業の選考&インターンに参加するべき理由

就職活動中の学生にとっても、ベンチャー企業の選考・インターンに参加することには多くのメリットがあります。

ベンチャー企業の選考に参加するべき理由

【1】選考過程に慣れることができる

面接やグループディスカッションでは、「これまでの経験」が選考結果を大きく左右します。そのため、本命企業の選考を受ける前に、できるだけ多くの場数を踏んで、選考過程に慣れておくことをお勧めします。

一般的にベンチャー企業は本選考の開始時期が早く、スピード感のある選考を実施する企業が多いため、時間的・労力的な負担が少ない状態で選考の場数を踏むことができます。また、採用に直結したインターンシップを開催する企業も多いため、こちらの選考も受けておくと良いでしょう。

【2】ビジネスの基礎知識を身につけることができる

ベンチャー企業の選考では、学生に自社の事業を理解してもらうために、企業説明会が開催されることが多いです。説明会では、日本の経済や市場の動向・業界のビジネスモデルの変遷など、就職活動を進める上での「基礎知識」を身につけることができます。

【3】自分の視野を広げることができる

OB訪問をしたことのある方は分かると思いますが、業界や職種によって社会人のキャラクターや価値観は大きく異なります。そのため就職活動の序盤には、幅広い業界を見ておくことをおすすめしています。

現段階でベンチャー企業に興味のない学生であっても、実際に働いている社員の方と交流する中で、自身のキャリアに関する考えが深まると思います。

どこで自分に合った企業に出会えるかは案外分からないものです。とにかく一つ一つの企業との出会いを大切にしましょう。

参考:日系大手志望者がベンチャー企業を受けるべき3つの理由

こちらの記事では、大手志望の学生がベンチャー企業の選考を受けることのメリット、その際に志望動機を作成するポイントを紹介しています。参考にしてみてください。

ベンチャー企業のインターンに参加するべき理由

【1】企業のサポートが手厚い

ベンチャー企業のインターンは、採用活動に直結している場合がほとんどです。そのため、会社の未来を担う優秀な人材を発掘しようと、エース級の若手社員がメンターについて学生を指導してくれることが多いです。

中には、役員や事業部長をインターンに登場させる企業もあります。企業のエースによる手厚いの指導を受けることで、今後の就職活動に役立つビジネススキルを高めることができます。

また、ベンチャー企業のインターンには報酬が出るものが多いです。就職活動によりアルバイトの時間が削られ、交通費などの出費がかさむ時期に、お金を稼ぐことができます。

【2】優秀な学生と切磋琢磨することができる

ベンチャー企業のインターンには、就職活動に早期から動き出した様々な優秀な学生が参加します。インターン参加者の進路も、ベンチャーから外資コンサル・外資金融・日系大手までバラエティに富んでおります。

