「裁量が大きい」「風通しのいい」会社とは何か?就活界の5つのマジックワードを徹底解説

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最終更新日:2024年01月22日

「裁量が大きい」「風通しのいい」会社とは何か?就活界の5つのマジックワードを徹底解説

本記事では、誰でも言えるマジックワードを意味もなくただただ並べる量産型就活生になることを避けるために、代表的な5つの言葉に注目してその意味を探っていきたいと思います。

そもそも、「マジックワード」とは何か

「就活で一番大切なのは自己分析だよ」
「弊社は大変風通しのよい会社です!」
「最近はホワイト企業を志望する若者が...」

就職活動をしていれば一度は耳にすることも多い上記のような言葉。

それを聞いたとき、あなたはどのように感じ、どのように考えるでしょうか。

何となく、「そういうものだ」で終わらせていないでしょうか。

例えば、一番上の言葉。そもそも「就活」とは何か。「自己分析」はなぜ大切なのか。

就活界では、このように誰もが言うような言葉の数々が "マジックワード" として蔓延っています。

人をあたかも魔法のように思うように動かすことができるキーワード。
主に意味が曖昧で、使う側の思想によって便利に扱うことが出来る言葉や幅広い意味を持つ呼称(特に蔑称)を指して呼ばれている。

参考:マジックワードとは - はてなキーワード

マジックワード(magic word)とは、直訳すると文字通り「魔法の言葉」です。

魔法といってもいわゆる呪文・おまじないのような話ではありません。

ここではマジックワードを、「本来その言葉が持つ意味が形骸化され、汎用性が高く逆に意味がありそう(だがよくわからない)に捉えられる、魔法のように用いられる悪い意味で利便性が高い言葉」と定義付けることにします。

マジックワードは、「とりあえずその言葉を使っておけばいいだろう」ぐらいに認識され、思考停止状態で用いられることが多い点に問題があります。

この性質から、例えば後輩から「就活って何をやればいいですか?」と尋ねられたときに、「とりあえず自己分析だよ」と意味もわからず返すようなやり取りがしばしば発生しているのだと思われます。

特に就職活動では面接で「深堀り」と呼ばれる言葉の背景や意味を探る問いかけがなされるため、マジックワードを並べることには問題が多いものだと考えています。

以下では、その代表的なものを紹介します。

就活界のマジックワード1:「ホワイト企業」

近年、有名企業の若手社員の過労死問題・政府の働き方改革の推進・業務効率化のノウハウの普及などにより、社員を酷使するブラック企業への反発やワークライフバランスへの関心が高まってきているように感じます。

これより、ブラック企業=悪・ホワイト企業=善といったような風潮が生み出され、就活生の間でも "ホワイトさ" を軸として企業選びをしている層が一定数存在しています。

もちろん、従業員を酷使して過労死に追いやったり、法令に違反するような労務管理をしている企業は、当然絶対的な悪として判断していいものでしょう。

では、逆に「ホワイト企業」とはどういった企業を指すのでしょうか?

・給料が高い
・適正な人事評価
・休みが多い
・人間関係が良好
・定時で帰れる
・やりがいのある仕事ができる

これらの例に共感できる人もいれば、「それは違うのでは」と否定的な項目がある人もいるでしょう。

一般に、ホワイト企業はワークライフバランスと紐づいて語られがちであり、残業の少なさや有休消化率といった労働時間を基準としたイメージを持つ方が多いと思っています。

全ての社員にとってホワイトな企業なんて無いんだってよく分かったよ。
無能は無能らしい就職をしろってね。

参考:ホワイト企業だったら良いですね。

一方、定時帰りや有休消化率100%といった誰もがうらやむような労働環境の企業であっても、この文が示唆するように、それが「自分にとって」ホワイトであると結論づけられるかは定かではありません。

この動画の主人公のように、基幹職から外れたことを「会社の中心から外された」と悲観的に考える方もいるでしょうし、温い職場環境をホワイトなものとして好意的に考える方もいるでしょう。

また、仕事内容云々よりも定時退社ばかりに目を向けているようでは、実際に働いた際のやりがいの欠如や、貴重な若手のうちにスキルが身につきにくくなり、結果的に一企業に依存する。

すなわち、「つまらない」仕事をする「使えない人材」として、長期的に見ればワークライフバランスの取れた生活から外れてしまうという推測もできるでしょう。

企業側もアピールを進める "ホワイト感"

今や採用HPや就職四季報に限らず、転職サイトや掲示板等でも(真偽は別として)労働環境に関する情報はあらゆるところで入手することができます。

こうした学生の関心の高さも相まって、最近では合同説明会や個別説明会でも自社の平均残業時間といったデータを開示し、自社の "ホワイトさ" をアピールしてくる企業は増えている印象があります。

就活界のマジックワード2:「裁量が大きい」

「若いうちから大きな仕事を任されたい」という考え方を持つ就活生は毎年一定数いると思っています。

恐らく多くの方が「裁量が大きい」という言葉をこのような意味で用いているのではないでしょうか。特にベンチャー気質のある企業においてこの言葉はマジックワードとして用いられることが多い印象を受けます。

では、「大きな」仕事とはこの場合何を指すのでしょうか。スケールの大きい仕事。ではスケールとは何で図られるのか...

「裁量が大きい」という言葉は、先ほどの「ホワイト企業」と似たように、大きいことが良しとされ、小さいと「自分の意見や考えが反映されにくく責任のある仕事を任せてもらえない」といったように語られることが多い気がしています。

この記事でも述べたように、例えば「裁量」を「扱う金額の大きさ」と定義すれば、ベンチャーよりも大手企業の方が満たされる可能性が高いわけであり、裁量権が大きい=ベンチャーという短絡的な考え方は改めるべきでしょう。

「若いうちから大きな仕事を任されたい」は何もベンチャー志望者だけが考える言葉ではない

一方、日系大手企業の場合でも、「若いうちから任せられる」という言葉を採用メッセージとしてアピールしている企業も一定数存在しています。

自分は学生時代の経験にやりがいがあり、その経験に繋がる軸を用意していました。
 「1点目は若手から大きな仕事を任される企業です。2点目は様々な人々と関われる企業です。3点目はグローバルな環境の企業です。」
というように答えたところ、1点目の軸に対して面接官からは「若手って何年目までのこと?」「大きな仕事って具体的には何?」「若手の時に1人で中くらいの仕事をするのか、中堅の時に大きな仕事をするのかでも前者が良いの?」「大きな仕事が任されないと嫌なの?」
というような質問が返ってきました。

参考:面接|内定者が語る!深掘りに対応できる「正直」な面接とは

例えば某日系大手素材メーカーであるA社ですが、上記のようにESで短い文言で記載した企業選びの軸について面接で厳しく深堀りがなされるようです。

このように、裁量権や若いうちから任せられるという言葉について考えるべきなのは何もベンチャー志望者だけではありません。

中長期的なキャリアパスを描くことが多い日系企業の場合は、「若いうちから」というだけで無く、その後中堅・ベテラン社員になったときについても自分がどういった働き方をしたいと考えているのかを整理しておくべきでしょう。

就活界のマジックワード3:「風通しのいい会社」

「風通しのいい会社」という言葉も、先ほどの「裁量が大きい」と並んでしばしば "いい会社" の特徴として用いられることがあります。

こちらも人によって定義が分かれますが、一般には「自分の意見を発信できること」が条件となることが多い気がしています。特に新卒就活の場では「若手の意見も積極的に採用してもらえる」という意味を含むことも出て来るでしょう。

また、もう少し広い意味で「人間環境が良好な職場」というイメージを持たれるケースもそれなりに多いと思っています。

「風通し」については、二項対立では無く「いい」という表現であることに問題があるのかも

これまで見た2つのマジックワードは、ホワイト⇔ブラック・大きい⇔小さいといったような二項対立の言葉を含む一方、「風通し」については「いい」⇔「悪い」という優劣的な文言である点は一部問題なような気もしています。

先ほどのA社の深堀りのように、企業選びの軸を選定する際は二項対立で判断することが有効です。

「風通し」という何だか爽やかな文言が「いい」のであれば「いい方がいいに決まっている」わけであり、漠然とした好意的なイメージからマジックワードと化してしまっているのかもしれません。

