【20卒早稲田教育学部】あとむくんの就活体験記vol.2|2018.8 interview

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最終更新日:2023年10月31日

【20卒早稲田教育学部】あとむくんの就活体験記vol.2|2018.8 interview

前期末テストもひと段落し、20卒の皆さんはインターンシップ選考が本格化してきた時期ではないでしょうか。

今回は早稲田大学教育学部のあとむくんに2018年8月にインタビューした内容を掲載します。

↓↓↓あとむくんのこれまでのインタビュー記事はこちら↓↓↓
【20卒早稲田教育学部】あとむくんの就活体験記|2018.7 interview

早稲田大学あとむくんの履歴書

あとむくんの履歴書

◆性別
└男性

◆大学
└早稲田大学教育学部に一年浪人ののち一般受験で合格。早稲田の政治経済学部が第一志望であったものの不合格。

◆趣味
└映画鑑賞(主にアメコミ)

◆サークル
└広告研究会。プロモーションの統括を担当するなど積極的にコミット。
あとむくん所属の広告研究会運営メディア→早稲田を広告する、webメディア「WASEAD」

◆アルバイト
└塾講師(大学1年から)として働いている。また、報道系ベンチャー企業で長期インターン中(大学3年から先輩の紹介で)。

◆留学
└旅行以外での海外経験なし。ただし、社会人の半分以上の期間は海外で働いてみたいと考えている。

◆資格
└柔道二段・TOEIC720点

◆就活をはじめた時期
└2018年6月頃

◆志望業界
└現段階で、広告、戦略コンサル、PRの3つに絞っている。

◆希望職種
└企画・プランナー。ゴリゴリの営業をしたい訳ではない。

本インタビューはunistyle編集部のむたか(@mutaka_unistyle)とくらもん(@esquestion)にて行っております。

本選考とインターンの締め切り情報

7月の活動を振り返って

自分の活動量・内容について

「7月の就職活動について教えてください。」

 

 

「ESを提出した企業のインターン選考への参加が主な活動でした。ベクトルの1dayインターンにも参加しました。」
 

 

「前回から他の企業にもESは提出した?選考状況と併せて教えて下さい。」

 

 

「あの後、Strategy&にも提出したんですが、ウェブテストで落ちました。この前出していたBCG、ベインについても同じくウェブテストで落ちて、電通中部も面接で落ちました。博報堂は面接の結果待ち、アマゾンはES通過して次がウェブテストです。サイバーエージェントはテストと塾講師のバイトで忙しくて質が担保できないなと思って出すのをやめました。」

 

「ベクトルのインターンはどんな感じだった?志望度は上がった?」



「志望度は上がりました。インターンというよりも説明会に近くて、事業内容についてはある程度事前に知っていたので目新しいものはそんなになかったです。」

自分の行動量・内容まとめ
・インターン選考への参加が主な活動。面接には2度参加した。
・ウェブテストの結果が芳しくなく、勉強する必要性を感じている。

インターン選考について

「博報堂の面接はどんな感じだった?他の学生のレベル感や面接の雰囲気について教えてください。」
 

 

「12人での集団面接で、内容はスライドを使った自己紹介が3分と"日本をどう変えていきたいか"について口頭で2分プレゼンというものでした。倍率もかなり高くて、12人で3、4人程度しか通らないようです。他の学生のレベルはまちまちでしたね。正直言うと、顔とかコミュ力だけの人もいたような印象です(笑)。」

 

「自己紹介ではガクチカについても話したと思うけど、何の経験について話したの?」
 

 


広告研究会のことをさらっと話しました。時間もそんなになかったので詳細には話していません。」
 

 

「電通中部の面接も受けたみたいだけど、そっちはどうだった?落ちた理由を自分なりに考えてみた?」


 

「電通中部は、自己紹介とガクチカと課題について端的にプレゼンするというものでした。面接では、難しいことを端的に分かりやすく答えられるかが見られていたと思うのですが、緊張したのもあって冗長に話してしまったのが良くなかったなと思っています。あと、相手の質問に対してレベル感の違うことを話してしまっていたことが一番の反省点ですね。」

 

「そこでもガクチカは広告研究会のことを話したの?」

 

 

「いや、ここでは塾講師のバイトの話をしました。ここも少し話が難しくなってしまったなとは思っています。ちなみにガクチカに関しては企業ごとに使い分けるようにしています。」

「そうなんだ。それはどのような意図があって使い分けるようにしているのかな?」


「相手の企業から"小さなことから大きなことを成し遂げたい"という雰囲気が感じられたら、"人の感じ方を汲み取って大きなことを成し遂げた"という広告研究会の活動について話しています。一方で、人の心の動きを探求して何かを生み出そうという企業では、生徒一人ひとりと向き合った経験のある塾講師のバイトのことを話しています。相手の感覚に合わせて、事前にどちらのエピソードを話すか考えています。」

インターン選考まとめ
・うまくいかなかった面接については当日中に振り返り、何が良くなかったかを反省している。また、その場その場でこの面接では何を見られているか推測している。
・ガクチカは企業に応じて、広告研究会か塾講師のバイトかどちらを話すか使い分けている。

周りの活動量・内容について

「やっぱり周りの広告研究会の人たちは積極的に就活に取り組んでる?」

 

 

「はい、みんなインターンとかも結構出しているみたいです。広告研究会ということもあって、サイバーとかADKのインターンに受かっている人が多いですね。」



「広告研究会の人たちとは頻繁に情報交換とかはしてるのかな?」

 

 

「そうですね。どこに提出したとかも話しますし、提出した課題についてどう書けば良かったかとかを話し合います。みんな就活してるので、必然的に就活関連の話題が多くなります。」
 

周りの行動量・内容まとめ
・周囲の人たちが積極的に動いていることもあり、自然と就活関係の情報が入ってくる環境。
・インターンの課題について話し合う友達もおり、壁打ち相手が周りに沢山いる。

7月と8月を比較した変化

企業選びの軸

「企業選びの軸には何か変化あった?前回の段階でかなり具体的に落とし込まれていたとは思うけど、選考に参加する中でより明確になったとかあれば教えて下さい。」
 

 

「軸に関しては何も変わったりということはありませんね。インターンに参加する中で変わることもあるかとは思いますが。」
 

志望業界・職種

「前回は、広告、戦略コンサル、PRの3業界に絞っているということだったけど、ここについても変わらない?」


 

「業界については変わりませんが、ベクトルのインターンに参加したことで志望度は少し変化しました。今は、戦略コンサルとPRが第一志望で、広告が第二志望という感じですね。あと投資銀行にも少し興味が出てきました。というのも、バイト先の塾長に自分がどんな人物か聞いてみたらピンチヒッター的な役割を担っていると言われて、企業が困っているときに融資して共に取り組んでいくという投資銀行のスタイルに似ていると感じたからです。」

 

「広告よりもPRの方が志望度が高いのはどういった理由があるのかな?」

 



「正直なところ、PRも広告も仕事内容に関してはほとんど変わらないと思っています。ただ広告はいかに枠を獲得するかにフォーカスしている印象で、自分はPRの方が興味を持って楽しみながら仕事をできるかなと思いました。」

ガクチカ・自己PR

「ガクチカ、自己PRのネタについては困らないと思うんだけど、今何かやらないといけないなと考えていることはある?」
 

 

「内容そのものに関しては何も困ってはいないのですが、それを面接官にどう伝えるかを工夫していかないといけないと感じています。これは面接の数をこなしていくしかないと思っています。」

全体を通して

「どんなことでもいいんだけれど、就活をしていて考えたこととか心がけていることとかはある?」

 



「なるべく自然体で臨むというのは常に意識しています。選考の際も企業は星の数ほどあると考えて気楽に考えるようにしていて、失敗したときは次に活かすことができるように何が良くて何が悪かったかを分析するようにしています。なので、電通中部の面接で失敗したのも良い経験だったなと思っています。」

 

「あとむくんは選考に落ちても良い意味で割り切れているなと感じたんだけど、それは選考に落ちたことをどのように捉えるようにしているのかな?面接で落ちると自己否定されたように感じる学生も一定数いると聞くけど。」

 

「選考に落ちてしまったのは、①企業が求めているものにうまく答えられなかった②自分よりうまく答えられた人がいたという2点だと思っています。なので、企業が何を求めていたのかを考え、自分はどのように伝えたら良かったのかを反省することが大事だと思っています。」

 

「面接を2回経験して自分なりに反省や気づきをまとめられていると感じたけど、他に今後こうしようというものはある?」

 


「自分は良くも悪くも真面目すぎて、全て丁寧に説明しようとするあまり、話が分かりにくくなってしまっていると感じました。実際に、博報堂では1つに絞って話すとウケが良かったので、話題の取捨選択は意識して行なっていこうと思っています。」

7月と8月を比較した変化まとめ
・業界の志望順位はやや変動したものの、特に変化なし。投資銀行にも興味を持っている。
・ガクチカに関しては、内容ではなく伝え方に重点を置いている。
・面接の振り返りを行い、何が悪かったかを分析し、そこを改善するという目的意識を持ち、次の面接に臨むことができている。

8月にやろうと思っていること

「7月はインターン選考への参加が中心だったみたいだけど、8月には何をやろうと思ってる?」

 

 

