ベンチャーとは何か?就活生が知りたい基本情報を一挙に解説

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最終更新日:2023年10月27日

ベンチャーとは何か?就活生が知りたい基本情報を一挙に解説

近年、就活生の間で存在感を増しているベンチャー企業。もともとベンチャー志向の方から、早期に始まる選考で成長したい方まで、選考を受ける予定の学生は多いと思います。

とはいえ、一口に「ベンチャー企業」と言っても、ベンチャー企業は星の数ほど存在しており、展開する事業内容も様々です。「興味はあるけれども、いまいちイメージが掴めない」「結局、どの企業の選考を受ければ良いのか知りたい」といった学生も多いのではないでしょうか?

そのような学生に向けて、この記事では自分にあったベンチャー企業を見つけるための切り口を紹介します。また、ベンチャー企業の選考やインターンに参加するメリットの紹介もしているのでご参照ください。

※本記事は2018年9月に公開された記事になっており、掲載している内容は記事公開時点での情報を参考にしています。

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ベンチャー企業とは何か?

まず初めに、ベンチャー企業の定義を確認してみましょう。

実はベンチャー企業の定義は曖昧で、統一された明確な定義は存在しません。事業の規模感・従業員の数・提供するサービスの内容など、ベンチャー企業の判断基準も人によって異なります。

実際に調べてみても、以下のように様々な定義が掲載されています。

産業構造の転換期には、産業の主役が交代し、最先端の分野でそれまでなかった新しいビジネスが生まれ、そして新しい市場が作り出される。そんな時代のニーズを背景に、独自の技術や製品で急成長していく企業を「ベンチャー企業」と呼んでいる。

参考:株式公開用語辞典
新技術や高度な知識を軸に,大企業では実施しにくい創造的・革新的な経営を展開する小企業。

参考:三省堂 大辞林

そもそも「ベンチャー」という言葉は、「投機的事業」「リスクを伴う試み」といった意味合いを持つ英語の ” venture ” という単語に由来しています。そのため、この記事ではベンチャー企業とは、「革新的な技術や創意工夫を武器に、大企業の隙間を埋める新しいビジネスを展開する企業」であると考えます。

一般的なベンチャー企業の特徴としては、「裁量の大きさ」「意思決定の速さ」などが挙げられることが多いです。

また、ベンチャーの中には、複数の企業が共同出資により新規事業を立ち上げたジョイントベンチャー、大企業の下で新規事業の創出に独立して取り組む社内ベンチャー、といったような形態も存在していますが、今回の記事では扱いませんのでご了承下さい。

ベンチャー企業の分類方法①:成長ステージ

ここからは、自分に合ったベンチャー企業を見つける際に役立つ、2つの分類方法を紹介していきます。

1つ目の分類方法は、企業の成長ステージです。

ベンチャー企業には、「シード」「アーリー」「ミドル」「レイター」の4つの成長のステージが存在しています。それぞれの成長ステージに応じて、社内での働き方や身につくスキルが大きく変化します。

「どのような経験をしたいのか」「どのようなスキルを身に着けたいのか」について考えながら、自分に合ったステージを見つけていただければ幸いです。

なお、企業によっては事業内容ごとに成長ステージが異なるケースもあります。

必ずしも「会社の大きさ」が「事業のフェーズ」に直結している訳ではないのでご注意ください。

以下の説明文は、あくまでも目安としてご活用ください。

シードステージ:新しい事業を立ち上げる準備期間

シードステージとは、事業を立ち上げる準備を行うステージです。まだ事業の仕組みが完成しておらず、「どこで」「誰に対して」「どのような」サービスを提供するのかについて検討や、必要な資金の調達をしている段階です。

まだ事業計画の段階であり、企業としての収益がないので、新卒採用を実施しているケースはほとんどありません。

シードステージのベンチャーでは、会社の事業を立ち上げる経験を通じて「新しいビジネスを0から創り出す能力」を身につけることが出来ます。

また、即戦力となる社員が求められるため、他の成長フェーズに比べて責任や裁量の大きな仕事を任されやすいとされていますが、人材育成の仕組みがまだ出来上がっていないため、研修を通じて体系的なビジネススキルを身につけることが難しいです。

また、業務内容が「人」に依存しているため、成長スピードが個人の素質や企業との相性に大きく左右されてしまうというデメリットもあります。

加えて、資金調達が上手く進まずに、計画が頓挫してしまうというリスクも存在しています。

アーリーステージ:事業を軌道に乗せるまでの正念場

アーリーステージとは、実際に立ち上げた事業を収益化させ、軌道に乗せるまでのステージです。

「スタートアップ」とも呼ばれており、こちらの言葉の方が馴染みのある方も多いかもしれません。

アーリーステージのベンチャーでは、従業員の数が少なく、会社としての規模もまだ小さいので、経営者に近い立場から「事業を収益化する経験」を積むことができます。

また、専門性を持った人材よりも幅広い業務をこなすことができる人材が好まれる傾向があるため、本人の意識次第で幅広い職能を身につける機会が多いですが、シードステージと同様に、業務内容が非常に属人的であるため、体系的なビジネススキルを身につけることが難しいです。そして、資金を十分に調達することが出来ずに倒産してしまう企業が多いことも事実です。

アメリカ合衆国労働統計局のデータによると、アメリカのスタートアップ企業の生存率は、創業から1年で約8割、2年で約7割、3年で約6割まで低下しています。

【企業例】
・RPAホールディングス
・リアライブ
・ワンスター
・ECマーケティング

ミドルステージ:ベンチャーの成長・拡大期

ミドルステージとは、安定的に収益を得ることが可能になったことで、これから事業を拡大させていくステージです。

急速な事業の成長による人材不足が引き起こされ、従業員の採用人数を増やすことが多く、事業が軌道に乗ったことで、倒産のリスクも少なくなり、社会的信用も得やすくなります。