インターンを通じて、就職活動に対する目線の高い友人を作ることができることはもちろん、幅広い業界の選考に関する生の情報を交換する機会を作ることができます。

最後に

いかがでしたでしょうか。この記事が、皆さんのベンチャー企業に対する理解を深め、自分に合った企業を見つける参考となれば幸いです。

先述した通り、どこで自分に合った企業に出会えるかは案外分かりません。

就活生の皆さんには、とにかく一つ一つの企業との出会いを大切にしていただきたいです。少しでも興味のあった業界・企業があれば、ご自身で調べてみてください。

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IR資料から読み解く総合商社の今後投資すべき分野について IR資料から読み解く総合商社の今後投資すべき分野について 前回は企業が抱える課題とその解決策の提案のヒントが得られることをワコールのIR資料を元に説明しました。今回は総合商社の面接で聞かれることがある「今後総合商社が投資すべき分野」という課題を考えるヒントとなるIR資料をご紹介することで、総合商社志望の学生のお役に立てばと思います。本記事のコンテンツ▶︎5大商社中期経営計画▶︎抑えるべきポイント4つ▶︎投資すべき分野の考え方▶︎まとめ▶︎総合商社業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介5大商社中期経営計画上場企業の多くが2〜5年単位で中長期の詳細な経営計画を作成し、発表しています。前回ご紹介したIR資料の多くが、今年と翌年の話を中心にするのに対して、経営計画では向こう2〜5年の計画を発表します。総合商社各社も中期経営計画を下記の通り発表しています。参考:三菱商事中期経営計画参考:三井物産参考:住友商事参考:伊藤忠商事​参考:丸紅公表している項目は各社異なりますが、概ねどのような事業にどれだけの投資を行うのか、及び各事業の特徴、今後の世界経済の流れについて書かれているのがわかるのではないでしょうか。抑えるべきポイント4つ「総合商社が今後投資すべき事業は何か」という問いに答える際に重要になるのは、・今後の投資計画・事業ごとの特性の二つになるでしょう。各社がどのような考えを持って投資計画を立てているのか、またそもそも投資対象となる各事業ごとにどのような特性があるのか大まかに理解しておくと、投資すべき事業を考える指針になるでしょう。事業投資に対する基本的な考え方は「三菱商事中期経営計画2012」P7の「事業特性に応じた目標設定のイメージ」の項目がわかりやすいでしょう。事業のリスクが高いほど、目標となるリターンは高くなります。また事業のリスクが低ければ、目標となるリターンも低くなるでしょう。このように総合商社の事業投資においては、各事業ごとにリスクとリターンを勘案し、全体で取れるリスクのバランスを取りながら投資を実行しています。さてそれでは総合商社の各事業ごとの特性は何でしょうか?これも先ほどの資料から読み取れることを下記すると①資源関連分野は収益の柱ながらもハイリスク各社の中期経営計画を読むと、三菱商事「収益の柱として期待」、三井物産「収益基盤の強化」とあるように収益の柱としての投資が実行されています。一方で資源関連分野の投資の多くが権益に対して投資を実行するものであり、計画通りに資源が排出されないリスク及び資源価格が下落するリスクという二つのリスクを抱えています。そのため資源投資はハイリスク・ハイリターンの投資であると言えるでしょう。そのため、三菱商事「コスト削減等の経営努力による資産・事業の質向上」など非資源とのバランスを意識した戦略が取られています。②生活消費材関連分野は安定的収益同様に生活消費材関連分野に目を向けると、三菱商事「成長の牽引が期待」、住友商事「収益の柱をさらに太く」とあるように、収益を安定的に支える事業であると言えます。ビジネスモデルとしても、トレードの収益及び投資先企業の企業価値向上による連結収益の拡大など、資源関連分野に比べると、低いリスクで確実にリターンを得ることが可能な事業特性であると言えます。③機械・インフラ関連事業は成長産業機械関連事業に目を向けると、三菱商事「次の柱候補」、丸紅「新たな事業を海外で戦略的に推進」とあるように、成長産業であると各社が捉えていると言えます。④その他事業その他事業については各社の特色が出ていると言えますが、住友商事ではテクノロジー×イノベーション分野を「次世代新規ビジネス創出のための成長分野」としており、かなりの資金を投下しています。また丸紅では「ASEANやアフリカでのビジネス強化」を経営計画の中でも大々的に押し出しています。上記見てきた通り、中々わかりにくい総合商社の事業ごとの特性も中期経営計画を読み解くことで、各社が書く事業をどのように捉えているのかがよくわかるようになります。総合商社以外の企業においても同様にチェックしてみて下さい。投資すべき分野の考え方さて、ある程度の前提知識を入れることができたら、後は自分なりに整理して、投資すべき分野について自分の意見を考えるだけです。