しかし、意見を述べるにも評価するにもやり取りが発生する中で、「とりあえず意見を言えば聞いてあげる」といったような姿勢はコスト的に無駄になることもあるでしょう。

「風通しがいい」環境においては、「全く理にかなっていない意見」「背景を全く鑑みていない意見」といったようなものもとりあえず発言しようという考えが生じ、建設的な議論を阻害する一因となる可能性も考えられます。
(もちろん、「何を言ったか」よりも「誰が言ったか」ばかりが重視される環境はそれもまた問題でしょうが)

「風通し」の場合でも、結局のところ「いい方がいいか」についてはその定義付けや職場での活用のされ方に依存するものであり、絶対的な価値としてマジックワードとして用いることは(企業側も学生側も)賢明な判断とは言えないでしょう。

就活界のマジックワード4:「部署による」

さて、ここまでは企業側が出す採用メッセージや学生の軸に関するマジックワードが並びましたが、4つ目はやや登場のシチュエーションが異なる言葉になります。

ここまでのマジックワードを採用担当、もしくはOB訪問や座談会で現場社員に尋ねたとき、

「ここの会社って残業多いって本当ですか?」(ホワイト企業)
「若手でも任せてもらえる社風ですか?」(裁量が大きい)
「職場の皆さんで飲みに行かれたりしますか?」(風通しのいい会社)

(これらの質問が適切かどうかは別として、)恐らく多くの社員は答えるでしょう。

「うーん、まあ部署によるかな」。

YesともNoとも答えない、学生側からしたら歯切れが悪いとも捉えられる回答。

とりあえずこう言っておけばいいだろうぐらいな回答とも感じうるため、面談界のマジックワードとして機能している言葉という考えも生じると思います。

「部署による」のはだいたいが "正解"

では、なぜ多くの社員の方は学生からの質問を「部署による」で済ませるのか。

答えは簡単で、会社全体の傾向を問う質問は、本当に部署によって回答が異なることが多いためです。

新卒採用において、総合職の一括ポテンシャル採用をすることが多い日系大手企業。

メガバンクのコース採用や伊藤忠商事の先決め採用といった例もあるものの、基本的には入社するまで自分が実際にどのような業務に携わるのかはわからないものです。

そこでは、部署・勤務地・職種などが異なれば同じ一企業内でも組織風土が異なることから、「部署による」という回答はだいたいの企業で当てはまるある種妥当なものと言えるでしょう。

大方の人が「他の銀行で働いたことがないからわからない」といって答えが終了するので、実は無意味な質問の一つとのことです。みずほFG人事部採用総括次長のインタビューでもそのように語られています。ちなみにですが、質問の仕方を変えて、「なぜ今の銀行を選んだのか」だと、ある程度的を得た答えが返ってくることが多かったです。

参考:リクルーター面談の逆質問でするべき質問とは|ポイントは4つ!

結局、人事であろうとOB訪問先の社員であろうとあなたの先に入社した先輩に過ぎず、自分が実業務で携わったところ以外のことを聞かれても正直わからないものです。まして上記のように同業と言えども社外のこととなれば尚更でしょう。

社員は企業のことを何でも知っているわけではないことを認識することが、質問力向上のための第一歩として重要であり、何よりそれがお互いのためでもあることは認識しておいてもらえたらなと思います。

企業理念にも敏感で、企業理念の素晴らしさを面接で語ってしまったりします。実際に中で働いている人が自社の企業理念を知っているかというと必ずしも知っているとは言えなかったりするんですが、ガンジー就活生は企業理念を全ての社員が胸に刻んで働いていると考えてしまいがちです。

参考:就活になると急増する「ガンジー就活生」からの脱却が内定への第一歩

OB訪問をする際は「部署による」ことを前提とした準備をすべき

OB訪問やり方大全!OB訪問の目的から時期・質問内容まで徹底解説」でも述べた通り、OB訪問を学生・OB双方にとって有意義なものにするためには「仮説を持つ」ことが重要です。

本記事ではこの仮説=志望動機・学生時代頑張ったこと・自己PRについて自分なりの答えを用意することであると書かれています。

そしてその仮説をもとにOBへ質問をする際も、相手の所属部署といった経歴に沿って検証がしやすい問い方をすることが必要になるでしょう。

「相手の立場に立つ」というのは就活界でも学生側がしばしば語る文言ですが、実際にそれが行動として出来る人は案外少ないものです。(ある種これもマジックワードかもしれません)

相手意識を保つことはビジネスパーソンとして求められる基本的な素養でもあり、明らかに「部署による」で終わってしまうような質問を避けることはその一要素になり得ると考えます。

就活界のマジックワード5:「トータルソリューション」

就職活動への意識が高い学生が目指す典型的な業界として挙げられる外資系コンサル・外資系投資銀行。

特に前者の中でもBCG・マッキンゼーといった戦略コンサルと呼ばれる立ち位置の企業は採用数も非常に少なく、最上位の学生のみが内定を勝ち取る企業群とされています。

しかし、この "戦略コンサル" という言葉について、近年変化が生じてきているようです。

「パワーポイントで奇麗にまとめた提案資料をクライアントに発表する」といったいわゆるコンサルタントとして思い描かれがちなイメージとは離れ、近年はその実行部分まで携わるビジネスモデルに戦略コンサルと呼ばれる企業も移行しつつあることが指摘されています。

これまでの戦略コンサルのビジネスでは、"机上の空論" として世の中のニーズからはずれていっているのかもしれません。

そんな戦略策定部分にしか携わらない従来型の戦略コンサルと比較して、実行まで一気通貫で携わることを「トータルソリューション」と呼ぶことがあります。

システム開発において、自社は要件定義・外部設計といった上流工程のみ行い、コーディングを始めとした製造部分の多くは協力会社にほぼ丸投げする。こういったありがちな産業構造とは逆の考え方にあたるのがこのトータルソリューションになります。

「何でもやります」こそが最高だという風潮

このように、案件に一部分しか携わらないよりもフルラインで携わることこそが善であり、「自社で何でもやる」という姿勢が正しいような風潮は少なからずあると思っています。

例えば、高い技術力からクライアントへ多様なソリューションを提供できるといったことは強みとして示すには妥当性があるでしょう。

IBMは世界最大手のIT企業として約170カ国にわたるグローバルネットワークを有し、さらに長年蓄積されてきたノウハウや製品を保持しています。そのため、顧客の課題を解決する「武器」を多く揃えており、コンサルタントからすればクライアントに提案できる解決策の幅が広くとてもありがたいことだと思います。

参考:難易度はそこまで高すぎない?IBMのコンサルタントとして働く魅力

しかし、近年の業界の流れを見ていると、必ずしも携わるフェーズが多ければ多いほどよいというわけにはいかなくなってきているように感じます。

システム開発においては今や利便性の高いパッケージが数多く存在しており、ハードの手配云々から始めるオーダーメイドの提案が効率性に欠けることは想像に難くないでしょう。

世界的な技術力の進歩などにより業界として競合性が増す昨今。顧客が求めるものも当然変化しており、オーダーメイドかつ高品質なサービスというよりは、コスト削減や一部分に限定したピンポイントな機能へのニーズが高まってきている傾向にあるとも指摘されています。

三菱商事がひとつに連なったバリューチェーン構築(例:「飼料の生産→鶏肉の生産→鶏肉の加工→ケンタッキーなど小売流通」の流れをすべて支配する)に長けるのに対して、

伊藤忠商事は既存事業とのシナジーが見込める優良ビジネスをピンポイントで「点的支配」している(例:傘下にファミリーマートを持っている→レジ決済を強化するために決済サービス会社を買収する)、という指摘です。

参考:【伊藤忠商事】選考フロー別対策|ES・Webテスト・面接まで

また、この話は何もSIerに限ったものではなく、上記のように例えば総合商社の間でも業界内で「どこまで携わるか」によって立ち位置が異なることなるという指摘もあります(「何でも(全部)やります」の三菱商事・「これだけやります」の伊藤忠商事といったところでしょうか)。

これを見ても、「一連の流れに携わる三菱商事は善だが、一点に集中して携わる伊藤忠商事は悪」という考え方にはまずならないでしょう。

富士通やNECに代表されるような、自社でハードの製造とシステム開発も行い合わせて販売するようなビジネススタイルは、今後も落ち込んでいくという指摘が広くなされています。