ミドルステージのベンチャーでは、会社の成長にあわせて「事業を拡大させる経験」を積むことができます。事業の拡大につれて新しいポジションが増え続けているため、本人の実力次第で会社の中核的なポジションを任され、若くして「マネジメント能力」を身につけられる可能性もあります。

また、人材育成制度が徐々に確立されつつあり、研修制度が充実している企業も出てきますが、会社として収益を確保する仕組みが出来上がっているため、徐々に一人一人社員の役割が固定化されつつあります。

部署異動を経験しなければ、シードステージ・アーリーステージのように幅広い職能を身につけることが困難になり、新しい事業を0から創り出す経験をする機会が減少していきます。

【企業例】
・メルカリ
・Leverages
・Speee
・ネオキャリア
・LINE
・GREEE

レイターステージ:メガベンチャーへの飛躍

レイターステージとは、会社としての基盤を固めるために管理部門の強化や事業の多角化に取り組み始めるステージです。

この段階に入ると株式市場へ上場し、メガベンチャーとなる企業も出てきます。社会的にも広く認知されるようになり、企業としての社風やブランドか確立されるようになります。

レイターステージの企業では、業務内容や人材育成の制度が整ってきており、若手社員にとっても比較的活躍しやすい環境であると言えます。

ここでは主に、「プロジェクトを運用する能力」「現在の業務を効率化させる能力」を身につけることができます。

また、社内では幅広い事業を展開しており、多種多様な社員が存在するため、社内の豊富な人材・情報リソースを活用することができるというメリットもありますが、企業としての体質が大手企業に近づきつつあります。そのため、新しい事業を0から創り出す経験をする機会は他のステージのベンチャー企業に比べて少ないです。

また、上位のポジションが次第に詰まりつつあるため、若手のうちから「マネジメント能力」を身につける機会が減少しつつあります。

【企業例】
・楽天
・DeNA
・GREE
・サイバーエージェント
・Softbank
・Yahoo

ベンチャー企業の分類方法②:業界

2つ目の分類方法は、業界です。

先ほど確認した通り、ベンチャー企業とは「革新的な技術や創意工夫を武器に、大企業の隙間を埋める新しいビジネスを展開する企業」という意味であり、特定の業界の企業を指す言葉ではありません。

ベンチャー企業というとIT業界をイメージする方が多いと思いますが、それ以外にも様々なビジネスを展開する企業が存在しています。同じベンチャー企業と言えども、業界に応じて、展開する事業や身につく知識が変化します。

IT・Web業界

ベンチャー企業の中で最も企業数の多い業界がIT・Web業界です。近年では、”IT×金融” ”IT×不動産"など、ITと既存の産業を掛け合わせた様々なサービスを提供するベンチャー企業が現れています。

また、現在では、社会のあらゆるモノをインターネットにつなげて情報を収集する「IoT(Internet of Things)」、大量のデータを収集・分析し、新たな価値として利用する「ビッグデータ」、人間の知的作業をコンピュータで模倣した「人工知能(AI)」などのキーワードがトレンドになっています。

【企業例】
・楽天
・Softbank
・Yahoo
・LINE
・メルカリ
・Speee
・RPAホールディングス

広告・マーケティング業界

近年ではデジタルマーケティングが一般的なものとなり、広告・マーケティングの仕組みが大きく変化しました。

デジタルマーケティングとは、「デジタル」と「マーケティング」を組み合わせた用語で、スマートフォンなどのデジタルデバイスやデジタルテクノロジーを活用したマーケティングを意味しています。

デジタルマーケティングでは、Webページの閲覧数、商品購買履歴などのデータを収集、分析することにより、1人1人の顧客のニーズに寄り添ったマーケティングを実施することを可能にしています。

【企業例】
・サイバーエージェント
・デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム
・電通デジタル
・マクロミル
・インテージ
・ワンスター
・ECマーケティング

コンサルティング業界

コンサルティング業界のベンチャーには、大手コンサルティング企業出身者が立ち上げた企業が多いです。

例えば、ドリームインキュベータはボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の日本代表であった堀紘一氏によって設立されています。

コンサルティング会社だけでなくベンチャーキャピタルとしての側面を持つ企業や、成果報酬型のコンサルティング業務を提供する企業など、それぞれの企業がユニークな特徴を持っています。

【企業例】
・ドリーム・インキュベータ
・経営共創基盤
・シグマクシス
・ベイカレント・コンサルティング
・エル・ティー・エス
・リブ・コンサルティング

人材・教育業界

人材業界では、人材紹介・派遣、求人メディア、採用コンサルティングなどの様々な領域で、新しいサービスを提供するベンチャー企業が生まれています。

現在、労働人口の減少により、日本の人材業界の市場規模は縮小傾向にあります。しかし、この事実を逆に考えると、多くの企業にとっての人材採用の重要性が高まっていることを意味しています。

人材ベンチャーでは、新卒採用の段階から優秀な学生を企業に紹介するエージェントサービス、オンライン上で企業が個人に仕事を直接発注することができるクラウドソーシングサービスなど、これまでになかった人材紹介サービスを提供しています。

【企業例】
・リクルート
・パーソル
・ネオキャリア
・ビズリーチ
・Leverages
・エン・ジャパン
・クラウドワークス
・LITALICO
・Schoo
・リアライブ

※創業から50年以上が経過しているリクルートをベンチャー企業と見なすか否かについては個人差があると思いますが、「革新的な技術や創意工夫を武器に、新しいビジネスを展開する企業」という今回の定義には当てはまっているものとして扱います。

金融業界

現在の金融業界では”Fintech”が台頭しつつあります。”Fintech”とは、金融を意味する”Finance”と技術を意味する”Technology”を組み合わせた造語であり、IT技術を活用した新たな金融サービスを意味しています。

Fintechを活用した代表的なサービスとして、スマートフォンを活用したオンライン決済サービスや、自動で家計簿をつけることができるクラウド家計簿アプリなどが挙げられます。