リーマンショック、ギリシャショックと世界経済が後退していると言われ、円高が進み、日本にとっては海外への投資のチャンスだとも言われ、総合商社の資源関連収益が減少に転じているとも言われる中で、総合商社はどの事業に投資すべきでしょうか?是非、自分なりの考えをまとめ、裏付けを取りながら説得力を持って話せる準備をして欲しいと思います。もちろんこの質問に答えることが出来れば、総合商社に内定するわけではありませんが、面接官としてはこの質問を通して、受けにくる学生の「論理的思考力」、「問題分析力」、「持論の説明力」など様々な能力を見ることができます。このような答えのない問題に対して、自分なりに分析し、裏付けとなるデータを集め、説得力を持って持論を述べることは、面接だけでなく、学業・ビジネス、普段の生活においても重要な能力です。是非、総合商社の面接対策として、上っ面の答えをなぞるだけではなく、生活の質を高めるスキルの習得と考えて、取り組み、実生活にも応用してもらえればと思います。まとめ「今後総合商社が投資すべき分野」という面接質問に答えるためには、「事業ごとの特性・各企業の今後の投資計画」を指針に、自分なりの意見を整理することが大切各社の中期経営計画を読むことで、「各事業ごとの特性・今後の投資計画」が理解できる総合商社業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】今更聞けない総合商社とは?仕事・歴史・年収をわかりやすく解説2.【業界研究】総合商社の年収の全てが一目で丸わかり!3.【業界研究】理解している?総合商社と専門商社の違い4.【業界研究】五大総合商社比較5.【業界研究】就活に役立つ総合商社の歴史を解説6.【業界研究】総合商社とは?歴史・仕事内容・年収などを徹底比較|選考対策付き7.【業界研究】総合商社の最新動向まとめ総合商社業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別の就活用LINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際に総合商社志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。 25,646 views
「え、こんなことで内定取り消し…?」あなたの身近にも潜んでいる内定取り消しの悲劇 「え、こんなことで内定取り消し…?」あなたの身近にも潜んでいる内定取り消しの悲劇 6月下旬に差し掛かると、多くの就活生が内定をもらい、就活が終わって一安心している方も多くなってきた頃ではないでしょうか。しかし安心しきってはいけません。内定をもらっても、取り消される事例がいくつもあります。今回は、そんな内定取り消し事例と対応方法を紹介します。理不尽に内定を取り消された暗黒時代そもそも過去には、理不尽に内定を取り消された時代があったことを皆さんはご存知でしょうか?2008年9月に発生したリーマンショックによる世界規模の金融危機。これにより日本企業も不況の煽りを受け初めた2009年1月頃から、内定を出していた学生を正社員として受け入れられないという企業が続出し、多くの内定取り消しが行われました。実際には「内定取り消し」というより、就活生を呼び出して「辞退してくれないか」とお願いするというケースが多かったようです。外資系大手人材企業のJACリクルートメントは、内定辞退を志願する人には100万円の解約金を支払うという処置をとり当時大きな話題になりました。このように、突然の景気悪化により内定が取り消されてしまうという時代もありました。一方で現在の内定取り消し理由は就活生の自己責任による事例が多いです。現代の内定取り消し理由内定が取り消される理由としては以下の7つが挙げられます。①SNSに不適切な投稿をした②大学を卒業出来なかった③経歴で嘘を伝えた④手続きに不備があった⑤働くことが不可能と判断される病気にかかった⑥犯罪歴がある・素行が悪い⑦内定後に妊娠が分かったそれぞれについて詳しく説明します。SNSに不適切な投稿をしたTwitterやInstagramなど、今や大抵の人が利用していることから、企業の人事などもSNSのチェックを行うようになっています。不適切な内容とは、他人に迷惑をかける行動(未成年飲酒など)はもちろんのこと、差別発言や誹謗中傷をしている場合も内定取り消しになってしまうこともあります。特に気をつけるべきことは、自分自身の過去の発言です。就活中は意識できているかもしれませんが、過去の投稿を振り返った時にそういった投稿が残っているかもしれません。また企業側がSNSを見る理由は、「いかに応募者を落とすか」という目的があるそうです。そのため、そういった投稿をしないことが1番良いですが、もししている場合は投稿を消す、アカウントを非公開にするなど、対策をしておくようにすると良いと思います。大学を卒業できなかったこれは新卒者の内定取り消しで最も多いパターンです。せっかく内定をもらえたのに、卒業できないという理由で内定を取り消されるのはとても勿体ないです。学生生活の後半は就活で多忙となるため、早い段階から計画的に単位を取得しておくことがオススメです。卒業単位の見落としによる留年という可能性もあるので、取得単位の確認はしっかりと行いましょう。