「まずは筆記試験の勉強に取り組む予定です。英語と算数が弱いのでその2つを重点的に対策しようと思っています。それと投資銀行のインターンESも提出しようと考えています。あと、面接での伝え方を工夫する必要があるため、後期はプレゼン多めの授業を取ってプレゼン慣れしたいなと思ってます。」

「就活関連では、テスト対策とES提出が中心になってくるみたいだね。就活以外だと今後どんなことをしていく予定なの?」
 

 

広告研究会の活動に力を入れたいです。就活ばかりしているのも嫌なので学生らしい活動をすることも重視したいと思っています。就活も学生生活も両方楽しんでやっていきたいと思います。」

8月にやろうと思っていることまとめ
・ウェブテストへの対策を中心に行なっていく様子。プレゼンの練習も兼ねてプレゼンが多い授業を履修する予定。
・就職活動だけでなく広告研究会の活動にも積極的に取り組んでいく。

今就活で悩んでいること

「今就活で困っていることとか悩んでいることはある?」

 

 

「悩みというかとにかくウェブテストの勉強をやらないといけないなと思ってます。コンサルの秋冬インターンに間に合わせたいと思っているので、SPIの本を何周かするつもりです。それと、物事の伝え方についてもインターン先やバイト先等、日常的に気をつけていこうと思っています。」

今就活で悩んでいることまとめ
・コンサルの秋冬インターンに向けてウェブテスト対策を徹底的に行っていく。

unistyle編集部より

あとむくんへのフィードバック

あとむくんはガクチカを、相手の感覚に合わせて事前にどのエピソードを話すか考えているようです。この戦略は非常に良いと思います。企業の求める人物像に迎合し、良く見せるために自分自身を偽ることはおすすめ出来ませんが、企業によって自分の見せ方を変えるということは重要なことです。

誰しも強みは1つではないでしょうし、その時々によって異なる見え方をしていることでしょう。それを理解した上で、意図的に相手によって見せ方を変えるというのは、自己理解が十分に出来ているという証拠と言えます。

8月には、ウェブテスト対策を中心に行なっていくようです。筆記対策に関しては、勉強をするかしないかの問題なので、解き方を理解した上でとにかく量をこなすことが必須です。正確さはもちろん、スピードについても意識したいところです。外銀、外コンはテストのボーダーも比較的高いため、不安だという方は早い段階から取り組むように心がけましょう。

あとむくんは、夏は就活だけでなく広告研究会の活動にも積極的に取り組みたいということでした。これは、就活をしていく中でとても大切なことです。就活をしているとどうしても他のことが疎かになりがちですが、就活と同時に学生生活を楽しむということも大切なことです。

企業も何か1つだけしかできない人を欲しがるとは思えません。就活をやりながらも、学業やサークル活動等複数の活動を並行して行うことは将来的にも役立つスキルと言えるでしょう。息抜きという意味でも、就活以外のコミュニティがあるということは間違いなくプラスに働きます。

あとむくんへのオススメ記事

今回は、テスト対策を中心的に行なっていくあとむくんにはあらゆる企業で出題されるWebテスト・筆記試験に関する以下の記事をオススメします。

「Webテスト・筆記試験対策」をする上で読むべき記事3選はこちら
【1】Web適性検査の対策・練習方法|問題例と解答を基に練習しよう!
→本選考だけでなくインターンでもWebテストを用いている企業は多いです。就職活動でまず避けては通れないWebテスト・及びテストセンターも含めて、その対策方法・練習方法について解説していきます。

【2】企業の採用テストとは何かを知る
→「採用テスト」の意義から、対策方法までを詳細に説明しています。企業は何のために採用テストを行い、学生のどこを見ているのかを知って頂ける記事となっています。

【3】【就活生必見!】17種類の適性検査まとめ、Webテストの種類と対策を知る
→適性検査の種類と見分け方、課される業界や企業について考察していきます。メジャーなものからマイナーなテストまで、幅広く解説します。