【企業例】
・ライフネット生命
・マネーフォワード
・freee
・Coiney
・ネットプロテクションズ
・キャンプファイア

ゲーム・エンターテイメント業界

スマートフォン向けソーシャルゲーム、音楽のストリーミングサービス、定額制の動画配信サービスなど、常に新たなサービスが発生しつつあるゲーム・エンターテイメント業界のことを指します。

国内大手ゲーム企業である任天堂と提携したDeNA・Cygames、サイバーエージェントとエイベックス・デジタルの共同出資によって設立されたAWAなど、独自のコンテンツを持つ既存プレーヤーとの協業を柔軟を行う企業が多いのも特徴です。

【企業例】
・DeNA
・GREE
・U-NEXT
・ドリコム
・コロプラ
・Cygames
・AWA
・アカツキ

医療・ヘルスケア業界

日本国内の高齢化の進展に合わせて、医療・ヘルスケア業界に対する成長分野としての注目が高まっています。現在でも、ベンチャー企業を中心に、新しいサービスや事業が次々に誕生しています。

具体的な例としては、医療関係者が情報を交換するプラットフォームや、個人の健康状態をに合わせて生活習慣の改善に向けたアドバイスを行うサービスなどが挙げられます。

【企業例】
・RIZAP
・エス・エム・エス
・エムスリー
・メドレー
・MTG

この記事で例として挙げた企業を成長ステージ・業界ごとに整理すると、以下の表のようになります。

ベンチャー一覧表

今回は各社の主要事業で業界の分類を決めさせていただきましたが、ゲーム以外にもスポーツ・ヘルスケアなどの事業を展開しているDeNAのように、多角的な事業を展開している企業も多数含まれているのでご注意ください。

また、このマップに掲載した企業以外にも業界を代表する企業は存在している上に、各企業の当てはめはunistyleの見解に過ぎません。あくまでも参考程度にご活用ください。

ベンチャー企業の選考&インターンに参加するべき理由

就職活動中の学生にとっても、ベンチャー企業の選考・インターンに参加することには多くのメリットがあります。

ベンチャー企業の選考に参加するべき理由

【1】選考過程に慣れることができる

面接やグループディスカッションでは、「これまでの経験」が選考結果を大きく左右します。そのため、本命企業の選考を受ける前に、できるだけ多くの場数を踏んで、選考過程に慣れておくことをお勧めします。

一般的にベンチャー企業は本選考の開始時期が早く、スピード感のある選考を実施する企業が多いため、時間的・労力的な負担が少ない状態で選考の場数を踏むことができます。また、採用に直結したインターンシップを開催する企業も多いため、こちらの選考も受けておくと良いでしょう。

【2】ビジネスの基礎知識を身につけることができる

ベンチャー企業の選考では、学生に自社の事業を理解してもらうために、企業説明会が開催されることが多いです。説明会では、日本の経済や市場の動向・業界のビジネスモデルの変遷など、就職活動を進める上での「基礎知識」を身につけることができます。

【3】自分の視野を広げることができる

OB訪問をしたことのある方は分かると思いますが、業界や職種によって社会人のキャラクターや価値観は大きく異なります。そのため就職活動の序盤には、幅広い業界を見ておくことをおすすめしています。

現段階でベンチャー企業に興味のない学生であっても、実際に働いている社員の方と交流する中で、自身のキャリアに関する考えが深まると思います。

どこで自分に合った企業に出会えるかは案外分からないものです。とにかく一つ一つの企業との出会いを大切にしましょう。

参考:日系大手志望者がベンチャー企業を受けるべき3つの理由

こちらの記事では、大手志望の学生がベンチャー企業の選考を受けることのメリット、その際に志望動機を作成するポイントを紹介しています。参考にしてみてください。

ベンチャー企業のインターンに参加するべき理由

【1】企業のサポートが手厚い

ベンチャー企業のインターンは、採用活動に直結している場合がほとんどです。そのため、会社の未来を担う優秀な人材を発掘しようと、エース級の若手社員がメンターについて学生を指導してくれることが多いです。

中には、役員や事業部長をインターンに登場させる企業もあります。企業のエースによる手厚いの指導を受けることで、今後の就職活動に役立つビジネススキルを高めることができます。

また、ベンチャー企業のインターンには報酬が出るものが多いです。就職活動によりアルバイトの時間が削られ、交通費などの出費がかさむ時期に、お金を稼ぐことができます。

【2】優秀な学生と切磋琢磨することができる

ベンチャー企業のインターンには、就職活動に早期から動き出した様々な優秀な学生が参加します。インターン参加者の進路も、ベンチャーから外資コンサル・外資金融・日系大手までバラエティに富んでおります。