また少し多めに単位を取得しておくのも良いかもしれません。経歴で嘘を伝えた就活において自分を良く見せるのは大切なことですが、良く見せたいからといって、明らかな嘘を伝えるのはNGです。嘘のNG例は以下のようになります。●大学名を偽る●持っていない資格を答える●TOEICの点数を偽る上記のような嘘は確実にバレます。なぜかというと企業によっては、証明書の提出を求める場合もあるからです。仕事をする上で信頼関係とはとても重要であり、嘘をつく人間は誰にも信用してもらえません。アルバイトやサークルの経験を多少盛るのは良いかもしれませんが、明らかな嘘を伝えるのはやめた方が良いと思います。手続きに不備があった内定をもらうと企業側に提出しなければならない書類が多々あります。そういった必要書類の期限が守れていなかったり、提出を忘れてしまうと内定を取り消されてしまう可能性もあります。企業によっては、取り消しは免れるかもしれませんが、入社前から良くない印象がついてしまうのは間違いありません。書類の提出期限などはしっかりとチェックするようにしましょう。働くことが不可能と判断される病気にかかった病気だけでなく、交通事故などで怪我をしてしまった場合も同様です。仮に病気を隠したとしても、入社後の健康診断でバレてしまいます。そのため本当のことを言ったうえで医師から仕事に支障がないと証明してもらった方が良いと思います。犯罪歴がある・素行が悪い犯罪歴があったり、内定後に犯罪を起こしてしまったという場合も内定取り消しとなる可能性があります。犯罪に限らず、内定後の研修などで遅刻が多いと素行が悪いと判断され、内定を取り消されることもあります。まだ入社していないからと軽く考えずに、社会人の意識を持って参加するようにしましょう。内定後に妊娠が分かった企業側は4月から働くことを前提として採用しているので、入社早々長期的に休まれては困ります。しかし、だからといって妊娠を隠して働くのも良くありません。妊娠初期に慣れない仕事をするのは心身ともに非常にストレスがかかってしまいます。最悪の場合、流産してしまう可能性も考えられます。社会人になるという立場をしっかりと意識し、自分自身の行動に責任を持つようにしましょう。内定が取り消された事例実際に内定が取り消された事例を4つ紹介します。以下の内容は全て引用です。Facebookが原因で内定取り消しになった学生がいることが判明。この学生は面接を行った人事部長を「キモいオヤジだった」と書いていた。会社の人事担当がFacebookやTwitterをチェックするのはもはや常識。こういうタイプの内定取り消しは今後増えるかもしれない。引用:Facebookで「キモいオヤジだった」と書き込んで内定取消になったことに関する議論立教大学の学生が同じ大学の学生が集団準強姦容疑で逮捕された事件に対して女がわりーなどのレイプ容認ととれるツイートで炎上。決まっていた内定先から内定取り消しを受ける騒動に発展。引用:「レイプ容認」発言で炎上立教大生内定先大手百貨店に「電突」騒ぎ彼女の名前は、『みなもとしずか』。「IQ130の本物国立大学生」として、大学1年から2年の頃に活動した、元AV女優だ。みなもとさんは、今年4月、外資系の大手証券会社「ゴールドマン・サックス」へと入社予定だったが、昨冬に内定を取り消されてしまったのだという。「彼女はおカネのためだったり、有名になりたいといった目的というよりは、知的好奇心や性的興味に駆られて業界に飛び込んできたタイプ。セックスの経験も浅く彼氏もいなかった18歳の頃にAVの存在を知り、もっと気持ちよくなりたいからデビューしたという子だったので、絡みも積極的でした。IQ130というふれこみも、デビュー作でIQテストをした結果なので、売らんかな、ではなくホントです。流暢な英語も披露していました。かなりの頭の良さを感じましたよ」(AVライター)彼女は、4作目ではコスプレを披露。続く5作目では温泉を舞台にして十数人の男優と同時に絡む大人数プレイを経験している。今もDMMのウェブサイトで動画が販売されている。本編では顔が見えるが、パッケージ画面には目線が入っている。「彼女は、AV出演を後悔してはいませんが、就職活動をはじめるに当たってバレるのを怖れて、動画を違法アップロードしているサイトに削除申請しました。DMMのサイト上で入れられた目線も、そんな彼女への配慮だと思われます」(AV制作会社関係者)引用:AV出演発覚でゴールドマン・サックス「内定取り消し」〜TOEIC935点の美少女を襲った不運な現実2013年の9月、日本テレビ主催のセミナーに参加し、女子アナとして同社に2015年4月に入社する「採用内定」を得た。ところが今年の5月28日、日本テレビから一方的に内定を取り消される。その理由は「銀座のクラブでホステスをしていたバイト歴が、高度の清廉性を求められるアナウンサーに相応しくない」というものだった。引用:「局アナ内定取り消し」女子大生に日本テレビが送っていた書簡が冷酷すぎる上記で紹介した事例をまとめると、SNSで炎上し大事になってしまい、内定取り消しにつながってしまうケースが多いことが分かります。