Vol.3は9月に公開予定

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8業界9社に内定した就活生が受けた業界12選 8業界9社に内定した就活生が受けた業界12選 16卒のメガバンク内定者です。私は8月下旬まで就職活動を続け、9社から内定を頂きました。東証一部上場のメーカー、外資系メーカー、タイヤメーカー、3メガ損保の一角、3メガバンクのうち2つ、通信インフラ会社、携帯電話3強のうち1つ、大手航空会社から内定を頂きました。私の経歴としては、今年の2月に交換留学を終えて帰国し、就職活動の序盤は損保や教育、証券、コンサル、銀行、メーカーと8つのインターンに費やしました。留学時、現地の都会で見かける看板は中国や韓国のものであり、相対的に日本のプレゼンスが低下しつつある状況に悔しさを感じた経験から「日本のプレゼンスを向上させたい」ということを1つの軸としていました。にはメーカー・総合商社・運輸・エネルギー業界が挙げられていますが、内定先を見ればわかるようにそれらに固執しすぎず多様な業界を見ていました。就職活動では留学経験とそこでのサークル活動、アルバイト、環境団体など学生時代に手広く活動した経験をアピールしていました。就職活動を始めたのはインターンのエントリーシートを提出し始めた2014年12月であり、外資系企業の選考のほとんどが1月下旬の帰国時点で終了していました。上記の経歴を基に、私が受験した業界や企業と惹かれるポイント・私の感じたデメリットを紹介したいと思います。日系電機・機器メーカー【見ていた時期】大学4年生3月〜7月【エントリーシートを提出した会社】トヨタ自動車、三菱自動車、ブリヂストン、キヤノン、キヤノンマーケティングジャパン、日立製作所、帝人、富士通、京セラ、ブリヂストン、住友ゴム、ソニー、カシオ、旭硝子、富士フィルム、三菱電機、IBM【惹かれたポイント】いくら日本のプレゼンスが相対的に下がっているといえど、海外では舗装されていない凸凹道をトヨタの車が走っていたり、留学先の大学のコピー機がキヤノン製で揃えられていたりといった状況からプレゼンスを再浮上させるきっかけはたくさんあると考えていました。日本のプレゼンスはメーカーが下支えしているといっても過言ではないと思います。私自身理系であったことからものづくりは好きな方なので、親近感もあったことから多くの企業を受けていました。【デメリット】下に記述した食品メーカーでも同様に言えることですが、メーカーに就職すると必然的に自社製品に縛られてしまいます。約40年社会人人生を送る中で、自分は常に情熱を注いで仕事できるのかというのが最後まで心残りでした。他業界と比べると若干年収が低いこともマイナス要因でした。このことから8月は金融といった他業界に目移りしてしまい、選考の継続を諦めてしまいました。【参考】エネルギー業界【見ていた時期】大学4年6月〜7月【エントリーシートを提出した会社】INPEX、JX日鉱日石エネルギー【惹かれたポイント】非資源国の日本にとっては、エネルギーの安定供給が海外での日本のプレゼンスの向上の土台を整えると考えていました。エネルギーという媒体を通して他国と日本の架け橋となって働くことができ、日本人としてのプレゼンスも高められ、国としてのプレゼンスも高められると考えていたので魅力的に感じました。【デメリット】このまま石油を使い続けると50年もたないと言われたりする中で、数十年後も職を持っていられるのかといったエネルギー業界に就職することへの不安はありました。最終的に他業界との選考とブッキングしてしまった関係で諦めてしまいました。【参考】食品メーカー【見ていた時期】大学4年生4月〜8月【エントリーシートを提出した会社】キリン、伊藤園、森永乳業、味の素【惹かれたポイント】食品は人の生活と切り離せないということを魅力に感じていました。メーカーの中では比較的年収も高く、自分の取り扱っている製品が身近に感じられてモチベーションを維持しやすいのではないかと考えていました。【デメリット】日本の食品メーカーが海外でうまくいっている例というのは実は数少なく、社員の多くが日本国内向けの内向きな仕事をしていることをOB訪問から知り、疑問を感じるようになりました。他にも飲料会社に就職した際には日常生活でも自社製品と切っても切れない関係となり、飲み会は自社のビールや清涼飲料しか飲めないといった「自社製品に対する愛」を求められることにもあまり納得がいきませんでした。これらの要因からどうしても優先順位が下がってしまったので、そのことが面接でも見ぬかれ内定に至らなかったのだと思います。【参考】損害保険会社【見ていた時期】大学4年生4月〜7月【エントリーシートを提出した会社】三井住友海上、損保ジャパン日本興亜【惹かれたポイント】海外進出する日本企業の挑戦を後押しできるということを魅力に感じ、選考を受けていました。【デメリット】損害保険の収益は半分以上が自動車保険によるもので、実際に企業の挑戦を後押しできる商品開発部門に配属されるのは少数であるという実情を考えると、実は自分のやりたいことはできないのではないかと思うようになりました。ちなみに「なぜ東京海上日動を受けていないんだ」と思われるかもしれませんが、「OB訪問を数えている・体育会系優遇」といった噂に流され早期から受験を諦めていました。【参考】生命保険会社【見ていた時期】大学4年生6月【エントリーシートを提出した会社】日本生命、アフラック【惹かれたポイント】たまたま知り合いの先輩にOB訪問をしたときの情報になりますが、生命保険業界は現在海外進出も積極的なようで、日本生命であればインドをターゲットに日本の生命保険営業のビジネスモデルを普及させているようです。そのような海外進出に積極的なイメージに惹かれていました。身近な人の死という悲しい出来事に対して、保険金という形で悲しむ人の再起を応援できることもまたやり甲斐を感じられる一つの要因だと思います。【デメリット】生命保険業界としての性質上、どうしても人の死とは切っても切り離せない仕事柄となります。常日頃からそういったケースに囲まれると自分が自分でなくなってしまうような気がしてしまったので、選考を辞退しました。【参考】運輸【見ていた時期】大学4年生4月〜8月【エントリーシートを提出した会社】全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)【惹かれたポイント】海外で活躍する日本人の多くはいずれかの航空会社を利用することになるわけで、彼らを支援できることが日本のプレゼンスを下支えすることができると考えていました。【デメリット】航空産業は世界各地で起こるテロや疫病で便の就航が取りやめになってしまったり、あくまでお客様のニーズに沿っての仕事になります。航空の国内需要も今後リニアモーターカーをJRが導入することで低下することを考えると、どうしても就職する決断ができませんでした。海運は受けていないのかと思うかもしれませんが、そもそも船にあまり興味が無いこと、船酔いした苦い思い出から受験しませんでした。【参考】総合商社【見ていた時期】大学4年生4月〜8月【エントリーシートを提出した会社】三菱商事、丸紅【惹かれたポイント】私はミーハーな学生だったので、高収入・モテる・かっこいいの三拍子そろった総合商社も当然視野に入れていました。案件を形成して海外で発電所を作ったり、インフラを整えるといったことを日本の企業主体で動かすことができる仕事内容も、間違いなく日本のプレゼンス向上に繋がると考えていました。【デメリット】総合商社の企業研究も兼ねて城山三郎さんが書いた毎日が日曜日(新潮文庫)を読み、自分の知らない総合商社の働き方を知りました。50代のあと少しで定年退職であるものの窓際族に追いやられたり、子どもの育て方に腐心する姿が生々しく描かれ、表面上の特徴や単なる憧れで企業選びをしてはいけないなと実感したことがきっかけで志望順位が下がりました。また、自分のコミュニティで総合商社に就職している先輩があまりおらず、OB訪問の機会があまり得られなかったということもマイナス要因に働きました。そして私の場合、一日何時間もガリガリ働くと健康面に支障が出るタイプなので、昼夜問わず仕事をするような働き方を40年もできないなとも考えていました。志望順位が高くなかった故に上記の2社のみ受験しました。参考:「毎日が日曜日」【参考】通信【見ていた時期】大学4年生4月〜8月【エントリーシートを提出した会社】NTTコミュニケーションズ、ソフトバンク、楽天【惹かれたポイント】海外で通信インフラを整えることで日本のプレゼンスは上がると考えていました。その他にもソフトバンクであればペッパーといった新しい事業にも意欲的で、色々なことにチャレンジしていく風土があることを魅力的に感じました。【デメリット】完全な主観ですが受けた会社の中で選考が不透明であった、1000人規模の大量内定を出す(⇔それだけ多くの人が辞める)というようなことに違和感を感じていました。それだけといえばそれだけなのですが、他の内定取得先と比較検討した時にイマイチ決定要素に欠け、辞退してしまいました。【参考】消費財メーカー【見ていた時期】大学4年生4月〜6月【エントリーシートを提出した会社】花王、ユニ・チャーム【惹かれたポイント】家庭用洗剤やおむつなど人が生活する上で欠かせない商品を扱う消費財メーカーにも惹かれておりました。人の生活に身近な分働いていて実感も得られやすそうだったこと、消費財業界は今後もなくなりはしないという安心感もプラスに働いていました。【デメリット】日系消費財メーカーに関しては、世界をビジネスの舞台とした時にP&Gやユニリーバといった業界でトップ位置を占める会社と同じ土俵で戦わなくてはなりません。実際にOB訪問をした際にも「本当に日本のプレゼンスを上げることを目的にするならばウチよりも他の業界の企業の方がいいのではないか」という言葉をもらいました。コンサル・シンクタンク【見ていた時期】大学4年生3月〜5月【エントリーシートを提出した会社】デロイトトーマツコンサルティング、アビームコンサルティング、大和総研【惹かれたポイント】企業の問題解決や成長に寄与でき、場合によっては海外進出を支援できるということで魅力に感じておりました。【デメリット】OB訪問時に「コンサルタントにとって企業に提案し、その提案内容で成果が出なければ自らの価値0」という言葉を頂きました。私としては自らの努力した内容は少なからず誰かに評価されてほしいという思いが根底にあったので、この言葉をきっかけにコンサル業界を見ることを辞めてしまいました。【参考】政府系機関【見ていた時期】大学4年生5月〜8月【エントリーシートを提出した会社】国際協力銀行、日本政策金融公庫、日本政策投資銀行、日本貿易振興機構、商工中金、日本証券取引所【惹かれたポイント】日本人として国の機関で働き、国の成長に寄与するという側面に惹かれていました。みなし公務員として職が安定していることや、政府系機関でしか成し得ない不況時の会社に対する金融支援といった独自の強みも魅力的に感じていました。