インターンを通じて、就職活動に対する目線の高い友人を作ることができることはもちろん、幅広い業界の選考に関する生の情報を交換する機会を作ることができます。

最後に

いかがでしたでしょうか。この記事が、皆さんのベンチャー企業に対する理解を深め、自分に合った企業を見つける参考となれば幸いです。

先述した通り、どこで自分に合った企業に出会えるかは案外分かりません。

就活生の皆さんには、とにかく一つ一つの企業との出会いを大切にしていただきたいです。少しでも興味のあった業界・企業があれば、ご自身で調べてみてください。

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【国連、UNICEF、IMF】新卒では入れない国際機関への就職とは 【国連、UNICEF、IMF】新卒では入れない国際機関への就職とは こんにちは。現在国内のメーカーに勤務しているYです。今回は私がこれまで出会った方々から伺ったお話、調べた事、そして多分の主観を織り交ぜて、国際公務員として働く道について考えてみたいと思います。本記事のコンテンツ国際公務員って何?国際公務員に必要な3条件国際公務員へのキャリアパスファーストキャリアをいかに選ぶべきか今、何をすべきか最後に国際公務員って何?そもそも、国際公務員とは何でしょうか。言葉だけ聞くと、それは何か大きな事をする仕事なんだろうなぁ、なんてイメージを持ちがちです。国際公務員とは、端的に言えばいわゆる国際機関で働く人たちの事を指します。公務員というくらいですから、そこにNGOなどは含めません。具体的に言えば、国際連合(UN)、より広くは国連システムの中に属しているいずれかの組織で働く者が国際公務員となります。組織としては例えば、国連事務局、国連児童基金(UNICEF)、国連開発計画(UNDP)、世界保健機関(WHO)、国際通貨基金(IMF)等々があります。上記の組織を眺めても、国際公務員と言っても実に多様な選択肢が有る事が分かります。この多様性が国際公務員の実態を分かり辛くさせている一因かもしれません。しかし、その内実は其々の分野で高度な専門性を持った、プロフェッショナル集団と言えます。(国連の採用枠には、一般職と総合職の括りがあり、本稿で対象とするのは、専ら専門職です。)そして大きな特徴として、終身雇用ではなく各ポストに2~3年の任期が設定されており、常に次のポストを探し続ける必要がある、という点があります。国際公務員に必要な3条件国際公務員≒国連職員を目指す上で満たすべき条件として下記の3つがあります。1.修士号以上の学歴を有すること2.応募するポストと関連する分野で2年以上の職務経験が有ること3.英語またはフランス語で職務追行が可能で有ること1,2については、国連職員は専門家集団である為、日本的な新卒という考えはなく、必要とされるのは常に専門家です。専門家としての要件として、学士ではなく修士、関連分野での2年以上の職務経験が求められています。加えて、国連公用語の中でも頻繁に使われる英語もしくはフランス語で職務追行に問題ないレベルの語学力が必須です。(組織・ポストによっては、スペイン語等が必須とされる場合もあります。)国際公務員へのキャリアパス国連に勤務する為には、原則国連事務局、若しくは各組織から発表される空席情報に自ら手を挙げて、ポストを獲得する必要があります。その他にも下記の方法等があります。・外務省が主催するJPO(JuniorProfessionalOfficer)として各機関に派遣後、国連職員として働きつつポストを探す・国連事務局YPP(YoungProfessionalProgram)試験を受験する・各組織が行う採用プログラム、ミッションへの応募其々の選択肢で、求められる条件は違ってきますが、YPPを除く多くの方法では②で挙げた3条件が求められます。(YPPの場合、学士号でOKです。ただし、YPPは狭き門で、2012年度の実績として応募者41,023名、筆記試験対象者4,587名、面接対象者180名というデータが有ります。)現在国連で働かれている日本人の4割はJPO経験者という事を考えると、JPOでの採用→公募ポストへの応募&採用という道が国連への道としては可能性が大きいようです。ファーストキャリアをいかに選ぶべきかでは、国際機関で働く為のファーストキャリアとして、どこを選ぶべきなのでしょうか。これは自身がどの様な分野でポストを見つけたいかに依ります。主な専門分野としては、次のものが挙げられます。・開発、人権、人道、教育、保健、平和構築、モニタリング評価、環境、工学、理学、農学、薬学、建築、防災、人事、財務、会計、監査、総務、調達、広報、渉外、IT、統計、法務等ご覧の様に、羅列しただけでも非常に多岐にわたる分野があります。この中から自分はどの様な専門をいくのかにより、ファーストキャリアも自ずと見えてくるのではないでしょうか。ここでは更に現在国連で務められている方の具体的なキャリアパスを例示してみます(各情報は外務省及び国連フォーラムウェブサイトより)。・Aさん21歳:仏の大学に1年の交換留学→22歳:国内大学の商学部経営学科卒業→23歳:仏の大学にてMBA取得→24歳:会計事務所勤務→26歳:NGO活動参加後、インドネシアに半年滞在→27歳:民間企業2社勤務→29歳:米国公認会計士試験合格、JPO試験合格→30歳:WFPにJPOとして派遣(財務官)・Bさん国内大学卒業→外務省入省→米大学にてMA(政治学)取得→シンクタンク勤務→国内大学院博士課程→UNアフガン支援ミッション(分析官)今、何をすべきか前の項で明らかな様に、国際公務員に成る為には決まった道はなく、唯一の正解は無い、と言えます。ではそんな中で今何をすべきなのでしょうか。第一に、語学力です。日本で教育を受けた場合、少なくとも英語は6年~10年間学んでいます。ただ、職務追行可能なレベルの英語力が学校教育だけでは尽きません。よって留学等を通して、仕事をする上で問題の無い英語力を身に着ける必要が有ります。参考までに、JPO合格者の方々はTOEFL-iBTにて平均で100点以上を獲得されているそうです。これに加え第二外国語としてフランス語などを学ぶ必要が有ります。第二に、専門分野です。自分が国連で何をしたいのか、そしてそれは国連でなければできないことなのか、どの様なキャリアパスを選ぶかを考えなければなりません。