本人は悪気があったわけではなく、何も考えずにただつぶやいただけかもしれませんが、SNSは今や誰もが利用しているため、あっという間に拡散されてしまいます。一度拡散されてしまうと、完全に消すことは不可能であり、つぶやいた本人の個人情報をネットで晒されてしまうケースも多々あるため、SNSを利用する際は注意が必要です。企業都合で内定を取り消される場合も先程紹介したのは自己責任による内定辞退例ですが、今回は企業都合で内定を取り消されるケースについて紹介します。企業都合による内定取り消しには「不当」と「正当」があります。内定取り消しが正当とされる場合は以下になります。●会社が経営難で人員を増やすと経営を逼迫させる場合●内定者が内定後に怪我や病気をしたことによって正常な勤務ができなくなった場合●内定者が申告していた経歴や学歴の重要部分に虚偽があった場合●内定者が大学を卒業できなかった場合次に内定取り消しが不当とされる場合は以下になります。●内定者が社風に合わない人材である場合●会計の決算が赤字になった場合●内定をだしたものの、後日様々な理由で採用する余裕がなくなった場合このように内定を取り消すには企業が好き勝手にできるわけではなく、しっかりとしたルールがあることが分かります。不当に内定を取り消されたら不当に内定を取り消された場合は、内定取り消しを受けた直後の対応が重要になります。以下で取るべき対応について紹介します。内定取り消しを受けたことと、その理由を明らかにする訴訟を起こした際に反論されないようにするためにも、「内定取り消しを受けた」という事実を証明しなければなりません。訴訟で反論されないようにするためと言いましたが、具体的な例は以下になります。●「内定取り消しをした事実はない」●「労働者の側から内定を辞退してきた」●「退職に同意していた」こういった事態を避けるためにも、内定取り消しを受けた場合には「内定取り消し通知書」などの書面による通知を求めるようにしましょう。内定証明で内定取り消しの撤回を要求する内定取消の事実を証明する証拠を収集し、その取消理由が明らかになったら、早急に、内定取消を撤回するよう会社に書面で請求します。ここで注意すべきことは出来る限り早く撤回請求を行うということです。なぜならば、早く行わなければ企業側から「労働者も内定取り消しに同意していた」という反論をしかねないからです。労働審判で地位確認請求をする労働審判における申立て内容は、「内定があったことを前提に、入社して社員の地位にあることを確認する。」という内容となります。これを「地位確認請求」と言います。地位確認請求とは労働者であることを確認する請求です。そのため、労働者として入社すれば支払われることが内定で約束されていた賃金についても、合わせて支払請求をすることとなります。【参考】内定取り消しに遭ったら|会社への対応方法や事前の対策方法を知る内定取消しの理由と不当な取消しを受けた場合の対処法まとめ今回は内定取り消しについて事例を含めて紹介しました。一言で内定取り消しといっても、自己責任の場合と企業都合の場合があります。企業都合の場合は自分に100%原因があるわけではありませんが、自己責任の場合はSNSでの不適切投稿など、「自分に100%の原因がある」場合がほとんどです。本来SNSは便利で楽しく利用できるものですが、使い方によっては様々なトラブルに巻き込まれる可能性があります。今回紹介した事例にもあるように、本人は何気なく投稿したつもりでも、どんどん拡散され炎上するといったようなケースは誰にでも起こりうると思います。使い方次第で今後の人生が大きく変わってしまう可能性があるということしっかりと意識し、正しい使い方をするように心がけてください。【関連記事】 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半沢直樹なんていない!?現役銀行員が半沢直樹に共感できる点・できない点 半沢直樹なんていない!?現役銀行員が半沢直樹に共感できる点・できない点 某地方銀行員のKです。TBSのドラマ「半沢直樹」が大評判であり、8月11日に放映された第5話では、29%もの高視聴率を叩きだしました。そこで、実際どうなの?本当なの?って部分をお伝えできればと思います。1.リアルだなと感じるところ銀行員から見てもリアルだなと感じるところは3つあります。1つ目に「数字」を求められている所です。これは第一話最初に出てくる案件会議での「あと5億円足りない」という部分に出てきます。前回(https://unistyleinc.com/columns/53)もお伝えしたように銀行員は「数字」が求められノルマの「未達」ということは非常にあり得ない事態なのです。銀行員はあのシーンでチャンネルを変えたのではと思います。(実際に私の上司は変えたとのこと)2つ目は「上司からの詰められる」所です。特に、支店長や他役員から半沢直樹が詰められているシーンは実際あります。失態を犯してしまった先輩が個室にて2時間監禁、辞表を書かされ、支店長に報告させられていたなんてこともありました。3つ目は「独特の世界観」です。銀行には独特の文化や習慣があります。支店長からの嫌がらせや裁量臨店、監査などは非常にリアルだと思います。