また、民間金融機関に比べると低金利で融資できるので、お客様に感謝されやすい・頼られやすいという側面があります。【デメリット】採用の枠が非常に少なく、実際に就職できるのはほんの一握りということが一つだと思います。また、上で挙げた「不況時の会社に対する金融支援」の裏返しになりますが、職員自らが会社に融資したいと思っても、公共性(日本国に寄与するか)や公平性(業界の中でその会社のみがメリットを享受することにならないか)の観点から融資できないと判断される場合もあります。公平性の観点から融資をするということで、メガバンクといった民間金融機関よりも多額の融資はできないといった制限が存在し、あくまで民間金融機関の補完としての役割を愚直に遂行しなければなりません。メガバンク【見ていた時期】大学4年生4月〜8月【エントリーシートを提出した会社】三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループ【惹かれたポイント】様々な業界に接点がある、企業が成長する上で融資は必要だから40年間の社会人人生で食いっぱぐれることはなさそう、海外部門で働くことのできる門出は比較的開かれているといったことを魅力的に感じていました。知り合いにもメガバンクに勤めている方が多くいたので、働き方のバリエーションを多く知ることができ、日本のプレゼンス向上に多様な側面から貢献できるとイメージできたことも内定先に選んだ一つの要因でした。【デメリット】人によって選考フローが違うような不透明さから、入社してからも差別されるのではないかという懸念はありました。総合商社ではないですが、「毎日が日曜日」で描かれたような側面は少なからず存在すること、半沢直樹で描かれるような出世競争に巻き込まれていくことは覚悟しなければならないと考えていました。また、「晴れの日に傘を貸して、雨の日にその傘を取り上げる」というようなビジネスモデルであることは完全には否定できません。おわりにひとえに「日本のプレゼンスを向上させる」といっても、上記のように様々な業界で日本のプレゼンスは向上させられる可能性があります。私の場合はやを基に志望会社を絞り込み、上記のようになりました。上記でまとめた事柄とを基に志望動機を作っていたおかげで、最終的に9社から内定を頂くことができたと考えています。これらはあくまでも私の主観でありますが、読者の方がファーストキャリアを選ぶ上での一つの参考になればと思います。 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取るのは恥だが役に立つ!?就活に向けて "無資格"・人気資格より「おもしろ資格」を取得してもいいかも 取るのは恥だが役に立つ!?就活に向けて "無資格"・人気資格より「おもしろ資格」を取得してもいいかも 【本記事のアウトライン】・資格が無いこと自体がマイナスになることはまずない・有名資格よりおもしろ資格が意外と役に立つ理由・おもしろ資格を取るメリット4つ・資格マニアの筆者オススメの資格3選【検索ワード】|運転免許正式名||就活資格ない||TOEIC書ける点|ESや履歴書で度々見かける「資格・免許」欄。そこに「普通自動車第一種運転免許」しか書けない、もしくは普免すらないことを何となく不安に感じている人は多いのではないでしょうか。こんにちは、18卒就活生です。一応就活はうまくいった方(だと思っている)なので、最近19卒の後輩からちょくちょく就活相談を受ける機会があります。中でも一番多いのはインターンESの添削なのですが、ここ最近で増えたなーと思っているのが以下のような質問です。・「免許ってATだとなんか言われたりしますか?」・「やっぱり簿記2級ぐらいは取っておいた方がいいんですかね?」・「〇〇さん、TOEICって何点持ってました?」この相談が増えた要因として、「本選考までにその試験を受けるチャンスが少なくなってきた」ことがあるではと推測しています。例えば、本記事執筆の2017年11月現在、今から申し込んで19卒の広報活動解禁日である2018年3月1日に間に合う(=結果が出る)日本商工会議所簿記検定の試験日は既にありません。年中試験日程があるイメージかもしれないTOEICListening&Reading公開テストですら、今から申し込もうとしても2018年1月28日のみが唯一の間に合う日程です。(しかもこの日は多くの大学が期末試験の時期で忙しく諦める学生が多い印象です)。参考:商工会議所の検定試験29年度試験日程カレンダー参考:TOEICListening&ReadingTest試験日程また、そもそもこういった有名資格で結果を出すためには当然ある程度の対策期間が必要であり、たとえ試験日程が存在しても今からの合格・高得点は難しいと言えるでしょう。とは言え、「資格・免許」欄が埋まらず、TOEICの点数ですら空欄で出す現状をなんとかしたいと考えている就活生は多いのではないでしょうか。以上を踏まえ今回は"資格"というキーワードに注目し、(今話題の?)"無資格"という状態にどう向き合っていくべきか、筆者の選考体験をもとに考えていきたいと思います。新卒就活と資格の関係|就活資格ない|といったワードで検索すると、毎年多くの就活生が悩む「就活に資格は必要なのか」という疑問について様々な考え方がサイト上で見られると思います。一概には言えませんが、筆者は新卒就活の場合は「あってマイナスになることは無いが、直接それが評価される機会は少ない」ぐらいに捉えています。これについては文系学生の学業成績を始めとした学術面の成果と近しいものがあると考えています。「文系の学問は直接仕事に活かされる機会が少ないから」という学術的な理由ももちろんありますが、他にもいくつか要因があると考えています。一つ目は「学業」と「仕事」の性質の違いについてです。以下の記事にもあるように、「学業」は主にインプットとしての性質が強い一方、ビジネスとは典型的なアウトプットの取り組みであることは理解しておく必要があるでしょう。そのため、仮に学業成績といったインプットの能力をアピールしたとしても、企業が求める人材の究極形である「企業の利益に貢献できる人材」であることを示すには至らず、的外れな自己PRで採用に繋がらないのが一つ目の要因だと考えられます。参考:上記の文章では「学業」という言葉を「資格」という言葉に置き換えてもほぼ意味が通ります。資格試験に合格するためには、「その試験日に向けてコツコツと勉強すること」が求められます。すなわち、周囲との関わりというよりは個人としての努力にあたるインプットの性質が強いため、それを達成したしても、「企業の利益に貢献できる」人材(≒採用基準を満たした人材)であることのアピールにはなかなか結びつきにくいと思っています。参考:また、「直接活かされる機会が少ない」という文についても同様のことが言えます。例えば、税理士の資格保持者が経理の仕事・司法試験合格者が法務の仕事のように実務上で直接活かされるケースはゼロではないでしょう。しかし、簿記2級・TOEIC700点程度の一般の学生でもそれなりに勉強すれば手の届く資格については、それが直接仕事に活かされることはほぼ無いと言っていいでしょう。「簿記2級持っているから経理の仕事をやりたいです」のような浅い志望動機を述べても評価されないのもこれが起因していると考えられます。多くの日系大企業では入社前や入社後にも資格取得の機会があります。資格に関連したeラーニングを無料で受講できる・合格後にお祝い金がもらえる企業ですらかなりの数が存在しています。なお、職種別採用の形をとる外資系企業やキャリア採用(経験者採用)では、ポテンシャル採用とも呼ばれる新卒採用は異なり、専門性が要求される可能性が高くなります。そのため、中途採用では資格の保持が比較的直接評価に繋がることも多いと考えられるでしょう。TOEICについては持っておいた方が安心?一方、大学生の最人気資格と言ってもいいTOEICに関しては、ある程度点数を取っておくべきという見方もあるようです。参考:上記の記事にもあるように、採用の段階でTOEICの点数で足切りをする有名企業は一定数存在するようです。このことからTOEICは、業界・企業によっては「無くてマイナスになる」資格と言えるかもしれません。(本調査から2年半以上経った現在では、上位学生の平均点がさらに上がっている可能性も考えられます。)自分の受ける企業がこのような基準を設けているかの情報収集を徹底し、該当する場合は以下の記事も参考に来年1月28日のチャンスに賭けてみるのも一つの手かもしれません。参考:「みんな取るから取らなきゃ」の問題点上記の内容を考慮すると、簿記やTOEICといった資格が大学生の間で人気なのは「その資格が社会で役立つから」というわけではないことが想像できるかと思います。「人気だから人気」、すなわち「他の多くの人が取るからとりあえず取る」という考えで取得に走る人がむしろ多いのではないでしょうか。この件に関連して、先述Twitterで以下のツイートがトレンドにあがりました。小学校→個性は認めない中学校→個性は認めない高校→個性は認めない大学→個性的な人かっこいい就活→あなたの個性を見せて社会人→個性は認めない@shinjukushakeTwitter内容の是非に関しては多少の議論はあるようですが、かなり多くの人から共感を呼んだようです。リツイート数の多さもその表れかもしれませんし、皆さんも少なからず思いあたる節はあるのではないでしょうか。これに従えば、人気企業の場合大学受験とは比べ物にならない倍率を突破する必要がある就職活動においては、「いかにミスをしないか」よりも「いかに"個性"を示せるか」に重点を置くべきなのはイメージできるかと思います。(ESはネガティブチェック・面接はポジティブチェックのためのフローであり、選考では圧倒的に後者の方が重要であるというお話も某大手損害保険会社の就活セミナーではありました。)にも関わらず、「みんな取るから自分も人気資格を取らなきゃ」という考えは、マイナス評価を避けようとする姿勢を取っている点で疑問が感じられます。(そもそも資格がないこと自体はマイナスにはまずならない時点でこの考えは根本的に誤っていると個人的には考えています。)もちろん、金融業界内定者がファイナンシャルプランナー(FP)を取る、IT業界内定者がITパスポートを取るといったように、内定後にある程度実務性がある資格を取りに行くというのはアリだと思っています。特に金融業界の友人は入社前から企業から指定された資格の勉強に追われている印象がありますが、逆に言えばそれは「内定をもらってからでも取れる」という意味でもあります。また、就職活動終了後の時間に余裕がある期間に比べれば、今の時期はインターンや大学の勉強などで多少なりとも忙しいかと思います。そのため、現時点では資格についてあれこれ心配するよりも、ES・面接の対策やOB訪問などに時間を割いた方がクレバーな選択と言えるのではないでしょうか。おもしろ資格を取るメリット4つーみんな取らないからこそ取るここまでの内容で、多くの就活生が取得している人気資格を自分も取ろうという考えはイマイチ的確でないことは何となく把握していただけたかと思います。