例えば、建築の分野で働こうとする時に、MBAを持っていても大きな価値はありません。常に求められているポストで価値のある経験、学歴を提示し、自分が誰よりもその職に適することをアピールする必要があります。第三に長い目でのキャリア、人生において国際機関で働くことをどう位置付けるかです。これは先に述べた事とも関わりますが、国際公務員の任期は常に決まっており、その後のキャリアの保証は有りません。常に次のポストの事を考える必要があります。また危険地域での職務となる時、家族を連れていけない場合が多々あります。他にも、ポストの状況によっては転勤が多いため、結婚生活の維持が難しい例も多く見られます。以上の事を十分に考え、準備し、その上で尚国際機関で働くことを志す人に、国際公務員の道は開けるのでは無いかと思います。最後に国際公務員になるためにどのようなことが必要か理解できましたでしょうか。新卒で入ることが出来ないため、目指している方はファーストキャリアを含めてしっかりとした対策が必要です。自分の身だけでなく、家族を含めて考える必要がある大変困難な職業ですが、それに見合うだけのやりがいはあると考えられます。国際公務員に少しでも興味がある方への参考になったら幸いです。【参考資料】・外務省国際機関人事センター『国際公務員への道JPO派遣制度』外務省、2014年。・国際機関人事センターニューヨーク支部『国連機関への就職国際公務員就職ガイダンス資料(2014年版)』国際機関人事センター、2014年。・国連フォーラム 127,609 views
志望動機を「入社したい理由」だと考えるから噛み合わない面接になる 志望動機を「入社したい理由」だと考えるから噛み合わない面接になる 志望動機については企業側と学生側がなかなか噛み合わないまま会話しているケースが多いと感じています。これは「志望理由」で企業側が回答してほしいことと、学生側の認識が噛み合っていないからだと思っています。企業側も試行錯誤しながら色々な聞き方をエントリーシートでは試しているものの、面接になると「志望動機を教えてください」といった形でざっくりと聞いてしまうから齟齬が生まれるのだと思っています。学生は志望動機を「入社したい理由」だと考えている学生側は志望動機を文字通り、その企業に「入社したい理由」だと考えている人が多いと思います。そのため、「給与が高い」、「ブランドイメージがよい」、「福利厚生が手厚い」、「企業が提供している商品がいい」、「海外売上高比率も高く、グローバルな世界でも成長しそう」etc...など、その企業のいいところを答えるべきだと考えているようです。「企業理念に共感しました」というのは、欲望丸出しの回答よりも少し綺麗事を言っておくとプラスになるかもという下心からの発言であり、こういった綺麗事を本心から伝えることが就職活動では大事なのだと思い込み、「企業理念に共感する自分」を演じてしまう人が一定数いるために就職活動が宗教っぽくなったりしてしまうというのは言い過ぎでしょうか。企業が志望動機で知りたいのは「仕事理解」と「仕事への適正」一方で企業が知りたいのは、自分たちの企業のいいところをどれだけ知っているかということよりも、志望者が入社してからやる仕事を理解しているかどうかと、その仕事に適正があるかどうかです。企業理念を知っているかどうかやエコに配慮しているかどうかなど、企業のいいところを知っているかどうかと入社後、仕事ができるかどうかということには相関はないと言えるでしょう。例えば日清食品などの食品メーカーの面接では、「営業で大切なことは何か」、「量販店営業として働き値段を下げてほしいと言われたらどうするか」など、営業という仕事を理解しているかどうかを面接で聞くことがあります。食品メーカーの仕事はマーケティングや商品開発などの華やかな一面が目立ちますが、実際には営業に配属される人が多く、競合他社の営業に負けないように販売する店舗に対するケアをしっかりと行い、目標数値をあげる仕事です。こういった仕事であることを理解した上で、「自社の愛着ある商品を販売したいからメーカーを志望している⇒営業の配属が多いのも理解している⇒自分は営業に向いていると思う⇒学生時代の経験から〜〜」といった形で話ができると、企業としても仕事内容を理解しているし、その仕事への適正も示してくれているなと感じて、高い評価を与えることができるでしょう。食品業界研究一覧職種別採用ではないところが難しくしている側面も学生に取って難しいのは、仕事内容を理解する上で日本企業の多くは職種別採用ではなく総合職採用を行っているということでしょう。マーケティング部署の志望動機を作ってきたのにいざ本番というところで「いやいや営業配属の可能性高いけど、そっちはどう?」とか言われてしまう危険性がつきまといます。ただそういった場合でも、「最初は営業課に配属されたとしても将来的にはマーケティング部署で自社製品を広めることをやりたいと考えています。営業で結果を出すために必要なことを学びながら店舗の人や実際の消費者の声を聞く中でマーケティングに活かせることはないか考えたいです。」といった形で回答できれば十分評価されるので、しっかりと準備しておけば大丈夫としかいえません。日本の雇用環境や採用環境ががらりと変わることがない中で出来る限り、企業が求めることを理解して話すことが求められていると考えられます。【関連記事】人材採用は永遠の試行錯誤の世界仕事ができる人を完璧に見分けるための採用方法というものを確立することはまだまだ出来ておらず、試行錯誤を繰り返しています。完璧ではない制度ながらも、自己PRや志望動機を聞くのは海外でも共通しているので、ある程度の相関性はあると割り切った上で、何を求めているのか、どう回答すると評価されているのか、自分の本音と乖離はないかといったことを考えて話すのがよいと思います。仕事ができる人を完璧に見分ける採用手法を考えついたとしたら、その人は一山あてることができそうです。。。最後に仕事内容を理解して、仕事への適正を示して評価された上で、給与や福利厚生がどうか聞くのはなしではないと思います。過去の優秀な内定者は同業界にて、複数内定をもらった上で、社員訪問をして業界内の地位や仕事内容、福利厚生含めた給与などを色々聞いた上で決断するということをしていました。やはり今後の長い人生を決める上で、給与や福利厚生などは大事な要素ではあります。聞くタイミングを間違わなければしっかりと答えてくれるものです。就職活動だけではなく、交渉ごとでもそうですが、有利な条件を引き出すためにはまず相手に評価されることが必要でしょう。なお、志望動機が書けないと悩む人は下記のコラムも参考にしてください。 99,612 views