クライアント側も情報化社会の波やシステム回りの発注選択肢が広がっていてきていることを受け、「とりあえず富士通に全部任せておけば安心」といったような考えには至らなくなってきているのが市場の流れとして指摘できるでしょう。

コスト削減や納入までのスピード感が高まっていけば、アジャイルやプロトタイプモデルといったクライアントからの要望変更に対応しやすい開発手法の割合も高まる可能性も考えられます。SIer志望者の方は、以下のようにトータルソリューションを志望理由の一つとして挙げる際にも、「なぜ自分がトータルソリューションがいいと考えたのか」について、先述したデメリットも考慮しつつ考えておくべきでしょう。

私がビジネスコンサルタント職を志望する理由は二点あります。一点は戦略から実行までというトータルソリューションを提供できるという点です。私は戦略だけに留まらず、クライアントの課題解決に最後まで立ち会うことこそコンサルタントの在るべき姿と考えます。もう一点は幅広い業界と関わることで課題に対して多角的な視点を得られるという点です。クライアントに最適解を提供するためには幅広い知識が必要であると考えます。

参考:アクセンチュア 【内定】エントリーシート(ビジネスコンサルタント)

今回のようなコンサルタントやSIerに限らず、世の中の動きやクライアントからのニーズが変われば求められるビジネスモデルも当然変化していくことになります。

「『良し』と言われているから良し」 ではなく、自身の価値観や市場動向などと照らし合わせながら、「良しの理由」について気づきを得るきっかけとしていただければと思います。

おまけ:就職後もつきまとうマジックワード

上司:「自分で考えて」
顧客:「認識の相違が...」  

今回は就職活動にまつわるマジックワードについて紹介していきましたが、実際にはビジネスの世界でもマジックワードが蔓延っている組織というものは存在しています。

「自分で考えて」と言っておけば、とりあえず自分ボールの状況を脱せるほか、相手方の当事者意識の欠如を指摘するといった教育的側面も「ありそう」(だが実際は自分がわかっていないだけ)というような話です。

また、最近ではよくメディア上でもネタ話として取り上げられていますが、本来日本語でも表現できる言葉を横文字で表現することで、あたかも凄そう/賢そうな雰囲気を出すこともあります。コンセンサス・ビジョン・プライオリティ・アグリー・イニシアティブ辺りがその典型でしょうか。

最後に

先輩のESは絶対に参考にすべき!自己PR・志望動機における守破離とは」でも述べたように、エントリーシートの書き方を習得するには、まずは先輩たちの中で評価されたものを真似るような形で記述してみることが有効と考えています。

とは言え、なぜそれが評価されているのかを理解しないまま思考停止で何となく写すだけでは意味がありません。これはマジックワードを用いる際にも近しいことが言えると思っています。