とはいえ、ES・履歴書を書くとき毎回のように目にする「資格・免許」欄を空欄にして出すことに抵抗を感じる就活生も多いのではないかと考えています。「今から人気資格を取るのはあまり良くないけど、"無資格"のままでいるのもなあ...」だったら、人気でない資格、すなわち今回の場合「将来仕事で全く役に立たなそうな資格」をあえて狙いにいくのもアリなのではと個人的に考えています。ここでは、そういったおもしろ資格を取得するメリットについて、就活での各選考フローに照らしわせながら考えていきたいと思います。メリット1:検定内容によっては取得が簡単+何となく"すごそう"簿記・TOEICといった有名資格については、多くの就活生がES・履歴書に書くぶん、人事からしてもその級数・点数のレベルについてしっかり把握していることが大半です。そのため「簿記3級」「TOEIC500点」のようなそこそこの内容をアピールしても、「こいつ大したことないな」と逆に評価を落としてしまうケースすら考えられます。(冒頭で述べた|TOEIC書ける点|というワードが検索されがちなのもこういった背景があると思っています。)一方、同じ3級でも、「あいさつ検定3級」・「日本掃除能力検定3級」・「神社検定参級」・「家庭菜園検定3級」・「デザートクリエーター3級」と有名でない資格を書いた方が、人事からしても(普通は)認知していないため、実際の難易度に関係なく何となく"すごそう"に感じられるかもしれません。例えば、受験者の母集団にもよるため一概には言えませんが、「神社検定参級」は合格率70%を超えており、資格試験にしては難易度は低めと推測できるでしょう。第6回神社検定受験者統計いずれにせよ、簿記やTOEICの日程がもうないことを気にするよりも、今や3000を超えるとも言われる国内の資格を幅広く見ることの方が大切なのではないでしょうか。ちなみに、unistyleで以前TOEICの代替資格として紹介した"CASEC"も、この「有名じゃないからこそ"すごそう"に感じられる」ことを利用した資格試験にあたります。「そんなテスト認知度低いから評価されないでしょ?」とツッコミを入れる人もいるかもしれませんが、私の経験上、認知度が低い分、逆に「これはすごい資格ではないか」と面接官に思わせることもできますし、例えばCASEC700(TOEIC750相当)と書けばTOEIC信者の面接官にもアピールすることができます。とりあえず空欄よりはかなりマシだと思います。参考:メリット2:面接で"盛り上がる"(落とす理由が無くなる?)こちらは主に一次面接を始めとした序盤の面接で発揮されやすいメリットになります。多くの日系企業の場合、面接のメインテーマになるのは「ESで書いた内容の深掘り」です。筆者の経験上、ESでおもしろ資格について書いた場合、ほぼ間違いなく面接官はそれについて尋ねてきます。おもしろ資格については基本的に雑談程度で厳しい深掘りをされることはまずないうえ、自分の得意分野についての話になるため受け答えに困る心配も少なくなります。また、これについては運要素もありますが、その資格に関連する分野に面接官が興味がある場合に話が"盛り上がる"こともメリットだと思っています。ワイン検定を持っていた友人は、某建設会社の面接で選考官の家にワインサーバーがあり一次面接の半分近くがその話題で潰れた・歯科検定を持っていた友人は、某百貨店の面接で選考官が前日にインプラント治療を受けたばかりでちょうど話が盛り上がったという話も聞いたことがあります。特に初期の面接では、面接官が若手社員ということが多く、「この人と一緒に働きたいか」という基準で選定していることが多いと言われています。程度こそあれ、面接官が資格について興味を持って話が盛り上がったのであれば、いい意味で印象に残りあなた自身の評価は高まるでしょう。それでもし面接時間の多くが潰れたとしたら、面接官からすればあなたを「落とす理由」が少なくなります。もちろん、選考が進むと「本当にこの会社に来てくれるか」といった資格では示しにくい評価基準も出てきますので、資格を持っていることそれ自体のアピールに終始することないよう、全体のバランスを考えていくべきでしょう。メリット3:"あなたらしさ"+正直な印象?こちらについては以下の記事内容と近しいメリットになります。筆者はこれだけでなく、就職活動で使うエピソードは顧みずとも日常生活で常に生み出されているのではないかと考えています。朝起きて大学に行き授業に出席する・休みの日に友人と遊びにいくといった何気ない行動の積み重ねにこそ、「あなたらしさ」と呼ばれるようなものは存在しており、企業側も学生のそういった面を知りたいと考えているという見方もできるのではと考えています。参考:この記事では、就活で述べる経験・エピソードは、就活用に作らなくても日常生活から導くことができるという考えが述べられています。資格についてもこれに近く、例えば会計学と関連のない学問を専攻していた学生が簿記の資格をアピールしても、あまりに取ろうとする学生が多いため、「就活用にとりあえず所得したのではないか」と何となくマイナスにとらえられてしまうかもしれません。一方、一般に就活で「使えない」とされる資格を取得していた場合、それをわざわざ取得したのはその分野に対する興味・関心の表れであり、学生の素の部分を見ることができたと考えてもらいやすいのかもしれません。採用側は「就活用に作られた長所だらけのあなた」を見たいのではありません。特に自社に「合う」人材かを重視することが多い日系企業の場合は、学生の素の部分を見たいと考える企業が多いと言われています。(たとえ本当は就活のネタ作りとして取得したとしても)素の部分を資格という事実項目から伝えられるのであれば、今からでもそれを取りに行くことは有効なのではないでしょうか。世の中には完全無欠な人間なんて存在しません。どんな偉人にも欠点があります。就職活動の時ばかり、急に聖人君子のような言動をし始めるのは見ていてもいい気分がしないものです。参考:メリット4:ギャップウケが狙える?こちらもメリット3と関連する内容ですが、取得した資格により意外性を感じ取ってもらえることもメリットの一つだと思います。よくある例としては、「ゴリゴリ体育会系に見える学生の趣味が可愛らしいお菓子作り」「研究室に閉じこもる頭脳派の印象の院生がフルマラソン2時間台で走る高速ランナー」などがあると思います。こういった一般的なイメージとの"ギャップ"は面接官からに限らず基本人からのウケがいいものだと思っています。筆者にも「高校時代茶道部でぱっと見文化系に見えるのに実はめちゃくちゃ足が速い」という大学で一番の友人がいるのですが、個人的にはその彼のギャップを魅力に感じ仲良くなった節があると思っています(本人もその高校から大学への自分の変化をうまく活用して就活を進めていたとのことです)。このギャップは趣味・特技として述べるよりも、「取得」という事実が残る資格で示した方が説得力は高まるでしょう。例えば、上記のゴリゴリ体育会系学生の場合、「お菓子作りが趣味です!」と述べるよりも「お菓子作りが好きでスイーツコンシェルジュ検定ベーシックまで取得してしまいました!」と述べた方が格段にインパクトが強まると思います。別に面接官を"落とす"わけでも友達になるわけでもないのですが、こういったギャップ狙いで資格を取りに行くことは個人的にはアリだと思っています。体育会系やチャラチャラしている学生が大学での活動をしつこくアピールする際に、履歴書の片隅に語学資格があればその「ギャップ」に面接官はグっとくると私は思います。参考:資格マニアの私がオススメする資格3選ではここで、筆者が実際に在学中に取得したおもしろ資格について取り上げ紹介したいと思います。おもしろ資格例1:取れば男女共にモテモテ!?『夜景鑑賞士検定』夜景鑑賞士検定とは、夜景に関連した人材の育成を目的に発祥された、おもしろ資格の中では比較的メジャーな資格です。|面白い資格|などで検索すると比較的上位のサイトで紹介されていると思います。こちら、夜景好きな筆者が大学に入って(大学の定期試験や運転免許の学科試験などと比べても)一番勉強したと自身を持って言える資格になります。この資格で圧倒的に多い深掘りのパターンは「オススメの夜景を紹介して」というものです。特に面接会場の周辺や面接官の出身地などに関連した質問が多かった気がします。2017年では12月に2級・3級の試験が実施され、結果も受験後すぐに表示されるため来年3月の解禁日に十分間に合います。また、就活云々関係なく、友人との旅行・彼氏/彼女とのデートなど要所でまあまあ使える資格だと思っているので、就活を終えた18卒の方にもオススメしたい資格です。参考:夜景鑑賞士検定公式HP参考:資格はあるに限る!"夜景検定"がどうビジネスに役立つのか、現役人事が分析してみたおもしろ資格例2:花より団子。肉より魚。『魚食スペシャリスト検定』魚食スペシャリスト検定とは、国内消費の減少・乱獲といった魚食に関する様々な問題に目的意識を向け、後世へ日本の伝統的な魚食文化を繋いでいくことを目的にスタートしたおもしろ資格です。筆者が受験した際は「シーフードスマート検定」という名称でした。この資格は特に、メリット1「すごそう」・メリット4「ギャップウケ」で評価を狙えると考えています。一般に「若者は肉の方が好き」という認識の方も多く、「魚が好き」というのは見た目の印象関係なく「ギャップ」を感じてもらえるかもしれません。「魚についての知見がある」という大学生はまずいないでしょうから、たとえ3級でも「すごそう」に感じてもらえると思います。ちなみに、夜景鑑賞士検定とは異なり、こちらは普段の大学生活で役に立つことはほとんどありませんでした(笑)。参考:一般社団法人シーフードスマート主催魚食スペシャリスト検定おもしろ資格例3:本選考解禁直前の最終手段!?『ヨーグルト検定』「ヨーグルト検定」と言われれば、上記2つに比べてどのような資格かはイメージ付きやすいかと思います。しかしこちら、厳密には正式な認定資格ではありません。下のリンク先を見ればわかるように、公式サイト上で受験すれば10分程度で合格が可能です。認定資格でないものをES・履歴書に書くのはどうなのかという意見もあるかとは思いますが、個人的には面接で触れられたときに正直にその旨を述べれば特に問題ないのではと考えています。"無資格"よりは"非認定資格"を持っていた方がまだマシでしょう。もちろん、面接でヨーグルトについて深掘りされる可能性は考えられますので、主要銘柄の成分・特徴などある程度の知識はインプットしておいた方が無難だと思います。筆者の場合も、面接官が便秘気味らしくその改善に役立つヨーグルトの紹介を求められたことがありました。参考:雪印メグミルク株式会社ヨーグルト検定最後にー自分の興味・関心あることに対して意欲的に行動できる力は大切かも?と、これまでいろいろと述べてきましたが、筆者は別に「おもしろ資格は絶対に取っておけ」と就活目的で取ることを強く推奨しているわけではありません。「自分が興味ある資格があれば取っておいてもいいかも」と、実際に取る/取らないは個人の好きにすればいいぐらいに軽い気持ちで考えています。