ベンチャー役員を目指すなら、最適解はリクルートだ ベンチャー役員を目指すなら、最適解はリクルートだ これまで全5回にわたって連載している、unistyle転職シリーズ。前回より「ある企業群への流入経路」をテーマに、新卒就活のタイミングで将来的な転職を見据えるためのヒントを提供しています。【unistyle転職コラム】〈#5〉PEファンドへの転職を狙え―転職実績から流入経路を探る―今回のテーマはベンチャー企業の役員ポスト。ここ最近、ベンチャービジネスに対する学生の皆さんの価値観もポジティブに移り変わっており、最優秀層の学生がベンチャー企業を選択するケースも珍しくありません。参考:三井物産からの内定を辞退してベンチャー企業へ、京大卒20代取締役が考えるキャリア観一方で、ファーストキャリアにベンチャー企業を選ぶことにリスクを感じる学生が多いのもまた事実で、とりわけ「転職の不可逆性(大手企業からベンチャーへの転職は一般的だが、その逆は簡単ではないこと)」は重要なポイントとして議論されます。本記事ではベンチャー企業、なかでも一定の裁量を握る「執行役員以上のポスト」に焦点を当て、将来的な選択肢として「ベンチャー役員」を検討するためのヒントを提供します。まずは「ベンチャー役員」というキャリアの魅力を整理したうえで、実際の転職者の経歴から「将来的にベンチャー企業の役員ポストを狙うなら、それ迄にどんなキャリアを踏んでおくべきか」という論点に答えを出しましょう。転職データのリサーチunistyleでは「人気企業に新卒入社したあとに転職して辿り着くエリートキャリア」を考えるため、・PEファンド(プライベート・エクイティ・ファンド)・VC(ベンチャーキャピタル)・戦略コンサル・ベンチャー企業の創業者、役員以上4つの集団の現職者に対象を限定し、これに該当するビジネスエリート計1302名のキャリアをリサーチすることで「一流転職市場のリアル」に迫りました。(なお、全ての情報は各社有価証券報告書ないし企業HPから収集したものです)ベンチャー役員を2つに切り分けるベンチャー役員というキャリアを考えるうえで、まずその特質について理解しましょう。「創業メンバー」と「非創業メンバー」の2つに大別して考えることができます。前者は所謂「起業家」であり、スタートアップ創業者としてリスクを取りながらゼロベースで事業を創出する立場です。弊社代表・樋口の伊藤忠商事退職、Unistyle創業から全株式売却に至るまでのストーリーからイメージを掴んでください。参考:総合商社を辞めて起業したUnistyleを売却しました一方、起業家の立ち上げた事業が一定の軌道に乗ったあとに参画し、事業を更に高いレベルへ引き上げる「事業家」が後者の「非創業メンバー」に当たります。既に最低限の収益は上がっている状態から入社するため、前者に比べて背負うリスクは小さくなります。とりわけ一定規模のベンチャーの役員ポストであれば、大企業での給与水準を維持しながら大きな裁量権を握ることが期待できます。また、それまでのキャリアで特定の専門領域を形成していた場合、CFOやCMO等、所謂「CxOポスト」も視野に入るはずです。参考:30歳までにベンチャー役員になれるキャリアを歩めば会社にしがみつく必要はない漠然とベンチャーの上流ポストを志している方は、自分が「起業家」「事業家」のどちらに魅力を感じているのかをクリアにしておくべきでしょう。以上を踏まえたうえで、以下では【新卒入社した企業からベンチャー役員へ転職したビジネスパーソン】の実際の経歴について、「業界ベース」「企業ベース」の各観点から見ていきましょう。ベンチャー役員の出身業界今回はunistyleがピックアップした優良ベンチャー181社に焦点を当て、各社で執行役員以上のポストにある転職経験者742名のキャリアをもとに考察を深めます。なお、母集団の内訳は以下の通りです。まず、ベンチャー役員への転職者のファーストキャリアを業界ベースで分析します。ベンチャー企業の役員ポストへ転身される方々は、それ以前にはどのような業界に身を置いていたのでしょうか。上記のチャートに示した転職経験者を、出身業界ごとに分類・整理すると以下のようになります。「人材・IT」、「総合・ITコンサル」の多さが際立ちます。これらの業界は雇用の流動性も非常に高く、また業務内容も(現在のベンチャー企業の多くが展開する)ITビジネスに親和性が高いため、上記の数字にも納得がいきます。一方で「戦略コンサル」も、これらの業界の企業数および従業員数の少なさを加味すれば、相当に大きい数字であると言えるでしょう。コンサルタントとして企業経営に触れるなかで、自分の手で経営の舵取りを担いたいと考えるようになる、乃至は起業のヒントに出会うことがあるのかもしれません。参考:外資系戦略コンサルの「転職」を斬る!ーやっぱり最強、McKinseyーベンチャー役員の出身企業大まかな出身業界の傾向が掴めたところで、次はベンチャー役員のキャリアを出身企業ベースで分析し、より細かい粒度の示唆を探りましょう。*合併前・社名変更前の在籍者も含む楽天やグリー、ヤフー、DeNA、サイバーエージェント等の有名IT企業が多くのベンチャー役員を輩出していることは、学生の皆さんにとっても比較的イメージしやすいでしょう。また、マッキンゼー・アンド・カンパニーやゴールドマン・サックス等から、裁量の大きい経営ポストを求めて相当数のエリート人材が流入していることも、これまでの考察通りです。一方、アクセンチュア出身者がここまで多いことはやや意外かもしれません。この要因としては、①同社社員の絶対数が多いこと、②IT分野に強みを持ち、ベンチャービジネスとの親和性が高いビジネスモデルであること、③独立しやすい社内カルチャーが根付いていることの3点が挙げられると思います。とりわけ、アクセンチュアでは「同僚同士で共同起業する」ケース、つまり社内で起業のパートナーに出会うケースが多いようです。企業/事業者向けの業務改善サービスを展開するチェンジ社、メディアシーク社、シンクロ・フード社等は、いずれもアクセンチュアの前身・旧アンダーセンコンサルティングの同僚メンバー複数名で共同創業し、東証マザーズ上場を果たした企業です。