本来 "魔法の言葉" だったものが、気づいたときには空虚な言葉になっていた。

そんなことがないように、「正しい」とされる事柄に疑いを持つように。

魔法ではない、地に足のついた言葉で自分の魅力を伝えられる就活生になる第一歩として、本記事をご活用いただければと思います。

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自己PRで”オタクな部分”を語るべし!なぜ今の時代”オタク”が評価されるのか 自己PRで”オタクな部分”を語るべし!なぜ今の時代”オタク”が評価されるのか 「宇宙戦艦ヤマト」などの人気作品の誕生によりアニメブームが巻き起こり、1960年代からオタクというワードが浸透し始めました。近年では「鉄道オタク」「アイドルオタク」「漫画オタク」など、様々なオタクが存在します。そこで本記事では一般的にオタクと言われる人たちのエピソードは、就活に強いのかについて解説していきたいと思います。オタクとは世間では「オタク」という言葉が浸透していますが、実際オタクとは何なのでしょうか。実はオタクの定義は人によって解釈が違うので、未だに確立していません。しかし辞書的には以下のように説明されています。ある趣味・事物には深い関心をもつが、他分野の知識や社会性に欠けている人物引用:ウィキペディアつまりオタクとは表現を言い換えると、"一つのことを突き詰める能力が優れている人材"だと言うことができます。例えば、アニメファンの中でも特に知識が深かったりフィギュアやグッズをたくさん持っている人を「アニメオタク(アニオタ)」と呼びます。オタクと言うとあまり良い響きではないかもしれませんが、実は就活市場においてオタクは今や評価される人材になってきています。では、なぜオタクが評価される時代になってきているのか、解説します。オタクが評価される理由日本経団連が発表した「2018年度新卒採用に関するアンケート調査結果」では企業が選考で重視した点は16年連続で「コミュニケーション能力」が1位でした。このことからコミュニケーション能力は常に必須とされていることがわかります。しかし企業の考え方も年々変わってきており、林修の「林先生が驚く初耳学!」では超有名企業の採用担当者が「今はシュッとした優等生よりも、オタク気質を持った学生を採用する」と名言していました。なぜかというと広く浅くより、狭く深くが評価される時代に変化しつつあるからです。例えば、以下は狭く深くの経験の例になります。私は月に20冊の本を読む読書家です。これにより、知らないことへの謙虚さが身に付いたと考えております。また、有名な映画やクラシック音楽を積極的に鑑賞し、どの世代の方とも話が合うよう教養を高めました。さらに、家庭教師での体験を通じ、問題解決の際は相手の性格レベルまで寄り添って考える術を体得いたしました。学生団体での活動では適材適所を考え他者と協業するため様々な工夫をしました。このようにして商社で働くために必要な人間力を高めております。面接官はこの文章を読んで、この就活生に対して良い印象を受けるはずです。なぜなら月に20冊もの本を読んでいるということから、仕事においても何かわからないことに遭遇した際に自分から本を読み、改善しようと試みてくれるだろうと予想することができるからです。仕事をしていくとわからないことは必ず出てきます。そういった時にわからないことをそのままにせず、自分から行動してくれる人材は企業にとって必要となります。そのため、このような読書好きをアピールできている文章は評価されると言うことができます。今までは浅くても幅広い情報や知識を得ている方が良いとされていましたが、インターネットなどの進化に伴い、浅い情報や知識しかない人はインターネットが簡単に代替できる人材にしかなれなくなってしまいました。インターネットが代わりを務められる人材をあえて欲しがる企業なんてありません。オタクは一つのことに対してとことん深く追求することができるため、企業にとって必要な人材となる可能性を秘めています。こういった時代の変化によって、就活にオタクが評価されやすくなっていると言うことができます。オタクエピソードが評価されたES上記で述べたようにオタクは評価されやすくなっていると言われていますが、どのようなエピソードが実際に評価されているのか気になりますよね。今回は「一つのことを突き詰めることができる」という軸に焦点を当てて、大手企業で実際に評価されたESを紹介していきたいと思います。本選考ES:NHK(ヒッチハイク・サーフィンオタク)計画を綿密に立て、二週間のヒッチハイクで日本一周を行いました。趣味でヒッチハイクをしていますが、奇想天外な出来事の体験が楽しみで、計画を立てることはありません。しかし今回は、時間的制約がある中、日本一周をして達成感を得たいと考えました。そのため、時間内に居るべき場所を記入して計画を立てました。しかし始めてみると、間に合うか難しい状況でした。ボードを掲げて乗せて頂くまでの時間を正確に考慮出来ておらず、思った以上の時間を費やしてしまいました。そこで、ボードを掲げて受動的に待つと時間が掛かると思った場合、直接お願いをして時間短縮をしました。睡眠時間を削り、50人以上に話し掛け計画を果たしました。引用:NHK20卒本選考ES日本の良さを隅々まで伝える番組を制作したいです。私は大学でサーフィンを行っており、全国各地を回って活動してきました。サーフィンを行うと同時に、訪れた土地で出会う個性的な人、美味しい食事などの体験を映像にまとめて発信していました。Youtubeで多くの反響を得ることができ、改めて映像が持つ力と日本の良さを実感しました。生まれてから現在まで神奈川県で人生を過ごしてきた私にとって、日本の良さを全く知らなかったという事実を突きつけられると同時に、もっと多くの人に伝えたいと思うようになりました。今後はNHKの強大な発信力をお借りして、さらに日本の良さを伝えていきたいと思い、NHKを志望しています。引用:NHK20卒本選考ES本選考ES:三菱商事(スキー・将棋オタク)初心者から始めたため、経験のある同期部員らが颯爽と滑っている中、自分はうまく滑ることができずにこけてばかりで、非常に悔しい思いをしました。そこで自分の滑りをビデオに撮ってもらい、上手な人の滑りと何が違うのか、どういう動きをすべきなのかを自己分析しました。客観的なアドバイスも必要と感じ、先輩やインストラクターの方に自分の滑りを見ていただいたりもしました。そして、問題点を改善するために営業時間いっぱいまで滑り、数をこなしました。その結果、2回生の時にスキー検定1級を獲得することができました。3回生からは指導係として、初心者から始めた後輩の指導に当たりました。指導においては自らの経験を踏まえ、一人一人が問題点を自覚して練習に取り組み、成長を実感できるようにと心掛けました。最終的に私が指導を担当した5人中4人がスキー検定2級に合格することができました。引用:三菱商事19卒本選考ES私が学生時代に諦めずに取り込んだ事は「将棋」です。小学1年生から将棋を始め、大学でも部活動に所属しました。入部当初は団体戦の補欠にすら入る事が出来なかったため、入部と同時に1年以内に選手として団体戦に出場する事を目標に掲げました。まず、選手と自分の実力差を対局を通して明瞭化し、課題を3点に分類しました。対局の序・中盤における定石の知識と変化への対応力、終盤における読みの鋭さです。解決策として、プロの指し回しや戦型を勉強する事、知識を実践に応用するために対局数を増やす事を考え、部活動やネットを通して部員の2倍の時間を将棋に費やしました。しかし入部から6ヶ月後も部内外で成績を残す事が出来なかったため、練習の密度を上げるために高段者の部員と研究をする頻度や対局後の感想戦を多く取り入れ将棋に勤しみました。その結果、入部から1年後には選手になる事が出来、2年生の秋には団体戦で関東5位に貢献しました。引用:三菱商事20卒本選考ES最後に本記事では「一つのことを突き詰めることができる人材」という観点でオタクは就活に有利なのかについて解説してきました。企業側の求める人材像の変化に伴い、オタクエピソードでも就活に十分役立てることがわかります。本記事で最も大切なことは「突き詰めた経験」を語るということです。部活やアルバイトなどでアピールできる強みがないという人は趣味の延長線上でも良いので、何か突き詰めた経験がないか振り返ってみてください。自己PRのポイントを確認したい方は、下記の動画も参考にしてもらえればと思います。【関連記事】 26,568 views
不動産2トップ、三井不動産と三菱地所の牙城を崩したのはあの企業。その背景には綿密な経営戦略が!? 不動産2トップ、三井不動産と三菱地所の牙城を崩したのはあの企業。その背景には綿密な経営戦略が!? 1月の今日この頃、就活生は業界研究・企業研究に勤しんでいるかと思います。そこで、今回は就活生からの人気の高い不動産業界の大手企業6社を、各社が発表した2020年3月期第二四半期決算を基に分析してみました。IR情報・第二四半期決算などと聞くと、「IR情報で企業研究って難しそう」と思う就活生も多いかと思います。本記事では、IR情報の基本知識と各社のセグメント別の営業成績を、IR情報に馴染みのない就活生にもわかりやすく分析・解説しているので、業界研究・企業研究・他社比較に役立てていただけると幸いです。◆「IR情報」とはIR情報とは、英語でInvestorRelations、日本語では「投資家向け広報」と呼ばれるもので、企業が投資家向けに経営状況や財務状況、業績動向に関して発信している情報のことを指します。就活生がIR情報を分析するメリットとしては、定量的な数字で企業研究をすることができ、今後の注力する事業領域などを垣間見ることができます。◆年度の数え方IR情報での年度表記は、その年度の通期決算をする時期で表記します。例えば、「2020年3月期」という期間は2019年4月1日から2020年3月31日を指します。◆「第二四半期」とは一年間(12か月)を4つに分割した3か月の期間を四半期と呼びます。その年度の4月から6月末までが第一四半期、7月から9月末までが第二四半期、10月から12月末までが第三四半期、1月から3月末までが第四四半期となります。