この点については上手く文字にできません。気になる方は是非銀行へ(笑)基本的に作者はメガバンク出身の方らしいので、銀行の内部に関しては非常に良く描けていると思います。2.ズレていると感じる部分もちろん、物語なのであり得ないでしょという部分はあります。何と言っても「半沢直樹」は存在しないということです。当たり前ですよね。フィクションですから。なぜ、存在しないかというと銀行は「上司や人事の評価が絶対」だからです。上司に逆らって出世する人はいません。一般事業会社でも同様かも知れませんが、銀行では特に上記の風土が顕著です。上司が「左」と言えば「左」、「右」と言えば「右」です。旧日本軍なんて先輩は言っていましたが、確かにそうだと感じます。3.最後に実際に、毎日「半沢直樹」のような世界かと言うとそうでもありません。上司によっては最高の環境のところもありますし、実際にクソな上司はそこまで多くありません。大抵は全うな人です。人をマネジメントする立場にあるので、能力や人望がなければ部下は付いてきませんよね。半沢直樹の世界だけで「銀行は嫌だ」と短絡的になる判断するのは正直馬鹿です。その点は自分のキャリアなので慎重に判断すべきであり、あくまでも「物語」として見るのが良いと思います。photobySteveCadmans 43,925 views
内定者の逆質問は真似るべきなのか?【大手企業内定者逆質問例】 内定者の逆質問は真似るべきなのか?【大手企業内定者逆質問例】 来たる本選考に向け、多くの就活生の方は面接対策に励むことかと思いますが、その際に多くの方から聞く悩みが"逆質問"です。「逆質問ってどんな質問をすればいいの…?」「評価される逆質問とは何か知りたい!」本記事を読んでいる方、さらには周りの友達などでも上記のような悩みを抱いている方はいるのではないでしょうか。では実際に逆質問を考える際、最も簡単で効率的な方法は何でしょうか?それはおそらく「大手企業に内定した就活生の逆質問を真似すること」だと思います。そこで本記事では、大手企業に内定した2人の就活生にヒアリングをし、実際の本選考でした逆質問をまとめてみました。2人の就活生のプロフィールは以下の通りです。就活生Aさん・21卒就活生・大手外資系コンサルティングファームに内定就活生Bさん・20卒就活生・3大通信キャリア、大手自動車メーカー、大手日系コンサルティングファームなど5社に内定【実際の本選考で聞いた逆質問】就活生Aさん21卒就活生のAさんは、内定を獲得した大手外資系コンサルティングファームの面接で以下のような逆質問をしたようです。※企業名や就活生個人の特定に繋がる箇所は隠させていただいています。ご了承ください。Aさんが本選考で聞いた逆質問●今後の成長戦略についてお聞きします。◯◯という背景を考慮すると、御社は今後◯◯という戦略を打ち進めて行くという印象を持ちました。この認識は合っていますでしょうか?●御社の◯◯領域への進出についてお聞きします。御社は◯◯社の買収など、◯◯領域にも注力されていることと思います。その背景を考慮すると、◯◯領域の進出には◯◯という目的があると考えたのですが、この認識は合っていますでしょうか?●御社の強みとして◯◯を持っているという認識がありますが、その認識は合っていますでしょうか?●私は将来的に◯◯(役職名)まで昇進したいと考えているのですが、そのように昇進する社員の方に共通する特徴・素養などはありますでしょうか?上記で取り上げた逆質問を見てみると「質問の大枠→実際のデータや仮説を踏まえた上での具体的な質問」という構成になっていることが読み取れるかと思います。また、上記の質問の多くは"クローズドクエスチョン"であることも分かるかと思います。【クローズドクエスチョンとは】yes/noで答えられるような、答える方法や回答範囲を限定した質問の仕方。対義語は「オープンクエスチョン」。Aさんによると、オープンクエスチョンよりもクローズドクエスチョンの方が面接官の反応が良かったようです。仮説ではありますが、後者の方が瞬発的に回答でき話も広げやすいため、より面接官視点に立った質問と言えるのではないでしょうか。また、4番目に取り上げた「昇進に関する逆質問」は特に面接官からの反応が良かったようです。実際にこの逆質問をした際、「現在では外コンに長年勤める想定で入社する人は珍しいし、入社・仕事への意欲を非常に感じるね」というようなフィードバックを貰ったそうです。【実際の本選考で聞いた逆質問】就活生Bさん20卒就活生のBさんは、内定を獲得した3大通信キャリアや大手自動車メーカーの面接で以下のような逆質問をしたようです。※企業名や就活生個人の特定に繋がる箇所は隠させていただいています。ご了承ください。Bさんが本選考で聞いた逆質問●(仮説を述べた上で)御社で活躍している社員の方に共通点はありますでしょうか?●(描きたいキャリアを述べた上で)自分自身の描きたいキャリアの前例となる人がいますでしょうか?もしくは叶えられるでしょうか?●(自分自身が入社先を迷っていることを伝えた上で)◯◯さん(面接官)はなぜ御社への入社を決めたのでしょうか?●(業界研究をしてある程度仮説を持った上で)御社が競合他社と比べて勝っていると感じる部分、負けていると感じる部分はどこでしょうか?