これらの企業は事業内容もアクセンチュアに近しく、同社でのITコンサルティング経験がその後の起業に大きく寄与していると推測できます。とはいえ、やはり最も目を引くのはリクルート出身者の多さでしょう。以下では同社がベンチャー経営陣を多数輩出している点にフォーカスし、洞察を深めます。ベンチャー役員輩出企業としてのリクルートを探る「ベンチャー役員ポストには、なぜこれほどリクルート出身者が多いのか?」という問いに対して、ここでは大きく2つ、①制度的要因、②文化的要因の観点から答えます。【制度的要因】リクルートは新規事業の立ち上げを促進する社内制度を有しています。最も代表的なものが「NEWRING」と呼ばれる新規事業公募制度でしょう。新規事業に関するレポートを社内募集して審査し、評価された案件には賞金200万円と事業化機会が与えられるものです。事業立案するチーム構成に関しても、カンパニーや部署による制約がないばかりか、社外メンバーの参画までも認められていることは驚くべきポイントです。なお、『ゼクシィ』『TOWNWORK』『HOTPEPPER』等、同社を代表する事業もここに端を発しています。社内起業が制度として奨励されていることは、人材輩出起業としての価値の源泉のひとつであると言えそうです。参考:リクルートグループHP「新規事業を生み出す人・仕組み」【文化的要因】当然、社内の文化的な要因も無視できません。同社は企業文化として「『起業家精神』を持った個人に、若いうちから大きな仕事の機会が与えられ、より速く成長する」ことを標榜していますが、同社出身者の活躍ぶりを見ると、抽象的ながらこの点にも相当の説得力があると感じます。参考:リクルートHD「リクルートの企業文化とビジネスモデル」また、「リクルート社員も一様ではなく、志向性のパターンによって2つに大別できる」という指摘は、以前もunistyleでお伝えした通りです。数年前に『受験サプリ』をリリースしたような新規案件の部隊では、本記事の最初に挙げた分類における「0→1を担う起業家」に該当するような、事業創出志向の強い企画タイプが活躍していると考えられます。その一方で、立ち上がった案件をスケールさせる営業部隊においては「1→100を担う」営業タイプが育ちやすい、という仮説も立つでしょう。参考:営業タイプor企画タイプ!?リクルートの採用方針に見る、企業が求める人材の変遷参考:未来の起業家集団?!リクルート内定者が内定者懇親会に行って感じたことこのことを踏まえると、「ベンチャー役員にはリクルート出身者が多い」という事実にもより深みが出てくるかと思います。すなわち、一口にリクルート出身のベンチャー役員と言っても、①リクルート社内で「事業創出志向の強いタイプ」に分類される人材が、創業時の中核メンバーとして「0→1」フェーズを担う②一方で「営業能力の高いタイプ」に分類される人材は、走り出した事業をスケールさせていく「1→100」フェーズを担う以上の2パターンが考えられる、ということです。また、実際のリクルート出身起業家/事業家をリストアップした以下の記事も、実際の具体例として参考になるでしょう。上記の洞察も踏まえたうえで彼らの経歴を眺めると、より深まった示唆を得られるはずです。参考:上場企業社長は当たり前?!人材輩出企業「リクルート」出身起業家・経営者まとめ本記事のサマリー①ベンチャー役員を目指すなら、最適解は「リクルート」だ今回のunistyle調査にて、最も多くのベンチャー役員を輩出している企業はリクルートだと分かった。②リクルートの人材輩出力は、制度的要因・文化的要因の両面から説明できる同社の人材輩出力の源泉は、主に社内の制度とカルチャーに見出される。③リクルート出身者にも2パターンあり、それぞれ得意領域は異なる同社の社員は事業創出志向の強い「企画タイプ」、シェアを拡大させる「営業タイプ」の2つに大別でき、ベンチャー起業においても前者は「0→1」、後者は「1→100」のフェーズをそれぞれ担うと予想できる。最後に現在も高い就職人気を誇るリクルートグループ。2012年の分社化によって事業領域ごとの切り分けがよりクリアになり、就活生にとっても入社後のイメージがつかみやすくなったと思います。上記で示した通り、あなたが将来的にベンチャービジネスの経営層を狙うならば、リクルートが重要な選択肢のひとつになることは間違いありません。そのうえで、同社の人材輩出力や社内カルチャーへの憧れだけでなく、あなた自身が入社後にどんなスタイルで業務にコミットしたいのか明確にし、納得のいくファーストキャリアを選択しましょう。【unistyle企業研究】参考:リクルートHD参考:リクルートキャリア参考:リクルートマーケティングパートナーズphotobygabrielciccariello 18,917 views
内定者が伝えるマスコミ業界志望者へのアドバイス5選 内定者が伝えるマスコミ業界志望者へのアドバイス5選 こんにちは。16卒のマスコミ内定者です。マスコミは高倍率であるがゆえに、選考対策をどのようにすればよいのか、迷われている方は多いのではないかと思います。就活中は私自身もどういった方針で対策していけばよいのか頭を抱えていました。しかし選考を受けたり、内定者の人に話を聞くうちに掴めてきたポイントがいくつかあります。なので、今後マスコミを目指す学生の皆さんに向けて、5つのアドバイスをお伝えしようと思います。1.マスコミ志望者が他業界を受けるメリットは実は大きいマスコミ志望者の中には、マスコミしか受けないといった方が一定数います。というか、かなり多いのではないかと思います。しかし筆者としては、メーカーや商社など、マスコミに広告出稿をお願いする側の企業も受けるメリットはかなりあると考えています。その理由を2点、説明していきます。(1)論理的に話すスキルの向上マスコミ面接は短いので、短い言葉で的確に伝えることが必要になります。そのスキルは、本番の面接を受けることで磨かれていきます。マスコミ面接で聞かれること、見られることは一般企業のそれと変わりません。一般的に見られているのは、以下の3つです。コミュニケーション能力問題解決能力リーダーシップマスコミの場合は多すぎる志望者を絞るため「+コンテンツへの愛」を厳しく見られますが、これについては後程述べることにします。