そのため、「2020年3月期第二四半期」という期間は2019年4月1日から2019年9月30日までを指します。第二四半期決算では、その年度の第二四半期(4月から9月末)までの決算報告となるため、上半期の経営状況の指標として用いられます。また、Quater(四半期)の頭文字「Q」を使って、2020年3月期第二四半期を2020/3-2Qと表記する場合もあります。◆「営業利益」とは売上高から、原価と営業活動に要した費用(販売原価や人件費)を差し引いた利益のことを指します。◆「営業利益率」とは売上高に占める営業利益額の割合です。営業利益率が高いほど効率的な営業活動をしていると言えます。本記事の構成過去4年間の営業利益の推移【2020年3月期第二四半期決算】不動産6社の営業利益比較【住友不動産】マンション供給の「量」×「質」で、第二四半期決算3年連続首位!【三井不動産】賃貸・分譲・マネジメントとバランスよく増益。海外事業のさらなる拡大を目指す。【三菱地所】キャピタルゲインの計上時期が下半期にずれ込むも、通期予想では順調。依然丸の内ビル事業が牽引。【東急不動産】投資家向け不動産販売が不調も、住宅事業は好調。広域渋谷圏構想による渋谷再開発も順調に進行中。【森ビル】投資家向け不動産販売を抑えたことで、分譲事業が前年同期比-82億円と大きく減益。虎ノ門・麻布台プロジェクトに着工。【野村不動産】住宅事業の第四四半期ずれ込みにより大幅減益も、主力の都市開発事業は順調に推移。デベロッパー業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介まとめ過去4年間の営業利益の推移昨年度(2019年3月期通期決算)も含めた過去4年間分の営業利益の推移を示すグラフは以下の通りです。【期間の見方】2016年3月期:2015年4月1日~2016年3月31日2017年3月期:2016年4月1日~2017年3月31日2018年3月期:2017年4月1日~2018年3月31日2019年3月期:2018年4月1日~2019年3月31日上記グラフを見ると、三井不動産・三菱地所・住友不動産の営業利益が過去4年間で順調に推移していることがわかります。不動産業界のトップランナーは変わらず三井不動産。2017年3月期通期決算から三菱地所が次いで二番手。その2社を追いかけるのが住友不動産という構図です。昨年度の不動産業界4位は、過去4年間を通して毎年度微増している東急不動産でした。それに対し、野村不動産・森ビルの営業利益は過去4年間でほぼ横ばいの状況です。【2020年3月期第二四半期決算】不動産6社の営業利益比較【2020年3月期第二四半期決算】は以下の通りです。また、過去4年間分を合わせたグラフを作成しています。【期間の見方】2017年3月期第二四半期:2016年4月1日~2016年9月30日2018年3月期第二四半期:2017年4月1日~2017年9月30日2019年3月期第二四半期:2018年4月1日~2018年9月30日2020年3月期第二四半期:2019年4月1日~2019年9月30日【2020年3月期第二四半期決算】を、前年同期比で対比させてみると以下のようになります。住友不動産:1,375億7300万円(前年同期比9.8%の増益)三井不動産:1,186億400万円(前年同期比5.8%の増益)三菱地所:922億7600万円(前年同期比13.7%の減益)東急不動産:316億8200万円(前年同期比1.5%の減益)森ビル:305億円(前年同期比15.0%の減益)野村不動産:216億8400万円(前年同期比16.7%の減益)このグラフから読み取れることとして、最も大きなポイントが、住友不動産が【2018年3月期第ニ四半期決算】から3年連続で首位に立っていることです。住友不動産・三井不動産が前年度同期比で増益、東急不動産が微増、三菱地所・野村不動産・森ビルが減益という結果になりました。また、不動産業界全体に影響を及ぼすようなトレンドは以下のようなものが挙げられます。「2019年上半期、首都圏の新築マンション供給戸数減少も、平均価格は上昇」首都圏における2019年上半期の新築マンションの新規供給戸数は、前年同期(2018年上半期)の1万5,504戸から2,068戸(13.3%)減少の1万3,436戸で、上期としては3年ぶりの減少となり、「1992年(1万959戸)以来の低水準」となった。2019年下半期の供給戸数は2万3,500戸を見込んでおり、2018年下半期と比べ8.7%増加すると見ている。2019年上半期の1戸当たりの平均価格は6,137万円(同2.9%上昇)で、上半期としては2013年以降7年連続で上昇した。㎡単価は平均90.7万円(同3.7%上昇)で、平均価格と同様、7年連続で上昇した。【引用】「首都圏マンション市場動向」(不動産経済研究所)「2020年東京オリンピック後の不動産マーケットはどうなる?」2020年の東京オリンピック開催が決定したのが、2013(平成26年)年9月ですが、確かに、その位の時期から不動産マーケットは上昇傾向となりました。その時期から地価公示価格の地価変動率推移が一都三県を中心として上昇に転じています。(中略)東京オリンピック後に、リーマンショック級の世界的な経済危機といった不可抗力な事態の発生を除けば、不動産マーケット全体が暴落に転ずることは考えにくく、緩やかな後退をするエリア・分野や、極地的な上昇をするエリア・分野、底堅く平行線をたどるエリア・分野など、かつてないほど多極化した不動産マーケットの状況を迎えるかもしれません。【引用】2020年東京オリンピック後の不動産マーケットはどうなる?(三井不動産リアルティ)ここからは、各社ごとの営業利益の増減要因や今年度の通期予想などについて、【2020年3月期第2四半期決算】を基に分析していきます。【住友不動産】マンション供給の「量」×「質」で、第二四半期決算3年連続首位!住友不動産の2020年3月期第二四半期決算は1376億円の営業利益となり、前年同期の1252億円から9.8%の増益となりました。この結果、第二四半期での営業利益額は三井不動産・三菱地所を抑え"3年連続首位"に立ちました。今期決算分析前年同期比9.8%増益、第二四半期決算では不動産業界首位に立った住友不動産。その要因として考えられるのは、"販売事業の上半期集中"と"賃貸事業の好調"です。住友不動産の過去4年間の第二四半期決算を見てみると、販売事業の通期予想に対する第二四半期までの進捗率に変化があることがわかります。【販売事業の対通期予想進捗率】2016年3月期第二四半期:49%2017年3月期第二四半期:67%2018年3月期第二四半期:77%2019年3月期第二四半期:95%2020年3月期第二四半期:99%このように、2017年度3月期第二四半期から通期予想に対する進捗が上半期に集中していることが分かります。これは、後述する中期経営計画の「量を追わず利益重視で販売ペースをコントロールしていく」「競争激化の用地取得環境が続く中、『好球必打』で着実に確保する方針は継続する」という方針が関わっていると思われます。不動産業界全体として賃貸・販売の需要が集中しやすい第四四半期を待たずに「好球必打」で確実な利益を確保する戦略のため、通期予想の進捗が上半期集中になっているものと思われます。その結果、マンション供給戸数では不動産業界5年連続首位に立っています。また、供給戸数という「量」で首位であることに加え、今後は量よりも利益重視の方針により甘い値付けや値引きをしないで「質」を追い求めていくようです。そのため、三井不動産(分譲事業:347億円)、三菱地所(住宅事業:47億円)に対して、住友不動産の販売事業は464億円の営業利益を第二四半期で記録し、業界首位に立っています。※分譲住宅マンションの販売を行っている事業が、三井不動産では分譲事業、三菱地所では住宅事業、住友不動産では販売事業にあたります。【参考】「住友不動産、事業主別供給戸数で5年連続の全国・首都圏第1位」(日本経済新聞)マンション販売事業が住友不動産の一つの強みではありますが、セグメント別営業利益を見てもわかる通り、住友不動産の主力事業はやはり賃貸事業です。住友不動産は、三井不動産や三菱地所などのように所有物件の売却を繰り返し数百億円の利益を得るようなビジネスをせず、物件を所有し続け賃貸事業や販売事業に回しています。第七次中期経営計画(2017年3月期~2019年3月期)での東京都心への賃貸ビル投資という方針で開発した既存ビルが、昨今の東京都心でのオフィスビルの需要・空室率の低下・賃料の上昇という好調な市場環境の下で功を奏したことが好調の要因です。そのために、賃貸事業では既存物件の賃貸収益だけで、前年同期比61億円の増益、新規物件を合わせて賃貸事業では前年同期比65億円の増益の837億円の営業利益、39%という高い営業利益率を叩き出しています。住友不動産は、第二四半期決算発表後の通期予想営業利益を2,340億円と見込んでおり、これは三菱地所の通期予想の2,300億円を追い抜き、2,800億円を見込んでいる三井不動産に次ぐ業界二位に躍り出る可能性があります。下半期の住友不動産と三菱地所の動向により、不動産業界の情勢に変化が起こる年になりそうです。【参考】【住友不動産】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画住友不動産は2019年5月に第八期中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)を発表し、今年度はその初年度にあたります。経営計画の概要は以下の通りです。第八次中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)✔業績目標→中計最高営業成績連続更新、営業利益三か年累計7,400億円の達成(第七次中計+1,268億円、+21%)✔賃貸設備投資計画→収益基盤強化のため、東京都心における賃貸ビル投資を継続推進✔部門別業績目標→東京のオフィスビル賃貸を成長の柱に<事業戦略>①不動産賃貸→好調な市場環境に支えられた七次を上回る利益成長を目指す②不動産販売→七次で実現した高水準の利益規模を維持する③完成工事→リフォーム(新築そっくりさん)は、六次までの停滞から脱した七次の成長路線を継続する④不動産流通→グループの連携を一層強化し、九次以降の成長基盤を構築する住友不動産は、第八次中期経営計画において賃貸事業を継続的に成長させ、三か年累計の目標営業利益は第七次比+1,145億円の5,300億円としています。