●入社までにやっておくべきことは何かありますでしょうか?●◯◯さん(面接官)に新たに部下がつくとした場合、どのような人を求めるでしょうか?→(上記の質問に付随し)〇〇さん(前の選考を担当してくれた面接官)は~と話していたのですが、どう思いますでしょうか?上記の質問を見てみると、その多くが「仮説や前提を持った上での逆質問」であることが分かると思います。仮説や前提を伝えることで、しっかりと練り上げられた逆質問であることをアピールすることができますし、納得感のある回答が返ってくる可能性も高いでしょう。また、「会社で活躍している人の共通点・入社までにやっておくべきこと」など、入社意欲を示すような逆質問が複数あることも特徴です。Aさんの逆質問が外コンに特化した内容だったのに対し、Bさんの逆質問は「どの業界にも応用可能な汎用性の高い逆質問」と言えるでしょう。内定者の逆質問をそのまま真似しよう!と考えるのは浅はか…かも?ここまで、大手企業内定者が実際の本選考で聞いた逆質問をいくつか紹介してきました。逆質問は面接の終盤やリクルーター面談で課されることが多いのですが、この逆質問の良し悪しが面接・面談全体の評価にも大きく影響するため、非常に重要と言えます。「どんな逆質問をすればいいか分からない…。」と悩んでいる就活生の方は、真似してみてはいかがでしょうか?と言いたいところですが、文章を丸々真似してもおそらく高い評価を得ることは難しく、自分自身の意図した回答が返って来る可能性も低いでしょう。これまで、「大手企業内定者が実際の本選考で聞いた逆質問集」などと銘打って紹介しておきながら、「何を今さら?」と思う方もいるかもしれませんが、あくまでも"内定者の逆質問をそのまま真似するのではなく、参考にした上で自分なりの逆質問に作り変えること"が重要です。ではなぜ、丸々真似することを避けるべきなのでしょうか?その理由を「面接官が逆質問の時間を設ける目的・就活生が逆質問をする目的」の観点から解説していきます。逆質問をする際は「面接官と就活生双方の目的」を理解しよう逆質問をする際は「面接官と就活生双方の目的」を理解することが非常に重要になります。面接官が逆質問の時間を設ける目的まずは、面接官が逆質問の時間を設ける目的から紹介します。結論から言うと、面接官側の目的は"その就活生を採用すべきか否かを判断するため"という観点に集約されます。さらに、上記の基準を要素分解すると、「スキル面(自社の採用基準を満たすスペックがあるか)・モチベーション面(自社に興味があり、志望度は高いのか)」の2つになります。そしてこの2点を判断するにあたり、「それまでの面接における回答との一貫性があるのか?」という部分も重要になります。あくまでも、面接官は「面接の中の一つの判断基準として逆質問の時間を設けている」ため、その観点を忘れないように心掛けるべきでしょう。ちなみに、面接官からの「逆質問はありますか?」という問いに対し「特にありません。」と話す就活生も稀にいますが、この回答は論外です。「御社の企業研究・企業理解は万全なため、面接の場でわざわざ質問することなどありません!」ということを暗に示したいのかもしれませんが、確実に逆効果でしょう。面接官から「逆質問はありますか?」と振られた際は何かしらの質問はする、これは最低限必要な部分になります。就活生が逆質問をする目的続いては、就活生が逆質問をする目的を紹介します。就活生が逆質問をする目的は、大きく以下の3つに大別することができます。自身の志望度の高さをアピールするため業界理解・企業理解をより深めるため自身の企業選びの軸がその企業と合致しているかを確認するため(1)自身の志望度をアピールするため逆質問といえど、間接的に「志望度の高さをアピールする」ことは可能です。「入社意欲を示す逆質問・いち社員として活躍したいという心意気を示す逆質問などを通じ、面接官から「この就活生はうちへの入社意思が強いな」と感じてもらえることができるかもしれません。とは言え、志望度をアピールすることに関しては結果論でもあるため、「どうすれば高い評価をもらえるか?」にあまり固執しすぎないように注意しましょう。(2)業界理解・企業理解をより深めるため面接の逆質問は、「説明会やHP上では知り得ない情報」を得る貴重な機会となります。逆質問は基本的に自分の聞きたいことを質問できるため、この機会を利用して「業界理解・企業理解」をより深めていきましょう。また、業界理解・企業理解を深めることに加えて「自身の仮説を検証すること」もできます。逆質問をする際に「私は~~と考えているのですが、この認識は合っていますでしょうか?」などと聞くことで、仮説の正誤を確認することができます。これらの観点は「志望動機作成」にも直結しますので、逆質問を効果的に利用しましょう。【参考】→逆質問で業界理解・企業理解を深める前に、最低限の「業界研究・企業研究」に取り組んでおくことは必須となります。上記3記事を確認し、逆質問に臨む前に業界研究・企業研究を進めておきましょう。(3)自身の企業選びの軸がその企業と合致しているかを確認するため就活生が逆質問をする目的としては、この観点が「最重要」と言われています。