とは言え、いずれにせよ「自分が興味・関心を持ったことに対して意欲的に行動すること」は、就活関係なくに社会に出てからも求められる重要な素質だと考えています。例えば、面接で必ず聞かれる志望動機は「興味・関心」だけがあれば評価されるわけではありませんが、それを前提に話を進めていると思います。自分が興味あることに対して自ら「試験勉強」という形で行動し、「取得」という形で成果を出す。たとえそれがインプットの性質が強いとしても、「自社に興味・関心を持っているのなら入社後もモチベーション高く働いてくれるかもしれない」と思われるきっかけぐらいにはなるのかもしれません。「好きなことで生きていく」ではありませんが、「好きなことはとことんやる」ことができる人は個人的にも魅力を感じます。それをサークル・研究など多くの大学生がアピールする場所で発揮してもいいでしょうが、"資格"という形に残る成果で示していくのも一つの手として考えておいてもいいのではないでしょうか。以上、おもしろ資格取得の魅力について、「『就活で』役に」立つからの先まで考えるきっかけとして、本記事が少しでも「『皆さんの』役に」立てば幸いです。photobywecometolearn 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不動産2トップ、三井不動産と三菱地所の牙城を崩したのはあの企業。その背景には綿密な経営戦略が!? 不動産2トップ、三井不動産と三菱地所の牙城を崩したのはあの企業。その背景には綿密な経営戦略が!? 1月の今日この頃、就活生は業界研究・企業研究に勤しんでいるかと思います。そこで、今回は就活生からの人気の高い不動産業界の大手企業6社を、各社が発表した2020年3月期第二四半期決算を基に分析してみました。IR情報・第二四半期決算などと聞くと、「IR情報で企業研究って難しそう」と思う就活生も多いかと思います。本記事では、IR情報の基本知識と各社のセグメント別の営業成績を、IR情報に馴染みのない就活生にもわかりやすく分析・解説しているので、業界研究・企業研究・他社比較に役立てていただけると幸いです。◆「IR情報」とはIR情報とは、英語でInvestorRelations、日本語では「投資家向け広報」と呼ばれるもので、企業が投資家向けに経営状況や財務状況、業績動向に関して発信している情報のことを指します。就活生がIR情報を分析するメリットとしては、定量的な数字で企業研究をすることができ、今後の注力する事業領域などを垣間見ることができます。◆年度の数え方IR情報での年度表記は、その年度の通期決算をする時期で表記します。例えば、「2020年3月期」という期間は2019年4月1日から2020年3月31日を指します。◆「第二四半期」とは一年間(12か月)を4つに分割した3か月の期間を四半期と呼びます。その年度の4月から6月末までが第一四半期、7月から9月末までが第二四半期、10月から12月末までが第三四半期、1月から3月末までが第四四半期となります。そのため、「2020年3月期第二四半期」という期間は2019年4月1日から2019年9月30日までを指します。第二四半期決算では、その年度の第二四半期(4月から9月末)までの決算報告となるため、上半期の経営状況の指標として用いられます。また、Quater(四半期)の頭文字「Q」を使って、2020年3月期第二四半期を2020/3-2Qと表記する場合もあります。◆「営業利益」とは売上高から、原価と営業活動に要した費用(販売原価や人件費)を差し引いた利益のことを指します。◆「営業利益率」とは売上高に占める営業利益額の割合です。営業利益率が高いほど効率的な営業活動をしていると言えます。本記事の構成過去4年間の営業利益の推移【2020年3月期第二四半期決算】不動産6社の営業利益比較【住友不動産】マンション供給の「量」×「質」で、第二四半期決算3年連続首位!【三井不動産】賃貸・分譲・マネジメントとバランスよく増益。海外事業のさらなる拡大を目指す。【三菱地所】キャピタルゲインの計上時期が下半期にずれ込むも、通期予想では順調。依然丸の内ビル事業が牽引。【東急不動産】投資家向け不動産販売が不調も、住宅事業は好調。広域渋谷圏構想による渋谷再開発も順調に進行中。【森ビル】投資家向け不動産販売を抑えたことで、分譲事業が前年同期比-82億円と大きく減益。虎ノ門・麻布台プロジェクトに着工。【野村不動産】住宅事業の第四四半期ずれ込みにより大幅減益も、主力の都市開発事業は順調に推移。デベロッパー業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介まとめ過去4年間の営業利益の推移昨年度(2019年3月期通期決算)も含めた過去4年間分の営業利益の推移を示すグラフは以下の通りです。【期間の見方】2016年3月期:2015年4月1日~2016年3月31日2017年3月期:2016年4月1日~2017年3月31日2018年3月期:2017年4月1日~2018年3月31日2019年3月期:2018年4月1日~2019年3月31日上記グラフを見ると、三井不動産・三菱地所・住友不動産の営業利益が過去4年間で順調に推移していることがわかります。不動産業界のトップランナーは変わらず三井不動産。2017年3月期通期決算から三菱地所が次いで二番手。その2社を追いかけるのが住友不動産という構図です。昨年度の不動産業界4位は、過去4年間を通して毎年度微増している東急不動産でした。それに対し、野村不動産・森ビルの営業利益は過去4年間でほぼ横ばいの状況です。【2020年3月期第二四半期決算】不動産6社の営業利益比較【2020年3月期第二四半期決算】は以下の通りです。また、過去4年間分を合わせたグラフを作成しています。【期間の見方】2017年3月期第二四半期:2016年4月1日~2016年9月30日2018年3月期第二四半期:2017年4月1日~2017年9月30日2019年3月期第二四半期:2018年4月1日~2018年9月30日2020年3月期第二四半期:2019年4月1日~2019年9月30日【2020年3月期第二四半期決算】を、前年同期比で対比させてみると以下のようになります。住友不動産:1,375億7300万円(前年同期比9.8%の増益)三井不動産:1,186億400万円(前年同期比5.8%の増益)三菱地所:922億7600万円(前年同期比13.7%の減益)東急不動産:316億8200万円(前年同期比1.5%の減益)森ビル:305億円(前年同期比15.0%の減益)野村不動産:216億8400万円(前年同期比16.7%の減益)このグラフから読み取れることとして、最も大きなポイントが、住友不動産が【2018年3月期第ニ四半期決算】から3年連続で首位に立っていることです。住友不動産・三井不動産が前年度同期比で増益、東急不動産が微増、三菱地所・野村不動産・森ビルが減益という結果になりました。また、不動産業界全体に影響を及ぼすようなトレンドは以下のようなものが挙げられます。「2019年上半期、首都圏の新築マンション供給戸数減少も、平均価格は上昇」首都圏における2019年上半期の新築マンションの新規供給戸数は、前年同期(2018年上半期)の1万5,504戸から2,068戸(13.3%)減少の1万3,436戸で、上期としては3年ぶりの減少となり、「1992年(1万959戸)以来の低水準」となった。2019年下半期の供給戸数は2万3,500戸を見込んでおり、2018年下半期と比べ8.7%増加すると見ている。2019年上半期の1戸当たりの平均価格は6,137万円(同2.9%上昇)で、上半期としては2013年以降7年連続で上昇した。㎡単価は平均90.7万円(同3.7%上昇)で、平均価格と同様、7年連続で上昇した。【引用】「首都圏マンション市場動向」(不動産経済研究所)「2020年東京オリンピック後の不動産マーケットはどうなる?」2020年の東京オリンピック開催が決定したのが、2013(平成26年)年9月ですが、確かに、その位の時期から不動産マーケットは上昇傾向となりました。その時期から地価公示価格の地価変動率推移が一都三県を中心として上昇に転じています。(中略)東京オリンピック後に、リーマンショック級の世界的な経済危機といった不可抗力な事態の発生を除けば、不動産マーケット全体が暴落に転ずることは考えにくく、緩やかな後退をするエリア・分野や、極地的な上昇をするエリア・分野、底堅く平行線をたどるエリア・分野など、かつてないほど多極化した不動産マーケットの状況を迎えるかもしれません。【引用】2020年東京オリンピック後の不動産マーケットはどうなる?(三井不動産リアルティ)ここからは、各社ごとの営業利益の増減要因や今年度の通期予想などについて、【2020年3月期第2四半期決算】を基に分析していきます。【住友不動産】マンション供給の「量」×「質」で、第二四半期決算3年連続首位!住友不動産の2020年3月期第二四半期決算は1376億円の営業利益となり、前年同期の1252億円から9.8%の増益となりました。この結果、第二四半期での営業利益額は三井不動産・三菱地所を抑え"3年連続首位"に立ちました。今期決算分析前年同期比9.8%増益、第二四半期決算では不動産業界首位に立った住友不動産。その要因として考えられるのは、"販売事業の上半期集中"と"賃貸事業の好調"です。住友不動産の過去4年間の第二四半期決算を見てみると、販売事業の通期予想に対する第二四半期までの進捗率に変化があることがわかります。【販売事業の対通期予想進捗率】2016年3月期第二四半期:49%2017年3月期第二四半期:67%2018年3月期第二四半期:77%2019年3月期第二四半期:95%2020年3月期第二四半期:99%このように、2017年度3月期第二四半期から通期予想に対する進捗が上半期に集中していることが分かります。これは、後述する中期経営計画の「量を追わず利益重視で販売ペースをコントロールしていく」「競争激化の用地取得環境が続く中、『好球必打』で着実に確保する方針は継続する」という方針が関わっていると思われます。不動産業界全体として賃貸・販売の需要が集中しやすい第四四半期を待たずに「好球必打」で確実な利益を確保する戦略のため、通期予想の進捗が上半期集中になっているものと思われます。その結果、マンション供給戸数では不動産業界5年連続首位に立っています。また、供給戸数という「量」で首位であることに加え、今後は量よりも利益重視の方針により甘い値付けや値引きをしないで「質」を追い求めていくようです。そのため、三井不動産(分譲事業:347億円)、三菱地所(住宅事業:47億円)に対して、住友不動産の販売事業は464億円の営業利益を第二四半期で記録し、業界首位に立っています。※分譲住宅マンションの販売を行っている事業が、三井不動産では分譲事業、三菱地所では住宅事業、住友不動産では販売事業にあたります。【参考】「住友不動産、事業主別供給戸数で5年連続の全国・首都圏第1位」(日本経済新聞)マンション販売事業が住友不動産の一つの強みではありますが、セグメント別営業利益を見てもわかる通り、住友不動産の主力事業はやはり賃貸事業です。