第七次中期経営計画(2017年3月期~2019年3月期)で投資した東京都心のビルが2020年3月期第二四半期では既存ビルとして大きな収益源となったことを踏襲し、継続的に東京都心の賃貸ビルへの投資を行うことでさらに収益力を強化させることで実現させる計画です。また、販売事業においては用地取得が激化している環境を踏まえ、量を追わず利益重視で販売ペースをコントロールし、「好球必打」で着実に確保する方針は継続することで、七次の利益規模を維持する方針です。【参考】【住友不動産】第八次中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)【三井不動産】賃貸・分譲・マネジメントとバランスよく増益。海外事業のさらなる拡大を目指す。三井不動産の2020年3月期第二四半期決算は1186億円の営業利益となり、前年同期の1121億円から5.8%の増益となりました。全社消去とは→各セグメントのどこにも分類できない営業利益・営業経費を加算したもの。今期決算分析前年同期比5.8%の増益の要因としては、賃貸事業・マネジメント事業の好調が挙げられます。賃貸事業では、日本橋・八重洲を中心としたオフィスビル、LaLaportやMITSUIOUTLETPARKなどの商業施設といった事業が、賃料改定と空室率の低下により、増益しました。(当期:782億円・前年同期比9.2%の増益/前年同期:716億円)三井のリパークやマンション管理などを手掛けるマネジメント事業も好調で、受託物件の増加により安定した収益に成長しました。(当期:288億円・全同期比19.5%の増益/前年同期:236億円)三井不動産は第二四半期決算発表後に、2020年3月期通期決算での営業利益予想を当初の予想よりも130億円上乗せの2800億円に上方修正しました。機関投資家向けの収益不動産の開発・売却を行う投資家向け分譲事業の営業状況が順調で、通期での分譲事業での営業利益を1240億円と見込んでいることが、通期予想の上方修正の要因となっています。住友不動産は第二四半期決算発表後に通期予想2340億円と見込んでいるのに対し、三井不動産は2800億円を見込んでいることから、三井不動産は通期での首位奪還を見込んでいます。【参考】【三井不動産】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画三井不動産が2018年5月に策定した中期経営計画「VISION2025」では以下の3点を重視して取り組んでいくと明言しています。主要な取り組み方針✔街づくりの一層の進化✔リアルエステートテック活用によるビジネスモデルの革新✔海外事業の飛躍的成長リアルエステートテック(不動産テック)とは→IoT機器やAIなどのテクノロジーを、不動産販売・賃貸・管理の仕組みに取り組むこと。上記の3点の取り組みの中から、三井不動産の強みである海外事業について取り上げます。2019年3月期通期決算での海外事業営業利益は554億円で他社と比較しても高く(三菱地所海外事業:269億円/2019年3月期)、三井不動産の2019年度連結営業利益のうち19.8%を占めています。2019年3月期における、ハドソンヤード(ニューヨーク)・テレビジョンセンター(ロンドン)の賃貸事業(オフィスビル)や、三井アウトレットパーク台中港(台湾台中市)などの賃貸事業(商業施設)などの竣工が海外事業の成長の一因と考えられます。三井不動産はVISION2025の中で、2025年までに連結営業利益に占める海外事業の営業利益を30%程度まで成長させる目標を打ち立てていることから、賃貸を中心とした海外事業がますます展開されていくと思われます。【参考】【三井不動産】VISION2025【三菱地所】キャピタルゲインの計上時期が下半期にずれ込むも、通期予想では順調。依然丸の内ビル事業が牽引。三菱地所の2020年3月期第二四半期決算は923億円の営業利益となり、前年同期の1069億円から13.7%の減益となりました。今期決算分析前年同期比13.7%の減益の要因は、キャピタルゲインの計上時期・国内分譲マンションの引渡時期の差異が考えられています。【キャピタルゲインとは】保有している資産を売却することで得られる売買差益のこと。キャピタルゲインに対し、資産を保有することで得られる収益(利息や配当)をインカムゲインといいます。三菱地所が保有していた不動産を売却したにも関わらず、その収益を第二四半期決算に計上できなかったために、前年同期よりも減益したと考えられています。キャピタルゲインを下半期に計上した際の取引状況は順調のようです。また国内分譲マンションの営業利益計上も下半期に偏重していることも減益の要因となっています。キャピタルゲインの上半期計上額は前年同期から90億円減益の120億円にとどまりましたが、下半期での計上にずれ込んだことで、下半期は前年同期から120億円増益の390億円、通期では前年度から30億円増益の510億円を予想しています。第二四半期決算だけを見ると三菱地所は不調かと思うかもしれませんが、しっかりと通期予想と併せてIR情報を分析しなければいけないことがわかります。セグメント別に見ていくと、三菱地所の主力事業はビル事業であることは一目瞭然です。連結営業利益の65.9%をビル事業が担っています。昨今の強いオフィス需要による追い風により、丸の内を中心としたビル事業では昨年度から53億円増益の1530億円の営業利益という通期予想になっています。その要因の一つである既存ビルの賃料の改定により、賃料収益の増益が2020年3月期第二四半期で22億円、通期予想で38億円に到達する見込みで、過去5年間で200億円超の増益を実現しました。丸の内のみならず、2019年8月には新宿駅直結ビルリンクスクエア新宿が竣工し、竣工時満室にて稼働しており、ビル事業は順調なようです。また、主力のビル事業のみならず生活産業不動産事業では、御殿場など6サイトのアウトレットで上半期収益で過去最高を更新し、前年同期から24億円の増益となりました。海外事業も好調で、アメリカのビルをリニューアルし2019年12月に全体竣工、リーシング内定率は95%となっています。イギリスでも保有物件を売却し、新規物件の建築工事にも着手しています。【リーシングとは】商業用不動産の賃貸を支援する業務のことで、物件に対するテナント付けや物件の収益性を高めるための一連の業務も含まれます。海外事業においても賃貸収益・キャピタルゲインの増加に伴い、前年同期より100億円増益の370億円という通期予想となっています。前述した通り、アウトレットを手掛ける生活産業不動産事業や海外事業が成長していることは間違いありませんが、連結営業利益の65.9%を占めるビル事業が依然として三菱地所の屋台骨を支えています。三菱地所は第二四半期決算発表後に通期予想2,300億円の営業利益を見込んでいます。これは、通期予想2,800億円を見込んでいる三井不動産、2,340億円を見込んでいる住友不動産に次ぐ三番手となっています。今年度の三菱地所は昨年度の2位から一つ後退し、住友不動産に抜かれる可能性があります。【参考】【三菱地所】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画2020年3月期は三菱地所の中期経営計画の最終年度に該当し、第二四半期決算発表ではその目標に対する予想営業利益も提示しています。今回の中期経営計画は以下の通りです。三菱地所グループ中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)✔丸の内エリアを中心とする大型プロジェクトの竣工・稼働寄与→開発・運営ノウハウ、ブランド力を最大限に発揮し、確実な収益を獲得✔海外事業の拡大・進化→三菱地所グループの競争力を発揮できる事業スタイルに注力し、利益成長を実現✔「回転型投資」のバリューチェーン活性化→優良物件の供給を通じ、売却益を獲得するとともに、多様なフィービジネスを展開三菱地所の中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期の3年間)に対して、各指標が無事に着地する見通しであると決算発表会で述べています。生活産業不動産事業で目標比-20億円、投資マネジメント事業で目標比-40億円と当初の目標に到達しないと予想しています。しかし、中期経営計画において注力すると明言していたビル事業では目標比+150億円、海外事業では+80億円、キャピタルゲインは目標比+130億円と予想しています。そのため、連結営業利益では目標比+100億円の2,300億円に到達すると予想しており、今回の中期経営計画は無事目標に到達する見込みです。【参考】【三菱地所】三菱地所グループ中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)【東急不動産】投資家向け不動産販売が不調も、住宅事業は好調。広域渋谷圏構想による渋谷再開発も順調に進行中。東急不動産の2020年3月期第二四半期決算は316億円の営業利益となり、前年同期の322億円から1.5%の減益となりました。今期決算分析前年同期比1.5%の減益となりました。この要因の一つとされているのが、前年同期比-24億円となってしまった都市事業の不調です。投資家向けビル等売却収益が減益したため、都市事業の減益に影響したようです。この都市事業では、東急電鉄沿線エリア、特に渋谷を中心に都市開発を進めてきました。今期は渋谷ソラスタ、渋谷フクラスが竣工、渋谷駅桜丘口地区再開発も10月に着工し、開発ペースは順調の様子です、減益した都市事業とは違い、住宅事業では前年同期比+24億円と好調で、さらに分譲マンションの引渡時期や物件売却が第四四半期に集中する傾向にあるため、第二四半期時点では通期の計画に対して順調に進捗しているそうです。第二四半期決算発表後の通期予想は、当初の予想よりも100億円上乗せの820億円を見込んでいます。