(2)マスコミの果たす役割をより全体的にとらえることができるようになる幅広い企業を受けることで、なぜ自分が数ある企業の中でマスコミに就職したいのか、をとらえるきっかけになると思います。一般企業を受ける際も、当然企業研究をしますよね。そうすると、社会の中でマスコミの果たす役割もわかってくると思います。広い視野を持ち、そのうえで自分がマスコミという職業を通じて社会に貢献したいことを伝えられると、説得力が増します。ちなみに、筆者はほかにも専門商社や化学・素材メーカーなども受けていました。メーカーの広告はテレビCMや電車の中でもよく見かけますよね。マスコミというのは、消費者への架け橋であり、消費者から企業に対してのイメージを左右する立ち位置にいるわけです。外貨を稼ぎ日本の経済を支えている、社会の実質的な主役というのは、メーカーなど一般企業なのです。それでもなぜ、自分がテレビや映画といったマスコミに就職したいのか。考えてみるといいと思います。2.ESは他人に見せるマスコミのESは、「今後のテレビメディアはどのようになると思うか。また、今より魅力的にする新しいアイディアを書け」・「2020年東京オリンピックの目玉企画を考えよ」や「うちの局の会社名を思い切って変えるとするとどんなネーミングがよいか」といったアイディアを問うオリジナルの設問が多く、他業界とは大きく異なるため、時間がかかりがちです。こういったESは、真面目な学生ほど一人で悩んで、時間ばかりすぎてしまってもったいないという傾向があります。中には悩んだあげく期限に間に合わなくなり、ESが提出できない人までいます。アドバイスとしては、「一人で悩まずに誰かに相談して、ブラッシュアップしていく」ことを心がけてください。見せる相手はマスコミ関係の人ではなくても親や友人などでもいいです。未完成のものでもいいので誰かに見せて、意見をもらいましょう。めざすゴールはあくまで「内定」です。ES通過も大事ですが、そのあとにもっと大事な面接、筆記試験が待っています。ESにはとにかくまず手をつけさっさと片付けてしまい、面接・筆記対策・企画書作成などに時間を割くようにしましょう。3.提出を求められていなくても企画書を書こう提出を求められるESだけでなく、面接にそなえて企画書を考えていくことは重要です。なぜなら、面接で必ず聞かれるからです。たとえ聞かれなかったとしても、面接官は「コンテンツの企画を考えられる学生」を期待しています。それが「コンテンツ制作会社=マスコミで求められる能力」だからです。そのため、テレビ局などマスコミの面接では座って自己紹介をしたらすぐに「ウチでやりたいことを教えてください」と言われることも多いです。とくに一次面接では時間も非常に短いので(一人平均5分ほど。話の内容によっては2分で切る、という面接官も・・・)、ここで、どれだけ簡潔且つ具体的に、相手の興味をひくような企画を話せるかが勝負になってきます。企画書の書き方は別コラムの「」に記載しましたので、参考にして欲しいと思います。事前にしっかりと企画書を書き、面接でいつでも内容のポイントを引き出せるようにしておくのがよいでしょう。あるいはわかりやすく大きな字で企画の概要やポイントを紙に書くなどして、本番でそれを面接官に見せながら説明するというのも、話が早くて好印象につながると思います。4.コンテンツの勉強をしよう先ほど、「コンテンツへの愛は厳しく見られる」という話をしました。なぜなら、そこが学生の志望度や将来の仕事の出来を推しはかるための重要なファクターになるからです。ポイントは「好き」ではなく「愛」。ただ漠然と「〇〇という番組が好きです!理由は面白いからです!だからその番組を作っている貴社を志望してます!」というだけでは、もちろんアウトです。あるテレビ局内定者の方は、面接で自分が話すつもりの番組を、一年前のオンエアまでさかのぼって見ておき、「何年何月何日OAのどこの場面が好き」くらいまで言えるようにしておいた、と言っていました。また、面接で「ウチの番組挙げられるだけ挙げてみて」と言われたこともあるとのことです。最低、その会社の現行コンテンツは把握して話せるようにしてください。テレビ局なら、その局の番組は全部チェックしておくのがよいでしょう。さらにそれだけでなく、その企業の展開するウェブサービスや関連ビジネスも見ておくことをすすめます。テレビ局はHuluやオンデマンドなど、いまそれぞれに映像配信サービスを展開しています。ほかにも、リアルイベントビジネスなどにも各社の特色があらわれています。日テレは美術館の展示の企画なども行っています。フジテレビは「お台場合衆国」が有名ですね。上記のことを調べた上で、「他社と比べてこうだから、もっとこうした方がいいんじゃないの?」みたいな考えをまとめておき、面接で伝えられたら他の学生と差をつけられると思います。5.世間の人がどんな風にコンテンツと接しているのか観ておこうコンテンツはメディアを通して消費者のもとへと届きます。なので、メディアと消費者がどう接しているかに敏感になることが、コンテンツ制作会社(マスコミ)にいる人には大事だといえます。最近はメディアが多様化しています。たとえばひとくちに映画といっても、今はiTunesで買ったり、映画館で観たり、ニコニコで観たり、ケーブルテレビで観たりと様々な見方があります。自分の身近な人たちはどういったメディアを通して観ているか観察しましょう。今後世の中ではどのようなコンテンツの見方が主流になっていくのかなど、自分なりに考えてみてください。それを把握して、受ける企業が今後どの分野でどうやって戦うべきか、意見をもつようにしてください。最後にマスコミというとミーハー心で突撃して撃沈する人が多い業界だと思います。内定者の人を見ていると、メディアやコンテンツというものに対して普段から自分なりに問題意識を持ち、よく考えている傾向にあると感じます。私はどうしても映画が好きで、どうすれば日本映画がよくなるのか、考えずにはいられなくて、このような結果になりました。好きを仕事に出来る業界の一つなので、虚栄心やミーハー心で受けるのではなく、メディアやコンテンツについて楽しみながら真剣に考えることができる人にぜひ受けてもらいたいと思います。その思いは、面接官にもきっと伝わると思います。【関連記事】 30,484 views

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