この観点を見落としてしまうと、「とりあえず質問をしたはいいけど、結局この情報を得たところでこれから何をすればいいんだろう…」と本来の目的を見失ってしまう可能性があるためです。自身の企業選びの軸を持った上で、「自身の企業選びの軸と合致しているか」という観点を意識して逆質問の質問内容を考えましょう。【参考】→大前提、「自己分析をしなければ企業選びの軸を定めることは難しい」と考えられます。企業選びの軸がまだ定まっていない方は、上記の2記事を参考にし、まずは自己分析から取り組んでいただければと思います。つまり、「大手企業内定者の逆質問を丸々真似すること」がなぜダメかというと?ここまで読み進めていただいてくれた方であれば、「大手企業内定者の逆質問を丸々真似することがダメな理由」を理解していただいたでしょう。逆質問は、質問をすること自体に価値・意味があるという訳ではありません。逆質問をすることが目的化しないように注意しましょう。ここまで紹介してきた「大手企業内定者の逆質問を丸々真似するべきではない理由」をおさらいさせていただくと、以下の2点にまとめられます。逆質問を丸々真似するべきではない理由(1)逆質問はこれまでの面接での回答との一貫性がないと評価されないため(2)大手企業内定者と自分自身の企業選びの軸が異なっている場合があるため(1)逆質問はこれまでの面接での回答との一貫性がないと評価されないためこちらの理由に関しては少し分かりづらいかもしれないため、一つ具体例を挙げて説明させていただきます。A社の面接に就活生のB君が臨みました。B君は志望動機で「営業でトップの成果を挙げたいです!」と話したのにも関わらず、逆質問の際に「御社の営業職にはノルマはあるでしょうか?」と質問した場合、面接官はどのように感じるでしょうか。おそらく面接官は「トップの成果を挙げたいと話していたのに、ノルマを気にするなんて矛盾しているな。トップの成果を挙げたいというのは本心ではないのだろうな。」と思う可能性は少なからずあるでしょう。これが「面接との一貫性」の説明になります。あくまでも「面接の中の一つの判断基準としての逆質問」であるため、その観点を忘れないように心掛けるべきでしょう。(2)大手企業内定者と自分自身の企業選びの軸が異なっている場合があるため上記でも紹介しましたが、「自身の企業選びの軸がその企業と合致しているかを確認すること」も、就活生が逆質問をする目的となります。企業選びの軸が異なれば、聞くべき質問・逆質問から得たい情報も異なりますので、「自分はどんな情報を得たいのか?その情報を得るためにはどんな質問をするべきなのか?」という観点は見落とさないようにしましょう。【参考】→企業選びの軸を定めることは非常に重要です。上記の2記事では「企業選びの軸を定める意味・各業界内定者の企業選びの軸」などが紹介されています。まとめ:自分なりの逆質問を考えるには?「大手企業内定者の逆質問を参考にするのは良いが、丸々真似するべきではない」ことは理解していただけたと思いますので、最後に「自分なりの逆質問を考えるには?」という観点から述べさせていただきます。改めてにはなりますが、大手企業内定者の逆質問をそのまま真似してもあまり意味はありません。大切なのは"逆質問をする目的を正しく理解し、その上で大手企業の内定者が実際の本選考でした逆質問などを参考にし、自分なりの逆質問を作成すること"だと考えられます。unistyleには、逆質問をテーマにした記事がいくつか掲載されています。本記事の内容と関連記事なども確認し、逆質問作成の参考にしていただければと思います。逆質問の考え方・作り方を知りたい方はこちらの記事へ逆質問のNG例を知りたい方はこちらの記事へ逆質問の具体的なイメージを掴みたい方はこちらの記事へ逆質問の考え方・作り方を知りたい方はこちらの記事へ逆質問の作り方・考え方を解説した上で、例文も掲載している記事になります。本記事の内容と関連している部分も多数ありますので、本記事と併せてご確認ください。【記事の構成】●面接官が逆質問をする意図●面接官に好印象を与える逆質問の考え方●面接官に好印象を与える逆質問の作り方●最終面接の逆質問例●最後に逆質問のNG例を知りたい方はこちらの記事へ評価されない逆質問の特徴を解説しています。自分自身で考えていた逆質問がNG例に該当していないか、確認してみてください。【記事の構成】●逆質問は非常に評価されてる、質問は差が出やすい●自分のできなさから来る不安を解消するための質問は評価されない●調べればわかる質問をわざわざ対面で聞くのは評価されない●それ聞いてどうするの?と思われる質問は評価されない●良い質問の最低条件は「質問の意図を伝えること」●最後に逆質問の具体的なイメージを掴みたい方はこちらの記事へ実例を元に「逆質問がどのように進むのか」を紹介した記事です。逆質問のリアルなイメージを掴みたい方にとって参考になる内容が記載されています。【記事の構成】●生命保険の1次面接●シンクタンクの2次面接●ITメガベンチャーの最終面接●全体へのフィードバック 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