通期予想800億円を見込む野村不動産や、620億円を見込む森ビルなどと比べると、東急不動産が一歩抜きんでるかもしれません。【参考】【東急不動産】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画今年度は東急不動産の中期経営計画「ValueFrontier」(2017年3月期~2020年3月期)の最終年度に当たり、近年の東急不動産の経営計画がどのように決算に影響していたか考察していきます。ValueFrontier✔関与アセット拡大✔新たな需要創出3つの成長戦略(1)ライフスタイル提案型の街づくり→【広域渋谷圏構想】(2)循環型投資事業の領域拡大→インフラ・インダストリー・ホテル・リゾート・学生レジデンス(3)ストックの活用強化東急不動産が強みとしている渋谷において【広域渋谷圏構想】を打ち出し、東急グループ全体での渋谷再開発を進め、個別プロジェクトの開発からエリアマネジメントや管理・運営までを含めたグループの独自性を打ち出す街づくりを進め、関与アセットの価値を高めます。また、太陽光発電事業、風力発電事業などの再生可能エネルギーへの投資も積極的に行っています。この中期経営計画では、2021年度3月期通期決算までに950億円の連結営業利益を目標としていますが、今期の通期予想が820億円に留まっているため、目標達成に向けてさらなる追い上げが必要になりそうです。【参考】【東急不動産】ValueFrontier2020【森ビル】投資家向け不動産販売を抑えたことで、分譲事業が前年同期比-82億円と大きく減益。虎ノ門・麻布台プロジェクトに着工。森ビルの2020年3月期第二四半期決算は305億円の営業利益となり、前年同期の359億円から15%の減益となりました。今期決算分析今期決算全体では、前年同期比-54億円・15.0%減益の305億円となりました。この大きな要因が分譲事業での前年同期比-82億円の大きな減益が挙げられます。その中でも特に、投資家向け不動産販売事業が前年同期比-181億円の減益となっています。森ビルは通期予想でも分譲事業で前年度比-66億円と見込んでいます。森ビルは2019年8月に虎ノ門・麻布台プロジェクトに着工しました。他にもグローバルビジネスセンターの形成を予定しています。ここから、森ビルが所有している物件を新規プロジェクトに回すために、投資家向け不動産販売事業を抑えたことが要因かと推測できます。他の不動産が用地を取得してから再開発するのに対して、森ビルは六本木ヒルズや虎ノ門、麻布など高稼働・高単価の物件を港区に多数所有しており、その土地を再開発しているために用地取得コストがかからず事業効率が良くなっています。実際に、主力事業の賃貸事業では高単価の賃料と99%のオフィス稼働率(2019年3月期)があいまって、前年同期比+12億円の194億円の営業利益を出しています。この賃貸事業での営業利益利益率は25.2%と高いです。【参考】【森ビル】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料主要プロジェクト:「虎ノ門・麻布台プロジェクト」「ヒルズの未来形」「総事業費は六本木ヒルズの2倍の5800億円」メインタワー付近には、約700人の生徒が学べるインターナショナルスクールを誘致した。「ヒト・モノ・カネを呼び込むには、外国人が働き、住み、学べることが重要だ」(森ビルの辻慎吾社長)。虎ノ門や六本木エリアには外資系企業が集積し、今回のヒルズのオフィステナントも半数が外資系企業になる予定だという。働くだけでなく、子どもも育てられる機能を付加することで、海外の企業や外国人が集まる拠点にしていきたい構えだ。【引用】森ビル、虎ノ門「第2ヒルズ」に勝算はあるか(東洋経済ONLINE)森ビルが構想から30年を経て着手した虎ノ門・麻布台プロジェクト。その総事業費用は六本木ヒルズの2倍である5,800億円を投じる計画です。東京をさらなるグローバルな都市にするために、虎ノ門を「ヒト・モノ・カネ」が集まる街とすることが目的のようです。オフィス面積・居住可能人数ともに六本木ヒルズよりも規模の大きい開発を予定しているため、竣工予定の2023年以降にさらなる賃貸事業・分譲事業で増益が見込めますが、このプロジェクトの成否によって大きく左右されると思われます。【参考】【森ビル】虎ノ門・麻布台プロジェクト【野村不動産】住宅事業の第四四半期ずれ込みにより大幅減益も、主力の都市開発事業は順調に推移。野村不動産の2020年3月期第二四半期決算は217億円の営業利益となり、前年同期の260億円から16.7%の減益となりました。CREとは→CorporateRealEstateの略で、日本語では「企業不動産」という。企業が事業のために保有している事務所、店舗、工場、福利厚生施設などのすべての不動産を指す。今期決算分析前年同期比16.7%の減益となり、今回取り上げている6社の中で最も大きい減益率となりました。その大きな要因となっているのが、野村プラウドなどのブランドが有名な住宅事業での減益です。マンションと一戸建てを併せた今年度の予定計上戸数が5,100戸であるのに対して第二四半期までには997戸で、一見すると低調な進捗に思われます。しかし、今年度計上予定物件の多くが第四四半期に完成予定であり、通期の計上予定物件に対する第二四半期までの契約進捗率は81.8%と順調です。つまり、契約は取れているが、その物件の引き渡し時期が第四四半期に集中するため、第二四半期では大きく減益してしまったと読み取ることができます。野村不動産の主力事業は、オフィスビル賃貸や商業施設賃貸を行う都市開発事業です。2020年3月期の通期予想での連結営業利益に対する都市開発事業の営業利益は48.1%と野村不動産の利益の約半分を担っています。その都市開発事業の今期の営業利益は188億円・前年同期比+11.4%と好調に推移しました。これは、主に物件売却収入の増加が要因になっています。しかし、都市開発事業のオフィスビルや商業施設での第二四半期空室率は4.3%(前年同期比+0.4%)となっています。空室率の上昇は、オフィスビルや商業施設で空きテナントの割合が増加してしまい、その分の賃料収益が減少することを意味しています。ちなみに、三井不動産賃貸事業のオフィスビルや商業施設での第二四半期空室率は2.0%ですので、野村不動産のほうが2倍高いことが分かります。野村不動産は空室率の改善が今後の課題となりそうです。【参考】【野村不動産】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画野村不動産は2020年3月期~2028年3月期までの9年間にわたる中長期経営改革「NewValue,RealValue」を策定し、今年度はその初年度にあたります。経営計画の概要は以下の通りです。NewValue,RealValue✔連結営業利益:850億円(2022年3月期)(都市開発事業:330億円/住宅事業:330億円)✔分譲・売却事業国内・海外を問わず、分譲住宅事業及び収益不動産開発事業を積極的に展開し、開発利益の拡大を実現。✔保有・賃貸事業優良な賃貸資産の開発と戦略的な物件入替により、競争力の高い賃貸資産ポートフォリオを構築し、安定した賃貸利益を実現。✔海外事業国内で培ったノウハウを活かして事業を展開し、フェーズ3(2026年3月期~20228年3月期)における海外事業の利益比率を15~20%まで拡大。第二四半期で収益用不動産の売却収入が好調だったことで、都市開発事業での営業利益が全同期比+19億円の188億円となっています。今後も国内外を問わずに収益用不動産開発事業を拡大させることで、営業利益を330億円までに成長させる計画です。また、中長期経営計画では、海外事業の展開を示唆しています。すでに進出しているタイ・ベトナム・フィリピンなどの東南アジアでさらに事業を拡大させていくだけでなく、新たな国にも拡大し、2028年3月期までに連結営業利益に占める海外事業の割合を15~20%までに成長させていく姿勢です。【参考】【野村不動産】NewValue,RealValue(2020年3月期~2028年3月期)デベロッパー業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別のLINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際にデベロッパー業界志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。デベロッパー業界志望者向けグループに参加したい方はこちらをクリックまとめ今回は、不動産6社のIR情報を第二四半期決算を基にまとめました。第二四半期では、過去3年間住友不動産が首位となっていますが、その理由を紐解いていくと、住友不動産の中期経営計画に基づく賃貸事業での営業方針が要因の一つとして考えられます。このように各社の経営状況をIR情報を基に分析してみることで、企業ごとの経営方針や各事業部での好不調が見えてきます。さらに中期経営計画と併せて分析してみると、各社が今後注力していきたい事業領域も明白になってきます。第二四半期決算は短期的な実績に過ぎないため、あくまで現時点での各社の経営状況ということに留意した上で、企業研究・業界研究・他社比較に本記事を役立ててもらえればと思います。不動産業界研究科関連記事はこちらから不動産の業界研究記事一覧決算・IR情報に関する記事はこちら不動産6社に関する記事はこちら◆住友不動産◆三井不動産◆三菱地所◆東急不動産◆森ビル◆野村不動産下記の動画では不動産業界の全体像を紹介していますので、参考にしてみてください。 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就活生が伝えがちな自己PRで伝えてはいけない3つの強み 就活生が伝えがちな自己PRで伝えてはいけない3つの強み 就職活動を始める前にさきがけて、多くの人が学生時代頑張ったことや自己PRを書き始めているのではないでしょうか。今回は多くの就活生が強みとして伝えようとするものの、企業側にはあまり響かない三つの強みについてお伝えしたいと思います。