住友不動産は、三井不動産や三菱地所などのように所有物件の売却を繰り返し数百億円の利益を得るようなビジネスをせず、物件を所有し続け賃貸事業や販売事業に回しています。第七次中期経営計画(2017年3月期~2019年3月期)での東京都心への賃貸ビル投資という方針で開発した既存ビルが、昨今の東京都心でのオフィスビルの需要・空室率の低下・賃料の上昇という好調な市場環境の下で功を奏したことが好調の要因です。そのために、賃貸事業では既存物件の賃貸収益だけで、前年同期比61億円の増益、新規物件を合わせて賃貸事業では前年同期比65億円の増益の837億円の営業利益、39%という高い営業利益率を叩き出しています。住友不動産は、第二四半期決算発表後の通期予想営業利益を2,340億円と見込んでおり、これは三菱地所の通期予想の2,300億円を追い抜き、2,800億円を見込んでいる三井不動産に次ぐ業界二位に躍り出る可能性があります。下半期の住友不動産と三菱地所の動向により、不動産業界の情勢に変化が起こる年になりそうです。【参考】【住友不動産】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画住友不動産は2019年5月に第八期中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)を発表し、今年度はその初年度にあたります。経営計画の概要は以下の通りです。第八次中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)✔業績目標→中計最高営業成績連続更新、営業利益三か年累計7,400億円の達成(第七次中計+1,268億円、+21%)✔賃貸設備投資計画→収益基盤強化のため、東京都心における賃貸ビル投資を継続推進✔部門別業績目標→東京のオフィスビル賃貸を成長の柱に<事業戦略>①不動産賃貸→好調な市場環境に支えられた七次を上回る利益成長を目指す②不動産販売→七次で実現した高水準の利益規模を維持する③完成工事→リフォーム(新築そっくりさん)は、六次までの停滞から脱した七次の成長路線を継続する④不動産流通→グループの連携を一層強化し、九次以降の成長基盤を構築する住友不動産は、第八次中期経営計画において賃貸事業を継続的に成長させ、三か年累計の目標営業利益は第七次比+1,145億円の5,300億円としています。第七次中期経営計画(2017年3月期~2019年3月期)で投資した東京都心のビルが2020年3月期第二四半期では既存ビルとして大きな収益源となったことを踏襲し、継続的に東京都心の賃貸ビルへの投資を行うことでさらに収益力を強化させることで実現させる計画です。また、販売事業においては用地取得が激化している環境を踏まえ、量を追わず利益重視で販売ペースをコントロールし、「好球必打」で着実に確保する方針は継続することで、七次の利益規模を維持する方針です。【参考】【住友不動産】第八次中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)【三井不動産】賃貸・分譲・マネジメントとバランスよく増益。海外事業のさらなる拡大を目指す。三井不動産の2020年3月期第二四半期決算は1186億円の営業利益となり、前年同期の1121億円から5.8%の増益となりました。全社消去とは→各セグメントのどこにも分類できない営業利益・営業経費を加算したもの。今期決算分析前年同期比5.8%の増益の要因としては、賃貸事業・マネジメント事業の好調が挙げられます。賃貸事業では、日本橋・八重洲を中心としたオフィスビル、LaLaportやMITSUIOUTLETPARKなどの商業施設といった事業が、賃料改定と空室率の低下により、増益しました。(当期:782億円・前年同期比9.2%の増益/前年同期:716億円)三井のリパークやマンション管理などを手掛けるマネジメント事業も好調で、受託物件の増加により安定した収益に成長しました。(当期:288億円・全同期比19.5%の増益/前年同期:236億円)三井不動産は第二四半期決算発表後に、2020年3月期通期決算での営業利益予想を当初の予想よりも130億円上乗せの2800億円に上方修正しました。機関投資家向けの収益不動産の開発・売却を行う投資家向け分譲事業の営業状況が順調で、通期での分譲事業での営業利益を1240億円と見込んでいることが、通期予想の上方修正の要因となっています。住友不動産は第二四半期決算発表後に通期予想2340億円と見込んでいるのに対し、三井不動産は2800億円を見込んでいることから、三井不動産は通期での首位奪還を見込んでいます。【参考】【三井不動産】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画三井不動産が2018年5月に策定した中期経営計画「VISION2025」では以下の3点を重視して取り組んでいくと明言しています。主要な取り組み方針✔街づくりの一層の進化✔リアルエステートテック活用によるビジネスモデルの革新✔海外事業の飛躍的成長リアルエステートテック(不動産テック)とは→IoT機器やAIなどのテクノロジーを、不動産販売・賃貸・管理の仕組みに取り組むこと。上記の3点の取り組みの中から、三井不動産の強みである海外事業について取り上げます。2019年3月期通期決算での海外事業営業利益は554億円で他社と比較しても高く(三菱地所海外事業:269億円/2019年3月期)、三井不動産の2019年度連結営業利益のうち19.8%を占めています。2019年3月期における、ハドソンヤード(ニューヨーク)・テレビジョンセンター(ロンドン)の賃貸事業(オフィスビル)や、三井アウトレットパーク台中港(台湾台中市)などの賃貸事業(商業施設)などの竣工が海外事業の成長の一因と考えられます。三井不動産はVISION2025の中で、2025年までに連結営業利益に占める海外事業の営業利益を30%程度まで成長させる目標を打ち立てていることから、賃貸を中心とした海外事業がますます展開されていくと思われます。【参考】【三井不動産】VISION2025【三菱地所】キャピタルゲインの計上時期が下半期にずれ込むも、通期予想では順調。依然丸の内ビル事業が牽引。三菱地所の2020年3月期第二四半期決算は923億円の営業利益となり、前年同期の1069億円から13.7%の減益となりました。今期決算分析前年同期比13.7%の減益の要因は、キャピタルゲインの計上時期・国内分譲マンションの引渡時期の差異が考えられています。【キャピタルゲインとは】保有している資産を売却することで得られる売買差益のこと。キャピタルゲインに対し、資産を保有することで得られる収益(利息や配当)をインカムゲインといいます。三菱地所が保有していた不動産を売却したにも関わらず、その収益を第二四半期決算に計上できなかったために、前年同期よりも減益したと考えられています。キャピタルゲインを下半期に計上した際の取引状況は順調のようです。また国内分譲マンションの営業利益計上も下半期に偏重していることも減益の要因となっています。キャピタルゲインの上半期計上額は前年同期から90億円減益の120億円にとどまりましたが、下半期での計上にずれ込んだことで、下半期は前年同期から120億円増益の390億円、通期では前年度から30億円増益の510億円を予想しています。第二四半期決算だけを見ると三菱地所は不調かと思うかもしれませんが、しっかりと通期予想と併せてIR情報を分析しなければいけないことがわかります。セグメント別に見ていくと、三菱地所の主力事業はビル事業であることは一目瞭然です。連結営業利益の65.9%をビル事業が担っています。昨今の強いオフィス需要による追い風により、丸の内を中心としたビル事業では昨年度から53億円増益の1530億円の営業利益という通期予想になっています。その要因の一つである既存ビルの賃料の改定により、賃料収益の増益が2020年3月期第二四半期で22億円、通期予想で38億円に到達する見込みで、過去5年間で200億円超の増益を実現しました。丸の内のみならず、2019年8月には新宿駅直結ビルリンクスクエア新宿が竣工し、竣工時満室にて稼働しており、ビル事業は順調なようです。また、主力のビル事業のみならず生活産業不動産事業では、御殿場など6サイトのアウトレットで上半期収益で過去最高を更新し、前年同期から24億円の増益となりました。海外事業も好調で、アメリカのビルをリニューアルし2019年12月に全体竣工、リーシング内定率は95%となっています。イギリスでも保有物件を売却し、新規物件の建築工事にも着手しています。【リーシングとは】商業用不動産の賃貸を支援する業務のことで、物件に対するテナント付けや物件の収益性を高めるための一連の業務も含まれます。海外事業においても賃貸収益・キャピタルゲインの増加に伴い、前年同期より100億円増益の370億円という通期予想となっています。前述した通り、アウトレットを手掛ける生活産業不動産事業や海外事業が成長していることは間違いありませんが、連結営業利益の65.9%を占めるビル事業が依然として三菱地所の屋台骨を支えています。三菱地所は第二四半期決算発表後に通期予想2,300億円の営業利益を見込んでいます。これは、通期予想2,800億円を見込んでいる三井不動産、2,340億円を見込んでいる住友不動産に次ぐ三番手となっています。今年度の三菱地所は昨年度の2位から一つ後退し、住友不動産に抜かれる可能性があります。【参考】【三菱地所】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画2020年3月期は三菱地所の中期経営計画の最終年度に該当し、第二四半期決算発表ではその目標に対する予想営業利益も提示しています。今回の中期経営計画は以下の通りです。三菱地所グループ中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)✔丸の内エリアを中心とする大型プロジェクトの竣工・稼働寄与→開発・運営ノウハウ、ブランド力を最大限に発揮し、確実な収益を獲得✔海外事業の拡大・進化→三菱地所グループの競争力を発揮できる事業スタイルに注力し、利益成長を実現✔「回転型投資」のバリューチェーン活性化→優良物件の供給を通じ、売却益を獲得するとともに、多様なフィービジネスを展開三菱地所の中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期の3年間)に対して、各指標が無事に着地する見通しであると決算発表会で述べています。生活産業不動産事業で目標比-20億円、投資マネジメント事業で目標比-40億円と当初の目標に到達しないと予想しています。しかし、中期経営計画において注力すると明言していたビル事業では目標比+150億円、海外事業では+80億円、キャピタルゲインは目標比+130億円と予想しています。そのため、連結営業利益では目標比+100億円の2,300億円に到達すると予想しており、今回の中期経営計画は無事目標に到達する見込みです。