もしあなたが今回ご紹介する強みを自己PRで使おうと考えているのであれば、このコラムを参考にもう一度考えるきっかけにしてもらいたいと思います。響かない強みの例(1):努力ができるあなたがどれほど努力ができる人かは、「学歴」、「資格」、「部活・勉強での成績」など履歴書に書いてある事項である程度評価されてしまっています。また特に総合職においては努力できることが、成果を上げる上で必要だという前提条件だと考えているため、わざわざアピールする必要のない強みと言えます。【関連記事】響かない強みの例(2):論理的思考力これも就職活動になると急に、企業が求めている能力は「論理的思考力」であると言われて勘違いしてしまうのか、エントリーシートや面接でも、「論理的思考力があります!」と話し始める学生が結構多くいます。但し、あなたが論理的思考力を有しているかどうかは、エントリーシートや面接で話をすればすぐにわかってしまうことです。「論理的に考えれば、論理的思考力があるって面接で伝えても意味ないってわかるよね?」ってのが採用担当者の本音です。口で伝えるのではなく、話している内容で論理的思考力の有無を伝えるようにしましょう。響かない強みの例(3):コミュニケーション能力先ほどの論理的思考力と同じように、あなたにコミュニケーション能力があるかどうかはエントリーシートや面接で話をすればすぐにわかります。これも論理的思考力同様に、口答で伝えるのではなく、話の内容で伝えるべきことでしょう。【関連記事】伝えるべきなのは「上位互換の能力」企業が求めている強みは「努力ができる」、「論理的思考力がある」、「コミュニケーション能力が高い」の先にあるものです。例えば、リーダーシップを発揮する上では、自分が誰よりも努力をしてその姿をチームのメンバーに見せる必要があります。また論理的思考力・コミュニケーション能力は、メンバーに自分のビジョンを共有し、何を協力してもらいたいのかわかりやすく伝える上で重要になります。またゼロから企画を立ち上げ、実現していくチャレンジ精神を発揮する上でも、努力・論理的思考力・コミュニケーション能力の三つが高いレベルで必要とされるでしょう。目標達成や課題解決する上でも、まずは目標を定め、そこから計画を論理的に立て、その上で地道に努力を続ける必要があります。このように単発の強みを伝えるのではなく、リーダーシップ、チャレンジ精神といったより上位概念の強みを伝えることで、努力ができる・論理的思考力・コミュニケーション能力といった強みを同時に伝えることが可能です。最後に自己PRや学生時代頑張ったことをまとめていると、どうしても自分が書きたいことを書くのに精一杯になってしまい、自己PRの本来の目的である「企業が求めている人材であることを伝える」ということを忘れてしまいがちです。企業がどんな人材を求めているのかについては常に意識した上で、自分自身の経験をどう伝えれば最も魅力的なのかという視点で考えて欲しいと思います。また、以下の動画では、企業がどんな人材を求めているかという意識を持ったうえで、どのように自己PRを書いていけばよいか、フレームワークをもとに解説しているので、確認してみてください。 115,910 views
就職留年した東大生が語る!プライドが邪魔をして失敗してしまう東大生の就活 就職留年した東大生が語る!プライドが邪魔をして失敗してしまう東大生の就活 16卒の東大就活生です。本来15卒でしたが就活留年しています。学歴があるから就活も順調にいくはずなのに、なぜ?と思われる方も多いと思います。そこで、今回は、東大生が就活でつまずくワケと対策について説明したいと思います。東大就活生の傾向東大生と慶應・早稲田生の就活を比較してみます。①個人プレイVSチームプレイ東大生は、難関受験を乗り切った自信があります。そのため、自分ひとりの力でやってしまおうと考える人が多いと感じます。一方で、慶應・早稲田生たちは、就活仲間を積極的に作る傾向があります。そして、就活の選考の情報の共有をします。また、仲間がいることで就活のプレッシャーに耐えることができます。②インターンに行かないVSインターンに行く東大生は、他大生と比べるとインターンに行かない傾向があります。「自分は東大生だから就活なんて余裕です」という自信家が多いでしょう。そのため、就活解禁になってからやっと、就活の情報を集め始めるという人もいます。一方で、慶應・早稲田生は、部活やサークルがあっても、夏のインターンに行く人が多いです。理由としては、就活に対して不安がある・大学受験は失敗したが、就職先でリベンジしたい・就活仲間を作りたいなどがあると思います。③状況に対して、柔軟に対応できないVS対応できる面接やグループディスカッションでは、状況に応じて、話し方や役割を柔軟に変える必要がある場合があります。東大生は自分を曲げることが苦手で、強く主張してしまいがちなことがあります。そのため、人事の評価が下がる可能性があります。一方、慶應・早稲田生は、面接官やGD参加者といった異なる状況によって、柔軟に対応できることが多いでしょう。また、面接・OB訪問のフィードバックから、自分の改善すべき点をしっかり変えることができる傾向があると思われます。他にも違いはあると思いますが、おおよその東大生の就活の傾向を見てきました。次に東大生の働きたい会社について見ていきます。東大生の働きたい会社東大生の希望就職先についての結果が以下となります。東大生の就職したい企業について過去にunistyleにてランキングを集計しています。一位が三菱商事、二位が三井物産と総合商社が強く、マッキンゼー、アクセンチュア、ゴールドマンサックスと外資系コンサルおよび投資銀行が続く結果となっています。東大生の高いプライドが影響しているのか、業界トップの企業と業界3番手企業の差が激しく、総合商社でも伊藤忠商事に入るのであれば、三井不動産や三菱地所など業界のトップにいきたい気持ちが強いのかもしれません。〈東大生の第一志望群人気ランキング〉①トップ層(約3%)花形の職業を志望し、しっかりと内定を取っていくことが多いです。例えば、外資金融・外資コンサルやアナウンサー、国際機関など。彼らの経歴は、学生団体や起業、留学、ミスコンなどの活動など。②上位層(約20%)夏のインターンに参加したり、将来のビジョンを明確にしつつ就活を進める学生たち。外資系に行きたいが、留学経験ややりきった経験が少なく、商社・メーカー・銀行といった比較的安定した企業に行くことが多いです。③マス層(約70%)3年の冬休み~就活解禁後に、就活を意識し始める学生たち。研究やサークル・部活などで就活を始める時期が遅れてしまうことがあります。そして、周囲の内定を取った学生の話をきいて焦ったり、意外と就活がうまく行かないことに気づいていきます。就活に関する情報が少ないため、あらゆる業界の説明会に参加・エントリーをしていく人が多いでしょう。④ベンチャー志向(約5%)ベンチャーを志望したり、起業したため就職せずに卒業する学生たち。ところで以前、東洋経済onlineでこのような記事がありました。参考:「激変、東大生の就活!新御三家はこの3社!」数年前まで、ベンチャー志向の東大生が増え、リンク先の記事のようにグリーやDeNAを志望する学生も多かったのですが、ソーシャルゲームのバブル崩壊後は就職人気も落ち着いているように思います。現在では、グリーやDeNA、外資系企業よりも日系の大手企業、特に総合商社の人気が高いようです。そうはいってもシステム創成学科などはベンチャーの人気が高く、理系の中でも生物や物理系を専攻する学生は大手メーカー志望が多いなど、東大の中でも学部によって若干の違いがありますが、この点については今後書きたいと思います。東大生の希望就職先を見てきました。次に、いわゆる「コミュ障」についてお伝えします。東大生がコミュニケーションがとれないのはなぜ?!東大生は基本的なスペックは高い人が多いです。勉強が得意なので、一つのことを極める能力が高い傾向があります。そのため、趣味や研究に関しては、数学オリンピックやマジックの世界大会出場・世界レベルの研究成果を残す人もいます。つまり、多くの人はユニークな実績・経験を積んできています。しかし、伝える力が欠けている傾向があり、エントリーシートは受かるものの、面接で落ちてしまう人がいます。なぜうまくコミュニケーションが取れないのでしょうか。大きく2つの要因があると思います。①経験を客観的に見る機会が少ない。好きなことをがむしゃらに取り組んできたわけです。しかし、「挫折への対応」や「改善したこと」といった面接でよく聞かれる質問に対し、経験を整理できていないことが多い。そのため、上手く話せないのではないでしょうか。②面接の練習が少ない。①にもつながることですが、面接の練習が足りないと思われます。「自分はこれだけの経験や実績があるのだから、第一志望は受かるはず、となると滑り止めは必要はないのでは。」と考えてしまう人が多い印象です。第一志望を練習なしに受けてしまうことで、頑張ったことや志望動機を上手く伝えることができないことが多いのではないでしょうか。さて、これまで東大生の就活事情について見てきました。最後に、私の去年の反省点を交えて、うまくいくコツをお伝えしようと思います。就活が成功する東大生、うまく行かない東大生の傾向15卒の時の就職活動の反省点は「東大生であるプライドが高すぎた。」プライドが高いと。。。就活開始の時期は遅い。就活仲間を作らず、一人ですべてやろうとする。大した実績や経験はないのに、自信だけはある。有名企業に行かないと東大のブランドがもったいない。などの失敗する要因がどんどん増えていきました。そのため、就活に対してネガティブな気持ちが高まり、就活を放棄してしまいました。就活で必ず第一志望に受かるコツはおそらくないと思います。しかし、インターンや説明会で就活仲間を作り、情報を積極的に交換し、将来を考えたうえで、志望動機や頑張ったことを面接官に伝える。これができれば、仮に選考で落ちたとしてもご縁がなかったと頭を切り替え、あきらめずに就活を続けられると思います。そして、納得のいく就職先から内定を頂き、就活を終えることができるのではないでしょうか。photobyMartinThomas 73,371 views

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