【参考】【三菱地所】三菱地所グループ中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)【東急不動産】投資家向け不動産販売が不調も、住宅事業は好調。広域渋谷圏構想による渋谷再開発も順調に進行中。東急不動産の2020年3月期第二四半期決算は316億円の営業利益となり、前年同期の322億円から1.5%の減益となりました。今期決算分析前年同期比1.5%の減益となりました。この要因の一つとされているのが、前年同期比-24億円となってしまった都市事業の不調です。投資家向けビル等売却収益が減益したため、都市事業の減益に影響したようです。この都市事業では、東急電鉄沿線エリア、特に渋谷を中心に都市開発を進めてきました。今期は渋谷ソラスタ、渋谷フクラスが竣工、渋谷駅桜丘口地区再開発も10月に着工し、開発ペースは順調の様子です、減益した都市事業とは違い、住宅事業では前年同期比+24億円と好調で、さらに分譲マンションの引渡時期や物件売却が第四四半期に集中する傾向にあるため、第二四半期時点では通期の計画に対して順調に進捗しているそうです。第二四半期決算発表後の通期予想は、当初の予想よりも100億円上乗せの820億円を見込んでいます。通期予想800億円を見込む野村不動産や、620億円を見込む森ビルなどと比べると、東急不動産が一歩抜きんでるかもしれません。【参考】【東急不動産】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画今年度は東急不動産の中期経営計画「ValueFrontier」(2017年3月期~2020年3月期)の最終年度に当たり、近年の東急不動産の経営計画がどのように決算に影響していたか考察していきます。ValueFrontier✔関与アセット拡大✔新たな需要創出3つの成長戦略(1)ライフスタイル提案型の街づくり→【広域渋谷圏構想】(2)循環型投資事業の領域拡大→インフラ・インダストリー・ホテル・リゾート・学生レジデンス(3)ストックの活用強化東急不動産が強みとしている渋谷において【広域渋谷圏構想】を打ち出し、東急グループ全体での渋谷再開発を進め、個別プロジェクトの開発からエリアマネジメントや管理・運営までを含めたグループの独自性を打ち出す街づくりを進め、関与アセットの価値を高めます。また、太陽光発電事業、風力発電事業などの再生可能エネルギーへの投資も積極的に行っています。この中期経営計画では、2021年度3月期通期決算までに950億円の連結営業利益を目標としていますが、今期の通期予想が820億円に留まっているため、目標達成に向けてさらなる追い上げが必要になりそうです。【参考】【東急不動産】ValueFrontier2020【森ビル】投資家向け不動産販売を抑えたことで、分譲事業が前年同期比-82億円と大きく減益。虎ノ門・麻布台プロジェクトに着工。森ビルの2020年3月期第二四半期決算は305億円の営業利益となり、前年同期の359億円から15%の減益となりました。今期決算分析今期決算全体では、前年同期比-54億円・15.0%減益の305億円となりました。この大きな要因が分譲事業での前年同期比-82億円の大きな減益が挙げられます。その中でも特に、投資家向け不動産販売事業が前年同期比-181億円の減益となっています。森ビルは通期予想でも分譲事業で前年度比-66億円と見込んでいます。森ビルは2019年8月に虎ノ門・麻布台プロジェクトに着工しました。他にもグローバルビジネスセンターの形成を予定しています。ここから、森ビルが所有している物件を新規プロジェクトに回すために、投資家向け不動産販売事業を抑えたことが要因かと推測できます。他の不動産が用地を取得してから再開発するのに対して、森ビルは六本木ヒルズや虎ノ門、麻布など高稼働・高単価の物件を港区に多数所有しており、その土地を再開発しているために用地取得コストがかからず事業効率が良くなっています。実際に、主力事業の賃貸事業では高単価の賃料と99%のオフィス稼働率(2019年3月期)があいまって、前年同期比+12億円の194億円の営業利益を出しています。この賃貸事業での営業利益利益率は25.2%と高いです。【参考】【森ビル】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料主要プロジェクト:「虎ノ門・麻布台プロジェクト」「ヒルズの未来形」「総事業費は六本木ヒルズの2倍の5800億円」メインタワー付近には、約700人の生徒が学べるインターナショナルスクールを誘致した。「ヒト・モノ・カネを呼び込むには、外国人が働き、住み、学べることが重要だ」(森ビルの辻慎吾社長)。虎ノ門や六本木エリアには外資系企業が集積し、今回のヒルズのオフィステナントも半数が外資系企業になる予定だという。働くだけでなく、子どもも育てられる機能を付加することで、海外の企業や外国人が集まる拠点にしていきたい構えだ。【引用】森ビル、虎ノ門「第2ヒルズ」に勝算はあるか(東洋経済ONLINE)森ビルが構想から30年を経て着手した虎ノ門・麻布台プロジェクト。その総事業費用は六本木ヒルズの2倍である5,800億円を投じる計画です。東京をさらなるグローバルな都市にするために、虎ノ門を「ヒト・モノ・カネ」が集まる街とすることが目的のようです。オフィス面積・居住可能人数ともに六本木ヒルズよりも規模の大きい開発を予定しているため、竣工予定の2023年以降にさらなる賃貸事業・分譲事業で増益が見込めますが、このプロジェクトの成否によって大きく左右されると思われます。【参考】【森ビル】虎ノ門・麻布台プロジェクト【野村不動産】住宅事業の第四四半期ずれ込みにより大幅減益も、主力の都市開発事業は順調に推移。野村不動産の2020年3月期第二四半期決算は217億円の営業利益となり、前年同期の260億円から16.7%の減益となりました。CREとは→CorporateRealEstateの略で、日本語では「企業不動産」という。企業が事業のために保有している事務所、店舗、工場、福利厚生施設などのすべての不動産を指す。今期決算分析前年同期比16.7%の減益となり、今回取り上げている6社の中で最も大きい減益率となりました。その大きな要因となっているのが、野村プラウドなどのブランドが有名な住宅事業での減益です。マンションと一戸建てを併せた今年度の予定計上戸数が5,100戸であるのに対して第二四半期までには997戸で、一見すると低調な進捗に思われます。しかし、今年度計上予定物件の多くが第四四半期に完成予定であり、通期の計上予定物件に対する第二四半期までの契約進捗率は81.8%と順調です。つまり、契約は取れているが、その物件の引き渡し時期が第四四半期に集中するため、第二四半期では大きく減益してしまったと読み取ることができます。野村不動産の主力事業は、オフィスビル賃貸や商業施設賃貸を行う都市開発事業です。2020年3月期の通期予想での連結営業利益に対する都市開発事業の営業利益は48.1%と野村不動産の利益の約半分を担っています。その都市開発事業の今期の営業利益は188億円・前年同期比+11.4%と好調に推移しました。これは、主に物件売却収入の増加が要因になっています。しかし、都市開発事業のオフィスビルや商業施設での第二四半期空室率は4.3%(前年同期比+0.4%)となっています。空室率の上昇は、オフィスビルや商業施設で空きテナントの割合が増加してしまい、その分の賃料収益が減少することを意味しています。ちなみに、三井不動産賃貸事業のオフィスビルや商業施設での第二四半期空室率は2.0%ですので、野村不動産のほうが2倍高いことが分かります。野村不動産は空室率の改善が今後の課題となりそうです。【参考】【野村不動産】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画野村不動産は2020年3月期~2028年3月期までの9年間にわたる中長期経営改革「NewValue,RealValue」を策定し、今年度はその初年度にあたります。経営計画の概要は以下の通りです。NewValue,RealValue✔連結営業利益:850億円(2022年3月期)(都市開発事業:330億円/住宅事業:330億円)✔分譲・売却事業国内・海外を問わず、分譲住宅事業及び収益不動産開発事業を積極的に展開し、開発利益の拡大を実現。✔保有・賃貸事業優良な賃貸資産の開発と戦略的な物件入替により、競争力の高い賃貸資産ポートフォリオを構築し、安定した賃貸利益を実現。✔海外事業国内で培ったノウハウを活かして事業を展開し、フェーズ3(2026年3月期~20228年3月期)における海外事業の利益比率を15~20%まで拡大。第二四半期で収益用不動産の売却収入が好調だったことで、都市開発事業での営業利益が全同期比+19億円の188億円となっています。今後も国内外を問わずに収益用不動産開発事業を拡大させることで、営業利益を330億円までに成長させる計画です。また、中長期経営計画では、海外事業の展開を示唆しています。すでに進出しているタイ・ベトナム・フィリピンなどの東南アジアでさらに事業を拡大させていくだけでなく、新たな国にも拡大し、2028年3月期までに連結営業利益に占める海外事業の割合を15~20%までに成長させていく姿勢です。【参考】【野村不動産】NewValue,RealValue(2020年3月期~2028年3月期)デベロッパー業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別のLINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際にデベロッパー業界志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。デベロッパー業界志望者向けグループに参加したい方はこちらをクリックまとめ今回は、不動産6社のIR情報を第二四半期決算を基にまとめました。第二四半期では、過去3年間住友不動産が首位となっていますが、その理由を紐解いていくと、住友不動産の中期経営計画に基づく賃貸事業での営業方針が要因の一つとして考えられます。このように各社の経営状況をIR情報を基に分析してみることで、企業ごとの経営方針や各事業部での好不調が見えてきます。さらに中期経営計画と併せて分析してみると、各社が今後注力していきたい事業領域も明白になってきます。第二四半期決算は短期的な実績に過ぎないため、あくまで現時点での各社の経営状況ということに留意した上で、企業研究・業界研究・他社比較に本記事を役立ててもらえればと思います。不動産業界研究科関連記事はこちらから不動産の業界研究記事一覧決算・IR情報に関する記事はこちら不動産6社に関する記事はこちら◆住友不動産◆三井不動産◆三菱地所◆東急不動産◆森ビル◆野村不動産下記の動画では不動産業界の全体像を紹介していますので、参考にしてみてください。 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